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2008.10.31(Fri)

自由競争の果てにあるもの~携帯電話の飽和した市場に想う 

  いくら頭打ちの業界とはいえ、ここまでやるか・・・と呆れてしまいました。

ダイヤ携帯に上戸さん、可南子さん感嘆 ソフトバンク秋冬モデル発表
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/081030/trd0810301920009-n1.htm

「ティファニー」の宝石があしらわれた携帯電話を手にする女優の上戸彩 ソフトバンクモバイルは30日、携帯電話の2008年秋冬モデル13機種を発表した。

 主力のタッチパネル型端末では、3・8インチの大型液晶を備えたシャープの「アクオスケータイ フルタッチ」など4機種を投入すると発表した。

 会見には、同社のCMに登場するタレントの上戸彩さん、樋口可南子さんも登場。ティファニーをモチーフにした、ダイヤモンドで装飾された携帯電話端末孫正義社長からプレゼントされた二人は、「すごい」「言葉を失う」など感嘆の声をあげていた。


>ダイヤモンドで装飾された携帯電話端末

  ここまで奇抜なことをやらないと話題性が出ないほど、携帯電話業界が飽和しきっているということです。
  携帯電話は、一頃より確実に売れなくなってきています。最近の動向を見てみましょう。

国内携帯出荷数が大幅減、08年度上期は2000万台割れ【MM総研調査】
http://markezine.jp/article/detail/5744

MM総研は08年度上期の国内携帯電話出荷状況を調査結果を発表。00年度以降の半期別台数としては、2番目に少ない規模になった。

MM総研が発表した08年4月~9月の国内携帯電話出荷状況調査によると、総出荷台数は前年同期比21.2%減の1,981万台。00年度以降の調査では上期出荷台数として初の2,000万台割れを記録し、半期別台数としても01年度下期の1,895万台に次いで2番目に少ない規模になった。

 同研究所によると、出荷台数大幅減の要因として最大のものは、新販売方式による端末価格の高騰。周辺要因としては、各キャリアの期間拘束型プランの浸透により解約率が低下し、MNP制度を含めたキャリア間移動が減少したこと。さらに、ユーザーの端末に対する目が厳しくなっていることや、景気減速に伴う個人消費の低迷が携帯電話市場にも波及していることなどが挙げられる。

 また、08年度上期のメーカーシェアは、シャープが半期別シェアで06年度上期以降5期連続で1位を獲得したが、出荷台数は前年同期比30.3%減。これは市場全体よりも9.1ポイント大きい減少幅となる。2位は、昨年度同様パナソニックモバイルコミュニケーションズ、3位はNECで前年同期の5位から上昇。出荷台数は20.9%増と唯一の出荷増で健闘している。

同研究所は下期も厳しい状況が続くと予測。08年度通期の出荷台数は3,940万台と00年度の調査開始以降では初めて4,000万台を下回ると予測。今後数年間の出荷台数についても、09年度・10年度の出荷台数規模はそれぞれ3,730万台、3,700万台とさらに落ち込むと予測している。



  ●こちらのグラフを見ると分かりますが、今年3月現在の携帯電話の普及率は総務省の調査では95%超(単身世帯を含む)、内閣府の調査では90%超と、新規の需要を望む余地が極端に少なくなっています。
  そうなると、今度は「きわもの」を出して出荷台数を稼ごうということになるのですが、こちらもうまく行っていません。鳴り物入りで登場したあの携帯電話がさんざんな状況になっています。

iPhone 3Gの販売台数は実質「敗戦」状態か
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20080904_iphone_lose/

7月11日にソフトバンクモバイルから発売されたAppleの携帯電話「iPhone 3G」ですが、フジサンケイビジネスアイの報道によると販売状況は実質「敗戦」状態で、「戦後処理も必要な段階」に差し掛かっているそうです。

鳴り物入りで登場した「iPhone 3G」ですが、実際どれだけ売れたのでしょうか。また、不振の理由についても紹介されています。

詳細は以下の通り。

FujiSankei Business i. 総合/【クローズアップ】どうなる スマートフォン戦線異常あり

この記事によると、「iPhone 3G」の販売台数について、Appleもソフトバンクモバイルも非公開としていますが、通信業界に詳しいアナリストは「20万台前後で止まっている感がある」と推測しているそうです。そして年内販売台数を控えめに35万台程度と見積もっていたものの、それにも及ばない情勢とのこと。

なお、アナリストは「iPhone 3G」の商戦を総括して「日本向けに手直しせず発売した点で市場を見誤っていた。一定のヒットはしたが、戦後処理も必要な段階だ」と述べた上で、すでに日本の携帯電話がインターネット閲覧機能や音楽再生機能を盛り込んでいたことから、欧米と比べて「iPhone 3G」の新規性が薄いことを指摘しています。

ちなみに全国の量販店の販売データを集計している「BCNランキング」の2008年8月26日~9月1日分の集計データを確認したところ、ソフトバンクモバイル端末の中では最も販売台数が多い「iPhone 3G」の16GBモデルが13位、8GBモデルは48位にランクインしており、ランキング1位でシェア4.6%を占めるNTTドコモの「P906i(6月1日発売)」や、4位で3.4%のシェアを占めるauの「W62SH(7月17日発売)」などに大きく遅れを取っています。

また、モバイルユーザーの最新利用動向などをリサーチするMMD研究所の調査結果によると、「iPhone 3G」ユーザーの7割が別途携帯電話を契約している「2台持ち」のユーザーであったとのことですが、やはり「iPhone 3G」を契約するとソフトバンクモバイルユーザーであってもメールアドレスが変わってしまうことなどが「iPhone 3G」に一本化する際のネックとなっているのでしょうか。

発売から半年も経てば「旧機種」扱いを受ける日本の携帯電話市場ですが、予想外に苦戦している「iPhone 3G」になんらかのテコ入れは行われるのでしょうか。今後の動向が気になります。



>「iPhone 3G」の販売台数について、Appleもソフトバンクモバイルも非公開としています

  すさまじく売れていないのでしょう。ソフトバンクの株主の方がいらっしゃったら、ぜひ今度の株主総会で孫正義社長に質問してほしいものです。
  もっとも、孫社長は正直なところiPhoneどころではないかもしれません。こういうニュースが入ってきているからです。

ソフトバンク、最大750億円損失の恐れ 金融危機影響
http://www.asahi.com/business/update/1029/TKY200810290303.html

 ソフトバンクは29日、世界的な金融危機の影響で最大750億円の特別損失が生じる可能性があると発表した。同社が事実上保有する750億円の債務担保証券で、構成する複数の債券が新たに債務不履行になると、全額が償還不能になるという。

 同社によると、旧ボーダフォンジャパンが発行した社債の償還原資として750億円を金銭信託し、この信託が160銘柄で構成する債務担保証券を保有していた。契約では、このうち6銘柄まで債務不履行になっても損失は発生しないが、7銘柄だと償還額は456億円減り、8銘柄以上で全額の750億円が損失になる仕組みという。債務担保証券の償還は10年8月と9月。すでに経営破綻(はたん)したリーマン・ブラザーズなどの6銘柄が債務不履行となっており、期限までにさらに複数の債務不履行が出ると、特別損失が発生する。

 携帯電話事業を証券化して資金調達する際に必要だった措置で、投機目的ではないという。ソフトバンクの孫正義社長は「こうした取引はほかにはなく、仮に損失が発生しても影響は一過性のものだ」と説明している。

 ソフトバンクが同日発表した08年9月中間決算は、当期利益が前年同期比11.5%減の411億円。750億円の特別損失が発生すると、09年3月期は赤字転落する可能性がある。中間決算の売上高は携帯端末の販売減で同2.6%減の1兆3289億円。ただ、連結子会社のヤフーが好調で、営業利益は同7.3%増の1800億円と過去最高を更新した。


>7銘柄だと償還額は456億円減り、8銘柄以上で全額の750億円が損失になる

>すでに経営破綻(はたん)したリーマン・ブラザーズなどの6銘柄が
>債務不履行となっており、期限までにさらに複数の債務不履行が出ると、
>特別損失が発生する。


  もはやリーチ状態ですね。麻雀ならこういうスリルを楽しむのも悪くないと思うのですが、企業経営という日常的な場でやらかすとなると、相当頭が痛くなりそうです。
  
>携帯電話事業を証券化して資金調達

  社債という人様に借りているカネを他人に預けて、それが回り回って●この記事でも紹介したクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)というやつに化けていたのです。社債なら、株式と違って株主総会で経営について糾弾されることもないし、市場に放出されて株価を下げるようなこともないと、高を括っていたのかも知れません。  
  そもそも、事業をやるなら素直に社債を発行したり、新株発行したりすればいいじゃないかと思うのですが、ライブドアに類するIT長者は発想は、そんな面倒くさいことはやっていられないわけです。
  iPhoneの販売台数のように、不利な情報は開示しないという企業文化を持っている会社でもあるようですから、株主の方は投資先を再考した方がいいかもしれませんね。

  それはともかくとして、この業界の値引き合戦をリードし、常に話題を提供してきたりソフトバンクも販売不振に陥っています。もう、携帯電話は売ろうにも売れない業界になってしまったのでしょうか。

  経済や市況のニュースを聞いていると、新しいことが次々と発表されるので、ついつい忘れてしまいそうになるのですが、そもそも全ての需要には限界があるということを忘れてはなりません。
  そして、皮肉なことに、その需要の限界は、経済の世界ではしきりにもてはやされる「競争」というものがもたらしているのです。
  競争のプロセスを簡単に見てみましょう。

1.品質の向上

  技術革新が進むと、「本来的機能の向上」(携帯電話なら声が聞き取りやすくなったり、電波が入りやすくなったりする)、「耐久性の向上」(昔の携帯と違って、今の携帯は落としたくらいでは壊れない)、「軽量化・小型化」(昔の携帯電話は●こんな感じだった!)が達成されます。

2.価格の低下

  そして、競争が激しくなるとだいたい何処も同じような商品を出すようになります。シャープの携帯電話とパナソニックの携帯電話の違いはどこか、などという問いに答えられるのは、携帯ショップのおねえちゃんくらいでしょう。それくらい、素人には分かりづらい差異しか生じなくなるわけです。
  そうなると、もう値段を下げるしかなくなります。たとえば、極端な値引きをしたり、古くなったモデルを1円でたたき売ったりするわけです。そうなると、当然人件費は削減され(携帯電話会社の公式ショップにいる店員もほとんどが派遣かアルバイト)、生産拠点を中国やフィリピンに移さざるをえなくなってきます。いくらなんでも、チュウゴク産の携帯電話をかけると殺虫剤でやられるということはありませんから、そういう動きは一次産品よりもより活発に行われるわけです。

