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2009.11.11(Wed)

非電化工房「もみがらハウス作りワークショップ」顛末記(上) 

  「籾殻(もみがら)を使って、素人が2週間で家を作る。費用は6万円」

  こんなキャッチコピーの入ったチラシを配っていたら、みなさんどう思われますか?「素人が家なんて作れるわけねーだろ」「6万円で家が建つなんてありえない」という感想を持つのが普通かも知れませんね。
  ところが、それを本当にやろうとしている人たちがいるのです。しかも、私自身もその家造りに参加してきました。その時のことを記事にしたいと思います。

  「籾殻ハウス」というのは、籾殻を断熱材に使った家のことです。
  このアイデアを実行に移したのは、●非電化工房という、その名の通り電化していない便利な品物を作っている企業さんです。私が所属している●平和党のメンバーから、非電化工房さんが籾殻で家造りをやるらしいということを聞き、このブログでも提唱しているような自律的な生活のヒントになるのではないかと思って参加してきました。
  家造りに参加、といっても、実際に関与したのは、ワークショップとして開催された11月3日と8日の二日間だけです。非常に人手の要る作業が何日間かあるため、そこに体験学習会をかねて募集をかけていたのです。
  10月に行われてた第1回のワークショップでは、壁と床に籾殻を詰める作業を行ったということです。私が参加したのは、骨組みができあがってから後の工程でした。籾殻ハウスのそれまでの様子などは、●非電化工房のお弟子さん達がやっているブログをご覧下さい。
  今日は11月3日に参加した時のことを書いてみます。

  私は東京よりの埼玉県に住んでいるので、栃木県北部にある非電化工房までは電車で片道3時間くらいかけて訪ねることになりました。大宮から那須塩原まで新幹線を使うと1時間ほど早くなるのですが、運賃が倍になるので各駅停車で出かけます。
  福島県境に近い黒磯駅まで行くと、送迎車が来てくれることになっていました。この日は非常に寒く、私が駅前で昼食を食べていると、外にはあられが降ってきました。もっとも、前日に「最高気温が5度くらいになるのでご注意ください」というメールをいただいていたので、防寒対策はしっかりできていました。
  13時少し前になると、駅に非電化工房の方が迎えに来てくれました。他の電車組の人たちと一緒に移動です。
  その途中、副代表の藤村健介さん(代表の藤村先生のご子息)に、現在の場所に移るまでの経緯などうかがいました。もともと神奈川県の葉山町にアトリエがあったのですが、手狭になったのと、カフェなどを併設する「非電化パーク」構想を実行に移すために、数年がかりで土地を探した末、栃木県の那須町に適当なところが見つかったそうです。
  ちなみに、非電化工房の敷地はこんな感じです。

    非電化工房敷地
    池
  なかなか素敵な眺めであります。

     アトリエと池
     アトリエ側面
  非電化工房のアトリエも池のほとりにあります。
  将来的には敷地内で稲を育てたり、カフェを経営したりするそうです。

  さて、肝心の籾殻ハウスはというと、こんな感じです。
     籾殻ハウス(11月3日)

  前日に、雪が降る(!)中、屋根を上げる作業を行ったそうです。さすがにお弟子さん達の力だけでは無理なので、助っ人の大工さん達に手伝ってもらったとのことですが、それでもほとんどが素人による手作業です。
  みなさんはきっと「これ、小さすぎないか?」と思われたかもしれませんが、これにはちゃんと訳があります。その辺は、次回に書きます。

     籾殻の山

  籾殻です。壁や床に入れるのですが、その後も少しずつ各工程で使われます。ちなみに、左端にあるのは藤村先生がモンゴルに行かれた時に現地で仕入れてきた「ゲル」(伝統的なテント式住居)です。寝泊まりもできる本格的なもので、今回はプロジェクトリーダーの不破さん(途中から奥様も合流)が寝泊まりされていました。
  到着後、受付を済ませてから、作業についてミーティングです。

     師弟コンビ
  左が非電化工房の代表・藤村靖之氏、右が今回の「籾殻ハウスプロジェクト」のリーダーである不破博志さんです。不破さんは東京で建築事務所をやっていらっしゃる建築士の方です(ホームページは●こちら)が、藤村先生が主催する●発明起業塾の受講生でした。今回の籾殻ハウスも、発明起業塾の卒業課題を素にして計画されたそうです。

