2017年02月 / 01月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728≫03月
--.--.--(--)

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
EDIT  |  --:-- |  スポンサー広告  | Top↑
2007.10.10(Wed)

日本は「満州」の夢を捨てられるか(3) 

  同タイトル●その(1)および●その(2)に続く記事です。今回は、中国東北部にとってのもう一つのリスク要因である「朝鮮」について検討したいと思います。
  以前、「大連で日本のコールセンターを請け負う計画がある」という話をしましたが、それとよく似た面白いニュースを見つけました。以下に引用します。

延辺科技大人力開発院、第1期日本就業 IT教育課程の入学式
http://www.searchnavi.com/~hp/chosenzoku/news5/071005-2.htm
--------以下引用--------
延辺科学技術大学人力開発院では 9月 24日、社会教育院で第1期日本就業 IT教育課程の入学式を行った。 延辺各県市から集まって来たおよそ 20人 (満 19歳~35歳)に達する入学生たちは、日本での研修、就職を目的に今度の IT教育に参加した。

入学生たちは日本語の知識水準の差によってまず様々な日本語教育から受ける。一学期の日本語と IT教育課程を経て、志願により日本のその他の業種に研修に行ったり、あるいは IT教育課程に合格した者で当地の日本 IT企業で 1年間実習を終えた後、再度日本の IT会社に就職しに行くことになる。この人力開発院では、より多くの青年たちの日本への就職のために持続的に学院生たちを募集する。

延辺科学技術大学人力開発院・李明淑院長は、大学を卒業した若者達はもちろん、大学を出ることができなかった青年たちでも現代的な専門技術を掌握して国際社会の現場で先進国の企業文化と企業人の姿勢から学ぶことは、職場生活と人生で成功に近付く重要な一歩になるだろうし、彼らが IT産業分野の主力軍として成長する機会を提供したいと強調した。 このような近道を開いて行くことが人力開発院の次元では特別な意味を持つと付け加えた。

入学式で延辺科学技術大・金鎮慶総長は、学生たちに 《国際化時代にふさわしい夢を育て、どこででも主人公としての公的な態度で働き、 <私にも出来る、やれば出来る>という肯定的な意識で果敢に、真面目に努力し、感謝することができ、施すことができる生活をするために努力すれば、必ず志を果たすことが出来る》と鼓舞激励した。
--------引用以上--------

  「延辺」という名前が出てきました。場所を確認しておきましょう。

中国東北部の地図


  上の記事に出てきた二人の人物、特に「金鎮慶」という名前で、ぴんと来る人は来たでしょうね。その通り、彼らは朝鮮族です。
  朝鮮族は、中国国内にいながら朝鮮語を話し、ハングルを用い、朝鮮文化を継承している人々です。東北部を中心に200万人ほどいると言われています。特に延辺朝鮮人自治区では民族教育を独自に行っており、朝鮮語で教える大学(延辺大学)も存在するほどです。
  朝鮮族の歴史は、清王朝が満州、すなわち今の東北部開発に着手し始めた19世紀末にさかのぼります。労働力が不足していたため、李氏朝鮮から移民を導入したのが始まりです。20世紀になると日本が経営する開拓事業の中で貴重な労働力とされ、日本領であった朝鮮からたくさんの朝鮮人が満州に移り住んだとされます。断っておきますが、強制連行はしていません(笑)。
  日本が満州から撤退した後、この地を支配することになる中国共産党は、一応民族の自治を掲げていたこともあり、朝鮮人を自国内の少数民族と位置づけ、その自治を認めました。そういうわけもあって、今でも朝鮮族が独自の言語や文化を保持することができているのです。

  しかし、皆さんこれ、何か違和感を感じませんか?

  中国は独立国であったチベットを侵略して併合し、その後もデモを武力で鎮圧するなどの対応を行っています。また、宗教的背景の違う東トルキスタンに対しては強制断種や堕胎などを行っているのも知られています。
  それなのに、なぜ朝鮮族にはこれほどまでに丁重な扱いをするのでしょうか?

