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2009.02.22(Sun)

最後の成長神話、終わりの始まり(2) 

  ●最後の成長神話、終わりの始まり(1)の続きです。

  中国は放っておけば勝手に崩壊する、という風に私が断言したのは、こういう事情があるからです。

深刻な干ばつ、最高レベルの警報を初めて発令―河南省
http://www.excite.co.jp/News/china/20090201/Recordchina_20090131022.html

2009年1月30日、中国気象局によると、河南省気象局は29日、同省内の大部分の地域で今後1週間引き続き干ばつが継続するとして、気象警報制度導入以来初めて、最も深刻なレベルの干ばつ警報を発令した。中国新聞社が伝えた。

昨年11月以降、同省の降水量は極端に少なく、08年11月1日から09年1月26日までの同省全体の平均降水量は例年より79%も少ない11ミリに過ぎなかった。降水量が少ないことに加え、気温も例年より高く推移しているため、干ばつ被害を受ける地域が拡大しており、すでに全省の小麦の作付け面積の63.1%が影響を受けているという。

同気象局では「今後半月程度はまとまった雨の降る兆候が見られない」と予想しており、関連部門に対し、干ばつの予防対策の強化を呼びかけている。


  河南省は中国北部の穀倉地帯として知られている地方ですが、この地域だけが干ばつに悩まされているわけではありません。もう一つ引用します。

江西省で歴史的干ばつ、都市部水道や河川物流に影響
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=1119&f=business_1119_015.shtml

  江西省は10月上旬から11月上旬にかけて、省平均降水量が9ミリと、例年の10%程度だった。このため、省内最大の河川の〓江の南昌市内の観測所では15日、史上最低の水位を記録。その他の撫河、信江、修河など主要河川でも異常な低水位が続いている。(〓はへん部分が「章」、つくり部分は「夂」の下に「貢」)

  省都の南昌市では、給水量の減少で水圧が低下、一部の高層マンションなどで水道の水が出にくくなったため、市当局は青雲浄水所にポンプを増設するなどして対応。水消費の大きな企業には操業停止や時間短縮を行わせて、生活用水を確保している。

  省政府によると、水位低下で〓江の航路幅が狭まり、南昌市部分では船舶の渋滞が発生している。このため、河川交通の管制を強化し、食品などの輸送を優先させているという。


  江西省の位置は●こちらのリンクでご確認下さい。中国の南部というのは、降水量が比較的多く、長江や珠江といった大きな川がありますから、水が豊かだという印象があるのですが、それでもこんな感じです。
  また、この記事は昨年秋の記事ですから、今年になっていきなり始まった現象ではないということもわかります。

  このような干ばつは、近年の異常現象なのかというと、決してそういうわけではありません。中国全土で砂漠化が進行しているからです。

中国の砂漠化の現状
http://ecogis.sfc.keio.ac.jp/desert/2006/09/post_10.html

現在,中国における砂漠化面積は,262.2×104km2,国土面積の27.3%を占める。その範囲は18市471旗(中国の県と同レベル、日本の市町村相当)に及び,年間540億元(約8,100億円)の損失を生じている。

場所により砂漠化の要因が異な(中略)る。なかでも風食砂漠化の進行速度は年々早まっており,1960年代には1500 km2/年のペースであったものが,2000年以降は3000 km2/年のペースで砂漠化面積は拡大している。


  風食というのは、耳慣れない言葉です。以下に説明を引用します。

砂漠化(さばくか)の主な原因は3つあるよ
http://www.alrc.tottori-u.ac.jp/sabaku/sabaku05.htm

 砂漠化(さばくか)の直接の原因の一つに風があります。風は土を動かす働きを持っています。この働きにより、肥沃な土(表土)が奪い去られてしまうと、植物の根があらわれて枯れてしまいます。また表土が失われた場所は、植物が必要な水や養分を十分に与えることができないので、植物の育ちは良くありません。
 さらに、風が吹くたびに、残っている肥沃でない土砂も奪われ続けるので、植物は育つことができません。このように風が土砂を運び去ることで砂漠化(さばくか)がおこるわけです。

 ところで、風によって運び去られた土砂はどこに行ってしまうのでしょう?消えてしまうはずはないのでどこかにあるはずです。広い範囲に散らばっているとちょっとホコリっぽいですが、まあ、あまり大きな問題にはなりません。
 
