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2008.10.31(Fri)

自由競争の果てにあるもの~携帯電話の飽和した市場に想う 

  いくら頭打ちの業界とはいえ、ここまでやるか・・・と呆れてしまいました。

ダイヤ携帯に上戸さん、可南子さん感嘆 ソフトバンク秋冬モデル発表
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/081030/trd0810301920009-n1.htm

「ティファニー」の宝石があしらわれた携帯電話を手にする女優の上戸彩 ソフトバンクモバイルは30日、携帯電話の2008年秋冬モデル13機種を発表した。

 主力のタッチパネル型端末では、3・8インチの大型液晶を備えたシャープの「アクオスケータイ フルタッチ」など4機種を投入すると発表した。

 会見には、同社のCMに登場するタレントの上戸彩さん、樋口可南子さんも登場。ティファニーをモチーフにした、ダイヤモンドで装飾された携帯電話端末孫正義社長からプレゼントされた二人は、「すごい」「言葉を失う」など感嘆の声をあげていた。


>ダイヤモンドで装飾された携帯電話端末

  ここまで奇抜なことをやらないと話題性が出ないほど、携帯電話業界が飽和しきっているということです。
  携帯電話は、一頃より確実に売れなくなってきています。最近の動向を見てみましょう。

国内携帯出荷数が大幅減、08年度上期は2000万台割れ【MM総研調査】
http://markezine.jp/article/detail/5744

MM総研は08年度上期の国内携帯電話出荷状況を調査結果を発表。00年度以降の半期別台数としては、2番目に少ない規模になった。

MM総研が発表した08年4月~9月の国内携帯電話出荷状況調査によると、総出荷台数は前年同期比21.2%減の1,981万台。00年度以降の調査では上期出荷台数として初の2,000万台割れを記録し、半期別台数としても01年度下期の1,895万台に次いで2番目に少ない規模になった。

 同研究所によると、出荷台数大幅減の要因として最大のものは、新販売方式による端末価格の高騰。周辺要因としては、各キャリアの期間拘束型プランの浸透により解約率が低下し、MNP制度を含めたキャリア間移動が減少したこと。さらに、ユーザーの端末に対する目が厳しくなっていることや、景気減速に伴う個人消費の低迷が携帯電話市場にも波及していることなどが挙げられる。

 また、08年度上期のメーカーシェアは、シャープが半期別シェアで06年度上期以降5期連続で1位を獲得したが、出荷台数は前年同期比30.3%減。これは市場全体よりも9.1ポイント大きい減少幅となる。2位は、昨年度同様パナソニックモバイルコミュニケーションズ、3位はNECで前年同期の5位から上昇。出荷台数は20.9%増と唯一の出荷増で健闘している。

同研究所は下期も厳しい状況が続くと予測。08年度通期の出荷台数は3,940万台と00年度の調査開始以降では初めて4,000万台を下回ると予測。今後数年間の出荷台数についても、09年度・10年度の出荷台数規模はそれぞれ3,730万台、3,700万台とさらに落ち込むと予測している。



  ●こちらのグラフを見ると分かりますが、今年3月現在の携帯電話の普及率は総務省の調査では95%超(単身世帯を含む)、内閣府の調査では90%超と、新規の需要を望む余地が極端に少なくなっています。
  そうなると、今度は「きわもの」を出して出荷台数を稼ごうということになるのですが、こちらもうまく行っていません。鳴り物入りで登場したあの携帯電話がさんざんな状況になっています。

iPhone 3Gの販売台数は実質「敗戦」状態か
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20080904_iphone_lose/

7月11日にソフトバンクモバイルから発売されたAppleの携帯電話「iPhone 3G」ですが、フジサンケイビジネスアイの報道によると販売状況は実質「敗戦」状態で、「戦後処理も必要な段階」に差し掛かっているそうです。

鳴り物入りで登場した「iPhone 3G」ですが、実際どれだけ売れたのでしょうか。また、不振の理由についても紹介されています。

詳細は以下の通り。

FujiSankei Business i. 総合/【クローズアップ】どうなる スマートフォン戦線異常あり

この記事によると、「iPhone 3G」の販売台数について、Appleもソフトバンクモバイルも非公開としていますが、通信業界に詳しいアナリストは「20万台前後で止まっている感がある」と推測しているそうです。そして年内販売台数を控えめに35万台程度と見積もっていたものの、それにも及ばない情勢とのこと。

