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2009.01.26(Mon)

見よ、これが「相互依存」というものだ 

  このブログでは、「相互依存は危険だ」ということを何度も訴えています。
  ここで相互依存と言っているのは、ある国と他の国が相互に貿易を拡大した結果、もはやその関係抜きに経済や国家運営が成り立たない状態になってしまうことです。
  その最も深刻な「患者」が、我が国のすぐ近くにいます。韓国です。

検察、双竜自技術流出の捜査に二の足
http://www.chosunonline.com/article/20090125000011

 検察は経営破たんした双竜自動車の大株主である中国・上海汽車への技術流出疑惑に関する捜査結果発表を控え、対応に苦慮しています。捜査は終了した状態ですが、結果をどのように発表すべきかをめぐって、結論を出せずにいるためです。

 これまで検察は捜査結果を発表する場合、上海汽車が双竜自の経営から撤退することを懸念していました。そのため、上海汽車が今月9月に双竜自の法定管理(日本の会社更生法適用に相当)を申請したことで、検察に対するプレッシャーは軽減されたとみられています。

 しかし、今回の事件は上海汽車だけでなく、韓中両国の外交問題も考慮しなければなりません。上海汽車の過ちを強調しすぎるあまり、中国で反韓感情でも生まれれば、今後韓国の自動車メーカーが中国で営業する上での障害にもなり得ます。

 検察関係者は「上海汽車を不正競争防止法上の営業機密漏えいと背任の罪で昨年10月に起訴することもできたが、デリケートな事案だけに発表が延期されている」と説明しました。警察が容疑を具体的に明らかにしたのは、それだけ捜査内容に自信を持っていることを示しています。

 しかし、政府高官は「上海汽車は上海市政府が100%出資する公営企業のため、同社に対する処罰は中国政府との対立を招くことがあり得る」と懸念しています。技術流出問題が中国との自動車通商摩擦に飛び火すれば、韓国企業の中国での市場拡大が難しくなるというのが、韓国自動車業界の懸念です。

 知識経済部も最近、「上海汽車が持ち出した技術は大したものではないという事実を捜査の参考にしてほしい」と検察に申し入れました。

 しかし、捜査の実務担当者は容疑が明白なのにそのまま放置できないとして、強硬な態度を見せています。検察は来週にも捜査結果を発表する予定です。


  双龍(サンヨン)自動車を巡る技術流出事件というのは、こういう事件です。

上海車, 部品設計図まで‘食い逃げ’可能性
http://blog.livedoor.jp/hangyoreh/archives/395484.html

上海車(引用者注:上海汽車のこと。以下同)が自動車開発技術だけ習得して双龍車(注::双龍自動車のこと。以下同)を捨てたという‘食い逃げ’論議が順次加熱している。双龍車労組と自動車業界の一部専門家たちはすでに双龍車の技術の大部分が中国へ渡った反面、これに対する代価はまともに支払われなかったと主張している。

上海車が取得した以後4年間に双龍車が生産する車両の設計図など双龍車の技術の大部分が流出しただろうというのが自動車業界専門家たちの話だ。

キム・ピルス大林大教授(自動車学科)は「昨年双龍車を詳しく覗いて見る機会があったが実際にボルト一つまで設計図が全部中国側へ渡ったと調査された」と話した。最も表立った事例はL-プロジェクトによりカイロンの生産技術が上海車へ渡った点だ。上海車は今年上半期から中国型カイロンを中国内で生産することにした。これは一般的に韓国で部品を生産した後、中国に送って組み立てるCKD方式ではなく、部品もすべて中国内で生産する方式だ。このような点を考慮すれば部品一つ一つの設計図まで全てが中国へ渡ったものと見られる。

双龍車労組が最も問題視するのは今年下半期、双龍車が発売する計画のコンパクト スポーツ実用車(C200)技術だ。この車は双龍車初の‘モノコック ボディー’(車体がまるごと一つに連結した方式)自動車で最新技術が適用された双龍車の期待作だ。最近起きた労組の上海車役員監禁などの口実になった車両でもある。だがこの技術もすでに移っているものと見られる。実際に車両開発に使われたものは大部分が双龍車の技術だが共同開発形式を取っているためだ。生産も今年下半期に韓国と中国で同時に始まる計画だった。

問題はこういう‘技術移転’が代価さえまともに受けられないまま進行されたという点だ。上海車が中国型カイロン生産技術移転に支払った代金は250億ウォンに過ぎない。概略3千億ウォンかかる車両一台の開発費用に較べてまったく足りない。C200技術まで加えた全体技術移転費用は1200億ウォン水準だ。これに対して双龍車関係者は「普通新車開発費用は金型とライン設備設置費まで含まれるので技術移転費用と単純比較することはできない」として「今後の販売状況によって技術移転費用は大きく膨らむこともありうる」と話した。