4.新しい販売層の開拓

  子供だとか、お年寄りだとか、本来携帯電話を使う必要がない層にまで売り込むことになります。携帯電話が媒介になった犯罪を問題視している人たちもいる(●この記事を参照)ようですが、そうでもしないと利益を出し続けられない携帯電話業界の事情があるのです。

5.過剰PR

  それでも売れなくなってくると、今度はイメージで差を付けようとします。タレントが異常にたくさん出てくるので携帯電話の宣伝だかタレントのプロモーションビデオだからわけが分からなくなっていたり、イヌをアイドルにしたホームドラマみたいにしたり、「これ、携帯電話の宣伝なんだよな?」と首をかしげたくなるようなテレビCMも、そういう努力の賜物(笑)です。

5.キワモノ化

  こうやって、ダイヤモンドをあしらった異様な携帯電話が登場するわけです(詳細を知りたい方は●こちらを参照。希望小売価格は1298万円)。
  そのうち、「食べられるケータイ」や「ソ○ー製の人工知能内蔵イヌ型ケータイ」みたいなものまで出てくるかも知れません。ダイヤモンド携帯でも辟易しているのに、もうやめてよ、と言いたくなります。
  そうやって刺激を与えないとダメなほど、業界自体がマンネリ化しているのです。もう、ここまで来ると何をやっても決定打にはならないでしょう。

  これは、別に携帯電話に限ったことではなく、電化製品や自動車のような耐久消費財であれば、全てにおいて当てはまる現象だといえます。どんな競争にも、必ず終わりがやってくるのです。  

  では、何をやっても頭打ちの携帯電話業界に、起爆剤はないのでしょうか?私が考えつくのは、これくらいです。

1.すぐ壊れるようにする

  いわゆる「○ニータイマー」というやつです(あえて実名は伏せる。問い合わせは一切不可)。こうすれば、嫌でも消費者は買い換えざるをえなくなります。
  このやり方の欠点は、

(1)携帯電話に蓄えた情報まで失われる可能性がある
(2)消費者の非難囂々で、●あの省庁に突っ込まれる可能性がある
(3)業界全体で談合しなければならず、「抜け駆け」のおそれがつきまとう


  というものです。
  (1)は、メモリーだけは壊れない仕組みにすればいいだけの話です。マイクロSDカードという記憶媒体をおまけでつけてあげて、1日おきに自動バックアップを取るようなプログラムを導入すれば解決できます。
  (2)については、「最近の携帯電話は超精密機械を使うようになって、壊れるリスクが高まっている」という話を、ビジネス雑誌だとかワイドショーでばらまけば、携帯電話をバンバン買い換える層の対策としては十分です。「あの省庁」も、考えた政党が政党ですから、族議員みたいな連中(たとえば、●こういう人に「必要経費」をばらまいておけば、絡まれることはまずありません。
  一番問題なのは(3)です。私がこの業界のコンサルタントなら、「携帯が壊れやすいのは、買い換えをさせるための陰謀だ!」「イ○ミナティーが世界支配のために携帯電話に手を出している」「ロス○ャイルドは電磁波で人類家畜化を狙っている!買い換える度に電磁波は高出力になっている!」などという話を●この人●この人に書いてもらって(関係者のリークという形にすれば飛びついてくれるはず)、週刊誌に取り上げてもらいます。こうすれば、真面目なジャーナリストやブロガーがいくらこの問題を訴えても、普通の人が聞く耳を持たなくなるわけです。
  半分冗談ですが、やろうと思えばこういうこともできるということです。

2.他国に「進出」する

  要するに「侵略」です。今の世界では武力で市場を確保するのは難しい状況ですが、経済的なものなら何とかやれそうです。
  たとえば、本当に「たとえば」ですが、外需に極端に依存して、昨今のアメリカ発金融危機でアップアップになっている国に、落ちるところまでとことん落ちてもらって、株価が下がりきったところでその国の携帯電話会社を買収します。財務状態もさんざんでしょうから、日本の携帯会社がM&Aを持ちかけて立て直しを図ろうという話になります。その国の愛国者とやらがギャーギャー騒いでも、「業界再編」だとか「国際競争力強化」だとかマスコミに書き立ててもらえばいいのです。
  そうした上で、その国に、日本製の携帯端末を売りまくるのです。近くに、人件費が安いだけが取り柄の国でもあったら、そこで端末を作って輸出すれば、完璧でしょう。
  この「外需依存で青息吐息の国」というのは、このブログを継続してご覧になっている方なら、すぐにピンとくるでしょう。もし分からない方がいらっしゃったら、このブログの9月上旬の記事をお読みになると分かるかも知れません。

  断っておきますが、別に、日本の企業にそういうことをしろ、と進めているのではありません。現代版の侵略というのは、そういうものだということを言いたいだけです。

  上に挙げた二つの方法を見て、「素晴らしい」「すぐにでも実行しよう」などと思う経営者や経済政策担当者はおそらくいないでしょう。あまりにも極端だからです。
  しかし、二つの世界大戦というのは、そういう風にして起こったということを、我々は覚えておかなければなりません。過剰在庫を捌くために、あるいは植民地の獲得を狙い、あるいは自国の製品をダンピングして輸出し、あるいは戦争による特需で消化を狙ったのです。
  そして、大戦期の徹底的な破壊によって、新たな需要が生まれ、日本を含めた多くの国々が経済発展したということも忘れてはなりません。
  
  ただただ「戦争は悪いものだ」と考えていては、おそらくまた我々は同じ過ちを犯すことになるでしょう。近代経済の宿痾である「過剰在庫」と、その解消のための「対外進出」。この部分を解決しなければ、人類はやがて貴重な資源や地球という生物のための奇跡的な環境を失い、やがて滅んでいくことになるでしょう。それがどのくらい先になるかは分かりません。
  だからといって、「エコ」なんかに走っても、問題は何も解決しません。まあ、言いっぱなしも何なので、●こちらのページでも見てみてください。みんなが必死扱いて排出量を減らせ減らせと言っている二酸化炭素は、温暖化に3%しか寄与していません。ああいうのは、新しいビジネスの形であり、熱中すればするほど、ダイヤモンド携帯みたいなおかしな事態になるでしょう。

  唯一の解決方法は、永遠の拡大を前提に構築された近代経済システムを抜本から見直すことです。

  そのためのヒントはたくさんあります。このブログでも紹介している「地域通貨」がその一つです。需要に合わせてものを作るというサイクルを実現するには、地域単位の小さな経済循環を作るしかありません。貯蔵や利子取得を大前提にした近代的な通貨は非常に具合が悪いのです。
  また、殿様や侍がえばっていてどうしようもなかったなどと間違った理解をされている「江戸時代」を再評価することも効果があります。当時、世界最大の都市だった江戸では、河川の汚染や、ゴミや糞尿の処理に関する問題がほとんど起こっていませんでした。自然のサイクルに合致した汚物処理や物資の生産を行っていたからです。●こちらのホームページなどで、そのすごさを簡単に知ることができます。
  そうすることで、多くの人が「いつかは飽和する運命の市場競争なんて馬鹿馬鹿しい」と気づき、何事もほどほどにやるようになっていけばいいと思っています。
  地球という、限られた環境の中でこれからも生き続けたいなら、その方がよほど「合理的」だと思うのですが・・・。

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2008.10.29(Wed)

【落日の】 性懲りもなく同じ過ちを繰り返すアメリカ 【超大国】 

  最初に断っておきますが、、このブログは「反米」ありきの反戦サヨクヘーワ主義ブログではありません(笑)。安心してご覧下さい。

シリア:米当局者、越境攻撃「成功」 イランやロシアは非難
http://mainichi.jp/select/world/news/20081028dde007030069000c.html

 イラク国境に近いシリア領内への米軍による越境攻撃問題で、米当局者は27日、ロイター通信に、イラクへの外国人武装勢力密入国ネットワークを狙った攻撃で「作戦は成功した」と述べた。米国は公式には越境攻撃について沈黙しているが、アフガニスタンからパキスタンへの越境攻撃と同様に、対テロ戦争の遂行をためらわない強い姿勢を示そうとした可能性が高い。

 米当局者がロイター通信に語ったところでは、外国人武装勢力をイラクに送り込んできた「アブ・ガディヤ」という男が死亡したとみられている。この男は「イラクの聖戦アルカイダ組織」の元指導者ザルカウィ容疑者(06年6月死亡)の腹心でシリア・イラク国境の越境ルートに通じていたとされる。

 米軍特殊部隊による作戦だったとする報道の他、CIA(米中央情報局)の関与を示唆する当局者もおり、情報は交錯している。

 シリアのムアレム外相は同日、記者会見し、殺害されたのは「丸腰のシリア民間人」と強調、「民間人の殺害は国際法では侵略テロだ」と糾弾。シリアと関係の深いイランやロシアも同日、米国の主権侵害を非難した。

 米国が対シリア強硬姿勢を維持しているのに対し、欧州・シリア関係は、今年7月以降、雪解けが進んでいる。ムアレム外相は27日のロイター通信とのインタビューで、「米政権内の一部は中東の同盟国に『米国の対シリア政策は変わらない』とのメッセージを送りたいのではないか」との見方を示した。

 シリア国内にはブッシュ政権の対シリア強硬姿勢への反発が渦巻いている。同国のマクダッド外務次官は今月中旬、毎日新聞に対し、「米国は(この8年間)何度も間違いを犯し、米国自身のマイナスイメージを増幅してきた。次期政権はその回復に真剣に取り組んでほしい」と話している。


  イラクを5年前に制圧したアメリカが、今度は隣国のシリアに大して攻撃を仕掛けているようです。
  地図を確認しておきましょう。

中東

  イラク(Iraq)とシリア(Syria)の国境線に注目してください。この二カ国の間には、山地や河川、湖沼といった自然の国境線がありません。簡単に行ったり来たりすることができます。
  イラク国内の治安の悪化は目を覆うばかりのものがあり、派遣されているアメリカおよびその同盟国軍の死者は4100名を超えています。外国人の誘拐事件や、爆弾テロも後を絶ちません。そういう治安悪化の原因とされているのが、外国から越境してイラクに入り込む武装組織だと言われており、アメリカはその「供給地」であるシリアを攻撃して武装組織の流入を防ごうという手に出たようです。

