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2009.05.27(Wed)

大事なことは何度でも復習する~北朝鮮という国が持つ意味 

  最近、妙に日本周辺が騒がしいようですね。

北朝鮮核実験「長崎・広島の3~4倍の威力」 韓国外相
http://www.asahi.com/international/update/0526/TKY200905260250.html

韓国の柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通商相は26日、北朝鮮による核実験の爆発規模について「長崎、広島(原爆)よりも3~4倍大きい威力と理解している」と語った。国会の外交通商統一委員会で答弁した。長崎原爆はTNT火薬換算で約20キロトン、広島原爆は約15キロトンと推定されている。

 ただ、李相憙(イ・サンヒ)国防相は25日の国会答弁で、北朝鮮による核実験の爆発規模は5~20キロトン程度になるとの考えを示しており、見解が食い違った格好だ。

 両氏とも、25日に実験場付近で感知した地震波の大きさなどを根拠にしたとみられるが、韓国の専門家らは「現地の地形や岩盤の硬さなどによっても数値は変わる」と指摘している。



北朝鮮、短距離ミサイル2発を発射 日本海に向け
http://www.asahi.com/international/update/0526/TKY200905260224.html

北朝鮮は26日午後、東部の咸鏡南道咸興(ハムギョンナムドハムン)市付近から日本海に向けて短距離ミサイル2発を発射した。韓国政府関係者が明らかにした。射程約130キロの地対空、地対艦ミサイル各1発とみられる。

 北朝鮮は例年、冬から春にかけての演習期間中に短距離ミサイルを発射してきた。ただ、核実験を実施した25日にも日本海に向けて計3発の短距離ミサイルを発射しており、韓国政府関係者は「演習の一環だが、政治的な効果を狙った挑発行為でもある」と述べた。

 北朝鮮は、中国製の地対艦短距離ミサイル「シルクワーム」やその改良型の「KN01」、旧ソ連のミサイルを改良した「KN02」などの短距離ミサイルを保有するが、射程は最大百数十キロ程度だ。

 短距離ミサイルは、韓国のほぼ全土を射程に収めるスカッドや、日本の大部分に届くノドンなどの弾道ミサイルと異なり、相手国の領内にある目標を直接攻撃する能力が十分ではないうえ、大量破壊兵器を運搬できないとされる。


  政治を扱っているブログにとっては「干天の慈雨」です。国際社会のならずものが、心おきなく一方的に非難できる素晴らしいネタを提供してくれたからです。
  しかし、このブログを以前からご覧になっている方々にしてみれば、このような記事が出てきたところでうろたえたり、目を輝かせたりすることはないはずです。

  そもそも、北朝鮮があの場所にいて、核兵器を保有している意味は何なのか。

  国際社会を脅迫して、援助を引き出すためでしょうか?
  メディアの報道だとそうなっているようですが、それだとちょっと変です。ヤクザが恐喝のために、戦車や戦闘機を購入して日頃から訓練したりするようなもの(笑)で、北朝鮮(人口2400万人、GDPは佐賀県と同程度)という国にはバランスを欠いています。

  核武装が決行されるのは、ほとんどの場合、国家間のパワーバランスが崩れたのを回復するためです。たとえば、貧困層がほとんどを占めるビンボーなパキスタンが核開発に踏み切ったのは、隣国のインドが核武装したからであり、インドが核を持つに至ったのは、国境を接する中国が核保有国で、1990年代になってから急速に力をつけてきたからです。
  そうだとすれば、北朝鮮にもそういう動機があったはずですが、一体彼らにそうさせたのは何でしょうか。

