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2008.02.20(Wed)

【アメリカか】21世紀の「コソボの戦い」・・・勝者は誰か?(1)【ロシアか】 

  ●以前の記事で取り上げたセルビア共和国・コソボ自治州が、独立を一方的に宣言したというニュースが、つい先日飛び込んできました。
  それに対する、「国際社会」の反応です。

コソボ承認めぐり米欧と露が対立、EUは文民使節団派遣へ
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080218-OYT1T00606.htm?from=navr
--------以下引用--------
 セルビア南部コソボ自治州が17日に独立を宣言したことを受け、独立を支持する米欧と、反対するロシアが、国際世論の主導権をめぐり、早くも激しい駆け引きを展開している。

 「新国家」コソボは、ロシアに国連加盟の道を閉ざされているうえ、当分は欧州連合(EU)に主権を預ける形となり、大国のはざまで翻弄(ほんろう)される草創期を送ることになりそうだ。

 EUは18日、ブリュッセルで外相理事会を開き、独立宣言への対応を協議。「EU史上最大の非軍事作戦」とされる総勢2000人規模の文民使節団のコソボ派遣開始を承認する見通しだ。使節団は、民族紛争が終結した1999年以降コソボを暫定統治してきた国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)に代わり、6月中旬から新国家の行政・司法を監督する役割を担う。

 この計画に対し、ロシアのチュルキン国連大使は17日、独立宣言後にロシアの要請で緊急招集された国連安全保障理事会の非公式会合で「明白な国際法違反で容認できない」と糾弾。18日には公式会合に場を移して抵抗を続ける構えだ。

 ロシアがいう国際法とは、民族紛争後のコソボの暫定的地位を定めた99年採択の安保理決議1244を指す。同決議は、コソボの統治は「国連の庇護(ひご)」のもとで行われると定めており、UNMIKが権限を手放すなら、新たな決議が必要というのがロシアの主張だ。EUは、UNMIKの存在を形式的に残し、その権限をEUが実質的に取って代わるという綱渡りの法運用でこの条項を切り抜けようとしている。

 EUがこうした“奇策”を使ってまでコソボ独立支援にこだわる背景には、第1次世界大戦の発火点にもなった「西バルカンの紛争の火種を恒久的に封印する」(サルコジ仏大統領)という欧州諸国の強い決意がある。米国も、旧ユーゴ安定化には、EU監督下でのコソボ独立が「唯一の現実的な選択肢」(ライス国務長官)との立場だ。

 コソボ問題を巡る米欧・ロシア関係の一層の悪化は、米ミサイル防衛(MD)構想などほかの対立点にも波及しかねず、国際社会全体にも影響を及ぼしそうだ。
--------引用以上--------

  コソボの概要を確認しておきます。

コソボ周辺


  旧ユーゴスラビアは冷戦の終結後、連邦内の各民族の自立の動きが活発になりました。クロアチアやスロベニアといった国々が独立していく中、ユーゴスラビア南部にありアルバニア系住民の多いコソボ自治州もそういう流れに加わることになります。
  これに危機感を抱いたユーゴスラビア政府は、1992年にコソボの自治権を剥奪します。それでも騒ぎが収まらず、98年には反政府勢力であるコソボ解放軍を叩くためにユーゴ連邦軍を送り込みます。
  このようなユーゴスラビア政府の動きに対して、北大西洋条約機構(NATO)が介入、民族浄化と言われた「アルバニア人虐殺」を行うユーゴスラビアに対する非難を繰り返し、反発するユーゴに対して空爆を加えます。
  その後コソボは国連軍の監視下に置かれ、事実上独立国として活動していましたが、主権国家として承認されてはいませんでした。国連に加盟したとしても、安全保障理事会の常任理事国(国連加盟申請に対しても行使可能な「拒否権」を持っている)であるロシアが承認する見通しがないというのが一番大きな理由です。
  ロシアがコソボの独立および国連加盟を拒否する大きな理由は、国内にも分離独立運動を抱えているためです。コーカサスのチェチェン共和国が典型です。これらの分離独立に大義名分を与えてしまうような独立を、ロシアは認めるわけにはいかないということです。

