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2009.01.30(Fri)

アニメと「近代=グローバル経済」 

  私は子供の頃から、●聖闘士星矢(音が出ますのでクリックする人は気をつけて下さい)というアニメが好きだったのですが、そのアニメ業界も昨今は国際社会の大波に揺られて大変なようです。

日本のアニメが世界に「売れない」 生き残りの道は
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0901/28/news115.html

不況や市場の飽和で、日本のアニメが世界で売れなくなっている。アニメ市場縮小の時代をどう乗り切るか――テレビ東京は米国の動画投稿サイトを活用し始めた。

 日本のアニメが世界で熱狂的に受け入れられる――そんな時代が、過去の物になりつつあるようだ。

 世界同時不況やネットの違法配信の影響などで、北米市場は「ぼろぼろ」、欧州市場も厳しく、中東やアジアなど新市場も期待薄。「このままでは、日本のアニメを日本の市場だけで売る一昔前に戻るかもしれない」ほど事態は深刻だ。

 逆風下での生き残りをかけてテレ東は、米国の動画投稿サイトでアニメを配信するなど、新たな取り組みを進めている。

「こんなものでも買うんだ、という作品も売れていた」が……

 日本アニメの海外進出は、「新世紀エヴァンゲリオン」(1996~97年)を機に急拡大したという。それまでは「金髪のジェニー」や「ムーミン」といった、海外を舞台にした“無国籍アニメ”が受け入れられていたが、エヴァは日本のアニメとして歓迎され、市場を一気に広げた。

 97年ごろから「ポケットモンスター」が海外でメジャー作品化。02年には「遊戯王」がさらに市場を拡大し、日本のアニメは売り手市場に。「こんなものでも買うんだ、と思うようなアニメがセットで売れていった」。02年以降、「NARUTO」も世界的にヒットし、海外のティーンエイジャーや「OTAKU」層の心をとらえた。

 その後は「ケロロ軍曹」「ブルードラゴン」といったタイトルが海外展開を開始・準備しており、09年までは、NARUTOまでの作品が広げてきた海外ファンからのニーズを、複数のタイトルで支えている状況が続くと岩田さんはみる。

 だが市場はすでに飽和状態。「10年以降、世界市場が縮小するというシナリオが、容易に想像できる」

 市場の飽和に加え、世界同時不況や各国の事情、動画共有サイトの違法配信が、日本アニメ輸出に暗い影を落としている。

アニメ輸出、米国も欧州もアジアも厳しい

 アニメ業界も、世界同時不況の波をかぶっている。輸出産業として円高の影響を受けている上、最大の輸出市場だった米国や欧州も不況のまっただ中だ。

 市場環境の厳しさに加え、米国では、地上波放送で日本アニメの視聴率が低迷。地上波放送局は、日本アニメの暴力的な内容や、グッズ販売を前提にした構成を嫌い始め、アニメへのニーズ自体が低下しているという。

 日本のアニメ配給を手掛けてきた米国の「4Kids TV」は、FOXテレビのアニメ枠から撤退。アニメ専門チャンネル「Cartoon Network」も一時日本アニメから全面撤退した。Cartoon Networkは、「オタク向けの『Adult Swim』(14歳以上限定)で一部復活した」が、ポケモンやNARUTOレベルのヒットは望めない状況だ。DVD市場も厳しく、「全米で400本しか売れないタイトルもあった」という。

 欧州も状況は厳しい。もともと自国文化の育成に力を入れている国が多く、海外アニメを放送できる枠が少ない中で、「買ったものの放送できず、手つかずのタイトルが山のように残っている。新しい物がいらない状況」。言語や文化のギャップも大きいという。

 成長市場として期待していたアジアや中東諸国も、不況の影響で「マーケットがひどい状態」。中東では「各国の投資庁が昨年、アニメ投資を発表していたが、頓挫している」という。

 さらに、違法配信サイトや動画共有サイトの台頭が、地上波テレビを中心としたアニメのビジネスモデルを破壊。「日本でアニメを放送された翌日には、現地語の字幕を付けてネットにアップされてしまう」ため、日本で放送終了した作品を海外に販売するころには、海外ファンはすでにそのアニメを見ており、視聴率が取れなくなる。「成功の方程式――テレビメディアのビジネスモデルが崩れた」