  最近私が気づいたのは、朝鮮族は「ある目的」のために生かされているのではないか、ということです。その目的とは、ズバリ、

  「中国共産党による朝鮮半島併合の口実」

  です。ここでいったん区切って、後半に続きます。


【More・・・】

  中国が朝鮮半島を併合するなんて、おまえの妄想だろう、という方もいらっしゃるかもしれませんが、ちゃんと根拠はあります。それが「東北工程」です。

  「東北工程」というのは、中国政府が1997年から開始した歴史見直しプロジェクトです。2002年から事業が本格化し、年間予算が5年間で200億元(日本円で約3110億円)ほどかけています。
  歴史を「見直す」ところが、王朝が代わるたびにその王朝にとって都合のいい歴史を編修し直してきた中国らしいですが、そのプロジェクトの中核になっているのは何かといえば、●高句麗(こうくり)という王朝の扱いなのです。中国政府はこの高句麗について、東北工程の中で「中国における少数民族政権である」という結論を出すに至りました。2004年のことです。
  それに対する朝鮮半島の二つの「国」の反応がこれです。

外交部、高句麗史歪曲の是正措置要求へ
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2004/09/17/20040917000027.html
--------以下引用--------
 外交通商部は17日、中国政府の傘下機関が発行する月刊誌で「中国の少数民族政権」と再び高句麗史を歪曲したことと関連し、中国側に是正措置を要求する方針だと明らかにした。

 外交部の李揆亨(イ・ギュヒョン)スポークスマンはこの日の公式ブリーフィングを通じ、「該当の月刊誌を発行しているのは『中外文化交流』という機関だが、中国文化部が発行を主管しているだけに、これを重視し、今週中に大使館を通じて中国側に正式に問題提起する方針」と述べた。
--------引用以上--------

北「高句麗は自主独立国家」
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2004/09/14/20040914000071.html
--------以下引用--------
 北朝鮮の官営朝鮮中央放送は14日、「高句麗は対外関係において確固たる民族的自主権を固守しており、それを侵害しようとするいかなる試みも断固として撃破した」とし、「高句麗は大国の少数民族政権や地方政権、属国ではなく、堂々とした自主独立国家だった」と報じた。


 これは、「高句麗が中国史の一介地方政権に過ぎなかった」とする中国の高句麗史歪曲を間接的に批判したものと見られる。
--------引用以上--------

  南北が見事なコンビネーションを見せているのがよく分かりますね。
  特に、北朝鮮側の「大国の少数民族政権や地方政権、属国ではなく、堂々とした自主独立国家だった」という見解には、中国に対する強い反発の意志を感じます。どうやら、巷で言われているような(ネットの世界でも安易に流布している)「北朝鮮は中国の子分みたいなもの」という認識は、改めた方がいいようです。
  
  高句麗というもうすでにこの世に存在しない王朝を巡って、中国と朝鮮が火花を散らしているのは、中国東北部の支配権に対する正当性がかかっているからです。
  ここで重要なのは、中国はこの「東北部」の中に「朝鮮半島」も含めていることです。

東北工程:高麗も中国が建てた国=中国歴史雑誌
http://www.chosunonline.com/article/20070606000006
--------以下引用--------
 韓半島(朝鮮半島)の王朝国家・高麗について、「箕子朝鮮、高句麗に続き、中国が韓半島に打ち建てた3番目の政権」と歪曲(わいきょく)した論文が、最近中国・吉林省の社会科学院が発行した雑誌に掲載されたことが確認された。

 吉林省社会科学院が隔月刊で発行する歴史雑誌『東北史地』は、2007年第3号(5・6月号)に掲載した「後唐の明宗が、高麗を建国した太祖・王建(ワンゴン)の族籍を明らかにした」という主題の論文で冒頭のような主張を展開した。

 吉林省社会科学院の歴史研究所の史長楽研究員が著者となっているこの論文は、「王建は決して韓半島の新羅人の子孫ではなく、中国・淮河流域から来た漢人の末裔(まつえい)」と主張し、933年に後唐の明宗が太祖・王建に送った冊封詔書などをその根拠として提示した。

 冊封詔書には太祖・王建を「長淮の茂族」と呼んでいる部分があり、この論文は「長淮は淮河流域を意味する言葉で、太祖・王建の本籍地が中国であるため、高麗は中国人が建国した国」と主張している。これに対し、国民大の朴宗基(パク・チョンギ)教授は「高麗は高句麗を継承したことを自ら主張したわが民族の王朝」と反論した。
--------引用以上--------