  この出来事が示すのは、アメリカが「大日本帝国陸軍」と化してしまったということです。
  昭和初期の日本は、世界恐慌(1929年)の影響による大不況に見舞われましたが、それを対外進出で解決しようと、帰属先が曖昧だった満州(現在の中国東北部)への進出を企てます。日本は日露戦争の結果、満州の南端であるリャオトン半島に権益を保持していた(いわゆる南満州鉄道)ので、そこを足がかりに「満州事変」(1931)を経て自らのコントロール下にある満州国を樹立しました。
  それによって、日本は確かに鉱産資源や重工業用地を手に入れることができたのですが、同時に北側のソ連、南側の中国国民党をも敵に回してしまいました。そこから「日中戦争」に及び、中国権益を狙っていた米英との対立が深まって、最後には「大東亜戦争(太平洋戦争)」までやることになります。
  こういう現象がどうして起こるかというと、●以前の記事でもお話ししたとおり、満州は東アジアの中で戦略上もっとも有利かつ重要な「ハートランド」という土地に当たります。ここを取ると、確かにいろんな意味で有利にはなるのですが、隣接する勢力を全て敵に回すことになります。
  それでもハートランドを保持しようとすると、日本陸軍よろしく、隣接する勢力を先制攻撃するしかなくなるわけです。
  イラクは中東における満州であり、世界で最も重要なハートランドです。イラクを石油資源も豊富であり、かつてのシルクロード(イラン~トルコ)や紅海・スエズ運河やペルシア湾といった交通の要衝を全て押さえることが可能なのです。
  現在のアメリカは、ハートランドであるイラクを手中に収めたものの、周辺諸国からの武装勢力の流入を招き、治安が悪化するというドツボにはまっています。そして、ついに隣国のシリアにまで「侵略」を進めました。まさに、大日本帝国陸軍の破滅ロードを忠実になぞっています。

  さて、アメリカの戦略というのは、その前に世界の覇者だったイギリスのものを受け継ぎ、伝統的には「シーパワー戦略」です。つまり、海上貿易路の支配に全力を注ぎ、陸地の支配は最低限にとどめるというものです。 
  なぜなら、その方が圧倒的に「楽」だからです。海の上の戦争は●ランチェスターの法則が忠実に反映されるため、一度海軍力でトップになれば、一元的に世界の海を管理することが出来ます。大日本帝国海軍がアメリカに挑んでやられたのも、「ワシントン条約」で戦艦の保有数をアメリカの2分の1に抑えられてしまっていたので、ある意味当然でした。
  もっとも、戦艦とは全くパラダイムの異なる空母と潜水艦という先端技術を旨く使えば勝てたのかもしれませんが・・・。
  ともあれ、戦後のアメリカは世界一の海軍力を背景にして、海上貿易路と、それを支える沿岸地域(リムランドという。代表的なのは日本)の防衛に全力を集中することで、ライバルのソ連に対抗していました。というより、ソ連に獰猛で野蛮な(笑)ランドパワーの管理を丸投げして、ブレトン・ウッズ体制(●こちらの記事を参照)のもと、我が世の春を謳歌していたわけです。
  湾岸戦争(1991)の際のクウェート制圧+イラクは空爆のみという方針は、リムランド(クウェートはペルシア湾の出口に当たる)だけを支配して、陸地は軽視もしくは無視するというアメリカの伝統的な戦略をそのままなぞったものでした。

  それが決定的に歪んだ原因は、引用記事のここに答えが隠されています。

>「米政権内の一部は中東の同盟国に『米国の対シリア政策は変わらない』
>とのメッセージを送りたいのではないか」


  中東におけるアメリカの同盟国とは、どこでしょうか?

  はい、そうですね。イスラエルのことです。

  アメリカ国内には、イスラエル・ロビーとも言うべき強力なロビイスト集団がおり、たとえば政治家がアラブ系の団体の集会に出ると、「おまえはイスラエルを軽視するとんでもないやつだ」「全米のユダヤ人を敵に回して良いのか」などと脅迫してきたりします。
  少し誇張されている面はありますが、こちらをご覧下さい。

米アカデミズムが警告した「イスラエル・ロビーの脅威」
http://www.news.janjan.jp/column/0603/0603271488/1.php

 共に国際政治学の分野で名声を確立しているハーバード大学ケネディスクールのステファン・ワルト(引用者注:発音は「ウォルト」の方が近い9教授と、シガゴ大学のジョン・マーシマー(引用者注:発音は「ミアシャイマー」の方が正しいと思われる)教授がこのほど、以上のような批判を投げかけた『イスラエル・ロビーと米国外交政策』と題した長文の論文を発表した。(“The Israel Lobby”)
  
 もともとこの論文は2002年の暮れ、「米国の有力な雑誌の一つ」に委託されたものだが、書き上げたら「編集者から国内で発表するのはほとんど不可能だ」と言われたという。なぜなら「こうした記事が発表されたら、ありとあらゆる問題が引き起こされる」のみならず、「反ユダヤ主義」の烙印を押されるためらしい。(“Professor Says American Publisher Turned Him Down”)

 今回も掲載されたのが英国の高級誌『London Review of Books』で、米国では全文はインターネットでしか読めない。それほど米国では日本人の多くが信じ込まされている「自由の国」のイメージに反し、イスラエル及びその意を受けたイスラエル・ロビーを議会や大手メディアといった公の場で正面切って批判するのは極めて困難である。

 論文はマーシマー教授が認めているように、「本や新聞の引用」で構成され、オリジナルな情報は皆無だ。つまり本来誰でも事実を知ることはできるが、圧倒的大多数の人々が最大の情報源としているテレビやラジオには登場せず、議会でも論議はないため、何もイスラエルについて知るべき情報が伝わらない構造になっている。そのためこの論文の意義は、内容以上に、高名な学者が異例にもタブーを破ったという点にあるかもしれない。

 主な内容は、以下の4点に要約されよう。

(1)イスラエルが占領地拡張やパレスチナ人の人権侵害をいくら欲しいままにし、国連の場で問題になっても、イスラエル・ロビーに属する「ホワイト・ハウスと議会が完全にイスラエル・ロビーに牛耳られているため、イスラエルが「あらゆる批判から免除されている」。

(2)イラク戦争の決定も、「イスラエルとイスラエル・ロビーの圧力が「唯一の原因」ではないにせよ「決定的」であった。特に「イスラエル与党のリクードと関係を有する」「ネオコンと呼ばれるブッシュ政権内の極右グループ」の貢献が大きい。同じパターンは、次に武力行使されるおそれがあるイランとシリアについても見られる。

(3)米国はイスラエルに他国を圧する援助をしているが、イスラエルは「忠実な同盟国として行動していない」。イスラエル・ロビーを介した米国内の諜報活動事件や提供した軍事技術の第三国への流出を引き起こし、そもそもその「国家と市民権が血族関係を基盤にしている」事実は「米国の価値の核心と相容れない」。

(4)イスラエル支持は「反米テロリズム」を激化させ「対テロ戦争への勝利をより困難にしている」。なぜならイスラム原理主義は「エルサレムのイスラエル占拠とパレスチナ人の苦境から行動に駆り立てられたのは疑問の余地がない」からだ。


  このようなイスラエル・ロビーの声を忠実に政策に反映するべく送り込まれたのが、もともと民主党リベラルだった転向右翼「ネオコン」だったというわけです。
  例の9・11というやつも、こういう連中からしてみたら、国民の混乱に乗じてアメリカをイスラエル防衛のための道具にすることができるという点で、非常にありがたかったでしょう。別に、ネオコンやイスラエルが同時多発テロを仕掛けた、などと断定するつもりはありませんが・・・。

  大国というのは、恐怖政治だけでは成り立ちません。怖れられながらも、恩恵を与えるというカリスマ的支配がその本質だったはずです。
  ●こちらの記事●こちらの記事などで繰り返し述べていますが、アメリカは1971年以降世界戦略を「対ソ連同盟国の大同団結」から「金融による世界支配」へと大幅に変更しています。9・11以降、その方針には歯止めが利かなくなり、「テロとの戦争」を名目にしたアメリカの軍事的拡張とともに、世界中の国民経済を食い荒らす結果になっています。世界中でアメリカに対する怨嗟の声が高まっており、もはや味方になっているのは親米バカ政党と隷属メディアが尻尾を振っている日本や、八方美人外交の韓国だけになってきているという状況です(イギリスは同盟国の振りをして中東情勢をかき乱している可能性がある)。
  この状況でイスラエル防衛という目的がミエミエの対外戦争を拡大したところで、友好国からの支持など得られるはずがありません。アメリカは、今こそ伝統的なシーパワー戦略に立ち戻り、製造業を復活させて金融や軍事に流れていた雇用を吸収させるように努力すべきです。
  もっとも、そのためには日本が北米の外需依存をやめて、中国とアメリカが国際貿易の上で距離を置く必要があるのですが・・・なかなか難しそうですね。
  大統領も替わる時期なので、せめて、軍事戦略くらいは修正してもらいたいものです。

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2008.10.26(Sun)

【発想の】イヌだけでなく、ネコも好きになってあげてほしい【転換】 

  たまには、「センセー」らしいことを書きます(笑)。

  中学校の三者面談が近いということで、塾でも保護者の方をお招きして進学相談みたいなものをやっています。その時に決まって出てくる悩み、というか愚痴に、

  「うちの子は言ってもきかない」

  というものがあります。
  別に、家に戻らずほっつき歩いているとか、親に暴力を振るうとか、そういう深刻な類ではありません。入試がだんだん迫ってきているのに、せっついて勉強している様子がなく、それを指摘すると馬耳東風だったり、「うるさいなぁ」と逆ギレされたりするということです。
  面談をしていると、男子生徒のお母さんの場合、ほぼ100%この話になります。女子生徒もごく一部を除いてそういう話をすることが多いですが、イライラの度合いは男子生徒に対するものの方が高いのが一般的です。どうも、女性の親には、男の子の行動というのがどうしてもがさつで我慢ならないものに写るようです。上にお姉さんがいたりすると余計にそのアラが目立ってしまうようで、いきおい本人への怨嗟の声(笑)も勢いが増します。
  かわいそうなことに、真面目な親御さんは、本人のためを思って言っているのに、なんでちゃんと聞こうとしないのか、困惑してしまうようです。
  私はそういう話を毎年何十人と聞かされているので、全く心配しないのですが、それを言ってもなかなか納得していただけません。よくあるケースなのですが、親御さんも自分の子供が世の全てという視点を捨てきれないようです。
  私も、そういうもんですよ、とか、普通ですよ、みたいな当たり障りのないことを言ってなだめすかしてきたのですが、最近いい比喩を思いつきました。