  ・・・とまあ、これは日本のメディアや「国際政治評論家」が唱えている一般論です。これだけ知っていても、この問題の行く末や、まして我が国日本がこの問題をどのようにとらえればよいのかは全く分かりません。
  なぜなら、上のような時事問題の解説は「事実」しか語っていないからです。ここで大きく問題になるのは、当事者の「意図」や「目的」であって、それらを探り当てるためには、報道される事実だけをいくら眺めていても何も分かりません。
  そこで、「地政学」という考え方を用いて、コソボ問題を解読してみるとしましょう。

  コソボはいわゆる「東ヨーロッパ(東欧)」に位置する国です。この東欧について眺めるとき、絶対に忘れてはならない視点は一つだけです。それは、

  「ヨーロッパの関ヶ原」

  ということです。

  みなさんもご存じの●関ヶ原の戦いというのは、戦国時代を終わらせ、徳川幕府の時代を導いた近世日本の最も重要な戦いです。
  関ヶ原がなぜ「関」ヶ原と呼ばれるのかというと、飛鳥時代に天武天皇が不破関(ふわのせき)という関所を設置したからです。
  この関ヶ原の位置は軍事上非常に重要です。地理的に見て、ここを破られたら、機内(京都や大阪など都が置かれた地域)まで敵の大軍を待ちかまえるための防衛ラインを形成できないからです。つまり、関ヶ原を突破されたら、京都や大阪の政権はおしまいだということです。
  おそらく、天武天皇らが「不破」と名付けたのは、「破られたら終わりだから死ぬ気で戦え」という意気込みの表れだったのでしょう。もちろん、それは、不破関の付近を制圧することで大友皇子を倒すことに成功した、天武天皇自身の経験にも裏打ちされていたはずです。
  その「不破関」を突破するために、乾坤一擲、全軍を結集させた上で、綿密な調略を試みた徳川家康が勝者となったのは、ある意味当然だったといえるでしょう。

  この関ヶ原が、ヨーロッパで言えば東欧なのです。以下の地図を見ながら説明しましょう。

ヨーロッパ


  西欧諸国というのは、常に東からの脅威にさらされるという歴史を経験してきました。古くはゲルマン民族の大移動に始まり、中世にはスラブ人、マジャール人(ハンガリーの主要民族)などに加え、モンゴルという脅威にさらされました。
  特に、モンゴルの強さは圧倒的で、当時は最強だった騎馬隊が東欧を蹂躙、一時はハンガリーまで陥落し、後一歩でドイツ・イタリアというところまで侵入してきました。モンゴルの大ハーン・オゴタイが急死しなければ、間違いなく西欧はモンゴルの蹄にかかっていたことでしょう。
  近世になると、オスマン=トルコが西欧を脅かします。イスラム勢力の防波堤だったコンスタンチノープル(現イスタンブール)の東ローマ帝国を滅ぼすと、トルコの軍勢は東欧に迫ります。●「コソボの戦い」というのは、この時代に起こったものです。祖先たちが異教徒トルコに決死の戦いを挑んで散ったコソボは、今でもセルビア人の聖地です。もっとも、トルコ支配時代にアルバニア人がたくさん入り込んで、今に至る問題が形成されたのですが・・・。
  西欧の対トルコ戦争の矢面に立ったのはオーストリアでした。上の地図のVienna(ウイーン)こそ、西欧文明の最前線だったのです。オーストリアは、ウイーンを二度トルコに包囲されたものの、互角以上の戦いを展開し、17世紀にはハンガリーをトルコから奪い返すなど優勢に立ちました。もちろん、これには他の西欧諸国の「協力」があったのですが、これによって西欧へのトルコの脅威はひとまず去ります。
  ところが、トルコの弱体化と同時に、今度はロシアがこの地域に入り込んできました。東欧諸国と同じスラブ系であるということを理由に、トルコの勢力を駆逐、しだいに西欧の位置を脅かすようになります。
  このロシアの勢力が、西欧まで後一歩というところまで迫ったのが第二次世界大戦末期でした。独ソ戦を耐えきったソ連軍が逆襲し、ドイツの首都だったベルリンにまで侵攻します。慌てた西欧勢(この場合はアメリカも含む)も巻き返して、その対立は結局「東西冷戦」に発展するわけです。
  以上のように、歴史上、東欧というのは常に東西の勢力が激突する場所だったわけです。地政学の用語では、このような要地を「ハートランド」と言っています。関ヶ原一帯や中国の「中原」(陝西省)、中東地域などもハートランドです。

