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2008.09.07(Sun)

韓国崩壊・・・そのとき東アジアは?(1) 

  近頃、いろいろな場所で「韓国経済がヤバイ」という話が出てきています。
  そこで、2回に分けて、韓国経済の行方と、国際情勢に与える影響について書いてみたいと思います。

  まず、韓国の経済の本質を一言で言ってしまえば「外需依存」です。
  これは、私の憶測ではありません。韓国の中央銀行も明確に認めています。

韓国経済は当面やや減速の見通し、輸出は新興国需要で好調=中銀
http://news.goo.ne.jp/article/reuters/business/JAPAN-335901.html
--------以下引用--------
 韓国銀行(中央銀行)は4日、議会への報告の中で、同国経済は、内需の低迷を受けて当面減速するが、好調な輸出に支えられ、減速の度合いは軽微にとどまるとの見解を示した。また、新興国による需要の高まりを受けて、輸出は「総じて好調なペース」を維持するだろうとの見方も示した。

 同中銀の報告によると、消費者物価指数(CPI)上昇率は、最近の原油安やその他の原材料価格の下落にもかかわらず、当面は引き続き高止まりする見通し。8月のCPI上昇率は、約10年ぶりの高水準となった7月の5.9%から、5.6%に鈍化していた。

 下期の経常赤字は、原材料価格の下落を受けて、上期の53億ドルは下回る水準に改善する見込みだという。

 しかし将来の政策金利に関しては、インフレや経済成長に影響を及ぼすすべての要因を考慮すると繰り返すにとどまり、明確な方向性に関しては言及を避けた。
--------引用以上--------

>新興国による需要の高まりを受けて、輸出は「総じて好調なペース」を維持

  私が去年ロシアに旅行した時、モスクワでもペテルブルクでも韓国製の「キア」や「ヒュンダイ」の車をよく見たので、この部分は嘘というわけではありません。
  しかし、ものには限度というものがあります。韓国は極端な貿易依存型経済の国です。GDP全体に貿易が占める割合(貿易依存率)は70%を超えています。
  日本が、小泉政権以来、あれだけ輸出依存型企業を優遇し、外需に軸足を移したのにもかかわらず、まだ20%程度だということを考えると、韓国がいかに輸出で稼いでいる国かが分かります。
  
  その韓国にとって他国以上に重要なのが、自国通貨「ウォン」の為替レートの安定です。
  韓国は輸出依存型経済の国なので、基本的には「ウォン安」の方が有利です。輸入品をドルやユーロで決済し、これを為替市場でウォンに換える時は、ウォンがこれらの通貨に対して安ければ、たくさん手に入るからです。
  しかし、あまりにもウォンの価値が安すぎると、今度は外国からの輸入品を買う余裕がなくなってしまいます。そうするとエネルギー資源を中心に物価が上がり、国内経済が極度のインフレになってしまうわけです。
  そういう場合、自国通貨をを安定させるために、政府が「市場介入」というものを行います。ウォンが高すぎる時は「ドル売りウォン買い」を行い、安すぎる時は逆の動きをするわけです。
  しかし、韓国政府の財布はもう限界に達しているようです。

外貨準備高:上位10カ国中、韓国だけが減少
http://www.chosunonline.com/article/20080822000004
--------以下引用--------
 外貨準備高で世界上位10カ国のうち、韓国だけが今年に入って準備高が減少している。

 韓国銀行は21日、韓国の外貨準備高が7月末の時点で2475億2266万ドル(約26兆8537億円)となり、昨年末に比べて147億140万ドル(約1兆5963億円、5.6%)減少したことを明らかにした。今年3月以来、4カ月連続で減少したことになる。韓国の通貨当局が輸入品の物価安定のため、ウォンの通貨防衛に向け今年7月だけで推定で200億ドル(約2兆1698億円)のドル売り介入を行うなど、外国為替市場に積極的に介入してきたからだ。

 このような状況の中、韓国銀行がフレディマックやファニーメイなど、米国の政府系金融機関の債権をおよそ370億ドル(約4兆115億円)保有していたことが明らかになり、これが損失として計上される可能性までささやかれていることから、外貨準備高の管理に不安の声が出始めている。

