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2009.09.29(Tue)

貿易の守護者に与えられる魔法の杖・・・その名は「基軸通貨」(1) 

ドル基軸、当然視は誤り=国際経済体制に地殻変動-世銀総裁
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009092800275

世界銀行のゼーリック総裁は28日にワシントンで行う講演で、「米国が準備通貨としてのドルの支配的地位を当然視するのは誤りとなるかもしれない」と述べ、ドル基軸通貨体制への疑念を示すことが分かった。世銀が27日、講演内容の抜粋を公表した。同総裁は「今後はドル以外の選択肢が増える」としている。
 ゼーリック総裁は、通貨安定への協調など戦後の国際経済体制に「地殻変動が起きている」と指摘。新興市場国の台頭などを踏まえ、「多極的な経済成長を反映した新体制が必要になっている」とした。


  このブログは「イル○ナティ」だとか「フリー○ーソン」だとかいう、世界を動かす陰謀組織の存在を前提としてものごとを考える立場を取っていません。
  しかし、私個人の感覚としては、金融支配を通じて世界の動きをある程度決めている勢力は、一枚岩ではないものの、確かに存在しているような気はします。
  かりに、そういう集団を「国際金融資本」という風に呼ぶとして、その集団の一部から現在の世界経済の仕組みを根本から覆す発言が飛び出したのが今回引用したニュース記事です。

  今後どうなるかを述べる前に、そもそも、上に挙げられた「ドル基軸通貨体制」とは何なのか、簡単に説明しておきます。

  近代以降、主権国家は独自の通貨を発行して国内の経済を回してきました。しかし、国家間の貿易では、その独自通貨を超える流通性を持つ交換媒体が必要となります。
  19世紀、帝国主義の時代にその役割を果たしていたのが大英帝国の「ポンド」でした。当時のイギリスは世界の重要な海上交易路を圧倒的な海軍力で押さえていました。そればかりでなく、貿易の際に必要な為替手形のような金融や、船舶の荷物にかけられる保険といった業界もイギリスが支配していました。つまり、ハード・ソフト両面で、まさにイギリスが世界貿易の管理人であったというわけです。
  もちろん、そのような枠組みに各国は不満を持っていたわけですが、イギリスの海軍力が強力であったことと、イギリスが多額のコストをかけて維持している貿易ネットワークを利用して全世界の市場にアクセスできるうまみがあったことで、多くの国(特に、ライバルのフランス)はそれに挑戦しようとはしませんでした。
  もっとも、この支配も盤石というわけではなく、イギリスは19世紀末から二つの大きな挑戦を受けます。一つは、シベリア鉄道を完成させたロシアによるユーラシア横断戦略です。シベリア鉄道の運用開始は、ヨーロッパと極東をロシア一国が管理する鉄道網で結ぶことが出来ることを意味し、スエズ運河やマラッカ海峡の出番がなくなることを意味することになります。
  そこで、イギリスはロシアの動きを極東で妨害する策を打ちます。それが日英同盟です。薩摩藩と長州藩がイギリスの手助けで幕府転覆を成功させた経緯もあり、日本とイギリスの協力関係(というか、親分子分関係)はごくスムーズに形成されました。それが実ったのが日露戦争で、局外中立を宣言したイギリスは、電信網の構築などの形で日本を支援し、一応日本の勝利という形でロシアの進出を防ぐことに成功しました。
  もし日本がロシアに負けていたら、満州や朝鮮がロシアの手に落ちることになり、中国との貿易決済はルーブルで行われるようになっていたかもしれません。
  もう一つの挑戦は、20世紀に入ってからの「3B政策」を採用したドイツによるものです。ドイツは強力な工業国で、貿易黒字を挙げ続けることが国の至上命題だったわけですが、海外に植民地を持っていないため、販路が限られてしまうという弱点がありました。そもそもドイツは外洋に面した港を保有していませんから、いざとなればイギリスの海上封鎖で貿易という血流を止められてしまう脆弱な立場だったのです。
  そこで、ドイツは別ルートを構築しようと「3B政策」を実行に移しました。これは、ベルリン・ビザンティウム(イスタンブールの古代名)・バグダードを鉄道で結び、ドイツが直接中東にアクセスできるようにする壮大な計画でした。中東は陸上・海上交通の全てが集中しているだけでなく、当時次々に油田が発掘されていて、地政学的な重要性が最高レベルの土地でした。
  当然イギリスとしてもこれを渡すわけにはいかないので、フランスやロシアといった他の大陸国家と反ドイツ同盟を結ぶことでドイツを孤立させようとします。そこで起こったのが第一次世界大戦でした。ドイツは海軍力を増強してイギリスを撃破しようとしましたが、イギリスの徹底した海上封鎖にあい、結局デンマーク沖すら突破することができずに終戦を迎えることになります。

  この時点でイギリスは大きな戦略上の失点をします。ドイツとの戦争に勝つために、アメリカの台頭を許してしまったことです。

  アメリカのGDPは第一次世界大戦前にはすでにイギリス、ドイツを抜き世界一になっていましたが、その経済は内需主導で、貿易依存率はわずか10%程度でした。しかし、第一次大戦でヨーロッパが戦場になったため、アメリカの対ヨーロッパ輸出が急増し、その代金支払いのためにイギリスやフランスがアメリカから借款を受けるようになっtのです。大戦前はアメリカは債務国でしたから、まさに戦争を契機に欧州、特にイギリスとアメリカの立場は完全に逆転してしまったということになります。
  そうやって欧州市場に食い込むことに成功したアメリカは、自国通貨による貿易決済をするようになっていきます。たとえば、A国とB国がともにアメリカと貿易をしている場合、どちらの国もドルがあればアメリカとの貿易決済に使えるわけで、それならばいっそのことその国どうしの決済にもドルを使えばいいということになります。これが、基軸通貨という存在の役割です。
  しかし、一方では相変わらずイギリスと英連邦、及び植民地との間ではポンドでの貿易決済も行われていました。世界恐慌の時期には、イギリスは「ブロック経済」といって、英連邦および植民地以外の国との貿易には高額の関税をかける政策を敷いていましたが、これもポンドの地位を守るためだったと言えなくもありません。
  これが解消されることになるのは第二次世界大戦後です。要するに、二つの大戦の間の時期は、基軸通貨が併存するというグローバル貿易にとっては非常に不安的な時期だったのです。
  
  その「ドル・ポンド二頭体制」にケリが付いたのは、第二次大戦の終戦直前です。

  そもそも、ドルとポンドが共に基軸通貨になれたのは、戦前の各国の通貨が基本的に金(「かね」と区別するために、便宜的にゴールドと呼ぶ)本位制だったからです。各国の通貨は、ゴールドと交換できるチケットのようなものでした。ポンドが強かったのは、イギリスが国際貿易や金鉱山の開発、植民地からの収奪を通じて、多量のゴールドを保有していたからです。
  そして、大戦間期に貿易を拡大したアメリカにはイギリスや他の列強をしのぐゴールドが集中し、ドルもポンドと並び立つ地位にのし上がってきました。
  しかし、このような体制がブロック経済を生み出し、グローバルな貿易システムに亀裂を生んだということも言えるわけで、戦後はもっと安定した国際貿易決済システムを作ろうということになりました。そこで開かれたのが1944年7月の「ブレトン・ウッズ会議」です。
  この会議では、戦後のグローバル貿易をアメリカが管理するのか、それとも全く別の仕組みを構築するのかで論争がありました。イギリスの代表として会議に参加した経済学者ケインズは●「バンコール」という既存の通貨とは全く別の、貿易決済に特化した通貨制度の創設を主張しました。もうイギリスには世界貿易を管理する実力はありませんでしったから、せめてアメリカが一極支配する仕組みにしまいと頑張ったわけです。しかし、ケインズの奮闘も空しく、結局は「国際貿易はドルで」という仕組みが成立することになりました。
  この会議で決まった国際貿易決済の仕組みは、いわゆる「ブレトン・ウッズ体制」というものです。要点を挙げると、

・ゴールドと交換できる貨幣はアメリカドルだけ(交換比率は1オンス=35ドル)
・自由貿易を促進するために、国際復興開発銀行(IBRD)と国際通貨基金(IMF)を設立する
・各国の通貨と米ドルの為替相場の変動幅は、事前に決定した平価の1%以内とする


  という感じです。
  しかし、ここには隠された「暗黙の了解」がありました。それは、

・アメリカはカネが無くなったら刷ればよい

  というものです。これは当然です。ドルはアメリカの通貨なのであり、その発行権はアメリカにあります。つまり、アメリカはその気になればタダでものを買うことができる地位を手に入れたということになります。
  もしアメリカがドルを垂れ流したとしても、各国はアメリカとの貿易でそれを決済に用いるはずであり、いずれはアメリカの手元に戻ってくるわけですから、いきなり全部ゴールドと交換してくれと言われることはまずありません。
  そして、一番重要なこととしては、アメリカドルには、その支配体制を揺るがすような重大なエラーが起こる可能性が非常に少なかったということがあります。なぜそんなことが言えるかというと、ソ連がアメリカを助けていたからです。
  一体何を言っているんだ?と思った方も、落ち着いて考えて下さい。
  ソ連はアメリカの宿敵として、圧倒的な軍事力で不確定要素の強い地域(東欧と中国)を押さえつけてくれていました。また、日本や西ドイツ、イギリスといったアメリカに逆らう可能性がある国々も、ソ連怖さにアメリカ軍の駐留を受け入れざるを得なくなっていました。アメリカはイギリスの後継者みたいなものですから、海上交易路を使って効率よく儲けたいわけですが、その貿易路にアクセスしようがない地域、言い換えれば不採算地域はソ連が一手に引き受けてくれました。
  逆説的に聞こえるかもしれませんが、アメリカドルの一極支配=ブレトン・ウッズ体制というのは、ソ連が損な役回りを引き受けることによって初めて安定運用が可能になっていたのです。
  
  なんか●前にも似たような話をしたような気がしますが、重要なので続けます。しばらく基軸通貨の話を続けたいと思います。

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2009.09.22(Tue)

なぜ昔の家の庭には柿の木があったのか 

    柿の木

  秋らしい話題で一つ書いてみたいと思います。

  昔の家の庭には、よく柿の木が植わっていました。私が以前新宿区に住んでいた時、戦前からあると思われるお宅の庭に木が生えていて、カラスがつついていたのを見たことがあります。
  ああいった柿の木は、住人が実を取って食べるのだろうと長年思っていましたが、どうもそうとは限らないようです。
  そもそも、柿には、大きく分けて

  「甘柿」

  「渋柿」


  という種類があります。
  食用の柿というと甘柿ですが、初めて記録に出てくるのは鎌倉時代で、突然変異した柿であると考えられています。
  普通日本で見かけられるのは渋柿です。渋い柿というくらいですから、苦み成分のタンニンが多く含まれています。この柿は、よほど熟さないと食用にすることはできません。

  では、なんでそんなものをわざわざ育てているかというと、渋柿には食用以外の役割があったからです。それは、「柿渋」の原料になるということです。
  この「柿渋」という言葉を初めて聞いた方も多いと思います。私もそうでした。初めて聞いた時は「渋柿の間違いだろうこれは」などと思ったほどです。
  柿渋は、渋柿から絞って漉し取った液体です。通常は、2~3年程度発酵させて使います。当たり前ですが、非常にタンニン分の多い液体です。銀杏(ぎんなん)とよく似た匂いがしますが、これを聞いただけで、ウッとなる人も多いかもしれません(笑)。
  主な柿渋の用途を挙げてみます。