  「お子さんのことをワンちゃんみたいにきちんと言うことをきく動物だと思うからイライラするんですよ。ネコだと思って話してれば、頭に来ません」

  別に、受けを狙って言っているのでもありませんし、苦し紛れの言い逃れをしているのでもありません。本当に、こう思った方が自分にも相手にとっても良いことだと思うのです。
  ネコの行動をイヌと比べてみると、よくわかります。イヌ派(笑)の言い分に、「イヌは主人の言いつけを守ろうとするし、かわいがるとなついてくれる」というものがあります。たしかに、綱をつけないと行方不明になってしまうイヌというのは、あまり聞いたことがありません。散歩している犬を見ると、しょっちゅうご主人様の顔色をうかがっていて、歩くペースも揃えようとしているのがわかります(もちろん、しつけは必要なのだが)。
  他方ネコは、一緒に散歩すらできないほど散漫な行動をとる動物です。よくなついている飼い猫でさえ、勝手に家の外に出ていって、知らないうちに帰ってきているということが多いです。綱を付けておこうにも、首の辺りの骨格が華奢で気の毒になります。家の中にいればいるで、棚の上に上がって置物をひっくり返したりします。外見的なものや偏った好みを全く抜きにして考えれば、ネコの行動というのはあんまり可愛くありません。

  しかし、人間というのは、どちらかというとネコに近い動物なのではないかと思います。

  いつまでも親が飼い主のごとくエサをやったり散歩に連れて行ったりするわけにはいかないのです。子供の頃はイヌ的な行動をとっている子供が多い(筆者はすでにネコ的だったが)のですが、人間はいつかネコ的な行動(人の言うことを聞くのではなく、自分で行動してエサを取ったり伴侶を見つけたりする)を取らざるを得なくなります。その方が、生きていくには好都合だからです。
  もちろん、一番いいのは、普段はイヌ的に人と接していて、いざというときはネコになるような「かしこい」子供なのでしょうが、そんな子供はほとんどいません。「ドラえもん」のしずかちゃんや出来杉くんみたいな子供は、世の中には存在しないと思っておいた方がいいと思います。

  そもそも、子供というのは、イヌのように言うことをよくきくから可愛いものなのでしょうか。上司と部下という関係だったらイヌみたいな部下の方がやりやすいのでしょうが、親子はそういう、後天的に獲得された関係、というか、人工的な関係ではないはずです。
  ネコが家を出て行って、行方不明になることもよくあるようですが、それでも大抵のネコは、食器を床に落としたり、発情期にブーブー鳴きながら外に飛び出していったりしながらも、ちゃんと飼い主のところに戻ってきます。一緒にいれば愛着が湧かないはずがありません。
  受験で結果を出すのは、本人の仕事です。それを客観的に見て手伝いをするのが我々塾講師(というか教師)の役割です。
  親御さんの役割は、そんなに小さいものではありません。ネコにとっての飼い主の自宅のように、本人にとっての最後の拠り所となることです。
  本当にピンチになれば、子供は私なんか頼りません。親御さんに泣きつくはずです。神社仏閣じゃないんだから、困った時だけ拝みにこないでほしい、という気持ちは分かりますが、子供はネコみたいなものなのだから、それでいいのです。ていうか、この世の中で最終的な庇護者という役割を代わりにやってあげられる大人はいません。そういう振りをして近づいてくる悪い奴はたくさんいますが・・・。
  ほっぽらかしにせず、何か声を掛けること自体は全く構わないのですが、それを本人が聞かないからといって絶望したり、イライラする必要はありません。ネコに「お手」とか「おすわり」を教えて、できないから落ち込む飼い主がいたら、笑いものになります。
  しかし、ネコにトイレの仕方くらいは教えるはずです。ネコにとってのトイレが、人間の道徳とか社会常識だと思っておくといいのです。それ以上のこと、たとえば「上手な生き方」や「出世の仕方」は、親御さんが教えることではありません。別に話すのをやめろとはいいませんが、ネコがそれを聞かないのは当たり前とでも思っておかないといけません。
 
  「こどもを一人の人格者として扱って」とか、「おとなには教え導く権利などない。ともに学んで逝くだけ」とか、まるで日教組みたいな美辞麗句を唱えている人ほど、子供をすばらしい存在だと勘違いしているようです。そんな発想を貫徹出来るのは、マザー=テレサみたいな超が10個くらい付く人格者だけですから、一般人にはなんのプラスにもなりません。せいぜい「でかいネコ」程度に思って接するべきです。
  そうすれば、時たますり寄ってくるとかわいく思えるはずです。

  「子供はイヌではなく、ネコである」

  子供が思春期になったら、ぜひ思い出してください。

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2008.10.23(Thu)

企業努力より、ほんとうの「地産地消」を!! 

  最近、こちらのブログでも食べもの関係のことを扱うことが多くなってきました。食生活について考えさせられるニュースが頻繁に報じられるからなのですが、その中で、ちょっとひっかかったものを紹介しておきます。

仙台・勾当台公園に宮城が「まるごと」集合-「食材王国みやぎ」を発信
http://sendai.keizai.biz/headline/324/

 仙台市青葉区の勾当台公園など6会場で10月18・19日、「みやぎまるごとフェスティバル」が行われる。

 同イベントは、農林水産業、製造加工業、販売業など各産業分野の県産品や技能者の作品などを「展示・販売・実演」することで地域産業の活性化と県産品の消費拡大を図るとともに、「食材王国みやぎ」をPRすることを目的に行われる。2000年に初開催され、昨年は2日間で約17万人が来場。9回目となる今年は、「地産地消」「おもてなしの心」「食と文化の豊かさ実感」をテーマに、昨年を上回る約18万人の来場者を見込む。

 会場は県庁1階フロア=「みやぎ『逸品』ゾーン」、県庁前駐車場=「みやぎの『美味』ゾーン」、勾当台公園=「みやぎの『自慢』ゾーン」、勾当台公園・市民広場=「みやぎの『新鮮』ゾーン」、勾当台公園・古図広場=「みやぎの『凄腕』ゾーン」、一番町四丁目商店街=「みやぎの『賑わい』ゾーン」の6カ所。

 各会場でテーマに沿った展示や販売、試食などが行われるほか、宮城県気仙沼市出身のマジシャン・マギー審司さんや仙台を中心に活動するフリーパーソナリティー・本間秋彦さんのトークライブ、すずめ踊りや田植え踊りなどの「みやぎ郷土芸能エキシビジョン」、ご当地アイドルユニット・SPLASHほか地元アーティストのライブも行われる。

 農林水産部食産業振興課の担当者は「今年は、『食材王国みやぎ地産地消費推進月間』や『仙台・宮城デスティネーションキャンペーン』期間中の開催となるので、これまで以上に県内外の皆さまに本県の食と技の魅力を伝えたい。宮城の食材を使った料理の紹介を交えながらのトークショーやダンスステージなどさまざまなイベントも予定しているので、ぜひたくさんの方に足を運んでいただければ」と話す。



  地元の農産物の消費を増やすために、自治体が行っているPRです。地方紙のサイトなどに行くと、ほとんど毎週どこかでこのようなイベントを行っています。
  現在、このような地元産農産物の販売促進PRを最も大きく「成功」させている自治体はどこか、と言われれば、間違いなく宮崎県でしょう。東京で活躍したお笑いタレントが知事に就任したということもあって、マスコミもしばしば取り上げています。

地鶏の次は宮崎産マンゴーPR!? 東国原知事 初の県民座談会
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/local/miyazaki/higashi/20080124/20080124_005.shtml

 宮崎県の東国原(ひがしこくばる)英夫知事は21日、県民と直接対話する初の「県民ブレーン(知恵袋)座談会」を宮崎市内の公民館で開いた。同県の基幹産業である農業の振興をテーマに、知事は得意のギャグを交えて「イメージ戦略が重要だ」と持論を展開。出席した20歳代の農業者9人も知事の言葉に刺激を受け、熱のこもった対話となった。

 就任早々、鳥インフルエンザ禍で懸念された風評被害をトップセールス効果で抑えた知事。若手農業者たちは、その手腕に期待して「地鶏の次はマンゴーなどの農産物のPRをしてほしい」と求めた。知事は「『地鶏、地鶏』と繰り返して言った。(消費者に)宮崎産のイメージを刷り込ませないといけない」とセールスの秘訣(ひけつ)を披露した。

 出席者全員が、同県SAP(農業繁栄のための学修)会議連合の役員とあり、知事は「SAPは(人気アイドルグループ名と同じ)SMAPに変えてほしい」「歌って踊れる農家を育成して」と珍妙なアイデアも伝授。「(旧芸名のそのまんま東にちなみ)『そのマンゴー』はどう?」などとギャグを交えた助言を連発し、場を和ませた。串間市でマンゴーを栽培する蓑輪幸弘さん(29)は「農産物の販路拡大に、宮崎を前面に出す宣伝方法は有効だと思う」と、東国原流のPR法に納得した様子だった。


  この記事が出たのが昨年の3月です。東国原知事は、この記事通り積極的なPRを行っています。その結果、今では宮崎産マンゴーや宮崎産うなぎ、はては生産量45位でしかない大根(切り干し大根)まで、知事のイラスト入りで東京のスーパーに並んでいたりします。
  この効果は絶大です。なにしろ、私が教えている小6の基礎クラスの子供(当然社会科の知識もそれほどたくさん持っていない)が、授業で全く触れていないのに、宮崎県の特産物を3つも4つも列挙することができるのです。売り上げも、間違いなく伸びていることでしょう。

  で、多くのブログではこういう宮崎県の農産物PRを「素晴らしい」「他の自治体も努力すべきだ」と褒め称えているわけです。しかし、本当にそうでしょうか?

