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2009.07.09(Thu)

中国との競争より、我々が生きていけることの方が大事 

  みなさんがこのニュースにどう反応するか、非常に興味深いです。

中国は今年、日本を抜いて世界第2位の経済体に―中国紙
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090709-00000007-rcdc-cn

2009年7月8日、中国の華僑向け通信社、中国新聞社のウェブサイト中国新聞網は、中国は今年、日本を抜いて世界第2位の経済体になる可能性が高いと報じた。

米紙ワシントンポストは今年初め、中国国家統計局の最終データをもとに、中国は07年、ドイツを抜いて世界第3位の経済体となったが、このままの速さで成長を続ければ3年以内に2位の日本を、18年以内に1位の米国を追い抜くと推測した。

国家統計局の謝鴻光(シエ・ホングワン)副局長はこれに対し、「3年もいらない。年内には日本を追い抜く」と強気の発言をしている。謝副局長によれば、中国の昨年の国内総生産(GDP)は30兆元(約410兆円)を超え、日本との差は約5000億ドル(約47兆円)となった。

中国は今年、8%の経済成長率は「達成可能」との見通しを発表している。同副局長は世界的金融危機の影響で日本の今年の経済成長率が「マイナスになるのは確実」とした上で、「中国が今年、日本を抜いて世界第2位の経済体の座に就くことは十分考えられる」と自信を見せた。


  さて、みなさんは何を感じたでしょうか?

  私が感じたことはただ一つ。「そりゃ当たり前だよね」ということです。

  かたや金融危機後ますます需要が高まる低価格輸出品で世界を再び席巻し始めた人口13億人の大国であり、かたや相変わらずバカなデフレ政策を採り続けて国内の購買力が激減し続ける老いた元経済大国。
  差が詰まる一方なのは、当然のことでしょう。
  かつて、あの小泉純一郎が自民党の会合で主張したという「日本はアジアの片隅で、貧しく、ひっそり、小さくなって生きるべきだ」が実現しつつあるという感じです。

  予想ですが、今年の11月、12月あたりにGDPを中国に抜かれた辺りで、いわゆる保守とかいう連中が騒ぎ始めます。産経新聞あたりが先導して、「日本は経済でも中国に勝てなくなった」「日本は停滞し続けている。思い切ったカイカクが必要だ」という意見が巷にあふれるでしょう。愛国節は伴わないでしょうが、朝日新聞や日経新聞なども「日本の敗北」などといったタイトルの記事を書いたりするかも知れません。センセーショナルな方が受けますからね。
  そして、政治ブログや2ちゃんねるなどはそれに反応して勢いよく炎上します。そういった層をターゲットにして、日本の未来を悲観する書籍と、日本ややはり中国は上だという自慰行為まがいの書物が書店に平積みになるでしょう。