★天然の防水剤

  昔は漁網に多く用いられていました。また、木綿の糸に柿渋を塗ると、それだけで釣り糸として十分なほどの防水効果、補強効果があるようです。

★天然の防腐剤

  建物の壁などに塗られていたそうです。防かび・防虫効果もあるそうです。

★天然の染料

  いわゆる「柿渋染め」です。●こちらのリンクで、色合いなどご確認いただくとよいでしょう。防虫防腐効果もあります。  

★和紙の補強

  繰り返し塗ると、「渋紙」と言われる紙になります。非常に腐食に強く、保存用の書類などに用いられてきました。
  渋紙は、「紙衣」(かみこ)という、和紙で作った衣服にもなります。何に使われていたかというと、雨ガッパです。かなり強力な撥水効果があることがうかがえます。
  この渋紙は、伝統工芸としていまでも残っています。佐賀県の●名尾和紙などです。

★醸造用の絞り袋

  柿渋で木綿を染めた生地が、日本酒や醤油の圧搾用の袋に用いられてきました。●こちらのリンクを見ていただくと、昔ながらの酒袋を使ったもろみの圧搾がどんな感じかお分かりかと思います。
  現在は、機械でやるのが主流なので、なかなか柿渋の酒袋は見ることはできません。しかし、柿渋にはタンパク質を分離する作用があるので、今でも日本酒の「清澄剤」として用いられています。

★民間医療の薬

  あかぎれや火傷に塗布するという形で用いられてきました。血圧降下剤としても用いることができるようですが、タンニンが鉄分と反応してしまう(つまり、血中の鉄分濃度が下がる)ので、お医者さんの指導がない限り用いるべきではなさそうです。

  こうやって挙げてみると、柿渋は「日本最古の工業原料」と言ってもいいほどの多様な用途を誇っているように思えます。

  しかし、今の我々の生活では、柿渋は全くと言っていいほど用いられていません。
  
  理由は簡単で、柿渋の役割は全て「あるもの」が代替しているからです。そのあるものというのは、化石燃料です。
  防水剤・防腐剤はコールタール(石炭をコークスにしたときの副産物)や安息香酸(石油から合成)によって作ることが出来ます。染料は合成インディゴなどの石油由来のものがあります。和紙は蛍光剤や漂白剤を用いた工業的な紙に駆逐され、医薬品は石油からできた化学物質で作るのが普通です。
  石油や石炭で作るメリットは、大量にしかも安価に作れるということです。要するに、工場で機械を使って作れるということです。熟成に2年もかかる柿渋を保管しておくと、倉庫代や地代がかかりますから、二重の意味で工業製品の方が有利です。
  このブログは何度となく、「石油文明には遠くない将来終わりが来る。その時を頭に置いて行動しなければいけない」ということを訴えています。しかし、だからといって渋柿の木を今から植えようとする人はほとんどいないでしょう。都会で生活している人たちにはそもそも木を植える場所がありませんし、田舎で暮らしていても、わざわざ柿渋を作るより、「島忠」や「カインズホーム」で工業製品を買ってくる方が楽ができます。
  そういう人たちをだらしがないとか弱いとか非難するつもりはありません。げんに、私も現代文明の恩恵を受けて暮らしている仲間だからです。

  しかし、それでも私は、なぜ昔の家には必ず柿の木が植えられていたかを知ることには意味があると思っています。
  石油や石炭で作られた製品には絶対的に不利な点が一つだけあります。それは、「一般庶民が手に入れたくてもダメなときはダメ」だということです。
  原料の石油は、そもそも国産はほとんどありません。石炭はあるにはありますが、炭鉱をろくに保全していないので、もう採掘はできないでしょう。そうなると、結局輸入に頼らなければならないわけです。
  また、もし運良く自分の家の庭に石油が自噴したり(笑)、庭を掘っていたら石炭が出てきたり(笑)したとしても、それを自分の家の納屋やガレージでコールタールとか合成インディゴに加工できるという人はいないはずです。
  つまり、石油や石炭由来の工業製品は、輸入に依存している点、そして、自前で製造が不可能であるという点、二つの点で他人に依存してしまっているわけです。
  それでも我々がそういうものに頼って不便を感じないのは、カネさえあればそういった製品を買うことができるからです。今思えば、柿渋が見捨てられたのも、石炭が掘られなくなっていったのも、代わりのものを作ったり買ったりした方がカネになるからでした。
  しかし、今の日本ではカネを庶民に分配する仕組みはかなりの程度破壊されています。よく時代の流れだと言われますが、人為的に収奪が可能な制度改革が推し進められてきたというのは間違いありません(たとえば、労働者派遣は昭和61年まで原則禁止だった)。
  いまさらこれを完全に元に、すなわち、一連の「構造カイカク」の端緒となる中曽根政権以前の仕組みに戻すことはおそらく無理です。一部の政治家(たとえば亀井静香や小泉龍司)はそういう流れに必死で抵抗していますが、「自己責任」:だとか「企業の論理」といったものは、シンプルで素朴な実感に訴えやすいため、なかなか覆すことはできません。だから、政府が弱者を助けるという方向性も、だんだんと悪い方へ修正されているわけです。
  つまり、普通の人びとが「努力してカネを稼ぐ」という希望が持てなくなってきているのが、今の日本だということができます。そういう意味では、日本も、かつてのような分厚い中産階級がいる希有な国ではなく、アメリカやヨーロッパによくある国、要するに●誰かさんがいうような「普通の国」になってきているわけです。
  そこにきて石油減耗が進んだり、国際情勢が悪化(たとえば中国が崩壊したり、中東でイスラエルが暴発)したりすれば、今より数倍も輪を掛けてひどい状況に置かれることは目に見えています。
  そもそも、私たちは、自分たちが生きるということを、他者に依存しすぎてきたのです。
  戦前は、確かに今よりも数倍不自由な時代でしたが、庭がある家には柿の木があって、そこから柿渋の原料を取ることができました。その柿渋を使って家の壁を塗り、投網を補強し、雨ガッパを作り、火傷やしもやけを自分たちの手で直すことが出来ていたのです。
  どうせこういうことを書くと「戦前にもアパートや長屋住まいの連中がいたじゃないか」ということを言う人がいますが、そのような人たちが少数だったか、今のようにごく普通なのかによって、その社会がどれだけ自律的かは全く変わってくるでしょう。当たり前ですが、そういう時代はたとえ長屋住まいでもラッシュの通勤地獄はほとんどなく、近所で世話を焼き合い、口に入れるものはほとんどが近くで作られた(最悪でも日本生まれの)食品でした。今の便利な社会の方が絶対に良いと手放しでいうことが果たしてできるでしょうか。
  今の我々にせめて出来ることは、この便利な生活が国際分業やグローバル貿易システムという、非常に脆弱で依存性の強い仕組みで出来ていることを知ること、そして、そこから少しでも抜け出すための物的条件を整えていくことです。それが、以前の記事で書いた●入会地(いりあいち)の考えであり、●「半農半X」を勧める理由なのです。
  どうも、今の世の中で「自立」だとか「人に依存しない」という考えの持ち主の主張を見てみると、いかに自分をうまく商品化して金を稼ぐかという観点しかないような気がします。
  そして、それ以上に首を傾げたくなるのは、そういう自己商品化に失敗している人びと、たとえば「ハケン切り」にあった人や、「ワーキングプア」といった人びとでさえ、そういう観点を何の疑いも無く受け入れて、自分で自分を苦しめていることです。

  柿渋がごく普通に用いられていた社会は、一見不便に見えるかもしれませんが、根本的なところで自由だったのかもしれません。少なくとも、現代とは全く違う文脈で、自立(というより「自律」)した生活ができていた社会だったのではないでしょうか。
  この季節になってもまだ青みの残った柿をどこかでみかけたら、ほんの少し立ち止まってこの記事のことを思い出していただけると幸いです。

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2009.09.16(Wed)

あまり期待しすぎない方がいいと思う 

亀井・国民新党代表:郵政・金融担当相内定 郵政全面見直しへ
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090916ddm002010117000c.html

 郵政民営化を「弱肉強食の小泉構造改革の象徴」と批判してきた国民新党の亀井静香代表が、郵政問題担当相に内定したことで、新政権発足後、民営化見直しの動きがただちに本格化しそうだ。

 亀井氏は15日の会見で、日本郵政の西川善文社長について「続けるのは不可能だろう。辞めてもらうのは当然。自ら判断してほしい」と述べ、自発的な辞職を促した。民主党の鳩山由紀夫代表も同様の発言をしており、西川氏が自ら退かなかった場合、日本郵政の株を100%保有する政府側が臨時株主総会の招集を請求、取締役解任に踏み切る可能性がある。

 民主、社民、国民新の連立与党は、日本郵政グループ株売却を凍結する法案の早期成立で合意している。具体的な民営化見直し策はこれからまとめるが、亀井氏は「利用者にとっていい形にする」と強調。郵便局網やサービス水準の維持を最優先させ、西川社長が進めてきた不採算事業の縮小や資産売却などのリストラ路線は転換する考えを示した。

 亀井氏が金融担当相を兼務したことも見直し論議に大きな影響を与えることになる。日本郵政はこれまで17年度の株式上場を前提に、収益力の強化とコスト削減を急いでいた。しかし亀井氏が完全民営化阻止に動くと「金融機関同士の公平な競争環境作り」「官による民業圧迫を防ぐ」との金融相としての責務と矛盾する。民間金融機関からの反発も避けられそうにない。


  当ブログは、ネット右翼だった時代(笑)も含めて、郵政民営化には反対してきたので、亀井静香氏が郵政問題担当大臣に就任したことは大いに歓迎します。
  気の早い向きは、「これで竹中や小泉がお縄になる日も近い」などと言っているようですが、正直私はあまり期待をしていません。
  理由は、以下の通りです。

1.マスコミが民営化批判を封殺する体制を敷いている

  郵政民営化見直しは、民主・国民・社民の三党が野党だった頃から合意している事項ですが、それを肯定的に評価しているメディアは全くありません。
  それもそのはずで、小泉政権が郵政民営化を進めた時、メディアも一緒になって

「民営化すると業務の効率がよくなる」
(ただ人員削減しただけ、年賀状などの遅配はむしろ増えている)

「財政投融資に郵貯のカネが行かなくなる」
(2001年にすでに財投の原資でなくなっているので完全なデマ)」

「民間企業の設備投資にカネが回る」
(民営化してから一度もそんな事態は生じていない)

  などと、バラ色の未来を喧伝してきたのですから、いまさらそれを見直せば、自分の間違いを認めたことになるからです。 
  冤罪報道すら謝罪をしない連中が、政治的キャンペーンの嘘を認めるわけなどありません。
  その証拠に、引用記事でも早速、

>民間金融機関からの反発も避けられそうにない。

  という一言を入れて、亀井大臣が民間企業を痛めつけるかのような印象を与えています。これが産経や日経になれば、もっと露骨に叩いてくるでしょう。今後、心ない「亀井バッシング」が連発されるかと思うと、気の毒です。

2.日本国の利害関係人達が郵政の完全民営化を望んでいる

  1.の、マスコミによる小泉ミンエーカ翼賛体制の原動力となっているのがこれです。
  利害関係人というのは、「外資」「経団連企業」のことです。
  外資が郵政民営化をなぜ望むのか、以下の引用記事を読めばすぐに分かります。

「郵政民営化で、得するのは誰なのか?」-ウォールストリートジャーナル紙8月26日の概訳-
http://www.sasayama.or.jp/wordpress/?p=454

郵政民営化で、得するのは誰なのか?