  もちろん、現代のハートランドでは、銃弾が飛び交う事態に陥ることはまれです。東のロシアと西のNATOは、いずれも核兵器を保有しているからです。自分が死んでしまうほど強力な相手の反応など、引き出したくないと思うのは当然です。
  その代わりに行われているのが、「経済戦」です。以下の画像をご覧下さい。

ロシアからのパイプライン


  ヨーロッパの石油パイプラインの概略図です。ロシアから東欧を経由して西欧に向かっているものが多く見られます。

  天然ガスのパイプラインになると、もっとはっきり分かるようになっています。

欧州天然ガスパイプライン


  もうほとんどロシアから出てきているのがおわかりでしょうか。

  ロシアの基本戦略というのは、軍事力はあくまで抑止として用いながら、西欧諸国を豊富なエネルギー資源を餌に自陣に取り込むというものなのです。
  ヨーロッパ(EU)は3億人を超える人口を抱え、域内合計のGDPでもアメリカに次ぐ2位です。そのヨーロッパのエネルギーを全てロシアに握られてしまえば、石油決済通貨でもある基軸通貨・ドルの覇権を脅かされかねません。だからといって、いきなり核ミサイルで恫喝すれば、世界中を敵に回しかねません。
  そうだとすれば、アメリカは「ヨーロッパの関ヶ原」をロシアに奪わせないことでこれに対抗するしかないのです。具体的には、東欧諸国の分断と、西側陣営への寝返りです。たとえば、こんな感じでやっています。

チェコと米、「ミサイル防衛システムはNATO防御体制の一部」
http://japanese.cri.cn/151/2008/01/18/1@110905.htm
--------以下引用--------
 チェコのトポラーネク首相とアメリカミサイル防衛局のオべリング局長は、17日、プラハで、「アメリカのミサイル防衛システムは、NATO・北大西洋条約機構の防衛システムの一部だと、両国は見ている」ことを明らかにしました。また、チェコのトポラーネク首相は、「NATOがミサイル防衛システムを設置することに関して、チェコとアメリカは、ロシアとも話し合うべきだと思っている」と強調しました。
 同じ日、ポーランドを訪問しているアメリカのフライド国務副長官は、「アメリカは、ワルシャワで、ミサイル迎撃基地についてポーランドと話し合いを強化したい」と述べました。
--------引用以上--------

  このニュースが出たのは1月18日ですから、ここ最近の騒ぎを見越しての「関係強化」という狙いがあったのかもしれません。
  先ほどのヨーロッパの地図で見てもらえばわかりますが、チェコとポーランドを除けば、西欧の雄・ドイツとロシアとの間にあるのはオーストリアだけです。オーストリアは伝統的に西欧の最前線であり、神聖ローマ帝国皇帝であるハプスブルク家の領土でしたから、ロシアに寝返る心配はあまりありません。
  そうなると、ロシアと同じスラブ系であるチェコとポーランドを押さえておけば、最短距離で西欧を制圧するルートは塞ぐことができます。この方面では、アメリカが圧勝しているといっても過言ではありません。