  他の都道府県に、宮崎県がやっているようなPRをやれというのは無理です。宮崎県が販売促進に成功しているのは、東国原知事が全国的に知名度の高いタレントだからです。
  別に、どの都道府県も地元産の農産物の売り込みの努力をしていないわけではありません。大阪府のような耕地面積の少ない都道府県でさえ●こういう形のPRをしてます。知事が府の職員や反対派の市民と戦うのに熱心すぎて(笑)、直接PRに乗り出してはいないようですが、自治体や生産者が努力をしていないわけでは決してありません。
  かりに、全ての都道府県が宮崎県のような「企業努力」ができるとしましょう。47都道府県のうち、東京や神奈川、京都や大阪のように、農産物を売って稼ぐ利益をあてにしなくても済む自治体以外の全ての道県が、タレントを知事にしたり、都会にアンテナショップを設けたり、メディアへの露出を増やしたり、今まで作っていなかったような特産物を開発したりして、PRを限界まで行ったと考えてみます。
  しかし、断言してもいいのですが、そんなことをしても、一部の例外を除いて、大して地元産農産物の消費は増えません。なぜなら、農産物の絶対的な需要が増えないまま競争をしても、結局はその中で客の奪い合いになるだけからです。ゲームソフトの購入や飲み会の費用を、野菜や果物の購入に回すという人はメッタにいないと思いますから、どうしても営業努力には限界があります。
  しかも、農産物は、ほとんど「完全競争」といっていいほど強い競争圧力に晒されている分野で、安い輸入農産物と常に競争を強いられています。その分のシェアも奪い、なおかつ、生き残りに血道を上げる他の自治体を押しのけて、初めて売り上げを伸ばすことが出来るわけです。みんなが同じだけの努力をしたら、結局現状とシェアはあまり変わらないことになります。
  要するに、宮崎県の事例は、他の都道府県が相対的に少ない企業努力をしているからこそ、その存在が突出し、積極的なPRが売り上げにつながっているのです。他が同じことをやり始めたり、東国原氏が知事でなくなったりしたら、結局もとに戻ってしまうでしょう。
  どうも、「努力すればいい」「競争すれば良い世の中になる」という論理を全面に押し出してくる人びとは、現実に生産者が置かれている状況の違いや、消費には総需要という限界があるということを理解していないのではないか、という気がします。

  そうなると、次の発想が出てきます。地元で作ったものは地元で消費すればいいじゃないか、 という発想です。「地産地消」というものです。
  その地産地消をどうやって実行するのかというと、これもまた「PR作戦」になってしまうようです。冒頭のものと同じく、宮城県関係の記事を見てみましょう。

仙台・勾当台公園で「枝豆まつり」-地産地消目指しPR
http://sendai.keizai.biz/headline/272/

 仙台市青葉区の勾当台公園・グリーンハウス前広場で7月30日、「仙台枝豆まつり」が開催された。

 同イベントは仙台市の特産品「仙台ちゃ豆」のPRと消費拡大を目的に毎年行われ、今年で4回目。主催は仙台市とJA仙台。

 「ちゃ豆」とは、成長とともに豆の薄皮が茶色になる品種の枝豆。仙台の生産農家では「早生香姫」や「茶々丸」など数種類を栽培し、「仙台ちゃ豆」として販売している。収穫時期は7月~10月で、期間中約30トンを収穫する。

 イベントでは広場に販売コーナーとテーブル席が用意され、この日の朝収穫した「もぎちゃ豆」や茹でたての「ゆでちゃ豆」、「仙台ちゃ豆」を使用した「ずんだもち」などを販売。4種類の枝豆の「味比べ」や「仙台ちゃ豆のがんもどき試食会」なども行われ、家族連れが試食や買い物を楽しんだり、生産者に茹で方のポイントを質問したりする様子が見られた。夕方には仕事帰りの会社員がビールを片手に「ゆでちゃ豆」を食べる姿も。

 市の担当者は、「高齢化が進んでいることもあって生産農家が減ってきている。こうしたイベントを通して生産者と消費者との交流が生まれ、地産地消の推進や仙台の農業振興に結びつけば」と期待を寄せる。



  日頃このブログでは、地方を衰退させるなということを繰り返し主張しています。だから、地方の行政関係者の努力を批判したくはないのですが、正直に言わせてもらうと、こんなPR活動をやったところで、宮城産の枝豆の消費量は伸びていきません。
  しかし、記事の中には、家族連れが試食に来たり、会社員がビール片手に豆を食べたりしていると書いてあるじゃないか、と思う人もいるでしょう。しかし、それはその場だけの話です。砂漠の緑化活動と同じで、金をかけてPRをやっているその場でしか消費が促進されません。
  別に、努力自体を否定しているわけではないのです。努力の仕方がよくないのです。たとえば、私が注目したのは、

>高齢化が進んでいることもあって生産農家が減ってきている

  という部分です。これでは、イベントを打って消費を伸ばしたとはいえ、後々にその努力が続いていくはずがありません。
  こういうPRをやるくらいなら、職を求める人びとが、変な夢やロマンからではなく、職業の一つとして農業を選択するような要素を増やさなければなりません。それが伴わない中で競争だけを強化したり、PRを行ったり、農業予算だけを増やしたりしても、農業という産業自体は維持発展ができません。
  逆に、農業が職業の一つとして選択され、その職業について生計を維持できるとなれば、地方でも消費が活発になっていくでしょう。そういう状況を用意しておいて、地産地消が進むメカニズムを導入すればいいのです。
  まず、同じことの繰り返しで恐縮ですが、●この記事で述べたような「農家への戸別所得補償」は必須です。最近は輸入木材が値上がりしているので、国産材の需要が伸びているようですから、林業で同じことをやってもいいでしょう。
  とにかく、まずは農村や中核都市でない地方都市に人を呼ばなければ話になりません。東京や、仙台や札幌のような地方の大都市におけるサービス業(求人が多いので結局賃金デフレにつながる)にばかり人間が集まってくるような状況を変えるには、農業で食べていけるという経済状況を作り出すしかないのです。引用記事の中の「イベントを通して生産者と消費者との交流が生まれ、地産地消の推進や仙台の農業振興に結びつ」くような精神論では農業は盛り上がりません。
  地方自治体にも、似たようなことはできます。農家への思い切った減税です。農産物の売り上げは地方消費税(消費税のうち1%がこれに当たる)を非課税にしたり、それでもダメなら住民税をタダにしてもいいです。それくらい思い切ったことをするのが「改革」というものであり、歳出削減などいくら進めても状況はよくなりません。
  そして、ある程度地方に人が定着したら、今度は「地産地消クーポン」を導入します。これは、地元の一次産品を購入するために使えるチケットみたいなもので、自治体や営林署、農協・漁協職員の給与の一部をこれで支給します。その人たちが一次産品(野菜や米、木材、米ぬかや堆肥などの有機肥料等)を買えば、農家にクーポンが渡るわけですが、そのクーポンは他のところで作った一次産品を買うために使うわけです。
  そんなことをしたら、GDPが縮小してしまうのではないか、と思うかもしれませんが、問題はありません。クーポンのやりとりも、GDPに算入してしまえばいいのです。なにしろ、農家の自家消費や帰属家賃(持ち家も家賃を払っているとして計算すること)すらGDPに算入されているのですから、それよりはよっぽど「経済活動」をしているといえるでしょう。だいいち、アメリカやイギリスが高いGDPを誇っているのは、金融という何の生産性もない分野の貸付や返済も含めているからです。その程度のものなのですから、「実際に経済活動をしているじゃないか」という反論をすればいいだけです。
  これが発展すれば、東京や大阪に農産物を売りつけることだけが農業の目的ではなくなり(そういうものは「日本円」の獲得手段として残りはする)、地方が自律的な経済循環を作り出せるようになります。これこそが、本当の「地産地消」なのです:。
  やがて「地域通貨」も実現するでしょう。日本円は、地域間の取引や二次産品、輸入品を決済するために使えばいいので、そのまま残ります。どういう感じの社会になるのかは、以下のリンクをご参照ください。

「お金」を人と自然に優しいものに変える方法:減価通貨による地域エコ経済システム運営
http://blog.goo.ne.jp/banabuna/e/fa76fe260b42462bee53973113151764

  こうなってこそ、本当の地産地消です。地方の行政担当者の方々も、どうやって東京や他の自治体から利益を持ってくるかという点だけに汲々とせず、近代的な経済システム(国家や大金持ちが通貨発行権と金利の魔力でその他大勢を支配する仕組み)の先を見据えた発想をしてもらいたいものです。
  そういうアイデアを実行するには、生活に必要な物資を自力で作り出せる田舎の方が有利なのですから・・・。

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EDIT  |  23:54 |  経済とグローバリゼーション  | TB(0)  | CM(5) | Top↑
2008.10.22(Wed)

【東シナ海】 近い将来、海の上で「二正面作戦」を採らざるを得ない日に備えよう 【日本海も】 

  ※津軽海峡に関する部分を若干訂正いたしました。
 
  洒落では済まない事態です。  

中国の軍艦が津軽海峡通過 防衛省確認
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20081021AT3S2001520102008.html

 防衛省は20日、中国海軍の駆逐艦や最新鋭フリゲート艦など4隻が青森県北端の竜飛崎から西南西約37キロメートルの日本海公海上を北東に向けて航行しているのを確認したと発表した。海上自衛隊の哨戒機P3Cが19日午後5時ごろ発見。4隻はその後、津軽海峡を通って太平洋方面に抜けた。中国戦闘艦による津軽海峡通過の確認は初めてという。

 4隻は公海上を通っており、領海侵犯はしていない。統合幕僚監部は「中国海軍は潜水艦を含め動きを活発化させ、大陸周辺だけでなく太平洋側にまで活動範囲を広げつつある」と動向を注視している。

 4隻のうち最新鋭フリゲート艦「ジャンカイ2級」と補給艦の2隻は対馬沖を航行しているのを海自が17日に発見。駆逐艦「ソブレメンヌイ級」とフリゲート艦「ジャンカイ1級」の2隻はロシアを親善訪問した後に合流したとみられる。



>津軽海峡を通って

>4隻は公海上を通っており、領海侵犯はしていない。


  どうやら、津軽海峡は●「国際海峡」になっていて、一定の区域であれば航行の自由が保障されているようです。
  それでも、国際海峡は「継続的かつ迅速な移動」(たとえば、タンカーが物資を定期的に運搬するような場合)しか許されておらず、公海上と異なり、調査活動等は認められていません。軍艦が、何の意図もなしにこんな場所を通るというのはどう考えても変です。
  このような行動に抗議しないとすれば、我が政府は主権防衛に関する意識が決定的に低いと言わざるを得ません。平和ボケとかそういうレベルではありません。仕事の放棄です。私が「志望校合格なんてどうでもいい」と言い出しているのと同じレベルの背信行為です。