  中国側の見解では、高麗王朝まで「中国人の政権」になってしまっています。このことが持つ意味は重大です。中国は、暗に「朝鮮半島は中国のものだった」と主張していることになるからです。
  このような動きは、地政学の観点からはほぼ100%理解可能です。少し時計の針を戻して議論してみましょう。
  冷戦期の朝鮮半島について簡単にいってしまえば、「北朝鮮という取り扱い要注意国を作り、中国とソ連を天秤にかける」ことに加えて、「韓国に米軍を呼び込んで、三すくみの状態にさせる」というものだったということができます。
  欧州のように米ソが対峙するという綺麗な図式にならないのは、中国がいるからです。北朝鮮の建国にはソ連が大きく関わっていると言われていますが、朝鮮戦争で中国共産党が義勇軍を送って以来、北朝鮮と中国との関係が強化されたと言われています。
  この義勇軍でも分かるように、中国は北朝鮮に対しては、有事に当たって陸軍力を投射することが出来るポジションにいる唯一の国です。もちろんソ連、今のロシアも北朝鮮に鉄道を引いていますが、こんなのは線路を爆破されてしまえばそれまでという頼りないものです。中国が鴨緑江のほぼ全域という長大な国境線で朝鮮と接していることと訳が違います。
  地政学、特にリアリストと言われる学派に顕著に見られる傾向は、「意思ではなく能力」というものです。その観点からすれば、いくら社会体制が似通っていて、首脳同士が義兄弟の契りを交わしていたからと言って、北朝鮮が中国に対して無防備でいるということはあり得ない発想です。
  だからこそ、冷戦が終結してまもなく、北朝鮮は核拡散防止条約(NPT)からの脱退を宣言したのです。北朝鮮国内では1950年代から核開発に着手していたようですが、それを全世界に向かって明言したのです。ソ連が崩壊して朝鮮半島のパワーバランスが崩れ、中国が経済成長を通じて軍事費を増大させている状況です。北朝鮮の核開発宣言は、中国に対する牽制以外の何者でもありません。
  中国の「東北工程」が、その3年後に始まっているのも、朝鮮に対する宣戦布告に他ならないというわけです。そして、その「攻撃」は、高麗の中国史「編入」で最終段階に到達しました。
  中国は、東北部を経済発展の目玉にしたいと願っています。これは切実です。中国は輸血(外国からの投資)がないと存続すら危ういような「瀕死の重傷国家」だからです。
  現在の中国が「発展」しているのは、グローバリゼーションを全面的に受け入れたからです。要するにグローバリスト(両用語の定義は●こちらを参照)に対して門戸を開き、自国内の物的人的資源を切り売りしながら生きているのが中国なのです。
  北京オリンピックが開催され、上海万博も終わった。華中華南の沿岸部は人件費が高騰している。西部大開発では作ったものを世界に向けて輸出できない。そうなると、もう中国が「売りに出せる」のは東北部しかありません。
  その東北部に隣接して、北京や大連、瀋陽、ハルピンなどを楽々核攻撃することが出来る国があるのです。「意思ではなく能力」で判断すれば、こんな危険な状況はありません。しかも、その危険な国を指導しているのは、キムジョンイルという猜疑心の固まりのような人間なのです。
  中国としては、なるべく早く北朝鮮を叩きつぶし、傀儡政権を樹立したいと思っているでしょう。
  しかし、そんなところに来てとんでもない横槍が入ってきてしまったのです。それが、●こちらの記事にもあるように、「北朝鮮とアメリカとの提携」なのです。
  また、ごく最近の記事でも、北朝鮮がアメリカや日本の力を利用しようとしているという見方が出ています。

「金正日、北方3角から南方3角に経済協力旋回」
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=91766&servcode=500§code=500
--------以下引用--------
南北会談専門家の金達述(キム・ダルスル)氏(78)は7日、「2007南北首脳宣言」を分析した後、「金正日(キム・ジョンイル)国防委員長が経済分野で北方3角関係から脱け出し、南方3角関係に方向を転換したとみられる」と述べた。

北方3角とは北朝鮮・中国・ロシアの経済協力関係であり、南方3角は韓国・米国・日本。 金氏の分析は、北朝鮮が中国・ロシアに依存してきた経済協力を今後、米国・日本の方向に転換するというものだ。