なお、アナリストは「iPhone 3G」の商戦を総括して「日本向けに手直しせず発売した点で市場を見誤っていた。一定のヒットはしたが、戦後処理も必要な段階だ」と述べた上で、すでに日本の携帯電話がインターネット閲覧機能や音楽再生機能を盛り込んでいたことから、欧米と比べて「iPhone 3G」の新規性が薄いことを指摘しています。

ちなみに全国の量販店の販売データを集計している「BCNランキング」の2008年8月26日~9月1日分の集計データを確認したところ、ソフトバンクモバイル端末の中では最も販売台数が多い「iPhone 3G」の16GBモデルが13位、8GBモデルは48位にランクインしており、ランキング1位でシェア4.6%を占めるNTTドコモの「P906i(6月1日発売)」や、4位で3.4%のシェアを占めるauの「W62SH(7月17日発売)」などに大きく遅れを取っています。

また、モバイルユーザーの最新利用動向などをリサーチするMMD研究所の調査結果によると、「iPhone 3G」ユーザーの7割が別途携帯電話を契約している「2台持ち」のユーザーであったとのことですが、やはり「iPhone 3G」を契約するとソフトバンクモバイルユーザーであってもメールアドレスが変わってしまうことなどが「iPhone 3G」に一本化する際のネックとなっているのでしょうか。

発売から半年も経てば「旧機種」扱いを受ける日本の携帯電話市場ですが、予想外に苦戦している「iPhone 3G」になんらかのテコ入れは行われるのでしょうか。今後の動向が気になります。



>「iPhone 3G」の販売台数について、Appleもソフトバンクモバイルも非公開としています

  すさまじく売れていないのでしょう。ソフトバンクの株主の方がいらっしゃったら、ぜひ今度の株主総会で孫正義社長に質問してほしいものです。
  もっとも、孫社長は正直なところiPhoneどころではないかもしれません。こういうニュースが入ってきているからです。

ソフトバンク、最大750億円損失の恐れ 金融危機影響
http://www.asahi.com/business/update/1029/TKY200810290303.html

 ソフトバンクは29日、世界的な金融危機の影響で最大750億円の特別損失が生じる可能性があると発表した。同社が事実上保有する750億円の債務担保証券で、構成する複数の債券が新たに債務不履行になると、全額が償還不能になるという。

 同社によると、旧ボーダフォンジャパンが発行した社債の償還原資として750億円を金銭信託し、この信託が160銘柄で構成する債務担保証券を保有していた。契約では、このうち6銘柄まで債務不履行になっても損失は発生しないが、7銘柄だと償還額は456億円減り、8銘柄以上で全額の750億円が損失になる仕組みという。債務担保証券の償還は10年8月と9月。すでに経営破綻(はたん)したリーマン・ブラザーズなどの6銘柄が債務不履行となっており、期限までにさらに複数の債務不履行が出ると、特別損失が発生する。

 携帯電話事業を証券化して資金調達する際に必要だった措置で、投機目的ではないという。ソフトバンクの孫正義社長は「こうした取引はほかにはなく、仮に損失が発生しても影響は一過性のものだ」と説明している。

 ソフトバンクが同日発表した08年9月中間決算は、当期利益が前年同期比11.5%減の411億円。750億円の特別損失が発生すると、09年3月期は赤字転落する可能性がある。中間決算の売上高は携帯端末の販売減で同2.6%減の1兆3289億円。ただ、連結子会社のヤフーが好調で、営業利益は同7.3%増の1800億円と過去最高を更新した。


>7銘柄だと償還額は456億円減り、8銘柄以上で全額の750億円が損失になる

>すでに経営破綻(はたん)したリーマン・ブラザーズなどの6銘柄が
>債務不履行となっており、期限までにさらに複数の債務不履行が出ると、
>特別損失が発生する。


  もはやリーチ状態ですね。麻雀ならこういうスリルを楽しむのも悪くないと思うのですが、企業経営という日常的な場でやらかすとなると、相当頭が痛くなりそうです。
  
>携帯電話事業を証券化して資金調達

  社債という人様に借りているカネを他人に預けて、それが回り回って●この記事でも紹介したクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)というやつに化けていたのです。社債なら、株式と違って株主総会で経営について糾弾されることもないし、市場に放出されて株価を下げるようなこともないと、高を括っていたのかも知れません。  
  そもそも、事業をやるなら素直に社債を発行したり、新株発行したりすればいいじゃないかと思うのですが、ライブドアに類するIT長者は発想は、そんな面倒くさいことはやっていられないわけです。
  iPhoneの販売台数のように、不利な情報は開示しないという企業文化を持っている会社でもあるようですから、株主の方は投資先を再考した方がいいかもしれませんね。