     建築家コンビ
  不破さんの右側にいらっしゃるのが、左官の大森さんです。不破さんの仲間で、今回は壁塗りのプロとしてワークショップを手伝いに来て下さいました。

     迷犬パグ
  非電化工房のマスコット犬です。ダックスフントなのに「パグ」というのはここだけの秘密です。かなり人見知りするようで、私が近づくとすぐ逃げます(写真は逃亡中のもの)。作業中そこらじゅうちょろちょろしていました。
  その後、 4つの班に分かれて、(1)内壁塗り (2)土壁の材料作り (3)屋根を葺くススキの束作り (4)その材料になるススキ刈り の各作業を交代交代でこなしていきました。私は幸運にも、一番面白い内壁塗りからです。
  まず、大森さんが砂漆喰(すなじっくい)について説明をなさいました。

     砂漆喰
  材料は「消石灰」に海藻ノリや砂、さらには籾殻です。これらを固まらないようにミキサーで混ぜておきます。
  その後コテを使う練習をします。コテというのは、●こういう道具ですが、漆喰を板の上に載せてこね回し、うまくコテにすくうのが意外と難しく、練習が要ります。
  しばらく大森さんの指導で練習した後、籾殻ハウスの内部で壁塗りです。なかなか楽しい作業です。班ごとに塗る面積が決まっていて、すぐ終わってしまうからつまらんなぁと思っていたら、隙間無く塗るとなるとなかなか塗り終わりません。30分少々かけて塗り終わった時には、汗だくになっていました。

     内壁塗り
  こんな感じになります。
  内壁塗りが終わると、次は外壁の材料となる土作りです。土壁の製法を研究されている中村さんという方に、ワラ菌を活性化させて土壁材料を作る方法について教わり、その後仕事に移ります。

     土壁用の土
  まだ私たちが「作業」する前の土です。
  中村さんによると、土壁にワラを混ぜておくとワラ菌が増殖し、土の粘度が増すということで、本来は3年くらい寝かせておくのが良いとのことです。しかし、中村さんが特許を取った方法だと、3年間を5日間にまで縮められるようになったとの話。

     特製の粉
  小麦粉などを配合した粉です。植物性タンパク質を土に混ぜると、菌の増殖が早まるとのことです。

    酵素(特許出願済)
  これが中村さんが開発した酵素です。これを混ぜると、土がみるみるうちに粘りけを帯びてくるそうです。
  で、私たちは何をやるのかというと、この中に入って泥を足でかき混ぜるわけです。

     踏みまくり
  こんな感じで混ぜると、粉や酵素が行き渡るだけでなく、好気性の菌に空気を与えることができるのです。ワラ菌は大喜びですが、こちらは転ばないように必死です。

    だいぶ粘りが出た土
  30分以上踏んでいると、目に見えて粘りけが出てきました。これを次のワークショップまで寝かせておくと、立派な材料になるわけです。

  大の大人がどろんこ遊びをした後は、休憩時間です。

    たき火準備中
  これは開始前の光景ですが、寒いので中央の広場に焚き火をたいていただきました。

     おやつ
  藤村先生の奥さまやお弟子さんがお餅を焼いて振る舞ってくれました。

     そこには食べものはありません
  この子もお腹がすいていたようですが、餅には見向きもしませんでした(笑)。

     謎の物体
  作業場の片隅に妙なものがありましたが・・・

     実は保温器
  このように、みんなが飲むお茶の保温をするためのものでした(籾殻燻炭器というらしい)。

  そのあとは、ススキを束にする作業と、そのススキを近くの野っ原(誰の土地かは不明。田舎はおおらかである)に取りに行く作業です。
  ちなみに、7~8人でススキを刈りまくると、こんな感じになります。

     まるで山車
  このススキは、屋根を葺く材料になります。防水シートをかぶせた後、3㎝ほどに束ねたススキで葺いておく(シートとススキの間に少し隙間を作っておくのがポイント)と、太陽熱を防いで夏は快適になるそうです。
  普通のかやぶき屋根は、10㎝くらいの厚みがあるそうですが、これだと雨が降り続いたときなど中から腐ってしまうそうです。それを防ぐには、下から燻すなどするようですが、それはいくらなんでも難しいので、初めから薄めに葺いておき、水分が蒸発しやすくしているのだそうです。
  ススキを刈っている途中で、日がほとんど暮れてしまい、かなり寒くなってきました。周りに人家の明かりがないので、寒さも3割増くらいに感じます。

