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2009.01.30(Fri)

アニメと「近代=グローバル経済」 

  私は子供の頃から、●聖闘士星矢(音が出ますのでクリックする人は気をつけて下さい)というアニメが好きだったのですが、そのアニメ業界も昨今は国際社会の大波に揺られて大変なようです。

日本のアニメが世界に「売れない」 生き残りの道は
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0901/28/news115.html

不況や市場の飽和で、日本のアニメが世界で売れなくなっている。アニメ市場縮小の時代をどう乗り切るか――テレビ東京は米国の動画投稿サイトを活用し始めた。

 日本のアニメが世界で熱狂的に受け入れられる――そんな時代が、過去の物になりつつあるようだ。

 世界同時不況やネットの違法配信の影響などで、北米市場は「ぼろぼろ」、欧州市場も厳しく、中東やアジアなど新市場も期待薄。「このままでは、日本のアニメを日本の市場だけで売る一昔前に戻るかもしれない」ほど事態は深刻だ。

 逆風下での生き残りをかけてテレ東は、米国の動画投稿サイトでアニメを配信するなど、新たな取り組みを進めている。

「こんなものでも買うんだ、という作品も売れていた」が……

 日本アニメの海外進出は、「新世紀エヴァンゲリオン」(1996~97年)を機に急拡大したという。それまでは「金髪のジェニー」や「ムーミン」といった、海外を舞台にした“無国籍アニメ”が受け入れられていたが、エヴァは日本のアニメとして歓迎され、市場を一気に広げた。

 97年ごろから「ポケットモンスター」が海外でメジャー作品化。02年には「遊戯王」がさらに市場を拡大し、日本のアニメは売り手市場に。「こんなものでも買うんだ、と思うようなアニメがセットで売れていった」。02年以降、「NARUTO」も世界的にヒットし、海外のティーンエイジャーや「OTAKU」層の心をとらえた。

 その後は「ケロロ軍曹」「ブルードラゴン」といったタイトルが海外展開を開始・準備しており、09年までは、NARUTOまでの作品が広げてきた海外ファンからのニーズを、複数のタイトルで支えている状況が続くと岩田さんはみる。

 だが市場はすでに飽和状態。「10年以降、世界市場が縮小するというシナリオが、容易に想像できる」

 市場の飽和に加え、世界同時不況や各国の事情、動画共有サイトの違法配信が、日本アニメ輸出に暗い影を落としている。

アニメ輸出、米国も欧州もアジアも厳しい

 アニメ業界も、世界同時不況の波をかぶっている。輸出産業として円高の影響を受けている上、最大の輸出市場だった米国や欧州も不況のまっただ中だ。

 市場環境の厳しさに加え、米国では、地上波放送で日本アニメの視聴率が低迷。地上波放送局は、日本アニメの暴力的な内容や、グッズ販売を前提にした構成を嫌い始め、アニメへのニーズ自体が低下しているという。

 日本のアニメ配給を手掛けてきた米国の「4Kids TV」は、FOXテレビのアニメ枠から撤退。アニメ専門チャンネル「Cartoon Network」も一時日本アニメから全面撤退した。Cartoon Networkは、「オタク向けの『Adult Swim』(14歳以上限定)で一部復活した」が、ポケモンやNARUTOレベルのヒットは望めない状況だ。DVD市場も厳しく、「全米で400本しか売れないタイトルもあった」という。

 欧州も状況は厳しい。もともと自国文化の育成に力を入れている国が多く、海外アニメを放送できる枠が少ない中で、「買ったものの放送できず、手つかずのタイトルが山のように残っている。新しい物がいらない状況」。言語や文化のギャップも大きいという。

 成長市場として期待していたアジアや中東諸国も、不況の影響で「マーケットがひどい状態」。中東では「各国の投資庁が昨年、アニメ投資を発表していたが、頓挫している」という。

 さらに、違法配信サイトや動画共有サイトの台頭が、地上波テレビを中心としたアニメのビジネスモデルを破壊。「日本でアニメを放送された翌日には、現地語の字幕を付けてネットにアップされてしまう」ため、日本で放送終了した作品を海外に販売するころには、海外ファンはすでにそのアニメを見ており、視聴率が取れなくなる。「成功の方程式――テレビメディアのビジネスモデルが崩れた」

国内アニメ産業、06年をピークに縮小

 国内でも、アニメが置かれた状況は厳しい。日本動画協会の発表によると、国内アニメ産業の総売上高(海外販売も含む)は06年がピークで、07年には前年を割った。

 「アニメ業界にはマイナス要素の方あまりにも多すぎる」と岩田さんは指摘する。マイナス要素とは、(1)地上波テレビが不況に入った(日本民間放送連盟加盟127社のうち、約4割の55社が08年9月期経常赤字に)、(2)アニメは視聴率が取れないため「キー局でゴールデンタイムに放送するのは不可能」、(3)アニメ単体でヒットする作品がない――など。アニメの制作本数も激減している。

 プラス要素として唯一挙げたのは、アニメを流すメディアが多様化していることだ。BSやCS、地上波デジタルなどで多チャンネル化が進んでいるほか、ネット配信や携帯電話向け配信も盛ん。「ニンテンドーDS」や「Wii」「プレイステーション 3」などゲーム機向けにもネット配信できる環境が整っている。

ネット時代の新ビジネスの開拓へ 「Crunchyroll」で海外配信

 「危機はチャンス」――テレビ東京は今後もアニメを積極展開する方針で、ネットを活用した新たなビジネスにチャレンジしている。

 1月から、米国のアニメ専門動画共有サイト「Crunchyroll」で、「NARUTO」「銀魂」など「テレビ東京の最強コンテンツ」を、日本での放送の1時間後に有料配信。月額7ドルで、会員数は1万人を超えたという。日本のアニメチャンネル「AT-X」(月額1575円、4月から1890円に値上げ)の会員数は「10年かけて10万人になった」というから、1カ月弱で1万人を達成した意味は大きい。

 Crunchyrollを含めた3サイトで、放送の7日後に広告付き低画質版の無料配信も行っており、NARUTOの無料配信には1話平均16万アクセスあったという。

 海外向けネット配信の狙いは、課金や広告からの収入だけではない。日本での放送直後に字幕付きで配信することで、「日本で放送されたアニメに1番に字幕(ファンサブ)を付けてネット配信することに命を賭けている人たち」のやる気をそぎ、違法配信の抑制することも大きな目的だ。

 Crunchyrollには従来、権利者に無許諾のアニメも多く掲載され、問題になっていた。だが運営元の米Crunchyrollは「株主から、そろそろまっとうな企業に脱却するよう言われていた」時期。テレビ東京が合法的に人気コンテンツを提供することで、Crunchyrollが“まっとうなサイト”になる支援をしつつ、「違法行為で成長した企業がほかの違法企業を取り締まる効果も期待している」という。

 NARUTOなどは万単位のアクセスを集める人気作品だが、コンテンツによっては300アクセスしか集まらないものもあるという。「『1本10万円で売れました』の世界とは違い、コンテンツの力で利益が上がる」と手応えも感じている。

 日本では、地上波テレビのビジネスモデルがまだある程度健在とみており、国内でのアニメのネット配信には慎重だ。それでも「需給バランスは崩れ、枠が余っている。タカビーで敷居が高いテレビではやっていけない」。状況を悲観するのではなくチャンスととらえ、ほかの媒体と連携しながら新しいビジネスモデルを築いていく考えだ。
た。


  こういう「業界もの」の記事というのは、ある程度パターン化されていて少し読むと内容が「またか」というものが多いのですが、この記事はなかなか面白いところがあります。いくつか取り上げてみましょう。
  まず、この部分を見て、みなさんは何を思いましたか。

>日本のアニメを日本の市場だけで売る一昔前に戻るかもしれない

  私は見た瞬間、「は?何が悪いの?」と思わず漏らしてしまいました。
  だって、そうでしょう。日本人が、日本語で作っているエンターテインメント作品は、日本で売られるのが当たり前ではありませんか。
  どうも、日本のメディアには「国内向けより世界に向けて発信する方が高等である」とか、「国際的な競争に勝てないものはダメだ」という妙な強迫観念があるような気がします。
  日本のアニメに面白い作品が多いのは、実写にすると制約やタブーが多くて思うような作品を作れないという不満(たとえば、●この作品の実写版には、「北朝鮮」という国名が一度も出てこない)を昇華できる表現媒体であり、漫画という競争相手がいる中で、子供というおそらく前年代のうち最も飽きっぽい世代の心をいかに掴むかという一点に腐心してきたからではないかと思っています。世界での競争を意識してきたから面白くなったのではありません。
  その辺をはき違えて、文化やビジネスを論じている人が結構多いような気がします。

>市場はすでに飽和状態

>プラス要素として唯一挙げたのは、アニメを流すメディアが多様化していること

  この辺も、何かとらえ方がずれているような気がします。
  はっきり言っておきますが、提供する媒体が「多チャンネル化」をしても、需要は伸びません。ある分野の購買層というのは、それほど劇的には変化をしません。ある一定の範囲を超えれば、そこからは同業他社との共食いが始まるだけです。
  分かりやすいのは、音楽媒体です。2006年に、インターネットを利用した音楽配信事業の売り上げがCDシングル(1曲もしくは数曲を収録したCD)のそれを追い抜いたという出来事がありました。しかし、このことが音楽媒体全体の需要の増加を表しているわけではありません。この2006年まで、7年連続でCD全体の売り上げが減少しているからです。
  この7年というのは、インターネットがブロードバンドの普及という形で飛躍的に発展していった時代でもあります。それも考えると、全体の需要はほとんど変わっていないという見方が妥当だと考えられます。
  それでも、一時は物珍しさが手伝って、需要の核になる層以外の「ビギナー」が食いついて全体の需要を押し上げることがあります。Jリーグが出来た当初のサッカーグッズの需要がそうでした。
  アニメの世界的需要が増加した時期も、きっと「日本発で珍しいから見てみよう」という層が結構いたのではないかと思います。学校で話題になっているとか、友達が好きだとか、同僚にものすごいOTAKUがいるから怖いもの見たさで(笑)とか、そういうビギナー需要があったのではないか、ということです。おそらく、日本でも、●この人が漫画やアニメを好きだということで、お付き合いした人がいたのかもしれません。
  こうした動向は、個人の努力というレベル(ミクロ)ではなく、社会全体としてみた時の需要というレベル(マクロ)で決着がついている問題です。だから、永久に需要を伸ばせる業界など存在しないのです。ブログを書いている人や経済関係のコメンテーターに、「○○(企業や自治体)は努力をしているんだから、文句を言わずに努力をすればいいんだ!」という、一見してまっとうなことを主張している方がいますが、根本的に認識が狂っています。その○○が浮かんでいる裏には、沈んでいる人間が必ず存在しているのです。みんなが努力をしたところで、その問題は解決しません。不正な手段を使って誰かを蹴落とせばいいというなら話は別ですが・・・。
  ●この記事でも問題提起したように、どうも近代型の経済システムは、国家や経済主体が永久に拡大し続けることを前提にいろいろな制度が作られているのではないでしょうか。確かに、ずっと拡大し続ければそれに越したことはないのですが、地球上の自然的な資源は有限ですし、それにもまして各分野の需要はだいたい決まっていて、全体がこの世の春を謳歌できる時期というのはすぐに終わってしまうものです。
  それにも関わらず、企業活動というのは、拡大を前提にして組織や資金、設備を備えているものですから、需要が頭打ちになると、競争が過激になったり、場合によっては人員を解雇しなくてはなりません。どうも、最近はそういうサイクルがどんどん速くなっているような気がしてなりません。
  それに加えて、最近は「株主」から利益を出せ、配当をよこせという圧力が非常に強くなっています。たとえば、アニメ制作会社の「トムス・エンタテインメント」という会社には、●ノーザン・トラストという外資の投資信託会社が株主になっています。また、トムスの大株主である「セガサミーホールディングス」(ホールディングス=持ち株会社)には●バンク・オブ・ニューヨーク・メロンという外資が入っています。こういうアメリカの投資会社は非常に「せっかち」ですから、1事業年度でも利益が出ないと大騒ぎします。「株主利益の最大化」というもっともらしい言葉を掲げて、なんとか配当可能利益を捻出するようにハッパを掛けてくることもあります。企業で不祥事なんかあった年の株主総会など、それはそれは恐ろしいことになるでしょう。
  そういうわけで、役員も、株主総会を無難に乗り切(って自分の地位を守)るには、頑張って配当を出さないといけないわけです。
  こうなると、一体何のために面白いアニメを作ったり、消費者に納得のいく製品を作っているのか分からなくなります。そういう、人間を道具にするような原理に、我々の生活や人生を預けていいのかという不安が湧いてこないでしょうか。

>テレビ東京

  またこれは、大変なことになっている会社ですね。こちらの記事をご覧下さい。

テレ東、日テレが赤字転落 金融危機が直撃、民放決算
http://www.47news.jp/CN/200811/CN2008111301000786.html

 在京民放キー局5社の2008年9月中間連結決算が13日、出そろった。世界的な金融危機の影響による保有有価証券の評価損計上やテレビ広告収入の大幅減少で、日本テレビ放送網とテレビ東京が赤字に転落した。

 フジ・メディア・ホールディングスなど3社は減益だった。

 日本テレビは自動車や食品業界などのCM収入が大幅に落ち込んだため0・3%の減収。同社とテレビ東京の赤字額はそれぞれ、12億円と3億円。テレビ朝日はリーマン・ブラザーズのグループ会社が発行した債券などの評価損で約11億円の特別損失を計上した。

 10月に持ち株会社となったフジは、前年同期に特別利益を計上した反動もあり大幅減益。一方、TBSは輸入雑貨販売会社の買収や複合商業施設の開業が奏功し12・3%の増収だった。

 09年3月期連結決算の純損益は、テレビ東京が赤字転落を見込んでいるほか、4社が減益を予想している。



テレビ東京 33年ぶり赤字転落へ
http://www.j-cast.com/2008/11/05029778.html

テレビ東京は2008年11月4日、09年3月期連結決算の税引き後利益が1億5200万円の赤字になる見通しを発表した。18億8300万円の黒字予想から一転して、33年ぶりに赤字転落する。

赤字になるのは、広告収入の落ち込みが大きいとみられる。これに伴い、通期の売上高予想は1226億2800万円から1182億1100万円に、営業利益予想も30億9600万円から6億7200万円にそれぞれ引き下げた。


  もちろん、まずは下請け孫請けの制作会社に対する値引きの強要あたりから入るのでしょうが、それでもダメならなんとか儲かるビジネスを探すしかありません。アニメの配信に必死なのもうなずけるというものです。
  ●以前の私であれば、こういう記事が出てくると「高給取りのマスメディアざまあみろ」ということを書いていたと思うのですが、最近どうもそういうものの見方ができなくなりました。どんな会社であれ、まず犠牲になるのは他に生活手段のない下っ端だということが分かったからです。自分がいつ同じような立場になるか分かりません。
  そう考えると、能天気に「既存メディアは死んだ、これからはネットの時代だ」などと吹聴する気にはとてもなれないわけです。