  しかし、アメリカの戦略がうまく行っているのかというと、必ずしもそうはいえないのです。その象徴がコソボなのです。

  長くなるので、次回に続きます。

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Comment

●アメリカについて

アメリカの世界覇権を確実にするチャンスはソ連が解体?した時だったと思います。その時アメリカは多分どんな政戦両略も上手くいったのではないでしょうか?このチャンスを各国がアメリカに従うと良い事があるという飴と覇権を認めるという鞭を使えば今頃アメリカは世界から好かれ?尊敬される国になっていたと思います。
しかしアメリカはそれをやらず世界各国にグローバル化を押し付け各国の富をアメリカの企業が吸い尽くすようなことをして世界の信頼を失いました。一度失った信頼はもう取り戻すことは難しいでしょう。
各国の反米感情の高まりやイラク戦争の失敗、サブプライム問題など次々アメリカの失態が続くのは多分世界の覇権を握る国でないと各国が思いはじめたからではないでしょうか?
そんな時、アメリカの横暴を横目で見てる国々がロシアなど他の国と手を結ぶか考えるのは当然の流れと思います。
アメリカ国内の白人と非白人の関係はイスラエルとパレスチナに似てます。パレスチナの人口がイスラエルの人口より多くイスラエルはパレスチナにすり寄るか弾圧するかになりました。これからのアメリカの非白人の人口は白人の人口をぬかすかもしれないということはアメリカ国内でイスラエルとパレスチナのような問題が出てくる可能性があるのではと思います。アメリカがイスラエル寄りな理由ってどちらも人口が増える国(人種)に対する恐怖心があるせいではないかと感じました。多分アメリカの白人は非白人をなるべく刺激せず、すり寄るような行動をとるのではと思います。非白人達を一致団結させて白人に刃向かうことのないように白人は外国へは世界に対する影響力があることを見せつけることを繰り返すのでは?アメリカの白人は世界でこんなに影響力があるんだと見せれば、非白人達の意見が白人は凄いと思う者と非白人の権利?拡大を思う者となど意見が分かれるかもしれません。白人が一番恐れるのはアメリカ国内の権力を非白人に奪われ、世界各国がそれを認めることなのではないか?
そう考えるとアメリカ白人の既得権を持つ者達は日本に米軍のかわりに世界に軍隊を派遣してもらって日本の頭をアメリカが抑えれば世界の影響力を維持出来ると考えるのでは?多分日米同盟の強化とかの狙いはこれだと思います。そうすればアメリカのかわりに日本が世界各国から嫌われるし一石二鳥と思うかもしれません。自衛隊の海外派兵を認めるのは日本にとってマイナスになるだけかもしれませんね。
幸未来願 | 2008年02月25日(月) 02:00 | URL | コメント編集

●>>幸未来願さん

>各国の反米感情の高まりやイラク戦争の失敗、サブプライム問題など
>次々アメリカの失態が続くのは多分世界の覇権を握る国でないと
>各国が思いはじめたからではないでしょうか?

  それも、一つの理由であることは間違いないでしょうね。

  アメリカは、産業競争力では日本に勝てないことを知って、プラザ合意以降金融で日本を支配するという方向に完全に舵を切りました。日本の産業を「金で買う」ことに全力を傾け、それを正当化するための論理を次々と「輸出」したのです。グローバルスタンダード、財テク、IT、株主利益の最大化、コーポレートガバナンス、リスクとリターン・・・。
  しかし、そのことによって、アメリカの産業競争力の低落が止まらなくなりました。では、彼らはどうやってそれを補ったか?
  答は、中国に安値で作らせ、デフレ輸入を行うというものでした。最近日本でチャイナ・フリーの動きが高まっているので、慌てたグローバリストの飼い犬どもが「日本は中国なしではやっていけない」と言っていますが、とんでもない。日本はホワイトカラー偏重の就業人口比率を修正する政策を導入すれば、もともと生産性が高いので、世界の産業を牛耳るだけの力があります。中国がいなくなればおしまいなのはアメリカです。なにしろ、彼らは自国でモノを作ることができないのですから。
  ヒスパニックの低所得層にわけのわからないローンを組んでまで住宅バブルを起こさなければ資金が集まってこない・・・もう、アメリカはダメでしょう。すぐに倒れることはありませんが、これからゆっくりと衰退していきます。
  幸未来願さんがおっしゃるように、ソ連崩壊のあと調子に乗りすぎたのが最大の敗因です。「禍福は糾える縄のごとし」と言います。日本のバブル崩壊も同じです。イケイケドンドンの時こそ、あとに禍根を残しやすいのです。近江商人の「三方よし」が商売の基本です。
  グローバリゼーションで一時的な勝者となったアメリカは、グローバリゼーションで滅びるのです。
ろろ | 2008年02月26日(火) 02:37 | URL | コメント編集

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