金氏は30年間にわたり情報機関で北朝鮮を研究し、97年の現役引退後も00年南北首脳会談を控えて、金委員長の代役として金大中(キム・デジュン)当時大統領と模擬会談を行った‘金正日専門家’だ。

金氏はこの日、記者と会った席で「北朝鮮がロシア・中国との経済協力に限界を感じたようだ」とし「南側政策当局者らは、北朝鮮が西側国家の資本を誘致できる環境を作り、自活力を高めていけるよう支援する作業を並行していかなければならない」と主張した。

--2007年南北首脳会談の総評は。

「経済協力部分で成果があった。‘参加政府’の末期に行われる首脳会談であるだけに、経済協力分野で最大限の協力があるはずだという当初の予想は大きく外れていない。 相互不可侵を明文化した南北基本合意書(92年)の内容も盛り込まれた。 盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が会談中に荷物をまとめて帰ると言いながら‘背水の陣’を敷いたという話が出てきているが、良い結果を引き出したようだ。 会談前に話したように金正日国防委員長は会談の雰囲気づくりに突出した人物だ。 仮に雰囲気にのまれて合意文作成にこだわりすぎていたなら、良い成果は出なかったはずだ。 政治・統一分野では北朝鮮の主張を受け入れたとみられる」

--‘自主’を主張する北朝鮮が変わったということか。

「金正日委員長は非常に実利的な人物だ。 金日成(キム・イルソン)主席も60年代、ソ連と中国の間で‘綱渡り外交’をして大きな利益を得た。 現在、北朝鮮は国際的に孤立している。 自ら経済難を解決できないことは金委員長もよく知っている。 方向を修正するしかない状況だ」

--北朝鮮が方向転換したと考える根拠は。

「究極的な方向転換と言うにはまだ早すぎる。 変化の動きが経済分野に限定されているからだ。 北朝鮮はその間、中国・ロシアと相互協力してきた北方3角関係の経済協力枠組みから抜け出すことができなかったが、限界を感じたようだ。 84年に海外資本誘致のために‘合営法’を作り、中国・ロシアと隣接した新義州(シンウィジュ)と羅津(ラジン)・先鋒(ソンボン)を特区に指定した。 政治的な負担が小さいロシアと中国の資本を念頭に置いたものだ。 しかし2カ所とも失敗した。 したがって韓国に目を向けざるをえなかった。 その間難色を示してきた西海(ソヘ、黄海)海州(ヘジュ)・南浦(ナンポ)と東海(トンへ)安辺(アンビョン)で経済協力をすることにした点には意味ある」

--南北経済協力は進展すると思うか。

「内部的には論議があるだろう。 かつて金達玄(キム・ダルヒョン)総理が韓国資本の受け入れを主張して粛清された。 しかし今は南側との協力が避けられない状況だ。 北朝鮮が希望する米国との関係改善のためにも必須だ。 米国との関係が改善されれば、日本との関係も自然な流れで改善される」

--北朝鮮にとって米国・日本は相変わらず打倒の対象ではないのか。

「打倒を主張するのは住民結束のためだ。現実的に見て米国・日本は世界経済の核心だ。社会主義経済圏が消滅した状況で米国・日本との取引なしに生き残れるとは考えていないだろう。 北方3角関係(北朝鮮-中国-ロシア)から抜け出し、南方3角関係(韓国-米国-日本)と取引をするしかない環境だ」

--後輩たちに言いたいことがあれば。

「90年代初めのことだが、北朝鮮は韓国の経済成長を認めなかった。‘南は運よく米国側の列に並び、北側は並ぶ列を間違えた’と愚痴を並べた。 北朝鮮は自国を顧みて国防強化よりも民生経済に注力しなければならない。 南側当局も無制限に北朝鮮を支援するよりも、北朝鮮が西側国家の資本を誘致できる環境を作り、自活力を高められるよう支援すべきだ」
--------引用以上--------

  この専門家自体が北朝鮮のシンパもしくは工作員なんじゃないでしょうか。キムジョンイルの口からでは、政治的な理由で、まあせいぜい●「私はインターネット専門家だ」(笑)という程度しか発言ができないので、別人の口を借りて、方向転換をPRしているというわけです。
  これでは、中国が難癖をつけて北朝鮮に攻め込むというオプションを取ることができません。六カ国協議から日本は離脱しろ、という声をよく聞きますが、一番離脱したいのは中国なのではないかと思います。
  昔の中国であれば、ベトナムに対してやったように、国際世論を敵に回しても「懲罰戦争」を敢行することができたのかもしれませんが、そんなことをやったら株価が低迷し、投資が来なくなってしまいます。中国が一番おそれている事態はそれなのです。

