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2010.03.02(Tue)

自意識過剰な国 

  かっこつけた「です・ます」で書くのが負担に感じたので、話し言葉みたいな感じで書くのをお許し下さい。

「米国債の放出」は中国の切り札にならない、先に倒すべき相手は「日本」―仏華字紙
http://news.livedoor.com/article/detail/4630647/

2010年2月20日、フランスの華字紙・欧州時報は、「中国の『国債刀』は役に立つのか?」と題した記事で、中国が米国債の保有高を減少させても米国は痛くもかゆくもない、米国を倒したければ、まずは日本を標的にすべきだと論じた。25日付で中国評論通訊社が伝えた。以下はその概略。

中国は昨年12月末時点で米国債の最大保有国の座を15か月ぶりに日本に譲り渡した。中国が保有高を減らしたのは米国への反撃であることは明らかだ。米国が台湾への武器売却を発表したことで米中関係は暗転、特に人民元の為替問題に対する米国の圧力は相当なものだ。だが、米国の攻撃が真剣で切実であるのに対し、中国の反撃はどことなく手探り状態のようにも見える。

中国は保有高を減らすことで米国に効果的な反撃を与えたと考えているようだが、実は米国にとっては痛くもかゆくもない。代わりに日本が保有高を増やし、穴埋めしたからだ。これはトヨタのリコール問題と何か関係があるのかもしれないが、はっきりしていることは、日本が米国の危機を救う忠実なスケープゴートだということ。そのため、米国を倒したければ直接やり合うのではなく、まずは日本を標的にすべきだろう。

中国が国内総生産(GDP)で日本を追い抜くのは確実とされ、日本は中国にとってもはやライバル視するにも値しない存在。しかし、中国が米国債の保有高を大幅に減らしてからの日本の頑張りぶりは、中国に再度警告を与えている。中国が戦うべきは経済規模で圧倒的にかなわない米国だけでなく、互角の相手である日本も含まれているということを。



  「何いきりたってんのこの人達」という感じをお持ちだとしたら、その感想が正しいと思います。

  まあ、フランスの中国語新聞の記事を取り上げているわけで、別にこれが中国人の総意というわけではないとは思いますが、近年力をつけている中国という国の国民にこういう意見が出てきていて、国全体としても自尊心みたいなものが隆盛してきているのは間違いないでしょう。

  以前うちのブログでも、●こちらの記事で、中国の国策企業が世界最大の鉱物商社であるリオ=ティントの買収に失敗した話をしました。イギリス系の会社に横槍を入れられた形になったわけですが、これが中国という国に対する欧米支配層の態度を表しているように思います。
  要するに、彼らは日本に対してそうであるように、中国を仲間に入れるつもりなんてないのです。中国とその他の国の購買力の差を利用して儲けるための道具として重宝しているというだけで、カネと力があるから先進国に入れてやろうとか、そういう考えはこれっぽっちもありません。

  別にこれは、私が中国をバカにしているからそう思うわけじゃありません。事実としてそうなっているというだけです。

  最近、●オバマ政権が急にチベットのことを言い出したのも、●アメリカ放送大手のCNNがダライ・ラマをトーク番組に呼んだのも、いざとなれば中国の足下をすくう用意があるんだぞということを示すための伏線です。

  おそらく、毛沢東と一緒に苦労してきた世代でない、「革命を知らない」世代は、そういう軽い扱いが腹に据えかねているでしょう。胡錦涛の後の国家主席と言われる●習金平が「西側は中国に口出しするな」とメキシコで発言したのも、そういう苛立ちの現れです。
  習近平あたりの若手エリート層の意見を要約すると、「カネも力もある、世界で経済発展を今後も続けられるのはうちとブラジルくらいなのに、何でおまえらは俺たちの欠点をあげつらうんだ?」といったところでしょうか。
  何か、戦前に一等国と吹聴して、思い通りにならない相手を鬼畜と称していたどっかの国と似ているような気がしますね。

