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2008.08.09(Sat)

「最良の社会政策は最良の刑事政策である」(リスト) 

  ひとつのニュースについていろんなメディアが書いた記事を並べて読んでみると、面白いことが分かったりします。俗っぽいネタを取り上げてみます。

志田未来さん:住居侵入容疑、ファンの男逮捕
http://mainichi.jp/enta/geinou/news/20080809ddm041040054000c.html
--------以下引用--------
 7日午後10時35分ごろ神奈川県綾瀬市のマンションに住む女優、志田未来さん(15)の母から「変な男が部屋の前の廊下にいる」と110番があった。駆け付けた県警大和署員がマンション1階の通路にいた住所不定、無職、大内裕一容疑者(23)を住居侵入容疑で現行犯逮捕した。「熱狂的なファンで、会いたかった」と供述しているという。

 調べではこの日、インターネット掲示板「2ちゃんねる」に、志田さんを名指しし「マンションから突き落として背中から刺します」と書き込みがあり、連絡を受けた署員が警戒していた。大内容疑者は隣家の敷地内からフェンスを乗り越えて侵入したらしい。

 志田さんは06年の日本テレビ系ドラマ「14才の母」で主演するなど活躍中の人気女優。
--------引用以上--------

  本人とそのご家族はさぞかしぞっとしたことでしょうね。続けて、産経スポーツから。

志田未来に「会いに来た」自宅侵入男逮捕
http://www.sanspo.com/geino/news/080809/gnd0809001-n1.htm
--------以下引用--------
 女優、志田未来(15)の自宅マンション敷地内に侵入したとして、神奈川県警大和署が住居侵入の現行犯で住所不定、無職の大内裕一容疑者(23)を逮捕していたことが8日、分かった。

 調べによると、大内容疑者は7日午後10時10分ごろ、志田が家族と暮らす神奈川・綾瀬市内のマンションの2メートル近い金網フェンスを乗り越えて、廊下部分に侵入。玄関ののぞき穴から不審な男を発見した志田の母が午後10時半ごろ110番通報し、駆けつけた大和署員に1階廊下で取り押さえられた。大内容疑者は「志田さんのファンで、会いたくて来た」と供述しているという。

 事件が起きる2時間前の同日午後8時ごろに、「『志田未来を今日、殺します』と書かれたインターネットの掲示板がある」とメールで通報を受けた同県警は周辺を警戒。大和署員が志田宅を訪れ、注意を呼びかけたという。ネットの殺人予告書き込みには志田の詳しい住所も書かれていたため、県警が掲示板の管理人に削除を要請した。

 同署は大内容疑者が書き込んだと見て関連を調査中。同容疑者は書き込みを匂わせる供述をしており、現在、容疑の裏付けを急いでいる。
--------引用以上--------

>同容疑者は書き込みを匂わせる供述をしており

  こちらの記事は、ネット上の殺人予告をしたのが住居侵入の容疑者であるという可能性が高いということを書いています。
  ただ、この手の情報は眉に唾をつけて受け取るべきです。なぜなら、

▲警察が捜査をやっている体裁を繕うために不確かな情報を垂れ流している
▲メディアが警察発表の言葉尻をとらえて誤認報道している


  という可能性があるからです。私は、地下鉄サリン事件の時に、ばらまかれた有害物質は「なんとかモノイソプロピル」だという初期報道がされたのを覚えています。サリンなんて名前はどこからも出てきませんでした。警察発表や、それを受けたメディアの発表は、特に捜査の端緒では誤った情報を含んでいることが多いので注意が必要です。
  さすがに、裁判をやる段階になると、そこまでおかしな情報が飛び交うことはないようですが、その代わりにメディアがどこからか拾ってきたゴミみたいな周辺情報(たとえば、被害者の家族が昔不動産取引で失敗していたとか、容疑者の嘘かホントか分からない幼年時代の逸話とか)がくっついてくるので、そちらの方が厄介です。
  センセーショナルな事件の時こそ、冷静に判断することは必要です。何かから目をそらすために警察や政府がグルになっていることだってあり得るからです。
  次に、朝日新聞のインターネット版です。

志田未来さん宅に侵入容疑で男逮捕 ネットには殺人予告
http://www.asahi.com/national/update/0808/TKY200808080256.html
--------以下引用--------
 女優志田未来さん(15)の自宅マンションに侵入したとして、神奈川県警大和署は7日、住所不定、無職大内裕一容疑者(23)を住居侵入の疑いで現行犯逮捕した。インターネットの掲示板にこの日、志田さんの殺人を予告する書き込みがあったことから、同署が関連を調べている。

 調べでは、大内容疑者は7日午後10時10分ごろ、神奈川県綾瀬市内の志田さん家族が住むマンションの金網フェンスを乗り越えて、廊下に侵入した疑い。玄関先に不審な男がいるのをに気づいた志田さんの母親が、約30分後に110番通報し、駆けつけた同署員が大内容疑者を取り押さえた。「志田さんのファンで、会いたくて来た」と供述しているという。

 7日午後8時ごろには、県警に「『志田未来を殺す』と書かれたネット掲示板がある」とメールで110番通報があった。このため、同署員が志田さん宅を訪れ、警戒を呼びかけていた。この書き込みには、志田さんの詳しい住所も書かれており、県警が掲示板の管理人に削除を要請した。
--------引用以上--------