  それは一旦置いておくとして、私が常々口にしている「中国と朝鮮(韓国+北朝鮮)の冷戦」●こちらの記事など参照)で、中国側が圧勝してしまうと、どういう事態が起こるか、この記事はよく物語っているといえます。
  以前から、東シナ海で中国海軍の潜水艦が活動しているということは、よく指摘されています。最近も、こういう事件がありました。

中国潜水艦2隻、米空母威嚇狙う 海自が東シナ海で探知
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/187495

 中国潜水艦が今月上旬、東シナ海に展開しているのを自衛隊が探知していたことが16日、分かった。潜水艦は2隻で、1隻は2004年11月に日本領海を侵犯したのと同型の漢(ハン)級攻撃型原子力潜水艦とみられる。この時期、横須賀基地(神奈川県横須賀市)に配備されたばかりの米原子力空母ジョージ・ワシントン(GW)が韓国に向けて周辺海域を航行しており、海上自衛隊は、中国側がGWを待ち伏せし、GWのデータ収集や示威行動を行おうとしたと判断、P3C哨戒機による監視飛行を強化している。

 防衛省によると、漢級のほかのもう1隻は通常型潜水艦とされる。自衛隊が2隻を探知した地点は日本の領海外で、領海侵犯などはしていない。

 GWは通常型空母のキティホークに代わり、先月25日、横須賀基地に配備。今月7日に韓国・釜山沖で開かれた韓国海軍の記念式典に参加するため、1日に横須賀基地を出港していた。

 中国は新型の建造など潜水艦戦力の増強に伴い、潜水艦の活動も活発化させている。東シナ海では米軍艦艇に連動して活動するケースが多い。GWの配備を控えた先月14日には、海自のイージス艦が高知県沖で国籍不明の潜水艦の潜望鏡らしきものを発見。クジラを誤認した可能性も残るが、潜水艦であれば中国かロシアとみられるという。

 今回の中国潜水艦は横須賀から釜山までの航行ルートを予測して待機し、GWの音響データなどを収集しようとしたとみられる。(以下略)



>クジラを誤認した可能性も残るが、

  ネット右翼・自称保守ご愛用のizaのニュース記事なので、産経新聞が元だと思うのですが、これだけ書いておいてクジラ云々はないだろう、と、思わず笑ってしまいました。やはり、どの新聞もスポンサー様(経団連企業)の愛するチュウゴク様には一定の配慮を示さないといけないのでしょう。
  それはいいとして、●尖閣諸島の問題もあるので、すでに東シナ海では自衛隊と海上保安庁がかなりの緊張状態を強いられています。この事件も、きちんと探知しているからこそ判明したことで、その点では海上自衛隊は優位に戦いを進めているといえるでしょう。
  しかし、これに加えて、もし中国軍が朝鮮半島の東海岸の港(羅先か清津)を拠点として手に入れれば、日本海側も大忙しになるということです。あまり歓迎できない事態ですが、そう遠くない将来、そういうことが起こる可能性はあります。
  こうなると、日頃少なからぬ日本国民が唾棄すべき存在としてみなしている北朝鮮の存在が、どれだけありがたいかということに気づくでしょう。北朝鮮こそは、ランドパワー中国を外洋に進出させないための防護壁だということです。
  だからといって、永遠にたかられ続け、何の見返りもない「国交正常化」をしろという意味ではありません。北朝鮮との国交回復への動きは、小泉純一郎元首相が活発に発言している(●こちらの記事を参照)ということからも分かるように、アメリカが日本に「要請」しているものです。
  そうではなくて、我が国が(アメリカに気づかれぬよう、あるいは何らかの手打ちをして)北朝鮮を独自に支援することが必要です。アメリカによって設定された冷戦時代の枠組みから一歩踏み出して、北朝鮮と真摯に向き合い、毅然として交渉すれば、拉致被害者も帰ってくる可能性が高いといえます。

  もっとも、大陸での力関係からいって、やはり中国が朝鮮を圧倒しているのは事実です。今のところは北朝鮮が北京に届く核兵器を持っているために、均衡状態が続いていますが、いろいろな条件(たとえば、在韓米軍の撤退)が整い、なにかのきっかけで北朝鮮の核武装が解かれれば、間違いなく朝鮮半島は中国の手に落ちます。
  そうなってから、慌てて防衛力の強化に着手しても仕方がないので、我が国の政府は、以下のような対策を今から打っておくべきでしょう。

★防衛費の引き上げ(GDP比1%では少なすぎる)
★対馬の防衛能力の強化
★日本海側の港へイージス艦の配備など、防衛上のてこ入れ


  対馬については、韓国人が大量に入り込んでいるので、朝鮮が中国の軍門に下れば中国側のサポートをする可能性があります(そうでなくても、朝鮮族のスパイや工作員が紛れ込む可能性がある)。●以前の記事で紹介した、防衛特区のような対策を執るべきでしょう。継続的な需要が発生する軍事組織の誘致は、過疎が進む地域では歓迎されます。米軍と違い、地元住民との軋轢が少ないのも利点です。
  また、日本海側に関しては、新潟や福井のような、コメの自給率が高い地域に新たに陸上自衛隊を増員します。地元で食糧を調達するようになれば、まさに「地産地消」です。余分に人員を配置して、農業に従事させてもいいかもしれません。
  平時には災害対策としても期待できます。北陸や新潟は近年大きな水害や自身に襲われており、ただでさえ豪雪地帯でもあるので、心強い味方になることでしょう。もちろん、バカな隣国や、国内のアホな「ヘーワ主義者」への言い訳にも使えます。

  さて、一介の塾講師ですらこの程度のことは考えているわけですが、「自由と反映の弧」などという地政学的な概念を唱え、内外にタカ派として知られている現在の首相閣下は、こういう場で「おたくの海軍はちょっとおかしいんじゃないのか?」と、ちゃんと中国に抗議してくれるんでしょうか?
  

12月に福岡で日中韓首脳会談 政府、中韓に打診
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20081022AT3S2100R21102008.html

 日中韓3カ国と東南アジア諸国連合(ASEAN)は、北京で開催するアジア欧州会議(ASEM)に合わせて、24日に首脳会談を開催する方向で調整に入った。外務省幹部が21日、明らかにした。世界的な金融危機がアジア経済にも影響を及ぼしつつあることから、日中韓3カ国を中心に対応策などを議論することにした。

 政府が12月6、7日、麻生太郎首相の地元に近い福岡市で日中韓首脳会談を開催できないか中国、韓国に打診していたことも明らかになった。実現すれば日中韓の3カ国首脳が国際会議と切り離した形で一堂に会する初めての機会になる。



>金融危機がアジア経済にも影響を及ぼしつつある

  すでに影響は及んでいるのに、何を甘いことを言っているんだ、と思いますが、日経新聞としては、(経団連のお得意様である)中国や韓国が危機になったら、日本のカネで救済するような枠組みの設定を望んでいるのでしょう。
  しかし・・・前任者のチンパンジーくんがサミットで「アフリカ向けODAを2倍にする!」と大盤振る舞いをしたり、その前の安倍チャン(笑)が●「東シナ海ガス田は中国と共同開発をする!」と申し出たり、自民党の首相というのは「内政は放って置いて外国に媚びへつらって権力を維持する」というのが暗黙の前提となってしまっているのでしょうか?
  どうも、先々に備えて防衛上の策を講じるとしても、周辺諸国のちょっとした「懸念」に配慮してしまいそうで怖いです。
  かといって、日本で防衛に興味がある政治家というのは、●こんなのばっかりというお寒い現状があります。
  現場の防衛官僚の方々に、勝手に仕事を進めてくれることを期待するしかないのでしょうか。もう少し、戦略というものがわかる人がトップに立ってほしいものです。

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EDIT  |  09:39 |  地政学・国際関係  | TB(2)  | CM(10) | Top↑
2008.10.19(Sun)

【そんなの】 『日々是勉強』の思想的プロフィール 【あったんだ】 

  「地政学・国際関係」カテゴリに入れる記事にしようと思っていたら、全然違う記事になってしまいました。いつも拙ブログをご愛読いただいているかたも、初めていらっしゃる方も、私の考え方を知っていただくには有益だと思いますので、ご覧下さい。

日本の国連安保理常任理事国入り、米英が支持表明
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20081019AT2M1800T18102008.html

 日本が国連安全保障理事会の非常任理事国に当選したことを受け、米英両国の国連関係者は17日、相次いで結果を歓迎し日本の常任理事国入りを支持する考えを改めて表明した。

 米国のウルフ国連次席大使は同日、「日本の常任理事国入りはもちろん支持している。圧勝にも非常に満足だ。安保理では緊密な協力をしていきたい」と記者団に期待を語った。

 英国のソワーズ国連大使も「アジアには我々が安保理の常任理事国入りを支持する日本がいる。日本が安保理に戻ってくることは非常に重要で歓迎する」と語った。


  こういうニュースが出てくると、脳みその構造が単純な人たちはどういう反応をするか予想してみます。

(1)日頃ブログで「国家主権」とか「靖国」とか「反日」だとか書いている勇ましい人たち

  ・やっぱり日本は素晴らしい国だ!
  ・日本は世界の中で重要な役割を果たすべきだ!
  ・そのためには、憲法を改正して正当な軍備を整えるべきだ!
  ・国連分担金を2番目(1位の米国は滞納してるので実質1位)に払っているだから当然だ!


(2)日頃ブログで「平和」とか「反米」とか「人権」とか書いているたおやかな方々

  ・戦争責任や中国韓国に対する謝罪をしていないのに、常任理事国などとんでもない!
  ・カネの見返りに地位を求めるのは浅ましいことだ!
  ・アメリカの言いなりになって軍拡をするための憲法改正はやめろ!
  ・軍事力に頼らない国際貢献の形があるはずだ!