  いつもいつもこういう感じのまとめになってしまうのですが、最近どうも、自分ではどうにもならないマクロな世界の変動によって、人間の生存が脅かされることがない経済の仕組みを作れないものか?とすぐに考えてしまいます。
  冒頭のアニメの話に戻ると、アニメの作り手というのはものすごくきつい生活を強いられています。●こちらのリンク●こちらのブログをご覧頂くとその辺の雰囲気がつかめるかも知れませんが、制作会社や取り次ぎの広告代理店は、初めから搾取産業として予定していたと言われても仕方がない現状があります。最近急激に裾野を広げた業界(たとえば介護●こちらの記事を参照)というのは、どうもこういう苛烈な体質があるような気がします。「好きだから」「人の役に立てるから」という言葉で正当化してよいものとは思えません。
  短期的には、最低賃金の引き上げや、不当な雇用体系(たとえば労働者派遣)の規制をやっていくしかないのでしょう。しかし、そういう措置も結局は政治的なものです。いつまた「配当をよこせ、利益を上げろ」とやかましい連中(要するにグローバリスト)側の巻き返しにあうか分かりません。
  だからこそ、生活の糧は糧として確保し、余裕のある部分を外部に「おすそわけ」するような経済の仕組みを作らなければならないのです。以前書いた入会地の発想もそうですし、地域通貨もそういうことを目指しています。
  最近、●こういう本も出たことですし、もしかしたら今回の金融危機といわれる騒ぎをきっかけにして、経済のあり方そのものにみんなの目が行くようになるのではないか、と期待しています。
  本当の変革が始まる日まで、いたずらに危機感を煽られることなく、なんとか生き抜いていきましょう。

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EDIT  |  00:26 |  経済とグローバリゼーション  | TB(1)  | CM(9) | Top↑
2009.01.26(Mon)

見よ、これが「相互依存」というものだ 

  このブログでは、「相互依存は危険だ」ということを何度も訴えています。
  ここで相互依存と言っているのは、ある国と他の国が相互に貿易を拡大した結果、もはやその関係抜きに経済や国家運営が成り立たない状態になってしまうことです。
  その最も深刻な「患者」が、我が国のすぐ近くにいます。韓国です。

検察、双竜自技術流出の捜査に二の足
http://www.chosunonline.com/article/20090125000011

 検察は経営破たんした双竜自動車の大株主である中国・上海汽車への技術流出疑惑に関する捜査結果発表を控え、対応に苦慮しています。捜査は終了した状態ですが、結果をどのように発表すべきかをめぐって、結論を出せずにいるためです。

 これまで検察は捜査結果を発表する場合、上海汽車が双竜自の経営から撤退することを懸念していました。そのため、上海汽車が今月9月に双竜自の法定管理(日本の会社更生法適用に相当)を申請したことで、検察に対するプレッシャーは軽減されたとみられています。

 しかし、今回の事件は上海汽車だけでなく、韓中両国の外交問題も考慮しなければなりません。上海汽車の過ちを強調しすぎるあまり、中国で反韓感情でも生まれれば、今後韓国の自動車メーカーが中国で営業する上での障害にもなり得ます。

 検察関係者は「上海汽車を不正競争防止法上の営業機密漏えいと背任の罪で昨年10月に起訴することもできたが、デリケートな事案だけに発表が延期されている」と説明しました。警察が容疑を具体的に明らかにしたのは、それだけ捜査内容に自信を持っていることを示しています。

 しかし、政府高官は「上海汽車は上海市政府が100%出資する公営企業のため、同社に対する処罰は中国政府との対立を招くことがあり得る」と懸念しています。技術流出問題が中国との自動車通商摩擦に飛び火すれば、韓国企業の中国での市場拡大が難しくなるというのが、韓国自動車業界の懸念です。

 知識経済部も最近、「上海汽車が持ち出した技術は大したものではないという事実を捜査の参考にしてほしい」と検察に申し入れました。

 しかし、捜査の実務担当者は容疑が明白なのにそのまま放置できないとして、強硬な態度を見せています。検察は来週にも捜査結果を発表する予定です。


  双龍(サンヨン)自動車を巡る技術流出事件というのは、こういう事件です。

上海車, 部品設計図まで‘食い逃げ’可能性
http://blog.livedoor.jp/hangyoreh/archives/395484.html

上海車(引用者注:上海汽車のこと。以下同)が自動車開発技術だけ習得して双龍車(注::双龍自動車のこと。以下同)を捨てたという‘食い逃げ’論議が順次加熱している。双龍車労組と自動車業界の一部専門家たちはすでに双龍車の技術の大部分が中国へ渡った反面、これに対する代価はまともに支払われなかったと主張している。

上海車が取得した以後4年間に双龍車が生産する車両の設計図など双龍車の技術の大部分が流出しただろうというのが自動車業界専門家たちの話だ。

キム・ピルス大林大教授(自動車学科)は「昨年双龍車を詳しく覗いて見る機会があったが実際にボルト一つまで設計図が全部中国側へ渡ったと調査された」と話した。最も表立った事例はL-プロジェクトによりカイロンの生産技術が上海車へ渡った点だ。上海車は今年上半期から中国型カイロンを中国内で生産することにした。これは一般的に韓国で部品を生産した後、中国に送って組み立てるCKD方式ではなく、部品もすべて中国内で生産する方式だ。このような点を考慮すれば部品一つ一つの設計図まで全てが中国へ渡ったものと見られる。

双龍車労組が最も問題視するのは今年下半期、双龍車が発売する計画のコンパクト スポーツ実用車(C200)技術だ。この車は双龍車初の‘モノコック ボディー’(車体がまるごと一つに連結した方式)自動車で最新技術が適用された双龍車の期待作だ。最近起きた労組の上海車役員監禁などの口実になった車両でもある。だがこの技術もすでに移っているものと見られる。実際に車両開発に使われたものは大部分が双龍車の技術だが共同開発形式を取っているためだ。生産も今年下半期に韓国と中国で同時に始まる計画だった。

問題はこういう‘技術移転’が代価さえまともに受けられないまま進行されたという点だ。上海車が中国型カイロン生産技術移転に支払った代金は250億ウォンに過ぎない。概略3千億ウォンかかる車両一台の開発費用に較べてまったく足りない。C200技術まで加えた全体技術移転費用は1200億ウォン水準だ。これに対して双龍車関係者は「普通新車開発費用は金型とライン設備設置費まで含まれるので技術移転費用と単純比較することはできない」として「今後の販売状況によって技術移転費用は大きく膨らむこともありうる」と話した。

ディーゼル ハイブリッド技術の流出は、検察が現在捜査中の事項で事実と確認された場合、韓・中間の外交問題にまで飛び火することがありうる。双龍車のディーゼル ハイブリッド技術開発は去る2003年産業資源部(現知識経済部)支援国策事業に指定され昨年までに数十億ウォンの国庫支援を受けたためだ。双龍車側は「まだ商用化に達していない初歩的な開発段階だから流出というほどの事項ではない」と説明した。


  双龍自動車を巡っては、昨年こんなことが起きています。

双龍自動車のマネジメントに苦悩する上海汽車
http://www.sc-abeam.com/mailmagazine/cho/cho0123.html

 8月 11日、韓国の双龍汽車の労働組合がゼネストを宣言し、16日に約 5,300
名の組合員が平沢工場に集まり、10% の賃上げと 550 人解雇計画の撤回を要求
する「無期限玉砕ストライキ」を敢行した。8月 9日、上海汽車から派遣され、
新たに双龍自動車の代表理事(社長)に就任した Philip Murtaugh 氏が打ち
出した「構造調整プラン」がゼネストの引き金となったものである。

 上海汽車は、双龍自動車を買収後、そのマネジメントに頭を悩ませてきた。
双龍汽車は未だに赤字状態を脱出できていないことに加え、上海汽車から提示
された上海汽車・双龍自動車による中国の合弁企業設立計画にも、「技術流出
に防止」という理由で頑なに反対してきた。2005年末には、上海汽車が 2010年
までに双龍汽車へ 25 億ドルの設備投資を実施するという計画を発表した上、
双龍自動車の自主経営権の拡大も認める方針を打ち出した。さらに、元 GM 中
国董事長の Philip Murtaugh 氏を上海汽車の副社長に迎え入れ、双龍自動車
に投入した。しかし、上海汽車のこうした努力の効果は未だに現れる気配もな
い。上海汽車の悩みは深まるばかりである。

 
  韓国の労組というのは、日本の労組が全て御用組合に見えるほど闘争心が旺盛ですが、今回に限っては、労組の自主的な判断と言うより、韓国政府が入れ知恵をして中国側を揺さぶっていると見た方がいいでしょう。
  そして、業を煮やした上海汽車側は、2009年に入って思い切った行動に出ました。

上海汽車、韓国双龍車に2千人減員を要求
http://jp.ibtimes.com/article/biznews/090109/26671.html

 中国自動車大手の上海汽車集団は8日、子会社である韓国・双龍自動車と双龍自動車の経営正常化について協議し、双龍自動車が生産第1ラインで2千人を減員しないと2億ドルを支援不可との立場を表明したと、中国のメディアが報じた。

 毎月250億ウォンの運営資金が必要な双龍自動車は、2009年4月に満期到来の負債が1千500億ウォンにいたるため、事業再編が行われないと2億ドルを支援しても双龍自動車は5-6か月しか維持できない状況と、上海汽車集団は判断している。

 それに、双龍自動車の1台当り人件費は600万ウォンで生産費の20%を占めており、業界の平均人件費の2倍に至っていると上海汽車集団は見ている。

 双龍自動車は工場敷地などの土地を売却して資金調達を図しているが、キャッシュフローの不足が大きい状況。

 双龍自動車には、2005年に上海汽車集団に買取されてから、紛争が絶えない。

 上海汽車集団はこれを国際金融危機の影響と見ているが、双龍自動車の労働組合は上海汽車集団が投資約束を履行しなかったためと思い、上海汽車集団と双龍自動車の労働組合、貸付銀行の産業銀行が三角戦争を行っている。

 上海汽車集団は減員と賃金削減を要求し、受け入られない場合は資金撤収まで考慮するとの立場であるが、産業銀行は上海汽車集団の意見は尊重するが、資金支援なしでは追加貸付は不可の立場である。労働組合は減員不可と資金の緊急調達、技術の流出禁止を主張している。


  言うことを聞かなければ潰す、ということを向こう側が打ち出してきたわけです。ものすごい角逐です。まさに、エゴむき出しの国際関係という感じで、迫力があります。
  これを、韓国と中国の産業技術を巡る「戦争」だとすれば、韓国側には必勝の策があります。それは、冒頭の引用記事で出てきた「2003年産業資源部(現知識経済部)支援国策事業に指定され昨年までに数十億ウォンの国庫支援を受けた」という部分です。これが事実なら、不正競争防止法という法律に違反したとして、上海汽車を摘発することが出来たからです。朝鮮にも日本のネット右翼や自称ホシュのような、生活感覚ゼロの国家主義者がたくさんいます(たとえば●こういう人)から、そういう連中はきっと「我が国の政府が不遜な中国企業をやっつけてくれるはずニダ!」とか、ワクワクしていたことでしょう。
  しかし、現実は冒頭の記事です。国家プロジェクト並みの技術が外国企業に盗まれていて、それに対応する法制度まであるというのに、韓国には何もできないのです。
  その冒頭の記事から、少々引用してみましょう。

>韓国企業の中国での市場拡大が難しくなるというのが、韓国自動車業界の懸念

  自動車というのは、日本でも韓国でも、近年は特に輸出依存体質の強い企業です。国内はどうなっても、国外で利益を上げればいいので、典型的なグローバリスト(国家観の枠組みを取っ払って利益を最大化しようとする個人や集団)企業と言えます。そういう連中だからこそ、国家プロジェクトに類する秘密が漏洩しても、おとなしくしていろと政府に要求するのです。
  トヨタの会長だった経団連のボスが、やたらと中国に配慮しろと繰り返していたのと全く同じ構図です。

>知識経済部も最近、「上海汽車が持ち出した技術は大したものではないという
>事実を捜査の参考にしてほしい」と検察に申し入れました。


  政府がヘタレ(というか、グローバリストの利益に忠実)なのは、日本でも韓国でも同じのようです。
  もっとも、韓国側も、いったんは中国側から資金の注入を受けたわけですから、そこでごねるというのは信義にもとるのではないか、という見方も出来ます。カネを出してもらう以上は、儲けの道具として利用されることは覚悟すべきでしょう。

  幸い、日本ではまだ双龍自動車のように、中国政府の息のかかった企業に買収されて技術を抜き取られ、資金撤収の脅しをかけてリストラを断行されるような企業は出てきていません。なぜでしょうか。
  それは、日本は韓国ほど中国との相互依存の度合いが高くないからです。
  単純にGDPのうち貿易が占める比率(貿易依存率)にしても、日本は2割弱なのに対して、韓国は7割超です。しかも、韓国は輸出・輸入相手国ともに中国が1位です。
  要するに、中国とものの売り買いをしなければ、韓国は即死するということです。だから、不当な仕打ちを受けても反撃できません。日本で言えば、トヨタのプリウスの技術が盗まれたのと同じなのにもかかわらず、何もできない訳ですから、かなりの痛手でしょう。
  外国に一方的にもたれかかるということは、そういうリスクがあるということです。相手が何処であれ、向こうはこちらを食い物にしようとしているという警戒心を持って接するべきです。

  もっとも、我が国もアメリカに有力企業を根こそぎ乗っ取られる危険があった時期がありました。商法の大改正(=会社法の制定)とともに、●「三角合併」が法制化された頃です。そういう時は、もちろん小泉政権の頃だったりするわけですが、この制度を使えば、株価だけは馬鹿高かったアメリカ企業が、日本に子会社を作り、親会社の株式を合併対価として日本の会社を簡単に買収できるはずでした。
  しかし、この制度は1年間施行が凍結されました。小林興起、小泉龍司という、いまや自民党を追放された官僚出身の議員(当時)が問題提起して、解禁を棚上げにしたのです。その1年で、日本企業は買収対策を整備し、結局アメリカ側は当初の狙いを達成することが出来ませんでした。
  それがなければ、2005年(あの郵政選挙の年)に中国企業に買収された双龍自動車のような事態が、日本でも起きていたかもしれません。日本の技術や経済力が世界トップクラスだということを誇りに思っている右寄りの人たちは、小林・小泉ふたりの元衆議院議員に感謝すべきでしょう。

