2017年11月 / 10月≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫12月
--.--.--(--)

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
EDIT  |  --:-- |  スポンサー広告  | Top↑
2008.12.31(Wed)

「海洋覇権国家・中国」は誕生するのか?(3) 

  ●前回の続きです。中国の海洋戦力増強の流れはもはや決定的になったようです。

中国:空母建造を検討 国防省、初めて認める
http://mainichi.jp/select/world/news/20081224ddm002030071000c.html

中国国防省の黄雪平報道官は23日、北京で会見し、中国初の航空母艦の建造構想について「空母は国家の総合力を表す。各方面の要素を総合し、関係する問題について真剣に研究し考慮している」と述べ、検討していることを認めた。

 中国の空母構想については、劉華清・元中央軍事委員会副主席が70年代に海軍内で検討が始まったことを回想録で明らかにしていたが、現職の国防省幹部が公式に認めるのは初めて。黄報道官は空母保有の必要性について「中国には広い沿海部がある。領海の主権と権益を守ることは中国軍の神聖な職責だ」と説明した。



中国が空母建造「真剣に検討」 米太平洋軍司令官が認識
http://www.47news.jp/CN/200812/CN2008121901000102.html

 キーティング米太平洋軍司令官は18日、ワシントン市内で講演し、中国がこれまで保有していなかった空母の建造を「真剣に検討している」との認識を表明、アジアの軍事バランスの変化に警戒感をにじませた。

 中国海軍が空母建造に強い関心を示しているとの見方は各方面で報じられているが、米軍高官が公に実現の可能性について言及するのは珍しい。

 司令官は、中国が実際に空母開発に乗り出せば「アジア太平洋周辺国の中には脅威に感じる国が出てくる。そうならないよう中国の動きを注意深く見守っていかなければならない」とけん制。「われわれとしては今以上に軍の透明性を高めるよう促していくことになるだろう」と警告した。


>軍の透明性を高めるよう促していく

  完全に地政学から話がそれますが、この「透明性」(transparency)という言葉は、こういう風に使うという典型例です。
  この言葉連発しているのが、「日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく 日本国政府への米国政府要望書」(いわゆる「年次改革要望書)です。●今年のものがPDFで出ているので、ご覧になって「透明性」が使われている回数を数えてみるといいでしょう。
  要するに、アメリカの敵対勢力に対して手の内を見せろ、と恫喝しているのです。日本の経済は、アメリカにとっては中国海軍と同じように危険な存在なのでしょう。

  もっとも、前回の記事でも言ったとおり、「ランドパワーはシーパワーになれず、シーパワーはランドパワーになれない」というのが、今までの人類の歴史から分かる事実です。ライオンは陸にいるからライオンなのであって、海に潜ればイワシやサンマにすら勝つことはできません。サメやシャチがいかに海の乱暴者としておそれられていても、陸に上がれば何もできないのと同じです。このことは、前回紹介した第一次大戦におけるドイツの例は、ライオンが泳ぎの練習をしても何の役にも立たなかった好例です。
  中国と同じ「ランドパワー」の国でも、そういうことをきちんと分かった上で、国家戦略を立てている国がいます。ロシアです。以下のニュースに、そのことが象徴的に描かれています。

シベリア鉄道に日本の新幹線技術が使われる?(2007年6月)
http://www.blueblood.jp/moscow1992/blog/2007/06/post_22.html

 政府は27日、ロシアが進めるシベリア鉄道(ウラジオストク―モスクワ間、全長約9300キロ・メートル)などの鉄道網整備計画について、新幹線技術を使った支援に向けてロシア側と協議に入ることを明らかにした。
 今秋をめどに両国の政府関係者や企業などで作る作業部会を設け、具体策の検討を始める。日本政府は、急速な経済成長を遂げているロシアに日本の鉄道技術を売り込み、ビジネスチャンス拡大を図る。石油・天然ガスが豊富なロシアと協力関係を強めることで、エネルギーの安定供給にもつなげたい考えだ。
 ロシア政府は今年9月にも、2030年を目標とする鉄道整備計画を策定する。世界最長のシベリア鉄道の近代化はその中核となる。ロシア政府は昨年、「新幹線など日本の鉄道技術を導入できるかどうか検討したい」と非公式に日本に協力を打診していた。(読売新聞Web版より)

