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2011.06.29(Wed)

高速増殖炉という夢の、終わりのはじまり(2) 

●前回の続きです。

本文に入る前に、高速増殖炉「もんじゅ」のニュースを一つ紹介しておきます。

もんじゅ「出力試験遅れても」 石橋・敦賀本部長代理
http://www.chunichi.co.jp/article/fukui/20110628/CK2011062802000128.html

 日本原子力研究開発機構の石橋達郎敦賀本部長代理が27日、福井市大手3丁目の中日新聞福井支社を訪れ、大河原保顧問と懇談した。福島第1原発事故で日本の核燃料サイクル政策の見直し議論が避けられない情勢を踏まえ、本年度中を目指す高速増殖原型炉「もんじゅ」(敦賀市)の40%出力試験は「遅れてもやむを得ない」との見方を示した。

 西川一誠知事が停止中原発の再稼働を容認していないことにも触れ「軽水炉の安定した運転が再開されない限り、高速増殖炉はその先にあるもの」と見通した。もんじゅの年間維持費は140億~150億円が必要で、2012年度政府予算案の夏の概算要求も「どう扱われるか気になる」と述べた。

 24日に原子炉容器内から回収した炉内中継装置は「今のところ外観上、異常はなかった」と語った。今後、約1カ月かけて装置や原子炉内の損傷の有無を確認する。「(早ければ)秋には復旧できる。苦しい立場だが(40%出力試験に入れるよう)淡々と準備を進めるだけ」と話した。



日本原子力研究開発機構、すなわち政府は、高速増殖炉の運転を続ける意向を持っています。これについては、みなさんもいろいろ思うところがおありでしょうが、その辺の論評は置いておいて先へ進みます。


5 夢を運ぶ「もんじゅ」

まず、高速増殖炉というものがどのように働くのか、簡単にまとめておく。

前回触れた「軽水炉」は、核分裂性のあるウラン235(数字にどんな意味があるかは前回の記事参照)に中性子を上手に当てて核分裂を効率よく行うため、水を減速材に用いる。このへんはうまく説明できないが、ウラン235は高速で動く中性子だとうまくキャッチできないらしい。

これに対して、高速増殖炉は、プルトニウム239を燃料に用いる。このプルトニウム239は、高速で動く中性子をキャッチすることができる。しかも、中性子をキャッチして核分裂するとき、中性子を3個出す。

その3個出てきた中性子のうち、2個は同じプルトニウム239にぶつかって消費される(そうでないと核分裂が進まない)。

実は、余った1個がミソなのである。

高速増殖炉の炉心には、劣化ウランがプルトニウム239と一緒に置いてある。前回も見たように、劣化ウランは核分裂性のウラン235がほとんど含まれておらず、ゴミとして捨てるしかない代物だったはずだ(しかも超有害)。

そして、上の余った中性子1個は、劣化ウランを構成するウラン238にぶつかることになる。

そうすると、陽子+中性子の量が239個になり、そのあとβ崩壊を経て、なんとプルトニウム239に生まれ変わるのである。

つまり、ただゴミとして捨てるしかなかった劣化ウランが、プルトニウム239という立派な核燃料として蘇るということだ。一応、プルトニウムの量は増えるから、これを「増殖」と言っている。

まとめると、高速増殖炉というのは、「高速の中性子を使って劣化ウランからプルトニウムを増殖させる原子炉」ということになる。

これは、原子力利用を推進したい人たちからすれば、非常にありがたい。

どんなに原子炉自体の安全を確保したとしても、核廃棄物が出てくることは避けられない。反対派は絶対にそこを衝いてくる。それに対して、

「使用済み燃料は六ヶ所村の再処理工場でプルトニウムを取り出し、濃縮の過程で劣化ウランともども高速増殖炉で燃料として用いることができる」

という反論ができるからだ。もちろん、劣化ウランはどうやって入手するんだとか、高速増殖炉から出てくるゴミはどうするんだとか、細かい議論はあるが、とりあえず当座の弁明としては成り立つ。

そして、ウランの使用量を劇的に減らすことで、資源を輸入に頼るという弱点も克服できる。

1991年、本格的な高速増殖炉「もんじゅ」が運転を開始した時、高速増殖炉を商用で成功させている国は世界に一つもなかった。

もんじゅを軽水炉並みに運転させ、商用原子炉としてスタートさせる。

原子力を研究し、原子炉に携わっていた人びとの夢だったに違いない。

6 危険すぎる夢の代償

ところが、その原子力関係者の夢を運ぶ「もんじゅ」は、試験運転中の1995年、突然停止してしまう。

冷却材のナトリウムが漏れ出し、発火したというのがその原因だった。

この「ナトリウムを冷却材に使うこと」こそ、高速増殖炉の最大の弱点である。

ナトリウムは塩の主成分で、常温だと固体である。それを、100度以上にして液体にする。100度以上で「冷却材」というのも変な話だが、原子炉が作り出す熱はもっと高温なので、その熱を外に運ぶ役割としては十分である。

ナトリウムが選ばれた理由は、高速増殖炉のキモである、高速で飛ぶ中性子の勢いを殺さないという特性にある。

軽水炉で水が減速材になるのは、質量が軽いので、ぶつかったときに中性子のエネルギーをもらってしまうからだ。車が同じ車種の車に追突すると、ぶつかった時に追突された車は前方に突き出され、追突した車は少しだけ進んでその場に止まるが、そんな感じだ。

他方、ナトリウムは質量が重いため、中性子をほぼそのままの勢いで跳ね返せる。ボーリングの球に、ピンポン球をぶつけても、跳ね返る時のスピードはぶつかった時とほとんど同じはずだ。あれと同じである。

プルトニウムに高速中性子をぶつけるからこそ3つの中性子を出す核分裂が起きるわけで、原子炉から水を利用して熱を取り出すプロセスを、高速増殖炉では初めから取ることができないようになっている。

しかし、液体ナトリウムは、困った二つの特徴を持っている。

一つは、空気に触れると急激に酸化することだ。要するに、空気に触れると燃え始めるのである。だから、「もんじゅ」の原子炉には、空気が入らないようにアルゴンガスが充填してある。

そして、もう一つは、水をかけると大量の水素が発生することである。水とナトリウムが接触して水酸化ナトリウム(NaOH)が作られる過程で、水(H20)の中の水素分子が1つ余るからだ。その時、回りにはナトリウムが出す大量の熱があるから、これで水素が引火して爆発を起こすことになる。福島第1原発の1号機の屋根が吹っ飛んだ「水素爆発」である。

だから、水をかけて消火することができない。

そうなると、一度火が出て、ごく短時間での初期消火に失敗したら(もしくは、消火のしようがないほどの火が上がったら)、冷却材のナトリウムがどんどん燃えていき、高速増殖炉周辺は大火災に至る。

炉内の冷却ができなくなるのだから、プルトニウムで出来た燃料が高温になり、次々とメルトダウンを起こす。

そして、それによって燃料体から解放されたプルトニウムは、火災が起こす上昇気流に乗って周囲に拡散する。下手すると、空気中の水分から出来た水素が引火して爆発を起こすかもしれない。

そうなったら、猛毒のプルトニウムが「もんじゅ」の建屋を飛び出し、火炎の作り出す上昇気流に乗ってかなりの広範囲に拡散する。「もんじゅ」はプルトニウムを直接使っているから、その量も半端ではない。

この事故に比べれば、黒鉛炉が臨界状態のまま爆発したチェルノブイリですらかわいいものだ。日本全土が死の国になる可能性すらある。

だから、わずかなナトリウム漏れでも「もんじゅ」は運転をやめた。当然の判断である。

しかし、これほど危険な「もんじゅ」で、2007年になって突然再開のための工事が開始され、昨年運転を再開した。

そうしたら、今度は炉内のプルトニウム燃料を取り出す中継装置が落下してしまった。取り出そうにも、炉内のナトリウムが空気に触れたら大事故になるから、慎重に慎重を期した。

そして、ついこないだ成功したわけだが、その過程のどこかでアルゴンガスが抜けることがあったならば、今頃私はこんな記事を書いていないだろう。

しかし、みなさんもここまで読んで思わなかっただろうか。

どうして、ここまで危険な「もんじゅ」、すなわち高速増殖炉を、原子力関係者たちは動かそうとするのだろうか。

私は、ここに、いわゆる「原子力村の論理」を超えた難しさを感じている。次回詳細に述べる。


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2011.06.26(Sun)