  私のような人間からすると、何をそんなに大騒ぎするんだろうと思ってしまうのですが、政治に関心のある人たち、特に、右寄りや保守と名乗っている人たちには、「日本が中国に負けた」というのはとんでもない大事なのです。
  そもそも、保守とか愛国とかいう連中が好きなのは、「西洋化した日本」や「明治維新以降の日本」だけです。彼らの日本への愛は、欧米並みの国力があり、アジアを見下すことができるという条件付きの愛情であり、それらが欠ければまるで「反日」のごとく日本を呪う発言をし始めます。
  愛国的な思想を掲げたブログなどを見てみればこの辺はすぐに分かります。好きな時代はとたずねると「幕末・明治」という答えが必ず返ってきます。西欧列強に屈服し、同じように近代文明を受け入れ始めた時代だから好きなのでしょう。
  他にも、日本の文化伝統の中心は何か、と質問すると、答えの中には「天皇」とか「剣道」とか「武士道」とかいったものが含まれているはずです。剣道は明治生まれのスポーツです。それ以前の剣術とは全く違い、フェンシングを真似て防具を付けるようになったものです。武士道などというものは、多くの庶民にとっては全く縁のない、武士の世界だけの道徳でした。それが一気に庶民にも広まったのは、明治時代以降です。そういう教育をしたからです。新渡戸稲造の『武士道』という書物も、そういう文脈で登場したものです。
  天皇にしても、確かに為政者に権威を与える存在ではあったにせよ、多くの国民にはどんな人か全く知らない人物に過ぎませんでした。それが、全国民を領導するような立場になったのは明治維新以降です。国家神道という、キリスト教の猿真似のような制度を作り上げて、国民意識を無理矢理作り上げようとしたのです。
  こういう近代化のプロセスを賞賛する人がよく口にするのは、「アジアで近代化に成功したのは日本だけだ」ということです。つまり、日本は中国や朝鮮と違い、欧米という先生の言うことをよくきく優等生であるということを誇りに思っているわけです。
  もっとも、このへんは、変わり者である保守やウヨクだけでなく、国民の多くが無意識に心の中に抱えている観念かもしれません。どの歴史の教科書を見ても、「明治維新は日本が発展するきっかけになった画期的な出来事だった」と書かれているのが普通だからです。そう考えると、あまり強く非難すべき現象ではないかもしれません。

  GDPというのも当然近代経済学の考えにのっとって出てきた指標です。それらの数字で日本がアジアのトップに立てなくなるという事実は、保守や愛国にとっては非常に屈辱に思えるでしょうし、そうでない普通の国民にも、「えー中国に負けちゃうの、がっかりだなぁ」という感じで受け止められることでしょう。
 
  しかし、私に言わせれば、GDPの数値評価で中国に負けたからどうしたとしか思いません。それどころか、むしろ中国に同情すべきだとさえ思っています。
 
  ●この記事●この記事でも書きましたが、中国は欧米や日本にバカにされたくないと、必死になって経済力や軍事力をつけています。そして、その割には欧米に軽く見られていることを、非常に屈辱に感じてもいます。欧米は別に中国を仲間に入れるつもりはないのですから当然なのですが、可哀想なのは中国です。
  欧米に認められたい、力さえあればきっと認めてくれるはず、そう信じて国内の窮状を見捨ててただひたすら輸出を拡大して国力増強に走る中国にそっくりの国がかつてありました。「大日本帝国」です。以前の我が国も、欧米に肩を並べようと必死に産業を成長させ、貿易額を大きくしてきましたが、結局米英にいいようにあしらわれてしまい、最終的には戦争でボロボロにされてしまいました。
  その時も、国内外で日本を揺さぶる動きがあったわけですが、今の中国も見事にそういう揺さぶりの対象になっています。最近も格好のネタが出てきました。
  

中国:新疆・ウイグル族暴動 当事者すべてに自制を呼びかけ--米国務長官
http://mainichi.jp/select/world/news/20090708dde007030036000c.html

 クリントン米国務長官は7日の記者会見で、中国新疆ウイグル自治区での大規模暴動について「深く懸念している」と述べ、すべての当事者に自制を呼びかけた。

 クリントン長官は同自治区での「長年にわたる緊張と不満の歴史を承知している」と指摘。「今直ちに重要なことは暴力を終わらせることだ」と語った。


  中国が中国なのは、あの広い国土と豊富な資源、そして巨大な人口を抱えているからです。パイが大きいから、ものを売ったり収奪したりする相手として最適だと思われているだけです。中国を賞賛する金融アナリストや経済評論家、それに各国の政府関係者は、別に中国の文化や伝統に引かれているわけではありません。
  中国が不幸なのは、そういった欧米の関心を「自分が何処よりも優れているからに違いない」と勘違いしている節があるということです。単に欧米にとって利用しやすい相手に過ぎないから褒められているのに、自分たちが素晴らしい存在だから好かれているのだと思っているということです。
  同時に、中国人は、そんな素晴らしい自分たちをなぜ欧米が「人権を軽視している」「法制度が整備されていない」などと批判するのだろうかと、困惑しています。国境付近で異民族が暴れているのを力で叩きつぶすのは、中国では当たり前のことです。何千年もそうやって一つの経済圏としてやってきたからです。それをなぜ批判するのだろう?と彼らは思っているはずです。
  それでいながら、欧米の持っている物流網やノウハウを利用せざるを得ない・・・そういうアンビバレンス(二律背反)を抱えているのが中国なのです。
  だから、中国に対しては、おかしな奴だと叩いたりするよりも、どうすれば暴発した時の火の粉が日本に降りかからないようにするか、暴走する中国とドンパチやり合う当事者にならずに住むか、そういうことを考えていくべきです。