  ※シベリア鉄道の路線図は●こちらを参照


  ロシアは、ヨーロッパから東アジアに至る東西に広い領土を有しています。この広大な国土を鉄道で横断できるようにしているのがシベリア鉄道です。その最も大きな意味は、インド洋を経由せずに、欧州と東アジアを結ぶことができる点です。
  そのシベリア鉄道の全路線がロシア領内にあるということは、ロシアは単独で洋の東西をつなぐ交通手段を確保できるということを意味しています。もちろん、シベリアは極寒の地ですから、気候的なハンデはインド洋経由の航路よりも大きいわけですが、今後世界が温暖化(二酸化炭素の増大などではなく、太陽の黒点活動などによる周期的なもの)して、シベリアが今より過ごしやすい気候になれば、利用価値は一気に高まってきます。
  では、ロシアの海軍戦力はどうなのかというと、正直言ってやる気が感じられないのが現状です。

ロシア原潜事故、事故原因は水兵の過失と断定 刑事告発
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/disaster/2538679/3517870

 ロシア海軍の原子力潜水艦「ネルパ(Nerpa)」が日本海での航行試験中に消火装置の誤作動を起こし、乗組員やエンジニア20人が死亡した事故で、事故調査委員会は13日、事故原因は乗り組んでいた水兵の1人が消火装置を無許可で作動させたことだと断定、この水兵を過失致死の疑いで刑事告発した。事故調委の発表をロシア通信(RIA Novosti)が伝えた。

 報道によると、事故調委は「水兵の1人が無許可で、理由なしに消火システムを作動させた事実が証明された」「この水兵はすでに過失を認めた」などと説明した。告発内容は、最大7年の量刑に相当するという。当局は、当時艦内で火事は起きていなかったとしている。

「ネルパ」の事故では、消火装置が作動したためフロンガスが艦内に充満し、酸素不足で20人が窒息死、21人が病院に運ばれた。被害が拡大した理由としては、酸素マスクの不足に加え、マスクを着用した遺体も発見されていることから、マスク自体に欠陥があった可能性も指摘されており、ロシア軍の装備の安全性をめぐって新たな不安を露呈する結果となった。

 一方ロシア軍は12日、事故を起こした「ネルパ」が航行試験に合格し、正式にロシア海軍に配備される予定だと発表している。


  ロシアの原潜といえば、●クルスク号の沈没事件がよく知られているわけですが、これはまだソ連崩壊の負の遺産だといういいわけができました。しかし、プーチン大統領(現首相)のもとで経済発展を成し遂げた後でもこれです。もちろん、クルスク沈没に比べれば小さな事故ではありますが、アメリカ海軍とぎりぎりのところでせめぎ合っている状態なら、敵を勇気づけるようなこんなニュースはそもそも出てこないはずです。
  そうだとすると、今のロシアはソ連の二の舞にならないように、主戦場を陸上に定め、シーパワーの世界には手を出さないということを決めているのでしょう。ユーラシアの各地、とくにヨーロッパに対して、パイプラインで化石燃料を供給していたり、●ロシアを迂回するパイプラインの要所になりうるグルジアに対して戦争を仕掛けたり、そういう動きは全てロシアが土俵を陸の上に設定しているということを示しています。

  それならば、同じランドパワーである中国も、そういう道を歩めばいいのではないか、と思う人もいるかもしれません。

  しかし、それは絶対に無理な相談です。理由は簡単で、中国という国は、ロシアと比べると、ランドパワーとして決定的な弱点を抱えているからです。

  それは、中国がランドパワーでありながら、シーパワーの持つ海上輸送路を当てにして世界貿易に参加し、そのおかげで今の「繁栄」を維持しているということです。

  有史以来の中国の歴史、特に経済の歴史を見ていると、非常に強く印象を受ける点があります。それは、日本よりもはるかに昔から貿易のグローバル化を経験していることです。
  たとえば、漢の時代にローマ帝国と結ばれていた「シルクロード」もそうです。また、ずっと時代が下って、明の時代の●「鄭和の大航海」もそうです。中国というのは、中華思想を掲げる唯我独尊の国などではなく、朝貢だの冊封だのいろいろいいわけをつけて、常に周辺諸国や、それよりも遠くにある中東・ヨーロッパと相互依存の関係を築いてきた国なのです。
  これは、現代でも全く変わりません。それどころか、近代型工業の発展に伴って、エネルギーや食料面での他国との相互依存がどんどん進んでいます。
  以下の点に、そういう経済の危うさが表れています。