  さて、中国はアメリカに代わる覇権国家になりたがっているようです、はっきり言ってやめた方がいいと思います。中国には、いくつか致命的な欠点があるからです。

  まず、中国は地理的制約があって、世界規模の海軍力を維持することが難しいことがあります。

  世界経済がグローバル化した、というか、そうでもしないと金利や配当の負担で近代国家が破綻するくらい産業化が進んだのは、19世紀だと思いますが、その時代はイギリスの天下でした。イギリスは世界で初めて電信ネットワークを世界規模で張り巡らした国で、世界の海の要所(スエズ運河、インド沖、マラッカ海峡、ジブラルタル海峡、ドーバー海峡など)を単一で支配できるだけの海軍力がありました。
  それを受け継いだアメリカも、圧倒的な海軍力で世界の海を支配しています。この二カ国の共通点は、陸上の利害関係に悩まされることがほとんどない「シーパワー」であり、グローバル貿易を管理できるだけの情報力や軍事力を持っていることです。
  翻って、中国は国内にチベットや東トルキスタンなどの民族紛争を抱えており、ロシアやインドと長大な国境線を抱えています。110万人の陸軍を擁する核保有国・北朝鮮だって隣り合っています。大規模な陸軍がなければ国土の統一すら怪しいというのが本当のところです。
  中国が覇権とやらを握るためには、今ある陸軍力は当然として、

・現在のアメリカと同等の海軍
・それをエアカバーできるだけの空軍
・上記二つの作戦を可能にする基地
・軍事作戦を円滑に進めるための情報システム


  これらを全て揃えなくてはいけません。一体、何年の月日と、どれだけのカネを費やせば済むのでしょうか?
  ああ、以前コメントでもありましたが、「米中で共同覇権体制を築けばいいじゃないか」とかいう訳の分からないことは考えるだけ無駄です。海洋覇権=グローバル経済の管理権というのは、一元的だからこそ意味があるのであって、分けて持つのは海洋覇権ではありません。

  しかも、その中国の経済力の正体も、結局は貿易でドルを稼いでいるだけです。中国の最大の貿易相手国はアメリカであり、その次は日本ですが、いずれも米ドル建ての取引です。そして、そこで得たドルを使って、中東から石油を、アメリカから(笑)トウモロコシや小麦を買っているわけです。
  中国がアメリカ国債をたたき売ればアメリカは終わりだ!という人がよくいますけど、そんなことをしたら中国が国際貿易を決済できなくなって困るだけです。しかも、中国は石油やトウモロコシや、外国から輸入する資本財も変えなくなってしまうわけです。
  こんな状況で「人民元で決済する」などという条件を呑む国が、ASEANの中の小さな国をのぞいたらどれだけいるか怪しいものです。
 
  結局、現在の中国はアメリカが作った覇権システムにタダ乗りしているだけで、強国ではあっても、覇権国家になることはないでしょう。

  この記事は、何やら日本レベルなら楽勝とでも言いたいようだが、アジアのみの覇権すら握ることは困難だと思います。何しろ有史以来、日本を完全に支配下に置いた大陸国家は一つもありません。ランドパワーが海を越えてシーパワーを攻撃するというのは至難の業です。

  しかし、地域内でのパワーバランスが崩れたならば、国家間の衝突は避けられなくなるでしょう。戦前の大日本帝国もそうでしたが、ある一つの国が地域内で突出すると、その国が必ず対外進出を試みて軍事力を強化し、周囲の国との間のパワーバランスが崩れて、紛争が起きます。
  現在の東アジアで言えば、

    中国 = 米日+南北朝鮮+台湾

  というパワーバランスが崩れた時が最も危ないのです。そうなると、ロシアを引っ張り込むしかなくなるでしょうから、これもこれで大きなリスクです。
  ここで南北朝鮮を一つに扱っていることの意味は、●こちらの記事あたりを読んでいただければよろしいかと思います。
  一つだけ言うならば、隣接する国が核保有国になって喜ぶ国なんて一つもない以上、中国が北朝鮮をどう思っているのかは明らかだということです。そして、アメリカがそういう北朝鮮に対して、テロ国家指定はしないと言い切っている(国内の惨状については中国と違って全くおとがめなし)ということは、アメリカが使えるものは使うということを表しているということなんじゃないかと思います。

  ただし、アメリカのしている戦略はどうしても継ぎ接ぎが多く、なにしろアメリカ自体が体力を急激に低下させているので、今後もうまく行くかどうかはわかりません。
  力を利用するのはいいとしても、その利用先がパワーダウンしたときの用意はしておいた方がいいと思います。そして、カネばかりかかるメイドインUSAの軍拡ばかりがその用意だとは思えません。

  それでは、今日の所はこれで失礼いたします。

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