ディーゼル ハイブリッド技術の流出は、検察が現在捜査中の事項で事実と確認された場合、韓・中間の外交問題にまで飛び火することがありうる。双龍車のディーゼル ハイブリッド技術開発は去る2003年産業資源部(現知識経済部)支援国策事業に指定され昨年までに数十億ウォンの国庫支援を受けたためだ。双龍車側は「まだ商用化に達していない初歩的な開発段階だから流出というほどの事項ではない」と説明した。


  双龍自動車を巡っては、昨年こんなことが起きています。

双龍自動車のマネジメントに苦悩する上海汽車
http://www.sc-abeam.com/mailmagazine/cho/cho0123.html

 8月 11日、韓国の双龍汽車の労働組合がゼネストを宣言し、16日に約 5,300
名の組合員が平沢工場に集まり、10% の賃上げと 550 人解雇計画の撤回を要求
する「無期限玉砕ストライキ」を敢行した。8月 9日、上海汽車から派遣され、
新たに双龍自動車の代表理事(社長)に就任した Philip Murtaugh 氏が打ち
出した「構造調整プラン」がゼネストの引き金となったものである。

 上海汽車は、双龍自動車を買収後、そのマネジメントに頭を悩ませてきた。
双龍汽車は未だに赤字状態を脱出できていないことに加え、上海汽車から提示
された上海汽車・双龍自動車による中国の合弁企業設立計画にも、「技術流出
に防止」という理由で頑なに反対してきた。2005年末には、上海汽車が 2010年
までに双龍汽車へ 25 億ドルの設備投資を実施するという計画を発表した上、
双龍自動車の自主経営権の拡大も認める方針を打ち出した。さらに、元 GM 中
国董事長の Philip Murtaugh 氏を上海汽車の副社長に迎え入れ、双龍自動車
に投入した。しかし、上海汽車のこうした努力の効果は未だに現れる気配もな
い。上海汽車の悩みは深まるばかりである。

 
  韓国の労組というのは、日本の労組が全て御用組合に見えるほど闘争心が旺盛ですが、今回に限っては、労組の自主的な判断と言うより、韓国政府が入れ知恵をして中国側を揺さぶっていると見た方がいいでしょう。
  そして、業を煮やした上海汽車側は、2009年に入って思い切った行動に出ました。

上海汽車、韓国双龍車に2千人減員を要求
http://jp.ibtimes.com/article/biznews/090109/26671.html

 中国自動車大手の上海汽車集団は8日、子会社である韓国・双龍自動車と双龍自動車の経営正常化について協議し、双龍自動車が生産第1ラインで2千人を減員しないと2億ドルを支援不可との立場を表明したと、中国のメディアが報じた。

 毎月250億ウォンの運営資金が必要な双龍自動車は、2009年4月に満期到来の負債が1千500億ウォンにいたるため、事業再編が行われないと2億ドルを支援しても双龍自動車は5-6か月しか維持できない状況と、上海汽車集団は判断している。

 それに、双龍自動車の1台当り人件費は600万ウォンで生産費の20%を占めており、業界の平均人件費の2倍に至っていると上海汽車集団は見ている。

 双龍自動車は工場敷地などの土地を売却して資金調達を図しているが、キャッシュフローの不足が大きい状況。

 双龍自動車には、2005年に上海汽車集団に買取されてから、紛争が絶えない。

 上海汽車集団はこれを国際金融危機の影響と見ているが、双龍自動車の労働組合は上海汽車集団が投資約束を履行しなかったためと思い、上海汽車集団と双龍自動車の労働組合、貸付銀行の産業銀行が三角戦争を行っている。

 上海汽車集団は減員と賃金削減を要求し、受け入られない場合は資金撤収まで考慮するとの立場であるが、産業銀行は上海汽車集団の意見は尊重するが、資金支援なしでは追加貸付は不可の立場である。労働組合は減員不可と資金の緊急調達、技術の流出禁止を主張している。