  なんというか、いっぱしに政治を語っちゃってるブログというのは、極端な話、こういう「右翼セット」「国家主義コース」「人権平和定食」「平和主義ランチ」みたいに、決まったメニューしか出てきません。
  それを、偏食の人たちが料理を持ち寄って、「おたくのは向こうのまずい飯と違っておいしいねぇ」などと褒めあっているのが、政治を扱っているブログだとか掲示板の大半を占めているといっても過言ではないと思います。
  たまにそうではないブログがあっても、一般人から見たらどうでもいいようなマニアックな話や、読んでいて頭が痛くなるような知識の羅列だったりします。「エチオピア料理とエリトリア料理の共通点」や、「ウクライナ東部地方のボルシチとロシア西部のボルシチの特徴」を延々と語っているようなもので、マニア仲間のサロンと化しているところが少なくないようです。
  
  このブログは、そういう方々とは一線を引いていきたいので、今回のこのニュースの意味を一言で言っておきましょう。

  「ロシア・中国が賛成するわけがないから、いくら言われても無意味」

  これだけです。さらに、もう一つ付け加えるなら、

  「上の米英代表の狙いは、日本が彼らの要求を断りにくいムードを作ることである」

  ということです。

  別に私は、だからといって明日から日本政府に反米的な態度を取れ、などと要求したいわけではありません。どの国も自国の利益を最優先に動いているのが国際社会なのですから、アメリカやイギリスが日本を持ち上げるというのは、何か狙いがなければおかしいのです。
  それを分かった上で、節度を持って協調するというのなら、全く問題はありません。そうではなくて、こうやって米英に頭を撫でられて有頂天になり、なすべきことを見失ってしまうのがダメだと言っているのです。

  せっかくですから、こういう問題を私が考えているときの、根本的なベースになっている考え方を少し紹介しておきます。

  なにか、このブログを「反米保守」などという認識をしている方が結構いらっしゃるようですが、あまり良い認識だとは思えません。私は自分の国日本が自国の領土を適切に管理でき、経済や社会保障に関する政策を自律的に決められるようにしていってほしいと思っているだけであって、初めから「アメリカ憎し」という感情でものごとを判断しているわけではありません。
  あと、私は別に自分から「保守:」などと名乗るつもりもありませんし、保守的な考え方の人間だという自己認識もありません。サバイバル能力が真ん中より下の(もちろん、自分も含む)日本人が、近い将来の生活に大きな不安を抱えながら生きていくような状態になってほしくないだけです。その中には年金だとか雇用だとかいう経済の問題も含まれていますし、日本人が生きていくための領土や資源の確保ということも入ってきているだけです。グローバリストや自民党を非難しているのも、自分たちの生命や財産を脅かす存在だからというだけです。
  よくある「一握りの優秀な人間だけが生き残ればいいのだ」という考えには、私は賛成できません。なぜなら、一握りの人間も、その他大勢が生み出す活力を利用しながら生きているからです。それに、優秀な人間だけが生き残れば、またその中で落後する人間が出てくるだけです(●パレートの法則というものがある)。それならば、全体のレベルを比較的ましな程度に保ちながら、社会を安定的に運営していく方が楽だというものです。
  このブログが「自分たちのことしか考えていない外国の干渉」や、その「外国に呼応しておかしな考えをばらまく人びと」(学者やマスコミ)、さらには「自分たちの仲間の血を吸って、使い物にならなくなったら外に出て行く吸血コウモリ」(グローバリスト)や、これらの外敵の攻撃にあっても「宗教戦争に明け暮れている右や左の旦那さま達」(自称保守やヘーワ人権リベラル)を忌み嫌っているのも、彼らが元気よく活動すればするほど、日本人の生活や、日本の社会秩序がおかしくなっていくからです。それ以上でもそれ以下でもありません。余計なことをしないでくれれば、彼らにいちいち文句を付けたりはしないということです。
  まあ、宗教戦争しているカルト信者やその予備軍は、実害を及ぼす率が一番低いと言えますが、以前の私のように、何か漠然とした不安や不満を抱えている層を虜にしてしまう困ったところがあります。人間というのは、見たいものだけを見て、聞きたいものだけを聞こうとする弱さがありますから、そういう罠にはまっている人たちも少なくないでしょう。
  そういう風になるのは避けて、出来る限り冷静に物事を見ていき、私が気づいたことで「これは使える」と思ったことを伝えたい、と思って、このブログを書いているわけです。

  あと、せっかく人に考えを伝えるのだったら、何か柱になるような考え方や論理を持っているといいのではないかと思っています。
  私は、●江田島孔明さんのおかげで「地政学」という考え方を学ぶことができました。また、●「晴耕雨読」様で紹介されている一連の「近代経済システム批判」には大いに啓発されています。
  こういうことを言うと、すぐに「チュウゴク韓国や反日勢力は憎むべき敵だという認識」(笑)や「アメリカはかけがえのない同盟国だという揺るぎない信念」(笑)や「権力者がやることは全て悪だというあまのじゃく的発想」(笑)をする人がいます。そういうのは考え方や論理とは言いません。「イデオロギー」というのです。
  イデオロギーは、大きなものにすがっていると楽だという弱さや、自分がうまく自己実現できない恨みを解消する心理的な動きによって形成されている場合がほとんどです。それにこだわると、現実とずれた時に「現実の方が間違っている」という認識をしてしまうものです。
  このブログには、「イデオロギー」というものがありません。あえて持たないようにしているからです。だから、「在日朝鮮人や北朝鮮を利用して中国を牽制しろ」とか、民主党にはクソ政党だが小沢代表の農業政策は支持する」などという発想が出来ます。思想的な一貫性などありません。
  逆に言えば、そういう融通無碍な発想こそが日本文化の強さなのではないでしょうか。特殊な教義を持たない神道という宗教が、それを象徴しています。だから私は、天皇をイエスキリスト兼ローマ法王みたいな存在に祭り上げて、神社にランク付けをして役に立たない小さな祠を無理矢理潰した「国家神道」は、ほとんど評価していません。

  まあ、そういうブログですので、期待通りの外国叩きや、血湧き肉躍るような過激な論調が出てこなくても許してください(笑)。

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2008.10.17(Fri)

「週刊新潮」の役割は、右寄り・保守を絶望させることである 

  地政学という分野では、メディアというものが重要な研究対象になっています。なぜなら、民主主義国家において、有権者である大衆の心理形成は、主にメディアを通じて行われるからです。
  そこで、先日の●ニューズウィークの中吊りを扱った記事に続いて、和製メディアの果たしている役割をちょっと考えてみます。
  今週の●週刊新潮の見出しが、山手線などの中吊り広告になっていますが、その中身が凄いことになっています。

【ワイド】金融崩壊「明日の地獄」

▼株価5000円割れで「失業者700万人」「自殺者10万人」
▼「物価」は下がるが「給料」はさらに急激に下がる
▼あなたは「中国人社長」の下で働くことになる
▼15兆円が消えた「年金」数年後には「70歳から支給」
▼「地価下落」マンションは年内に「半値以下」に
▼私立中高「中退者続出」で「国公立」に受験生が殺到
▼「交際費ゼロ」銀座の「高級クラブ」は壊滅状態
▼「不満妻」はガマンを覚え「離婚率」は低下する


  記事の内容ですが、私は眺めていません。その必要性も感じないからです。おそらく、実際に手にとって見てみると、それほど極端なことを書いてはいないはずです。こういうメディアは、中吊りで見出しを見せることによって「目的」を達成していると考えるべきです。
  『潮』『第三文明』『パンプキン』といった雑誌をご存じでしょうか。●自民党の最大の支持母体(なんか間違っている気もするが、訂正しないでおこう)である某巨大宗教団体が経営する出版社が発行している雑誌です。私は本屋が好きで、新宿の紀伊国屋や池袋のジュンク堂書店といった大型の書店にいくことがありますが、まず見かけません。『潮』という雑誌など、43万分も発行されている(笑)らしいのですが、私の周りに中身を見たことがある人が皆無です。
  それにも関わらず、これらの雑誌は、JRや私鉄の中吊り広告によく出てきます。各界の著名人のインタビューや、なんとかインターナショナルの名誉会長が聞いたこともない外国の「知の巨人」と対談している記事などが、写真付きの見出しで出ています。あれをパッと目にすると、「そうかぁー、この○○っていうおじさんは偉い人なんだなぁー」と思う人もいるかもしれません。何より、その宗教団体の構成員の人たち自身が、電車に乗る度自分のアイデンティティーを誇れるというのが重要です。
  それらの機関誌(なんか違う気もするが、このままにしておこう)だけでなく、女性週刊誌やビジネス雑誌、要するに雑誌というものは、中吊り広告が全てといっても過言ではないでしょう。人によっては、中吊りに出ている言葉や写真のイメージだけで、何かを知ったような錯覚に陥るかもしれません。

  問題は、週刊新潮が、なぜ上に掲げたようなカルト宗教の末法思想みたいなおどろおどろしい見出しを掲げるか、ということです。
  一つは、その方が売れるからです。人間というのは、プラスにつけマイナスに付け、オーバーな表現を面白がる傾向があります。不思議なもので、どんなに根拠が薄弱でも、自信たっぷりに主張されると、「本当かも知れない」と思うのです。
  そういう心理を利用して、中吊りでわざわざオーバーなことを言い放つというわけです。マスコミは営利企業であるという本質からすれば、当然の話です。
  二つ目には、マスコミ自身が楽しいからです。
  私は小学4年生のように、とても集中力が続かない子供を相手に授業をやる時、わざと小話みたいなものを持って行くことがあります。入試には「聞き取り」が課される学校もあり、集中して話を聞く訓練にもなるので、面白がりそうな話、たとえば夏休み中だったら、怪談のたぐいをしてみるわけです。
  しかし、このような話をする一番大きな理由は、なんといっても私自身が面白いからです。自分が狙ったとおりに子供が震え上がったりするのが快感だからです。人間というのは、他人というなかなか思い通りにならない存在を狙い通りに動かすことに、何か大きな喜びを感じる動物なのかもしれません。
  今のマスコミ各社のトップというのは、学生紛争を経験している世代で、既成の権威や秩序というのは大嫌いです。もちろん、自分たちの保身はそれとは別なのですが(笑)、基本的に世の中がメチャクチャになってくれたほうが面白いと考える人が多いようです。●このタブロイド紙の一面記事を見ると、毎日毎日「崩壊」「終わり」といった文言が飛び出してきます。書いている記者の方の興奮した顔が目に浮かびます。
  そして、考えられるもう一つの、おそらく最も重要な目的は、世論誘導です。
  誤解を恐れずに言えば、週刊新潮や、彼らに金を出しているスポンサー達は、日本人に地獄の底に落ちたような気分になってほしいと思っているのです。なぜなら、そうすれば、以下のようなオイシイことができるからです。カッコ内は、その受益者です。

