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2011.06.26(Sun)

高速増殖炉という夢の、終わりのはじまり(1) 

もんじゅ:落下装置撤去完了 弱点露呈 復旧費用17億円、工事に10カ月 /福井
http://mainichi.jp/area/fukui/news/20110625ddlk18040637000c.html

 高速増殖原型炉「もんじゅ」で原子炉容器内に落下した炉内中継装置(3・3トン)本体の撤去は、夜通しの作業で24日午前5時ごろ終わった。昨年8月の落下から10カ月近くたち、撤去の工事費や新たな装置の購入で約17億5000万円かかった。東京電力福島第1原発事故で、国の原子力政策の行方自体が不透明になるなか、今回の設計ミスによる同装置落下は、トラブルがあれば長期停止と多額の費用を要するもんじゅの弱点を改めて示した。【柳楽未来】

 もんじゅは、既に実用化されている軽水炉の原発と異なり、原子炉容器内に高温の液体ナトリウムがあり、空気に触れると激しく反応するため上部をアルゴンガスで覆っている。落下した同装置の下半分は不透明なナトリウムにつかった状態で、原子炉容器の上にアルゴンガスで満たした別の容器を用意して、その中につり上げた。原子炉容器のふたの一部を外して一体で引き抜き、総重量は約11トンになった。

 今回のトラブルでは当初、力をかけて引き抜こうとしたがうまくいかず、落下の衝撃で装置の継ぎ目が変形した事実をつかむのにも時間がかかった。また、設計時には想定していなかった複数の大型機械を新たに設計・製造して原子炉容器の上に据え付けたため、費用が膨らんだ。

 撤去開始の予定は23日午後3時ごろだったが、準備作業で機器の一部で機密性が保たれていないことが分かり、パッキンが切れている原因を突き止めて取り換えるなどで約6時間遅れた。22日も予定通りに準備作業が進まず、23日未明まで作業していた。

 もんじゅの構造に詳しい小林圭二・元京都大原子炉実験所講師は「もんじゅは軽水炉と比べ事故の調査、復旧に膨大な労力がかかる。これでは今後、商業炉として実現するはずがない」と指摘している。



この「もんじゅ」のことが気になっていたので、ちょっと調べながら文章にしてみました(他所からの転載です)。何か変なところがあればご指摘いただけると嬉しいです。

1 高速増殖炉とは

まず、高速増殖炉というものを、授業でしゃべりたいと思ったので、自分なりに調べてみた。

福井県敦賀市にある「もんじゅ」は、高速増殖炉と言って、日本によくあるタイプの軽水炉原発とは仕組みが異なっている。

http://www.jaea.go.jp/04/monju/

トップページの貧乏くさささえ感じさせるソフトなイメージがかえって悲しくなるが、精一杯好意的な表現をすると、高速増殖炉というのは、日本の原子力関係者の夢だった。

高速増殖炉は、簡単に言うと、

・高速で移動する中性子の力を使って
・燃料となるプルトニウムという物質が、どんどん増殖していき
・濃縮ウランを用いる場合の資源枯渇の危険に悩まされずに済む

という原子炉である。

実は、もうこうやって書いただけで突っ込みたくなる部分があるが、とりあえず進める。話は核燃料の代表選手・ウランから始めたい。

2 ウランのカス

日本で動いている54基の原子炉は、プルサーマルも含めて、全て濃縮した「ウラン235」という物質を燃料にしている。

ウランという元素がある。陽子という粒を92個、中性子を143個、合計235個の粒で原子核が作られているのをウラン235といい、それより中性子が3つ多いのをウラン238と呼んでいる。これらは別々の場所に点在しているのではなく、同じウラン鉱石の中に同居している。

ちなみに、こうやって同じ元素なのに構成している粒の数が違うものを同位体(アイソトープ)というらしい。アイソトープという言葉の意味を私は今回初めて知った(笑)。

そのウラン鉱石を原発で使うときは、ウラン235が不可欠である。なぜなら、ウラン238は原子炉の中で熱を発生させる「核分裂」という反応を起こさないからだ。

ここで困ったことがある。なんと、ウラン鉱石の中に、役に立つウラン235はたった0.7%しか含まれていない。しかも、それだけを分離すること難しいらしいので、とりあえずいろいろな作業を施して濃縮する。だいたい3%を超えれば、核燃料として使用に足りるらしい。

そして、核燃料が出来上がったそばには、ウラン235がもうごくごくごくごくごくごく僅かしか残っていないウランのカスみたいなものが残る。これがいわゆる「劣化ウラン」である。その中身は、ほぼ全てがウラン238、つまり、役に立たないウランだ。

この劣化ウランは、核分裂しないくせに、アルファ線という超強力な(その代わりほとんど飛ばない)放射線を出す。本当にどうしようもない物質である。その有害な劣化ウランを、アメリカやイギリスは武力紛争のどさくさに紛れて、ユーゴスラビアやイラクに大量に捨てる作戦を実施した。それが●「劣化ウラン弾」である。