高速増殖炉という夢の、終わりのはじまり(1) 

もんじゅ:落下装置撤去完了 弱点露呈 復旧費用17億円、工事に10カ月 /福井
http://mainichi.jp/area/fukui/news/20110625ddlk18040637000c.html

 高速増殖原型炉「もんじゅ」で原子炉容器内に落下した炉内中継装置(3・3トン)本体の撤去は、夜通しの作業で24日午前5時ごろ終わった。昨年8月の落下から10カ月近くたち、撤去の工事費や新たな装置の購入で約17億5000万円かかった。東京電力福島第1原発事故で、国の原子力政策の行方自体が不透明になるなか、今回の設計ミスによる同装置落下は、トラブルがあれば長期停止と多額の費用を要するもんじゅの弱点を改めて示した。【柳楽未来】

 もんじゅは、既に実用化されている軽水炉の原発と異なり、原子炉容器内に高温の液体ナトリウムがあり、空気に触れると激しく反応するため上部をアルゴンガスで覆っている。落下した同装置の下半分は不透明なナトリウムにつかった状態で、原子炉容器の上にアルゴンガスで満たした別の容器を用意して、その中につり上げた。原子炉容器のふたの一部を外して一体で引き抜き、総重量は約11トンになった。

 今回のトラブルでは当初、力をかけて引き抜こうとしたがうまくいかず、落下の衝撃で装置の継ぎ目が変形した事実をつかむのにも時間がかかった。また、設計時には想定していなかった複数の大型機械を新たに設計・製造して原子炉容器の上に据え付けたため、費用が膨らんだ。

 撤去開始の予定は23日午後3時ごろだったが、準備作業で機器の一部で機密性が保たれていないことが分かり、パッキンが切れている原因を突き止めて取り換えるなどで約6時間遅れた。22日も予定通りに準備作業が進まず、23日未明まで作業していた。

 もんじゅの構造に詳しい小林圭二・元京都大原子炉実験所講師は「もんじゅは軽水炉と比べ事故の調査、復旧に膨大な労力がかかる。これでは今後、商業炉として実現するはずがない」と指摘している。



この「もんじゅ」のことが気になっていたので、ちょっと調べながら文章にしてみました(他所からの転載です)。何か変なところがあればご指摘いただけると嬉しいです。

1 高速増殖炉とは

まず、高速増殖炉というものを、授業でしゃべりたいと思ったので、自分なりに調べてみた。

福井県敦賀市にある「もんじゅ」は、高速増殖炉と言って、日本によくあるタイプの軽水炉原発とは仕組みが異なっている。

http://www.jaea.go.jp/04/monju/

トップページの貧乏くさささえ感じさせるソフトなイメージがかえって悲しくなるが、精一杯好意的な表現をすると、高速増殖炉というのは、日本の原子力関係者の夢だった。

高速増殖炉は、簡単に言うと、

・高速で移動する中性子の力を使って
・燃料となるプルトニウムという物質が、どんどん増殖していき
・濃縮ウランを用いる場合の資源枯渇の危険に悩まされずに済む

という原子炉である。

実は、もうこうやって書いただけで突っ込みたくなる部分があるが、とりあえず進める。話は核燃料の代表選手・ウランから始めたい。

2 ウランのカス

日本で動いている54基の原子炉は、プルサーマルも含めて、全て濃縮した「ウラン235」という物質を燃料にしている。

ウランという元素がある。陽子という粒を92個、中性子を143個、合計235個の粒で原子核が作られているのをウラン235といい、それより中性子が3つ多いのをウラン238と呼んでいる。これらは別々の場所に点在しているのではなく、同じウラン鉱石の中に同居している。

ちなみに、こうやって同じ元素なのに構成している粒の数が違うものを同位体(アイソトープ)というらしい。アイソトープという言葉の意味を私は今回初めて知った(笑)。

そのウラン鉱石を原発で使うときは、ウラン235が不可欠である。なぜなら、ウラン238は原子炉の中で熱を発生させる「核分裂」という反応を起こさないからだ。

ここで困ったことがある。なんと、ウラン鉱石の中に、役に立つウラン235はたった0.7%しか含まれていない。しかも、それだけを分離すること難しいらしいので、とりあえずいろいろな作業を施して濃縮する。だいたい3%を超えれば、核燃料として使用に足りるらしい。

そして、核燃料が出来上がったそばには、ウラン235がもうごくごくごくごくごくごく僅かしか残っていないウランのカスみたいなものが残る。これがいわゆる「劣化ウラン」である。その中身は、ほぼ全てがウラン238、つまり、役に立たないウランだ。

この劣化ウランは、核分裂しないくせに、アルファ線という超強力な(その代わりほとんど飛ばない)放射線を出す。本当にどうしようもない物質である。その有害な劣化ウランを、アメリカやイギリスは武力紛争のどさくさに紛れて、ユーゴスラビアやイラクに大量に捨てる作戦を実施した。それが●「劣化ウラン弾」である。

日本はそんなことをやりたくてもできないので、超有害ゴミとして保管するしかないままここまで来ている。

3 プルトニウムの誕生

劣化ウランも厄介だが、もっと厄介な元素が原発ではどんどん生まれている。それが「プルトニウム」である。

プルトニウムは、自然界に存在しない元素である。そんなもんをどうやって作るのかというと、原発の中で勝手に出来るのである。

ウラン235に、特殊な操作をして中性子をぶつけてやると、それに刺激されてウラン235の原子核が二つに分裂する。いわゆる核分裂である。この時に熱が出る。

とすれば、この核分裂を大量に起こしてやれば、大量の熱を取ることができるわけだ。というか、一度核分裂が始まると、そのウラン235が出す中性子が他のウラン235を刺激するという形で、どんどん分裂が起きる。一定量集まっただけで始まることもある(これがいわゆる「臨界」)。そして、その過程で熱を出す。

このように、中性子が飛び回って他のウラン235を刺激するためには、中性子の飛ぶスピードを下げてやらないといけない。そのために用いるのが「減速材」というものである。福島第一原発では「軽水」という、不純物のない水を使っていた(だから、「軽水炉」という)。この水は、同時に原子炉で出た熱を外に持ち出し(=冷却材)、タービンを水蒸気で回すという役割もしている。

この核分裂の過程で、濃縮ウラン(といってもウラン235が3%しかないが)の中にあるウラン238が、周囲を飛び回っている中性子をキャッチしてしまうことがある。それがβ崩壊という過程を経て、最終的にプルトニウム239という元素に生まれ変わる。

このプルトニウム239は、言ってみれば、濃縮ウランを使ったあと出てくるゴミである。使用すらされなかった劣化ウランよりもマシかもしれないが、このプルトニウムは最悪の物質である。なにしろ、人体に凄まじい害を与えるアルファ線という放射線を出すからだ。しかも、劣化ウランのそれよりはるかに強いらしい。

しかし、このプルトニウム239というのは、核分裂をさせるとウランを遥かに凌ぐパワーを出す。だから、核兵器に使われる。長崎に落とされた原爆はプルトニウム239を用いている。広島に落としたウラン型は、ウランの濃度を90%まで引き上げなければいけないが、プルトニウムならウラン235を3%に濃縮した燃料を転がしていればそのうちできる。

はっきり言ってしまえば、原子炉というのは、ウランからプルトニウムを作り出すための道具なのである。それを、平和利用などといって無理矢理発電できるようにしたのが原発だ。原子力というと、何かすごいことをやっているように思えるが、やっていることはただお湯を沸かして水蒸気を取り、タービンを回しているだけである。

その湯沸かし器が、頼みもしないのに頑張るとどういうことが起きるか。

福島のような事故は除けば、劣化ウランとプルトニウムという、超有害ゴミがどんどんたまっていくことになる。

4 ゴミの行き場

このゴミは、どこにでも捨てられるものではない。放射能があるからだ。

放射能というのは、「放射線」という光を出す能力を持っているという意味である。この放射線は、生物を構成する細胞の中のDNA(デオキシリボ核酸、要するに遺伝子)を切断する力がある。その切れたDNAがうまく修復できずにおかしな形のまま残ってしまい、それがどんどん増えていくのが「ガン」である。骨の造血幹細胞がやられれば、白血病という症状になる。

