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2009.12.16(Wed)

もう景気は良くならない(2) 

  前回に引き続き、SNSの日記からの引用です。


現在の日本の経済における最大の問題点は、外部から流入した富や利益が、経済循環に乗る割合が非常に少ないことである。

たとえば、日本の製造業には十分な国際競争力がある。円高が相当進んだにも関わらず、一時期を除いて貿易黒字を上げ続けている。こんなことは、日経新聞やブログの記事などに頼らず、貿易統計を少し見れば分かることだ。

しかし、そうやって稼いできたカネが、国民の手になかなか渡らない。そういう仕組みが出来上がってしまっているからだ。バブル崩壊後、日本では雇用形態が大きくシフトした。正規雇用の割合は減少しだ。福利厚生コストが低く、人員整理が容易なアルバイトやパート、あるいは派遣労働で人を雇うことを多くの企業が選択した。そのようなシフトの中で、勤労者の手取りの賃金が目減りしていったのは、1997年から10年連続で平均給与がダウンしたことから明らかである。

オイルショックの時期にも人員整理やリストラはあったが、明らかに様相が異なる。二度のオイルショックの後、経済が安定成長する時期に入ってからは、正規雇用が回復した。しかし、今のリストラや合理化は、たとえ経済成長が始まった(と政府が定義した)時期にも終わることがなかった。要するに、バイトや派遣労働を使う仕組みが定常化してしまったのである。

この二つの時期の最大の違いは、企業経営や経済に対する価値観の変化である。簡単にまとめてしまえば、オイルショックの頃はまだ人切りや賃下げは恥ずべきこと、さもなくば避けるべき事態だと捉えられていたのに対して、現在の終わりなきデフレ下では、それらの行動は経済の上で合理的だと見なす人が圧倒的な多数になったということだ。

これらは、端的に言えば、メッセージを発信する側の態度の変化によるものである。政府は「無駄遣いの撲滅」や「改革」という言葉を用いて支出削減を正当化する。マスメディアは「リストラ」という言葉を浸透させて企業の合理的経済活動(必ずしも労働者にとって利益になるものとはいえない)を後押しする。バブル崩壊や阪神大震災、オウムの地下鉄サリン事件といった不吉なイベントも役に立った。不安感を払拭するには、無駄をなくした合理的経済活動を取ればよいということにされたのだ。他にも解決策はあったのかもしれないが、そういうことにされた。

重要なのは、こういった一連の流れは、日本人の意識の変化によるものではなく、経済システムそのものが抱える問題なのだということだ。



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