–もし、民営化計画が審議通過すれば、約3兆ドルの金融資産が再分配されるだろう。–

日本のマンモス郵貯システムの民営化までには、多くの政治的障害があるが、三兆ドルの資産の内のいくらが外債に再配分されるか、その可能性について、すでに、アナリストが計算している。

日本の郵貯は、郵便だけではない。

1.9兆ドルの資産を持つ郵便貯金業務は、もし、単独で、分割されれば、日本一大きな銀行となる。

また、簡保業務は、1.1兆ドルの資産を持ち、シティグループのアナリストたちによれば、もし、貯金業務と簡保業務とが、民営化されれば、これらのファンドのかなりの部分が、他のマーケットに流れ込むであろうと予測している。

日本の郵貯の資産分配を、民間部門のそれと比較すると、もし、民営化が実現すると、シティグループの試算では、米国債、ユーロ債、日本株、外国株が、「勝ち組」になるという。

「負け組」になるのは、これまで日本のソブリン債(国債・政府保証債)を日本の郵貯が選好してきたことで利益を得ていた日本債券市場であろうとされる。

ロンドンの ING Financial Markets のエコノミストのRob Carnell氏によれば、日本の郵貯の貯金・簡保部門は、これまで、日本の国債を187兆円(1.7兆ドル)を保持しており、これは、現在の発行済み国債の四分の一を占めるという。

一方、これら日本の郵貯の貯金・簡保部門は、外国証券に対しては、たった、8.5兆円しか投資していない。

10年もの日本国債のイールド(利回り)は、1.5パーセント未満であり、10年もの米国債のイールドが、4.17パーセントであるのと対照的であるところから、なぜ、郵貯・簡保の新たな所有者が、よりいい見返りを得るために、他を見回すのかを、推測するのは困難ではない。

シティグループは、郵貯民営化による運用資産の所有者の変更によって、1.375兆ドルが、それまでの日本の債券運用から引き上げられるものとみており、これには、日本国債、地方債、社債が含まれると同時に、民営化後の運営体は、ビジネス先をあらゆる方面にシフトさせ、より有利な投資先や顧客先を探すであろうとしている。

アナリストの見積もりによると、1270億ドルは、米国債に行き、640億ドルは、ヨーロッパの確定利付き債に行き、そして、桁外れに、5210億ドルは、日本の普通株に行くと見ている。

これらは、非常に大きな数字であるが、配分のシフトは、10年間に渡って行われるので、金融市場に与えるインパクトは、緩慢なものとなるであろう。

検討中の案によれば、郵貯の民営化は、郵便システムを、郵便、窓口サービス、郵便貯金、簡易保険の四つの業務に分割するもので、2007年までは、スタートしない。

貯金・保険部門は、2017年までは、完全民営化されないであろう。

INGのCarnell氏のいうに、「これは、マーケットの心理の背後にある、もろもろの要因のひとつである。」とは言うが、近い将来において、巨大な放流を見せることが確実な、何者でもない。


  「~になるという」「~と予測するのは困難ではない」「~であろうとしている」という口調で書かれている部分は、全て「小泉政権にそういう風にしてもらわなければ困る」という意味です。
  要するに、日本国民が預けた金を、オバマ政権終了の頃には紙屑になるであろう米国債などのドル建て金融商品に突っ込みたいわけです。
  もちろん、日本郵政の社長に、西川というゴールドマン・サックスと関係の深い人物が就任したのも、そういうものが背景になっています。

  では、「経団連企業」についてはどうかというと、以下のような動きを加速させるためです。

イオン、農業参入を発表 農地リース、千葉に新会社
http://blog113.fc2.com/control.php?mode=editor&process=new

 イオンは22日、農業に参入すると正式に発表した。全額出資の子会社が茨城県牛久市から農地を借りて、9月からキャベツや小松菜などの生産を始める。収穫した野菜は傘下のスーパー「ジャスコ」などで割安なプライベートブランド(PB=自主企画)商品として販売する。

 子会社のイオンアグリ創造(千葉市、藤井滋生社長)を10日付で設立した。資本金は5000万円。企業が自治体から農地を借りる「農地リース方式」を使い牛久市から2.6ヘクタールの土地を借りる。初年度は野菜約300トンの収穫を計画しており、千葉県や茨城県のジャスコ15店で売る。三年後に農地を15ヘクタールに拡大する。

 今後も直接農地を借りる形式で全国に直営の農場を広げる。すでに北海道や九州、埼玉県や栃木県でも準備を進めており、全国でPB野菜を販売できる体制を整える。


  安いチュウゴク産の売れ行きがどうしても伸びないので、高く売れる国産として作ろうということなのでしょう。
  もちろん、チュウゴク産に比べれば割高ですが、さらにデフレが進み、チュウゴク人労働者を「輸入」できるようになれば問題ありません。自民党の中川秀直元幹事長が、移民を1000万人導入しようと言っていたのは、そういう文脈の上にあります。
  そのような大企業によう工業化された農業にとって必須なのは「農地の大規模化」です。そのためには、農村部の生活が便利であっては困るわけです。過疎化がドンドン進み、金融機関もなく、郵便もろくに出せないような不便なところであればあるほど、人口流出が進み、土地の取得は容易になるでしょう。
  郵政民営化を見直して、大企業にとって得になることはないのです。

3.民主党が「ヘタレ政党」であること

  上記の1.や2.、特に1.の事情が最大与党の民主党にどういう影響を与えるかということです。
  衆院選の前、民主党はこんな動きをしました。またか、とお思いかも知れませんが、再掲します。

民主マニフェストあわてて追加 橋下・東国原氏反発受け
http://www.asahi.com/politics/update/0729/TKY200907290362.html

 民主党の鳩山代表は29日、27日に発表したばかりのマニフェストに「国と地方の協議の場の法制化」を追加する考えを明らかにした。マニフェストから漏れたことに、大阪府の橋下徹、宮崎県の東国原英夫両知事が反発したため、あわてて対応した。

 「法制化」は、自治体から政府への要望が軽視されないよう地方6団体が求め続ける悲願。全国知事会は14日、各党マニフェストの点数評価で最高点の配分を決めていたが、民主党は「印刷に間に合わない。別に作る『政策集』に載っていればいい」(幹部)とマニフェストに明記しなかった。

 ところが、「非常に不満」(橋下氏)、「後退した」(東国原氏)と批判が続々。鳩山氏が急きょ指示し、「法制化」を総選挙の公示日から配る改訂版に入れることにした。鳩山氏は記者団に、27日に発表したのは「政権政策集で正式なマニフェストではない」と苦しい説明だった。


>大阪府の橋下徹、宮崎県の東国原英夫両知事が反発したため、あわてて対応した。

  要するに、マスコミに大人気のアイドル知事が反発したので、慌てて方針を変えたということです。
  結局、民主党という政党の持っている性質がここに全て現れています。民主党は、マスコミが「民意」だとして紹介しているものを取り込むことが民主主義だと本気で信じているのです。
  そのような性質は、マスコミの作った「政権交代への風」に乗せられて大量の当選者を出した衆院選後、むしろ強化されているといってもいいでしょう。特に、都市部の浮動票を頼みにして当選した東京・埼玉・千葉・大阪・兵庫の民主党議員は、完全に「マスコミ=世論」だと勘違いしています。
  こんな政党が、亀井大臣の戦いを支持するでしょうか。マスコミが叩き始めたら、一斉に鳩山首相に「亀井さんを辞任させるべきだ」という進言をし始めるに違いありません。

4.国民の大多数は問題の本質を分かっていない

  これも当然で、ほとんどの人は政治的な問題をマスコミの意見に従って判断しているからです。
  私のような人間が郵政民営化見直しを当然だと言っても、「えー、民営化するのはいいことなんでしょ」などという返事が返ってくるのが普通です。
  私がかんぽの宿の話や、簡易郵便局が次々閉鎖された話をしても、もうそこから先は聞いていません。だいたいみんなそんな感じです。フツーの人の中では、構造カイカクの見直しと、郵政民営化の見直しとが全くつながっていないのです。
  考えてみれば当たり前です。私が出会う人というのは首都圏の人間で、都会の人間ですから、別にかんぽの宿がどうなろうと、田舎の簡易郵便局がなくなろうと、極端な話、田舎の人間が何人死のうと、離農者が続出しようと、どうでもいいことなのです。
  人間は、自分の身の回りの小さな世界しか見えないのですから、当然でしょう。政治家一般に対する反発も手伝って、「なんで一度決めたことを見直すの?」という素人的な感情でマスコミの「亀井バッシング」に同調するのではないかと思います。

  最近政治の話題で全く明るい話ができなくてすみません。もう私自身が、政党政治だとか、福祉国家だとかいうものに全く期待をしていないので、こういう見方しかできないのです。

  しかし、私はそれでも亀井大臣を支持します。

  私がここまで予想できるのですから、政界という魔物の住処を生き抜いてきた亀井氏が分からないわけがありません。それを承知で連立政権に入り、そして今回の任務を引き受けたのでしょう。
  そして、彼が最後まで「近代化」に抵抗することは、次の段階に入るために絶対に必要なことだと確信しています。
  このブログをご覧になっている方はもちろん、ヤスクニ礼賛や中国韓国叩きを保守や愛国だと勘違いせずに真面目に日本と日本人の生活について考えている方々も、亀井氏があれだけ頑張ってもダメだったと分かれば、いい加減気づくはずです。

  「もう、政府の善政に期待してもムダだ」

  ということに。

  そこから、自分たちに出来ることは何か、本気で考えるような動きが出てくるものと私は信じています。「日々是勉強」をコツコツ続けているのもその日のためです。

  何はともあれ、参院選(民主党が単独過半数獲得に成功し連立が解消される可能性が高い)までの8ヶ月の間に、亀井静香がどれだけ「男」を見せられるか、注目しましょう。頑張れ!!亀井静香!!

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2009.09.15(Tue)

韓国の経済を見ることは、我々自身を知ることである(3) 

  ●前回の記事で、結局景気を良くする、すなわち総需要を増やすには、

・賃金をアップする

・政府が財政支出を行う

・減税する


  この三つしか方法がないということを述べました。では、この三つが果たして可能なのかどうか、韓国の社会状況に照らして考えてみます。
  まず、「賃金アップ」です。これは、理論上簡単にできる方法があります。「非正規雇用の規制」です。
  日本でも近年企業が正社員を削り、派遣やパートといった非正規効用の比率を増やしています。韓国も、よく似た状況になっているようです。

日本に先行、韓国の格差問題~悩める「88万ウォン世代」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/572

 『韓国ワーキングプア 88万ウォン世代』(明石書店)という本がこのほど発売された。2007年の韓国でベストセラーとなった経済学者・禹熏(ウ・ソクフン)氏らの著書の邦訳。88万ウォンは、韓国で大卒の非正規労働者の月給を指す。当時のレートで換算すると約10万円、今なら6万円強に相当する。

 昨年、日本でも小林多喜二の『蟹工船』が若者の間で持てはやされたが、「格差社会」の深刻化では韓国がこの10年余り、日本に先行している。「88万ウォン世代」の行動は2007年韓国大統領選で李明博(イ・ミョンバク)氏の勝因ともされ、日本にとって決して他人事ではない。

  (中略)

 韓国社会で格差拡大のきっかけとなったのが、1997年のアジア通貨危機(同国では「 IMF危機」と称する)。危機克服に向けて構造改革路線が採用され、経営困難に陥った企業による従業員の整理解雇や、賃金コスト圧縮を目的とする派遣労働制が解禁された。こうした政策は企業収益の回復に寄与する半面、非正規労働者の急増を招いた。非正規労働者が労働人口に占める比率は、2001年の27%から2004年には37%へ上昇していた。

 それと同時に、若者の就職難がクローズアップされた。2004年には一時、30歳未満の青年労働者の失業率が 9%台に乗り、労働者全体の 3%台に比べて著しく悪化。正社員就職という希望がかなわず、相当数が非正規労働者になった。

 当時、ソウル支局には日本語を専攻する大学生が何人もアルバイトに来ていたが、一様に「就職活動が大変」とこぼしていた。中には、非常に優秀だけど、「期限付き」の仕事にしか就けなかった者もいる。ちなみに韓国では、就職できない学生は「とりあえず」大学院へ進む傾向が強い。正確な数字は不明だが、日本より多いように思う。