  だったら、相互依存なんてやめてしまえばいいとも思いますが、そんなに話は簡単ではありません。

  日本で、いかにチュウゴク食品の危険性が周知したとしても、外食産業はいまだにチュウゴク産食材に依存しています(●こちらのサイトが参考になる)。それを一方的に非難することはできません。なぜなら、中国と日本の購買力や人件費の差を利用したくなるのは、営利企業としては当然だからです。
  すなわち、経済におけるグローバリゼーションや、キヤノンやトヨタ(経団連企業)のようなグローバリスト企業の露骨な政治干渉は、企業の論理を突き詰めた結果であり、その点においては決して「間違い」ではないということです。

  そうだとすれば、どうすれば我々の生活や、国家そのものを防衛していけるか、方法は二つあります。
  一つは、「外国を相手に徹底的に戦う」ということです。

  たとえば、中国が産業スパイをやってきたり、アメリカがカイカクしろ、門戸を開放しろと恫喝してきたりしたら、対抗措置を講じて、相手にもダメージを与えるということです。
  しかし、これをやるとなると、第二次大戦の敗戦国であるという汚名を着せられている日本は、四方八方から徹底的にいじめられるでしょう。現に我々は、毒餃子事件一つをとっても、中国側から謝罪や再発防止の約束を取り付けていません。我々には、残念ながら国際世論を左右するような手段も能力もないようです。

  もう一つは、「思い切ってリングから下りてしまう」ということです。

  これもなかなか大変です。我々は、経済は発展して当たり前だと思っている節があるからです。そうでなくても、「国がビンボーになる方がいいというのか」とか「経済発展しなければ、軍備を整えて国土を守ることすらできないじゃないか」とかいった恫喝をしてくる人間が多いのも事実です。
  しかし、●少し前の記事でも述べたように、今後石油を初めとした化石燃料の供給量はどんどん縮小し、嫌でもそういう社会に突入せざるを得ないのです。
  そういう時期に必要なのは、軍隊の最前列で雄叫びを挙げながら突進することではありません。しんがり(軍隊の最後尾)を務める部隊に頑張ってもらいながら、徐々に退却することです。これは簡単なことではありません。味方を逃がすために身体を張って、しかも退却のスピードに合わせて後退しなければいけません。合戦でもしんがりを務める部隊には、一番死傷者が多かったそうです。
  短期的には「内需の拡大」で対応すべきですが、それもおそらく限界があります。現在の日本の大企業の多くが、海外での積極展開を前提にした組織や人員を保有しており、それらを維持発展させていくためには、必ず外に打って出る必要が出てくるからです。分配を強化しろと主張している勢力(たとえば、小沢一郎や、亀井静香のような国民新党の議員)がいなくなれば、強烈な揺り戻しがきてもおかしくありません。
  だからこそ、輸入品や外部からの富の移転がなくても回していける経済システムを作り出す必要が出てくるのです。以前からこのブログでも話している「地域通貨」や、それを利用した「地域レベルの経済循環・人的交流」がそれです。
  言い換えれば、分配強化を主張する「国民経済派」にしんがりを務めてもらい、我々はその後ろで次の時代に備えた準備をしていかなければいけないということです。
  そのために何を目指せばいいか、このブログをご覧になってもヒントらしきものが書いてありますし、以下のブログも非常に参考になります。是非ご覧下さい。

晴耕雨読・ 開かれた地域共同体について
http://sun.ap.teacup.com/applet/souun/msgcate17/archive

減価する通貨が導く近代超克への道
http://blog.goo.ne.jp/banabuna

  今後ともこのブログでは、しんがりを務める人びとを応援しながら、「次の次」を見据えて、記事を書いていきたいと思います。

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2009.01.23(Fri)

オバマさんの民主党にあやかり「ニューディール」と名乗ってはみたのですが・・・ 

  「泥棒を捕らえてから縄を綯う(なう)」という諺があります。あとになってから慌てて対策を考えることのたとえです。
  しかし、縄を綯うならまだマシな方で、さんざんもったいぶった挙げ句、用意したのが「たこ糸」だというのでは話になりません。

「3年で160万人」雇用創出、ジョブカフェ増設も…自民PT
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090122-OYT1T00859.htm

 自民党の景気・雇用創出ニューディール推進プロジェクトチーム(PT、座長=佐田玄一郎・元行政改革相)は22日、初会合を開き、2月中旬までに、3年間で160万人の雇用創出を目指すとした政府方針の具体化策をまとめる方針を決めた。

 PTは、公共事業のほか、農林業や医療・介護などの施策を通じて新規雇用を生み出す考えで、各省庁に雇用対策の作成を指示した。また、失業者への相談窓口を充実させるため、若年者就職支援施設「ジョブカフェ」などの増設も検討する。

 対策の財源には、2008年度第2次補正予算で計上された4000億円の雇用創出のための基金や、6000億円の地域活性化の交付金を充て、必要があれば09年度の補正予算も検討するとしている。



>佐田玄一郎・元行政改革相

  誰だろうと思ったら、●はじめて大臣になったと思ったら、3ヶ月で辞職した人でした。今度は1ヶ月ちょっとですから、大丈夫だろうとは思うのですが・・・。

>3年間で160万人の雇用創出を目指す

  お、なかなか大きく出たなと思ったら、

>各省庁に雇用対策の作成を指示した。

  具体案は丸投げです。きっと、各省庁の高級官僚さん達は、自分たちの予算獲得や天下りに都合のいい案ばかりを持ち寄るでしょう。
  具体策を考えられないほど忙しい(衆院選の用意でそれどころではないのかもしれない)麻生政権や自民党が最近やっている仕事には、こんなのがあります。

「ゼロから考える少子化対策PT」発足
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090121/plc0901210033000-n1.htm

 小渕優子少子化担当相は20日夕、内閣府で記者会見し、従来の少子化対策を抜本的に見直して子育て世代の目線から検討するのを目的に、有識者による「ゼロから考える少子化対策プロジェクトチーム(PT)」の発足を発表した。

 月2回のペースで会合を行い、半年をめどに集約、結果を年内に改訂する「少子化対策大綱」などに反映させていく。初会合は2月初めに開く。小渕氏も「PTとともに悩み考え、一緒に答えを見つけていくプロセスを国民と共有したい」と述べた。

 PTのメンバーは次の通り。

 安藤哲也・NPO法人ファザーリング・ジャパン代表理事▽経済評論家、勝間和代氏▽松田茂樹・第一生命経済研究所主任研究員▽宮島香澄・日本テレビ報道局解説委員▽佐藤博樹・東大社会科学研究所教授。



>有識者による「ゼロから考える少子化対策プロジェクトチーム(PT)

  こういう会議が一体いくつ作られて、一体どういう成果が出たのか、●行政の無駄を徹底追求する自民党ならきちんと把握しているんだろうなと思いきや、ネット上のどこを探してもそういう検証をしているところが見あたりません。そりゃそうでしょう。自分たちの存在そのものが無駄の塊などと自白できるわけがありません。
  それ以上に、少子化だ高齢化だ税収不足だお先真っ暗だと財務省(罪務省)を中心にさんざん国民を扇動しておいて、今更「ゼロから」と言える神経の太さには感服します。「少子化を解消するために国がお見合いコンパを主催すべきだ」と発言しちゃった平和学会会員の猪口邦子サンや、共謀罪ではさすがにまずいと思い矛先をネット規制に変えてきた戦うホシュ政治家・高市早苗サン●こちらを参照)といった歴代のキワモノ、違った、強者揃いの少子化担当大臣の方々の労苦は全部無駄だったというわけです。

>「PTとともに悩み考え、一緒に答えを見つけていくプロセスを国民と共有したい」
  
  要するに、何も考えていないということです。

>安藤哲也・NPO法人ファザーリング・ジャパン代表理事
>経済評論家、勝間和代氏
>松田茂樹・第一生命経済研究所主任研究員
>宮島香澄・日本テレビ報道局解説委員
>佐藤博樹・東大社会科学研究所教授。


  そして、この人達には成果いかんに関わらず、我々の税金から交通費だの謝礼だのが振る舞われるわけです。マスコミは、どうしてこういうのを「バラマキ」と批判しないのでしょうか。不思議なものです。
  おっと、私が注目している「要注意人物」がいました。一応みなさんにもお教えしておきましょう。

>勝間和代

  あくまで予想ですが、次のカイカク派政権の「竹中平蔵」の役目を務めるのはこの人です。理由は簡単です。竹中の本が平積みになっていたタイミングと、この人のそれがよく似ているからです。1年ほど前から来るんじゃないかなと思っていましたが、やはり政府に関わるポジションに出てきましたね。
  おそらく、次のカイカク派政権(町村派+小泉チルドレン+カイカク派知事連合)の旗頭は、この人と小池百合子のコンビになることでしょう。小泉という政治家は女性の政治家を用いるのが好きです。「女子の品格で、この国を変えよう!」とか、そんな感じで売り出すと思います。

  すいません。話がそれました。要するに、そういうネタ探しになるようなことしかやっていないということです。
  さて、私は先ほど「具体策は官僚に丸投げ」と書いてしまいましたが、よく見たらそんなことはありませんでした。今回の発表の目玉になりうる、凄いプランがあったのです。

>若年者就職支援施設「ジョブカフェ」などの増設も検討

  相談窓口を増やすと、雇用が増えるらしいです。すごい理屈です。
  そんなことより、賃金デフレなんだから給料を上げろと言いたくなります。ここ10年くらいの日本は、生産性が上昇したのに給料がそのままなので、国内で慢性的に需要が不足しています。それを北米や中国向けの外需で補ってきたのが、最前の金融危機とやらでおじゃんになってしまったわけです。
  そういう構造は放って置いて、相談窓口を増やすのが、自民党の雇用対策の目玉だということのようです。
  呆れるというか、先ほどの「ゼロからはじめる」にも現れている感覚のズレ、理解のなさはわざとなのではないか?と疑りたくなるほどです。

  麻生首相自身は、積極財政には前向きな政治家で、その点は「日本が低迷しているのはカイカクが足りないからだ!」とか言っている頭のおかしい自民党政治家の中では比較的マシだと思っています。しかし、いざ動くとなると、その他大勢の議員がこんな感じですから、さぞかし大変でしょう。もしかしたら、「俺と中川(財務大臣)だけでやれりゃあなぁ・・・」とか、寝る前に風呂の中でため息をついているかもしれません。
  しかし、ご自身もカイカクだのミンエーカだの狂ったように叫んでいた某政治家の下で重鎮を務めて、そういうバカな風潮を改めようとしなかったのです。自業自得でしょう。
  せめて、●移民大好きなあのオッサン(グロテスク注意)を中心とする町村派が「右往左往する首相に三行半をたたきつけた憂国の志士たち」になってしまわないように、ちゃんと自民党を管理してもらいたいと思っています。

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2009.01.22(Thu)

「石油減耗」について 

  ●前回の記事の補足のような感じで書いてみます。
  当該記事のコメント欄で、化石燃料が不足してきたら、どういう世の中になるべきかという話が出ました。「科学技術によって新しいエネルギーを開発できればいいのではないか」という声も出ました。しかし、それは次の次の段階の話であり、まず我々は、今の次の世の中がどうなるかをきちんと知っておいた方がいいのかもしれません。
  最近物事を調べていて、ネット上の情報は、どうも「薄味」なものが多いなということを感じ始めているのですが、このリンク先のコラムは面白いです。

石油減耗で現代物質文明は崩壊する
http://www.jissensha.co.jp/opinion/20050905-1.htm

  かなり長大な記事なので、私がこれは、と思ったところだけ抜粋しておきます。私の先入観で切り取られているかもしれませんので、不安に思った方は原文を参照して下さい。

 現在の石油価格の高騰に関して、70年代に2回あったオイル・ショックと同じように考えている人がいます。しかしそれとは違うということを、まず押さえる必要があります。70年代に石油が値上がりしたのは、OAPEC(アラブ石油輸出国機構)などのアラブの産油国が、アメリカのメジャーによる石油独占に反旗を翻し、石油の生産・輸出を制限したことの結果でした。つまり人為的に生じた石油危機でした。  

 しかし、今後起きるであろう石油価格の高騰は、そうした人為的なものではありません。地球上に資源として存在する石油の産出量が基本的にピークを過ぎ、石油生産の低下が原因となった石油の高騰が始まっているのです。


  2008年中に高騰した原油価格がずいぶん下がっているじゃないか、という人もいるかもしれませんが、あの暴騰は株式市場や米国の住宅バブル崩壊の中で、行き場を失った投機資金が流入したという特殊事情があります。それを差し引いても、徐々に石油の値段は上がっているということは、●こちらのリンクを見るとよく分かります。

 資源エネルギー問題に関して考える場合、前提的に押さえておかなければならないのは、「石油にかわる代替エネルギーなど存在しない」という問題です。天然ガスがあるじゃないか、オイルサンドがあるじゃないか、あるいはメタンハイドレートがあるじゃないか、という人がいます。しかしそれはエネルギー問題の本質が分かっていない議論なのだと、石井さんなどのエネルギー問題の専門家は指摘します。 (中略)

 「エネルギー資源を理解するには、その評価基準としてエネルギーの出力/入力比が本質的である。EPR(Energy Profit Ratio)、EROI(Energy Return on Investment)などだが、残念ながら、日本では殆どしられていない。これから説明するが、この指標はエネルギー資源を評価するに、欠かすことの出来ない重要性を持っている。殆どの巨大油田はEPR60と高い。オイルピーク時1970年頃のアメリカの油田は20と低い。それも1985年は10を下回る。今では3程度に落ちているそうである。同じ石油資源もこのように、EPRの値は大きく異なる。同じ油田でも生産とともに、EPRは変化する。勿論低下する」  

 エネルギー問題は、EPRというエネルギーの入力と出力の比率で考えなければならないのです。EPRが大きければ大きいほどエネルギーとしては価値があり、EPRが1より小さいようでは、エネルギーとしては全く意味がない。  

 EPR60という巨大油田、具体的には中東の大油田というのは、地球上に存在するエネルギー資源のなかで最も良質なエネルギーであり、これに替わりうるような代替エネルギーは現時点では全く存在しないのです。このことがまず押さえられるべきです。EPRで考えると、代替エネルギーはみなコストが高すぎて、普通の人が普通のエネルギーとして使うようにはならない。ここに現代の資源エネルギー問題の本当の深刻さがあるわけです。  

 例えばカナダのタールサンドのEPRは1・5にすぎません。オイルサンド類は、石油と比べようもないぐらい「異質」で「低品質」なエネルギー資源なのです。日本で話題のメタンハイドレートも「資源と言えるかどうかすら疑問」。海水ウランについても、海水に溶存するウランの濃縮には膨大なエネルギーが必要で、とても代替エネルギーなどにはならないといいます。  

 「低品位の希薄な物質を量の大きさのみに着目し、未来の資源という話が日本には多すぎる」と石井さんは書いています。  「流行のバイオ、エネルギー農業だが、既に述べたように、現代農業は大量の石油に支えられている。このためサトウキビからのエタノールはEPR0・8~1・7と低く、トウモロコシも1・3である。またトウモロコシの残渣からのEPRも0・7~1・8と低いようである」  

