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2009.08.27(Thu)

グローバル化に対する是非というのも、投票の指針になると思う 

  マスコミと学者がつるんでやっている調査や提言にはあまり見るべきものがないと思っている方ですが、この調査結果はかなり面白いので、みなさんにも紹介しておきます。
  ただし、書いた人間の解釈や価値判断が入っている箇所がある(段落の最後の文に注意)ので、そこは飛ばして読んだ方がいいでしょう。いわゆる「メディアリテラシー」の訓練になると思います。
  なお、本文で「グローバル化」と「グローバリゼーション」というのは、ほぼ同じ意味だと理解して下さい。どちらも、「利益の極大化のために、文化や国籍の違いを無視もしくは破壊するような措置を執ること」という意味です。

マニフェストからは見えてこないもの――グローバル化に関する衆議院議員の政策選好
http://www.senkyo.janjan.jp/senkyo_news/0908/0908090502/1.php

学研究費基盤研究(A)「グローバル化と国内政治」プロジェクトチームは、ハーバード大学グローバル化研究グループ及びインターネット新聞社「ザ・選挙」と共同して、衆議院議員全員に郵送とファックスによるアンケート調査を行った。ここでは議員ごとの回答結果の大要を公開するとともに、プロジェクトチームの久米郁男早稲田大学政治経済学術院教授と直井恵カリフォルニア大学サンディエゴ校政治学部准教授がデータに基づいて分析結果を明らかにする。

 政党別と選挙区別の回答議員内訳は以下の通りである。

【政党別内訳】

自民党:61名
民主党:46名
公明党:7名
共産党:2名
社民党:4名
国民新党:3名
新党大地:1名
無所属:4名

【選挙区別内訳】

小選挙区:71名
比例区:57名


I.調査の目的と結果

 アメリカのサブプライム・ローン問題に端を発した金融危機は、世界同時不況をもたらすにいたった。米国オバマ政権の「バイ・アメリカン条項」案を巡る議論をみても、この世界不況にどう対応するかが各国政治の一大争点となっている。では、総選挙を目前とした日本においてはどうであろうか。各党のマニフェストに見られるように、大きな政府—小さな政府が主要な対立軸なのであろうか。あるいは世界経済の中で、日本は自由貿易体制を堅持していくべきか、適宜保護主義をとっていくべきかという対立軸が他の先進諸国同様、存在するのだろうか。このプロジェクトは、この問いを一般市民と政治家を同時対象に、グローバル化に対する態度のアンケート調査を実施し答えようとするものである。具体的には、貿易や工場の海外移転の増大、外国人労働者受け入れの増大に関する態度を聞いた。

(1)政治家のほうが市民よりもグローバル化に積極的

 外国からの輸入の増大について、それを良いことと考えるか悪いことと考えるかを聞いたところ、「悪いこと」(どちらかと言えばを含む。以下同じ。)とする議員はわずか4.9%であり、「良いこと」が41.5%である。これに対して、工場の海外移転と外国人労働者の増加については、「悪いこと」と答える議員が、それぞれ17.9%と13.8%と多くなる。しかし、いずれの設問でも、「良いこと」が18.7%と15.4%と拮抗している。

 一方で、早稲田大学(グローバルCOE「開かれた政治経済制度の構築」)と読売新聞が2009年2月に共同して行った「日本人の社会的期待に関する意識調査」研究(代表 田中愛治早稲田大学教授)において、一般市民に全く同じ質問をした。そこでは、外国からの輸入に対して「良いこと」とする回答者は20.9%、他方工場の海外移転と外国人労働者の増加について「悪いこと」とする回答者がそれぞれ32%と22.6%である。政治家の方が一般市民よりもグローバル化に対して積極的であることが分かる。

(2)グローバル化は格差をもたらすか:メリットとデメリット

 ただし、グローバル化の進展が格差の拡大をもたらすと思う比率は、政治家と一般市民でそれぞれ43.9%と45.9%であり、ほとんど差がない。政治家も一般市民も、グローバル化の「弊害」を同程度意識しているにも関わらず、政治家のほうがグローバル化を進めることに肯定的であることは興味深い。政治家が保護主義を防ぐ役割を果たしていることを示しているようである。