 当時の韓国は、「構造改革」→「労働市場の規制緩和」→「企業の人件費削減」→「非正規労働者の増加と若者の就職難」。小泉政権以来の日本の歩みとそっくりなのだ。

 ソウル赴任前、霞が関で内閣府を担当していた。竹中平蔵経済財政相(当時)の記者会見に出席しては、金融機関について「日本は(外資導入で危機を乗り越えた)韓国を見習うべきだ」という趣旨の発言を何度も聞かされた。しかし、隣国を参考にすべきという点では、雇用問題も然りなのだ。

 2002年12月の大統領選では、人権派弁護士出身でいわゆる「左派」の盧武鉉(ノ・ムヒョン)氏が、保守系候補との激戦を制して当選した。勝敗を分けたのは20~30代の有権者の支持。拡がる格差を解消し、「弱者救済の政策を断行してくれるはず」との期待から、若い世代が盧氏を大統領に担ぎ上げた。

 しかし、盧政権時代にむしろ格差は拡大。ソウルを流れる漢江の南にある高級住宅地では、富裕層が競い合うように住み、複数のマンションを購入する利殖ブームが起こった。半面、ソウル駅や市役所前の地下道で眠るホームレスが目に見えて増え、若者の雇用情勢も一向に好転しなかった。

 失望した若者の間では、堅実で保守的な考え方が広がり始めた。「88万ウォン世代」の特徴は、「政治的には保守」。2007年12月の大統領選では前ソウル市長の保守系候補・李明博氏に票が流れ、李氏圧勝の原動力となった。

 とはいえ、李大統領への期待が「再度の失望」に変わるのも早かった。就任直後の2008年春、米国産牛肉の輸入再開をめぐる政府の対応に批判が集中。 5月には一部世論調査で政権支持率が10%台に落ち込み、その後も人気低迷が続いている。

 国民が性急に過ぎる気もするが、昨夏、韓国政府の元高官は「多くの人が閉塞感に苛立っている。生活が良くならないので不満が募っている」と指摘した。今年の正月、ソウルで再会した韓国の知人も「大学生の半数は満足な就職ができない」と話していた。世界的な景気後退に伴い、若者の就職事情は一段と悪化しているようだ。

 気になるのは、「就職は自分の責任」と考える傾向だ。ソウル特派員時代、アルバイト学生が英会話学校などに通っていたから、「なぜ、そんなに熱心に勉強するのか」と尋ねてみた。すると大抵、「良い就職をするため」という答えが返ってきた。心中を察すれば、「良い就職」ができるかどうかは、努力の程度に応じた結果。すなわち、「自己責任」ということなのだろう。

 若者も無論、現状に対する不満は小さくない。「制度や仕組みを変えてほしい」という気持ちはあるのだが、それに執着はしない。接していた韓国の若い世代から、そうした空気を感じた。政治に期待はしてみるが、裏切られたとしても、「ああ、やっぱり。じゃ、今の仕組みの中で頑張るか」というのが、韓国の真面目な若者の姿なのだ。

 「負け組」入りが自分の責任となれば、弱者を救済しようという政策の充実は期待できない。「自己責任」の考え方が社会に定着すると、いったん「負け組」となった者が逆転するのは難しくなる。日本の状況もこれに似てきているのではないか。

 日本で社会問題化した非正規労働問題に関しては、韓国政府も対応に苦慮している。盧政権時代の2007年7月施行された関連法では、 同じ事業所で2年間勤務した非正規労働者はそれ以降、正規労働者と同様の処遇を受ける。しかし、「2年未満で解雇した事業者への法的制裁がない」と指摘され、当初から反対論があった。

 また、韓国政府は非正規労働者の解雇増加を防ぐため、処遇改善に要する勤務期間を2年から最大4年にする方向で法改正を予定している。しかしそれが実現しても、非正規労働者の立場が抜本的に改善すると予想する向きは少ない。雇用問題は複雑な迷路と化し、日韓両国とも出口を見つけられない。


  こういう若い世代を正規雇用にすれば、購買力がアップします。目に見える給与が上がらなくても、正規雇用だと社会保険や年金の負担が少なくなるので、実質的に購買力が上昇することになるのです。
  やり方は簡単で、企業に一定の正規雇用を義務づけたり、派遣労働が可能な職種を限定すればいいだけの話です。
  そんな無茶言うな、カネがないから企業だって仕方なく正社員を削っているんだろう、という人は、日経新聞やフジサンケイビジネスの読み過ぎです(笑)。以下の記事をご覧下さい。

<グラフで見る韓国経済>留保率657%に上昇
http://www.toyo-keizai.co.jp/news/graph/2009/657.php

       韓国企業の内部留保率

  時価総額上位848社の内部留保率が、1997年通貨危機前の2倍以上の水準に高まった。金融情報機関のFNガイドによると、内部留保率は今年の第1四半期は657%に達した。財務構造は堅固だが設備投資などに消極的な企業が多い。内部留保率とは剰余金を資本金で割り100を掛けたもの。


  ご覧の通り、韓国の企業は平均して資本金の6倍強の内部留保をため込んでいるわけです。
  内部留保は現金ではなく、財務体質強化のためのものだ、素人はこれだから困る、というのなら、別のお金も出しておきましょう。

韓国企業の配当率、日本より高い
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=64351&servcode=300§code=300

昨年、国内大企業の配当が日本企業に比べて多かったことが分かった。 また、売上高に対する配当率は米大企業と同じ水準だった。

中央日報は韓米日3カ国の売上高基準10大企業(金融会社除く)の事業報告書などに基づき、04年度の配当性向などを調べた。 「配当性向」とは、当期純利益の何%を株主に現金配当したかをいう。
昨年の国別10大企業の平均配当性向は、米国(25.2%)、韓国(20.2%)、日本(17.3%)の順だった。 例えば100億ウォンの当期純利益があった場合、米国企業は約25億ウォン、韓国は約20億ウォン、日本は約17億ウォンを株主に配当したことになる。
国内10大企業のうち配当性向が最も高いのはKT(旧韓国通信、53.3%)で、米国最高のGM(40.2%)を大きく上回った。 10大企業の売上高に対する配当率は、韓国と米国がともに1.7%を記録、日本は0.7%だった。

配当性向では日本を上回り、売上高に対する配当率は米国と同じ水準を記録するなど、国内企業は先進国企業に比べ、そん色のない水準の配当をしているということだ。


>先進国企業に比べ、そん色のない水準の配当をしている

  こういう訳の分からないところで「欧米や日本と肩を並べたニダ!!」と勝ち誇るところがいかにも韓国メディアという感じですが、挙げた利益のうちかなりの割合が株主配当に「逃げている」ことは容易に察しが付きます。
  さらに、こういうお金もあります。

役員報酬とコーポレットガバナンス-東アジアのケース(労働調査評議会HPより)
http://www.rochokyo.gr.jp/articles/ab0608.pdf

・・・一人当たり平均役員給与を製造業の平均賃金で割った比率を三国で比較してみた。すると日本の上場企業の役員は、平均して一般従業員の約4倍の給与を受け取り、韓国は5.6倍, そして中国
は、7.6倍という結果が得られた。


  中国の搾取ぶり(笑)が凄いなという印象を受けますが、日本の会社役員より韓国のそれのほうがさらにたくさんもらっているということは言えます。
 
  こういったお金を削って従業員に回せば、それが消費活動を通じて国民経済の中で循環し、やがて企業の手元に戻ってきます。そのサイクルが太く、素早いほど景気がいいということになるわけです。

  問題は、理屈としてはそのような政策が妥当だということが分かっていても、なぜ実行されないのかということです。
  その答えは、上の「88万ウォン世代」のことを書いた記事の中に出ています。ここです。

>気になるのは、「就職は自分の責任」と考える傾向だ。

  この「傾向」が、自然発生的なものだと考える人は、相当なお人好しでしょう。
  日本のテレビ番組に、●「伊東家の食卓」がありました。私はほとんど見ていないのですが、塾で何か話をすると「それ昨日の『伊東家』でやってた」などという声が生徒から上がることがよくありました。内容を見てみると、日常生活で役に立ちそうな「裏技」を紹介する実用番組のようです。
  よくよく内容を見てみると、そんなのは爺さん婆さんや近所の人に聞けば済む話だろうというものが結構あります。しかし、そういう世代間、世帯間のコミュニケーションがないのが今の日本社会であり、その代わり人間同士をつないでいるのが、メディアが投げ与えた情報なのです。
  テレビの家庭普及率が98%を超える韓国でも、状況は似たようなものでしょう。そうなると、就職は自分の責任だという認識も、メディアを通じて定着したものなのでしょう。
  ここでいうメディアというのは、別にテレビだけとは限りません。「一方的に価値観を移植する装置」と考えれば、そういうものはたくさんあります。
  たとえば、学校は自分たちの存在意義を確かめたいので、不況になると「就職に有利になるためには就職に強い学校を出て、スキルを身につけなければいけない」とか「きちんと努力しなければ社会で取り残される」とかいったことを生徒にさんざん吹聴します。そうでもしないと、退屈な講義やくだらない授業を誰も真面目に聞こうとは思わないからです。
  また、予備校やカルチャースクールの広告は、資格があれば就職に有利だとか、今の時代は自分で自分に投資しなければダメだみたいなことを主張するはずです。
  そして、新聞というのはエリートの集まりですから、「(自分たちのように)高い能力を身につける努力をした人だけが生き残る価値がある」という前提で記事をかくでしょう。
  こうやってみると、別に誰かがメディアを操って意図的に洗脳活動をやらなくても、勝手に当事者がそれに近い活動を熱心にやってくれていることになります。もちろん、そういう方向が好ましいという働きかけはすると思いますが、ある国をデフレに追い込みたい勢力にとっては、本当に仕事が楽なことでしょう。
  つまり、現代のように様々なメディアが乱立し、それぞれが生き残るために必死な世の中になると、勝手に自己責任を強調するような方向へ社会が流れていくことになるのです。
  もっと有り体に言ってしまえば「みんなで豊かになろう」とか「富める者が貧しい者を助けよう」とか、「社会全体で支え合う仕組みを作ろう」とかいった美しいセリフは、言い出す人間は誰もいないということです。なぜなら、そんなことを言っても自分たちの利益にはならないからです。
  そうなると、「従業員の生活のために賃金を上げろ」という主張がどういう評価を受けるか、すぐに分かるのではないでしょうか。社会のコンセンサスとして採用される可能性はゼロです。マクロ経済の視点で見たら、有効な手段であるのは間違いなくても、そんな大きな世界は見えません。政府が非正規雇用を規制しようとしても、「たいした努力もしなかった派遣労働者が、なぜ労せず正規雇用になるのか」という声の方が強くなるに決まっています。また、スポンサー(大企業)の意向をくんだ新聞やテレビも、そういう声を好んで取り上げることでしょう。
  民主党と連立政権を組んだ社民党・国民新党は、労働者派遣の見直しを唱えていますが、私は正直何もできないと思ってます。おそらく、次の参院選で連立を解消(もしくは公明党と民主党が連立)することで、その辺の動きは立ち消えになってしまうのではないでしょうか。
  もっとも、それでも彼らが少数者(本当は多数者のはず)の声を代弁しておくことはムダではありません。少しは問題の提起になるからです。ただ、それが大きな流れを変えるには至らないだろうということです。

