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2007.09.08(Sat)

なぜ「日本は日本だ」で満足できないのか 

  公共料金を支払いに入ったコンビニエンスストアーで、こんな雑誌が売られているのを見つけました。

雑誌の表紙


  この画像を見て、何か感じ取れることはないでしょうか?

  私が思ったことは二つあります。

  まず、一つは「中国、韓国なんて目じゃない!」というキャッチコピーの奇妙さです。
  日本の持っている工業技術は、正直なところ追随できる国が全く見あたらないという状況です。突出しているのは工業生産に必要な「中間財」で、工作機械だけでも世界の30%のシェアを持っています。
  中国や韓国の工業は、日本から輸出される中間財がなければ成り立ちません。韓国はサムスンやLGが物を作れば作るほど日本からの輸入が増えて貿易赤字になるという図式になっています。中国に至っては、日本企業の委託加工により中国製といえるのかすら怪しい工業製品が多くあります。
  こういう国々と、日本を比較すること自体がおかしいのです。中国の工業は発展している!などと能天気な礼賛をしてしまうひとは、最終財という目に見える結果しか見ていないのです。

  それなのに、「中国、韓国なんて目じゃない」です。私が日本工業の神様だったら「あの連中とそもそも比較の土台に乗せるなよ」と、ため息をつくことでしょう。そのくらい、日本と中国朝鮮とは工業力が隔絶しています。
  どうせ比較するなら「ドイツ」「アメリカ」のように、自力で中間財を作れる工業大国でなければ意味がありません(アメリカもロボットのような高度な中間財は日本に依存している)。この雑誌の比較は、オタマジャクシと蛙を比較しても無意味なのと同じくらい無意味です。

  どうも、日本を「アジアの友人」と強引にでも仲良くさせておきたい人々がマスコミの中に巣くっているような気がします。

  雑誌の見出しというのは一番訴求力があるわけですから、当然広告代理店(多くの場合は●この会社)のチェックが入っています。そういえば、●彼らが演出した「ブーム」がありました。
  「アジアの友人」を強調する勢力は、どうもこのへんに生息しているのではないか・・・と思うのは私だけでしょうか。

  もうひとつ違和感を感じたのは、「とてつもない日本」という日常的ではない用語法のフレーズです。
  まあ、このブログをご覧になった方はすぐにお気づきかと思いますが、こういうタイトルの本が発売されているわけです。

とてつもない日本 とてつもない日本
麻生 太郎 (2007/06/06)
新潮社
この商品の詳細を見る


  麻生さんについては、●以前の記事で麻生ファンの期待を裏切ること(笑)を散々書いてしまいました。もちろん、私が上のような紹介リンクを出したからといって、「この本を買え」などというつもりは全くありません。私が言いたいのは、この本のメッセージに込められた「危うさ」です。
  確かに、インドで地下鉄を作るとき日本人技術者が大活躍しただとか、「ああ、日本人でよかった」的な話がたくさん入っている本ではあります。
  しかし、それがそもそも余計なのです。麻生氏の取り上げている話は、海外に行って日本人がこういう業績を上げたとか、日本の文化は海外でこんなに受けているとかいう、日本人の海外進出成功譚が中心になっています。
  ここがうまいところです。このような外での成功話に、日本人は非常に弱いです。麻生氏の狙いは、その後に

 「じゃあ、海外に進出しようよ!」

  と、我々に暗に呼びかけることなのです。

  つまり、麻生氏が日本の技術の素晴らしさ、コミック文化の豊かさを語るとき、その後には必ず「そういうものでアジアや世界のシェアを取りに行こう」というメッセージがくっついているということです。
  確かに、こういう話というのは、「美しい国」だの「主張する外交」だの、聞いた人間も言っている本人も何を言っているのかさっぱりわからないキャッチフレーズよりも、政治家のメッセージとしては数倍ましではあります。
  しかし、その本質は「日本の対外進出」を煽るものであり、グローバリスト(利益の極大化のために、自国に与える影響をかえりみず、国家間の垣根を取り払おうとする勢力)のPR手段に他ならないのです。
  しかも、この人もやはり、アジア・ゲートウェイ構想の安倍内閣と同じ、「大アジア主義」なところがあるわけです。上の麻生氏の著書の項目を見るだけでも、