  言うことを聞かなければ潰す、ということを向こう側が打ち出してきたわけです。ものすごい角逐です。まさに、エゴむき出しの国際関係という感じで、迫力があります。
  これを、韓国と中国の産業技術を巡る「戦争」だとすれば、韓国側には必勝の策があります。それは、冒頭の引用記事で出てきた「2003年産業資源部(現知識経済部)支援国策事業に指定され昨年までに数十億ウォンの国庫支援を受けた」という部分です。これが事実なら、不正競争防止法という法律に違反したとして、上海汽車を摘発することが出来たからです。朝鮮にも日本のネット右翼や自称ホシュのような、生活感覚ゼロの国家主義者がたくさんいます(たとえば●こういう人)から、そういう連中はきっと「我が国の政府が不遜な中国企業をやっつけてくれるはずニダ!」とか、ワクワクしていたことでしょう。
  しかし、現実は冒頭の記事です。国家プロジェクト並みの技術が外国企業に盗まれていて、それに対応する法制度まであるというのに、韓国には何もできないのです。
  その冒頭の記事から、少々引用してみましょう。

>韓国企業の中国での市場拡大が難しくなるというのが、韓国自動車業界の懸念

  自動車というのは、日本でも韓国でも、近年は特に輸出依存体質の強い企業です。国内はどうなっても、国外で利益を上げればいいので、典型的なグローバリスト(国家観の枠組みを取っ払って利益を最大化しようとする個人や集団)企業と言えます。そういう連中だからこそ、国家プロジェクトに類する秘密が漏洩しても、おとなしくしていろと政府に要求するのです。
  トヨタの会長だった経団連のボスが、やたらと中国に配慮しろと繰り返していたのと全く同じ構図です。

>知識経済部も最近、「上海汽車が持ち出した技術は大したものではないという
>事実を捜査の参考にしてほしい」と検察に申し入れました。


  政府がヘタレ(というか、グローバリストの利益に忠実)なのは、日本でも韓国でも同じのようです。
  もっとも、韓国側も、いったんは中国側から資金の注入を受けたわけですから、そこでごねるというのは信義にもとるのではないか、という見方も出来ます。カネを出してもらう以上は、儲けの道具として利用されることは覚悟すべきでしょう。

  幸い、日本ではまだ双龍自動車のように、中国政府の息のかかった企業に買収されて技術を抜き取られ、資金撤収の脅しをかけてリストラを断行されるような企業は出てきていません。なぜでしょうか。
  それは、日本は韓国ほど中国との相互依存の度合いが高くないからです。
  単純にGDPのうち貿易が占める比率(貿易依存率)にしても、日本は2割弱なのに対して、韓国は7割超です。しかも、韓国は輸出・輸入相手国ともに中国が1位です。
  要するに、中国とものの売り買いをしなければ、韓国は即死するということです。だから、不当な仕打ちを受けても反撃できません。日本で言えば、トヨタのプリウスの技術が盗まれたのと同じなのにもかかわらず、何もできない訳ですから、かなりの痛手でしょう。
  外国に一方的にもたれかかるということは、そういうリスクがあるということです。相手が何処であれ、向こうはこちらを食い物にしようとしているという警戒心を持って接するべきです。

  もっとも、我が国もアメリカに有力企業を根こそぎ乗っ取られる危険があった時期がありました。商法の大改正(=会社法の制定)とともに、●「三角合併」が法制化された頃です。そういう時は、もちろん小泉政権の頃だったりするわけですが、この制度を使えば、株価だけは馬鹿高かったアメリカ企業が、日本に子会社を作り、親会社の株式を合併対価として日本の会社を簡単に買収できるはずでした。
  しかし、この制度は1年間施行が凍結されました。小林興起、小泉龍司という、いまや自民党を追放された官僚出身の議員(当時)が問題提起して、解禁を棚上げにしたのです。その1年で、日本企業は買収対策を整備し、結局アメリカ側は当初の狙いを達成することが出来ませんでした。
  それがなければ、2005年(あの郵政選挙の年)に中国企業に買収された双龍自動車のような事態が、日本でも起きていたかもしれません。日本の技術や経済力が世界トップクラスだということを誇りに思っている右寄りの人たちは、小林・小泉ふたりの元衆議院議員に感謝すべきでしょう。

  だったら、相互依存なんてやめてしまえばいいとも思いますが、そんなに話は簡単ではありません。

  日本で、いかにチュウゴク食品の危険性が周知したとしても、外食産業はいまだにチュウゴク産食材に依存しています(●こちらのサイトが参考になる)。それを一方的に非難することはできません。なぜなら、中国と日本の購買力や人件費の差を利用したくなるのは、営利企業としては当然だからです。
  すなわち、経済におけるグローバリゼーションや、キヤノンやトヨタ(経団連企業)のようなグローバリスト企業の露骨な政治干渉は、企業の論理を突き詰めた結果であり、その点においては決して「間違い」ではないということです。