 原子力発電はEPRからみてもダメです。「別の例では4・0という数字もあるが、これに対して、原子力関係者の言うEPRは、50と高いのである。この一桁の違いを説明することは、今後大きな意味を持つと思われる」
 日本の電力会社は、原発のEPRを一桁も高く算出して、原発は有効だと国民を騙そうとしている。それらから、石油代替エネルギーなど存在しないとなります。


  バイオエタノールはこのブログでもさんざん批判している(●こちら●こちらを参照)のですが、その不自然さはエネルギー投資効率という観点からも間違っていなかったようです。
  そうはいっても、じゃあこのブログが一時期熱心に押していた燃料電池ならいいのかというと、そういうわけでもないようです。燃料電池自体を作るのに石油を使わざるを得ないという事情があるからです。また、水素(気体の形では地球上に存在できない)を効率よく取り出すための方法もまだありません。
  ・・・困ってしまいましたね(笑)。

  それはともかくとして、「石油減耗」という言葉の意味を知っておきましょう。

 そもそも石油はどうやってできたのか。海中のプランクトンなどの有機物が海底に堆積し、それが砂や泥で覆われ、有機物が重なりあったケロジェンと呼ばれる物質になると考えられています。それが大陸の移動などの地殻変動によって、特殊な地層の中に閉じこめられ、圧力をかけられながら組成変化していきます。背斜構造というか帽岩という山形の蓋になっている岩の下で、根源岩と呼ばれる泥岩とか炭酸塩岩中で石油系炭化水素へと変化していくのです。  

 このようにしてできた石油は地下の圧力で上へ上へと移動しますが、背斜構造という特殊な地形のもとにあるわけですから、上にはガスが溜まり、真ん中に石油、その下に水が貯まるという構造になるわけです。  

 こうした構造からして、石油は上の地盤に穴をあけると、最初は油層に貯まった圧力で自噴します。これを石油業界では一次回収と言います。しかし、どこの油田でも、だいたい石油の層の中の20~30%ぐらいしか自噴しません。従来は自噴しなくなった時点でその油田はお終いだった。それではあまりに効率が悪い。20~30%しか回収されないわけですから、地中にはまだ何十%も石油が残っている。  

 そこで二次回収が考えられるようになります。二次回収というのは、油田に水(海水)を注入したり、ガスを押し込んだりして回収率を高めようというものですが、この二次回収によっても30~40%しか回収できない。  

 さらに石油の回収率を上げようと、三次回収も考えられています。三次回収の方法には、熱攻法とかケミカル攻法とかガスミシブル攻法とかいうのがあって、水蒸気を注入したり、界面活性剤を注入したり、炭化水素ガスや炭酸ガスを油層内に注入して、ガスと原油が完全に混ざった状態(ミシブル状態)になったものを回収する方法などがあります。  

 さらには原油を汲み上げる井戸も、真っ直ぐに掘るだけではなくて、垂直に掘った後、さらに横に掘っていく水平坑井とか、それを何本も掘るマルチラテラル井などが試みられています。  

 しかし、そうやって回収したとしても、結局人間が回収できる原油というのは、その油田の全埋蔵量の50%程度、最高でも60%程度にすぎない。三次回収までやっても、だいたい40~60%ぐらいしか回収できない。地中の油層から人間が人為的に採掘できる原油は最大でも60%であり、あとの40%は回収できずに残ってしまうのです。  

 ここからオイル・リカバリー(回収)が問題になるわけですが、問題はコストです。残った原油を回収するのには、もの凄いコストがかかってしまい全く採算がとれなくなります。EPRで言えば、残った原油を回収するために必要なエネルギーと、回収される原油のエネルギーを比較するということになります。  

 そこから石油の専門家は、「枯渇」ではなく「減耗」Oil Depletionと言うようです。油田の全埋蔵量の中で、資源として有効に回収できるものは限られている。「残っているけど、もう人間には利用できない」、これが一つの肝になることです。これが石油減耗ということの意味で、覚えておく必要があります。


  石油がなぜエネルギー源として最もよく用いられているかという答えは、究極的には「少し消費するだけでたくさん回収できる」からに過ぎないということです。 たとえるなら、時給100円で1時間当たり3000円から6000円の利益を上げてくれるのが石油という優等生だということです。その優等生を追い抜く生徒は、地球小学校(笑)の中にはまだ出てきていません。というより、多分もう出てこないでしょう。掘るだけで勝手に出てくるエネルギー源が、他にあれば別ですが・・・。
  当たり前ですが、月や火星で掘ってくるなどというのは、言語道断です。行き帰りのコストだけで莫大になってしまい、EPRがゼロどころかマイナス100くらいになってもおかしくありません。

 世界の石油需要は激増しているのに、この25年、新たな大油田が全く発見されていない。「カスピ海に油田があるじゃないか」という人もいますが、実際には大した埋蔵量はなかった。すでに石油メジャーは世界中で石油探査を行っていて、結局のところ大量の原油を効率よく回収できる大油田は、地質学的にいって中東にしか存在しないという結論なのです。中東以外の油田はそれよりは小規模なものです。  

 「既に石油生産はピークに達しており今後生産量は減退する。減退の程度は年率4~5%に達すると予想される。一方石油の需要は、今後も中国・インドも含めて経済・産業が成長すると予想され、世界の需要は年率2%前後で進むと見込まれる。この結果、今後10年間の予想をすると需要と供給とは大きなアンバランスをもたらす。2015年における世界のエネルギー需要は石油換算日量で1億6000万バーレルに達すると予想され、これに対し従来型油田から従来型技術による生産量は日量8000万バーレルと需要の半分を満たす程度に減退するであろう」

 
>大量の原油を効率よく回収できる大油田は、地質学的にいって中東にしか存在しない

  なぜ中東問題が欧米のメディアでトップを張るのか、北朝鮮の核実験よりも大きな扱いを受けるのか、これでお分かりでしょう。西洋が作り出した「奪う文明」をこれからも続けていくには、究極の話、中東を支配するしかないということです。
  そして、残念ながら、日本にはこの地域に干渉できるだけのコネクションも、武力もありません。武力があっても、マラッカ海峡からペルシア湾一帯に至るシーレーンを単独で支配していない以上、中東に支配力を及ぼすことはできないでしょう。
  また、中国がこの地域の海洋覇権を握ることをアメリカが許すわけがないというのも、上のような理由から考えれば納得がいきます。アメリカが鎖国する、という見方もありますが、エネルギー問題を観点に入れると、なかなかそういう風に切り替えができるものではないと思います。
  もっとも、そういう争いもそう遠くない未来に終わりが来ます。なにしろ、石油はもう使えなくなるわけですから。

  1956年、アメリカ、ヒューストンのシェル石油研究所の地球物理学者K・ハバートは、1970年代にはアメリカの石油生産がピークを迎えると主張した。当時は大変な反論に会った」。当時も、石油はまだまだある、経済成長は維持できるとする経済学者が多かったのです。ところが、現実はハバートが予測したとおり1970年にアメリカ48州の石油生産は頂点に達し、その後再び生産は上向くことはなかった。  

 ハバートは石油生産量のピークは、埋蔵量を半分消費したときに訪れると分析しました。ハバートは石油の生産量は横軸を年代、縦軸を年生産量とすると「左右対称のベル型」を辿ると考えた。つまり石油生産はピークを越した後、急激に落ち込んでいく、減耗していくと予測したのです。先に述べた回収率の問題とこれは関連します。  

 アメリカの場合、ハバートの予測した通りに国内の石油生産は1970年にピークを迎えて減耗期に入り、その後アメリカは石油輸入国に転換した。彼が1970年をアメリカ国内油田のオイルピークと予測したのは、その時点でアメリカ国内の全埋蔵量のだいたい半分が回収されると予測したからです。  
 こうしたハバートの理論を世界の石油生産に適用したのがキャンベルです。フランスのTOTALなどで石油探鉱に長年従事した地質学者キャンベルは、ハバートカーブを世界の石油生産に適用、オイルピーク2004年説を提唱しました。キャンベルの予測がそう大きく外れることはないと言われています。2004年ぴったりがピークかどうかはともかく、21世紀の早い段階に世界の石油生産がピークを迎え、その後、急速に石油減耗の時代に突入していくのは間違いないのです。  


  そう言われると、●先ほど紹介したリンク先の図解でも、2004年からの原油価格の上昇が著しいように見えます。
  アメリカの住宅バブルが崩壊したのが2007年初頭と考えると、ここで原油が急騰しはじめているのは投機資金の流入だという説明ができません。そうなると、この年に本当に石油産出量が真のピークを越えたと考える方がいいのかも知れません。

  実際、世界最大の油田であるサウジアラビアのガワール油田でも、石油生産の減耗が始まっています。EAGE報告に「今年7月30日に刊行されたエネルギーブレティンに掲載されたグレンモルトンの記事によれば、ガワール油田の現在の生産は日量450万バーレルで世界の総石油生産量の約5・5%を占める。もちろん最大の生産量である。そのガワール油田で汲み上げている石油に水が相当量(30ないし55%)混入してきており、また、リザーバー中の液体の圧力を維持するために海水を日量700万バーレル注入している」とあります。  

 ガワール油田でさえ、海水を注入してその圧力でなんとか原油を汲みだしている状態なのです。二次回収に入っているのです。にもかかわらずアメリカエネルギー省の報告では、2010年にサウジから日量約1400万バーレル、2020年には日量約2000万バーレルの生産が要請されているといいます。アメリカン・ウェイ・オブ・ライフを今までどおり続けるために、米政府はサウジアラビアに「ともかく石油を掘れ、もっと掘れ」と言い続けているのです。だけど、もはやガワール油田の石油生産量では、増大する世界の石油需要にこたえられない。  

 するとどうなるか。ガワール油田に次ぐ規模の油田はメキシコのカンタレル油田で日量200万バーレル。その次にクエートのブルガン油田、100万バーレル。中国のダキン(大慶)油田、100万バーレルなどが続きます。しかしいずれも30年も掘ってる油田です。しかるにここ25年、新しい油田は見つかってない。ガワール油田は45年ぐらい生産を続けています。  

 ここに次のような問題が発生します。「もし、ガワールが枯渇してくれば、それを補うために生産量を上げる他の油田もすぐに疲弊してくる」ということです。もしそうなれば、世界で使える石油はあと10年もすると、今の半分の量にもならないかもしれない。  

 実際にエクソン・モビールが今年2月にまとめた『エネルギーのトレンド』と題する報告書では、2015年における世界の石油総需要を1憶6000万バーレルと予想し、そのうち既存の油田から供給できるのは僅か6000万バーレルで、需要の37%にしかならないとしています。エクソンの報告書では、どんなに頑張っても従来型の石油はもう無くなる、しかし代替エネルギーとして考えられている風力発電、太陽電池、ガソリンの代替として研究されている水素燃料電池や穀物から作るアルコール燃料などは、経済的に成り立つかどうか疑問だらけであり、結局お手上げ、といった内容になっています。  
 石油メジャーのエクソンが、石油はなくなる、代替エネルギー開発もおぼつかない、お手上げだと言ってる。これは大変なことなのが分かるでしょう。


  こういうニュースをちゃんと国民に伝えないから、日本のマスメディアはプロパガンダ機関だと断定せざるを得ないのです。

  このまま人口が増え続けると2050年には世界人口は100億人を突破しますが、地球上には100億の人間を養いうるような資源エネルギーも食料も存在しない。要するに人類はふえすぎてしまった。その多すぎる人類がアメリカン・ウェイ・オブ・ライフを求めているというところに、根本的な無理があるのです。これから先は消費型ではなく、ライフ・サイクル・アセスメントですべて考えていくべき時代です。  

 例えば日本だったら、江戸時代は石油文明ではなかった。江戸時代は鎖国しながら260年の間、持続可能な社会が成立していた。石川英輔さんとか、江戸時代を持続可能性という観点から評価している研究者がいます。江戸時代は外国貿易をほとんど行わず、この日本列島に3000万人の人間が260年の間暮らしていた。そこでの有機農法や循環型社会に学ぶべきだという主張です。江戸時代の日本は、一種の持続可能な社会だった。こういう社会に人類は舞い戻っていく以外ないようです。  

 このさき地球はどうなるのか。どんな社会を連想すればいいのかでは、ニュー・ソリューション(引用者注:アメリカで自律型のコミュニティを建設している団体)の人たちは、北朝鮮とキューバを例に挙げています。両国ともアメリカによる経済制裁によって石油をほとんど輸入できない。でも北朝鮮とキューバでは、実状はずいぶん違う。北朝鮮の道をとるか、キューバの道をとるか。僕は北朝鮮の道はとるべきじゃないと思います。  

 北朝鮮というのは、要するにすごい科学主義・生産力主義の国です。欧米型の物質文明に憧れている。北朝鮮に行くと分かりますが、すべてを設計しようとしたんですね。その記念として巨大な銅像やモニュメントがいっぱい建っています。  

 経済封鎖されても北朝鮮は欧米流の物質文明に憧れ、近代的な農業に憧れて、あくまでもトラクターにこだわった。共産主義流の科学主義で考えているから、牛や馬で耕作しているのは遅れている、前近代的だと考えてしまった。牛や馬ではなくてトラクターで耕作するのが、文明の進歩だと考え続けた。  

 ところが1990年代になってソ連が崩壊し、北朝鮮にオイルが入らなくなって、1993年ぐらいから北朝鮮は、もの凄い経済危機に陥ってしまった。石油が入らなくなったので、木を切ってみんな燃やしてしまった。燃やしただけではなくて、切った木を中国に輸出した。ソ連から石油が入らなくなって、唯一、中国の大慶からパイプラインで年50万トン位は入っているみたいなのですが、その代金を支払うために、中国に木材を輸出したというのです。  

 その結果、北朝鮮の山はみな禿げ山となり、国土は荒廃してしまった。  一方キューバは、北朝鮮とは違うやり方をとりました。経済封鎖され石油が入ってこなくなる中で、キューバは有機農法を採用したわけです。経済封鎖されたことに対して、科学主義ではない発想に立った。もともとはサトウキビ、レモン、タバコ、コーヒーなどの換金作物をトラクターで作る、食糧自給率40%の国だったのが、ミミズを利用した堆肥づくり、アゾトバクターやリゾビウムなどを用いた微生物肥料、天敵の利用、カビなどのバイオ農薬、牛糞・人糞の活用などへと切り換えていった。その結果、キューバは今ではすっかり有機農法のメッカになった。今キューバに行くと、都市のど真ん中の民家の中にも牛がいたりしてびっくりしたとか、そういう話をいろいろ聞きます。  

 石油がなくなったら、北朝鮮かキューバの道になるしかない。といっても、日本は北朝鮮型にはならないでしょう。キューバのようにテクノロジーを活用しつつ昔に戻るしかない。有機農法とか人力、牛馬での耕作、微生物農法の国に戻っていく以外ないと思います。  