難しいことは置いておいて、要するに放射線はなるべく浴びない方が良い有害なビームみたいなものだと思えばいい。

そんなものがその辺に転がっていたら、どんどんガン患者が増えてしまうだろう。だから、処分場を作ってそこに貯めておく。

しかし、これがまた気の長い話で、放射性物質の放射能は長い間なくならない。放射能がなくなるまでの物質固有の期間を「半減期」というが、プルトニウムなんて半減期が2万4000年である。今から2万4000年といったら、日本列島がなかった時代だ。気が遠くなる。そんな長い間管理しなければいけない超有害ゴミを作り続ける時点で、原発は終わっているのである。

ともあれ、最近まで何の疑いもなく日本人は原発を利用してきた。正確に言えば、大多数の人たちは、なんだかよく分からないけど、政府や東大の先生は安全だと言うし、原発は家の近くにないし、めんどくさいことは考えたくないと思って過ごしてきた。恥ずかしながら、自分にもそういうところがあった。まさか事故になるとは思わなかった。

しかし、原子炉自体がどんなに安全でも、絶対に劣化ウランやプルトニウム239が出てくる。そして、その捨て場はない。

このままでは、人目につく場所や水源地を捨て場にせざるを得なくなり、安全だと政府が言っていた原発は「超有害ゴミ発生装置」としか思われなくなってしまう。

そんな時、救世主が現れた。

「原発から出たプルトニウムを燃料に使えて、しかも劣化ウランを始末できる夢の原発がある」

それが、高速増殖炉だった。



続きます。


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2011.06.22(Wed)

我が国の主食を何だと思っているのだ、このクソ政党は 

コメ先物、試験上場へ 72年ぶりに復活
http://www.47news.jp/CN/201106/CN2011062201001157.html

 民主党の農林水産部門会議は22日、コメの将来の価格を予想して取引する先物の上場を了承した。これを受け、農林水産省は来月にも、東京穀物商品取引所と関西商品取引所への試験的な上場を認める見通しだ。

 江戸時代に大阪・堂島で誕生し、戦時の経済統制が実施されるまで約200年続いたコメの先物取引が1939年以来、72年ぶりに復活する。自由な市場でコメの指標価格を形成し透明性を高めるとともに、農家や流通業者が将来の価格変動リスクを回避できるようにする狙いだ。

 ただ、投機的な取引で価格が乱高下する懸念もあり、農水省は取引数量や値幅制限、取引停止などの規制を検討する。


要するに、米を投資商品にすることを許すということです。

昔、●米騒動というのがありましたが、あれなどまさに大商人の投機によって、庶民の食べものがなくなってしまったという事件でした。

>民主党の農林水産部門会議

民主党は●震災対策に専念していて地方選に負けた(幹事長談)ほど熱心に仕事しているはずなんですが、どうも中身はかなり怪しい感じですね。

放射性物質に汚染された農産部の買い取り、農地の除染、非難している農家の生活保障、魚介類の残留放射性物質検査、世界的な小麦の高騰への対策。

検討すべきことが山ほどあるにもかかわらず、こういうことだけはいち早く取り組むわけです。この政党は、小沢グループの処分と、金融資本や財界の利益になることの決定だけは本当に迅速です。こんな政党に政党助成金など出す必要もありません。約320億円、今すぐ国庫に返納すべきです。

>将来の価格変動リスクを回避できるようにする狙い

こんなことを言っても無駄です。株や債権のオプション取引も、商品先物も、全てリスクヘッジという名目で始まり、いまや世界のどこでも投機の対象です。3年ほど前の石油高騰も、シカゴの先物市場が主導したことは明らかでした。

米で同じ事をやったら、我々の米食が崩壊する危険があります。いくら需要が減ったとはいえ、いまだに単一の農作物では最大の生産量を誇る、そして何より日本人の食文化の中心を占めている米です。それを金融商品にするとは、日本列島開闢以来の全ての日本人に対する冒涜です。

江戸時代だって堂島浜でやっていたって?そのときは外資も投機筋もいなかったのですから、比較の対象になりません。戦前だって同じです。資金の流動性が今と比べものになりません。

>投機的な取引で価格が乱高下する懸念もあり、農水省は取引数量や値幅制限、取引停止などの規制を検討する。

民主党を消極的ながら支持しているみなさんも、ここを見て「もうこいつらダメだ」と思わないといけないと思います。なにしろ、投機的取引について心配しているのは「農水省の官僚」であって、「民主党の農水部会」ではないのです。今の民主党の政治スタイルは、完全なる官僚主導だということですね。

この件に関しては、小沢グループも同罪です。国民の生活が第一というなら、米を投機の道具にするなど認めるわけにはいかないはずです。この暴挙を許すなら、マニフェスト遵守などというのは、菅・仙谷ラインに対抗するためのただの政争の具だとしか見られませんよ。

いまだにまともな被災者救済もやらず、こんどは米を投資の対象にするような馬鹿げた真似をする。

もう民主党は、東北地方の選挙区で勝つつもりがないのでしょう。小沢氏の地元である岩手ですら怪しいと思います。当然の報いだと思いますが。

しかし、ほんとうに情けない。この国の政府は腐りきっています。

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2011.06.21(Tue)

石油やガスが値上がりし、原発をたくさん作るほど電力会社がもうかる仕組み 

電気料金8月も値上げへ 東電、99円程度
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2011062102000024.html

 東京電力は標準家庭の八月の電気料金を九十九円程度引き上げ、月六千六百八十三円前後とすることが二十日、分かった。火力発電の燃料である原油や液化天然ガス(LNG)の価格が上昇しているためで、値上げは六カ月連続。

 値上げ幅は、料金の算定制度を変更した二〇〇九年五月以来最大だった前月の百十円には及ばないものの、年明けからの原油高騰を背景に、高水準の状態が続いている。三月からの六カ月間の上昇幅は四百五十円近くに上る見通しだ。

 東京ガスも五十円程度値上げし、五千二百五円前後とする。他の電力・ガス会社も一斉に値上げする公算が大きい。各社が二十九日に正式に決める。

 電気料金は、燃料費の変動を加味して毎月見直す仕組み。八月の料金は、三~五月の燃料費を基に算出される。東電福島第一原発事故の発生に伴い、他の停止中の原発も再稼働が難しくなっている。このまま火力発電の割合が高まれば、一段の値上げ圧力がかかる可能性もありそうだ。


最近ネット上で評判がいい東京新聞の記事だからといって、鵜呑みにしてはいけません。

>電気料金は、燃料費の変動を加味して毎月見直す仕組み。八月の料金は、三~五月の燃料費を基に算出される。

注意して欲しいのは、この「燃料費」が具体的にいくらだったか、全く開示されていないことです。

●河野太郎議員が以前電力会社に「燃料コストはいくらか」という資料の開示を請求をしたら、必要な部分には全部黒塗りがしてある資料(もちろんコピーなので透かしても見えない)を配られたそうです。理由は、「企業秘密だから」。

電力会社(一般電気事業者)は地域独占を許されています。そういう意味では公益的な役割も担っているわけで、それが企業秘密を盾に情報の開示を拒むのはどうかと思います。これでは、極端な話、原発の中で隠れて核兵器を作っていたとしても国民には全く知る術がありません。

こんなことを書くと、「他の会社は資源高でも企業努力をして値上げをしないように頑張っているぞ!東京電力は何をやってるんだ!」という声が聞こえてきそうですが、そういう世間で当たり前の論理は電力事業には通用しません。

別に、電力会社の幹部が学歴が高いだけの非常識なアホの集まりだからではありません。電気事業法(正確に言えば、それに基づく政令)で、「総括原価方式」という仕組みが認められてるからです。

よくわかる原子力~総括原価方式
http://www.nuketext.org/mondaiten_cost.html

そもそも、電気の値段はどのようにして決められるのでしょうか。我が国では電力のコストは電気事業法という法律に基づき、「総括原価方式」という方法で計算されています。

この方式は、発電・送電・電力販売にかかわるすべての費用を「総括原価」としてコストに反映させ、さらにその上に一定の報酬率を上乗せした金額が、電気の販売収入に等しくなるように電気料金を決めるやりかたです。

つまり、電力会社を経営するすべての費用をコストに転嫁することができる上に、一定の利益率まで保証されているという、決して赤字にならないシステムです。これを電気事業法が保証しています。普通の民間企業ならば、利益を生み出すために必死でコストを削減する努力をするはずですが、電力会社はどんなにコストがかかろうと、法律によってあらかじめ利益まで保証されているのです。