  裏を返せば、我々は絶対に中国に張り合うような真似をしてはならないということです。

  私が怖れているのは、庶民に自分たちの都合の良いような政策を呑ませたいと思っている連中(グローバリストやその手先になる政治家たち)は、ことあるごとに「中国に負けていいのか」という扇動を仕掛けてくることです。先ほども触れたように、日本だけが近代化に「成功」したという認識は、公教育を通じて我々に刷り込まれているといってもいいほど浸透しているからです。中国に対して、あらぬ敵対意識が目覚めてしまう可能性もあります。
  そういう意識が昂じて、戦前のように戦争に駆り立てられる可能性だってなくはないのです。
  そういう暴走の危険を生むカイカクを提唱している人たちがいます。

参議院は要らない?!一院制、自民のマニフェストへ
http://www.data-max.co.jp/2009/07/post_6237.html

 自民党の次期衆院選に向けたマニフェストの骨格が一部マスコミで明らかにされた。それによれば、国会改革では「4年後までに国会議員の定数を1割削減し、10年後までに一院制とした上で3割減」を目指すという。この案は事実上の参議院廃止である。詳細は総選挙の告示後に明らかにされるが、一院制については当の参議院から猛烈な反発も予想され、また国民の政治参加、民意の反映という面からも多くの問題点がある。そう簡単に実現しそうもない。
 自民党の案には、「働かない国会議員」への国民からの批判から、「自ら身を削る」姿勢を見せることで有権者の歓心を買おうとする選挙向けのポーズという面も見え隠れする。
 参議院は衆議院の「カーボンコピー」などと言われて久しい。また「参議院無用論」が叫ばれるたび、参議院側から猛反発が起きてきたという経過がある。


  この記事の持つ意味に関しては又後日取り上げたいと思いますが、自民党の願望は、何かあったら解散して多数を取れる衆議院だけにしたいということです。
  二院制の趣旨は、慎重な審議を行って、解散により一夜にして構成が変わりうる衆議院に暴走させないことにあります。そういう安全装置が取れたときに、郵政選挙の時の小泉純一郎のような指導者が出てきたら、一体どういうことになるのか、想像しただけで恐ろしくなります。
  しかし、残念ながら、もうプロパガンダは始まっているようです。上の記事の、

>「参議院無用論」が叫ばれるたび、参議院側から猛反発が起きてきたという経過がある。

  という部分自体、「参議院は抵抗勢力である」という印象操作になっているのに気づいたでしょうか。
  とにかく今ここで言いたいのは、今の日本には経済の惨状を招いた原因を確かめもせず、暴走しても構わないというような鬱屈した空気が流れており、それに迎合するようなカイカクを唱える勢力もいるということです。
  そして、そういうものが一点に集中すれば、日本は今までやらなかった対外進出や、それにともなう軍拡という方針を採るようになり、中国と衝突するということもあり得るということです。まるで左翼のブログみたいになってしまいますが(笑)、そういう心配をしておいた方が後になって後悔をせずに済むでしょう。

