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2008.04.05(Sat)

「株式会社」は国民を幸福にする仕組みなのだろうか? 

  気になったニュースがあるので取り上げます。今回は短いです。

Jパワー株買い増し、再検討勧告へ 英ファンドに経産省
http://www.asahi.com/business/update/0405/TKY200804050046.html
--------以下引用--------
 経済産業省と財務省は、英国の投資ファンドが申請した電力卸大手Jパワー(電源開発)の株買い増しについて、「公の秩序の維持を妨げる恐れ」があると認定した。ファンド側に投資計画の変更か中止を勧告する方向で、11日から最終的な審査に入る。

 買い増しを申請しているのは、Jパワー株の9.9%を持つザ・チルドレンズ・インベストメント・マスターファンド(TCI)。両省は、Jパワーの経営へのTCIの影響力が強まると、電力の安定供給や原発の核燃料の管理に支障がでる恐れがぬぐえない、と判断した。

 両省は11日、外国為替及び外国貿易法(外為法)に基づき、関税・外国為替等審議会の外資特別部会を開く。「懸念がある投資」と認めてこの部会を開くのは初めて。ファンド側の意図を改めて聴き、委員の有識者らに審査状況を説明。でた意見を踏まえ、勧告するかどうか決める。

 外為法では、外資が電力事業者などの株式を10%以上持つときは、事前に国の許可が必要。TCIは1月に20%までの買い増しを申請した。審査期限は5月14日までで、外資特別部会の判断で1カ月延ばせる。その間は株を買い増せない。TCIは、国際社会に「日本市場は閉鎖的だ」と訴える構えで、政府が勧告すれば全面対決に近づく。

 Jパワーは、電力大手10社に電力を販売。送電線網や周波数変換所などの基幹設備を多数持ち、青森県では大間原発を計画している。
--------引用以上--------

  Jパワーという会社を、イギリスの投資ファンドが乗っ取ろうとしているのに、経産相と財務省が待ったをかけたということです。

  Jパワー(電源開発株式会社)は、もともと高度成長期に増え続ける電気需要をまかなうため、国策で作られた企業で、大蔵大臣と9つの電力会社が株式を保有していました。
  それが、2003年の電源開発促進法廃止に伴い、公開企業となって東京証券取引市場に上場することになります。そして、現在のように、外国の投資ファンドが株式を取得して、発言権を得るところまで来たわけです。
  
  たしかに、野放図な民営化を許すと、国民生活が破壊される結果になります(たとえば、●ボリビアの水道民営化)。電力というのはいいか悪いかを別として、現代の文明を支えている重要な要素です。その維持管理を行う会社を外国に支配されることは、好ましいこととは思えません。
  そういう観点では、経産相と財務省の取った措置は、妥当だという考えも出来ます。

  しかし、今回の話題は、実はそれに止まらない話だと私は思っています。

  実は、このJパワーという会社が、実は「グローバリスト」としての側面も持っているのです。
  Jパワー(電源開発株式会社)の行ってきた主な事業を見てみると、それがよく分かります。

 1967年(昭和42年)3月 - タイ国クワイヤNo.1(シーナカリン)水力発電計画
 2003年(平成15年)10月 - 「電源開発促進法」廃止
 2004年(平成16年)10月 - 東京証券取引所の第1部に上場。
 2004年(平成16年)10月 - タイ・カエンコイ2ガス火力発電所事業参画
 2005年(平成17年)3月 - フィリピンCBK発電所(総出力72.8万kW)買収
 2006年(平成18年)4月 - 米テナスカ・フロンティア発電所権益取得
 2006年(平成18年)11月 - 米エルウッド・エナジー発電所権益取得
 2006年(平成18年)1月 - 豪クイーンズランド州クレアモント炭鉱開発
 2007年(平成19年)9月 - 米グリーン・カントリー発電所権益取得
 2007年(平成19年)11月 - 中国漢江一貫水力開発プロジェクト参入、権益取得
  (海外IPP件数:6カ国・地域 運転中16件、建設中3件)