  北朝鮮を生かし続けても東北部は開発できない、かといって北朝鮮を力で排除すればアメリカやロシアからの非難は避けられず、欧米の投資が逃げていく・・・。

  このジレンマを解消する手段がひとつだけあります。それは「北朝鮮が勝手に倒れてくれること」です。
  もちろん、勝手に倒れるということはありません。なぜなら、北朝鮮は、北朝鮮がなくなってしまうと困る周辺の多くの国によって支えられているからです。その代表格が、韓国と日本です。
  だから、中国からすれば当然、韓国と日本からの糧道を断ってしまえばいいという結論になるでしょう。
  ●以前の記事で触れたように、韓国に対しては、対中貿易に依存させ、企業買収で足腰を立たなくさせることで中国に逆らえない状況を作り上げています。おそらく、仕上げは冒頭に挙げたような朝鮮族の知識人階級の投入による事実上の併合になるでしょう。こうすれば、北朝鮮の裏を取ることもできます。

  日本については、目立った動きは出ていませんが、マスコミが「高句麗問題」や「東北工程」を全く取り上げないことに一つの大きな流れを見て取ることができないわけではありません。
  しかし、おそらく究極の対日工作は、中国東北部に向けた大規模な投資や日本企業の生産拠点移転誘致という形を取ることでしょう。大連でたくさん「生産」されている日本語人材とやらも、そのための道具です。
  これこそが、私が一番恐れている事態です。あの地域に権益を樹立したとき、日本が後戻りできない状況が生まれるのではないかと思っているのです。
  日本としては、もう本当に現状維持でいいのです。北朝鮮が存在し続け、中国と睨み合いを続けているという状況なら、日本は中国相手の軍拡もせずに済みますし、
  日朝国交回復というのは、拉致問題の解決や屈辱的なピョンヤン宣言の見直し、朝鮮総連という反社会的存在の解消などがなければとうてい受け入れることはできません。
  このことと、水面下での支援は別です。私の推測ですが、冷戦下での北朝鮮に対して、日本はいろんな形で支援を行っていたのではないでしょうか。朝鮮総連に属する企業からの送金などがまさにそれです。
  しかし、その目的のためにパチンコやサラ金を野放しにしてしまったことで、日本の社会にはかなりの被害が生じています。我が国の政治家に対する影響力を強めた(たとえば、●パチンコ議員の存在)ことも、日本人のための国家意思形成という点でマイナスでしかありません。 
  だから、できることなら、日本人自身による、一貫した戦略に基づいた北朝鮮支援ができないものかと思うのです。アメリカに「おまえは金を出せばいいんだ」「黙って俺の言うことを聞け」と言われて、ヘラヘラ笑って従うような姿勢でいてほしくはないのです。
  自分の足で立っていないから、高句麗問題ひとつも報道できず、北朝鮮との国交正常化がいつの間にか既定路線になってしまうのです。アメリカと中国の間で翻弄されているだけでは、両国が結託した場合に何の防衛策も講じることができなくなります。

  具体的に何をすればいいのかという話ですが、まずは、在日朝鮮人(北朝鮮側と距離を保っている韓国系がよい)をうまく使って、中国にいる朝鮮族との間にパイプを作っておくべきです。
  在日朝鮮人を今すぐ追い出せといってもなかなか難しいでしょうし、多くの日本人が受け入れるとは思いません。それならば、逆手にとって利用するという発想をすることも考えなくてはいけません。外国を過剰に敵視するブログは多いですが、どうしていつも日本は守る側にいるという発想しかしないのでしょうか。もう少し、現実的な視点に立って議論した方がいいと思います。
  その上で、朝鮮族をパイプにして(貿易を媒介にすると良い)北朝鮮の政府内部とコネクションを作り、アメリカに頼らないルートで情報を仕入れるのです。日本がアメリカに依存してしまっているのは、この情報という分野なのではないでしょうか。さすがに白人だらけの欧州でこの方法は取れませんが、在日朝鮮人を使えば、中国や朝鮮、さらには極東ロシアなどでかなりの情報を入手することが出来ます。人材の育成などハードルもありそうですが、そういう観点も必要ではないでしょうか。
  そうすることで、無用な争いが中国東北部、ひいては東アジアに勃発することを回避できる可能性も高くなるのです。