 しかし、狭い範囲にたまってしまうとたまった範囲の土地をたまる前と同じようには使えなくなってしまいます。家や農地が土砂に埋もれてしまうと大変ですね。たまる土砂の大半は表土ではないのでたまった場所に植物を植えても育ちが良くありません。
 さらに風が吹くたびに土砂が運び込まれ植物は埋もれてしまい育つことができません。このように風が土砂を運び込むことでも砂漠化(さばくか)がおこるわけです。

 このように風は、土を運び去ることと運び込むことの二つの方法で、砂漠化(さばくか)を進めます。

 春先に日本にやってくる黄砂は、ユーラシア大陸の中央部における砂漠化(さばくか)の影響を受けて、どんどん激しくなってきています。日本、中国、韓国、モンゴルが黄砂対策を一緒になって考えています。


  日本は山地が多く、複雑な地形をしている国ですが、それがこのような風食を受けずに済んでいる要因の一つでもあります。ところが、中国の場合は、だだっ広い平原があちこちにあるので、風の力がなかなか弱まりません。
  さて、中国政府もそういう現状をただ見ているわけには行かないということで、あっと驚く対策を考えています。

中国の「南水北調プロジェクト」
http://www.spf.org/sjcff-j/nansui/c_web/cweb_frm1.html

 中国の水資源総量は約28000億立米であり、世界の第6位を占める。しかし国民一人平均の水資源量は僅か世界平均の1/4しかなく、世界では第88位を占め、水資源の欠乏国に属する。
  そして中国の水土資源の分布はバランスしていない。長江流域、長江以南の各河川の徑流量が全国の80%以上、耕地面積が全国の40%を占め、中国においては豊水地区に属する。それに対して黄河、淮河、海河の三大流域と西北の内陸地域は面積が全国の50%、人口が全国の36%を占めるが水資源量が全国の12%しか占めず、中国においては渇水地区に属する。西北地区と華北地区の鉱産物資源が豊富で中国のエネルギー、穀物、綿、食油の生産基地であり、国民経済において重要な戦略的地位を占めている。黄河平原、淮河平原、海河平原及び膠東半島は中国の人口密集地であり、耕地化率が高く、経済の発達地区に属する。現在水資源の欠乏は経済発展の制約要因となり、生態環境の悪化をもたらしたので、引水は解決しなければならない課題となっている。
  1950年代に「南水北調」という構想を出されてからすでに数十年間に亘って研究を重ねてきた。南水北調の全体構想としては、長江の上流、中流、下流からそれぞれ取水し、西北地区と華北地区の各地に引水する南水北調西線、南水北調中央線、南水北調東線の三つの引水線路である。

  南水北調



  長江の水を北部に引っ張ってくるという壮大なプロジェクトです。隋王朝の作った大運河を彷彿とさせます。確かに、この計画の通りに水を引っ張れば、先ほど挙げた河南省など、渇水に悩まされている北部の穀倉地帯にも水を供給することが出来そうです。
  しかし、その引っ張ってくる「水」が問題なのです。

長江:「黄河の二の舞」を危惧、汚染が深刻化
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2004&d=1013&f=national_1013_004.shtml

  長江(揚子江)の汚染問題が深刻さを増している。「現在、環境保全しなければ、10年以内に黄河のような状態になる」と強い警告を発している。12日付で中国新聞社が伝えた。

  中国発展研究院の艾豊・院長は、「長江の汚染状況は、人々の想像をはるかに超えている」と憂慮を示し、さらに、「現状を招いたのは、すべて人間の手によるもの」と述べ、早期の対応の必要性を強調した。

  現在、問題視されているのは以下の6点。1.森林面積の減少。2.河川に流入する土砂の増加。3.生態環境の急激な悪化。4.水質の悪化。5.固形廃棄物の河川への投棄。6.湿地面積の縮小

  全国政治協商会議(政協)常務委員を兼任する人口資源環境委員会の陳邦柱・主任は、参加した「長江保護運動」の開始式典の中で、「長江の上・中流域で行われている森林の乱伐が、土砂の流出や洪水など、自然災害を誘発し、中・下流域に住む人々の生活を脅かしている」と指摘。