  それはともかくとして、この業界の値引き合戦をリードし、常に話題を提供してきたりソフトバンクも販売不振に陥っています。もう、携帯電話は売ろうにも売れない業界になってしまったのでしょうか。

  経済や市況のニュースを聞いていると、新しいことが次々と発表されるので、ついつい忘れてしまいそうになるのですが、そもそも全ての需要には限界があるということを忘れてはなりません。
  そして、皮肉なことに、その需要の限界は、経済の世界ではしきりにもてはやされる「競争」というものがもたらしているのです。
  競争のプロセスを簡単に見てみましょう。

1.品質の向上

  技術革新が進むと、「本来的機能の向上」(携帯電話なら声が聞き取りやすくなったり、電波が入りやすくなったりする)、「耐久性の向上」(昔の携帯と違って、今の携帯は落としたくらいでは壊れない)、「軽量化・小型化」(昔の携帯電話は●こんな感じだった!)が達成されます。

2.価格の低下

  そして、競争が激しくなるとだいたい何処も同じような商品を出すようになります。シャープの携帯電話とパナソニックの携帯電話の違いはどこか、などという問いに答えられるのは、携帯ショップのおねえちゃんくらいでしょう。それくらい、素人には分かりづらい差異しか生じなくなるわけです。
  そうなると、もう値段を下げるしかなくなります。たとえば、極端な値引きをしたり、古くなったモデルを1円でたたき売ったりするわけです。そうなると、当然人件費は削減され(携帯電話会社の公式ショップにいる店員もほとんどが派遣かアルバイト)、生産拠点を中国やフィリピンに移さざるをえなくなってきます。いくらなんでも、チュウゴク産の携帯電話をかけると殺虫剤でやられるということはありませんから、そういう動きは一次産品よりもより活発に行われるわけです。

4.新しい販売層の開拓

  子供だとか、お年寄りだとか、本来携帯電話を使う必要がない層にまで売り込むことになります。携帯電話が媒介になった犯罪を問題視している人たちもいる(●この記事を参照)ようですが、そうでもしないと利益を出し続けられない携帯電話業界の事情があるのです。

5.過剰PR

  それでも売れなくなってくると、今度はイメージで差を付けようとします。タレントが異常にたくさん出てくるので携帯電話の宣伝だかタレントのプロモーションビデオだからわけが分からなくなっていたり、イヌをアイドルにしたホームドラマみたいにしたり、「これ、携帯電話の宣伝なんだよな?」と首をかしげたくなるようなテレビCMも、そういう努力の賜物(笑)です。

5.キワモノ化

  こうやって、ダイヤモンドをあしらった異様な携帯電話が登場するわけです(詳細を知りたい方は●こちらを参照。希望小売価格は1298万円)。
  そのうち、「食べられるケータイ」や「ソ○ー製の人工知能内蔵イヌ型ケータイ」みたいなものまで出てくるかも知れません。ダイヤモンド携帯でも辟易しているのに、もうやめてよ、と言いたくなります。
  そうやって刺激を与えないとダメなほど、業界自体がマンネリ化しているのです。もう、ここまで来ると何をやっても決定打にはならないでしょう。

  これは、別に携帯電話に限ったことではなく、電化製品や自動車のような耐久消費財であれば、全てにおいて当てはまる現象だといえます。どんな競争にも、必ず終わりがやってくるのです。  

  では、何をやっても頭打ちの携帯電話業界に、起爆剤はないのでしょうか?私が考えつくのは、これくらいです。

1.すぐ壊れるようにする

  いわゆる「○ニータイマー」というやつです(あえて実名は伏せる。問い合わせは一切不可)。こうすれば、嫌でも消費者は買い換えざるをえなくなります。
  このやり方の欠点は、

(1)携帯電話に蓄えた情報まで失われる可能性がある
(2)消費者の非難囂々で、●あの省庁に突っ込まれる可能性がある
(3)業界全体で談合しなければならず、「抜け駆け」のおそれがつきまとう