中国 燃料エタノール用需要増大で「数年以内にトウモロコシ純輸入国に」の予測
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/agrifood/asia/news/06112701.htm

 チャイナ・デーリー紙によると、中国商務部内部者が、主として燃料エタノールへの加工需要の増大のために、中国が数年以内にトウモロコシの純輸入国に転じると見ている。

 商務部の統計によると、今年第3四半期までのトウモロコシ輸出は昨年同期に比べて68.3%減少して227万トンとなっているが、輸入は43倍も増加、6万トンに達した。石油価格の上昇で、多くの穀物企業がトウモロコシ主要生産省に加工施設を建設してきた。匿名の内部者によると、増大する加工能力が国内需要増加を増加させ、その結果として今年のトウモロコシ国内在庫は減っているが、来年はまだトウモロコシ生産が需要を上回るから、中国が来年にもトウモロコシの純輸入国に転じることはなさそうだ。しかし、数年以内にはそうなる可能性が高い。

 中国では、トウモロコシの大部分は燃料用エタノール、糖、動物飼料の生産に使われる。中国のトウモロコシ主要生産地域である東北部・吉林省にはこのための10以上の加工工場があり、これらの工場は年に600万トンを加工する能力を持つ。東北部の加工施設は、2008年までに年間およそ1500万トンを消費すると推定される。2004年には中国全体1380万トンがこのような加工用に使われたが、これは2005年には2500万トンに増え、今年は前半だけで1560万トンになっている。

 中でも燃料用エタノール生産のための消費が大きい。中国は、今やブラジル、米国に次ぐ世界第三の燃料用エタノール生産国になっている。昨年、890万トンが燃料用エタノールとアルコールの生産に使われたが、これはトウモロコシの工業的消費の44.5%を占める。エタノールメーカー、糖類生産者、飼料工場が国のトウモロコシ在庫を食い潰してきた。

 昨年は861万トンを輸出したが、関係者は、今年後半の輸出は予想されていた500万トンに達することはありそうもないと見る。他方、ますます多くの企業がトウモロコシの輸入を始めている。7月には、一糖メーカーが米国に5万トンの輸入を発注した。専門家によると、需要と価格の激動を避けるために、政府も加工工場の管理を強めているという。

とはいえ、中国は、都市化・工業化や土壌汚染・劣化で耕地が減少し、水不足も深刻化の一途を辿るなか、食肉消費の増大で増加する飼料用トウモロコシ需要の増加を、水田や小麦栽培地を犠牲にしたトウモロコシ生産の拡大で補ってきた。しかし、トウモロコシ収穫面積や単収の増加も限界に達している(図参照。データはFAOSTATによる)。そこにバイオ燃料用需要が加わるとすれば、トウモロコシ純輸入国に転じるのは確かに不可避であろう。安価な米国産トウモロコシに頼るわが国畜産ー特に酪農ーの先行きもますますはっきり見えてきた。