>アジアの実践的先駆者
>アジアの幸福
>中国の台頭を喜ぶ
>北朝鮮が忘れてはならないこと
>新たなアジア主義
>アジアとのしなやかなネットワーク


  と、いう感じです。

  おそらく、今の日本では、グローバリスト(輸出企業や商社、外資金融資本)がかなり政治に介入しているために、こうやってアジアとの一体化を煽るようなことを言わないと首相になれないのでしょう。だから、何度閣僚を経験しても●この人は首相になれません。あくまで、今の情勢では、ですが・・・。

  私は、外国への進出度合いや「貢献度」だけで日本の素晴らしさを語ろうとすることには反対です。なぜなら、それが本当だとすれば、経済的に小さな国の国民は自国に誇りを持てないことになるからです。
  「なぜ日本が好きなのか」と言われたら、「私が日本人だから」でなぜいけないのでしょうか。あれやこれやと理屈をつけなければ好きになれないというのは、自分の親や子供に対して「~だから好き」と、愛情に理由を付けてしまうことと同じです。
  ましてやそれが、他国に人気があったり、外国で金儲けするのがうまかったりというのでは、かなりずれているような気がしてなりません。

  日教組がやっているような自虐教育と、麻生氏が吹聴するような自尊PRと、どちらかを選ばせるような風潮には断固としてダメ出しをしたいものです。

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★参考記事★
どうすれば日本は戦争せずに済むか(1)
【破滅への】東アジア共同体とアジア・ゲートウェイ構想【片道切符】


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テーマ : 特定アジアと日本 - ジャンル : 政治・経済

EDIT  |  10:01 |  中国・朝鮮  | TB(1)  | CM(11) | Top↑

Comment

拝啓
またもや溜飲が下がる思いです。
理由など必要としない事のほうが、今とても大切だと思います。
人が人を殺めてはいけない事に、理由など必要ないのです。
日本人だから日本が好きだ。それだけで十分だと思います。敬具
和尚 | 2007年09月08日(土) 11:16 | URL | コメント編集

●TBです

国際金融家とその愚かさとは何か
http://sun.ap.teacup.com/souun/1029.html
「開かれた地域共同体」と“彼ら”そしてグローバリズム
http://sun.ap.teacup.com/souun/1030.html
早雲 | 2007年09月08日(土) 23:03 | URL | コメント編集

●日本が日本であること

なかなか含蓄のあるエントリーでした。↓
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/190906.htm

ただ、同じサイトといってもこれはなー↓
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/190908.htm

天変地異をどうみるか。それぞれに神が宿って其々が時に「怒り」を表すか。
唯一神がさまざまな自然を用いて「怒り」を表明するか。

日本人は「こういうことはするな」という神の意志を素直に受け止めたが、世界の大部分を占める一神教徒は、「神は『これをやれ』とも意志を表明しているはずだ」と(私に言わせれば僭越にも)考え、勝手に神の意志を解釈して、異教徒という「敵」を作り出し、それを「根絶」しなければ気がすまない。

他者との共生か、他者の殲滅か、メンタリティーは正反対。今、世界中が「共生」を必要としているが、共生を体得しているのは日本人だけではないのだろうか。少なくとも、一神教徒と儒教圏には「共生」の概念は存在しないとみる。
のらくろ | 2007年09月09日(日) 00:04 | URL | コメント編集

●コメントありがとうございます

>>和尚さん

>人が人を殺めてはいけない事に、理由など必要ないのです。

  私もそうだと思いますし、そういう方向で社会を運営した方が楽だと思うのですが、なかなかどうしてそうは行きません。
  こういう基本的な規範に対する理由付けを不要とすることとと、他人の言い分を聞かないということとは、レベルが違うと思うのですが、そう考えない方も多いようです。

>日本人だから日本が好きだ。それだけで十分だと思います。

  私もそう思います。というか、ロシア人やポーランド人に自分の国が好きかどうかきいたら、変な顔をされますよ。そんなことを議論していたら、敵に殺されたり乗っ取られたりしてしまいますからね。
  自国への愛憎が議論の種になるというのは、逆に日本が平和な証拠なのかも知れません。