  全ての作業が終わった後は、シュタイナー教育の保育園を併設している●創造の森レストランから運ばれてきたお弁当を食べながら交流会です。
     薪ストーブ
  これは交流会より前に撮ったものですが、このような薪ストーブに火を入れて、それを囲みながら各人が自己紹介していきます。私が地域通貨などの話を喋りまくって藤村先生に「面白いけど長いから次の人へ・・・」と言われてしまったのはここだけの秘密です(笑)。
  しかし、驚いたのは、地域活動やエコビレッジの運営など、まさに我々が目指している方向性で活動をなさっている方が多数参加していたことです。ブログでご高説を垂れて満足していても全く意味がないということが身にしみてわかりました。
  そして、参加されている方の職業などを聞かせていただいて思ったのは、サラリーマンや公務員が意外なほど少ないということです。帰りの車で副代表の健介さんやお弟子さんの方にうかがったところ、サラリーマンの奥さんがたは結構いらっしゃるようですが、その旦那がなかなか来ないみたいです。
  その話を聞いてますます確信を強めたのは、近代経済システムの中で中途半端に成功しているのは、もしかしたらかなり不幸なことかも知れないということです。非電化工房が取り組んでいる事業や、今回の籾殻ハウスのようなワークショップは、カネさえ払えば他人がやってくれるようなものばかりです。
  自分の仕事をこなして、カネを稼いで、それ以上何をやる必要があるんだ?という人は結構多いと思います。しかし、その仕事というのは、「総需要」や「景気」といった、自分では全く手に負えない何かに左右されるという点で、もしかしたら今後かなり危険な部類に属することになるかもしれません。
  これも以前から言っていることですが、ワーキングプアとか、ハケン切りの対象になっている人とか、そういう人もなぜか非電化工房のようなちょっと変わった場所には目を向けません。もちろん、日々の生活に追われて籾殻ハウス作りどころではないという風に言われてしまうのかも知れませんが、そんな生活をいつまでもしていたら、ますますグローバリストの思うツボのような器がします。
  実は、この辺の話は、8日のワークショップで藤村先生に質問をぶつけて、何か「答え」になるようなものをお聞かせいただいたところです。

  では、この辺で次回に続きます。

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Comment

●おもしろいものに目を付けましたね

わたしも以前に非電化冷蔵庫の件で非電化工房を調べたことがありました。
藤村さんはその後もいろいろ活躍されていたんですね。
早雲 | 2009年11月11日(水) 02:28 | URL | コメント編集

ろろさま、いよいよ思考から実践に一歩踏み出されたんですね!?
1億2千万人がこのように地に足をつけた生活を送れるか!?については懐疑的な思いもありますが、面白い試みだと思いました。
石油減耗から脱石油文明の時代が来ることについて、多くの人は全くの無防備であるのが現状でしょうし、またある人は、人類の英知によって燃料電池など新たなエネルギー源が石油に取って代わり、より文明は進化していくという根拠のない楽観論と共に生きているのかも!??
・・・ですが、地球資源を浪費するばかりの現在の西洋的な物質文明には限界があるように思われます。人間の知恵を駆使した脱石油文明的生活に向けた、今回のろろさまの実践の報告を興味深く読ませていただきました。次回レポートも大いに楽しみにしています!!


かっちょ | 2009年11月11日(水) 08:51 | URL | コメント編集

●待ってました!

籾殻ハウスのこと、きっと書いてくださるだろうと楽しみにしていました。
若くて体力があって・・・近くだったらなあ・・・参加するのにぃ。
でも、こうやって読むと、昔と同じにワクワクします。

私たちも農業で使った「籾殻燻炭器」の写真が懐かしかったです。
これで籾殻を炭にして土壌改良に使うのです。

今回の断熱用籾殻も、炭に焼いてから使うとベストかもと思い、質問しましたら、
やはりあまりにも大量のため難しい・・・と、いうお返事を頂きました。
そうですよね。15町歩分の量がありますし、季節ものでもあります。
あらかじめ焼きためておくといっても、置き場所が・・・愚問でしたねえ(汗)

ご紹介の建築家の方(不破さん)のブログにもいってみました。
「原っぱの家」とか、とっても、面白かったです。
籾殻は、この方の重要な建築素材なんですね☆

こんどのプロジェクトの逐一の報告もありました。
http://fuwahirosi.exblog.jp/9226966/
びーちぇ | 2009年11月11日(水) 08:58 | URL | コメント編集