  中国の穀物自給率は95%です。日本より上じゃないか、と思う人がいるかもしれませんが、人口の絶対数が違います。たった5%の不足でも、輸入量は膨大になるということです(ちなみに、ロシアの穀物自給率は110%)。
  その弱点を補うために、中国が指向しているのが「海洋覇権の確立」なのです。自力で台湾海峡-マラッカ海峡-インド洋-中東という海上輸送路を押さえることができれば、東アジアに入ってくる中東産の石油は全て押さえることができ、より有利な資源獲得が可能になります。
  しかし、これはまさに「二律背反」の命題です。中国が海上覇権を確立しようと海軍の増強に走れば、今現在世界の海を支配しているアメリカに対して挑戦せざるを得ません。アメリカは金融資本でも最強の国ですから、中国がそういう「暴挙」に出れば、金融機関が中国に対して外貨建ての融資を一切行わないという反撃に出ることができます。外資がいっせいに資本を引き上げた状態で、中国は新しく設備投資ができたり、貿易決済を滞りなく行えたりするのでしょうか。
  もしできたとしても、アメリカが日本の海上自衛隊あたりを同行させて、「海賊対策」などと称してマラッカ海峡を封鎖してしまったら、中国はこの封鎖を自力で突破しなければならなくなるわけです。
  たとえるなら、最近やっと水泳の練習を始めた図体ばかりでかい男が、オリンピックのメダリストたちに独力で勝たなくてはいけないようなもので、まずもって不可能です。それこそ、ドーピング(異常な軍備増強や、それにともなう財政不安)でもやるしかないのでしょうが、泳ぎ方を知らないのですから、そんなことをしても無駄です。
  中国が今まで通りの経済発展、すなわち、前に走ることで倒れるのを防いでいる自転車状態を続けるには、シーパワー(アメリカや日本)の協力が不可欠なのです。それを分かっているからこそ、胡錦涛は5月に日本を訪問して愛想を振りまき、ここ最近反日デモやら、高官による日本への高圧的な発言やらが聞こえなくなっているのです。
  アメリカに海の上で喧嘩を売ったら、そんなポイント稼ぎには何の意味もなくなるのですが・・・。中国の首脳陣というのは、一体全体、間抜けなのか狡猾なのか、よく分からないことが多いですね。

  ここまでの話を総合すると、中国の海洋覇権確立=シーパワー化を過剰に警戒したり、世界の終わりみたいにして騒ぐ必要は全くない、という結論になります。
  中国は、しょせんは他国との貿易に依存したローカルパワーであり、世界の仕組みを自分から能動的に改変できるほどの力はありません。シーパワーとしては米英に完全に力負けし、ランドパワーとしてもロシアには劣るのです。私は別に中国という国は好きでもなんでもありませんが、背伸びをしないで、本分をわきまえた方がいいんじゃないかという気がします。

  ただし、だからといって中国のシーパワー化を傍観していていいというわけではありません。シーパワーの側も、一致団結して台湾海峡からマラッカ海峡、インド洋、スエズ運河に至るシーレーンを守りきるという姿勢を見せなければなりません。いったん事が起これば、中国は国内が四分五裂することになるでしょうが、我が国や他の国々も無傷であるわけにはいきません。
  そこで、(アメリカが主導しているのかもしれないが)こういう動きが出てきました。

日豪2+2:秘密情報共有へ協議、合意 テロや災害救援で
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20081219k0000m010129000c.html

 日本、オーストラリア両政府は18日、外務・防衛閣僚協議(2プラス2)を外務省飯倉公館で開き、国際貢献の現場レベルの協力が進んでいることを踏まえ、テロの脅威や災害救援に関する秘密情報の共有について本格協議することなどで合意した。また、米国のオバマ次期政権を念頭にアジア太平洋地域で日米豪の対話が重要との認識で一致した。

 豪州は日本が米国以外に「2プラス2」形式の協議を持つ唯一の国で、昨年6月以来2回目の開催。日本側は中曽根弘文外相と浜田靖一防衛相が出席した。アフガニスタンへの軍事力強化を明言するオバマ氏に同盟国の日豪が側面支援する姿勢を明確化し、逆に北朝鮮問題など東アジアに関しては米国に影響力の維持を求める狙いがある。

 共同声明と防衛当局間の覚書は(1)秘密情報を共有する法的枠組みについて09年に協議開始(2)艦艇、哨戒機の相互訪問--などを盛り込んだ。アフガンに関しては日本の役割拡大への支持を表明した。


  我が国とオーストラリアは、シーパワーとしては敵同士の関係です。日本の南太平洋での調査捕鯨を、オーストラリアが米英を仲間に引き連れて必死になって妨害している(●この記事を参照)のは、海洋開発を日本の思うようにやらせないという意志の表れです。
  しかし、だからといって、中国の海洋進出に対する態度では、話が別です。暴漢や押し込み強盗であり、両国にとって不利益を与える存在なのですから、共同して治安維持にあたるというのはごく自然ななりゆきでしょう。
  同盟国だとは言っても、対立する場面があっていいのです。利害が一致する範囲では協力を約束すればいいのです。この辺が分からない人が多いと思います。同盟というのは、差し違えを覚悟して結成するものです。相手国の言いなりになったり、要求を全ての飲むというのは、自我が確立していない幼児と同じ発想の持ち主だと言っても過言ではありません。