  そうだとすれば、どうすれば我々の生活や、国家そのものを防衛していけるか、方法は二つあります。
  一つは、「外国を相手に徹底的に戦う」ということです。

  たとえば、中国が産業スパイをやってきたり、アメリカがカイカクしろ、門戸を開放しろと恫喝してきたりしたら、対抗措置を講じて、相手にもダメージを与えるということです。
  しかし、これをやるとなると、第二次大戦の敗戦国であるという汚名を着せられている日本は、四方八方から徹底的にいじめられるでしょう。現に我々は、毒餃子事件一つをとっても、中国側から謝罪や再発防止の約束を取り付けていません。我々には、残念ながら国際世論を左右するような手段も能力もないようです。

  もう一つは、「思い切ってリングから下りてしまう」ということです。

  これもなかなか大変です。我々は、経済は発展して当たり前だと思っている節があるからです。そうでなくても、「国がビンボーになる方がいいというのか」とか「経済発展しなければ、軍備を整えて国土を守ることすらできないじゃないか」とかいった恫喝をしてくる人間が多いのも事実です。
  しかし、●少し前の記事でも述べたように、今後石油を初めとした化石燃料の供給量はどんどん縮小し、嫌でもそういう社会に突入せざるを得ないのです。
  そういう時期に必要なのは、軍隊の最前列で雄叫びを挙げながら突進することではありません。しんがり(軍隊の最後尾)を務める部隊に頑張ってもらいながら、徐々に退却することです。これは簡単なことではありません。味方を逃がすために身体を張って、しかも退却のスピードに合わせて後退しなければいけません。合戦でもしんがりを務める部隊には、一番死傷者が多かったそうです。
  短期的には「内需の拡大」で対応すべきですが、それもおそらく限界があります。現在の日本の大企業の多くが、海外での積極展開を前提にした組織や人員を保有しており、それらを維持発展させていくためには、必ず外に打って出る必要が出てくるからです。分配を強化しろと主張している勢力(たとえば、小沢一郎や、亀井静香のような国民新党の議員)がいなくなれば、強烈な揺り戻しがきてもおかしくありません。
  だからこそ、輸入品や外部からの富の移転がなくても回していける経済システムを作り出す必要が出てくるのです。以前からこのブログでも話している「地域通貨」や、それを利用した「地域レベルの経済循環・人的交流」がそれです。
  言い換えれば、分配強化を主張する「国民経済派」にしんがりを務めてもらい、我々はその後ろで次の時代に備えた準備をしていかなければいけないということです。
  そのために何を目指せばいいか、このブログをご覧になってもヒントらしきものが書いてありますし、以下のブログも非常に参考になります。是非ご覧下さい。

晴耕雨読・ 開かれた地域共同体について
http://sun.ap.teacup.com/applet/souun/msgcate17/archive

減価する通貨が導く近代超克への道
http://blog.goo.ne.jp/banabuna

  今後ともこのブログでは、しんがりを務める人びとを応援しながら、「次の次」を見据えて、記事を書いていきたいと思います。

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Comment

●TBです

開かれた地域共同体」についての粗雑なイメージ
http://sun.ap.teacup.com/souun/180.html
早雲 | 2009年01月26日(月) 22:05 | URL | コメント編集

●最初にお読み下さい

「利潤なき経済社会」と「開かれた地域共同体」
http://sun.ap.teacup.com/souun/179.html
早雲 | 2009年01月27日(火) 19:07 | URL | コメント編集

●本エントリーからは少々外れますが

経済刺激策の基本となる大型景気対策法案に、米国製品の購入を義務付ける「バイ・アメリカン(Buy American)」条項が盛り込まれるそうです。
http://www.afpbb.com/article/politics/2566137/3737966

完全に自国製品でカバーすることは不可能だとしても、一定の割合を自国製品でまかなえば、ある程度の効果は出ると思います。
(コスト的に無理が生じるのであれば、実施されない可能性があります)
また、この記事で面白いと感じたのは、「(アメリカの)経済界」が「輸出を悪化させるだけだ」と懸念・反対していることです。
わが国もそうですが、目先の利益だけ追い求めた結果の行き着く先が、ろろさんのおっしゃる「相互依存」なのでしょうから、国のトップは現実を見据えて欲しいと思います。
LEM | 2009年01月31日(土) 08:31 | URL | コメント編集

●>>LEMさん

  早速記事にしました。少々中途半端ですが、ご覧になって下さい。

>>みなさん

  コメントの返信が遅れてすみません。もう少々お待ち下さい。
ろろ | 2009年02月05日(木) 13:41 | URL | コメント編集

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