要するに、広告宣伝費や、発電所の建設費用・維持コストに4.4%をかけたものが自動的に電力会社の利益になるようになっているのです。

原発がなんで推進されるかもこれで分かるというものです。原発は固定資産税評価額がバカ高く、もしそれが減価しても燃料の保管費用や施設維持コストが膨大にかかるので、「総括原価」がそれだけ大きくなるからです。フランスやイギリスにプルトニウムを保管しておくコストも全て「総括原価」に組み入れできます。

そうやって母数が大きくなればなるほど、電力会社(一般電気事業者)に入ってくる利益も大きくなるのです。取引の常識をあまりにも逸脱しています。

そもそも、この方式は、日本の産業基盤がまだ弱く、技術も未熟だった時代に、電力会社に安定した利益を上げさせて、これをもって電気の安定供給を図るという目的で導入されたものです。ところが、今やその本来的意義は薄れ、総括原価方式から来る儲けと、それに群がる利権(天下り官僚と電力族議員)のためだけの仕組みになってしまっています。

日本というの国は、●フジツボ(貝の一種。係留されている船底などに吸い付く)がビッシリこびりついて、港から出港することすらできなくなった船とよく似ています。船長だけはコロコロ変わって、そのたび「この船は未来に向けてこぎ出します!」などというのですが、今までにこびりついたもののせいで動かすことすらままなりません。

そして、たまにフジツボをはがそうとすると、船の外から待ったがかかったり、フジツボ自身が毒を吐いたりして抵抗してくるのです。

ソーラーパネルや風車に夢を描くのもいいのですが、総括原価方式や、●前の記事でも書いた、特定電気事業者を役人の胸先三寸で排除できる規定を何とかしないことには、いつまでたっても電力の供給事情は変わらないでしょう。原発を稼働させていた方が儲かる上に、自浄作用も働かないからです。そして、原発がメガソーラーや風車の群れに変わっただけならまだいいのですが、それすら果たせず、結局若狭湾では耐用年数を超えた原発くんたちが老体に鞭打って稼働中、などということになりかねません。

その過程で、電力会社がザクザク儲けるしわ寄せは、全て電気代という形で国民に跳ね返ってきます。

電気事業法を見直すよう、国会議員に電話やメールをしましょう。また、反原発デモでは、そういうアピールもしていってほしいものです。

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2011.06.16(Thu)

やっぱり発行部数の多い新聞はろくなもんじゃないなこりゃ 

●一つ前の記事の続きです。

さて、イタリアで行われた原子力発電所の継続についての国民投票ですが、圧倒的大差で

一時は5割の有効投票総数に届くかどうか微妙と言われましたが、57%と、なんとか届いたようです。

前にも書きましたが、日本の新聞は基本的に原発推進(というか、原発推進の政府・経団連・アメリカなどの意向を汲んで記事を書いている)なので、イタリアで出た結果にどう反応するか楽しみでした。早速、社説などを見てみましょう。

まず、福島での事故以来、原発に対して懐疑的に見えなくもない毎日新聞。

余録:伊国民投票の選択
http://mainichi.jp/select/opinion/yoroku/news/20110615k0000m070114000c.html

 一昨年、300人以上の死者を出し、6万人が被災したイタリア中部地震の時のことだ。被災地を視察したベルルスコーニ首相は独テレビのインタビューにこう言った。「テント生活を送る人は週末のキャンプをしていると思えばいい」▲その失言癖と裁判がらみの醜聞、そしてメディアを支配下に置く財力ではどの国の指導者にも負けぬベルルスコーニ首相だ。国民投票では原発再開の賛否と共に、首相の公判出廷義務を免除した法の是非も一緒に問われた▲その彼が有権者にボイコットを呼びかけた国民投票は久々に50%を超える投票率を示し成立した。イタリア国民は圧倒的な高率によって出廷引き延ばしで時効に逃げ込む首相の得意技を封じ、全世界注目の原発再開に対しては明快に「反対」の意思を示したのである▲ベルルスコーニ首相の影響下のメディアは事前に無視の姿勢を見せていた国民投票だ。だが約1カ月前のローマではネットを介した地震予言のデマで大規模な避難騒動もあったイタリアである。一昨年の記憶も生々しい国民には「フクシマの衝撃」は小さくなかった▲原発災害での「週末のキャンプ」はごめんだと突きつけられた首相に、さすがに放言の余裕はなく、あっさり原発断念を表明した。原油高や温暖化対策で原発計画再開へ進んでいた欧州の空気を一変させ、独、スイスに続く原発の放棄をもたらした「3・11」である▲これで脱原発と原発推進の真っ二つに分かれた欧州諸国だ。ただ忘れてはいけない。歴史的な岐路では、対立する原理のダイナミックな角逐を通して新たな時代の扉を開くのが欧州文明の生理である。


どうも、おおむねイタリア国民の選択に対して肯定的な様子です。

しかし、注意すべきなのは「欧州」という言葉を連呼している点でしょう。意地悪く受け取れば、「あくまで日本は別なのだ」という姿勢が出ています。

>ベルルスコーニ首相の影響下のメディアは事前に無視の姿勢を見せていた国民投票だ。

一見かっこよく政権をしているように読めますが、全体を通してみると、「汚職を繰り返し国民を愚弄するベルルスコーニ内閣だから国民が原発継続を否定したのだ」と、あくまでイタリアの事情は特殊だと読者に強調しています。我が国の政府など、国民を愚弄するどころか積極的に殺害に着手しているわけですが、そちらには目をつぶるということなのでしょうか。

毎日新聞は正力松太郎がCIA(アメリカ中央情報局)の工作員であったことを天下に知らしめたのはよかったのですが、やはり「脱原発」という主張をするまでは行かないようです。

次は、(主観的)インテリのみなさん御用達の朝日新聞です。

原発と民意―決めよう、自分たちで
http://www.asahi.com/paper/editorial20110615.html

 原発再開の是非を問うイタリアの国民投票で、反対派が9割を超えた。

 ドイツの2022年までの段階的閉鎖、スイスの34年までの廃炉に続き、欧州でまた「脱原発」の猛烈な民意が政治を突き動かした。

 福島の重大事故のあと、原発への厳しい世論が広がる。

 では、日本はどうか。

 4月の福井や佐賀、6月の青森など、原発立地県での知事選が相次いだが、原発の存廃そのものを問う展開には見えなかった。「脱原発」票は行き先を探しあぐねているようだった。

 欧州との、この落差はいったいどうしたことか。

 日本でも、菅直人首相が浜岡原発の停止を求めた。ただ、津波対策を終えるまでの時限措置で、原発全体を視野に入れた方針転換ではない。

 国会の動きも理解しがたい。どの政党も太陽光や風力など自然エネルギーの普及に賛成なのに、自然エネルギーによる電気を電力会社が高く買い取る制度を導入する法案は、いまだに審議入りもできていない。

 これが、原発推進を国策としてきた日本政治の現状なのだ。

 振り返れば、官僚ら「原子力村」の仲間で政策をつくり、安全神話と補助金で地元住民の合意を取りつけてきた。民主、自民の2大政党とも推進派で、有権者が原発問題と向きあう機会が少なかったのも事実だ。

 だが、いまや安全神話を信じる人は見あたらない。事故の被害は立地補助金が行き渡る自治体の範囲をはるかに超え、子や孫の世代にまで及びそうな現実も思い知らされている。

 もう黙っていられない。私たちの将来を決める選択なのだから「お上任せ」「政治しだい」でいいはずがない。国民がみずからエネルギーを選び、結果の責任も引き受けていこう。

 こんな民意が一気に集まり、うねり、各地で散発的に始まった「脱原発デモ」を全国一斉実施にまで拡大させている。

 かつてない規模で広がる「脱原発」の民意を、政党はどうくみ取れるのか。始まったばかりの超党派の国会議員による勉強会に注目する。

 だが何より大事なのは、やっと声をあげ始めた私たち有権者がもっと議論を重ね、もっと発言していくことだ。

 国民投票は容易ではないが、原発の住民投票なら、新潟県巻町(現新潟市)などですでに経験がある。停止中の原発の再稼働を問う住民投票を周辺市町村も含めてやるのも一案だろう。

 自分で将来を決めるために。


不気味になるくらい、「脱原発」に好意的な記事です。ここまで来ると、何か裏があるのではないか、と疑ってしまいたくなります。

>民主、自民の2大政党とも推進派

まさにその通りです。新しく利権にありついた分、民主党の方がこの辺はこだわりが強いかもしれません。原発輸出にやたらとこだわっている●この議員が首相なり「かつての小沢一郎」の役目に就いたら、ひどいことになりそうです。●この人は謝罪や賠償にも積極的なので、放射能が魚から出たという国に片っ端からカネを配るんじゃないでしょうっか。