  これは私の願望なのですが、この2+2(外相・防衛相会談)協議をインドとの間でも定例にすることができないものでしょうか。前回、ミャンマーのココ諸島に中国海軍が基地を建設しているという話を紹介しましたが、中国と国境を接しており、核保有国同士で対峙しているインドとしては面白くないはずです。それを牽制する意味で、インドと日本が海の上で手を組むことにするのです。
  いきなり2+2に持っていくと、中国はもちろん、アメリカからも横やりが入るかも知れませんから、まずは海賊だとか犯罪組織の物資輸送だとか、そういった面でインドの沿岸警備隊と日本の海上保安庁が提携関係に入るというところから始めるといいでしょう。こういう事件もあったのを利用するのです。

インド沿岸警備隊が武装集団の船気付かず
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp1-20081203-436016.html

 インド西部ムンバイの同時テロで、インド軍トップの参謀委員会議長を兼ねるメータ海軍参謀長は2日、記者会見し、軍の組織である沿岸警備隊が情報機関の事前情報を生かさず、武装集団の乗った漁船を臨検したにもかかわらず通過させたと語り、「組織上の問題」があることを認めた。

 メータ参謀長によると、沿岸警備隊は情報機関からムンバイがテロ攻撃を受ける恐れがあるとの情報を得て、インド西部の海岸で警戒態勢を強化していたが、攻撃はなく、11月中旬に態勢を解除していた。

 沿岸警備隊は、パキスタンから来た武装集団がすでに乗っ取っていた漁船を11月20日ごろ、ムンバイ西方のインド西部グジャラート州の沖合で調べたが、インド国民の身分証明書を示され、武装集団だと気付かずにそのまま通したという。

 これまでの捜査によると、武装集団10人が26日夜、ムンバイ沖で小型の高速ボートに乗り換えて市内の漁港に上陸、ホテルなどを襲った。漁船はテロの後、首を切られた船長の遺体を乗せて漂流しているのが見つかった。


  ムンバイのテロ事件自体は悲しむべき出来事ですが、これをきっかけにして、日本の海上保安庁がアドバイスするとか、共同で訓練をするようになればいいのです。これを足がかりにして、最終的には海軍同士の連携というところに話をつなげていくわけです。

  同じやり方で、マラッカ海峡沿岸の諸国とも連携することが可能です。特に、船の逃げ場になる島が多く、海賊に悩まされているインドネシアなどは、日本の協力をすんなり受け入れてくれる可能性があります。
  どこか一カ国でも日本に協力してくれる国が見つかったら、その国と、オーストラリアを誘い、ASEAN(東南アジア諸国連合)全体で海上警備を行うようにするのです。
  これに対して、中国は●南沙諸島を巡る領土問題で、ASEAN諸国と対立していますから、こういう利害を捨てた一致を呼びかける立場に立つことはできません。そういうところを狙わなくては駄目です。ASEANと中国の関係で言えば、「中国とASEANがFTAを結んだ!日本も負けるな!」などということを主張している人間もいますが、安売り競争という中国と同じ土俵に立とうとしている時点で戦略性ゼロと言わざるを得ません。

  最近頻発している「海賊事件」というのも、もしかしたらシーパワー同士が結束する機会になるように、わざと大げさに報道されているのでは?・・・などということを考えてしまいます。中国が首をつっこんできたのも、シーパワー同士の連携にくさびを入れるためなのでしょう。。
  台湾海峡からインド洋を経て、スエズ運河に至る、「海のシルクロード」からは、今後も目が離せません。

★人気blogランキングへ←クリックして応援よろしくお願いします。

  今年は本記事が最後の更新になります。10月以降私事の方が何かと忙しく、なかなか記事を上げられない時期が続き、期待していらっしゃる読者の方には大変申し訳ありませんでした。
  来年も、仕事や勉強の合間を縫って、みなさんの役に立つ記事を書いていきたいと思います。引き続き応援よろしくお願いいたします。
スポンサーサイト
EDIT  |  14:13 |  地政学・国際関係  | TB(0)  | CM(7) | Top↑