(3)政党間の違い

 では、政党間でグローバル化に対する態度はどのように異なっているだろうか。外国からの輸入を「良いことである」と答える比率は、自民党で46.6%、民主党で38.6%である。工場の海外移転を悪いこととする比率は、自民党で13.3%、民主党で25.5%、外国人労働者の増加を悪いこととする比率は自民党が11.7%、民主党が13.7%である。自民党の方が、グローバル化に対してやや積極的であるようだ。ただし、グローバル化が格差を生むとの認識を持つ議員は、自民党で41.6%、民主党で40.9%とほとんど差はない。自民党も民主党もグローバル化のデメリットは同じように認識しているが、自民党の方がそのメリットを重視していると言うことかもしれない。

II.グローバル化への対応を含む政策選好地図:対立軸はなにか

 今回の調査では、グローバル化に関する質問に加えて、それ以外の政策争点(安全保障、財政、公共事業など) についての一般的な質問も併せて聞いている。以下では、多次元尺度法を用いて、各政党の議員が政策地図の中でどのような位置を占めているかを見ておこう。我々の調査データから、議員の政策に対する選好が二つの次元に整理できることが分かった。第1の次元は、安保・外交における「ハト派」と「タカ派」の次元である。第2の次元は、大きな政府を志向するか小さな政府を志向するかのそれである。ここで興味深いことは、この第1の次元は同時にグローバル化に慎重か積極的かの次元でもある。以下の図は、この2次元政策地図上に回答していただいた個々の政治家をプロットし、政党所属を明示したものである。地図上の距離が近ければ近いほど、議員の政策位置も近いことを示す。

  チャート

 ここからは、大きな政府—小さな政府という第2次元では、自民党と民主党の議員の間に明確な差がないことが分かる。それぞれの党内での政策的立場の広がりは同様に大きい。これに対して、第1の次元である、安保・外交あるいはグローバル化への態度の次元では、自民党がタカ派的であると同時にグローバル化に積極的であり、民主党はハト派的であると同時にグローバル化に慎重である姿を読み取ることができる。安全保障・外交に関する質問をのぞいて政策地図を作成した場合には、第2次元(大きな政府—小さな政府)はそのままに析出でき、第1次元はグローバル化への態度になる。ここでもやはり自民党と民主党を分けるのは大きな政府を志向するかではなく、グローバル化への態度の次元になる。

 この議員調査結果をみると、各党マニフェストで焦点になっている「大きな政府—小さな政府」と「その財源」を巡る議論は、現実には政党間を差別化する政策イシューではなく、政治の前面にでてこない安全保障とグローバル化こそが議員や政党を峻別する軸となっていることが分かる。市民の立場にたってみれば、今回総選挙の帰結は、大きな政府か小さな政府という内政上の政策選択だけでなく、安全保障とグローバル化への態度という国際政治や世界経済の中の日本の政策選択に影響を及ぼすことになるのかもしれない。と同時に、政治学研究上は、なぜ安全保障・外交の対立軸とグローバル化への対立軸が重なり合うのかが興味深い問いとして提示された。安全保障はアメリカに任せて、自由貿易の利益を享受しようとする吉田路線を巡る政治対立が、安全保障に積極的に関わってグローバル化の果実を享受しようとする立場を巡るそれへと変化してきているのかもしれない。


  首を傾げたくなる部分は、ここです。

>政治家が保護主義を防ぐ役割を果たしていることを示している

  マスコミや知識人が限られた紙面で読み手を洗脳しようとする時によく使う「キーワード攻め」という手法です。
  本来であれば、ここでいう「保護主義」というのがどのような政策の傾向で、どのような利害得失があるのかという点を論証しなければならないはずです。それにも関わらず、何の説明もなしに保護主義=悪という価値判断を前提にして話を進めているのは不当です。
  別に私自身が保護主義を推進しろと主張したいわけではありません。ダメならば、なぜそれがダメなのかを説明しなければいけないと言いたいのです。
  このような論調のまずさは、