  ●こちらのリンクで、北朝鮮の地図を見てみてください。

  この国が、この場所に覆い被さることで、ある国が日本海に全く手出しができなくなってしまっていることに気づきませんか。

  その「ある国」が、ソ連崩壊後に急に主張し始めたことがあります。

中国の東北工程について 
http://www.searchnavi.com/~hp/chosenzoku/bbs2/050515.htm

東北工程とは

昨年7月、高句麗遺跡が世界遺産登録を果たしたことは、日本でも大きく報じられた。折しも中国外交部がホームページから高句麗史の部分を削除、韓国から「歴史歪曲」との批判が噴出した。

中国側から様々な形で「高句麗は古代中国の一地方政権に過ぎなかった」との主張がなされていることにつき、韓国側が「高句麗は朝鮮民族の完全な独立国家」として猛反発している。8月に韓国を訪問した武大偉アジア担当副部長(次官級)が「歴史問題によって友好協力関係が損なわれることを防止しよう」とした5項目の口頭了解に合意が出たことでひとまず収束したものの、いまだに燻っている問題である。

北朝鮮の反発も強い。中国との軋轢を経て北朝鮮「高句麗古墳群」も世界遺産に同時登録されたが、高句麗問題では韓国と共同歩調をとる動きを見せている。また、韓国の学会が世界遺産問題で北朝鮮への支援を訴えたように、韓国政府や世論も南北共同で対処するムードが広がっている。

中国における一連の高句麗史研究については中国社会科学院が「東北工程」(東北辺境歴史と現状系列研究工程)と呼ばれる国家プロジェクトにより進めている。1996年重点研究課題に決定、2002年から本格的に開始した。5年間の同プロジェクトにかける国家予算は200億元(約3000億円)といわれている。


  近頃は、「高麗も中国の王朝」だと言い始めているらしく、朝鮮人の国がいっしょになってこれに抗議しています。
  日本における「自虐史観」や、アメリカやオーストラリアが非難する「従軍慰安婦問題」と同様、このような過去をほじくり返す作業というのは、ほとんど全てが政治的意図を持っています。中国の意図は何かといえば、もうこれは朝鮮半島の領有しかありません。
  北朝鮮を取れば、中国は念願の日本海への港を手にするばかりでなく、やがては韓国も飲み込み(その作業が着々と進行中なのは●こちらの記事で述べたとおり)、太平洋を間近に臨む場所に軍事拠点を得ることができるのです。
  中国はあの通り人口が多いだけでいつ四分五裂するか分からない国ですから、外に向かって拡大することで国内の不満をそらしたいという動機は常に持っています。チベットや東トルキスタンに対する政策などもそういう動機に基づくものです。対外進出の本質は、「国内問題を国外進出で解決する」ことに他ならないのです。
  北朝鮮には陸軍が110万人いますが、ソ連が崩壊した冷戦後は、これが鴨緑江を挟んで中国と真正面から向き合わなければならないという事態に陥りました。鴨緑江は●こちらのリンクにもあるように、冬になると歩いて渡れる川であり、普段も水位が低いので、とても要害とは呼べない代物です。
  北朝鮮の首脳部が「このままでは中国に食われるのではないか」と怖れたとしても何の不思議もありません。

  そこで、1994年に北朝鮮はNPT(核拡散防止条約)脱退を宣言するわけです。

  これもおかしなもので、なぜ秘密裏に核開発を進めて、突然「うちは核保有国なんです」という風にやらないのでしょうか。「北朝鮮はならず者だ」などとしたり顔でいう人がいますが、本当のならず者だったら、こんなに律儀に条約からの脱退を宣言して、核開発を大々的に宣伝するようなバカ正直な真似はしません(インドが核実験をしたタイミングを思い出すと良い)。
  その後、●KEDO(朝鮮半島エネルギー開発機構)などというものも作られて、北朝鮮にエネルギーを援助してやったりもしていました。しかし、これもおかしなもので、本当に北朝鮮が危険な国で、核開発を本気で止める気があるなら、強力な経済制裁を科す、たとえば、日本の朝鮮総連やパチンコ資本からの送金をストップするような行動に出ればいいはずです。南アフリカなんて、人種差別政策をやってるからという理由だけで経済制裁されています。イラクなんて、作ってもいない大量破壊兵器をネタに米英に戦争をしかけられました。
  それなのに、国際社会、特にアメリカがなぜここまで北朝鮮に甘いのか、不可解極まりない話です。