Comment

初めてコメントさせて頂きます。
毎回、目が醒める思いで記事を読ませて頂いています。
確かに「ロシアは沿海州まで敷設する石油パイプラインを旧満州を大きく迂回するルートで決定した。」とのニュースが有りました。
随分、大回りだなと思っていたのですが「産油地から出荷地まで自国領内である安全性」を選択したのですね?。
ず~っとウィンクしてたのですね?。
シベリア鉄道の高速化ですか…。
原油輸送時の極端なマラッカ海峡への依存を減らせるし…。
麻生さん『日韓トンネル』より間違い無くこっちですよ~。

ブログ主様、一年間お疲れ様でした。
来年も勉強させて下さい。
火事場の馬鹿力 | 2008年12月31日(水) 19:33 | URL | コメント編集

●今年一年、お世話様でした。

 皆さん、今晩は。国道134号鎌倉です。ろろさん、お世話様です。

 私が貴ブログを拝読するようになったきっかけは、今年の2月に空港運営会社の外資参入問題で貴ブログの存在を知ったことにあります。

 ろろさん、貴ブログを拝読したことで本当に勉強になりました。御迷惑をおかけしたこともございますが、ろろさんの寛大な姿勢に救われました。この場を借りて感謝申し上げます。

 今年は、年の瀬に大企業による非正規従業員の大量解雇がありました。大企業は好況時にため込んだ内部留保をわずかに取り崩すだけで解雇せずに済むのに、株式配当と内部留保にこだわるあまり、ゴミを捨てるかのように従業員を切り捨てました。大企業の経営者は政治家や役人以上に信用できない存在になり果てました。
 来年は、正規従業員の首切りも始まるでしょう。政治家の汚職や役人の権益争いで国民の雇用が脅かされることはまずありませんが、大企業の強欲が国民の暮らしを直接侵害していることを肝に銘じたいものです。

 今回の非正規従業員の解雇について、非正規従業員は自分を高める努力が足りないという声があります。では、ここでいう努力とはどの程度のものでしょうか? 交替制の勤務をフルタイムでやりながらできる努力でしょうか? そしてこの努力にかかる費用は月1万円以内に収まるものでしょうか? 時間と支出がこの程度で収まるものでなければ、生活が行き詰まります。

 今回の書き込みの件につきましては、中国は海上輸送力からいって、海を隔てた国の国土を武力占領できる軍事力はないはずです。また、インド洋などの遠洋で艦隊を展開するだけの兵站もないでしょう。甘い見方であることは承知しておりますが。

 ろろさん、今年はお世話になりました。
 皆さん、よいお年をお迎えできることを心からお祈りいたします。
国道134号鎌倉 | 2008年12月31日(水) 22:13 | URL | コメント編集

●あけましておめでとうございます。

ろろ様、あけましておめでとうございます。

中国の海洋進出ですが興味深く読ませて頂きました。

ランドパワー国家はシーパワー国家とはなり得ない、その逆もしかり。
シーパワー国家の日本が、大陸に進出して大敗を喫したのは先の大戦でも明らかですね。

シーパワー連合による海洋封鎖とランドパワー国家同士の対立を誘導することで今の日本が安定する方向に持ち込めるものだと思います。
まあ、もっとも今の自民党にそこまでの”切れ者”がいるかどうか怪しいですが(笑)

本年もよろしくお願いします。
PNW10 | 2009年01月01日(木) 20:22 | URL | コメント編集

ろろ様、あけましておめでとうございます。

昨年はろろ様のブログより大変多くのことを学ばせて頂きました。
今年も引き続きこちらでいろいろなことを吸収したいと思います。
ろろ様も無理をなさらずに更新を続けて下さい。

話は変わりますが、ろろ様が三輪様のブログ内「年の瀬を迎えて」のエントリーにて
「小沢民主には労働者派遣法をぜひ見直して欲しい」旨のコメントをなさっていましたが、
ろろ様が指摘なさっているように、痔罠はこのような論点ずらしくらいしか出来ないでしょうね。
http://www.47news.jp/CN/200812/CN2008121001000965.html
以前は私もこのような手口に乗せられていたクチですから、あまり偉そうなことは
言えませんが、痔罠の論点ずらしには乗せられない様に気をつけていきたいです。