>政治家の方が一般市民よりもグローバル化に対して積極的であることが分かる。

  という部分と比較するとよく分かります。これは、その前に掲げてある数値が政治家の方が高いことから客観的に判断できます。要は、行間に書き手の価値判断が入っていないということです。
  私がテレビでニュースを見ることを進めないのは、送り手の価値判断がどこに挟まれているかを判断するゆとりが与えられていないからです。そう考えると、新聞や雑誌は、「価値判断を取り除いて情報を拾う」ということが出来れば、結構読む価値はあるのではないかと思います。
  なお、この考え方からすれば、各新聞の社説や、「天○人語」のような下らないコラムは、全く読む価値がないということになります。これらの記事は価値判断の塊であり、「どういう方向に人を誘導したいのか」を楽しむという、悪趣味な目的くらいしか利用価値がありません。

  このブログを読んでいる方ならお分かりだと思いますが、私はグローバリゼーションには反対です。理由は簡単で、私みたいなショボイ庶民には、グローバル化してもほとんど利益がないからです。
  安い輸入品が手に入るようになったといっても、その結果国内の労働者に給料が払われずデフレになれば私の給料も一緒に下がっていくわけです。外国人に門戸を開放したら、自分の職が奪われるわけです。それが嫌なら努力しろという人もいるでしょうが、今でも職業に必要とされる努力はしているわけで、それ以上の努力を強要されるいわれはありません。ましてや、デフレなどと言うマクロの現象は自分ではどうにもならないわけで、それを努力がどうの、自己責任がどうのと言われても困ります。
  そういうわけで、私はグローバル化を肯定し、推進するような政治家は不要だと思っています。この世から消えてなくなれとは言いませんが、あまり大きな顔をしてほしくないものだと思います。
  せめて、保護貿易がダメだというなら、こういう私の意見に対する反論程度のものは提示してもらわないと納得できません。(このブログの立場は、貿易そのものを縮小しても構わないというものであり、保護貿易は次善策程度にしか考えていないので注意)

>政治の前面にでてこない安全保障とグローバル化こそが議員や政党を峻別する軸となっていることが分かる。

  これはなかなか良い分析だと思います。データ分析の帰結ということもあり、余計な価値判断が入っていないのも良いです。
  ラーメン屋やスーパー銭湯なんかでテレビを強制的に「見せられる」ことがあるのですが(笑)、マスコミの選挙の取り上げ方というのは、どうも財源だの個々の政治家の失言だの、ずれた感じがするなというのが正直な印象です。
  書き手が馬鹿だというのが大きな原因ではあると思いますが、穿った見方をすると、マスコミはグローバリゼーションの可否を論点にされたくないのかもしれません。彼らのスポンサーは経団連起業や外資金融であり、日本国内がデフレになり、グローバル化が進めば進むほど利益を得られる立場にあります。個々の国民はチュウゴク産の食品など食べたくもないし、外国人労働者と一緒にやっていく気もない人が大勢を占めているので(素朴な生活感情としては当然)、「世界の流れはこうだ」「学識者はこう言っている」などと吹聴して、なんとなくそういう方向にもっていきたいのです。ちょうど、戦前にマスコミが扇動して「なんとなく」戦争に突入してしまったように。

  もう一箇所、面白い箇所はここです。

>安保・外交あるいはグローバル化への態度の次元では、自民党がタカ派的であると同時にグローバル化に積極的であり、民主党はハト派的であると同時にグローバル化に慎重である姿を読み取ることができる。

  政党がまるで民主と自民だけだと言いたげな論調はいけ好かないとしても、ここもアンケートから出てきた結果をもとにしていて安心して読めます。
  正直、これには私も驚きました。民主と言うというと、グローバル企業の利益を第一に考える松下政経塾出身者や、社会党出身の地球市民的サヨクがうじゃうじゃ生息していて、グローバル化を礼賛する人がかなりたくさんいると推測していたからです。
  もっとも、これは民主党が少ないというより、自民党にグローバル化にむやみに賛成している馬鹿がたくさんいるということの裏返しかも知れません。小泉カイカクを進め、気骨のある議員を追い出していくうちに、自民党はすっかりグローバリゼーション推進政党になってしまったようです。
  もっとも、清和会を除いて、グローバリゼーションを推進しているという意識は希薄でしょう。上の引用文で紹介されているように、自民党には「吉田ドクトリン」という、面倒な外交や安全保障はアメリカに丸投げして、貿易黒字で経済発展をすることに集中するという行動規範がありました。アメリカが寛容だからこそ成り立ってきたやり方なのですが、その流れと、昨今のグローバリゼーションが同じようなものだと、少なからぬ議員が勘違いしている節があるのです。
  現代のグローバリゼーションが冷戦下の輸出拡大と同義だと思っているというのは、重大な事実誤認でしょうから、いずれにしろ自民党の議員達には国民生活を左右する立場を委せておく理由はないと言えます。