  また、「中・下流域の経済発展を野放しにした結果、工場用水が天然の排水溝として長江に流れ込んでおり、これが深刻な汚染を引き起こしている」と語った。



  中国第三の大河である淮河(わいが)も同様の状況です。

淮河:漁民「魚を食べる勇気ない」、深刻度増す
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2004&d=1006&f=national_1006_007.shtml

中国中部を東西に流れる淮河で、水質汚染がますます深刻になっている。地元の漁民でさえ、「捕った魚を食べる勇気はない」と敬遠するほどだ。5日付で新華網が伝えた。

  淮河は北の黄河と南の長江の間を西から東に流れている。中国有数の大河の一つだ。1970年代には年間130トン以上の漁獲高を記録するなど、有数の淡水漁場だった。また、「養殖基地」としても重要な水系だ。

  しかし近年、工場汚水の排出量が急増している。03年の汚水排出量は123万トンだった。このことが生態系に大きなダメージを与えている。

  昔を知る人々は、「水がきれいだった頃、川には魚があふれていたものだ。生活も川に頼っていた。しかし、今は水も飲めない、魚一匹を見るのも難しい」と嘆き顔だ。

  漁業の不振により、漁師の「商売替え」も目立つ。「魚が捕れないから食べていけない」「養殖をやるために池を掘っても、汚水がしみこんでくるから駄目」などの理由から、出稼ぎに行く人が多い。

  流域沿いの家庭の食卓も変化を見せている。多くの人が淮河産の魚を嫌い、他地方で捕れたものを利用している。また、医者も「重金属や鉛などに汚染された魚はガンを引き起こす。決して食べてはいけない」と警告を発している。

  阜陽市水環境監督管理センターの王揮・技師は、「淮河の水質は、五段階で表示される数値のさらに下を行くレベルだ。工業用水や灌漑用水にも利用できない。残念ながら、自己浄化能力をすでに失っている」と語った。


>地元の漁民でさえ、「捕った魚を食べる勇気はない」と敬遠する

>「養殖基地」としても重要な水系

>「重金属や鉛などに汚染された魚はガンを引き起こす。決して食べてはいけない」


  この部分を読んだ後、●こちらのリンクの文章を読んでみて下さい。

>20世紀の後半,巨大な水産動物タンパク資源が中国の内水面域に出現したと
>言っても過言ではありません。FAOでは中国の淡水魚の伸びを根拠に
>2010年には世界の漁獲量の25%を,世界の養殖魚生産量の65%を,
>淡水魚が占めると推定してます。


  安い値段で提供されている白身魚のフライや「フィッシュバーガー」の類は、あまり口に入れない方がいいようです。

  立て続けにいろんな記事を引用してきてしまいましたが、まとめるとこんなところでしょう。

▲中国は極端な水不足に見舞われている
▲大半の河川の水は汚染されており、飲用には耐えられない
▲そのせいで、農産物の収穫が減少するおそれがある


  これらを総合すると、出てくる結論は一つしかありません。今後中国は、世界中の小麦を中心にした穀物を買いあさるという行動に出るということです。
  現在でさえ、中国は食料自給率が95%しかありません。「しかありません」と書くと、「日本は40%しかないじゃないか」と言い出す人もいるかもしれませんが、中国の人口は公称で日本の10倍です。日本に直すと、食料自給率の半分に相当する食料が不足しているのです。これがさらに1~2%減少しただけでも、世界的な穀物市場の需要が逼迫することは目に見えています。
  頼みにしている南水北調プロジェクトも、公共事業としての役割は果たせるのでしょうが、水資源の偏在という現象を解決することにはならないでしょう。「人々の想像をはるかに超えている」ほど汚染された水がやってきて、喜ぶ人はいません。
  前回の記事で紹介した「大学生を干ばつ対策で河南省に派遣する」というのは、そういう中で出てきた「対策」なのです。つまり、もう中国には打つ手がないのです。だから、お為ごかしをして国民のめを少しでもそらそうとしているわけです。

  ではそもそも、どうして、こんな状況になってしまったのでしょうか?

  長江のことを書いた記事の中で、中国の当局者が、

>現状を招いたのは、すべて人間の手によるもの

  ということを言っています。
  全くその通りなのですが、ではその「人間の手による」汚染を中国が解決できるのかというと、99%無理だというのが私の考えです(なぜ1%の可能性があるのかは、次回述べます)。
  もう1回続けて、このシリーズを締めくくります。それでは、次回をお楽しみに。

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