>各地で散発的に始まった「脱原発デモ」を全国一斉実施にまで拡大させている。

とか書きながら、自分たちはたいして大きく報道していないので、えらそうなことを言えた立場ではありません。

>何より大事なのは、やっと声をあげ始めた私たち有権者がもっと議論を重ね、もっと発言していくこと

これはその通りでしょう。来年の今頃も、議論が風化していないことが大切です。

全体としてみれば、毎日新聞よりはマシな感じがしますが、今までの政府の原発推進策に対してもう少し批判を向けてほしいところではあります。

その次は、デキるビヂネスパアソンのみなさんが同調圧力に負けてわけもわからず目を通している日本経済新聞です。

「脱原発」欧州の欧州の不安と現実
http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE1E2E6E0E2E6EBE2E3E7E2E4E0E2E3E38297EAE2E2E2;n=96948D819A938D96E38D8D8D8D8D

本文の引用はなしです。なぜなら、この新聞社の記事は右クリックしてもコピーができないようになっています。しかも、この新聞は大半の記事を有料版の読者でないと冒頭部分以外読めないようにしています。さすが「経済」新聞、タダで引用などさせまいとするケチそのものの姿勢は、経営者なら見習いたくなること請け合いです。

そういうわけで、みなさんにはリンク先に飛んで見てもらいたいわけですが、あまりにもケチな日経の姿勢にむかついてわざわざリンク先に飛びたくないという方のために、以下に要約を示しておきます。

・57%の投票率は関心の高さを示している(意味不明)
・ヨーロッパ全体で見れば推進している(人口最大のドイツが原発やめると言ってるのに?)
・イタリアの投票結果は原発推進国から電気を買えるからこそ出た結果(予想通りの主張)
・日本もイタリアもエネルギーの将来像は描けていない(これはその通り)
・原発のあり方を含めた総合的な観点からエネルギーについて考える必要がある(お茶濁しまくり)

最後の「総合的な観点から考える必要」というのは、原発推進派がよく使うロジックです。要するに、原子力発電「も」やりましょう、というごまかしですが、ビジネス文書だったら意味不明瞭で上司からダメ出し必至でしょう。

まあ、この期に及んで原発推進を明示できる度胸のあるメディアもいないだろう、とは思いますが…。

伊も脱原発 日本から流れを変えよう
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110615/plc11061503060004-n1.htm
 イタリアの脱原発が決まった。原子力発電再開の是非を問う国民投票で反対票が圧倒的多数を獲得したためである。

 ドイツ、スイスの両国も、原発の順次閉鎖を決めたばかりだ。欧州全体でみれば、フランスや英国など原発堅持の国が多いとはいえ、東京電力福島第1原発の事故を引き金に欧州の一部で原発離れの潮流が勢いを増しつつある。

 各国の意思は尊重したいが、正しい選択なのだろうか。持続可能なエネルギー政策であるのかどうか冷静な見極めが必要だ。

 イタリアの事情はある面で、日本と似る。海に囲まれた地震火山国でエネルギー資源に乏しい。

 だから原子力発電の有用性に着目し、1960年代の半ばから商業発電を開始したが、86年のチェルノブイリ事故を受け、4基あった原発は90年までに閉鎖された。その後、原子力発電の再開などを公約に掲げて当選したのが、現在のベルルスコーニ首相である。

 イタリアの電力は、火力発電が80%を占めており、電力料金が高い。二酸化炭素の排出削減にも苦しんでいる。2003年には計画停電を余儀なくされもした。

 そんな状況下にあって、イタリアは再び「原発にサヨナラ」を告げた。ただし、不足分はフランスから原子力製の電力を買って使える。そこが、外国からは電力を融通してもらうことができない、日本との決定的な差異である。

感性に流れる選択よりも、理性に基づく判断が必要だ。安全性を再確立して範を世界に垂れ、脱原発の流れを食い止めるのは、事故を起こした国として日本が国際社会に果たすべき責務であろう。

 にもかかわらず、日本国内の原発は事故機を含め3分の2が停止している。定期検査後も地元の了解が得られず、運転再開できない原発が増えているためだ。法的根拠を欠く運転不能は、国家の機能不全だ。菅直人首相と海江田万里経済産業相の傍観は許されない。原発立地県を行脚し、首長に運転同意を「要請」すべきである。

 このままだと、日本は、諸外国の目に脱原発路線と映る。それが第4、第5のドイツ、イタリアを生みかねない。脱原発の電力不足は火力発電に委ねられ、原油や天然ガスの価格高騰を招く。エネルギー不足とコスト高は日本経済、ひいては世界経済にも悪影響を与えかねないのである。


まさに、唖然と言うほかないでしょう。電気事業連合会の内部文書ではありません。私が前回もイチオシした産経新聞の社説です。

>持続可能なエネルギー政策であるのかどうか冷静な見極めが必要だ。

「持続可能」などと、国際会議が使うような環境用語をがんばって使っているあたりは、世の中の流れに乗り遅れまいとする努力を感じますが、全て輸入に頼っているウランがあと70年で確実に枯渇し、国内の最終処分場はあと少しで満杯になり、事故を起こすと死の国を作り出すような原子力発電が「持続可能」かどうかは冷静に見極めてほしかったところです。

>感性に流れる選択よりも、理性に基づく判断が必要だ。安全性を再確立して範を世界に垂れ、脱原発の流れを食い止めるのは、事故を起こした国として日本が国際社会に果たすべき責務であろう。

これを福島県の避難所で口に出して言えるとしたら、相当な根性の持ち主です。産経の記者さんならあふれる愛国心に火が点いてやってくれそうですが。

>エネルギー不足とコスト高は日本経済、ひいては世界経済にも悪影響を与えかねない

全くの事実誤認です。電力会社が電気を高く売りすぎているからコスト高になっているのです。●立川市が立川競輪場の電気供給に特定規模電気事業者を導入したら、電気代が3割下がったという事例があるように、地域独占の一般電気事業者の料金設定があまりにも高い(経費を全て料金に転嫁できる仕組みになっている)ことが世界一とも言えるほど高い電気代の原因です。

産経の記者や読者は「電力会社以外にも電気が供給できる」というこのブログの筆者(見事なまでに文系)でも知っているような知識がないのかもしれません。それ自体は非難しませんが、今日から「テレビや(産経以外の偏向した)新聞に頼っている連中はメディアリテラシーがない」などと言うのは止めた方がいいでしょうね。

というわけで、産経は期待通りの「アホ丸出し原発推進」でした。マイクロソフトも「MSN産経」などという風に自分たちの名前を貸していると、マイクロソフトまでアホだと思われるので、もうそろそろ手を引いた方がいいような気がしないでもありません。

その産経よりもっとタチが悪いのが、この新聞です。

イタリアの選択 欧州の原発依存は変わらない
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20110615-OYT1T01255.htm

 スイスやドイツに続いて、イタリアが「脱原発」の継続を選択した。

 欧州ではその一方で、原発大国フランスや英国のほか、フィンランド、スウェーデン、チェコ、ポーランドなど北欧、東欧諸国が原子力発電を推進している。

 原発を放棄できる背景には、近隣国の原発による電力を、送電網を通じて輸入できるという欧州ならではの事情がある。実態として欧州の原発依存は変わらない。

 イタリアの国民投票で原発の再導入を目指す政府の方針が、94%の反対で拒否された。ベルルスコーニ首相は「結果を受け入れる」と、原発との決別を約束した。

 ドイツに比べてイタリアは、風力や太陽光など再生可能エネルギーの開発・普及が遅れている。代替エネルギー開発をどう進めていくのか、イタリア政府は早急に明らかにする責任があろう。

 2008年に発足した現在のベルルスコーニ政権が原発再開を目指したのは、電力供給体制の脆弱(ぜいじゃく)さを痛感したからだった。

 イタリアは1986年の旧ソ連チェルノブイリ原発事故後、国民投票で原発廃止の道を選び、90年には主要国で唯一、稼働原発のない国となっていた。

 だが、電力需要の15%を輸入に頼るうえ、総発電量の8割以上を占める火力発電の燃料の高騰で、産業用電気料金はフランスの約2倍になった。隣接諸国と結ぶ送電線の事故で大停電も経験した。