国内アニメ産業、06年をピークに縮小

 国内でも、アニメが置かれた状況は厳しい。日本動画協会の発表によると、国内アニメ産業の総売上高(海外販売も含む)は06年がピークで、07年には前年を割った。

 「アニメ業界にはマイナス要素の方あまりにも多すぎる」と岩田さんは指摘する。マイナス要素とは、(1)地上波テレビが不況に入った(日本民間放送連盟加盟127社のうち、約4割の55社が08年9月期経常赤字に)、(2)アニメは視聴率が取れないため「キー局でゴールデンタイムに放送するのは不可能」、(3)アニメ単体でヒットする作品がない――など。アニメの制作本数も激減している。

 プラス要素として唯一挙げたのは、アニメを流すメディアが多様化していることだ。BSやCS、地上波デジタルなどで多チャンネル化が進んでいるほか、ネット配信や携帯電話向け配信も盛ん。「ニンテンドーDS」や「Wii」「プレイステーション 3」などゲーム機向けにもネット配信できる環境が整っている。

ネット時代の新ビジネスの開拓へ 「Crunchyroll」で海外配信

 「危機はチャンス」――テレビ東京は今後もアニメを積極展開する方針で、ネットを活用した新たなビジネスにチャレンジしている。

 1月から、米国のアニメ専門動画共有サイト「Crunchyroll」で、「NARUTO」「銀魂」など「テレビ東京の最強コンテンツ」を、日本での放送の1時間後に有料配信。月額7ドルで、会員数は1万人を超えたという。日本のアニメチャンネル「AT-X」(月額1575円、4月から1890円に値上げ)の会員数は「10年かけて10万人になった」というから、1カ月弱で1万人を達成した意味は大きい。

 Crunchyrollを含めた3サイトで、放送の7日後に広告付き低画質版の無料配信も行っており、NARUTOの無料配信には1話平均16万アクセスあったという。

 海外向けネット配信の狙いは、課金や広告からの収入だけではない。日本での放送直後に字幕付きで配信することで、「日本で放送されたアニメに1番に字幕(ファンサブ)を付けてネット配信することに命を賭けている人たち」のやる気をそぎ、違法配信の抑制することも大きな目的だ。

 Crunchyrollには従来、権利者に無許諾のアニメも多く掲載され、問題になっていた。だが運営元の米Crunchyrollは「株主から、そろそろまっとうな企業に脱却するよう言われていた」時期。テレビ東京が合法的に人気コンテンツを提供することで、Crunchyrollが“まっとうなサイト”になる支援をしつつ、「違法行為で成長した企業がほかの違法企業を取り締まる効果も期待している」という。

 NARUTOなどは万単位のアクセスを集める人気作品だが、コンテンツによっては300アクセスしか集まらないものもあるという。「『1本10万円で売れました』の世界とは違い、コンテンツの力で利益が上がる」と手応えも感じている。

 日本では、地上波テレビのビジネスモデルがまだある程度健在とみており、国内でのアニメのネット配信には慎重だ。それでも「需給バランスは崩れ、枠が余っている。タカビーで敷居が高いテレビではやっていけない」。状況を悲観するのではなくチャンスととらえ、ほかの媒体と連携しながら新しいビジネスモデルを築いていく考えだ。
た。


  こういう「業界もの」の記事というのは、ある程度パターン化されていて少し読むと内容が「またか」というものが多いのですが、この記事はなかなか面白いところがあります。いくつか取り上げてみましょう。
  まず、この部分を見て、みなさんは何を思いましたか。

>日本のアニメを日本の市場だけで売る一昔前に戻るかもしれない

  私は見た瞬間、「は?何が悪いの?」と思わず漏らしてしまいました。
  だって、そうでしょう。日本人が、日本語で作っているエンターテインメント作品は、日本で売られるのが当たり前ではありませんか。
  どうも、日本のメディアには「国内向けより世界に向けて発信する方が高等である」とか、「国際的な競争に勝てないものはダメだ」という妙な強迫観念があるような気がします。
  日本のアニメに面白い作品が多いのは、実写にすると制約やタブーが多くて思うような作品を作れないという不満(たとえば、●この作品の実写版には、「北朝鮮」という国名が一度も出てこない)を昇華できる表現媒体であり、漫画という競争相手がいる中で、子供というおそらく前年代のうち最も飽きっぽい世代の心をいかに掴むかという一点に腐心してきたからではないかと思っています。世界での競争を意識してきたから面白くなったのではありません。
  その辺をはき違えて、文化やビジネスを論じている人が結構多いような気がします。