  Jパワーの活動実績で、海外に関するものだけを抜き出してみると、よく分かることがあります。それは、東京証券取引所に上場した2004年から、急に海外での事業展開が拡大していることです。
  証券取引所に上場するということは、簡単に言えば金さえ払えば誰でもその株を取得できるようになるということです。株式というのは基本的に譲渡が自由だからです。一応譲渡制限をつけることは出来ますが、上場している企業にはそれも大きな制約があります。
  そして、株式というのは企業の所有権に他なりません。これを取得すれば、株主総会で会社の経営方針に文句をつけたり、役員の首をすげ替えたり、損失を出した取締役に損害賠償を請求できてしまったりします。
  そういう株式というものを発行して売る根本的な動機は、お金が必要だからです。以前からこのブログで何度も書いてきましたが、企業が事業を営む時には、手持ちのカネだけで全てをまかなうことは不可能です。だから銀行などからお金を借り入れるわけですが、そこには「金利」というものが必ず付いてきます。年利10%の借金だったら、10%余計に売り上げを上げなければいけなくなるのです。
  他方、株式はそういうおそれのない「自己資本」だという風に言われることがあります。株を売ったからといって、毎年利息を払わなくてはいけなくなるわけではありませんし、そもそも売って手に入れたお金を返す必要はないのです。
  しかし、株式には利益配当というものがあります。儲かったら、投資してくれた株主に見返りをあげようということです。この配当は、株主総会で会社の持ち主である株主自身が決めるということになっています。
  そうだとすると、株主は会社の経営に及ぼす影響を考えずに「もっと配当を出せ」ということもできるのです。会社は俺のものだから文句を言うな、というわけです。
  そういう株主の希望に応えるためには、結局銀行借り入れと同じように、事業を拡大して利益のパイを増やすしかなくなってしまうわけです。もちろん、ビジネスですから、失敗することもあるでしょう。成功が約束されているビジネスというのは、植民地相手にやる貿易ぐらいしかありません。だから、19世紀から20世紀にかけて帝国主義が盛んになり、それに伴って戦争が起こったのです。そして現代でも、世界規模で競争が行われ、少しでもお金のあるところや、政治的に弱いところからカネをむしりとろうと必死になっている人たちがいるわけです。
  つまり、誰かのために利益を上げなくてはいけない仕組み(金利付きの借入金や配当)があると、企業は必ずグローバリストになってしまうということです。

  こうして考えてみると、そもそもJパワーという会社を株式公開企業にする必要があったのだろうか、という疑問が湧いてきます。
  これは次回の「米中ダブル崩壊」の記事でも述べることなのですが、日本の企業というのは上に挙げたような金利の魔力・配当の暴力みたいなものを、うまくはぐらかして無理やムラない発展をしてきたという側面があります。たとえば、無駄な人件費の削減をやらずに済んだおかげで、国民全体の所得が増大したことなどがそうです。それがなければ、今でこそ輸出で儲けている自動車業界や家電業界の発展はなかったでしょう。
  もちろん、それは「株式会社」という仕組みから見ると本来の姿ではありません。商法(今は会社法)が想定している株式会社というのは、利益を生むための機械であって、故障したり部品が劣化したら、持ち主(株主)がその辺にポイッと捨ててもよい、というものです。従業員などという存在は初めから想定していません。
  明治時代に商法が出来てから、戦後のアメリカ占領時代、バブル崩壊、90年代の対米金融戦争の敗北など、大きな節目の度に株式会社の「理念」を追及するための制度改革が行われてきました。しかし、それでも日本の企業は、本当の意味での株式会社になっているとは言えません。株式会社らしく「利益追求の鬼」になっているのは、たとえばライブドアのような新興IT企業や、キヤノンのように外国資本がほぼ完全に支配している輸出依存企業くらいです。
  そして、それは決して間違っていることだとは思いません。企業以前にまず国民がいなければ国家は存続できないのです。国民の生活を傷つけてまで、欧米生まれのルールに従わなければいけないという理屈はありません。
  