  何よりも大切なのは、日本は以前大陸に進出して痛い目に遭っているということをきちんと自覚することです。
  ここで、満州に手を出した最終的な結果がどんなものだったか、紹介しておくことにしましょう。

岡本輝雄氏によるシベリア抑留記
http://www.eonet.ne.jp/~yowara/siberia1.html
http://www.eonet.ne.jp/~yowara/siberia2.html
http://www.eonet.ne.jp/~yowara/siberia3.html
http://www.eonet.ne.jp/~yowara/siberia4.html

--------以下引用--------

初年兵の村上二等兵が、熱を出して苦しみだした。私はとりあえず彼を上段に寝かせ、兵隊たちが頭を雪で冷やす。

「しっかりしろ、こんなところで死ぬなよ」

次の朝、食事で停車した時に将校が巡回してきたので私は、村上二等兵のことを告げて「薬がほしい」と頼んだ。

「薬、そんなものあるか、気合いで治せ」
巡回将校は冷たく答えた。

だが、将校たちの乗った貨車には軍医もおり、薬も多く持ち込んでいたはずである。私は薬用アルコールを酒の代わりに飲んで酔っぱらっていたのを、知っていた。

村上二等兵は、朝食も食べられず苦しんでいる。兵隊たちは交互に励ましながら熱の下がるのを待った。だが、熱の下がる様子もなく、うわごとを言い始める。やがて静かになったと思ったら息を引き取っていた。

村上二等兵は、終戦直前に召集された兵隊とは名ばかりの、四十歳近い開拓団員であった。東満の開拓団村には、奥さんと二人の子供を残してきた、と心配していた。

貨車の中には同じような初年兵が数人いた。昼食をとるために停まった、つぎの駅で、村上二等兵の遺体は担架で運び出される。他の車両からも同じように運び出されるのが多く見られた。

・・・・・・

飯あげのため降りた兵隊につづいて、薪集めをしようと数人の兵が降りる。しかし、すぐソ連の警戒兵から威嚇射撃を受けて、あわてて貨車に戻った・・・

「班長、この輸送は当分続きそうです。これからは寝る者とペチカの守りを六時間毎に交替でしましょう。寝るときは上段で、下にいるときはペチカの守りとトイレの手入れ、そうすれば当分、下の板は焚けます」「そうだな、そうしないと、また村上みたいになる者が出るかも知れないからな」それを聞いて下段の初年兵の捕虜たちは喜んだ。私はもう二度とこの車両から犠牲者を出したくないと考えた。列車が停まる度に、どこかの車両から、つぎつぎと遺体が担架で運び出されていたからである・・・

つぎの停車駅で薪の支給があったが、他の貨車からはつぎつぎと遺体が担架で運び出されていた。寒さに耐えられなかったのだろうか。

・・・・・・

「ウワー!凄いシラミだ」
上の段で寝ていた兵隊が静寂を破って、脱いだ毛糸の防寒シャツを見ている。ペチカの守りをしていた私も、自分のシャツを見ると、編み目という編み目に、まるまると肥ったシラミがびっしりと付いていた。みんな慣れてしまって痒くないので、気が付かなかっただけであった。

・・・・・・

やっと数え終わって行進が始まる。カンボーイ(ソ連の警戒兵)が何か叫んで私の頬を叩いた。

「鼻が白くなっているから擦れ、と言っているよ。他にもいるぞ」
通訳は叫ぶ。私は慌てて鼻をこすったが、感覚が無くなりかけていた。

・・・・・・

ラーゲルでの食事は悪く、飢餓状態が始まりかけていた。規定では、穀物四百グラム、野菜七百グラム、魚百五十グラム、肉五十グラムに、砂糖や油などの調味料と、別に黒パンが三百グラム支給される、ということであったが、黒パンは三百グラムあるとは思えず、野菜や魚や肉をぶちこんだ雑炊も、規定量あるとはとても思えなかった。