>市場はすでに飽和状態

>プラス要素として唯一挙げたのは、アニメを流すメディアが多様化していること

  この辺も、何かとらえ方がずれているような気がします。
  はっきり言っておきますが、提供する媒体が「多チャンネル化」をしても、需要は伸びません。ある分野の購買層というのは、それほど劇的には変化をしません。ある一定の範囲を超えれば、そこからは同業他社との共食いが始まるだけです。
  分かりやすいのは、音楽媒体です。2006年に、インターネットを利用した音楽配信事業の売り上げがCDシングル(1曲もしくは数曲を収録したCD)のそれを追い抜いたという出来事がありました。しかし、このことが音楽媒体全体の需要の増加を表しているわけではありません。この2006年まで、7年連続でCD全体の売り上げが減少しているからです。
  この7年というのは、インターネットがブロードバンドの普及という形で飛躍的に発展していった時代でもあります。それも考えると、全体の需要はほとんど変わっていないという見方が妥当だと考えられます。
  それでも、一時は物珍しさが手伝って、需要の核になる層以外の「ビギナー」が食いついて全体の需要を押し上げることがあります。Jリーグが出来た当初のサッカーグッズの需要がそうでした。
  アニメの世界的需要が増加した時期も、きっと「日本発で珍しいから見てみよう」という層が結構いたのではないかと思います。学校で話題になっているとか、友達が好きだとか、同僚にものすごいOTAKUがいるから怖いもの見たさで(笑)とか、そういうビギナー需要があったのではないか、ということです。おそらく、日本でも、●この人が漫画やアニメを好きだということで、お付き合いした人がいたのかもしれません。
  こうした動向は、個人の努力というレベル(ミクロ)ではなく、社会全体としてみた時の需要というレベル(マクロ)で決着がついている問題です。だから、永久に需要を伸ばせる業界など存在しないのです。ブログを書いている人や経済関係のコメンテーターに、「○○(企業や自治体)は努力をしているんだから、文句を言わずに努力をすればいいんだ!」という、一見してまっとうなことを主張している方がいますが、根本的に認識が狂っています。その○○が浮かんでいる裏には、沈んでいる人間が必ず存在しているのです。みんなが努力をしたところで、その問題は解決しません。不正な手段を使って誰かを蹴落とせばいいというなら話は別ですが・・・。
  ●この記事でも問題提起したように、どうも近代型の経済システムは、国家や経済主体が永久に拡大し続けることを前提にいろいろな制度が作られているのではないでしょうか。確かに、ずっと拡大し続ければそれに越したことはないのですが、地球上の自然的な資源は有限ですし、それにもまして各分野の需要はだいたい決まっていて、全体がこの世の春を謳歌できる時期というのはすぐに終わってしまうものです。
  それにも関わらず、企業活動というのは、拡大を前提にして組織や資金、設備を備えているものですから、需要が頭打ちになると、競争が過激になったり、場合によっては人員を解雇しなくてはなりません。どうも、最近はそういうサイクルがどんどん速くなっているような気がしてなりません。
  それに加えて、最近は「株主」から利益を出せ、配当をよこせという圧力が非常に強くなっています。たとえば、アニメ制作会社の「トムス・エンタテインメント」という会社には、●ノーザン・トラストという外資の投資信託会社が株主になっています。また、トムスの大株主である「セガサミーホールディングス」(ホールディングス=持ち株会社)には●バンク・オブ・ニューヨーク・メロンという外資が入っています。こういうアメリカの投資会社は非常に「せっかち」ですから、1事業年度でも利益が出ないと大騒ぎします。「株主利益の最大化」というもっともらしい言葉を掲げて、なんとか配当可能利益を捻出するようにハッパを掛けてくることもあります。企業で不祥事なんかあった年の株主総会など、それはそれは恐ろしいことになるでしょう。
  そういうわけで、役員も、株主総会を無難に乗り切(って自分の地位を守)るには、頑張って配当を出さないといけないわけです。
  こうなると、一体何のために面白いアニメを作ったり、消費者に納得のいく製品を作っているのか分からなくなります。そういう、人間を道具にするような原理に、我々の生活や人生を預けていいのかという不安が湧いてこないでしょうか。