  そうなると、もう「財政支出の増加」や「減税」についても、答えが見えてしまうような感じがします。一応見ておきます。

  「財政支出の増加」は、国民新党が特に熱心に唱えている政策です。当然、「バラマキだ」「ザイゲンはあるのか」といった反論(というか、もう馬鹿の一つ覚えといってもいい)があるのですが、それについてはちゃんと裏付けがあります。相続税を非課税にした無利子国債の発行です。
  こうすると、現金で残しておくより相続させるのが簡単になるので、金持ちが進んで無利子国債を買うようになり、780兆円ほどある純貯蓄残高を吐き出させることができます。政府には利払いの心配がないので、この発行で吸い上げたお金を財政支出に回してもそれほど負担にはならないことになります。
  しかし、このような意見がメディアで顧みられることはほとんどありません。これも簡単で、「国からばらまかれるカネに頼って仕事を見つけるのはよくないことだ」という発想が、国民の間にほぼ確立してしまっているからです。
  これも根底にあるのは、「カネは自分の努力で得るものだ」という、自己責任原理です。非常に単純な話なので、誰でも理解ができます。
  韓国でも、超大型財政支出を行って景気を浮揚させようという考えが、あえなく頓挫しています。

「任期中に大運河推進しない」ラジオ演説で李大統領
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090629-00000006-yonh-kr

 李明博(イ・ミョンバク)大統領は29日のラジオ・インターネット演説で、大運河の中核は漢江と洛東江を連結することだとした上で、「現政権ではそれを連結する計画ももっておらず、わたしの任期内には推進しない」と明らかにした。

  (中略)

 こうした発言は、国民世論を反映し大統領選挙公約の朝鮮半島大運河建設は断念するものの、4大河川整備事業は大運河とは内容が異なるだけに狂いなく進めるとの意向を示したものと受け取れる。


  そして、その河川整備事業についても、かなりの批判が集まっています。

4大河川整備事業、2012年までに14兆ウォン
http://www.wowkorea.jp/news/Korea/2008/1215/10051637.html

洪水や日照りによる被害に備え、洛東江、漢江、錦江、栄山江の4大河川の環境改善に2012年までに14兆ウォン(約9458億円)が投入される。

政府はこの事業を、堤防補強やダム建設が主な事業内容で、朝鮮半島大運河事業とは無関係だと数度にわたり強調しているが、膨大な事業費を投じるだけでも大運河の基礎作業だという解釈も出ており、再び「大運河論議」が起きることが予想される。

  (中略)

国土海洋部は、4大河川プロジェクトが実現すれば、年間2兆7000億ウォンに達する洪水被害と年間4兆2000億ウォンの復旧費を削減できると見込む。また、新規雇用19万人と23兆ウォンの生産誘発効果が発生し、地域経済活性化にもつながるとみている。


>膨大な事業費を投じるだけでも大運河の基礎作業だという解釈も出ており、再び「大運河論議」が起きることが予想される。

  そういう論議を起こすぞ、というメディアからの警告です。
  2012年までこの計画が無事に運ぶかどうかは分かりませんが、李明博大統領は日本の二大馬鹿政党に比べればまだ頑張っている方でしょう。
  もっとも、これがどの程度総需要の増加に還元されるかは怪しいところです。なにしろ、韓国の労働力人口のうち約50%が非正規雇用(日本は35%)ですから、末端までカネが行き渡るかどうかはあやしいものです。
  日本の場合は、そこまで話が行く前に「バラマキだ」「無駄遣いだ」という連呼が始まってしまう上に、政治家がもうすっかり「そう言う考え」に染まってしまっています。今回政権を獲得してしまった二大馬鹿政党の片割れは、●45兆円もの需給ギャップに全く言及せず、国民への手当金は予算の組み替えでなんとかすると明言しています。財政支出のザの字もありません。彼らは自民党から政権を取るために、自民党の政治をバラマキだ利権政治だと非難し続けてきたわけで、それに反する政策を採るわけに行かなくなっているのです。

  最後の「減税」については、かなり厳しい状況です。
  昨今では、「高齢化社会になるにあたって、国の財政には限界があるから、どこかで増税(しかも、なぜか消費税率アップ)をするしかない」というのが、マスコミの世界では常識になってしまっています。消費税導入や税率アップと同時に法人税が減税されているので、大企業にとっては非常に都合の良い論理だということができます。そうなると、当然減税などとんでもない、ということになるでしょう。
  しかし、それだけではありません。やはりここでも、自己責任の論理が傷口を広げるような働きをしているのです。
  たとえば医療費なら、病気になるのは自己責任だから、医療費の個人負担が重くなるのは当たり前だという風潮が、国民の間に蔓延しています。後期高齢者医療制度など、まさにそういう論理を具体化しているものでしょう。さすがに、あまりにひどい仕組みだったので次の政権は撤回すると宣言していますが、「国にカネを出してもらうのは自己責任に反する」というような風潮は、いろんなところで顔を出しています。
  こういう中で、減税をして低所得者を楽にしようという主張をしても、「納税という自己責任を果たさないのか」という攻撃を簡単に許してしまいます。「だからどうした」と政治家が言えればいいのですが、なぜか今の政治家はそういう開き直りができません。亀井静香のような昔の自民党政治家ならできるのでしょうが、民主党にいる若いだけが取り柄の松下政経塾出身者を中心とした政策バカどもにはまず無理です。彼ら自身が、自己責任論理の持ち主だからです。

  こうやってみてみると、自己責任原理が根付いてしまっている社会では、総需要を政府の力で増やす政策を思い切って実行するのは困難だというのが分かります。
  そうなると、皆さんの中には「なぜ自己責任という考えがこれほど蔓延するのだろう」という疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。ここまで見てきたように、自己責任論理と逆行するような制度や政策の方が、はるかに総需要を高めるのに役に立つのにもかかわらず、なぜみんな自分たちを痛めつけるような考え方を持ち続けるのだろうか・・・と。

  それは簡単です。そもそも近代という時代が自己責任原理の時代だからです。

  1789年に出されたフランス人権宣言は、第1条で「人は、自由、かつ、権利において平等なものとして生まれ、生存する」と書いています。これは、日本のお馬鹿な教科書では、まるで人類の福音のごとく扱われていますが、実際はそうではありません。
  フランス革命を支援していたのは、富裕市民です。要するに金持ちです。日本で言えば経団連みたいな連中です。そういう金持ちにとって邪魔なものは何かといえば、「共同体」や「しがらみ」です。そんなものがあるせいで、金儲けができなくなってしまうからです。
  その元締めになっているのが王侯貴族だったので、連中をギロチンにかけ、革命の名の下に財産を没収するための論理が「人は平等」だったわけです。
  農村や町の居住区に見られるような共同体は、とても窮屈なものですが、そこにいれば誰かが世話を焼いてくれる可能性が高いという点で、安心して生きられる場所です。しかし、労働力として工場に叩き込んで働かせるには、そんな場所にいてもらったら困ります。だから、「共同体は時代遅れで窮屈だ」ということになりました。だから、フランス人権宣言では、「結社の自由」が保障されていません。
  そうやって共同体と切り離されても、自由なんだからいいじゃないか、というのが、人権宣言の論理です。自由なのだから、自分で生き方を決めて、自分で生活の基盤を作ればいいわけです。あとから政府に助けてくれというのは間違っているのです。
  どうですか、日本の若者やサラリーマン、あるいは●奥谷某のようなクソ財界人が、「ワーキングプア」や「ハケン」をバカにするときの言い草と、全く同じだということに気がつきませんか?
  人間が生活するということは大変なことなので、自分だけで死ぬまで安心できる生活基盤を築くのはかなり難しいことです。そういうことが分かってきたので、19世紀になると共産主義が台頭してきてしまいました。それを押さえ込むために、仕方なく国家は社会保障という手段を講じたわけです。
  そういう経緯がありますから、実は近代的な社会では、人が他人を助けるというのは例外的な行為なのです。これは個々人の善意とかそういう問題ではありません。社会の中に、そういうシステムが組み込まれているかどうかということです。
  社会保障のような相互扶助の仕組みは例外であり、本来は自己責任だ、人間が生きて死ぬのは自分の責任によるものだ。これが近代経済システムの根本原則です。
  じゃあなんで政府が存在しているんだということになりますが、金持ちや企業が仕事をしやすくするためです。人間の価値を貨幣という単純な単位に置き換え、国民を洗脳して使いやすいコマにし、持っている金は租税という形で巻き上げて軍隊や警察を作って近代経済システムにエラーが怒らないようにする。これが政府の役目です。
  共産主義が台頭したり、犯罪が横行して社会の生産性が下がったりするのは好ましくないので、一応社会保障という仕組みは置いています。しかし、それはあくまで「納税単位」や「労働力としての国民の品質を下げないためのものです。こう考えると、社会保障があまり必要なく、文句を言わずに働いてくれる外国人労働者の方が都合が良いというのは当然だということになるでしょう。
  一番よく分かるのが教育です。日本の学校ではどこでも「努力は大切です」と言います。しかし、その結果あぶれた人間をどう扱ったらいいか、そもそもその「努力」は生きていくために本当に必要なものなのか、そのことに答えられる教師はいません。学習指導要領にも書いていません。これは、とりもなおさず、日本国政府が自己責任原理を国民に教え込もうとしていることを示しています。、努力して真面目な勤労者にならなければ(つまり、国家を支える歯車にならなければ)、納税してくれなくなりますから、当然でしょう。
  悔しかったら金持ちになればいいのです。そのための努力はいくらでもできます。何をどう努力するかは自由なのですから、その努力を怠っているのに人に助けてもらうなど虫が良すぎます。
  これは、別に私が小泉純一郎の信者だから書けるないようではありません。近代がそういうものだからです。
  私が思うに、このブログをお読みの方も含めた日本人のほとんどが、政府が善政を敷いてくれるはずだと素朴に信じすぎです。実際そういう面もあったのですが、それはたまたま冷戦があったり、敗戦から立ち上がって総需要が拡大するしかなかった時代だっただけであり、運が良かっただけなのです。
  そういう意味では、中曽根政権以前の自民党政権や、構造カイカクに抵抗してきた自民党の議員達は、本当によく頑張ってきたと思います。自己責任が当たり前という仕組みを強引に修正して、国民にカネが行き渡る仕組みを維持し続けたのですから。
  そうではなく、国家のために国民が使い捨てにされている国がどれだけ悲惨か、我々は韓国を見れば理解できるのではないかと思います。そういう意味で、韓国の経済を見ることは、我々自身を知ることにつながるのです。

  今の経済の仕組みが続くうちは、もう今の韓国のような崩壊の流れは止まりません。なにかこういう悲観的なことばかり書いているような気もしますが、それ以外に結論がないのです。
  このブログもそろそろただ頭で考えただけの未来予測はやめて、近代経済システムというレールからいかに外れるかというヒントを差し上げられるような記事を書かなければいけないなと感じています。

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2009.09.13(Sun)

韓国の経済を見ることは、我々自身について知ることである(2) 

  韓国経済について考える●前回の記事の続きです。まだご覧になっていない方は、新聞記事への言及もあるので、一度目を通しておかれることをお勧めします。
  では、前回の朝日新聞の記事の続きを見てみましょう。そうはいっても、もう残り2行しかありません(笑)。

>政府も環境や医療福祉など成長産業の強化による雇用創出を打ち出す

  ここのフォントを引用記事の中でかなり強調しておきましたが、どうしてわざわざここに注意するんだ、雇用創出をやるというならいいじゃないか、という方も多いことでしょう。
  私がここを赤字にしたのは、韓国政府が実にまずい方向へ走り出してしまったということを言いたかったためです。もし、本当に「環境や医療福祉などの成長産業の強化」をやれば、韓国は間違いなくデフレの泥沼から抜け出せなくなります。