>>早雲さん

  記事を拝読いたしました。上の記事で、かなり勇気が出てきましたね。この世界を動かしている「彼ら」もまた人間なのだと・・・・。

  また面白い記事があったらTBをお待ちしております。

>>のらくろさん

  上のリンク、いいですね。含蓄があると思います。

>今、世界中が「共生」を必要としているが、共生を体得して
>いるのは日本人だけではないのだろうか。

  この「共生」は、気を付けた方がいいと思いますよ。間接侵略の手段にされていることが多いようですから・・・。
  まず何より、同じ日本人同士で共生しなけりゃ意味がないと思います。日本がアジアの盟主になって、面倒を見るなんて、まず自分の家の中を治めてから言えよと。
  まあ、もし巧く治まっても、私なら外に出ようなんて煽ることはしませんが。
ろろ | 2007年09月09日(日) 01:00 | URL | コメント編集

●ダカーポの書き方こそ、敵視感情だ

と思いますよ。

たとえば韓国の多くの製造業は、日本の部品を買ってくれる重要なお客さん、確かに日本にもアセンブリメーカが沢山あるけれど、
日本と、韓・中・台とでは、工業化の方向性がそもそも違っているのですから、「競争」ではなく、相互依存になっています。
小麦粉を作っているメーカーが、製菓会社に、「お前らの技術では小麦粉を作れないだろ!」とケンカを売っているような、不自然さと不快感を、ダ・カーポの表紙に持ちました。

むしろ、
日本の計測器メーカーが、アメリカの大手と太刀打ちできているのか、
日本の半導体メーカーが、フィリップスやTIあるいはハイニクスと本当に互角の勝負ができているのか
このあたりの検証をしないと、足元を掬われますね。
デルタ | 2007年09月09日(日) 08:31 | URL | コメント編集

●もっと足元を固めて・・・

日々是勉強さま

始めまして・・・・

貴方様が言っておられる麻生外相の本音はともかくとして、戦後の日本人は自国に対する誇りをもてない層が多ため、そのような話をされるのかも知れません・・・

だからこのような日本人賛美もある程度はいいと思います。しかし本当に大切なのは国内の中小期企業をもっと各地域ごとに集中して近代的環境を作り,若者が好む施設を政府も本腰を入れて援助して、住宅地の中との混在を分離して欲しいものです。

このような企業ビルに異業種が混在する事も、より刺激され、コストダウンも成せると思うのですが・・・

是非国内産業を育成して欲しいものです。
今のままでは現代っ子はこの近代性と程遠い職場環境を好むとは思われません。

そのためこのような企業までも中国に参入して苦労しているようですが・・・

容子 | 2007年09月09日(日) 10:22 | URL | コメント編集

●コメントありがとうございます

>>デルタさん

>日本の計測器メーカーが、アメリカの大手と太刀打ちできているのか、
>日本の半導体メーカーが、フィリップスやTIあるいはハイニクスと
>本当に互角の勝負ができているのか
>このあたりの検証をしないと、足元を掬われますね。

  個々の最終財のシェアや競争力だけを見ても意味がありません。

  韓国の半導体メーカーがシェアを取ると日経新聞が大騒ぎしますが、あの国は輸出を増やせば増やすほど中間財の輸入を日本から増やす羽目になるので、かえって対日貿易赤字になるという産業構造を抱えています。貴君のご指摘の通り、ありがたい「お得意さま」であり、彼らがたくさんものを作るようになっても大騒ぎする必要性をまるで感じません。
  そういう国と我が国の間で「勝負」が成り立つのでしょうかね。韓国がそこそこ優れた工業国だというのは認めますが・・・。

>「競争」ではなく、相互依存になっています。

  嫌な現状ですね。アジアとの相互依存など糞くらえです。

>>容子さん

>戦後の日本人は自国に対する誇りをもてない層が多ため、
>そのような話をされるのかも知れません・・・

  ええ。自信がないから、誉めてほしいという人が多いのでしょうね。それで終わっていては進歩がないとは思いますが。
  歴史や文化を本当に知れば、ある種の達観に至って、自意識過剰から抜け出せると思うのですが、どうも少し撫でると過敏な反応をする日本人が多いようです。

>本当に大切なのは国内の中小期企業をもっと各地域ごとに集中して
>近代的環境を作り,若者が好む施設を

  県庁所在地や政令指定都市に企業を集中させて、東京みたいな文明的空間を作り出せばいいということですか?