>テレビ東京

  またこれは、大変なことになっている会社ですね。こちらの記事をご覧下さい。

テレ東、日テレが赤字転落 金融危機が直撃、民放決算
http://www.47news.jp/CN/200811/CN2008111301000786.html

 在京民放キー局5社の2008年9月中間連結決算が13日、出そろった。世界的な金融危機の影響による保有有価証券の評価損計上やテレビ広告収入の大幅減少で、日本テレビ放送網とテレビ東京が赤字に転落した。

 フジ・メディア・ホールディングスなど3社は減益だった。

 日本テレビは自動車や食品業界などのCM収入が大幅に落ち込んだため0・3%の減収。同社とテレビ東京の赤字額はそれぞれ、12億円と3億円。テレビ朝日はリーマン・ブラザーズのグループ会社が発行した債券などの評価損で約11億円の特別損失を計上した。

 10月に持ち株会社となったフジは、前年同期に特別利益を計上した反動もあり大幅減益。一方、TBSは輸入雑貨販売会社の買収や複合商業施設の開業が奏功し12・3%の増収だった。

 09年3月期連結決算の純損益は、テレビ東京が赤字転落を見込んでいるほか、4社が減益を予想している。



テレビ東京 33年ぶり赤字転落へ
http://www.j-cast.com/2008/11/05029778.html

テレビ東京は2008年11月4日、09年3月期連結決算の税引き後利益が1億5200万円の赤字になる見通しを発表した。18億8300万円の黒字予想から一転して、33年ぶりに赤字転落する。

赤字になるのは、広告収入の落ち込みが大きいとみられる。これに伴い、通期の売上高予想は1226億2800万円から1182億1100万円に、営業利益予想も30億9600万円から6億7200万円にそれぞれ引き下げた。


  もちろん、まずは下請け孫請けの制作会社に対する値引きの強要あたりから入るのでしょうが、それでもダメならなんとか儲かるビジネスを探すしかありません。アニメの配信に必死なのもうなずけるというものです。
  ●以前の私であれば、こういう記事が出てくると「高給取りのマスメディアざまあみろ」ということを書いていたと思うのですが、最近どうもそういうものの見方ができなくなりました。どんな会社であれ、まず犠牲になるのは他に生活手段のない下っ端だということが分かったからです。自分がいつ同じような立場になるか分かりません。
  そう考えると、能天気に「既存メディアは死んだ、これからはネットの時代だ」などと吹聴する気にはとてもなれないわけです。

  いつもいつもこういう感じのまとめになってしまうのですが、最近どうも、自分ではどうにもならないマクロな世界の変動によって、人間の生存が脅かされることがない経済の仕組みを作れないものか?とすぐに考えてしまいます。
  冒頭のアニメの話に戻ると、アニメの作り手というのはものすごくきつい生活を強いられています。●こちらのリンク●こちらのブログをご覧頂くとその辺の雰囲気がつかめるかも知れませんが、制作会社や取り次ぎの広告代理店は、初めから搾取産業として予定していたと言われても仕方がない現状があります。最近急激に裾野を広げた業界(たとえば介護●こちらの記事を参照)というのは、どうもこういう苛烈な体質があるような気がします。「好きだから」「人の役に立てるから」という言葉で正当化してよいものとは思えません。
  短期的には、最低賃金の引き上げや、不当な雇用体系(たとえば労働者派遣)の規制をやっていくしかないのでしょう。しかし、そういう措置も結局は政治的なものです。いつまた「配当をよこせ、利益を上げろ」とやかましい連中(要するにグローバリスト)側の巻き返しにあうか分かりません。
  だからこそ、生活の糧は糧として確保し、余裕のある部分を外部に「おすそわけ」するような経済の仕組みを作らなければならないのです。以前書いた入会地の発想もそうですし、地域通貨もそういうことを目指しています。
  最近、●こういう本も出たことですし、もしかしたら今回の金融危機といわれる騒ぎをきっかけにして、経済のあり方そのものにみんなの目が行くようになるのではないか、と期待しています。
  本当の変革が始まる日まで、いたずらに危機感を煽られることなく、なんとか生き抜いていきましょう。

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