  しかし、そもそも「北朝鮮が駄々っ子であり、核開発は援助を引き出すネタだ」という前提を置くから訳が分からなくなるのです。
  全てのメディアによる解釈や推測を取り去り、ただ人口などのデータと、各国が公表した事実と、地理的な位置づけだけを頼りに考えれば、「北朝鮮は、アメリカ公認で中国を脅し続けている」、もっと言えば、「アメリカは北朝鮮を利用して中国を牽制している」ということが分かってくるはずです。
  その辺の詳しい事情は、●この記事や、●この記事あたりで説明しているので、時間がある方はご覧下さい。

  では、そういうことがなぜ日本では公表されないのでしょうか。

  簡単に言えば、「それを言ったらおしまい」だからです。誰にとっておしまいなのかというと、アメリカにとってです。
  
  北朝鮮はアメリカの寵愛を受けた「同盟国」であるという認識が浸透すると、KEDO設立から、昨今のテロ国家指定解除までの一連の流れが、全て米朝の八百長であり、日本からカネを引っ張り出すための茶番劇だということもばれてしまいます。
  そうなると、アメリカに全面的に防衛を依存している日本に、「アメリカに依存してはいけない」という機運が盛り上がってくるかもしれません。
  そればかりでなく、アメリカの意を受けて国内の政治を歪めてきた自民党町村派を中心とする「親米保守」という人間達の権威が一気に地に墜ちます(まあ、そうでなくても十分おかしな連中だということは認識されてきているようだが・・・)。
  これでは、アメリカが日本を飼い犬として手なずけておくことができなくなってしまいます。
  日本のメディア関係者のことですから、本気で「北朝鮮はならず者だ!」などと信じているバカもたくさんいるのでしょうが、それを含めてアメリカによる現行の「国際秩序」の維持に役立っていると言えるでしょう。

  では、中国はどうなのかというと、中国も中国で、日本が自主防衛に目覚めてしまうと、よけいな負担が増えてしまうので困るわけです。
  だから、今は何も知らずに日中友好でいてくれたり、もしくは「中国は反日だァー」みたいなノリで管を巻いている程度でいいのだと思っているに違いありません。
  
  国際社会では、お互いニコニコ笑っていても、テーブルの下では足を踏んづけて相手を牽制しているということがよくあります。北朝鮮を巡るアメリカと中国の角逐は、まさにそういう場面の一つです。
これは、日本という「目覚めたら困る国」を抱えていない東欧やコーカサスの問題で、アメリカや英語メディアが正面切ってロシアを非難していること比べてみるとよく分かるでしょう。
  北朝鮮も、あの国なりに必死にサバイバルしようとして、ダイナマイトを全身にくくりつけてライターを構え、「いつでもおまえを道連れにできるんだぜ!」とばかりに、中国という巨人に立ち向かっているのです。
  別にそれを美化したり、日本がそういう争いに積極的に加わることをよしとするわけではありませんが、世界のどの国々も自分だけでも生き残ろうと日夜必死に頑張っているわけですね。
  北朝鮮を「核開発をする愚かで反社会的な国だ」という色眼鏡で見てしまうと、そういうビビッドな現実が見えなくなってしまいます。
  それどころか、一発60億円もすると言われるクソの役にも立たないミサイルディフェンスシステムを税金で買わされたり、北朝鮮相手に威勢の良いことを言ったりやったりしている政治家(たとえば小泉純一郎や安倍晋三、小池百合子)に騙されてたりしてしまうことにもなります。
  このブログが、そういう色眼鏡を外す一助になることを祈っています。

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