飢餓状態が広がってきた。炊事場から樽で班毎に分配された雑炊を、当番の兵隊が運搬途中に手で掬って食べる。特に朝と夕方の運搬は暗闇になるので、他の班の兵隊が襲ってきて略奪されることもあった。だが、襲った兵隊が捕まると、見せしめのためにひどいリンチが待っていた。衣服を全部脱がされて何時間も床の上に正座させられる。部屋はペチカで暖められているが、床は濡れて冷たい。

それでも、雑炊運びが度々襲われる。当番の兵隊が殴り倒されて樽ごと奪われた班もあった・・・

リンチは毎日のように行われるようになった。特に中原軍曹という力士上がりの職業軍人の班長は部下に対してひどいリンチをしていた。彼は兵隊を裸にして正座させるだけでなく、金具の付いたバンドで気を失うまで殴りつける。身体中がみみず腫れになって悲鳴を上げ、やがて気を失う様子は、私には直視出来なかった。

・・・・・・

毎日のように、半ば餓死状態で死んでゆく兵隊たちをよそに、彼ら(注:上官たち)は飽食しながら麻雀を楽しんでいた。彼らは捕虜になっても、かつての軍隊の組織を保とうとした理由が、私には判るように思った。
中原軍曹の班では死者が十名を越えたが、それでもリンチは続けられた。ある日のこと、その中原軍曹がトイレの端の雪の中で頭から血を出して倒れているのが発見された。その傍らには作業用のパールが一本転がっていた。

・・・・・・

半ば餓死状態で死亡した兵隊たちは、一糸も纏わず遺体置き場に野ざらしにされた。それは、骨に皮がくっついただけのミイラのようであった。

しかし気が付くと、生きている私達の様相も死者とあまり変わらなかった。私自身もあばら骨が胸にはっきりと浮かび上がっているのを見てぞっとする。

作業に駆り出されて途中で意識を失って死ぬ者も現れる。このラーゲルに来てから一ヶ月も経たないのに、私達の収容されている建物の死者は三十名を越えた。

・・・・・・

ラーゲルでは次から次へと発疹チフスの患者が出る。その原因は、長時間の貨車輸送で兵隊たちが持ち込んだ「しらみ」であった。ソ連関係者は、その「しらみ」を撲滅する対策には早くから取り組んでいた。

捕虜たちを交替でバーニア(ロシア式のサウナ風呂)に入れて、身体に付着して「しらみ」を殺し、その間に着ている衣服を高温滅菌消毒をした。だが、身体と衣服から「しらみ」を駆除しても、藁布団や部屋の隅々で生き残り、なかなか完全には撲滅できなかった。

ラーゲルではリンチに代わって発疹チフスが猛威を奮い始めた。今度は下士官も兵隊も関係なく発病した。だが、発病するのはやはり、栄養失調で身体が弱っている兵隊の方が多かった。

私たちの作業は、ペチカの薪集めや糧秣の運搬よりも、死体を埋葬する場所を造る方がだんだん多くなっていった。

・・・・・・

穴掘りと埋葬作業が一番辛かった。祖国を離れ、この遠いシベリアの凍土の中に埋められる彼らのことを考えると、私は涙も涸れていた。そして「明日は我が身」かもしれないのである。

亜寒地帯のこの付近の一月の平均気温はマイナスの二十五度だと言われている。通常、捕虜たちはマイナス三十度を超える日は作業をしないことになっていた。だが、それでは墓穴が不足してしまうので、マイナス四十度を超す酷寒の日でも墓穴掘りの作業に駆り出された。

--------引用以上--------

  これが、日本がその国柄と全く相容れない「大陸進出」を行った結果なのです。中国東北部に進出しようなどと考えている馬鹿な企業のトップや、それを後押しする政治家たちは、襟を正して岡本氏の声を聞くべきです。

  初めは工場だけだったかもしれません。しかし、それが居留民も含めて放棄するには大きすぎる権益に成長した時、日本は「陸では中ソ、海では米英を敵に回した勝ち目のない戦い」に身を投ずるしか選択の余地がなくなっていたのです。
  21世紀の日本が同じ道を歩まないとは限りません。現に、9月末まで政権の座についていたボンクラ首相は、憲法を改正して軍隊を保持しようとしていました。それを、グローバリストの大陸権益を守るために使われないという保証はどこにもないのです。
  そして、グローバリストの盾になるのはいつでも、上記の文中の村上二等兵のようなごく普通の人々なのです。