 昨年まではこの二つの金融機関が発行する債権は国債と同じぐらい安定しているとされてきたが、サブプライム問題の影響で元金にも損失が出る恐れが出てきた。今月18日には米国財務省が両行に公的資金を投入して国有化し、債権を安く買い戻すのでは、と米国のマスコミ各社が報じていた。
--------引用以上--------

>韓国銀行がフレディマックやファニーメイなど、米国の政府系金融機関の債権を
>およそ370億ドル(約4兆115億円)保有していた


  フレディマックとファニーメイというのは、アメリカの住宅金融公庫みたいなもので、二つまとめて政府系住宅金融機関(GSE)などとも言われたりします。●こちらのニュースにあるとおり、つい先日アメリカ政府が税金を投入して救済することを決定しました。
  発端は、●こちらの記事でも紹介した「サブプライム・ローン」の焦げ付きです。フレディマックとファニーメイはより基準の高い融資条件(プライムレート)のローンを中心に扱っていたのですが、アメリカの住宅市場が壊滅的な打撃を受けたため、株価が一気に下落していました。
  韓国がこの二つの公社に投資している額は370億ドルと、中国(GSE関連債権の保有額3760億ドル)や日本(同2290億ドル)に比べれば大したことはありませんが、韓国は経済の規模が両国に比べて小さく、外貨準備も少ないので、大きく騒がれることになってしまうわけです。
  そして、ついにこういう憶測まで飛び出しました。

ウォン急落の韓国で「9月危機説」 外国人投資引き揚げ懸念
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/international/115930.html
--------以下引用--------
 韓国の通貨ウォンの急落を受け、金融不安が起きるとの「九月危機説」が広がっている。ウォン安の背景にある急激なインフレなどを嫌う外国人投資家らが、韓国債の償還期限が集中する九月に、保有する債券を一斉に売却し、資金を引き揚げるとの予測によるもので、韓国政府は沈静化に躍起になっている。

 韓国金融当局は八月、ウォン相場の下落を止めるため推定七十億ドル(約七千四百九十億円)のドル売り介入を実施したが、効果はなく、一九九七年のアジア通貨危機以来となる一カ月で約7%の下げ幅を記録した。

 ソウル外国為替市場では三日、三年十一カ月ぶりの安値水準となる一ドル=一一四八・五ウォン(約一〇七円)を記録。その後は金融当局の介入もあり、一一一〇ウォン台にまで戻した。

 十日には、外国人投資家が保有する韓国債七十億ドル分の償還期限が集中する。このため外国人の資金引き揚げへの懸念は、以前からささやかれていた。

 危機説の拡大には、八月の消費者物価上昇率が5・6%と十年ぶりの高水準を記録し、貿易赤字も一-八月の累計で百十五億ドルに達するなど、景気後退の可能性が強いことも影響している。

 韓国政府は国内外のメディアに対し、外貨準備高が二千四百億ドルを超え、アジア通貨危機の時とは状況が違うと強調。「韓国経済の基礎体力は良好で、金融危機につながる可能性はない」(金融監督院)と反論している。
--------引用以上--------

  昨年までは、韓国の通貨・ウォンは高値で推移していました。それを見て、反日国家を叩くことでしか憂さ晴らしできない馬鹿な人びとが、「輸出依存型の韓国経済は終わりだ」と高笑いを挙げているのを、ブログや掲示板で見たことがあります。
  そして、今度は極端なウォン安です。材料は、韓国政府の短期外債(償還期間が短く、利息が高い国債。信用が低い国が多発する傾向がある)の大半が9月に決済を迎えることです。ここで、外貨で返済できないとなれば、国際収支が一気に悪化し、下手をすればIMF(国際通貨基金)の管理下に入ることになる可能性があります。

  そんな韓国を、救ってくれる親切な人たちがどこかにいないでしょうか?