 日本は、ほぼ100%石油を輸入しているのに、なんとも脳天気です。全然石油がなくなるという危機感を持っていない。誰も生まれたときから石油がない。輸入に頼り切っている生活があたりまえと思っているからです。アメリカの支配下で、アメリカの属国として石油の供給を受けられるのが当然だと思っているんですね。  

 しかし世界的な石油減耗の時代に、アメリカに頼り切っている日本に未来はない。大量生産―大量消費に依拠した現代物質文明のあり方自体が、結局すべてついえていくということだけがあることです。


  キューバの話については、●こちらのブログでも取り上げています。キューバが鎖国をしてタンパク質の摂取量が減ったのを、「それ以前の食生活がいびつだったからではないか」と指摘しているのは、まさにその通りでしょう。
  私は以前、●チーズを食べなくても何とかなるんじゃないかという話をしましたが、何とかなるどころか、何とかしなくてはいけない時代が来るということです。
  引用先の文章も、そういうことに言及しています。

 ヨーロッパの人というのは、徹底的に経済的な観点を持っている人が多いような気がします。例えばパックの紅茶だとかも、最後まで徹底して絞って出す。日本人には、食べられもしないような料理をお皿にてんこ盛りに盛って、結局残しちゃう人とか多い。だけど自分の食べられるような量だけ取って、きれいに食べる、残さない、そういうふうに訓練されている。  

 トレーニングをして体を鍛えて、資源浪費型の人間にならないということですね。自転車に乗れるとか、山を歩く体力を維持するとか、そういう健康を維持するのが一番大事になります。  

 今まだ若い人、20代の人、将来ある人たちは、まず省エネ型の人間になる必要がある。肉をあんまり食べないとか、修行してご飯をあんまり食べないとか、そういうふうに転換していく以外ない。そういう人間が勝ち残る時代になる。その逆にエネルギーを多量に使うような人は自然に潰えていく。

 
>自転車に乗れるとか、山を歩く体力を維持するとか、そういう健康を維持するのが一番大事

  通勤で家から駅まで片道20分近く歩いている私などまだまだ甘いですね。

>肉をあんまり食べないとか、修行してご飯をあんまり食べないとか

  これなど、●ここでした大豆の話に通じるものがあります。
  最近のニュースで、これに関連した話が出ています。

民主、所得補償法案を衆院に提出 1次産業へ1.4兆円
http://www.asahi.com/politics/update/0120/TKY200901200305.html

 民主党は20日、農業や漁業など1次産業に1兆4千億円の所得補償をする法案を衆議院に提出した。今国会での審議を目指す。

 法案は「農林漁業及び農山漁村の再生のための改革に関する法律案」。一次産品の販売価格が生産コストを下回った場合、その差額を補償する。農業に1兆円、畜産・酪農に2千億円、漁業、林業にそれぞれ1千億円を想定しているという。

 民主党は、農家に1兆円の所得補償を行う「農業者戸別所得補償法案」を07年に提出。参院で可決されたあと08年5月に衆院で否決された。


  もちろん、自民党が掲げている「攻めの農業」(たとえば、●米を中国にどんどん輸出しろとほざいているバカ発言など)よりましだということは分かるのですが、どうせやるなら、日本の気候にあった地産地消型の作物に特化しないと、あとあとの役には立たない気がします。温室内のヒーターなどで石油をガンガン使って、旬もクソもない野菜を作ってもうけている農家にまで価格補償をしても、どのみちそういうやり方自体が不可能になるわけですから、あまり意味があるとは思えません。
  そうなると、金を払って農家に食べものを作らせるというやり方自体に疑問が湧いてくるわけです。極端な話ですが、全ての世帯が10アールくらいの農地を持って、米や麦、それに少々の野菜を作れるようになれば、価格補償も何も要らなくなります。
  実際に、そういうことを模索している国もあったりするのです。

「タイ 農業を増大する失業者の受け皿に 金融危機が促す家族農業の見直し」
http://sun.ap.teacup.com/souun/2057.html

 タイ農業省が、金融危機に伴う欧・米・日の市場縮小で不振に陥った輸出製造業の吐き出す失業者を農業で吸収しようと企てている。予想される来年の失業増加の影響を緩和するために、少なくと10万の失業労働者を農業部門に戻す計画だ。

 Unemployment cure in farm job training,Bangkok Post,11.3

  いくつかの経済研究機関によると、来年の失業率は10%にまで上昇すると予想される。アピチャート農業経済局長は、今後何年かの間、国内製造業による巨大なレイオフが起きる可能性があり、世界的危機が長引けばその数は100万にも達する恐れがある、「失業労働者は家に帰り、馴染みのある職業、農業に就くだろう」と言う。

 局長によると、農業省は土地、低利融資、農業職業訓練プログラムを用意する。財務省が所有する100万ライ(1ライ=0,16㌶)や農地改革局(ALPO)による改革地・3000万ライなど、政府機関に属する大量の放棄地が存在する。

 参入者は既存の農場で働くか、自分で農場を運営する。

 各自、5ライ(0.8㌶)から10ライ(1.6㌶)の土地を配分され、10万バーツ(28万円)を限度とする低利融資を受ける。

省は職業教育局とも連携、職業訓練も提供する。これらのために、100億バーツの予算を要求する。

 その他の措置には、政府買い入れによる主要農産物の価格下落防止措置、農地と水供給の適切な管理、ゾーニング、肥料など必需品コストの削減、農産物の消費奨励、農民の間での「足るを知る経済」の原則の促進が含まれるということだ。 

 金融危機がもたらした先進国の経済不振は、先進国への輸出やツーリズムに依存、小規模家族農業を衰退にまかせてきた東南アジア諸国の開発政策に深刻な反省を迫り始めたようだ。

 ILOアジア太平洋地域事務所(バンコク)によると、工業やサービス業のような”フォーマル”部門の仕事が減ってきたために、農業を中心とする” インフォーマル”部門の労働者が増えている。

 08年の雇用創出は07年より85万減り、この減少は09年までには127万に達するだろう。地域の失業者は、07年の1650万人から09年には1850万人に増える見通しだ。

 日本と米国の市場に依存するフィリピンなどでは、金融危機の影響が輸出部門に出ている。

 タイ労働省によると、今年 1月から10月までに、食料品、衣料品、家具に関係する120の会社が閉鎖された。

 日本やEUへの輸出に依存するミャンマーの衣料品部門でも工場閉鎖とレイオフが広がっている。

 ただ、アジア太平洋社会経済委員会(ESCAP)によると、97年金融危機にはまったく無防備だった東南アジアも、今度は多少の準備ができている、「農業部門がフォーマルな経済から人々を吸収しなければならないという役割をめぐる現在の議論は、97年以前に決して聞かれなかった」という。

 とはいえ、フィリピン、インドネシアをはじめ、多くの国は過去10年の農村・農地・小農民軽視で、多数の失業労働者を受け入れるめの農村インフラも農地も欠く。失業の最大の受け皿は海外出稼ぎになりそうだ。


  最後は、やはりこういうやり方しかないのでしょう。このような農業を、キューバのようにしてやっていけばいいのです。そうすれば、石油が高騰しても、もっと言えば石油が使えなくなっても、少なくとも死にはしません。
  別にこのブログは「国籍法が改正されると、日本がチュウゴク人に乗っ取られる!」とか「防衛庁が防衛省になったら、軍靴の足音が聞こえてきた!」などと、統合失調症的な煽り(笑)や、「シーオーツーのせいでチキュウがオンダンカしている!エコな生活をしなくちゃダメだよ!」などというカルト宗教の宣伝(爆)ではありませんから、気づいた人からやっていけばいいんじゃないかと思っています。というか、私自身、こういう記事を書いていたら、今の仕事(塾講師)をさっさとやめたいと思うようになってきてしまいました(笑)。
  まずは、石油減耗が現実としてあるのだということを頭の中に入れておけば大丈夫です。そうすれば、多分今までの自分の生活が違って見えてくるでしょうし、消費活動への考え方も変わってくるでしょう。全てはそこからです。

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2009.01.16(Fri)

「入会地」という知恵~真の持続可能な文明に向けて 

  ●「薪や炭をエネルギー源にしてはダメなのか」という記事の続きです。
  本題に入る前に、前回話した人口問題について、面白い記事を見つけたので、紹介しておきます。

「地球を救うには産む子どもの数を減らせばよい」とイギリスの医学誌が主張
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20080829_save_the_planet/

地球の温暖化問題に関連して二酸化炭素の削減などが叫ばれていますが、そんなことをするよりも根本的な問題はこの人口の異常な増加にあるので、子どもを産む数を減らすことによって現在の問題は解決可能であり、この星を救うためには今後は産む子どもの数を少なくする方がよい、という社説が世界五大医学雑誌の一つであり、国際的にも権威が高いイギリスの医学誌「BMJ(ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル)」に掲載されました。

なかなか過激な考えと発想ですが、その詳細は以下から。

Scientists: Save the planet-have fewer kids -- chicagotribune.com
http://www.chicagotribune.com/features/lifestyle/green/chi-children-global-warming-080827,0,5019949.story

BMJに掲載された社説によると、英国在住のカップルは子どもの数を2人までにすべきで、そうすることによって気候変化や二酸化炭素の削減を要求する世界的な努力に対して報いることができるとしており、「これは最も単純で最も大きな貢献です。誰でも私たちの孫が住むのに適した惑星を残すことができます」と主張しています。

実際にはこの「人口を減らす」という考えは国際的な気候フォーラムの中ではほとんど議題に上がっていないのが現状。

また、イギリスの家族計画の医師であるJohn Guillebaud氏によると、イギリスやアメリカのような豊かな国で生まれた子どもはエチオピアで生まれた子どもの160倍の二酸化炭素排出の責任を負っているとしているものの、このような人口削減計画について、持つべき子どもの数は私たちの子孫のことを考えて決めるべきであるとしています。

なお、現在の地球人口は67億、2050年までには90億に達すると考えられているそうです。


>子どもを産む数を減らすことによって現在の問題は解決可能

  確かにその通りですが、問題はイギリス人がそんなことをしても無駄だということです。中国やインドやアフリカ諸国が、子供を産む数を減らしてもやっていけるような経済環境にならなければ、声だけかけても誰もきかないでしょう。

  さて、前回の話で、日本では「入会地」(いりあいち)というものが大きな役割を果たすだろう、ということを述べました。入会地とは、こういうものです。

入会権(いりあいけん)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%A5%E4%BC%9A%E5%9C%B0

入会権(いりあいけん)とは、村落共同体等(入会集団)が、一定の主として山林原野において土地を総有し、伐木・採草・キノコ狩りのなどの共同利用を行う慣習的な物権であり、民法が定める用益物権である。入会権が設定された土地のことを入会地(いりあいち)という。

歴史的には、明治に近代法が確立する以前から、村有地や藩有地である山林の薪炭用の間伐材や堆肥用の落葉等を村民が伐採・利用していた慣習に由来し、その利用及び管理に関する規律は各々の村落において成立していた。明治期にいたり、近代所有権概念の下、山林等の所有権が明確になる(藩有地の多くは国有地となった)一方、その上に存在していた入会の取り扱いに関し、民法上の物権「入会権」として認めた。なお、このとき国有地として登録された土地における入会権については、政府は戦前より一貫してその存在を否定していたが、判例はこれを認めるに至っている。

戦後になって、村落共同体が崩壊し、また、間伐材等の利用がほとんどなくなったという事情から、立法時に想定していた入会は、その意義を失ったかに見えるが(「入会権の解体」)、林業や牧畜のほか、駐車場経営など、積極的経済活動の目的で入会地を利用するケースが見られるようになり、また、道路開発・別荘地開発等における登記名義人と入会権者の権利調整、さらには山林の荒廃による環境問題といった新たな問題が発生するようになったため、入会権という概念の現代的意義が見直されつつある。


>村落共同体等(入会集団)が、一定の主として山林原野において土地を総有し、
>伐木・採草・キノコ狩りのなどの共同利用を行う


  つまり、カネがなくても、共同体のメンバーであれば生活物資を手に入れられるということです。このことの重要さは、寮生活をしている(させられている)製造業の派遣労働者を見れば、一目瞭然です(たとえば、●こういう例)。雇用関係が切られた瞬間に、彼らは全てを失います。
  また、入会地の利点は、共同体の中で乱開発に対する抑制が自然に働くことです。それを失ったら生きていけないと思えば、自然と気を遣うはずです。また、他のメンバーの目を気にすれば、自分だけ取りすぎることもできません。破ったら、みんなから無視されることになります(いわゆる村八分)。
  他からカネを出して買ってくる化石燃料に、こういうブレーキが働くでしょうか。我々が化石燃料に対して働かせられるのは「お金がもったいない」という抑制だけです。よそから買ってくる材木も同じ事です。逆に言えば、カネさえあればいくらでも資源を使っていいということです。これでは、豊かな国が資源の浪費に走るのは当然です。
  こういうことを言うと、よく「地球環境に与える影響を考えるべきだ」などという人がいます。そういうことを、学校できちんと教育すれば、きっと資源の乱用や森林の乱開発はなくせるはずだという考えのようです。
  断言しても構いませんが、そんなことをいくらやっても無駄です。たとえば、小学校ではもう10年くらい前から牛乳パックのリサイクルのような「環境教育」をやってきていますが、いっこうに効果は上がっていません。よくゴミの量が減ったといっていますが、分別して処分場に溜まる分が減っているだけで、リサイクル工場には「原材料」が在庫となって山と積まれているということがよくあります。
  理由は明白です。自分の手に届くところに資源がないからです。目に見えない、触れられないものを信じろと言うのは、一種の宗教です。「環境問題」に異論を挟むと激高する人がたまにいるのですが、あれなどカルト宗教の信者と同じだと思います。そして、そんな「信仰」は、現実に地球環境を救うのに何の役にも立ちません。
  本当に環境を守りたいなら、資源をなるべく身近な場所から調達し、利用法や用量を含めて管理するしかありません。これは、土地が誰か一人の所有物だと無理です。近くに住んでいる人みんなが関わっていく入会地が最適です。

>国有地として登録された土地における入会権については、政府は戦前より一貫してその存在を否定していた

  我々は普段、政府というと「我々の安全や生活を守るもの」と理解しているはずです。しかし、それはあくまで近代国家の仕組みに従う限りは、という意味です。もし国家が全面的な庇護者であるなら、入会地の存在を認めたはずです。
  近代国家の一番の眼目は、「土地の私的所有を認める」ことです。土地は売買する道具や、徴税のための単位(地租改正がその典型)にされたわけです。私はこれを●以前の記事で、「権威から権利へ」というたとえで表現しました。村落共同体というのも、みんなを包み込む目に見えない存在ということで、在郷貴族と同様の権威と考えられます。そういうものは、近代国家による国土の支配から見たら邪魔なのです。
  非常に乱暴な決めつけかもしれませんが、自然(地球資源の限界)と折り合って生きていく入会地という先人の知恵は、金持ちが土地を買い占めたり、税金を効率よく集めたりしたいと願う一部の人間たちによって踏みにじられ、現代に至っているということです。その結果、我々、特に私のような都市住民などは、自然(物質循環)や共同体(人間の環)から切り離され、賃金というか細い糸にすがって生きる弱い存在になりはててしまいました。これが「近代」であり、「文明」のもたらしたものなのです。
  前回取り上げたナイジェリアの過伐採と、今回お話しした入会地の消滅が教えることはただひとつ、近代文明とは、「奪う文明」だったということです。奪う相手は、たとえば労働者だったり、発展途上国だったり、地球環境そのものだったりします。しかし、どちらにしろ、奪われる存在が必要です。それがなくなれば、この文明は自動的に終了します。
  そうして奪いまくって「便利」な生活をしてきた結果、我々が置かれている現実を、よく表現しているコラムがあります。一部抜粋しておきます。