最後になりましたが、今年も宜しくお願いします。
LEM | 2009年01月02日(金) 20:56 | URL | コメント編集

中国はランドパワーの国。我々日本はシーパワーの国。
中国はインドやロシアなどの陸軍大国と長大な国境線を抱えています。
したがって、中国は国家予算の比重を日本ほど海軍に偏らせることはできないという事実です。
日本は海軍力を増強さえすれば、中国などおそるるにたりません。そして、現在の日本の経済力ならば、中国海軍より強力な海軍を常に構築可能です。日本国民が目覚めさえすれば、米軍なしでも、中国の膨張を阻止できるでしょう。
ツーラ | 2009年01月04日(日) 02:14 | URL | コメント編集

陸軍の予算を削って海軍に回せば、陸軍の不満が増大して収拾がつかなくなるでしょう。陸軍の予算は減らせないはずです。かといって、陸軍への予算を減らさず、強大な海軍を作ることが財政的に無理なことぐらい、中国だって承知の上でしょう。まあ、「無限に発展する中国」なんてものを本気で信じている可能性もありますが、最初からアメリカに勝てるほどの海軍を作るつもりなんてないと思いますよ。夢を見るにはあまりにも実力が違いすぎる。では中国の目的は?

おそらく、アメリカの海軍力の衰退を穴埋めし、アメリカと共同で世界のシーレーンを防衛する、そういう位置づけを狙っているのでしょう。そのことによって得られる利益(所詮はおこぼれですが)のほうが、海軍増強・維持にかかるコストよりも大きいと判断した、そういうことなのでしょう。そうした流れが地政学的に理にかなっていることなのかどうかわたしは知りませんが、アメリカや中国が地政学どおりに動く保証はないし、そもそも地政学が唯一絶対の法則であるとも思わないので、わたしはこのシナリオにそれなりに高い主観確率を設定しています。

中国海軍が日米海軍と対立する図式なら話は簡単なのですがね。性能は良くても遠洋に出て武力行使ができない海上自衛隊より、自由に活動できる中国海軍のほうが、当面はアメリカにとって便利である、という可能性は重要でしょう。中国海軍は海上自衛隊に勝つほど強くはないでしょうが、別に中国は海上自衛隊と戦う必要はない。アメリカ海軍が中国海軍に覇権を与えればそれで終わりです。中国がシーパワーになることをアメリカは許さないと三輪様がおっしゃっていましたが、アメリカのシーパワーの一部に組み込まれるという形で、日本を行動不能に追い込める程度のシーパワーを行使することは可能だと思いますよ。アメリカとしても、米軍撤退後は中国海軍を利用して日本をけん制することができるようになるわけで、メリットはあるでしょう。
御影 | 2009年01月04日(日) 17:05 | URL | コメント編集

●コメントありがとうございます

>>ツーラさん

  基本的に何をお考えでも結構ですが、私は「日本はシーパワーだから優れていて、中国はランドパワーだからダメ」という趣旨で記事を書いたわけではないので、そこのところよろしくご理解下さい。

>>御影さん

>アメリカ海軍が中国海軍に覇権を与えればそれで終わりです。

  世界最強のシーパワーが、まず言うことを聞かないだろう強国に、「覇権」を与えるのですか。すごい度胸ですね。

>アメリカとしても、米軍撤退後は中国海軍を利用して日本をけん制する
>ことができるようになるわけで、

  太平洋西部に海軍力のプレゼンスがない状態で、アメリカはどうやって中国海軍の協力を担保するのでしょうか。

>自由に活動できる中国海軍のほうが、当面はアメリカにとって便利である

  ここも同じです。中国海軍をアメリカがコントロールするにはどうするのですか。
  有事に中東に軍事力を投射するには、マラッカ海峡を自由に通行できる必要があるのですが、そこを中国に管理させるということが、アメリカにとってどれほど不都合なのかということです。
  共同管理と簡単に言いますが、相手方に履行を担保させるものがなければすぐにでも破綻しますよ。日英同盟も、第一次大戦の時に日本がイギリスのコントロールを外れる行動(国際連盟で人種差別撤廃決議をかけた等)を取ったために、後々解消されてしまいました。

ろろ | 2009年01月15日(木) 00:12 | URL | コメント編集

コメントを投稿する


管理者だけに表示

▲PageTop

Trackback

この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック

 | BLOGTOP | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。