  「環境」や「福祉」を雇用対策の目玉に位置づけるのは、政府の経済対策としては重大な勘違いです。

  なぜそこまで言い切れるのか、それにはまず、そもそも現実社会でカネがどのように回っているか、基本的な形を知らなければなりません。これを知るには、経済学の知識は不要です。というか、むしろ邪魔です。常識的な判断力や理解力があれば、今からする話は十分理解していただけるでしょう。
  さて、景気が良くなるということは、どういうことでしょうか。これは簡単です。「企業や個人が消費活動を活発にすること」です。
  そして、どうすれば消費活動が活発になるのか。企業や個人(まとめて経済主体という)が消費に回せる手持ちのカネが多くなればいい、というのが答えです。当たり前の話ですが、持っていないお金は使えません。ただし、借金やローンという話はここでは置いておきます。
  この手持ちのカネのことを、「購買力」と言っておきましょう。
  ここが一番重要なのですが、その購買力というものは、自分で作り出すことができないということです。偽札を作るのは犯罪とされています。鋭い方なら、「じゃあ自然から物を作り出せる農業はどうなるんだ?」と思ったかもしれませんが、ここではその話は置いておいて、カネの話に限定しておきます。
  そうなると、我々経済主体が購買力を得るためには、誰かお金を流してくれたり、渡してくれたりすることが絶対に必要になるわけです。その国の購買力は、その国の経済主体に対して、誰がどれだけお金を流してくれたかによって決まります(総需要と呼んでおく)。
  総需要の量を決めているのは、

  「賃金」(企業→個人)

  「設備投資」(企業→企業)

  「貿易黒字」(外国→日本の企業・個人)

  「財政支出」(政府→日本の企業・個人)

  この四つの合計です。細かく専門的に見ればいろいろな項目分けができるのでしょうが、そういうものは理解の妨げになるので無視します。
  ここには「税金」が入っていません。当たり前ですが、税金は政府の手に渡るので、直接誰かの購買力を増やすものではないからです。税金が再び消費に使われるには、財政支出という形で世の中に投入される必要があります。
  また、「貯蓄」も含まれません。貯蓄は、消費に回せるカネを塩漬けにしておくことだからです。ただし、それが銀行という特殊な経済主体の手によって、融資という形で企業の設備投資や(間接的に)賃金に回る可能性はあります。いわゆる「信用創造」と呼ばれるものです。
  そうだとすれば、景気対策、すなわち消費の活発化、もしくは購買力の強化のためには、

1.賃金のアップ
2.設備投資の増加
3.貿易黒字の増大
4.財政支出の増加


  この四つと、

5.減税
6.貯蓄を消費に回す


  しかないということになります。これを韓国が目指している「成長分野での雇用創出」にあてはめてみましょう。
  せっかちな人は、「成長分野での雇用だから、1.の賃金のアップに当てはまるじゃないか」とお思いになったかもしれません。
  残念ですが、その理解は九分九厘間違いです。
  成長分野というのは、今までよりも注目されて伸びてきている分野という意味だと思うのですが、その需要というのは、今まであった購買力を右から左に移転しているだけです。
  たとえば、環境の分野で、太陽光発電を取り上げてみましょう。
  仮に、太陽光発電がエネルギー効率など諸々の面で経済効率が悪くないとしておきます。そして、韓国の家庭が続々太陽光発電を導入したとします。
  そうなると、確かに太陽光発電をてがける企業は売り上げを増大させ、そこにいる従業員の賃金が上がる可能性は高くなりますが、その裏返しで起きていることがあります。太陽光発電を使う分、既存の電力会社の電力が売れなくなっているということです。そうだとすると、おそらく電力会社は不要な設備を休眠させたり(メンテナンス会社に支払われる設備投資が減る)、合理化のためにリストラしたり(その従業員の賃金がダウン、もしくはゼロになる)という影響が出るでしょう。
  ここで、太陽光発電の会社が活況を呈し、しかも既存の電力会社が「被害」を蒙らないで済む条件が一つだけあります。それは、「電力需要それ自体が今よりも大幅に増大する」ことです。そうすれば、電力需要というパイの奪い合いがなくなり、仲良く共存することができるわけです。
  しかし、エコだのCO2削減だの世界的に鬱陶しくなるくらいうるさくなっている昨今、アホみたいに電気を使うことが許される雰囲気ではありません。だいいち、景気が悪いと経済活動が停滞しているのですから、電気の消費量だって減るはずです。だから、今上げたような幸福な条件はまずないといってもいいでしょう。
  要するに、他の食い扶持を奪っているだけだということです。総需要が増えないのに、競争だけ激化させても何の意味もないということです。普通に考えれば分かることです。それを地で行った小泉政権の構造カイカクを持ち上げている連中は、そういう基本的なことを何も分かっていないということです。

  もっと重大なことがあります。「成長産業」では、会社が儲かった分だけ高い賃金が払われるという前提がそもそも成り立たない可能性が高いということです。
  たとえば、前回の引用記事で成長分野だとされている「医療福祉」ですが、この分野がそもそも民間人の手がける産業として位置づけられたのは、ごく最近のことです。日本では、介護などの分野は、法律によって規制を受けた社会福祉法人(いわゆる社会福祉協議会)だけが活動を許されていました。
  それが、90年代から民間の営利企業も参入を許されるようになっていきました。介護保険制度の設立で新しい「成長産業」になった介護業界を見てみると、その問題点がよく分かります。1年前の記事ですが、現状は全く変わっていないと思われるのでそのまま引用します。

35歳で約260万円「生活できない」 介護職員署名に160万人集まる
http://www.j-cast.com/2008/03/08017587.html

「介護職員の生活を保障してほしい」という政府への請願に、約160万人もの署名が集まった。キツイ、キタナイ、キケンの3K職場で、給料も安い。年収は35歳で平均約260万円程度。「ほんとうに生活できない水準なんです」と訴えている。

介護老人への医療提供施設で構成される全国老人保健施設協会(全老健)は2008年3月4日、舛添要一厚生労働相と額賀福志郎財務相に「職員の給与を保障できる介護報酬の改定を求める陳情書」を提出するとともに、集めた署名を手渡した。署名を呼びかけたひとり全老健埼玉県支部の吉田昇事務局長によれば、「現場で働く介護職員の窮状をしてもらいたい。ほんとうに生活できない(給与)水準なんです」と訴える。

署名運動は、全老健埼玉県支部に寄せられた1通の手紙が発端になっている。「いまの給料のままでは子育ても、住宅ローンも払うこともできません。介護職員の生活保障を訴えていくことはできないでしょうか」。これに危機感を感じ、吉田昇事務局長は07年夏、署名活動をはじめる。駅・街頭での訴えのほか、介護職員の家族、医師会、自治会に理解を求め、まず埼玉県で約10万5000人分を集めて、同年11月に埼玉県に提出した。この活動が全国に波及、08年2月末までに約160万人分の署名が集まった。

老健介護施設の介護職員とは、医師や看護士、介護ヘルパーなどの資格を持たずに、介護の「現場」で働く人をいう。全老健埼玉県支部によると、介護職員の平均年収は35歳で約264万円。給与所得者の平均年収(約434万円、06年国税庁調べ)と比べて約170万円も低い。低賃金なうえに、食事、入浴、おむつの取替えといった老人介護の職場は重労働で、さらにはキツイ、キタナイ、キケンの3K職場で人気がない。

パートの時給も800円前後で、スーパーやコンビニなどに太刀打ちできないし、最近は大手企業が初任給を引き上げて人材確保に力を入れているだけに(引用者注:まだ「リーマン・ショック」の前の話)、職員を確保するだけでも大変な苦労のようだ。

吉田局長は「老健保健制度ができて、ようやく20年なので勤めている施設も新しく、職員も若い人が多い。事業が軌道に乗らず、ベースアップもむずかしいのが実態です」と説明する。あまり知られていないが、老健介護施設は特別養護老人ホームと違って国からの補助金もない。土地や施設は銀行からの借入金でまかなわれているので、「借金の返済に追われ、人件費にまわす余裕はない」という。

厚生労働省が2月21日に公表した「介護給付実態調査月報」(07年12月審査分)によると、介護サービスの受給者は全国で292万5000人。受給者一人あたりが介護施設や介護サービス業者に支払っている費用は月間17万4700円に上る。比較的高く見えるが、吉田局長はこれが「実態に即していない」という。

こうしたデータは、全国約3400ある老健介護施設がそれぞれ厚労省に提出している。ただ、老健介護施設は、認知症などの病状があり、リハビリテーションなどの医療を必要としている老人の介護施設なので病院やグループホーム、在宅ケア・サービス事業者などの医療法人が併営しているケースが多い。そのため、老健施設単体の状況がきちんと伝わっていないのだという。「老健施設の実態をしっかり伝えていないことにも問題はあるが、(厚労省側も)そちらが提出したものをまとめているとして、本当の実態を見てくれない」(吉田局長)と、その対応には不満げだ。


  医療福祉というのは、所詮介護保険や医療費の予算内でやらざるを得ないもので、初めから総需要がタイトに設定されていることが通常です。そんな中で、個々の経済主体が努力をしたところで賃金を上げようがありません。
  もっとひどい言い方をすると、経営者の側が「この業界はこういうもんだから」と、低賃金を正当化できるという可能性すらあります。●この事例のような悪徳企業は、福祉業界だからというのではなく、新興業界だからこそ横暴を極めることができたということもできるでしょう。
  環境の分野でも、結局は同じことです。初期段階では効率が悪いため(おそらくずっと悪いままだろうが)、政府が補助金を出すという形で成長を促すしかありません。それをいいことに、低賃金を正当化して、税金を猫ばばする企業が出てくる可能性は、残念ながら非常に高いといえるでしょう。

  結局、経済を活性化させたければ総需要を増やすしかないということです。

  上に挙げた方法の実現度合いを「順不同で」考えてみると、2.については、個別の企業の判断によります。減税という形で促すことはできますが、効果はかなり限定的にならざるを得ません。おそらく、今まで多額の投資を続けている企業の経常利益が改善するだけに終わるでしょう。
  3.は、正直他国も似たような需要低迷の状況にあり、しかも日本はいまでさえ大きな貿易黒字状態なのですから、これ以上伸ばしてもムダだということができます。
  また、6.については、預金が財産だと思われている以上、その放出を強制することが国民の大多数の理解を得られる可能性は非常に低いでしょう。

  では、残った三つ、すなわち、  

1.賃金のアップ

4.財政支出の増加

5.減税


  は、果たして可能なのか。その辺を探ることで、このシリーズを締めくくりたいと思います。

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2009.09.06(Sun)

韓国の経済を見ることは、我々自身について知ることである(1) 

復調韓国、雇用は不振 サービス業に不況直撃
http://www.asahi.com/business/topics/economy/TKY200909050265.html

 日米欧に先駆けて景気回復が進む韓国で、「雇用なき回復」への懸念が高まっている。公共部門の一時雇用などで見かけの情勢悪化は一服したが、民間の雇用創出は進まない。経済構造の変化や急速な高学歴化にも対応が追いつかず、雇用不振の解決は長期戦の様相だ。

■対策、一時しのぎ

 「韓国の4~6月期の経済成長率は、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中でトップ」。韓国でこんなニュースが一斉に伝えられた。

 3日発表された4~6月期の実質国内総生産(GDP、暫定値)成長率は前期比2・6%増。7月の鉱工業生産は前年同月比でも10カ月ぶりのプラス。リーマン・ショック前の水準を上回った。

 だが、肝心の雇用がついてこない。「改善」もみられるが、これには事情がある。

 ソウル近郊の仁川市。古くからの住宅街から坂を上った一角で8月下旬、男性数人が地面に板を並べ、散策路をつくっていた。市内に住む李基浩さん(60)は「先行きに不安はあるけど、今はこの仕事がある。感謝しないとね」。

 政府が6月から始めた「希望勤労」事業だ。経済危機で仕事がなく生活の苦しい低所得層に公共の仕事を提供、月約83万ウォン(約6万2千円)分を現金と商品券で支給する。同じ日、ソウル西部の麻浦区でも、地元の50~60代の女性らがごみからペットボトルなどを仕分けていた。