  では、その上でどうしたらいいのか。

  とにかく、中国と張り合ってさらなる外需開拓や輸出競争力の向上に走るような真似は絶対に避けるべきです。そんなことをしても、お互いにとって不幸になるだけです。
  何よりまず手を付けるべきなのは、一次産業の活性化です。食糧自給率の向上だけでなく、都市の過剰労働人口の受け皿にすることが目的です。
  ここでいう「活性化」というのは、もうかる産業にするという意味ではありません。農漁業を通じて自律的な生存が可能な人口が増えるということです。そういう観点から言えば、個人単位での農業への新規参入を促進し、兼業農家であっても所得補償をしていくべきでしょう。新規参入農家には、有機農法や無肥料農法などで営農させるべきです。もし石油が入ってこず、化学肥料や農薬に頼れなくてもなんとかなるからです。
  そのうえで、エネルギーを自給できるようになっていけば、とりあえずは安心できます。このブログでもいろいろ紹介しましたが、こういう動きも出てきています。

水産庁が海藻からバイオエタノール製造技術を研究開発・5年間で技術確立へ
http://www.gamenews.ne.jp/archives/2008/01/5_35.html

【読売新聞】が伝えるところによると水産庁は海藻からバイオエタノールを作る技術の開発に2008年度から着手する。すでに2008年度の政府予算で6000万円の研究費用を確保、今後5年間で技術を確立する計画。

すでに当サイトでも何度か伝えているように、ガソリンに混ぜてガソリンそのものの消費量を減らす目的で利用されている、植物の主成分セルロース(植物細胞や繊維)を原材料とするバイオエタノールが「原油節約」と「環境保全」にプラスとなるとして注目を集めている。バイオエタノールは現在のところ、とうもろこしなどの穀物から作られているが、今度は需要が急増したとうもろこしなどの穀物の価格が上昇し、バイオエタノールのコスト高や食料自身の高騰を導いてしまっている。そこで、穀物(農地)よりも生産できる場所が多い海藻(海中)を原料にしてバイオエタノールを量産できれば、食物と「取り合い」をすることがなくなるのではないかと期待されている。

今回決定された●2008年度水産庁予算(PDF)によれば、「水産業振興型技術開発事業」という題目で、該当項目として「海藻からバイオエタノールを生産するために必要となる技術(アルギン酸などから単糖=エタノールに分解する技術など)を開発」などが目に留まる。他の項目と合わせて予算は1億800万円とあり、この項目での予算割当ては昨年度の1億2500万円から逆に減っているのが不可解ではあるが、バイオエタノールそのものへの研究予算割当ては今年から始まっているので、あくまでも「他の項目とあわせて」ということなのだろう。なお海藻は普段食べ慣れているわかめや昆布などではなく、●「海藻からバイオエタノールを400万トン/年生産」水産振興会構想発表・2013年から実証事業開始などで伝えているような、成長が早く燃料作成に適している海藻を使う方針。恐らくは「ホンダワラ」などを用いるものと思われる。


  引用記事のすぐ後にも触れていますが、農水省が提案している●「バイオマス・ニッポン」構想というのはなかなかよいアイデアが多いです。少なくとも、この方針であれば、遺伝子組み換えトウモロコシの生産を牛耳る某国がバイオエタノールの生産を牛耳るという事態は避けることができるでしょう。
  内需を拡大したり、補助金を付けたりというのも、一時しのぎであればいいのですが、どうせなら農業やエネルギー自給に関わる分野「だけ」に限定してみたらいいのではないでしょうか。農家への戸別所得補償と地方での兼業農家増加策に年間10兆円くらいつければ、かなりの効果が望めるはずです。こういうときに、身内からの突き上げを怖れて、1世帯あたり12000円ぽっちのケーキタイサクしかしないような女々しい真似ではいけません(笑)。
  とにかく、まだ残っている日本の活力を、「日本人の自律的な生存」に向けることが大切です。国民一人一人が今および将来にわたってちゃんと生きていければいいのです。それさえできれば、GDPがどうなろうと知ったことではありませんし、中国に勝った負けたで大騒ぎする必要もないのです。
  自分のペースで生きていくことを、頭のどこかに置いてニュースなりなんなり見てほしいと思っています。

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