  今後、今回のニュースのような「侵略」事例はどんどん増えてくると予想されます。マスコミは外資や輸出依存企業の使いっ走りですから、国民の側についた報道は期待できません。経産相や財務省の良識ある官僚や、投資ファンドに対して批判的な政治家を、我々自身の手で応援していきましょう。
  そして、その反対に、口を開けばすぐミンエーカだ、キセーカンワだカイカクだ、と始まるような馬鹿(たとえば●この人)は、選挙で血祭りにあげてやりましょう。

 ※ 最近●このお方がすっかり騒がなくなったのは、空気を読んでいるというやつでしょうか?(笑)

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Comment

●TBありがとうございます。

「利潤なき経済社会」における市場と競争 - 「近代的競争原理」とは何か
http://sun.ap.teacup.com/souun/172.html
早雲 | 2008年04月05日(土) 19:56 | URL | コメント編集

●TBです

「近代経済システム」の3特性を中心に...
http://sun.ap.teacup.com/souun/622.html
早雲 | 2008年04月07日(月) 00:38 | URL | コメント編集

●>>早雲さん

  経済学は、国際分業と貨幣の流通が前提となっている学問だというお考えは、非常にためになりました。
  だから、自然や人間社会を経済学でぶった斬ると、おかしなことになってしまうのですね。作られた公理ではなく、生物としての人間が持っている感覚で勝負した方が、まともな結論が出てくる気がしています。
ろろ | 2008年04月07日(月) 01:08 | URL | コメント編集

●なんだかサヨクのような(笑)

ろろさん、こんにちは。

株式会社は人間を幸せにしない。なんだかマルクス主義者が喜びそうなタイトルですね(笑)。そんな意図で書かれているわけではないことは、ハナから知ってますが。

株式会社は人間を幸せにしない。マルクス主義者の言説を待つまでもなく、株式会社という制度にはもともとから大多数の人間(労働者)の幸せなんて予定されていないのだから、当然といえば当然。でも、大多数の人間の幸せを予定していたはずの共産主義も、人間を幸せにはしなかった。むしろ日本では、一時期にせよ、株式会社が人間を幸せにしたという実績がある。いや、日本だけではないか。思い出しますが、フランシス・フクシマでしたか、『歴史の終わり』なんて本が一斉を風靡したときには、資本主義が人間を幸せにするんだという雰囲気が広がりましたね。

でも、これ、今から見ると、株式会社・資本主義の手柄ではなかった。もっと別のものの手柄だった。それはおそらく、社会の制度がどのようなものであっても、そこに幸せを見出そうとする人間そのものの生命力とでもいいましょうか、そんなものなのだろうと思っています。

翻ってみるに今の時代は、その生命力が圧殺されようとしている時代。右も左も、そのことは自覚しているみたい。でも、生命力を押さえ込むものの正体を見極めようとせず、ごくごく上っ面の制度をいじくれば何とかなると思い込んで右だ左だとやってる。国家を奉ればいい、あるいは個の人権を守ればいい、と。そんなことじゃカネの呪縛から逃れられないというのに...。

すみません。コメントが愚痴っぽくなってしまいました。正直、少し疲労感を感じてます。

でも、あきらめずに続けましょう。カネに支配された世の中はいずれ崩壊するでしょうけど、そのとき、こんなはずじゃなかったという人間をひとりでも少なくするために。できれば崩壊する前に、自ら次の道を進むことが出来るようになるために。私は私のやり方で、主として左を向いて語りかけることを続けます。
愚樵 | 2008年04月07日(月) 09:00 | URL | コメント編集

●管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
 | 2008年04月07日(月) 17:26 |  | コメント編集

●>>愚樵さん

>それはおそらく、社会の制度がどのようなものであっても、そこに幸せを
>見出そうとする人間そのものの生命力とでもいいましょうか、
>そんなものなのだろうと思っています。

  あとは、社会的生物である人間が持っている「バランス感覚」ですかね。
  そういう意味では、戦後の日本はうまくやっていました。昭和天皇崩御のあたりから、それが急におかしくなり初め、オウムのサリン事件あたりでとどめを刺された感じがします。
  多分、戦争や占領時代の苦労を知っている人間たちが政財官の世界のトップからいなくなっていったことが大きいと思います。
ろろ | 2008年04月10日(木) 13:19 | URL | コメント編集

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