●コメントありがとうございます

>>早雲さん

  冷蔵庫は、熊本の修道院で実用されていると聞いたことがあります。なんでも、放射冷却を利用するので、晴れの日が多くないとダメだとか。

>>かっちょさん

>人類の英知によって燃料電池など新たなエネルギー源が石油に
>取って代わり、より文明は進化していくという根拠のない楽観論

  その新エネルギーの基盤や装置は、全て石油で作られているわけで、石油を直接消費した方が楽だというのはもう認めざるを得ない話です。私も燃料電池に期待をしていた時期があったのですが、その用途である海底開発や宇宙開発にも正直あまり興味が無くなりました。

>今回のろろさまの実践の報告を興味深く読ませていただきました。

  まあ、そこまで大仰なものであるかは別として、何かきっかけになればと思っています。

>次回レポートも大いに楽しみにしています!!

  ありがとうございます。がんばります。

>>びーちぇさん

  不破さんは、家造りに対してかなりしっかりした哲学をお持ちの方です。
  内面と外部行動が両輪となってこそ、物的条件を改善していくことができるという典型的な例だと思います。残念ながら、私は全く外部行動が伴っていません。
  これから精進しなければいけませんね。
ろろ | 2009年11月11日(水) 09:34 | URL | コメント編集

●待ってました

今回行けなかったことが残念でなりません。
機会をもうけて行きたいと思わせられる内容です。

生に関することを人任せにせずに自分たちでやるということの力強さを、改めて感じました。

>内面と外部行動が両輪となってこそ、物的条件を改善していくことができる

まさにその通りだと思いました。

続きを楽しみにしています!
しわ | 2009年11月11日(水) 10:52 | URL | コメント編集

●だらだらとごめんなさい

やっぱり住むこと、食べること、着ることだけは自分たちで自活できるようにしたいですし、そのための努力であればしたいです
派遣切りやリストラで仕事どころか雨露をしのぐ所もないなんて話を聞くと
どうせ上には努力の仕方が間違っているとか言われて認めてくれないのですから(鳥かごに生かされ飼い主に支配された鳥だったというか
ただ、農地や水源地があってはじめて自活できるわけで、外国資本がそれらを金の力で奪い取られては終わりでは
ましてや、上はグローバリストや中国に洗脳された人がウヨウヨいますし
こういうことを何とか阻止しないと
かいねこ | 2009年11月11日(水) 11:13 | URL | コメント編集

中国ー尖閣諸島にはイラク並みに埋蔵量がある大規模油田があるとのことでしたが、どこかのサイトで見たのですが、エネルギー収益率で試算したら全く使えないそうです
それに、他の油田でも掘り出してみて品質に問題があったりすることも多いらしいです
かいねこ | 2009年11月11日(水) 11:21 | URL | コメント編集

長らく更新ありませんでしたが、有意義な活動されていたようですね。 
非常に興味深いレポートでした。私も非電化や野菜づくり、温故知新について関心があります。
続レポート楽しみにしています。^^
はやぶさ | 2009年11月11日(水) 13:32 | URL | コメント編集

●彼らが目を向けられないのは・・・

ワーキングプアとか、ハケン切りの対象になっている人が目を向けないのには2つの理由があると考えています。
1つは、単純に知らない。
こういう情報って銭を産まないからメディアは見向きもしません。なので、かなり自分からアンテナを張ってないとこれらを知る由がありません。ぼくもろろさんからお話聞くまで「?」でしたから。
もう1つは、新しい行動を起こすにはエネルギーが足りない。
何か新しいことを行動に起こすのってけっこうエネルギーが必要です。自分に絶望とか悲観してる人がそういうアクションを起こすのは心理的にも難しいんじゃないかな・・・って思うんですよ。ぼくも、仕事で疲弊しきったときって何にもする気が起きないことありましたから。

私は幸いにして、近代経済システムの中で中途半端にすら成功していない。でもワーキングプアにもなっていない・・・とう絶妙なゾーンにいるからこそ、気付けたのかもかも(苦笑)
バルス | 2009年11月11日(水) 23:33 | URL | コメント編集

 省エネ・エコとエネルギーの節約へ眼をむける事はなんとなくレベルで実践していましたが、今回紹介のありました非電化工房のサイトを訪れ、すでに斜め上を行っている人がいるのだと知りました。こうなって欲しい方向だと感心でした。
 住宅がなぜ小さいのか・・・次回が楽しみです(写真の大きさでは住居としては正直イマイチかと・・)
ウヰスキー | 2009年11月12日(木) 11:55 | URL | コメント編集

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