 イタリアでは過去10年間、先進国では例外的に、1人当たりの国内総生産(GDP)も労働生産性も低下した。財政赤字は膨らみ、経済は低迷している。将来、ユーロ圏経済の波乱要因になりかねないと指摘されている。

 このため、原発4基を新設し、2020年までに稼働させる方針を掲げたのだが、福島第一原発の事故という逆風にさらされた。

 原発再開を起点にしたベルルスコーニ政権の成長戦略は抜本的な変更を迫られている。もし、イタリアが過去10年の負の遺産を解消していくことができなければ、景気回復の足かせとなる。欧州経済への打撃も大きい。

 その影響は、欧州を重要な輸出市場とする日本にも、当然、及んでこよう。

 日本は震災からの復興に向け、自国のエネルギー戦略を再構築するとともに、欧州諸国のエネルギー政策も注視する必要がある。


社長自らCIAにコードネームをもらう工作員として原発推進に邁進した(ウィキペディアにすら書いてある。アメリカ政府の公文書という証拠もあり)「悪の本丸」読売新聞です。

>原発を放棄できる背景には、近隣国の原発による電力を、送電網を通じて輸入できるという欧州ならではの事情がある。

これは予想通りの反論です。しかし、残念ながら、原発推進国であるフランスもドイツやイタリアから電気を買っている上に、自然エネルギーによる発電も融通し合っているので、言うほど原発には依存していません。データは面倒なので挙げませんが、読売だって挙げていないのだからおあいこでしょう。

それに、日本も●電気代を1000円上げれば原発は全部停止できると経産省の研究所が言っているほどですから、火力(特にLNG発電)をつなぎで用いている間に太陽光と風力、地熱の割合を引き上げれば、十分政策転換はできるでしょう。小規模な事業所や家庭用には●マイクロ水力発電も使えます。

もちろん、効率は化石燃料を用いるより、原発が破綻するよりははるかに安上がりです。そういうものの普及のためにはまず「景観をそこねる海辺の風車」や「高いシリコンパネルでやる太陽光発電」という一面的な自然エネルギーのイメージの流布をマスメディアがやめることでしょう。

>イタリアでは過去10年間、先進国では例外的に、1人当たりの国内総生産(GDP)も労働生産性も低下した。財政赤字は膨らみ、経済は低迷している。将来、ユーロ圏経済の波乱要因になりかねないと指摘されている。

>原発再開を起点にしたベルルスコーニ政権の成長戦略

経済が低迷していることと、原発の推進は全く関係ありません。原発を作ったから経済成長するという因果関係もありません。原発を作っても東芝や日立の株主が配当を大きくするだけです。事実誤認もいいところでしょう。

>その影響は、欧州を重要な輸出市場とする日本にも、当然、及んでこよう。

「日本の景気が低迷するのは原発を止めたイタリアのせいだ」という印象づけを狙っているのでしょうが、原発は嫌だというのはイタリア国民が選んだことなのだから仕方がありません。そんなに景気景気というなら、社説でデフレの解消を提唱してほしいものです。

そういうわけで、朝日新聞を抜かせば、だいたい予想通りの結末に落ち着きました。朝日も、読売や産経と「見せかけの喧嘩」をしているのはいつものことなので、予想の範囲内と言えるでしょう。

最後に、ローカル紙になかなか痛快な話が出ていたので、紹介しておきます。

東京新聞「筆洗」(6月15日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2011061502000037.html

 露骨なメディア戦略がまったく功を奏しなかったのも痛快だった。全廃した原発を復活させるかどうかを問うイタリアの国民投票は、反対派が圧倒的な大差で勝利した▼“メディア王”と呼ばれるベルルスコーニ首相傘下の多くのテレビ局は、国民投票のニュースを黙殺。首相は棄権を呼び掛けたが反発を招いただけだった▼大差の結果は、福島第一原発の事故を自分のこととして受け止めたからだろう。危機感は、超党派の国会議員が「地下式原子力発電所政策推進議連」なる団体をこんな時期に発足させる日本の政界とは雲泥の差だ▼フクシマ・ショックの発信地となった日本でも、原発の存廃をテーマにした国民投票の実現を目指す市民の動きがある。政府や国会議員にすべてを委ねず、大事なことは国民が決めようと、独自の法案づくりを進めている▼国民投票は議会制民主主義の否定だという意見がある。自らの政策が否定される可能性のある国民投票を政権が認めるのか、という指摘もあるが、民意をくみ取らない政治が続けば、国民投票を求める声が高まるのは必然だ▼自民党の石原伸晃幹事長は反原発運動のうねりを「あれだけ大きな事故があったので、集団ヒステリー状態になるのは心情としては分かる」と語ったそうだ。いつ終わるか先が見えない不安を抱える国民の気持ちを想像できない人なのだろう。


東京新聞は関東ローカルの新聞ですが、●夏場の電力需要が足りないのはウソだということを暴露したり、●論説委員が経産省とガチンコでやり合ったりと、なかなか頑張っている新聞です。よかったらお金を払って購読してあげてください。


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EDIT  |  09:39 |  原発事故・放射能汚染  | CM(2) | Top↑
2011.06.14(Tue)

ほほう、新聞が社説で何を言い出すか楽しみだぞこれは 

原発再開反対票、9割超す勢い…伊国民投票
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110613-OYT1T00790.htm

 原発再開の是非を問うイタリアの国民投票は13日、2日目の投票が締め切られ、即日開票が始まった。

 伊ANSA通信が伝える投票率の暫定集計値は57%前後で、国民投票が成立するのは確実。出口調査によると、反対票は9割を超す勢いで、再開反対派の圧勝が確実となった。ベルルスコーニ首相は13日、投票の終了を待たずに「イタリアはおそらく原発計画と決別し、再生可能なエネルギー分野の開発に取り組む必要があるだろう」と述べ、事実上の敗北宣言を行った。

 福島第一原発の事故後、原発をめぐる国民投票が行われたのは初めて。欧州ではスイスとドイツ両政府が将来原発を廃止する方針を決めており、イタリアの原発拒否の立場が固まったことで、欧州各国で反原発世論が勢いづく可能性もある。


私はこの記事を見てワクワクしてきました。

何故かというと、正式に出たイタリアの国民投票の結果を見て、我が国が(無駄な経費の多さと誤魔化しまくりの発行部数で)世界に誇る大新聞各紙が、間違いなくトチ狂った意見を書いてくれるはずだからです。

この記事を載せた読売というメディアは、●こちらの社説に見られるように、明確な原発推進メディアです。

なにしろ、もともと社長だった正力松太郎が、日本の原子力の父と言われるほどの人物で、●某国の情報機関からコードネームを頂くような筋金入りの工作員です。愛社精神を高揚すればするほど、こういう社説を書きたくなるのでしょう。

もっとも、経団連や外資、グローバリスト企業、それにアメリカや中国といった外国などの利益の代弁者という点では、読売だろうが朝日だろうが産経だろうが大差はありません。

●前の記事にも書きましたが、日本の大手新聞社は、部署による違いは多少あるものの、全てプロパガンダ組織です。大まかに言うと、

五大紙全て …経団連、経済同友会(この2団体は原発推進を明言)
読売 …正力つながりでアメリカ政府
産経 …●仲良しの世界日報つながりで、統一教会(とそのバックにいるアメリカ)
朝日 …●人民日報経由で中国共産党
毎日 …赤坂界隈つながりでパチンコ・精肉などの韓国資本、プラス創価学会
日経 …特にないが、経団連・同友会縛りは強烈(笑)


といった感じでしょうか。

毎日が官邸内の日米連絡会議に言及したり、上にリンクのある正力松太郎の話を出したりしたのは、もしかしたら一番アメリカの影響力が少ないので、●この連中が食い込んでいるのかもしれません。まあ、彼らも「アレバ」のオーナーなので、原子力利権であるということではアメリカ資本と大差はないでしょう。

そして、テレビは全て上記の新聞が経営しています。そういうわけで、日本の大手メディアが脱原発など容認するわけがありません。

だから、おそらく、イタリアで国民の大多数が原発にNOを突きつけたと言っても、意味不明の詭弁を用いて日本の原子力政策を3月11日以前のものに戻そうと頑張るはずです。