  一応います。たとえば、日本がそうです。日本と韓国の間には、互いの通貨がピンチになった時は外貨を融通する「通貨スワップ」という協定があります。他国の政府の尻ぬぐいをなぜ日本がやらなくてはいけないのかと考えると腹立たしい限りですが、金額にするとだいたい2000億円、18億ドル強といった程度です。
  いつもなら、お人好し(間抜け)なことでは定評のある日本政府のことなので、もう少しなんとかしてあげそうな感じがします。しかし、今回は無理です。日本政府から、「韓国には金を出さない」というサインが出ているからです。

竹島で防衛白書に抗議
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080905/kor0809051245001-n1.htm
--------以下引用--------
 韓国の外交通商省は5日、日本の今年の「防衛白書」に竹島を日本の領土とする記述があることに対し「強く抗議し是正を要求する」とのスポークスマン論評を発表した。「防衛白書」の記述は今年が初めてではなく従来のものだ。一方、韓国の「防衛白書」はこれまで竹島(韓国名・独島)を自国領とし、島周辺で海・空軍が軍事訓練する様子までカラー写真で掲載している。

 先に日本の中学学習指導要領解説書の領土問題に関する記述に反発した韓国内の反日は沈静化しているが、マスコミなどの世論を意識する政府は、表面的には依然、対日強硬姿勢を維持している。
--------引用以上--------

  言ってみれば当然の主張ですが、これをこのタイミングで持ってきたことが重要です。
  こういう記事が出れば韓国国民はどういう反応をするか、というより、韓国の政府やマスコミはどういう世論誘導をするでしょうか。今までの経緯から見て、間違いなく「反日」を煽るはずです。これは、朝鮮人がアホだから、などという、馬鹿なブログが書きそうな理由だからではなく、地政学的な理由です。日本と中国という強大な国に挟まれているため、韓国が(形の上では)独立独歩で行くためには他国に対する反発でしか国家意識を形成できないからです。
  その状況で、日本に援助を要請するような「大英断」を下せる政治家がどこにいるというのでしょうか。就任前から中国に特使を送って媚びへつらっているような、李明博という大統領にはまず無理でしょう。
  韓国の頼みを断るという一点においては、なかなかうまい手段です。まあ、こんなことを外務省や福田内閣が考えつくわけがありませんから、どうせどこかから指示が出ているのでしょうが・・・。  

  さて、昨年までのウォン高と、今年のウォン安の落差を見ていると、どうも私は、この動きの裏に大がかりな策動があるような気がしてなりません
  あえて言うなら、「国家撃沈ビジネス」とでもいえそうです。内需が弱く、自国通貨の国際的価値に対してナーバスな国に目を付けます。取引規模が小さいその国の通貨を買い占め、一旦価値をつり上げます。その上で、タイミングを見計らい、一気にその通貨を放出します。暴落は間違いありません。
  ここに、「プット・オプション」といって、通貨の値段が極端に下がった時のために、高値の状態での売買予約をかけておけば完璧です。ウォンが暴落したら、その暴落した値段でウォンを買い、予約してある値段でドルなどの外貨を買うのです。ボロもうけできます。
  こういう儲け方は、●アジア通貨危機の時に暗躍したヘッジファンドのような、巨額の資金を保有する投機筋が行うものです。

  その通貨の暴落によって国内経済が混乱し、破綻する企業も出てくるわけですが、そこがまた狙い目です。経済が崩壊すれば、間違いなくその国の企業の株価は下がります。株券を紙切れにしたくないと、売りが殺到するからです。株価が下がりきった時点で株式を買い占めれば、その企業を支配できるのです。
  韓国は一応OECD(経済協力開発機構)にも加盟している先進工業国であり、一部の輸出産業には高い国際競争力があります。株価が暴落したといっても、そこにある技術や生産ラインが消し飛んでしまうわけではありません。買収資金であるウォンの価値が下がっている上に、企業の株価が下がれば、通貨の暴落が招く株価の低迷によって、その国の産業基盤をまるごと支配できる可能性すらあります。

  問題は、一体誰がその乗っ取りを仕掛けるか、ということです。その答えは、もう昨年中に出ています。

来年の中国資金の矛先   
http://blog.livedoor.jp/gbd_market/archives/64786515.html
--------以下引用--------
中国から世界の株式へ流出する資金は来年2,460億ドルに昇るとの試算が出された。これにより香港や韓国の市場が恩恵を受けるとHSBC Global Researchは話している。