  私たちにできることは、大陸進出が招いた悲劇を語り継ぎ、二度と日本の文化にそぐわない行動をしようと思わないことなのではないでしょうか。それが、満州やシベリアでなくなった我々の仲間が与えてくれる唯一無二の教訓だと、私は思うのです。

  もう「満州の夢」はきれいさっぱり捨て去らなくてはいけません。

★人気blogランキングへ←クリックして応援よろしくお願いします。

【PR】生活破壊を許すな~郵政民営化見直しを
ストップ!郵政民営化ストップ!郵政民営化ストップ!郵政民営化


当ブログは「自エンド」(自民党壊滅キャンペーン)を提唱中です
「自エンド」バナー「自エンド」バナー「自エンド」バナー


スポンサーサイト
EDIT  |  07:56 |  地政学・国際関係  | TB(2)  | CM(5) | Top↑

Comment

>華中華南の沿岸部は人件費が高騰している。西部大開発では作ったものを世界に向けて輸出できない。そうなると、もう中国が「売りに出せる」のは東北部しかありません。

中国の中部地域は考慮に入れていないのでしょうか?
中部地域進出誘致が盛んだと聞いたのですが。
arupaka | 2007年10月12日(金) 01:46 | URL | コメント編集

●>>arupakaさん

>中国の中部地域

  こういう感じで、一応PRはされているようですね。

http://www.hkd.meti.go.jp/hokia/china1st/sankou.htm

  山西省、安徽省、江西省、河南省、湖北省、湖南省・・・どこも水資源が全く足りないか、もしくは環境汚染が深刻な地域ばかりですね。取り上げたリンクで多くの企業が「良好なリターンを得ている」とか書いていますが、どんなもんでしょうか。
  物流の中心という風に書かれていますが、沿岸部から遠いので中国国内需要向けの産業に限られるでしょうね。産業インフラが弱いというのもいけません。
  大連という外洋へのアクセスがある東北部に比べて、外国の企業を大がかりに誘致する訴求力には欠けているというのが率直な印象です。
ろろ | 2007年10月13日(土) 06:32 | URL | コメント編集

ご返信ありがとうございました。

関係ない話ですが、最近は東南アジアへの企業進出も多いですね。
(ベトナムとか・・・)
arupaka | 2007年10月13日(土) 19:04 | URL | コメント編集

●>>arupakaさん

>最近は東南アジアへの企業進出も多いですね。

  グローバリストにとっては、安く作って高く売れる条件が満たせるならば、どこでもいいんですよ。
  中国は、連中にとって一番都合がいい場所だと言うことでしょうね。人が100人くらい死のうが、奇形児がたくさん生まれようが、何千人単位でデモが起きようが、武装警察と公安が押さえ込んでくれるわけですから・・・。
ろろ | 2007年10月14日(日) 13:41 | URL | コメント編集

>中国は、連中にとって一番都合がいい場所だと言うことでしょうね。人が100人くらい死のうが、奇形児がたくさん生まれようが、何千人単位でデモが起きようが、武装警察と公安が押さえ込んでくれるわけですから・・・。

上記のような出来事が起きるのはおそらく農村地域でしょう。都市では有り得ませんね。
・・・なんでしょう。カオスな世界だなと。

話ずれますが、
今日の世界では中国のような国はまだまだいっぱいあるのだろう。日本に住んでいるだけで幸せだなと最近時々痛感しております。
>>ろろ様 | 2007年10月16日(火) 03:38 | URL | コメント編集

コメントを投稿する


管理者だけに表示

▲PageTop

Trackback

この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック

世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略VOL174

世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略VOL174 江田島孔明<紹介>「中国の黒いワナ」復活 政界・財界・中国の利権トライアングル!!第1章 日本処分のシナリオ第2章 国民の敵!第3章 世論工作の黒幕
2007/10/10(水) 20:52:44 | 復活!三輪のレッドアラート!

盧武鉉閣下、亡命を御所望

 南北会談を共同宣言に署名するという形で一応は成功させ、「Lame Duck」どころか「General Paralysis Duck」の域まで達していた政権の求心力を微かにでも回復させたように見えたのも束の間、言論弾圧社会故に表立っては言え
2007/10/11(木) 01:35:27 | 或る浪人の手記
 | BLOGTOP | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。