明日になればだいたい分かると思いますが、上の5大紙が言い出しそうなことは、

「日本には資源がないからやはり原子力が必要」
「安定した電力の供給には原発が一番現実的な選択」
「原発をなくせば電力危機になり、復興が遅れて被災地がかわいそうなことになる」
「欧州はフランスなど原発推進国から電気を融通してもらえる」
「日本の技術力で安全性を高めればピンチをチャンスに変えられる」


といったあたりでしょう。

いかに鼻薬を嗅がされて高学歴のオツムの中が腐っている大メディアの社員でも、「イタリアは日本と違って自然災害が多い」という言い訳は使えそうにありません。

しかし、「イタリア人は能天気で、原発のような精密なシステムの管理には向かない。きめ細かい管理が世界で一番得意なのは日本人だ」「原子力の目的は核開発で、中国や北朝鮮に嘗められないためには原発がまだまだ足りない」くらいなら、記者や愛読者を含めて頭の悪さでは5大紙の中でダントツの産経あたりが言い出しかねません。

上に挙げられたものとは違う、驚天動地のバカ社説やオピニオン記事が出てくるかもしれません。そういうわけで、明日は珍しく各新聞社の記事に目を通してみたいと思います。もちろん、広告の合間に与太記事が載っかっているインク臭い紙の束なんかにお金を出す気はしないので、図書館で拾い読みします(笑)。

みなさんも、面白い記事を見たらコメント欄で教えて下さいね!続編を必ず書くので、その時参考にさせていただきます。

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EDIT  |  00:50 |  原発事故・放射能汚染  | CM(3) | Top↑
2011.06.11(Sat)

自分がしでかした事故の後始末も出来ないような政府なのか 

米研究所が福島県沖で海洋調査 原発事故の影響評価へ
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011061101000216.html

 福島第1原発事故を受け、米ウッズホール海洋学研究所の専門家チームが、福島県などの沖合で広範囲の海洋調査を始めたことが11日分かった。海水や海洋生物を採取し、原発から放出された放射性物質が生態系に及ぼす影響を評価する。日本政府は米国からの調査申請を「かなりの短時間」(政府筋)で許可したが、米国による調査であることを理由に事実を公表していない。

 文部科学省などの調査では、原発周辺で海水や海底の土から放射性物質が検出され、魚介類からも放射性物質が確認されている。ただ、こうした調査結果を取りまとめ、生態系への影響を評価する作業には着手しておらず、米国主導の調査が先行する形となりそうだ。

 大量の放射性物質による海洋汚染について、同研究所は「初期調査が重要な意味を持つ」と指摘。半減期の長い放射性セシウムなどが、食物連鎖でどのように蓄積するかは不透明だと懸念を示し、将来的な人体への影響も調べたいとしている。

 関係者によると、今回の調査は4~19日の日程。ウッズホール海洋学研究所の専門家に加え、東大やスペインの研究者も参加。米ハワイ大の調査船で、日本の排他的経済水域(EEZ)を航行し、200キロ四方で採取活動を行う。原発沖合の海流についても調べる。

 原発事故では、高濃度の放射性物質で汚染された水が海に大量流出。海洋調査の拡大を求める声が上がっていた。文科省は「今回の調査には日本の研究者も加わっている。結果を共有したい」としている。


このブログでも伝えてきましたが、

●首相官邸で原発事故処理の指示を出しているのはアメリカ政府の人間
●汚染水の放出はアメリカ政府の「強い要請」によるもの

という感じで、まさに植民地支配の様相を呈しているわけですが、今回のはそれに追い打ちをかけるような体たらくです。

>文科省は「今回の調査には日本の研究者も加わっている。結果を共有したい」としている。

何なのでしょう、この他人事っぷりは。

本来なら、事故を起こした日本の政府がこれを主導しなければならないはずです。それなのに、アメリカ様が調査するから、それに加えてもらおうという態度でいるわけです。官僚組織が有事に役に立たないということは最近よく分かりましたが、ここまでひどいとは正直思いませんでした。



実は、私が空間中の放射線量や、土壌汚染よりも、何よりも気になるのがこの海洋汚染です。

海中に広がった放射性物質は、小型動物を通じて魚の中に濃縮され、それが結局人間の身体の中に食物として取り込まれます。いわゆる「生物濃縮」というやつです。翌名前の出てくるセシウムだけでなく、骨に吸着して白血病を起こすストロンチウムがこれによって人体に入り込んでくる可能性があります。

それだけではなく、海中には昆布やワカメのように、海水からの栄養分をダイレクトに吸収している海藻がいます。昆布はダシやおでんの種に、ワカメは味噌汁などに幅広く用いられています。つまり、海にばらまかれた放射性物質が、そのまま海藻に残ってしまうわけです。

ワカメの味噌汁はダメ、昆布だしもダメ、おまけにノリもダメとなると、日本人の食文化が根本的に破壊される事態になりかねません。

政府がやるべきなのは、福島の数十海里沖の調査だけでなく、

・沿岸部(東日本だけでなく、全国)の港湾の水の放射性物質の濃度測定
・全国で採れた魚介類・海藻の放射性物質の測定
・基準を上回る魚介類・海藻の出荷停止+買い取りによる補償


なのではないでしょうか。

海外に外務省の役人を送って「日本産は安全です!」などとPRしているというのは、恥の上塗りというだけでなく、手前の売り物の危険性をろくすっぽ調べずに出荷している点で、詐欺と同じです。

官房長官の「直ちに影響はない」詐欺、御用学者の「放射線は健康にいい」詐欺、首相の「めどが付いたらやめる」詐欺もそうですが、最近の政府の人間のやることなすこと、ほとんどが人を騙す反社会的な言動です。冒頭の引用記事のように、他の国の政府がやっていることに便乗して、仕事をするふりも、税金を掠め取る詐欺の一種でしょう。

騙されないように気をつけたいものです。

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EDIT  |  12:30 |  教育や勉強の話題  | CM(3) | Top↑
2011.06.10(Fri)

言葉が軽い 

「ペテン師」発言を陳謝 鳩山前首相、グループ会合で
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011060901001145.html

 民主党の鳩山由紀夫前首相は9日の自らのグループ会合で、退陣時期の認識をめぐって菅直人首相を「ペテン師」などと批判した発言について「今、求められているのは冷静な心だ。私も一時冷静さを欠いた発言をして大変ご無礼をした。おわびしたい」と陳謝した。

 鳩山氏は、菅首相退陣後の政権運営に関し「党と国をまとめる行動力、リーダーシップが今、われわれに求められている。皆さんの協力の下につくり上げていきたい」と強調した。


鳩山氏はニュースでの扱いなどを見ていると不人気な政治家なのかなと思えるのですが、●内政干渉の窓口である日米規制委員会を廃止したという点は素晴らしいことをしたと思っています。

しかし、このニュースにはがっかりです。

男同士の差しの会合で「退陣する」と約束した人間が、その後みんなの前で釈明する時になってどうとでも採れる言葉で自分の引き際を説明し、あげく「○○は私の務め」などと言って居座りを決め込むというのは、世間一般の基準から言ったら「ペテン師」です。

そして、そのような信義に反する人間が、他人から拒絶されるのもまた当然のことです。

だから、鳩山氏が菅を「ペテン師」であると批判したことは、誹謗中傷でもなんでもありません。

それなのに、なぜこうもあっさりひっくり返すのか。

鳩山氏が非難した相手は、ペテン師、詐欺師、殺人者、税金泥棒、風説の流布、居直り強盗といった言葉で形容するのにふさわしいことをやってきている人物であり、党内や国民の中にも、「よくぞ言ってくれた」と思った人間も少なくないでしょう。

しかし、それを簡単に撤回してしまう。言葉の持つ重みが全くありません。

●以前の発言をなかったものとして平気で開き直る官房長官や、彼の上役である人格破綻者もそうですが、今の政権を構成している議員というのは、どうも自分が口にした言葉に責任を持つという姿勢がはじめから欠けているのではないかと思います。

私は、ネット上で無責任な発言を書き込む輩に非常に強い嫌悪感を持っていますが、そういう、言葉を粗末に扱う姿勢を助長しているのが、昨今の政治の世界にいる人間達の無責任な言葉遣いなのではないでしょうか。

他人を「ペテン師」と呼ぶならば、相当な根拠や、相手と対立しても構わないという覚悟をもってやるべきです。ましてや、今回鳩山氏がなじった相手は、それ以上のことをしてきているわけですから、簡単に赦すべき相手ではありません。

なんだ、この人も結局国民にとって何の利益にもならない「党内融和」が大事なのか、と、思ってしまったのは私だけではないと思います。

一度背信行為を厳しく論難したなら、(相手がそれを改めるまで)その姿勢を貫き通してほしかったものです。この辺の弱さが、1年と持たずに政権を放棄せざるを得なかった鳩山氏の「器」なのかなと思ってしまったりもします。

それにしても、すっかりニュースが民主党というコップの中の嵐に関するものばかりになってしまいましたねぇ。国民の関心を内部被曝とか汚染水放出(という名の海洋汚染)とかからそらしたいのでしょうか?