  それなら、もうすでに各地で進行中ですよ。太平洋ベルトの外にある県の第二、第三の都市の没落が著しいです。その代わり、県庁所在地や政令指定都市に人が集まっています。地方にお金を回さなくなったので、かろうじて需要のある中心都市に若者が集中しています。宮城県全体の人口が減りまくっているのに、仙台の人口が増えていることなど、その一例です。
  大事なのは、そんな集中化よりも、各地域が自律的な経済を営んでいけることです。このブログで紹介している「自然主義経済」などがその手段になるでしょう。
  若者を一カ所に集めるようなことをやったら、文化が死に絶えます。集中化を訴えるのではなくて、地方に回す金を一方的に切りつめている小泉・安倍政権の姿勢を批判すべきでしょう。

ろろ | 2007年09月09日(日) 13:05 | URL | コメント編集

●その通りだと思います

こんばんは。こちらには初めてコメントします。本当にグローバル化は困ったものだと思います。これが進めば進む程、都市一極集中し、地方は過疎化が進む。格差も広がり、安さを求めて海外に工場を作り、国内ではデフレが広がる。特に20代に酷い社会になってる。これと逆のことをした方がいいわけです。地方の過疎化を止める為に例えば過疎化してる地域は税金を半額免除するとか、離島の方はもっと安くするとか。一極化で地方の人が少なくなると国防のほうが危険です。日本全国に人を散らした方が攻められにくいと思います。エネルギー政策で前に書かれたのを読ませてもらったのですが、一軒家やマンションに太陽光発電をやるアイディア素晴らしいと思います。無駄になりませんし太陽光でも足りないとき東電のを使うという二重電力構造を作り、各家庭に浸透させるため、月々500円の税金免除(ワンコイン免除)みたいなのとかして、エネルギー自給率を上げてもらいたいですね。そうすることによりシーレーンの重要性も下がります。過疎化地域の地場産業の農業や漁業など地産地消が出来る社会になればいいですね。
幸未来願 | 2007年09月10日(月) 00:39 | URL | コメント編集

●>>幸未来願さん

  本文の内容をきちんと踏まえた丁寧なコメントをありがとうございます。

>これと逆のことをした方がいいわけです

  まったくその通りです。効率をよくするとか、利益が上がるとか、そういうことを前提に話すとグローバリストの思う壺です。

>一極化で地方の人が少なくなると国防のほうが危険です。
>日本全国に人を散らした方が攻められにくいと思います。

  なるほど、これはあまり考えていませんでしたが、その通りですね。

  ロシアは、軍需産業をシベリアや極東に分散させていますが、そういう狙いがあるのでしょうね。

>一軒家やマンションに太陽光発電をやるアイディア
>素晴らしいと思います。

  私ではなく、のらくろ氏のコメントが秀逸なのだと思います。

  電力関係は、法律が硬直しています。電力売買自由化なんかの前に、やることがもっとあるだろうと思うのですが・・・。

>過疎化地域の地場産業の農業や漁業など地産地消が
>出来る社会になればいいですね。

  そう願っています。それこそ、人間の本来の姿です。自然主義経済の導入を目指していますが、私としては、まず都会の視点で発信される情報を相対化するのが目標です。
  今後とも、よろしくお願いします。
ろろ | 2007年09月10日(月) 00:50 | URL | コメント編集

●TBです

貿易収支の新しい理解:日本経済は輸出に15%も支えられている!: 上
http://sun.ap.teacup.com/souun/682.html
貿易収支の新しい理解:日本経済は輸出に15%も支えられている!: 下
http://sun.ap.teacup.com/souun/683.html
早雲 | 2007年09月10日(月) 19:57 | URL | コメント編集

●>>早雲さん

  これらの記事は、これ以上ないフォローです。

  日本の産業力が隔絶していることを、過小にも過大にも評価せずに記事を書いたつもりですが、どうでしょうか。
ろろ | 2007年09月11日(火) 01:10 | URL | コメント編集

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