石油減耗時代を生きる
http://www.engineering-eye.com/rpt/c_oil/index.html

「石油ピーク」とは、生産が需要に追いつかなくなる、その頂点という意味である。これが分かり難いのは、バブルはその時は分からないからである。

アメリカ48州の石油生産のピークは1970年であった。K. Hubbertによる1956年の予想が、当時、彼は無視、冷笑されたという。アメリカがこれに気がついたのは1980年代も半ばになってからだという。
そして今、「世界の石油ピーク」である。

石油は発見されなければ生産できない。この当然を簡単に述べよう。まだまだ石油は発見される、大丈夫と専門家は言うが、世界の石油発見のピークは1964年頃であったのである。はるか昔のことである。殆どは中東の超巨大油田群であるが、当時石油探査、開発技術は今と比べものにならないほどであった。だが発見されたのである。巨大だからである。そして探す新天地は無くなった。今では石油発見量は生産の4分の一に満たないのである。やはり地球は有限であった。

そして今、「高く乏しい石油時代が来た」のである。

ここでもまだ反論がある。「高い」は分かるが「乏しい」が分からない、と言うのである。それはエネルギーの質、EPR(Energy Prpfit Ratio)を理解しないからである。

人間は発見しやすい資源から使う(条件の良いもの、儲かるものからである)。そしていわゆる新地域とは、小規模、大水深、極域など、条件の悪いところばかりとなる。

話題の超重質油、カナダのオイルサンド、ベネズエラのオリノコタール、そしてオイルシェールなどはEPRから見て、在来型の石油と比べ物にならない。EPRが小さい、つまり得られる出力エネルギーと必要とされる入力エネルギーの比がとても小さいのである。石油が60とすれば、オイルサンドは1.5といった具合である。

それでは原子力という向きも多いが、そう簡単ではない。原子力も「上流から下流」まで、石油に依存する。上流のウラン採取から中流の原子力発電所の建設、運営においても石油インフラに依存しており、下流の放射性廃棄物の扱いもそうである。そしてウラン資源も無限ではない。高速増殖炉を、どう位置づけるかも大きな問題である。そして石炭、天然ガス、原子力は常温で流体の燃料では無い

「石油ピーク」は今そこにある問題である。ピーク後の石油は年率2%で減耗する、と言われている。これは成長を当然視する現代人にとって、大変なことなのである。現実的な戦略が早急に求められる。しかし未だ日本は石油ピークそのものを認めない。巷では新エネルギーともてはやされるメタンハイドレートは資源とは言えない。濃縮されていない、油田のように掘削すると自噴するものではないからである。地層に分散して存在する固体、水とメタンの水和物がメタンハイドレートなのである。

また未来は水素でというが、水素は一次エネルギー源ではない。簡単にトウモロコシからと言ってはいけない。現代農業はエネルギー浪費型、EPRで考えるべきである。その意味でブッシュ大統領の一般教書の言は究めて本質的なのである(引用者注:ブッシュ政権の意図はそんなに潔いものではないだろう。●こちらの記事を参照)。改めて在来型エネルギー源を改めて考え直す必要がある。繰り返すが、「脱浪費社会」、「もったいない」は最も効果的なエネルギー戦略なのである。

世界中で皆が経済成長は当然と思っている。だが本当にそうなのだろうか。既に巨大化した経済の1~2%増でもその正味で極めて巨大である。それでも現代人は低成長というようである。特に最近の四半世紀は異常と言って良い程で、石油消費量はウナギ登りであった。石油がこの異常を支えたといっても過言ではない。

だが、いつしか人類はこれを「当たり前」と思うようになった。その頂点にいるのがアメリカだが、そのアメリカは世界最大の債務国であり、膨大な世界からの借金で浪費型の成長を遂げている。アメリカスタンダードをグローバリゼーションと世界に売り込むが、これでは地球は持たない。大量の物流、巨大な国際物流、取引は低廉な船賃に依存するが、それは石油あってのものである。大量工業化社会はもう成り立たない。地球は無限ではない。(中略)

経済成長はGDPで計る。だがこれは既に述べたが地球、自然の有限性と相容れない。自然破壊はむしろGDPを成長させるのである。大量に物を作りGDPは増加したとする、それが直接間接的に環境を破壊し修復したとすれば、そこでまたGDPが増える、ダブルカウントでGDPは成長する。 (中略)

21世紀、「自然と共存、集中から分散、社会の価値観と理念の多様化」などが生存の基本なのではなかろうか。「効率優先社会」、「技術至上主義」、「より大きく、より速く」はもう限界である。人類は既に地球の基本的な太陽エネルギーの固定、光合成の営みの40%も消費すると言う。ホモサピエンスというたった一種がである。

日本はどう自然と向き合うか、海に囲まれた山岳75%の島弧日本の生きる道が、大陸の国々、アメリカ、欧州、中国と同じであってよいはずはなかろう。大陸と地勢を異にする日本の自然で生きる日本の論理、アジアらしい知恵を創造したいものである。その基本は先ず「浪費しない」、「もったいない」である。


  このコラムは、2006年4月に書かれたものです。サブプライム問題以前にこういうことを言っていたのですから、これを書かれた石井吉徳氏はなかなかの慧眼です。
  しかし、ただただ「もったいない」というだけでは物事は解決しません。上記コラムも指摘しているように、根本的な問題は、無限の数値的成長を前提にしている近代経済システムそのものなのです。そこを少しずつでも変えていかなければ、ある日突然危機が訪れ、大混乱に陥るでしょう。私も、読者の皆さんも、餓死したり、物取りに殺害されたり、そういう形で世の中から去らなければいけないかもしれません。
  
  それならばどうすればいいかというと、答えは簡単です。入会地を作ればいいのです。

  そんな土地はないというなら、作ればいいだけの話です。田舎には、手が全く入っていない山がたくさんあります。地主の固定資産税、もっといえば住民税を全額免除して、その代わり近隣の住民の共同利用地にすればいいのです。どうせ塩漬けになっている山なら、そうやって人が入っていろいろ手入れする方が自然環境のためにもなります。
  そして、そこを文字通り「生活の糧」として利用していくのです。たとえば、燃料を取るだけでなく、卵を産む鶏を育てれば、とりあえずタンパク源は確保できます。とにかく持続することが大切だとなれば、牛や豚に馬鹿みたいに餌をやって早く出荷するような現代の畜産は自然と消えていくでしょう。新しい入会地でも家畜は育てますが、鶏は卵用、牛はトラクター代わりにして糞を堆肥の原料にし、豚は生ゴミ処理係になってもらうのが正しい活用法です。肉は、新年に1回だけみんなで食べるくらいでいいのです。「今まで働いてくれたありがとう。こうやって最後もおいしく食べられるなんて、偉いなぁ君たちは」という感じです。
  そういう場所でも労働力や産物の交換は必要でしょうから、そこで地域通貨を使えばいいのです。入会地の見回りや不届きものの捕獲は、共同体の若いメンバーにやってもらうべきですが、その人件費も、地域通貨で払うような仕組みを取るべきです。そうすれば、若い男性はとりあえず身体一つで入会共同体に参加できます。近代的な経済システムに従順で、ある程度の能力がなければただ安く買われるだけの労働力に過ぎませんが、入会共同体なら貴重な戦力になるのです。
  そんな田舎の閉鎖的な環境は嫌だ、というのなら、別に都市で暮らし続けても構いません。そのうち石油減耗が進み、いやでも化石燃料の大量利用が不可能になります。それと同時に都市生活は困難になることでしょう。その状況が来る前に、気づいた人から地方に移動していけるような措置を講じておくべきなのです。
  この考えは、「Uターン」「Iターン」という概念とは180度違う考えです。UターンやIターンは、所詮都会でできること(労働力の切り売り)を田舎でやっているだけです。雇用を提供しているのは、役所か大資本ですから、補助金がなくなったり利益が出なくなったら、必要とされなくなってしまいます。入会共同体にはそういう不安がありません。もちろん、ボーナスや気ままな消費生活もありませんが・・・。
  もっとも、入会地を作るには、以下の点を考慮しなければなりません。

1.一つの入会地で、何人の人間が養えて、それをいくつ作ればよいか
2.ある市町村、都道府県に、入会地はいくつ作れるか
3.それでも避けて通れない近代的エネルギーの入手方法、および必要量


  3.について言うと、完全な自然調和型の経済に移行するまでの期間、電気や水道にはどうしても頼らざるを得ません。また、鉄やプラスチックを作れるうちは、近代工業というのもなくなることはないでしょう。そのために必要な資源について考慮するということです。
  水道については、井戸水が入るところはそれで構いませんが、ポンプで水を送らざるを得ない地域は要注意です。そういう場所に入会地を作らないことが第一ですが、共同住宅などはそうもいかないでしょう。まずは水力発電を活用し、それでも足りないところは石油や天然ガスを外貨で輸入して火力発電をするしかありません(どうせ異常に高く付いて、そのうち割に合わなくなる)。
  しかし、それはあくまで「おまけ」ですから、今の化石燃料をベースにした体制より明らかにエネルギー消費量は減るはずです。少なくとも、石油が入ってこなくなったら143日でおしまい、という今の文明よりはるかに強靱になることでしょう。
  もし国際協力を今後もすべきだというなら、入会共同体の運営ノウハウを提供するという形でやるべきです。いずれ大資本が回収するためのカネをばらまくより、はるかに「血の通った援助」になることでしょう。
  もっとも、不思議なことに、こういうことをジンケンやヘーワが大好きで、日本人より外国人が好きな人びとが分からなかったりするのですが・・・(笑)。

  移行期としては、数十年や100年単位を見ておくべきでしょうが、その時期に人口減少が起きるなら、むしろ歓迎すべき事態でしょう。
  それで、国土防衛ができなくなると言うのなら、それこそ核武装や、SLBM搭載の原子力潜水艦を建造すべきです。仮想敵は朝鮮や中国でしょうが、上陸さえされなければいいのですから、そういう兵器を装備して、あとは対馬や沖縄のような地政学上の要地に人員を配置しておけばいいのです。陸上自衛隊は、土木工事や電力施設のメンテナンス・警備、それに農作業などをやってもらうマンパワーにしておくべきです。
  もっとも、今までしてきた話も、明治維新以降の「数の力が全て」という価値観を持っている方々にはなかなか理解できないでしょうし、無理にしてもらう必要もありません。そのうち、といっても、生きているうちかどうかは分かりませんが、嫌でも理解せざるを得ない日が来ます。
  
  まとめになりますが、結局私が言いたかったのは、入会地=生存のための最後のよりどころを作っておけば、近代文明が崩壊しても人類は生き延びることができるということです。
  経済的なゲタを履いてふらふらと歩き続けるよりも、地方で「いろり」と「かまど」のある家を建てて、畑を確保し、入会共同体に参加すれば、とりあえず生きていける、そういう社会がベターだということです。そのための土地は、まだまだたくさんあります。戦争や大災害による疎開が起きる前に、その気のある人だけでも動いてもらえば、都会も田舎も助かるはずです。
  よそ様のブログを拝見すると、「この国はもう駄目だ」などという論調が目立ちます。昨今の金融危機に端を発する世界的な需要不足で、そういう悲観論はますます力を得ているように思います。
  そういう人たちの中には、「有効需要」という、自分の力ではどうにもならないものの施しを受けて生きている浮き草のような我が身のはかなさに気づいている人も少なからず存在するはずです。彼らが、自分たちが知らないうちにゲタを履かされて生きていることに気づいたら、もう後一歩です。
  政府による分配は、一時的にはやらざるを得ないでしょうが、おそらくいずれは破綻するでしょう。経済的ゲタを履いているのは変わりないからです。新自由主義かケインズ主義かという争いは、結局は履いているゲタの色や形が違うだけで、ゲタの高さは同じなのです。
  我々が目指すべき事は、履いているゲタを少しずつ低いものに変えて、やがて自分の足で大地を踏みしめて生きていくことです。このブログは、今後もそういう方向を目指してメッセージを発信し続けたいと思います。

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2009.01.14(Wed)

薪や炭をエネルギー源にしてはダメなのか 

  ●「いろり」のない文明のもろさという記事の続きです。もう忘れてしまったという方は、是非リンクをクリックして内容をご確認ください。要するに、石油や天然ガスは局在する資源であり、そのような資源をベースにした文明は他国依存や現金収入を得るための経済の変容をもたらすということを述べたつもりです。
  おそらく、読者の皆さんの中には、「こいつはグローバル化や現代文明を嫌っているから、多分炭や薪を使う生活に帰れとか言い出すんだろう」とお思いの方もいらっしゃるでしょう。残念ながら外れです。
  現在、日本には1億2700万人あまりの人口がいます。同様に、1億人を超える国で、炭や薪をエネルギー源にして起こっていることを見てみると、「地球に優しい自然のエネルギー」に依存しはじめた途端に起こる問題が分かります。

ナイジェリアの森林は12年後に全消滅、専門家が警告
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2372238/2792582
ナイジェリアでは森林破壊が現在のペースで進んだ場合、12年後の2020年までにすべての森が失われる。環境問題の専門家が前週、こう警告を発した。

 ナイジェリア政府の諮問機関、National Forest Conservation Council(ナイジェリア森林保全協会)のKabiru Yammama氏は、同国北部の森林はほぼすべて消滅し、砂漠化が南下しており「再生の取り組みがなければ2020年までにナイジェリアの全森林は消える」とAFPの取材に対し語った。

 1999年の調査では、北部の森林破壊は年40万ヘクタールの割合で進行。最新の2007年度調査では、北部11州の全耕作地のうち35%が砂漠に飲み込まれ、5500万人以上の生活を脅かしている。この人口は、マリ、ブルキナファソ、セネガル、モーリタニアの人口合計を上回る。

 ナイジェリアは天然ガスの埋蔵量で世界7位だが、家庭用ガスのインフラがなく、国民の大半はいまだに調理用燃料を薪や炭に頼っている。木の消費量は年間4050万トン。伐採で北部の森林が消失し、需要の矛先が移動した南部では木炭を作るために森を焼いているが、これは伐採よりも生態系に対しより破壊的で、砂漠化の進行を早めるという。