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2011.06.05(Sun)

政府には期待できない。かといって絶望までは要らない。 

数ある原発事故のニュースの中で、最も重大かつ、今の日本政府を象徴するようなものがあったので、紹介しておきます。

千度以上示す核物質、3月12日に検出していた
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110603-OYT1T01065.htm

 東電福島第一原発から約6キロ離れた福島県浪江町で3月12日朝、核燃料が1000度以上の高温になったことを示す放射性物質が検出されていたことが分かった。


 経済産業省原子力安全・保安院が3日、発表した。検出された物質は「テルル132」で、大気中のちりに含まれていた。原発から約38キロ離れた同県川俣町では3月15日、雑草から1キロ・グラム当たり123万ベクレルと高濃度の放射性ヨウ素131も検出されていた。

 事故発生から2か月以上たっての公表で、保安院の西山英彦審議官は「隠す意図はなかったが、国民に示すという発想がなかった。反省したい」と釈明した。

 テルルの検出は、1号機から放射性物質を含む蒸気を放出する「ベント」の実施前だった。


千度以上の高温を示す物質が観測されていたということは、すでに福島第一原発1号機の核燃料は、大地震の翌朝には制御不能な状態に陥っていたということです。

また、3月15日の時点で1キロあたり123万ベクレルもの汚染が見られたということは、もう12日の1号機水素爆発の時点で40キロ程度の(そして、おそらくそれよりもう少し遠い)場所には、政府が出荷停止を要請する野菜の汚染基準(2000ベクレル)の600倍強の放射能汚染が広がっていたということです。

ここに、3月15日に3号機が爆発して放出された分が加わるわけですから、今騒がれている放射能汚染は、その多くが震災直後の2回の爆発によってもたらされたものだということができます。

この時期に、適切な防護措置を行っていれば、今後起こりうる被曝による疾病等、無用な被害をかなりの程度防げたということが言えそうです。

そういう時期に「直ちに影響はない」「安全性は確保されている」と、お偉いさんたちが雁首揃えて合唱していた(そして、メディアに出ている学者がそれにお墨付きを与えていた)のですから、本当にどうしようもありません。

もっとも、そのはずです。この国の政府の連中は、およそまともな感覚を持っていないからです。

それが現れているのは、この部分です。

>保安院の西山英彦審議官は「隠す意図はなかったが、国民に示すという発想がなかった。反省したい」と釈明した。

データを入手し、その意味が分かっていて「国民に示す」ということをしないのは、隠蔽というのではありませんか。

この発言を、この経済産業省の官僚が何の意識もせずに発言しているとしたら、それこそ恐るべきことです。要するに、我が国の政府(というか、官僚)には、情報を国民に示すという発想が根本的にないのです。

「国民はバカだから、余計なことを騒いで俺たちの邪魔をするな」とでも思っているのかもしれませんし、そもそもそんなことすら考えずに、今までも重要なことは秘密にしてきたから、今後も秘密にした方がいいと思っているのかもしれません。

どちらにしろ、救いようのない事態です。

もう大して期待はできないのかもしれませんが、普通の国民に出来ることと言えば、情報の開示を熱心に呼びかけている議員(たとえば●この人)を応援するくらいでしょう。そう考えると、「民主党はクソだから」という理由で、原発を推進してきた自民党に投票するのは考え物です(河野太郎議員は例外だろうが)。

このブログでは、景気やマクロ経済政策に左右されない生活ができるような仕組みをいろいろみなさんに示してきました。そして、私自身もそういう活動を実際にやっています。

しかし、原子力発電所というバケモノが暴走したら、いかに自律して生活を営もうとしても、そんなことに関わりなく放射性物質が襲いかかってきます。

そして、それを押さえ込む力を持っているはずの近代国家たる日本政府が上に書いたようなおかしな連中の集まりだったりするのです。何かもう、何をどうあがいても無駄なのでは、という考えがしきりに頭をよぎります。

それでも、裾野の部分から変えていこうという動きもあります。

メガソーラー 浜松市長が参加を希望
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20110604/CK2011060402000126.html

 大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設などを目指し、静岡を含む26道府県とソフトバンクが設立する「自然エネルギー協議会」について、浜松市の鈴木康友市長は3日、本紙の取材に「参加したい」と述べ、協力する意向を明らかにした。

 浜松の年間日照時間は全国トップ級を誇る。鈴木市長は「土地も一生懸命探している」と語り、建設候補地に名乗りを上げる考えを示した。静岡県との連携を含め、どう関与するかは今後詰めるとみられる。分散型電源の推進に向け、新技術開発に産学官で取り組む意欲も見せた。

 協議会が目指す太陽光発電は出力1メガワット(1000キロワット)以上。ソフトバンク側は休耕田や耕作放棄地の活用を提唱し、全国10カ所程度の建設を検討しているとされる。

 鈴木市長は前向きな協力姿勢を示す一方、「国が規制を大転換しないと現実的に極めて難しい」と農地転用の課題を示した。太陽光の拡大は「家庭や事業所単位の普及が望ましい」とも語った。

 技術開発では、自動車産業の蓄積を生かす自家発電装置、燃料電池による発電システムに期待を寄せた。



もう一つ紹介します。

独自放射線量測定の都内自治体続々
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110603/tky11060320590017-n1.htm

 東京電力福島第1原発事故の影響を受け、独自に放射線量を測定する都内自治体がさらに増えている。

 品川区は3日、6月中旬から区内の空間や土壌などの放射線量の測定を行う方針を発表した。空間については沿岸部と内陸部の2カ所で、地上1メートルを予定。土壌については区立の小中学校、保育園、公園の計6カ所を測定する。それぞれ週1回程度で、平成24年3月31日まで行う。

 豊島区も3日から、区立朋有小学校の校庭で週に1回、独自に測定し始めたと公表した。当面、地上50センチに測定機を設置し、毎時の放射線量を計測するという。

 港区は9日から区内で土壌や空気、プールなどの放射線量の測定を始める。土壌については、区内の5地域で、保育園や幼稚園、小中学校、公園などの砂場の測定を週1回のローテーション形式で行う。空間については週に1回、区内の大学で地上から5センチ、50センチ、1メートルと高さを変えて測定するほか、大学室内でも測定して比較する。実施は3月末まで。

 大田区は区内3カ所で、6月中旬ごろをめどに、大気中の放射線を計測する。同区と目黒区にまたがる東京工業大学と協力して、数値を分析・評価をしてもらい、区民の安心につなげる。

千代田区は6月中旬に、中央区は7月早々にも区内で放射線量の測定を始める方針を明らかにした。

 一方、福生市は3日、市営プールの放射線量の測定結果は、不検出(測定機器の検出限界以下)だったと発表した。また、あきる野市で採取した秋川のアユもすべて暫定規制値未満だった。


この二つのニュースに共通するのは、政府が何もやらないので、地方自治体が勝手に動き始めたという点です。なかなか悪くない傾向です。

あとは、その中身を精査して改善を要求したり、「ミニ日本政府化」(ウソのデータを出したり、都合の悪いものは見せなかったりして国民を騙そうとすること)しないかよく見張っておくことが大切です。

しかし、それはそんなに難しいことではないでしょう。何しろ、市役所というのは同じ市内にあるわけですから、いざとなったら集団で押しかければいいのです。政府や、私企業である東京電力ではそうは行きません。

心配性の方や、この先のことにいろいろ想像を巡らすことのできる方も、マイナス思考の連鎖は一旦やめて、このような自治体の活動を支援し、関与していくといいと思います。我々が、永田町や霞ヶ関(特に後者)という鈍感な異常者集団に対してできることはほとんどないからです。

そういう中で、地方自治体が同時多発的に政府の言うことを無視し始めれば、もっとポジティブな変化が起きてくるかもしれません。少なくとも、暴力的な革命よりははるかに分の良い賭けだと思っています。


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