>この書き込みには、志田さんの詳しい住所も書かれており、

  ここが他と違うところです。断定口調なので、警察がきちんとデータを記録してあり、それを発表したのでしょう。

  しかし、ゾッとするニュースです。

  別に、熱狂的なファンがどうこう、という問題ではありません。ストーカー的な追っかけは昔からいます。中には●歌舞伎役者の市川猿之助さんが被害にあった例(注:PDFです)や、●歌手のの久保田利伸さんが9年間つきまとわれた例など、ストーカー行動に及ぶ人間もいるようです。
  それ以上に私がやりきれない気分になったのは、

住所不定、無職、大内裕一容疑者(23)

  こういう人物が、アイドルの住所を調べ上げて、その自宅の前で徘徊するような行動を取っていることです。上の二つの被害例が、どちらかというと「おばさん」によるものだということを考えると、このことは重大です。
  23歳ならば、まだやるべきことはたくさんあるはずです。もちろん、いくつになってからも人生はやり直しが利く(程度の差はある)と思うのですが、特に20代前半ならば、その後の過ごし方でどうにでもなるものでしょう。
  芸能人相手に騒ぎを起こしたら、実名が出てしまうことくらい、すぐに想像がつきそうなものですが、それにも関わらずこういう行動を取ってしまうわけです。将来の見通しや、何らかの希望を持っているならば、とてもこんな愚挙には及ばないはずです。また、親や近所の目を考えて、思いとどまるということだってあります。
  この容疑者が、単なる「変わり者」や「馬鹿」であればいいと思いますし、実際そういう可能性が高いとも思うのですが、昨今の事件報道を見ていると、どうもそういう「変わり者」が出てくる頻度がだんだん高くなってきている気がするのです。  
  考えられるのは、道徳や倫理が有効に機能するための心理的・社会的装置が壊れてきているということです。たとえば、「真面目に働いていればいいことがある」「地道にやれば将来ある程度の生活が出来る」という社会経済状況があるなら、馬鹿なことはしないでおこうという心理が形成されやすくなります。親と同居してよくコミュニケーションを取り、近所の人とも何らかの付き合いがあれば、こんなことをしたら居場所がなくなるという心理的な抑制が働くようにもなるでしょう。
  翻って、今の社会状況は、平均給与所得が9年連続でダウンしていたり、倒産件数がいっこうに減らなかったりで、正直平均かそれより少し下の能力しかない人間にとっては、将来設計などやりようがないというのが実情です。こういうところに手をつけることで、まだ希望がありそうな年代の犯罪というのは間違いなく減るはずです。
  こういうことを言うと、すぐに容疑者自身の資質や家庭の育て方の問題だと決めつける人がいますが、あまり感心できません。個人の問題に還元して思考停止すると、変わっていく現実に対処することができなくなるからです。大事なのは、犯罪予備軍を減らしていくことです。この辺は、先日起こった秋葉原の通り魔殺人事件について●「経済を知らずして愛国を語るなかれ」の管理人様が述べられていることが参考になります。
  「別に犯罪やってもいいか」と思う人間が少しでも減っていくような社会状況を作り出すことこそ政府の役割だということです。ドイツの刑法学者であるフランツ=フォン・リストの「最良の社会政策は最良の刑事政策である」という発言など、まさにそのことを指摘しているわけです。もちろん、最良の社会政策というのは、人間が絶望して自暴自棄にならないような経済社会状況を作り出すことであり、犯行に使われたナイフや、犯行声明があったネットを規制することではありません。学校で愛国心を教えたり、憲法9条の精神や人権尊重の教育を徹底したりすることも、同じくらい無意味です。
  私が一番頭に来るのは、自分もいつそういう境遇に落とされるか分からないのに、「こういう犯罪をやる奴はクズだ」とか、「馬鹿は親共々死刑にすればいい」などと、正義ぶって発言する人間です。程度が低いと言ってしまえばそれまでですが、少しは直情的な反応をやめてもらいたいものです。そうやって弱者同士が蔑み合うことで、本当に反省すべきことに目がいかなくなることだってあるのです。
  ひどい場合は、メディアがそれを扇動していることもあります。「TVタックル」や「たかじんのそこまで言って委員会」といった番組など、その典型でしょう。ああいうプログラムは、政府がふざけた政策に目が注がれるのを防ぐための隠れ蓑の役割を担っているのではないかと思っているくらいです。
  もしかしたら、今回紹介した事件自体も、何かを隠蔽するために利用される可能性があるのです。
そのくらいは考えておいて損はないでしょう。

  ・・・と、どうせこの手のニュースでは、犯人個人を責めるようなブログ記事ばかりだと思うので、私くらいこういうことを書いてみてもいいだろうと思って書いてみました。

  今から北陸へ旅行に行って参ります。バスは広島で懲りたので、今回は電車です。ノートパソコンを持って行くので、現地からも記事を上げます。北陸は政治的にも経済的にも歴史的にも面白い場所なので、その辺を生かした記事が書けるといいかなと思っています。

  それでは。

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