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2009.05.09(Sat)

農地は大丈夫なのか? 

  なかなか時間がなく、コメントにきちんと返信ができなくて済みません。
  少し古いニュースを扱います。コメント欄にてご紹介いただいた話題です。

農地法改正案が衆院委で可決、今国会で成立へ
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090430-OYT1T00841.htm

 農地借り入れ制限の緩和などを柱とする農地法改正案が30日、衆院農林水産委員会で自民、公明、民主3党による共同修正のうえ賛成多数で可決された。

 修正案は大型連休明けに衆院本会議で可決され、今国会で成立する見通しとなった。

 改正案は農地の利用権を原則自由化する内容で、農地法の大幅改正は約39年ぶり。修正案は企業が農地を借りる場合、役員1人以上を「農業の常時従事者」とすることを義務付けるなど企業の農地利用に一定の歯止めをかけた。


  今まで、日本の農業は、所有者が耕作するということを第一の条件としてきました。大地主や大企業が、実際に農業に従事する人間に対して過酷な支配をするのを防ぐためです。
  コメント欄でも指摘がありましたが、この法案で、、企業の農業経営参入の突破口が開いたのは間違いありません。個人の農家には、農薬や化学肥料を用いる近代的な農業をやるとなると、生産性で大企業には太刀打ちが出来ないからです。農家向けの金融を担っている農協と、その資金源である農林中金を潰されれば、間違いなくグローバル企業の草刈り場になります。
  グローバルだろうとローカルだろうと、貨幣価値を追求する企業の目的は、利潤の追求にあります。どうすればそれが実現できるか、というのは、非常に簡単です。売り上げを大きくし、経費を小さくすればいいのです。たとえば、現在でも行われているような「研修生」の名目で、フィリピンやカンボジアや中国から、日給2000円でも働くような人びとを労働力として投入すれば、
  現在では、積極的にそのような動きを推進するための制度はありませんが、今の政権や与党の姿勢、たとえば、●実力者が「移民を1000万人入れる」と宣言していることなどからすると、早晩そういう方向に舵を切ることは想像に難くありません。●共産党の機関誌の指摘は決してオーバーなものではないでしょう。
  地方で党勢を拡大している民主党がなぜこれに賛成したのか、正直理解しかねますが、農協サイドから休耕地利用の柔軟化という要望が上がっていたのかも知れません。個々の農家も、農地の賃料で楽をして収入を得ようという人が少なくないのかもしれません。そうだとしたら考えが甘すぎるでしょう。今回は利用権の拡大のみに論点が絞られましたが、いずれ所有権取得も容易になるような枠組みができてくるはずです。
  アメリカやオーストラリアで化石帯水層が底をつき始めており、今後世界で淡水がきちんと利用できる先進国は日本くらいなのですから、外国の金融資本など絶対に日本の農地や水源林を狙ってくるはずです。もっと警戒のレベルを上げた方がいいのではないかと思います。

  そこで、提案をしておきます。

  まず、農地法の1条になんとか耕作者所有の原則が残ったのですから、野党側は政権を取ったらすぐにでも農地法を再び改正し、地方に在住する農家が直接耕作をするという原則を守らせるようにすべきです。
  しかし、それだけでは離農者が多いという昨今の農村の問題は片付きません。やはり、農業をやれば安定した暮らしが営めるという保証が必要です。具体的には、以下のようなものをより充実させていくということです。

農業再生法案 民主 きょう趣旨説明/与党 財源問う構え
http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/modules/bulletin/article.php?storyid=2604

 民主党が提出した「農林漁業・農山漁村再生改革法案」の趣旨説明が30日、衆院農林水産委員会で行われる。第1次産業全体を対象とする戸別所得補償制度導入を柱に農政転換を掲げるもので、与野党で激しい論争が繰り広げられそうだ。審議は5月の連休明けにもスタートする。

 焦点の戸別所得補償制度について、民主の筒井信隆「次の内閣」農相は趣旨説明で「施行後4年をめどに段階的に講じる」方針を表明。農林水産業を人間生活に不可欠な食料からバイオマス(生物由来資源)原料までを供給する産業と位置付け、食料自給率を10年後に50%、20年後に60%に引き上げる目標を掲げる。

  
  これを少し手直しして、個人営農者を優遇していく方向で補助を拡充すれば、離農に歯止めがかかるでしょう。化学肥料や農薬といった、外国からの資源がないと成り立たない道具を使わない農家には補償を厚くしたり、税制を優遇したり、やり方はいくらでもあります。
  本来であれば食糧生産は消費地の近くで行い、地域レベルでの循環を目指すべきです。そう考えると、政府からのカネで個人が生活の糧を得るという仕組みには諸手を挙げて賛同はできませんが、今の段階で農家を減らさずに自給率を上げるとなると、これくらいしか手段がありません。いつもこのブログで言っているように、政府の力でゲタを履かせるのは、あくまで急激な日本社会の崩壊をスローダウンさせるための方法だと割り切るべきでしょう。
  ザイゲンはどうするとほざいているバカな与党がいるようですが、外為会計の特別会計など、削れるところはまだまだあります。それどころか、農村整備の名目で全く農業の役に立っていない農林予算を組み替えるだけで1兆や2兆は捻出が可能だったりします。民主党内には●バカな与党に同調してバラマキバラマキ連呼している御仁もいるようですが、このバカは農家あたり日本円換算で400万円(山間地だと500万円程度)を超える所得保障をしているスイスが、国際競争力ランキングでトップクラスだということを知らないのでしょう。
  くどいようですが、このような農業支援策は一時しのぎに過ぎません。今は暴風雨が吹き荒れる時代です。もともと需要が少なく、労働の成果を安く買いたたかれがちな地方は衰退の一途をたどっています。
  ●地域通貨で市町村レベルの経済循環を作り出そうにも、自然の力で生活に必要な物資を生産していける地域に人が集まらなければ(というより、都会から分散しなければ)仕方がありません。
  非常に極端な言い方ですが、野党が政権を奪取したら、やるべきことは次の二つだけでも構いません。

★離農を防いで徹底した地方破壊の流れを止める
★労働者派遣制度の見直す

  この二つをきちんと実行するだけでも、日本国内の需要減少に歯止めがかかり、社会不安の増大も押さえることができます。
  グローバリスト企業や外国資本に支援を受けている自民党や、それを補完するために存在している公明党には、この二つはやりたくても絶対にできないお家の事情があるのですから、それだけで相当期間政権が持つことでしょう。
  先ほど挙げたような獅子身中の虫は、その後料理すればいいのです(笑)。

  本当にしつこくて済みませんが、このような政策はあくまで弥縫策です。

  ●この記事●この記事で指摘しているように、自然や弱い立場の人間を奪い尽くして経済成長を達成するシステム自体が今後成り立たなくなる可能性が高いのです。そうだとすれば、我々が本当にやらなければならないことは、地域単位で経済を循環させ、自然という巨大な元本が生み出す「利子」(農作物や木材資源など)を利用して生活していける仕組みを作り出すことです。
  もっとも、いきなり大企業による農地支配を許したり、移民が1000万人流入してしまったりすれば、そんな方向へ移行する間もなく我々自身が滅びてしまうかもしれません。だから、今はその流れに歯止めを掛けつつ、近代的な経済システムが破綻する時に備えるべきだということです。
  当たり前ですが、競争を活発にすることや、効率化を極限まで推し進めることで、現在の難局は乗り切れません。我が国が内外に渡って競争を活発にし、効率的に利益を追求していった結果、農村が荒廃し、自給率が低下しているからです。まずは、そこに手当をすること、話はそれからでしょう。

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