  というものです。
  (1)は、メモリーだけは壊れない仕組みにすればいいだけの話です。マイクロSDカードという記憶媒体をおまけでつけてあげて、1日おきに自動バックアップを取るようなプログラムを導入すれば解決できます。
  (2)については、「最近の携帯電話は超精密機械を使うようになって、壊れるリスクが高まっている」という話を、ビジネス雑誌だとかワイドショーでばらまけば、携帯電話をバンバン買い換える層の対策としては十分です。「あの省庁」も、考えた政党が政党ですから、族議員みたいな連中(たとえば、●こういう人に「必要経費」をばらまいておけば、絡まれることはまずありません。
  一番問題なのは(3)です。私がこの業界のコンサルタントなら、「携帯が壊れやすいのは、買い換えをさせるための陰謀だ!」「イ○ミナティーが世界支配のために携帯電話に手を出している」「ロス○ャイルドは電磁波で人類家畜化を狙っている!買い換える度に電磁波は高出力になっている!」などという話を●この人●この人に書いてもらって(関係者のリークという形にすれば飛びついてくれるはず)、週刊誌に取り上げてもらいます。こうすれば、真面目なジャーナリストやブロガーがいくらこの問題を訴えても、普通の人が聞く耳を持たなくなるわけです。
  半分冗談ですが、やろうと思えばこういうこともできるということです。

2.他国に「進出」する

  要するに「侵略」です。今の世界では武力で市場を確保するのは難しい状況ですが、経済的なものなら何とかやれそうです。
  たとえば、本当に「たとえば」ですが、外需に極端に依存して、昨今のアメリカ発金融危機でアップアップになっている国に、落ちるところまでとことん落ちてもらって、株価が下がりきったところでその国の携帯電話会社を買収します。財務状態もさんざんでしょうから、日本の携帯会社がM&Aを持ちかけて立て直しを図ろうという話になります。その国の愛国者とやらがギャーギャー騒いでも、「業界再編」だとか「国際競争力強化」だとかマスコミに書き立ててもらえばいいのです。
  そうした上で、その国に、日本製の携帯端末を売りまくるのです。近くに、人件費が安いだけが取り柄の国でもあったら、そこで端末を作って輸出すれば、完璧でしょう。
  この「外需依存で青息吐息の国」というのは、このブログを継続してご覧になっている方なら、すぐにピンとくるでしょう。もし分からない方がいらっしゃったら、このブログの9月上旬の記事をお読みになると分かるかも知れません。

  断っておきますが、別に、日本の企業にそういうことをしろ、と進めているのではありません。現代版の侵略というのは、そういうものだということを言いたいだけです。

  上に挙げた二つの方法を見て、「素晴らしい」「すぐにでも実行しよう」などと思う経営者や経済政策担当者はおそらくいないでしょう。あまりにも極端だからです。
  しかし、二つの世界大戦というのは、そういう風にして起こったということを、我々は覚えておかなければなりません。過剰在庫を捌くために、あるいは植民地の獲得を狙い、あるいは自国の製品をダンピングして輸出し、あるいは戦争による特需で消化を狙ったのです。
  そして、大戦期の徹底的な破壊によって、新たな需要が生まれ、日本を含めた多くの国々が経済発展したということも忘れてはなりません。
  
  ただただ「戦争は悪いものだ」と考えていては、おそらくまた我々は同じ過ちを犯すことになるでしょう。近代経済の宿痾である「過剰在庫」と、その解消のための「対外進出」。この部分を解決しなければ、人類はやがて貴重な資源や地球という生物のための奇跡的な環境を失い、やがて滅んでいくことになるでしょう。それがどのくらい先になるかは分かりません。
  だからといって、「エコ」なんかに走っても、問題は何も解決しません。まあ、言いっぱなしも何なので、●こちらのページでも見てみてください。みんなが必死扱いて排出量を減らせ減らせと言っている二酸化炭素は、温暖化に3%しか寄与していません。ああいうのは、新しいビジネスの形であり、熱中すればするほど、ダイヤモンド携帯みたいなおかしな事態になるでしょう。

  唯一の解決方法は、永遠の拡大を前提に構築された近代経済システムを抜本から見直すことです。

  そのためのヒントはたくさんあります。このブログでも紹介している「地域通貨」がその一つです。需要に合わせてものを作るというサイクルを実現するには、地域単位の小さな経済循環を作るしかありません。貯蔵や利子取得を大前提にした近代的な通貨は非常に具合が悪いのです。
  また、殿様や侍がえばっていてどうしようもなかったなどと間違った理解をされている「江戸時代」を再評価することも効果があります。当時、世界最大の都市だった江戸では、河川の汚染や、ゴミや糞尿の処理に関する問題がほとんど起こっていませんでした。自然のサイクルに合致した汚物処理や物資の生産を行っていたからです。●こちらのホームページなどで、そのすごさを簡単に知ることができます。
  そうすることで、多くの人が「いつかは飽和する運命の市場競争なんて馬鹿馬鹿しい」と気づき、何事もほどほどにやるようになっていけばいいと思っています。
  地球という、限られた環境の中でこれからも生き続けたいなら、その方がよほど「合理的」だと思うのですが・・・。

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