  ●冒頭のリンク先には、回答した個々の議員のアンケート回答結果が出ています。みなさんの衆院小選挙区候補者もいるかもしれません。投票の際の参考にするとよいかと思われます。
  もっとも、「完全に自分の主張と合っていないから」という近視眼的な見方はやめてほしいものです。多分、理想に合う政治家はいませんし(自分と同じ人間などいない)、今後も出てこないと思っていた方がいいです。政治家にあり得ない夢を託すのではなく、我々自身がやらなければならないことをやる方が大切です。

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Comment

自民党は民主党のFTA交渉推進を批判していて、この点では自民党は立派だなと思っていたら、自民党のマニフェストにもFTA交渉推進が書かれていました。
自民党は本当に凄い政党だと思いました。
Kirokuro | 2009年08月27日(木) 18:16 | URL | コメント編集

おっしゃる通りグローバル化が当然という風潮が蔓延してるのは否めませんね。
グローバリズムと地方や派遣などの弱者切り捨てがセットになっているという事実に、
ほとんどの人は気付かなくさせられているのではないかと危惧しています。

地方に住む身としては自公、民主とも政策に掲げられている「地方分権」がどうなっていくか本当に心配なところです。
少なくとも現在のグローバリズムありきの状況では絶対に手を付けるべきではない事柄だと思うのですが。
幸か不幸か我が国は良質の水と農産物をたくさん得ることができるのですから・・・。
ほり | 2009年08月28日(金) 01:27 | URL | コメント編集

●コメントありがとうございます

>>kirokuroさん

>自民党は本当に凄い政党だと思いました。

  強盗が「気をつけろ、そいつは詐欺師だ!」と相手を揶揄しているようなもんですからね。
  二大政党制だけは絶対に実現して欲しくないと、心から思いました。アメリカの国政選挙の投票率が低い理由がよく分かります。

>>ほりさん

>グローバリズムと地方や派遣などの弱者切り捨てが
>セットになっているという事実に、ほとんどの人は
>気付かなくさせられているのではないかと危惧しています。

  そういう問題に気づく芽はあると思います。ハケン切りとかそうでしょう。しかし、そこに右や左の旦那様が寄ってきて、ああじゃないこうじゃないと喚き出す。救済方法も、全部近代政府がやってきたような方策です。
  近代国家である以上、金持ちを救うのは当然であり、そこに過度の期待をするのは間違っています。誰か、たとえば国民新党が政権を取りさえすればいいという問題ではありません。今の状態では、誰がやっても守銭奴・グローバリストの政権になってしまうでしょう。

>良質の水と農産物をたくさん

  このことを日本人、特に地方に住んでいる「近代的日本人」ほど分かっていないというのが痛いところです。
  ところが、外国人はちゃんと分かっているわけで、だからこそ中国の企業が九州の水源林をカネで買おうとしてきたり、「彼ら」の先兵であるオーストラリア人が白馬や倶知安を占領し始めているわけです。
ろろ | 2009年08月28日(金) 08:34 | URL | コメント編集

私が民主党で期待してる政治家は、個別保証制度の立役者、篠原孝さん。奈良2区の滝実さん、比例東京ブロックで出る小林興起さん。
あと年次改革要望書や財界の悪しき有識者会議を糾弾している参院の櫻井充さんなどです。
Kirokuro | 2009年08月28日(金) 19:13 | URL | コメント編集

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 | 2009年08月29日(土) 07:52 |  | コメント編集

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