HSBCが試算した中国の外国為替準備高は、毎月300億~400億ドルの勢いで増加しており、この算式を使うとその総額は2,460億ドルに昇ることになる。一方、対米ドルでの中国人民元の上昇率は7%程度に抑えられている。この試算の前提条件として、中国人民元の上昇率と米国債券利回りの低下が背景にあり、中国からの資金が債券市場に回ることはほとんどないと見られている。

中国当局による政府認定の国内機関投資スキームの下での資金移動はおよそ400億ドルあることを認めており、その参加者の内訳は銀行、投資信託、保険会社などとなっている。これらの資金のうち200億ドルはこれまで投資に回されており、主に香港市場に投じられている。

中国が自国通貨の価値を維持するためには、国内外への資金動向をしっかりと管理していく必要がある。海外へ投資を希望する機関は政府当局の承認を得なければならない。

中国当局は来年の海外投資額として、毎月100億ドルを投資信託へ、670億ドルを中国の政府系ファンドSWF(China Investment Corp.)を通して、270億ドルを複数回に分けて投資するスキームを通して実施ことを承認するとHSBCでは推定している。実施は恐らく下半期と見られている。残りに資金には承認済みであるが実行には移されないものも含まれる。

中国系ファンドの主な投資先は来年も引き続き香港となるとの見通しで、HSBCには940億ドルの資金が配分されると予想している。

香港における投資額は政府のガイドラインに沿って前述の予想まで減少していくものと見られている。政府は一つのファンドによる投資額の制限をマーケットの30%と規定している。

そして、残りの資金1,530億ドルのうちの一部は韓国に向けられるとEvans氏は書いている。最近北京を訪れたEvans氏は中国ファンドマネージャーと面談を行ったが、中国政府は韓国に強い興味を示していたそうだ。HSBCの試算には丸め誤差も織り込まれており、また推定値を算出するための色々な計算も含まれている。

「中国と韓国は文化的にも近い。」とEvans氏は書いている。「ソウルは北京から飛行機でたった1時間であり、この市場は外国人にとってもアクセスし易いものとなっている。」(中略)

Evans氏が話をした多くの中国ファンドマネージャーが資金を米国や欧州の市場に向ける計画を今のところ持っていないとしている。

「彼らはこれらの市場に投資する前に、より大規模にこれらの市場を研究する必要があると感じているようだ。」とEvans氏はレポートに記している。

これまでのところ、今年の外国人投資家はインド株に180億ドル、台湾株に60億ドル、タイ株に30億ドルを投資しており、韓国では差し引き売り先行となっているとHSBCでは述べている。
--------引用以上--------

  というところで、次回に続きます。

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EDIT  |  23:49 |  中国・朝鮮  | TB(0)  | CM(3) | Top↑

Comment

●指示が出た理由は?

ろろさん、こんにちは。

日本は韓国に助け舟を出さない。そういう指示が出ているらしい...。

では、そんな指示が出た理由はどこにあるのでしょうか? 
もしかしたら、焼肉好きの韓国人がウシ嫌いになったから?
愚樵 | 2008年09月08日(月) 15:30 | URL | コメント編集

●>>愚樵さん

>もしかしたら、焼肉好きの韓国人がウシ嫌いになったから?

  当たらずとも遠からずです。牛の飼い主が、今回の騒動に一枚噛んでいるのは間違いありません。
  ポイントは、在韓「国連軍」の扱いです。これから、我々が背中や首筋に嫌な汗をかくことが多くなる時代が来るのは間違いありません。次回、その辺を詳しく述べます。
ろろ | 2008年09月09日(火) 01:06 | URL | コメント編集

●TBです

「アジア金融危機:中国にとっての教訓」<韓国経済分析が秀逸>
http://sun.ap.teacup.com/souun/1689.html
http://sun.ap.teacup.com/souun/1690.html
http://sun.ap.teacup.com/souun/1691.html
朝鮮半島における日本の“国益”
http://sun.ap.teacup.com/souun/1377.html
早雲 | 2008年09月10日(水) 12:52 | URL | コメント編集

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