 韓国政府は金融危機後、希望勤労以外にも雇用対策を矢継ぎ早に繰り出してきた。賃金削減などで雇用を維持するワークシェアリング推進や、公共機関や企業で若者が一時就業するインターンの拡大などだ。リストラで失業者があふれた97~98年の通貨危機でなめた辛酸が背景にある。

 その結果、6月の就業者数は前年同月比でわずか4千人増とはいえ、7カ月ぶりのプラス。7月も7万6千人減と、20万人程度の減少が続いた5月以前より改善した。減少幅が100万人を超えた98年当時より傷は浅い。7月までの失業率も4%程度。一気に6~7%を超えた通貨危機時よりは低い。

 当面の危機は、ある程度抑え込んだ。だが、結局は一時しのぎにすぎない。

 2月に大学を卒業して求職活動中の男性(26)は「インターンで働く友人をみても、数カ月で終わる仕事では学ぶこともない」と冷ややかだ。6カ月間の希望勤労も清掃など単純作業ばかり。働く人も50~60歳以上が多い。職を失った非正規職の若者や働き盛りの30~40代の「希望」にはなっていない。

 6月以降の就業者数も、希望勤労による25万人程度の増加をのぞけば、実質的には減少幅が拡大。韓国政府関係者も「雇用なき成長が懸念される」と認める。

              韓国の実質経済成長率と雇用の推移

■高学歴化、求人にズレ

 景気とともに業績が回復しても、企業が採用拡大に動くまでには時間がかかる。だが韓国開発研究院の兪京濬・財政成果評価室長は「非正規職の増加や、輸出が好調でも雇用が増えないなど、雇用不振は構造的問題」と指摘する。

 韓国でも先進国と同様に、雇用創出力の低下がじりじりと進む。製造業は工場の海外移転に加え、液晶パネルや半導体といった装置産業は必要な人手が少ない。「主な輸出製品で、部品などの輸入依存が高まっている」(韓国銀行)という問題も抱える。

 就業者の約6割が働くサービス業は、小売りや飲食業など零細自営業者が多い。就業者全体の約3割を占める自営業は通貨危機後の失業者を吸収してきたが、昨年来の内需不振で廃業が相次いだ。

 既存の受け皿の揺らぎに加え、深刻な若年失業問題は急速な高学歴化も要因だ。

 95年に5割を超えた大学進学率は08年には8割超と、5割強の日本を大きく上回る。雇用情勢が悪化する中、少しでも良い職を、という意識が強いためだ。

 だが、「大卒」の肩書を手にする人が増えても、期待する好待遇の職場はその分増えていない。7月の29歳以下の若年失業率は前年同月比1・1ポイント高い8・5%。統計上の失業者以外にも就職をあきらめたり、資格取得などで「就職準備中」だったり、事実上失業状態の人も多い。

 8月末、ソウルで開かれた就職面接会。受付に長い行列ができ、各ブースでは参加者が熱心に面接を受けていた。「条件さえあえば、早く決めたい」と焦る若者も多かったが、ある中小企業の担当者は明かす。「経験不足なのに期待する賃金水準は高い。大企業志向も強く、すぐやめる心配もある。どうしても求人と求職にミスマッチがある」

 政府も環境や医療福祉など成長産業の強化による雇用創出を打ち出す。良質の雇用をどれだけ生み出せるかが問われるが、成果は未知数だ。


  このブログはよくある朝鮮・中国叩きのブログではないのですが、それでも韓国についての記事を書くと、ブログ拍手なるものの数が増えます。賢明な読者各位には、特定の外国が不幸になるといううわっぺりの結論だけを捉えて喜ぶような低次元な人間にならないように願っております。
  さて、今回の記事ですが、かなり重要な問題提起を行っています。たとえば、ここです。

>4~6月期の実質国内総生産(GDP、暫定値)成長率は前期比2・6%増。

  経済成長したのに、なぜ雇用がついてこないのでしょうか。これを理解するには、経済成長率というものの持つ意味を理解しなくてはいけません。

  日本の実質経済成長率(内閣府による)

  実は日本でも、実質経済成長率が上昇していたのに、雇用がいっこうに回復しない時期がありました。小泉政権の中盤から安倍政権の時代にかけて(2006~2007年)です。上のグラフの一番右は、いわゆる「リーマン・ショック」があった2008年ですが、そこまでは確かに年2%程度の「経済成長」をしています。
  しかし、この「実質」というのがくせ者です。この数字は、名目の経済成長率に対して、物価指数の下落などを差し引いて修正したものなのです。
  理屈としては、経済成長がそのままで、物価だけ下落したとすれば、国民経済全体の購買力(ものを買う力)は相対的にアップしたことになるわけですが、裏を返せば、デフレが悪化して物価がどんどん下がれば、本当の経済力(名目GDP)がマイナスになっても、「実質的に」プラスになったと評価されてしまうのです。
  要するに、実質経済成長率がプラスになったからといって、国民が手にする賃金その他の購買力が向上しているというわけではありません。このへんは、マスコミも(意図的かどうかは分からないが)まぜこぜにして報道しているので要注意です。

  記事の方の注釈を続けましょう。韓国政府は、かなりアクティブに雇用対策を打ち出しているようですが、その中身には疑問符をつけざるを得ません。

>賃金削減などで雇用を維持するワークシェアリング推進

>公共機関や企業で若者が一時就業するインターンの拡大

  ワークシェアリングは、ひところ日本でも話題になりましたが、結局同じパイを分ける人数が増えているだけで、国民全体の購買力の拡大には寄与していません。
  また、インターンがいくら拡大しても、通常の雇用ではないので、結局また職を探さざるを得ないという状況は変わりません。
  もっとひどい言い方をすると、こうやって雇用を確保することで、かえって労働力がだぶつく結果を生み、数字の上での賃金は低下していく可能性すらあります。別にこの辺は統計など取らなくても、必要とされている雇用を上回る労働力が提供される(労働力のインフレ状態)なら、当然に起こりうることということができます。
  確かに、「失業率」という数字は劇的に改善するのでしょうが、問題は雇用の質です。極端な例ですが、いくら完全雇用を達成しても、ほとんどの人間が年収100万円しかもらえないのだとしたら、消費活動は活発にならず、景気はよくなりません。韓国がやっていることは、これと全く同じことです。
  こういう場面では、「職を選んでいるからあぶれるのだ」とか「努力しない人間が悪い」という、ネット右翼や小泉・竹中信者の決めゼリフ(というか、それしか言えない)は全く意味がありません。椅子取りゲームをしようと言っても、椅子が竹ひごでできている椅子になど、誰も座ろうとは思わないでしょう。
  さらに、従来のサービス業についても、

>内需不振で廃業が相次いだ

  ここらへんも、バブル崩壊後の日本とよく似ています。
  ●前の記事でも述べたように、もう韓国にはまともな内需と呼べるようなものは残っていません。もともと貿易依存率が70%を超える外需依存体質だったのですから、当然といえば当然です。

>「経験不足なのに期待する賃金水準は高い。大企業志向も強く、
>すぐやめる心配もある。どうしても求人と求職にミスマッチがある」

  これも、日本とよく似た状況です。親の世代が経験して、当たり前のことだとして継承された価値観が、「時代の変化」と齟齬を来しているのです。
  私もそうですが、「最悪でも結婚して家庭を持ち、マイホームとはいかなくてもマンションくらいは持てるのではないか」と思っていた時期もあります。今もそういう価値観の残りカスみたいなものがあり、頭を悩ませることがあります。
  これを、「考えが甘い」と一概に切って捨てることはどうかと思います。たとえは悪いですが、「天皇陛下は現人神ですよ」と子供の頃から教わってきた人が、ある日突然天皇陛下に「すいません。私じつは人間でした」と言われたら、わけがわからなくなるでしょう。同時に、「いや、それでも自分にとって天皇陛下は雲の上の存在だ」と信じようともするでしょう。戦前を知らない子供や孫の世代が「テンノーってさあ」などと口にするようになっても、皇太子が民間から嫁さんをもらっても、皇族が東京都の職員の家に嫁いで普通の主婦として暮らしていても、そういう観念はなかなか変わらないものだと思います。
  そこをどうやって軟着陸させるか、もっと有り体に言えば、諦めさせるか、というのは、社会の安定にも関わる問題です。「負け組」が生まれるのは、あるべき自分と、今の自分にあまりにも乖離があるからです。このへんは、もっと政治家や官僚が真剣に悩むべき問題でしょう。
  しかし、最近私は、この辺についてはほぼ完全に諦めました。政府という存在に、現代の経済の仕組みが生み出す問題の根本的な解決は不可能だという確定した理解が得られたからです。

  すみません。この辺で次回に続きます。上記の引用記事で、私は妙な場所を大きなフォントにして強調していますが、その謎解きも次回行います。

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EDIT  |  02:13 |  中国・朝鮮  | TB(0)  | CM(19) | Top↑
2009.09.03(Thu)

中国、日本、そして近代化について 

「増加する未婚男女」、深刻な結婚の経済事情―中国
http://excite.co.jp/News/china/20090903/Recordchina_20090903013.html

2009年9月2日、21世紀経済報道によると、旧暦の七夕にあたる先月26日、中国各地では大規模なお見合いパーティーが開かれた。こうしたイベントは毎週末のように行われており、中には未婚の子供を持つ親を対象にしたものも多い。あるメディアの報道によれば、現在、北京市の結婚適齢期を過ぎた独身女性は50万人に及んでいるという。

コロンビア大学の魏尚(ウェイ・シャン)教授はこうしたお見合いパーティーについて、「新居から結納品、披露宴など諸々の費用を支払う男性側の経済的負担はきわめて大きい」と指摘した。結婚にかかるコストが過度に高くなった結果、社会全体の貯蓄率にも影響を及ぼし、社会全体の消費率が長期にわたって低迷する原因にまでなっていると話す。上海市では披露宴の費用だけでも平均20万元(約270万円)もかかるという。

中国社会科学院人口研究所の専門家によれば、成人男女の未婚率は上昇を続けているが、特に男性に未婚の割合が多い原因については「80年代に男の子が増え過ぎたからだ」と指摘。さらに、女性の理想が高くなったことも男性側の負担を増す大きな原因だと話す。ある出稼ぎ労働者の男女のケースでは、女性側が男性側に6万元(約80万円)の結納金を請求したが、男性の年収が少ないため、6年間働きずくめでようやく結納金を貯めたという。

結婚にかかるコストの増加は、親の負担も増している。国際ブライダル博覧会の調べでは、北京や上海の若者が結婚する際、両親からの経済的サポートを受けている割合は80%に上るという。こうした背景のもと、子供の結婚のために貯蓄する親が増えているようだ。


>お見合いパーティー

>諸々の費用を支払う男性側の経済的負担はきわめて大きい

>特に男性に未婚の割合が多い

>女性の理想が高くなった

  一体何処の国の話だ?と思った人も多いことでしょうが、中国のニュースです。
  続けて、こんなものもあります。

18歳以上の不安障害患者数は5700万人、その9割が治療受けられず―中国
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090901-00000017-rcdc-cn

2009年8月28日、世界的に権威ある英国の医学論文雑誌「The Lancet」によると、不安障害に悩む患者が中国全土に約5700万人存在するという。北京晩報が伝えた。

この数字は山東省、浙江省、青海省、寧夏回族自治区の3省1自治区の統計資料から算出されたもので、18歳未満の患者数は含まれていない。全国5700万人の不安障害患者のうち90%が適切な治療を受けられない状況にあると同誌は指摘している。おりしも中国では初の「全国不安障害学術会議」が中華医学会精神病学分会の主催、製薬会社GSK(グラクソ・スミス・クライン)中国法人の協賛で大連市にて開催されたばかり。