日本はそんなことをやりたくてもできないので、超有害ゴミとして保管するしかないままここまで来ている。

3 プルトニウムの誕生

劣化ウランも厄介だが、もっと厄介な元素が原発ではどんどん生まれている。それが「プルトニウム」である。

プルトニウムは、自然界に存在しない元素である。そんなもんをどうやって作るのかというと、原発の中で勝手に出来るのである。

ウラン235に、特殊な操作をして中性子をぶつけてやると、それに刺激されてウラン235の原子核が二つに分裂する。いわゆる核分裂である。この時に熱が出る。

とすれば、この核分裂を大量に起こしてやれば、大量の熱を取ることができるわけだ。というか、一度核分裂が始まると、そのウラン235が出す中性子が他のウラン235を刺激するという形で、どんどん分裂が起きる。一定量集まっただけで始まることもある(これがいわゆる「臨界」)。そして、その過程で熱を出す。

このように、中性子が飛び回って他のウラン235を刺激するためには、中性子の飛ぶスピードを下げてやらないといけない。そのために用いるのが「減速材」というものである。福島第一原発では「軽水」という、不純物のない水を使っていた(だから、「軽水炉」という)。この水は、同時に原子炉で出た熱を外に持ち出し(=冷却材)、タービンを水蒸気で回すという役割もしている。

この核分裂の過程で、濃縮ウラン(といってもウラン235が3%しかないが)の中にあるウラン238が、周囲を飛び回っている中性子をキャッチしてしまうことがある。それがβ崩壊という過程を経て、最終的にプルトニウム239という元素に生まれ変わる。

このプルトニウム239は、言ってみれば、濃縮ウランを使ったあと出てくるゴミである。使用すらされなかった劣化ウランよりもマシかもしれないが、このプルトニウムは最悪の物質である。なにしろ、人体に凄まじい害を与えるアルファ線という放射線を出すからだ。しかも、劣化ウランのそれよりはるかに強いらしい。

しかし、このプルトニウム239というのは、核分裂をさせるとウランを遥かに凌ぐパワーを出す。だから、核兵器に使われる。長崎に落とされた原爆はプルトニウム239を用いている。広島に落としたウラン型は、ウランの濃度を90%まで引き上げなければいけないが、プルトニウムならウラン235を3%に濃縮した燃料を転がしていればそのうちできる。

はっきり言ってしまえば、原子炉というのは、ウランからプルトニウムを作り出すための道具なのである。それを、平和利用などといって無理矢理発電できるようにしたのが原発だ。原子力というと、何かすごいことをやっているように思えるが、やっていることはただお湯を沸かして水蒸気を取り、タービンを回しているだけである。

その湯沸かし器が、頼みもしないのに頑張るとどういうことが起きるか。

福島のような事故は除けば、劣化ウランとプルトニウムという、超有害ゴミがどんどんたまっていくことになる。

4 ゴミの行き場

このゴミは、どこにでも捨てられるものではない。放射能があるからだ。

放射能というのは、「放射線」という光を出す能力を持っているという意味である。この放射線は、生物を構成する細胞の中のDNA(デオキシリボ核酸、要するに遺伝子)を切断する力がある。その切れたDNAがうまく修復できずにおかしな形のまま残ってしまい、それがどんどん増えていくのが「ガン」である。骨の造血幹細胞がやられれば、白血病という症状になる。

難しいことは置いておいて、要するに放射線はなるべく浴びない方が良い有害なビームみたいなものだと思えばいい。

そんなものがその辺に転がっていたら、どんどんガン患者が増えてしまうだろう。だから、処分場を作ってそこに貯めておく。

しかし、これがまた気の長い話で、放射性物質の放射能は長い間なくならない。放射能がなくなるまでの物質固有の期間を「半減期」というが、プルトニウムなんて半減期が2万4000年である。今から2万4000年といったら、日本列島がなかった時代だ。気が遠くなる。そんな長い間管理しなければいけない超有害ゴミを作り続ける時点で、原発は終わっているのである。

ともあれ、最近まで何の疑いもなく日本人は原発を利用してきた。正確に言えば、大多数の人たちは、なんだかよく分からないけど、政府や東大の先生は安全だと言うし、原発は家の近くにないし、めんどくさいことは考えたくないと思って過ごしてきた。恥ずかしながら、自分にもそういうところがあった。まさか事故になるとは思わなかった。

しかし、原子炉自体がどんなに安全でも、絶対に劣化ウランやプルトニウム239が出てくる。そして、その捨て場はない。

このままでは、人目につく場所や水源地を捨て場にせざるを得なくなり、安全だと政府が言っていた原発は「超有害ゴミ発生装置」としか思われなくなってしまう。

そんな時、救世主が現れた。

「原発から出たプルトニウムを燃料に使えて、しかも劣化ウランを始末できる夢の原発がある」

それが、高速増殖炉だった。



続きます。


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