「対策が施されないままこの状態が続くと、すべての森を失ったエチオピアの仲間入りになる」とYammama氏は危惧する。「森林が破壊された地域は砂漠化、水不足、干ばつの恐れがある」。指摘を裏付けるかのように、ナイジェリアの気象庁は今月始め、特に北部で雨季が短くなりつつあると報告している。北部では30年前に年間平均150日だった降雨日数が、近年では120日にまで減っているという。

 2007年の収穫期の降雨日数はこの120日をさらに下回り不作。その影響で食物価格が高騰した。


>Yammama

  ヤンママさんです(笑)。大統領が「オバサンジョ」さんだったり、ナイジェリアには日本人が聞くと面白い名前の人が多いです。

  そんなことはどうでもいいのですが、薪や炭への全面的移行が行われれば、上記のような事態を生み出す可能性はかなり高いと言えます。

  そもそも、ナイジェリアに限らず、多くの国の人口というのは、明らかに過剰です。

  なぜそうなるのかというと、人口が多い方が他国に対して優位に立てるという思想が確立しているからです。近代国家では、人口すなわち力です。強大な軍事力は兵力の多さによってもたらされる面が大きいですし、労働力としても活用できます。徴税規模が大きくなるので、政府はいろんな仕事ができます。
  普段我々は、日本が人口ランキングで上位に入っているとか、出生率がわずからながらも上向いたとかいうニュースを聞くと、好ましい事態だと受け止めがちです。しかし、その考え自体が、実は政府や自治体という支配者側から見た価値判断であるということにあまり気づいていません。次回詳しく触れたいと思いますが、このことは結構重要です。
  本来、その土地で給養できる人口というのは、自然の条件によってある程度決まってくるものです。しかし、近代国家はそういう制約は全て無視しています。近代的な政治制度を持った国で、「自然から過度に奪わないようにしよう」「バランスを保った規模の国にしよう」などという憲法や基本法を持っている国はありません。国力の源である人口は、増やせば増やすほどいいものだということが、暗黙の前提となっています。
  その増え続ける人口を支えているのが、「経済的ゲタ」です。経済的ゲタというのは、私が勝手に作った言葉です。本来、手が届かない高さのところになんとか到達しようというとき、ゲタを履かせるという表現を使ったりしますが、それと同じ事を経済で行っているのです。
  そのゲタの一つが、化石燃料です。薪や炭に比べると、圧倒的に燃焼効率がいいので、自動車などの燃料だけでなく、発電用のエネルギーとしても優れています。そうやって生み出された文明の利器や電力を使って、本来まかないきれなかったはずの人口もカバーできるようjになっているのが、現代の文明です。
  ナイジェリアは、アフリカでは珍しい貿易黒字の国ですが、その理由はなんのことはない、産油国だからです。輸出品の95%は石油関連です。その開発はほぼ全て外国の企業からの技術の輸入でまかなっているわけですから、これも一つの経済的ゲタだということができます。
  また、食料輸入というのもゲタの一つです。ナイジェリアは石油でもうけたカネで、意外なものを輸入しています。米です。なんと、ナイジェリアは、世界で取引される米の5%弱を輸入しています。
  ナイジェリアの食糧自給率は80%くらいですから、誤解を恐れずに言えば、国民の2割は本来生きていけないはずです。それでも何とかなっているのは、上に挙げたような経済的なゲタが履かされているからです。
  しかし、化石燃料の利用というゲタがないので、増えてしまった人口を維持するために、森林がどんどん破壊されているわけです。森林の減少は土壌の流出や洪水の増加を招きます。このままでは、ナイジェリアの食料自給率は今後ますます低下していくでしょう。専門家が警告するような事態になったら、おそらく大量の難民が発生するか、食料価格の暴騰を招きます。
  ひどい話ですが、おそらくナイジェリアに食料を輸出している国や、取り次ぎをやっている商社は、その「憂慮すべき事態」を楽しみにしていることでしょう。飢餓が発生すれば援助物資と称して小麦やトウモロコシを売りつけ、本来その国にあった固有の食料のシェアを奪ってしまう。戦争直後の日本や、1980年代のエチオピアでやっていたことは、きっとまた世界のどこかで行われます。
  もっとも、だからといって、インフラを整備してナイジェリア人が心おきなくガスや灯油を使うようになったら、今度は外貨獲得の主力商品が目減りして、食料が輸入できなくなってしまいます。また、こころおきなくナイジェリアの化石燃料を儲けの種にしている外国のエネルギー企業や、その意向を受けているであろうナイジェリア政府が、そんな「慈悲深い」政策を許すわけがありません。
  かわいそうな話ですが、これが多くのアフリカの国が抱えている現実なのです。

  もっとも、日本もいつまでも対岸の火事でいられるわけではありません。はっきり言えば、今の日本は経済的ゲタ、それもかなり高いゲタを履いて、国際貿易の微妙なバランスの上になんとか立っているような状態です。一事厚底ブーツというやつがはやりましたが、あの巨大版を履いて世界をあっちこっち歩き回っているのが日本という国だと思っていただけるといいでしょう。
  こういう状態は、昨年半ばまでに見られたようなエネルギー価格の高騰や、特定の地域の紛争(たとえばパレスチナ)によって国家の存立を危ぶまれる可能性があるということを意味します。どう考えても健全ではありません。最近とかく不景気だと言われていますが、他人にカネをレバレッジだかなんだかで数千倍にもふくらませて博打をやっていたアホ連中が転けただけで、貿易黒字が何十兆円もある我が国が急降下するのです。いつまでも、国際貿易で好きなものを購入できると思ってはいけません。

  それならば、どうすればいいのでしょうか。

  我が国は今、人口減少の局面を迎えています。世の中では、これを少子化と呼んで、何か恐ろしい未来が待ち受けているかのような喧伝がなされる場合がよくあります。●自民党の有力政治家(グロテスク注意)などは、その少子化を盾に「移民を1000万人入れろ」などとほえていますし、それに対して反論する側も、これこれこういうことをすれば人口は増える、と反論しています。
  どちらが妥当かはこの際どうでもいいとして、どちらの立場も、少子化をおそれている(もしくは、そういう心理を利用して自分たちを優位に立たせようとしている)のは間違いありません。

  しかし、そのような現象が本当に悪いことなのでしょうか?

  まず注意しなければいけないのですが、人口の減少といっても、急に起こるわけではありません。年1%でも多いくらいです。日本の外貨獲得手段は製造業がメインですが、その製造業の生産性向上は、おそらくこの人口減少よりもペースが速いでしょう。そういう風に考えれば、人が減り始めたからと言って、いきなり悲劇が起こり始めるわけではありません。
  逆に、そうやって人口が減っていくならば、過剰だった土地やエネルギーに対する需要が縮小し、より自然に適合した経済を営むことさえできるようになるのです。電力を馬鹿みたいに消費する東京の都心のガラス張りのビルなど、必要なくなるかもしれません。
  そのタイミングで、化石燃料への依存を減らし、徐々に自然なエネルギーを取り入れた生活にシフトしていくというのは、十分に検討に値すべきプランです。
  そのとき、日本人が生活を維持していくための大きな武器になるものがあります。それが「入会地」(いりあいち)というものです。
  次回は、本当に「いろり」のある文明が実現できるのか、考えてみたいと思います。

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2009.01.11(Sun)

韓国崩壊、加速中 

  更新が滞りがちで済みません。昨年末のものですが、とりあえず1本上げておきます。

  さて、以前から私がヤバイヤバイと言い続けている韓国が、ついにやってくれました。昨年中の記事ですが、今年の東アジア情勢を占う意味では結構重要かと思っています。

本格化した企業構造調整、まずは企業の選り分けから
http://japan.donga.com/srv/service.php3?bicode=020000&biid=2008121214668

政府が企業財務構造改善団を立ち上げ、「一時的な流動性不足の企業に対しては支援する一方で、経営改善の見込みのない企業には支援を行わない決定を迅速に下す」という構造調整の方向を明らかにしたことを受け、各債権銀行による企業構造調整も本格化している。

各銀行は業種別に取引企業にランクをつけて、支援対象と非支援対象を区分する「選り分け作業」に拍車がかかっている。

銀行業界では年末決算の実績が確認される来年明け、経営が困難な企業が浮き彫りになると、2~3月ごろから本格的な構造調整が始まるものと見ている。

●要注意会社は引き続き増加

各銀行の企業融資担当者らは、経営が困難になる企業の数が急速に増えると見ている。国民銀行の関係者は、11日、「全体の5%に当たる要注意ランク以下の企業の中から支援の非対象企業が出るだろう」と見ている。

韓国産業銀行の関係者も、「普段は早期警報以下の企業が5%ぐらいだったが、景気の悪化に伴ってその数がだんだん増えているため、当該企業を注視している」と述べた。

韓国銀行が1140あまりの製造メーカーを対象に分析した結果、3四半期の営業利益で金融利子さえ十分に払えない所が30.8%に達するほどだ。

新韓(シンハン)銀行は最近、企業構造改善本部を設置する一方、建設業・造船業・海運業の3業種に対しては別途の特別チームを設けて管理に乗り出した。また、中小取引会社とソーホー(SOHO)を対象に負債の比率と流動性比率を点検している。

ウリィ銀行も企業改善支援団の新設を決めた。支援団は、企業改善部と企業再生部に分けられる。改善部では企業のワークアウト作業に取り組み、再生部では企業再生の手続き(法定管理)や和議を申請した会社を管理する。

ある都市銀行の副頭取は、「政府は一時的な資金難に苦しんでいる企業は最大限生かすという計画だが、来年明け、今年の営業実績の決算が行われると、経営が成り行かない企業が浮き彫りになるだろう。年明けには本格的な構造調整の対象企業が多く出てくるだろう」と述べた。

●大企業から先に構造調整

政府当局で企業構造調整を総括し、ガイドラインを提示する企業財務構造改善団の関係者は、「各銀行はまず、大企業を中心に評価とモニターを徹底して行いながら、構造調整の対象を選り分ける作業に取り組んでいる。中小企業の場合、支援に重点を置くが、大企業の業種別の構造調整が進められているので、共に構造調整も行われる見通しだ」と述べた。

現在、債権金融会社から融資額が500億ウォン以上の大企業は、企業構造調整促進法に従って構造調整が行われ、500億ウォン未満の中小企業は債権銀行の協約によって自律的に進められる。

これとは別途に建設会社に対しては、貸主団協約で金融支援を行っており、一時的な流動性不足に陥っている中小企業のためには「ファスト・トラック」が稼動されている。

どの場合であれ、構造調整のカギは、債権金融会社が当該会社の健全性をどのように評価するかにかかっている。資産健全性を基準に企業の信用度を10のランキング・グループで分ける場合、1~4のグループは正常企業であり、5~7グループはグレーゾーンと呼ばれる。

現在、ほとんどの中小企業はこのグレーゾーンに入っている。建設・造船関連の相当数の会社もこの境界線上で生死の分かれ目に置かれている。

銀行によって違いはあるが、一般にこのうち6ランキング・グループ以下だと、「早期警報」と呼ばれ、7以下は「要注意」に分類される。


>企業財務構造改善団

  で、この機関がどんな仕事をするかというと、

>「一時的な流動性不足の企業に対しては支援する一方で、
>経営改善の見込みのない企業には支援を行わない決定を迅速に下す」


  どっかに似たような団体があったなぁ、と思いましたが、これでした。

産業再生機構、必要資金は100兆円! 国民1人当たり80万円の血税、とうてい投入できず
http://www.asyura.com/2003/hasan17/msg/298.html

 (注:2002年の記事です)

 企業の生死を判定する『閻魔(えんま)大王』こと産業再生機構について22日、政府中枢の衝撃的な試算が明らかになった。オリコや熊谷組、ダイエー、大京など『51社リスト』企業の債権買い取りに本当に必要な資金は、世上言われる額の10倍の「100兆円」だというのだ。国民1人当たり約80万円もの血税を私企業の救済に投じるのは到底、無理な話。形だけ企業を救っても市場も評価しない。不良債権は塩漬けされ、メガバンクの『国有化危機』が続き、結局、再生機構が頓挫するのは必至の情勢だ。

 過剰債務を抱える問題企業が集中する不良債権のグレーゾーンである「要管理先債権」を銀行から買い取ろうというのが産業再生機構である。

 設置期間は3年間で、再建可能と判断した債権は買い取り、不可能と判断するとRCC(整理回収機構)送りとなる。

 官民出資だが、政治家や役人のサジ加減一つで企業の命運が決まる。(中略)

 「政治家の意図や官僚の既得権益拡大の思惑で恣意(しい)的に企業が選別される。『構造改革』『市場重視』のスローガンは一体、何だったのか」


  我が国の産業再生機構がやっていたのは、なんのことはない、不良債権の強制的な消化です。おそらく、韓国では今後、強引な債権回収が増え、それがもとで潰れる会社が多数出るでしょう。しかも、それらは、

>債権金融会社が当該会社の健全性をどのように評価するかにかかっている

  わけですから、極端な話、競争力のある企業をわざと悪く評価して資金ショートを起こさせ、株価が底を打ったところで買いたたくという荒技もできるわけです。金融機関や投資ファンドにとっては「おいしい」話かもしれません。

  もうひとつ、記事を見ておきます。

公企業、「号俸制」廃止して年棒制導入へ
http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2008122267668

全ての公共機関で、勤続年次に応じて給与を支給する号俸制が廃止され、職務と連携した給与体系の年俸制が導入される。理事待遇など待遇も厚ければ定年も保障される別枠の職級は廃止され、韓国農村公社など一部では成果が振るわない職員を対象にした退出制度が導入される。

韓国電力(韓電)や韓国鉄道公社など69の公共機関の定員は今後3~4年間、計1万9000人が削減される。定員は実際の職員数の「現員」とは違いがある。

企画財政部は21日、このような内容の経営効率化対策を柱とした4次公共機関先進化推進計画を発表した。韓電など、69の公共機関を対象にした第4次先進化計画は、経営効率性を高めるための成果管理の強化など、運営システムの改善に焦点が当てられている。

一部の公共機関が導入している年俸制と賃金ピーク制は、今回対象に含まれた機関だけでなく、長期的に国内の全ての公共機関が導入するように誘導することにした。また、実績評価による内部の成果給の差等幅は増やす一方、過度に多い幹部職と支援労力は縮小することにした。

特に、農村公社と農水産流通公社は、成果評価が3回悪い場合、退出する制度を導入することにした。韓国電子安全公社は成果評価で下位1%を退出する制度を導入する。

大々的な定員削減も続く。対象は、△韓国道路公社の通行料徴収など、民間への委譲か委託可能な分野の4500人、△農村公社の耕地整理など環境の変化によって業務量が減った分野の5900人、△鉄道公社のチケット売り自動化などによって削減される人員9000人などだ。