中華医学会精神病学分会主任委員の周東豊(ジョウ・ドンフォン)教授は「不安障害は患者の健康だけでなく、社会関係や職業、家庭生活など多方面に影響を及ぼすため、抑うつ症などそのほかの精神疾患を引き起こす可能性がある」と指摘。さらに不安障害と抑うつ症を同時に抱えた患者の自殺率が高いという報告もあることから、「不安障害患者に対する有効治療は緊急性を有する」と主張した。

不安障害の治療には、薬物療法と認知療法、認知行動療法などがあり、単独または併用で用いられる。完治までの道のりは長く、再発の可能性も高い疾病であることから、患者には多くの忍耐が必要とされる。


  5700万人というのは、中国の全人口の4%程度に過ぎませんから、日本で言うと580万人ぐらいということになります。日本のそれが急激に増えた結果、最近300万人を超えたと推定されているほどですから、かなりの割合です。

  上の二つのニュースを付き合わせて分かるのは、日本では明治維新から140年かけてゆっくり進んできた共同体の破壊、ムラ的な価値観の破壊が、中国ではわずか30年ほどで完了しつつあるということです。
  統合失調症など、環境的要因にかかわらず一定の確率で罹患する病気は別として、うつ病などの精神疾患は、にっちもさっちも行かない立場にいたり、継続的に不安を増大させる状況があったりと、社会環境によって発病する確率が高まります。●某政党の政調会長(このたびめでたく落選)が「うつ病になるのは気が弱いから」だと発言をしていましたてちょっとした騒ぎになりましたが、無知もいいところでしょう。
  日本でそういう人が増えてきているのは、企業の行動様式が変化したからです。すなわち、正規雇用を派遣など非正規のものに置き換え、残った正社員には過度の責任を負わせるようになってきたのがこの十数年の日本の企業です。そして、それに耐えられないのは、努力が足りないのだという風に片付けられます(いわゆる「自己責任」論)。企業にとっては、非常に都合の良い論理です。
  そればかりでなく、恋愛、結婚などでも、自己責任での競争が全面的に肯定されてきています。狭い範囲で対象の異性を探す必要がないということが広く認知されたため、「もっと自分にふさわしい相手がいる」と考える男女が増え、抽象化された価値(たとえば年収)によって競争が行われている
のです。結婚できないのは魅力がないから、彼女ができないのは話が面白くないから・・・という風に、ここでも自己責任が持ち出され、勝者と敗者が生まれるのは当然だということになっています。
  こういう社会では、いわゆる「弱者」というのは非常に生きづらくなるということは、誰が考えても分かるでしょう。「嫌なら努力しろ!!」とかそういう問題ではなく、事実としてそうなっているのです。

  そして、このような現象が、遅れて「近代化」を始めた中国にも現れているというのが、大変興味深いところです。

  ●毛沢東が君臨していた頃の中国には、まだ土の匂いを肯定するようなところがありました。基幹産業は農業で、圧倒的多数の人口が農村に居住していました。
  その毛沢東が1976年に亡くなり、2年後に権力を握ったのが●小平でした。小平の国家運営の方針はは、いわゆる「改革・解放」と言われています。(本人達の意図はさておき)自国内完結型だった経済を、外国からの投資を積極的に受け入れ、グローバル貿易に全面的に参加する方向へ転換するというものでした。
  中国がこのような方針転換を行ったのは、●以前の記事でも述べたように、世界経済支配層であるアメリカの金融資本が、産業の育成から、金融による収奪へ戦略を転換したからです。金融資本が各国の産業や社会基盤をカネで買いたたくには、大規模なデフレになったほうが都合がいいわけで、中国に過剰な工業生産を行わせることが最も有効な方法だったということです。
  どんな合意があったのかは知りませんが、その後小平の「改革・解放」は大成功を収めました。円高に苦しむ日本がちょうどよくバブル崩壊し、生産拠点を中国に移さざるを得なくなったこともあり、「世界の工場」の地位を奪うことに成功しました。
  しかし、その経済発展が、日本以上に過熱する「婚活」や、異常な数の精神疾患患者数となって現れてしまったというわけです。小平とすれば、それでも中国が世界の列強に名を連ねるようになったので、草葉の陰で満足しているのかもしれませんが・・・。

  そのような経済的側面を助長したのが、近代的教育です。共産党支配下になってからの中国では、唯物論を絶対視し、霊的信仰を全否定するようになりました。日本で明治時代に、国家神道という人工的なイデオロギーを掲げて、●廃仏毀釈●神社合祀令で民間信仰を破壊していきましたが、それでも神道の伝統を完全に無視はできませんでした。しかし、今の中国で、およそ民間信仰に類するものはほとんど見ることができません。太極拳や気功という形で生き残ったという見方もできますが、共産党が政権を奪取する前から生き残っている宗教団体や、神社の氏子区域のような共同体は皆無です。
  改革・開放後の中国には、すさまじいまでの拝金主義が蔓延しました。●牛乳へのメラミン混入など、あからさまな食品偽装が次々と行われるのも、全てその方が儲かるからというのが動機でした。こういうのも、唯物論的な教育と無縁ではないでしょう。

  それでも中国が国として何とかやってこられたのは、毛沢東や小平に代表される革命世代に圧倒的なカリスマや政治家としての人間力(いい人かどうかは別)があったからです。そして、彼がいなくなった後は、金儲けのためだけに中国を利用しようとする欧米や日本のグローバリストたちの思惑と、その結果としての順調な経済発展があったからです。
  それとてかつて唐詩に詠われた自然を犠牲にし、冒頭のような価値観の変容を生んでしまったのです。
  自然破壊、物質を優先した人間同士のつながりの否定…どうやら、カネを持って豊かになると、人間は総じて同じ方向へ進むようです。教育は、そのような状況を助長することはあっても、押しとどめる力はほとんど持っていないように感じます。
  そもそも、近代国家じたい、●こちらの記事でも述べたように、ある種の人びとがカネの力で自分のやりたいことをやるために作られたものなのですから、政府のやる公教育によって何かポジティブな変化を起こすことは無理な話です。
  同様に、政府が行う対症療法も効果はありません。企業から税金を取って生きている近代国家や、企業献金をもらって贅沢な暮らしをしている政治家が、「うつ病の原因は労働環境だから一人一人が楽に働けるくらいまで正社員をどんどん雇え」などと口が裂けても言えないからです。どうせ、税金で訳の分からない財団法人でも作り、PRのリーフレットでも作っておしまいでしょう。今の経済システムが続いている限り、状況が改善することはあり得ないのです。

  ●少し前の記事でも書きましたが、今後日本の経済は良くなるということはまず考えられません。45兆円という巨大な需給ギャップ、すなわちデフレ状態にあるにも関わらず、いわゆる二大政党と言われる政党のどちらもがそれについて全く言及していないからです。
  考えてみれば、近代国家の役割は、金持ちをアシストすることにあったわけですから、経団連や外資が望んでいないデフレ解消など行われるわけがないのです。高額所得者や、株式投資に対して課税するということもまず間違いなくないでしょう。
  だから、国民新党のように、デフレこそが真の問題であると主張している勢力は、マスメディアに徹底的に無視され続けるでしょう。日本の政治をたらい回しにする二大政党は、相手が失策する度「まだまだカイカクが足りない!」と言って、より過激な(そして金持ちや外国にとって有利な)政策をとり続けることでしょう。
  要するに、中国で共産党が一党独裁でやっていることを、日本では二大政党と官僚が民主主義や法治国家という体裁を取りながらやっているというだけなのです。
  そうやって、短期的には揺り戻しがあったとしても、長い目で見れば、日本の経済はとことん没落していくことでしょう。
  そればかりか、●石油減耗が進めば、化石燃料を自給できない日本や中国は窮地に陥ります。今言われているような経済発展やGDPの成長が不可能になる時代は、遅かれ早かれやってくるのです。

  それでも生きていくためには、やるべきことは一つしかありません。貨幣に頼り、景気の波や有効需要などという自分ではどうにもならないものに依存した職業生活から、必要なものを自分で生産する生活へ少しずつ移行していくことです。
  そういう点で、面白い考え方が提唱されています。

新時代のキーワード「半農半X」って?
http://allabout.co.jp/family/simplelife/closeup/CU20080228A/

ガイド:「半農半X」って、耳新しい言葉ですが、どんな考え方なのでしょうか。

塩見:半農半Xとは、「持続可能な農ある小さな暮らしをしつつ、天の才(個性や能力、特技など)を社会のために生かし、天職(X)を行う生き方、暮らし方」と、私は定義づけているんです。

ガイド:それって、「農業の傍ら好きなことをやって暮らす”田舎暮らし”」のことですか?

塩見:う~ん、似ているけど、ちょっと違う。田舎暮らしは、田舎が舞台で、田舎で暮らすことが目的だけれど、半農半Xは、都会でもできる、そこが違いますね。「小さな農」を暮らしに取り入れつつ、自分の大好きなことをテーマにして食べていくのが、半農半Xなんです。

「半」は「二分の一」じゃない

塩見:ここで言う「農」は、「農家になる」「農業で食っていく」とイコールではありません。農は”広さ”でも”時間”でもない、と思うんです。つまり、耕作面積や、費やす時間は問題でなく、「暮らしの中に農があること、農を意識して生きること」が重要なのです。ですから、「ペットボトルでスプラウトを育てる」も「ニンジンのヘタから芽を育てる」も「農」。

ガイド:おぉっ、じゃあ、隣町に畑を借りて、ベランダで「段ボールコンポスト」を育ててるガイドは、「半農半ライター」!?

塩見:そうそう!(笑) 「農」とは言い換えれば「ていねいに暮らすこと」であり、「センス・オブ・ワンダー」(レイチェル・カーソン)をもって生きることなんです。暮らしの中に農の視点を持つことで、「いつかは終わる生命体である自分」を意識することになり、それが、時間に対する考え方を変え、自然や他の生命や後世に思いをいたすことを可能にする。ひいては、食糧問題や環境問題の解決につながる、という考え方です。

ガイド:なるほど~。実はすごく壮大な考え方なんですね!

塩見:半農半Xは、お金や時間に追われず、ほんとうに大事なことに集中し、人間らしさを回復するライフスタイルでもある、と私は考えています。

   (中略)

塩見さんによる「半農半Xの8つのキーワード」を教えていただきました。

・地球、環境、持続可能性(サステナビリティ)
・コミュニティ、地元
・家族
・瞑想、散歩、思索(精神性)
・小さな農、採集(身体性)
・手仕事、アート
・天職、ミッション、役割
・情報発信


「今いるところ、今あるものを大切にしながら、遠い未来の子孫と、遠い国の人々に思いを馳せる生き方」が想像されます。それは、シンプルライフ的考え方とも大きく重なります。


  おそらく、今はこのブログをご覧の方でも、「そんなことをやるよりは仕事で努力してもっとたくさん稼げるようになるべきだ」とか、「素人の園芸で食糧生産を代替できるわけがない」とかいう風に否定的人や、「そんなことを言っても、便利な生活は変えられないし、変えたくないよ」と諦めている人が少なくないのではないかと思います。
  しかし、私は、もう少し時期が経てば、上の記事のようなライフスタイルに賛成する人が増えてくると確信しています。近代的な「努力」をしてもどうにもならない、何もよくならない時代が来るからです。おそらく、中国の大多数の人びとにとっては、もうそういう時代が来ているのでしょう。
  明日からいきなり半農半Xな生き方を始めなくても構いません。ちょっと頑張ればいい生活が出来た高度成長の時代や、コンビニやスーパーで何でも手に入る今の生活が絶対のものではないということが分かっていれば、きっと政治や経済のニュースで頭がおかしくなることはないのではないかと思います。
  私も近いうちにプランターを買ってきて、ベランダで●再生ネギでも育てようかなと思っています(笑)。

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