ただ、定員が削減されると言ってすぐ「リストラ」が行われるわけではない。相当数の機関では多くは現在の人員が定員より15%ぐらい少ないからだ。

ただ、一部の公共機関では現員が削減された定員より多い場合もある。その場合も、自然減少や希望退職を通じて、3~4年間、段階的に人員削減に取り組むというのが政府の方針だ。また、自然減少される労力の一定割合は新規採用を並行する予定だ。

「公共機関の経営効率化」と「働き口の維持と創出」という衝突する政策目標間の折衷案であるわけだ。

そのため、政府は人員削減で節約された予算を、来年度に1万人のインターン職の活用と公共サービスの拡大に使う方針だ。

一方、政府は人件費の削減や経常経費の調整、公共機関の中心業務と無関係な資産の売却などを通じて、収入は8兆5000億ウォン増やし、支出は1兆7000億ウォン以上減らして10兆ウォン以上の財務健全性を確保する計画だ。


>企画財政部は21日、このような内容の経営効率化対策を柱とした
>4次公共機関先進化推進計画を発表した。


  効率的な経営が出来て、利益が上がるならとっくの昔に民間企業がやっているはずであり、利益の追求が割に合わないから公営企業になっているのだ、などという理屈は韓国政府関係者にはわからないのでしょう。
  もっとも、日本にも、公営企業は全てミンエーカすればいいんだとか、市場に委せることで全て解決すると信じているバカがいますから、あまり大きなことは言えません。

  それにしても、市場経済なのに公的機関が企業を選別したり、公務員のリストラを敢行したり、何かどこかで見たことがあるなぁ、と思いませんか。

  そうです、李明博政権は「小泉カイカク」の真似をしているのです。

  私は●以前の記事で、李明博政権は「景気対策に名を借りた構造カイカクをやろうとしている」と述べたのですが、それがまんまと当たったわけです。
  何度も書いていますが、韓国は貿易に極端に依存した経済(貿易依存率70%超)です。内需のパイが小さいということは、総需要の減少によって国内企業が受けるダメージが大きいということです。
  それにも関わらず、雇用調整政策を推進するのはなぜかというと、賃金デフレを作り出したいからです。つまり、労働力が余って余ってしょうがないという状態を作り出し、企業が人間を安く買いたたくことができるようにしたいわけです。輸出依存型経済の韓国ととしては、同じ品質のものを安いコストで作り出すことができれば、それだけ多くの(内需に還流されず、企業と株主がガメることができる)利益を獲得できることになります。
  もちろん、長期的に見れば、賃金水準の低下によって労働者の意欲やモラルが低下するのですが、そういうことはどうでもいいのです。今目の前の利益が増えればよいということです。我が国の「経団連」だとか「自民党」とかいう連中がそうであるのと同じ構図です。
  日本では、一連の構造カイカクの利益は自民党森派(現・町村派)が持っていったようですが、韓国では新しく政権に付いた李明博とハンナラ党がそれに当たるというわけです。韓国は反日の国だと言われますが、ちゃんと日本をお手本にしています。対象が適切かどうかは別として・・・。

  さて、究極の賃金デフレ=国際競争力確保のために、韓国では外国人労働者の導入が行われるということも以前の記事で述べましたが、それもその通りになってきています。

[経済] 韓国、農業分野の不法滞在者は取り締まらず
http://www.searchnavi.com/~hp/chosenzoku/news6/081211-3.htm

韓国法務部が、農業分野で働く外国人不法滞留者に対しては取り締まらないこととする旨、明らかにした。

韓国法務部は 7日、《農業分野の外国労動者活用向上方案》を発表した。 法務部は先に《農繁期には不法滞留者取り締まりの人員をサービス業や製造業に集中投入する》と明らかにした。 事実上、農村地域の不法滞留者取り締まりを実施しないという意味に解釈される。

法務部はこれと共に、農業に長期間勤めた《在中同胞の永住資格付与期間も 10年から 5年に縮小する》とし、《外国人労動者の勤め先追加認定》などを主要内容とした新しい政策を施行令改訂を通じて来年 1月から実施すると明らかにした。

現在、不況に直面している韓国農業分野の季節的需要を勘案し、不法滞留者の取り締まりを緩和し、不法滞留者が農村へ流れこむようにする《風船効果》(片方を押し込むともう一方が膨らんでくる現象)で、農村の人手不足を解消するというものだ。

不法滞留率が高い農業分野の取り締まりを弾力的にする場合、農業分野の不法滞留者を量産する可能性も高い。 韓国法務部によると、不法滞留率は農畜産業(10.8%)、漁業(10.5%)、 製造業(5.2%)、建設業(3.6%)の順。 農村地域の不法滞留者取り締まりを緩和する場合、他の分野の労動者が集中取り締まり期間中に賃金が低く勤務環境が劣悪な農村に大挙移動する可能性があると専門家たちは指摘している。

法務部は、主要な対策の一つとして《現在は、一度雇用されれば他の場所に移動するのは難しく、農場主も労動者もいずれも困難があったが、勤務地を追加するという形態にて移動を自由に出来るようにする》と明らかにした。 事実上、現行は 3年間が保障された外国人労動者の雇用期間を、何ヶ月かに分けて使うことが出来るように、派遣勤務を認めるということだ。

現在、韓国の不景気の状況で製造業でも働き口を求めにくいながらも取り締まりに怯えている朝鮮族の不法滞在者たちは、製造業より賃金が低く勤務環境が劣悪な農業部門に一旦《退避》するケースが増えるものと見られる。


>《風船効果》(片方を押し込むともう一方が膨らんでくる現象)で、農村の人手不足を解消する

  要するに、農家が暇な時期は製造業で不法就労の取り締まりをせず、農家が収穫など忙しい時期になったら都市部や工業地帯で取り締まりをやって、不法就労者が農村に流れ込むようにしようということです。完璧なアホです。
  思うに、韓国人というのは、非常にヨーロッパ人やアメリカ人と近い感性の持ち主です。どこが似ているのかというと、外国人や有色人種をモノ扱いできるところです。もっとも、マルクスがあまりのひどさに『資本論』を書きたくなった19世紀イギリスでさえ、不法就労者を取り締まりのさじ加減で右に左に移動させようという発想はできなかったでしょう。私はネット右翼的な発想を嫌悪していますが、朝鮮人は我々とは違うと眉をひそめざるを得ません。
  ともあれ、これでただでさえ都市労働者に比べて低い農村部の所得は、さらに押し下げられるでしょう。農村部で生まれた若い働き手に行き場がなくなり、大都市に流れれば、ますます賃金デフレが加速します。
  後継者不足になるのではないか、という心配なら無用です。後継者がいなくなった土地を企業が買い占めて、大規模化すればいいのです。日本より一足も二足も早く、「チュウゴク人奴隷農場」ができあがることでしょう。

  以下の記事のような動きが妥結に至れば、そういう動きはますます加速します。

韓米FTA:批准すれば景気浮揚効果=米商工会議所
http://www.chosunonline.com/article/20081219000013

 米商工会議所は17日、「次期オバマ政権は景気浮揚効果がある韓米自由貿易協定(FTA)を批准すべき」と促した。

 米商工会議所は同日発表した「国際的包容」という題の政策報告書で、「次期オバマ政権が最優先して関心を持つべき分野は、韓国・コロンビア・パナマと締結したFTAの批准処理。これら3カ国とのFTAが発効すれば、今後5年間で420億ドル(約3兆7600億円)相当の景気浮揚効果があるとみられる」と述べた。

 また、同報告書は「現在、海外市場で米国企業に適用されている平均関税率は7.5%だが、米国産農産物に対しては17%にも達する。FTAがなければ、米企業が世界の経済体制の中で競争するのは不可能だ」と主張した。さらに「米国の輸出は40%がFTAを締結した14カ国に集中している」とし、韓米FTAの重要性を繰り返し強調している。


>これら3カ国とのFTAが発効すれば、今後5年間で420億ドル(約3兆7600億円)
>相当の景気浮揚効果がある


  その分韓国など3カ国は貿易赤字になるということです。ボッタクる気まんまんですね。
  また、FTAで輸入品にかける関税がなくなれば、アメリカ産の農産物が流れ込めば、ただでさえ不法就労外国人がウジャウジャいる韓国の農村はもう持ちこたえられないでしょう。

>米商工会議所

  日本にカイカクしろ、投資を受け入れろと恫喝してきた第一人者(笑)ですね。大使館のホームページに「年次改革要望書」とかいう恐喝文書を堂々と日本語訳して載せていたり、本当にこの国は攻め手が分かりやすいです。イギリスやロシアのような老獪な外交のできる国なら、こんなあからさまなことはしません。逆に言えば、そこまでヒントをやっても防げまいという確固たる予測があるのかも知れませんが・・・。
  日本は、米韓FTAが頓挫するように、在日韓国人を使って何か工作した方がいいと思います。「同じアジアの貿易立国である韓国がFTAを結んだぞ、日本はなぜやらない?」と、アメリカが脅迫してくることは目に見えているからです。
  このFTAに限らず、韓国は「国家転覆ビジネス」の前例として、学ぶべきところが多い国です。韓国がどのように料理されるか、どうすれば国家破壊を止められたか、きちんと研究しておけば、次に標的になった場合の対処には困りません。
  韓国が抱えている決定的な弱点は、その極端な輸出依存経済です。日本は、絶対にそのような道を選ぶべきではありません。グローバリスト企業だけが喜ぶデフレを推進するような政策は、これ以上認めてはならないのです。

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2009.01.02(Fri)

【笑う門にも】 自民党は「お笑いウヨク政党」になってしまったようです 【福が来ない】 

  みなさん、あけましておめでとうございます。
  「日々是勉強」もスタート4年目に入りました。今後ともみなさんの役に立つブログであるよう、出来る限りの記事を上梓してまいりたいと思います。昨年同様のご愛読をいただけるよう願っております。

  さて、新年からなかなか面白いニュースが入ってきました。一つ前の記事で、「LEM」さんから紹介していただいたものですが、あまりにも「笑える」ので皆さんにも紹介しておきます。

「反日教組」議連が発足 自民、民主をけん制
http://www.47news.jp/CN/200812/CN2008121001000965.html

 日教組批判などで国土交通相を引責辞任した中山成彬元文部科学相ら自民党議員約40人が10日、「日教組問題究明議連」(会長・森山真弓元文相)を発足させた。次期衆院選前に、民主党を支持する日教組の問題点を把握し、国会論戦や演説などで民主党をけん制するのが狙い。

 中山氏は国会内で開いた会合で「日教組や自治労が幅を利かしている民主党に日本は任せられないと訴えることが自民党の勝利に結び付く」と強調。坂本剛二党組織本部長は「攻めの選挙をするための材料を議連で提供していきたい」と指摘した。今後、週1回のペースで勉強会を開き、日教組関係者との会合や学校視察を実施する方針だ。

 これに関し日教組出身である民主党の輿石東参院議員会長は都内での日教組会合であいさつし「日教組をPRしてくれると思い、自民党の動きを歓迎しよう」と皮肉を込めた上で「どちらが国民の信頼を得るかが勝負だ」と述べた。


>日教組

  以前さんざんこの団体を叩く記事を書いていたアホネット右翼だったのは、何を隠そう私です。旧ブログを見ると、そういう記事がいくらでもありますので、よかったらご覧になって下さい(笑)。
  今はどうなのかというと、たいして興味がないので、好きか嫌いかと聞かれても「どっちでもない」としか答えようがありません。そんなことより、ブログで書くべきことはたくさんあるのです。
  あと、最近になって分かったのですが、「きもい」連中を本気になって構うというのも、端から見ていて十分気持ち悪い行為だということです。
  それを、一般人が無料で暇つぶしや憂さ晴らしに利用するブログでやるならまだしも、国民の税金から歳費をもらって活動している公務員の人びとがやるわけですから、もうこれはお笑い以外の何者でもないでしょう。

>国会論戦や演説などで民主党をけん制する

  民主党の議員が委員会質問で「労働者派遣制度の見直しを検討すべきじゃないんですか」と発問したら、麻生さんや舛添さんが「日教組に支持されている民主党にはそのようなことを言う資格がない」と反撃・・・全然反論になっていません。

>日教組や自治労が幅を利かしている民主党に日本は任せられない

  自分たちが貧困化を助長するような仕組みを進んで作っておいて、そのことに対して批判が高まると「民主党よりマシだ」と言い出す。もうほとんどネット右翼です。ここまで来たら中山さんご自身も、「中山成彬blog~我が国・日本を愛する!!」みたいなタイトルのブログを作って、政治ブログランキングに登録するといいんじゃないでしょうか。

>攻めの選挙

  ・・・まさか、今年の9月に予定されている衆院選挙で、上のような発言を自民党の候補者や応援演説する幹部クラスがぶちかますつもりなんでしょうか?
  それに、「攻めの選挙」というのもなんかおかしい感じがします。自分たちは政権を担っているわけですから、その政策の正当性や、今後直すべき点をきちんと述べればいいだけの話です。
  それが出来ないというのは、自分たちがやっているグローバリストや某超大国への利益誘導が、明らかにまともでないと自覚しているのでしょう。精神病で言うところの、「病識はある」という状態のようです。病気を直すつもりはなさそうですが・・・。
  
>日教組関係者との会合

  まともに会合をもってもらえると思っているあたり、ずいぶん性善説に立っている人びとだなと感心します。
  実現しても、どうせ水掛け論をやっておしまいになるのでしょうが、その様子を動画共有サイトにでもアップしてもらいたいものです。「右も左もバカなんだなぁ」という感想を持つ人が増えてくれると、私としても嬉しい限りです。

  まとめますが、このニュースを通じて分かるのは、結局「自民党って全然余裕がないんだなぁ」ということだけです。
  佐藤栄作や田中角栄が首相だった頃の、ふてぶてしいまでの「横綱」っぷりとは隔世の感があります。今の自民党は、立ち会いで変化をしたり、はたき込みで勝ってばかりいるくせに、その体たらくを指摘されると逆ギレするようなアホ横綱としか思えません。
  それでも、相撲界みたいに横綱審議会だとか親方連中が指導したり、後援会が批判をしたりすればいいのですが、「さすが中山先生は国士だ!」とか「民主党は反日政党!消去法で自民党しか選べない!」などという盲目的な信者ばかりというのも頭が痛いところです。今回の一件が前面に出てしまうと、自民党が一部の異常者向け政党だという印象を持つ有権者が増えてしまうのは仕方がないでしょう。
  まさか、麻生首相にご自身のカイカクを否定してほしくないライオンみたいな髪型の御仁や、その手下の最大派閥の元締めで移民を1000万人入れようとか提案している彼あたりが、「おい中山、ちょっと騒ぎを起こして麻生の邪魔をしてこい。新党が出来たら幹事長ポストやるから」などと手を回していたりするのでしょうか?自分たちは新党を結成するから、自民党は麻生の代で沈めてしまえ・・・という感じで。
  麻生さんも、景気対策で頭がいっぱいなのは分かりますが、手下の行動をもう少しきちんと管理した方がいいんじゃないかと思います。

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