▲不況や社会不安を奇貨にして、人切りや賃金カットができる
 (企業)
▲世の中が乱れると、警察の仕事が増えるので、予算をたくさん要求できる
 (警察官僚)
▲警察だけでカバーしきれない仕事は、セコムやセン警を頼みたくなる
 (民間警備会社)
▲不安に直面することから逃げたい人が増えると、一定数がギャンブルに走る
 (パチンコ会社)
▲不安に直面することから逃げたい人が増えると、入信者が増える
 (カルト宗教)
▲上の二つがもっとひどくなると、麻薬利用者が増える
 (暴力団やマフィア)
▲経済がもっと悪くなるだろうと思い、株や土地を投げ売りする個人投資家が増える
 (外資や金融)
▲将来の不安に備えて財政を健全化するという建前で増税しやすくなる
 (財務省)
▲不安を外にそらすことで、海外進出のきっかけをつくれる
 (タカ派の政治家)
▲資格がないと職を得られないと宣伝できる
 (資格予備校、出版社、何とか検定に天下りするアホ役人)
▲「貧すれば鈍する」で、ハチャメチャな思想に走る人が出てくる
 (某維新政党と愉快な仲間たち)(笑)


  本来であれば、こういう不安を取り除き、不幸の総量を少なくするのが政府の役割なのですが、今の政府は「自己責任だ」「努力すればいい」という教義を持ったカルト集団が牛耳っていますから、なかなかそうは行きません。せいぜい、「ウツクシー国」「強く明るい日本」というスローガンと、総裁選というお祭り騒ぎでごまかすのが関の山です。

  そして、今回の記事のメインターゲットは、「保守」だとか「愛国」だとか名乗っている人たちなのではないかと思っています。
  なぜなら、最近彼らががっかりするようなニュースが出てきたからです。

麻生首相:従軍慰安婦問題で「河野談話を踏襲する」
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20081016k0000m010077000c.html

 麻生太郎首相は15日の参院予算委員会で、いわゆる従軍慰安婦問題で旧日本軍の関与を認め謝罪した93年の河野洋平官房長官談話について「政府の基本的立場は現在も談話を踏襲する」と述べた。社民党の福島瑞穂党首への答弁。


  保守とか憂国とか愛国とか名乗っている人たちにとって、最後の防波堤が決壊してしまったわけです。
  また、彼らのアイドルも相次いで表舞台から去っています。対北朝鮮強硬派(笑)の小泉純一郎は地盤を息子に譲って引退、(大多数の日本国民と)戦う政治家・●安倍晋三さんは六カ国協議で日朝国交正常化に道筋をつけて、最後は胃痛でダウン、最後の希望の星だった麻生氏は就任早々「河野談話でオッケー」と言い出す。私のように、もとから麻生氏に大して期待をしていない人間は「やっぱりね」と思うだけですが、きっと暇さえあれば中国や韓国や沖縄の集団自決や南京事件を取り上げているようなブログ管理人の方達は、●憧れの女性歌手のイベントに行ったらいきなり「子供出来ました、結婚します」などと言われてしまったような、愕然たる心境なのではないでしょうか。
  これは単なる推論ではありません。主観的な経験で恐縮ですが、私が参加しているSNSで、最近どうも「政治家なんてみんな汚い奴らだ」とか「どうせ誰が政治をやってもよくなりはしない」とか、挙げ句の果てには「維新を起こすしかない!」などと怪気炎を上げたりとか、そういう自暴自棄のムードが漂うコメントが多いのです。
  で、そういう人のホームページに飛んでみると、例外なく「嫌韓」だとか「大東亜戦争」だとか「靖国」といった文言が含まれたコミュニティに所属しています。
  他方、週刊新潮は、初めの方で言及した某宗教団体を批判する記事や、中国を名指しで非難する記事をよく書いています。当然、自暴自棄な保守・右翼の方々もよく読んでいます(週刊文春と人気を二分しているらしい)。

  そういう人たちがですよ、「日本経済がぶっつぶれて、チュウゴク人社長の下で働くことになるよ!」と言われたら、さあどうなるか。
  愉快犯だとしたら、相当に悪質な気がします。しかし、実際のところは、不安を煽って一部の人間の利益拡大を図っているというのが真相でしょう。

  ともかく、今のように経済が混乱している状況では、不安感につけこんで、あらぬ方向へ我々を誘導しようとする人間達が跋扈しやすくなります。歴史を学んだ人なら、世界恐慌の時の日本を思い出すことが出来るはずです。確かに日本のあらゆる経済指数は落ち込みましたが、そういう雰囲気を利用して「満蒙は日本の生命線」などという馬鹿げた主張が猖獗を極めました。その後は・・・まあご存じの通りです。財閥や革新官僚の博打のチップになり、最後は身ぐるみはがれてすってんてんにされてしまった(甘粕正彦という、日本の大陸進出の立役者が●本当にそう言っている)わけです。
  こういう記事が出てくる時ほど、「彼ら」も勝負に出ているわけですから、みなさんは余計な不安の先取りなどする必要はありません。庶民が焦っても流れを変えられることはほとんどありませんし、何より、「彼ら」はそういう動きも見越して動いているのです。
  天下国家について自分でもよく分かっていない話をするよりも、●毒菜国家の侵略みたいな、身の回りの出来事にきちんと対処していきましょう。
  間違えても、どっかの変なウヨク団体に加わって、真っ昼間から街宣活動なんかしたりしないように(笑)。

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EDIT  |  21:15 |  地政学・国際関係  | TB(1)  | CM(7) | Top↑
2008.10.16(Thu)

やっぱり食べものは国内で作ろうよ 

【中国製インゲン】「これ以上打つ手なし」 中国産離れで生産体制見直しも
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/081015/biz0810152301015-n1.htm

 中国製食品への新たな殺虫剤混入が明らかになり、食品業界は動揺を隠せないでいる。1月に発生した中国製ギョーザ中毒事件を受けて、各社とも中国工場の監視態勢を強化するなど対策を進めてきたが、有害物質の混入は一向に止まらない。食品メーカーはこれまで中国産の原材料を用い、現地工場で生産することで販売価格を抑えてきた。だが、今回の問題で消費者の間に中国製食品離れが進むのは確実とみられ、生産体制の抜本的な見直しに踏み切るメーカーも出てきそうだ。

 「ここまで想定外の物質の混入が続くと防ぎようがない。お手上げだ」。中国に生産拠点を持つある冷凍食品メーカー大手の関係者はこう嘆いた。

 中国製ギョーザ中毒事件を受けて、この会社では生産工場にカメラを設置するなど監視態勢を強化してきた。だが、有害物質メラミンに続き、殺虫剤「ジクロルボス」まで検出される事態に、「これ以上は打つ手がない」と打ち明ける。

 殺虫剤が検出された冷凍インゲンの製造元である煙台北海食品有限公司(山東省)も、「栽培段階における徹底的な安全管理」をうたっていた。最近も農場などを日本の報道陣に公開し、安全・安心への態勢をアピールしていたほどだ。

 だが、相次ぐ有害物質混入で、中国産の原材料調達を見直す動きもすでに出始めている。食品メーカーは、これまで価格維持の面から安い中国製原材料を使用してきたが、菓子大手の江崎グリコが、中国子会社が使う乳原料について現地調達を取りやめた。問題となった商品を輸入販売したニチレイフーズの相馬義比古社長も、15日の記者会見で「マーケットが中国産を受け入れないとなれば考え直さないといけない」と述べた。

 それでも価格が安く、供給量が豊富な中国製の食材を排除することは容易ではない。中国製ギョーザ中毒事件を受けて中国生産の縮小を決めたメーカーは、子会社が問題のギョーザを扱った日本たばこ産業(JT)1社しかない。価格維持か、それとも安全性か。食品メーカーが決断を迫られている。


  こちらをご覧になっている皆さんにはもうお分かりでしょうが、こういう文章をそのまま受け取ってはいけません(全て否定しろ、読むな、といっているわけではない)。私がスポンサーを神と仰ぎ、読者達を教養のない愚民と見下すマスコミ人(笑)になったつもりで、真意を書いてみます。

>生産工場にカメラを設置

  「中国さんだって、頑張ってるんだよ!」というアピールです。当たり前ですが、カメラを設置したところで、土壌から混入している有害物質を除去することはできません。この記事を書いた人が「カメラで写真を撮ると魂を抜かれる」という迷信を信じるような人なら別ですが・・・。

>価格が安く、供給量が豊富な中国製の食材を排除することは容易ではない。

  「俺たちと自民党と経団連が一緒になって、てめえら愚民に安いエサを持ってきてやっているのに、えり好みしているんじゃねえよ!」という意味です。

>中国生産の縮小を決めたメーカーは、子会社が問題のギョーザを扱った
>日本たばこ産業(JT)1社しかない。


  「JTしかやってねえんだよ!スポンサーである大企業様は大変なんだよ!愚民はガタガタ文句言ってるんじゃねーよ!」という意味です。

>価格維持か、それとも安全性か。食品メーカーが決断を迫られている。

  「国産インゲンの供給増大なんて、口が裂けても言わないぞ!」という、産経新聞の固い決意が伝わってきます。

   ところで、インゲンは涼しい気候が好きなので、北海道でたくさん取れます。ちょうど●このお方の地元が主産地のようですから、没落の一途を辿る自分の政党のために、「十勝でインゲンを大増産します!」とでも言ってみればいいのに・・・と思います。
  まあ、そんなことはやりたくてもできないでしょう。今の自民党の農業政策は、この記事を見るとバッチリわかります。

麻生首相:所信表明 農業政策「保護発想捨てろ」、自民に波紋
http://mainichi.jp/select/seiji/aso/news/20081001ddm008010087000c.html

 麻生太郎首相が、29日の所信表明演説で「農業を直ちに保護の対象とする発想は捨てていかねばならない」と述べたことが自民党農林族の間で波紋を呼んでいる。

 食料自給率向上や攻めの農業への転換を訴える中での発言だったが、ある自民党議員は「農業切り捨てに聞こえる。言葉足らずだ。衆院選にも影響が出かねない」と批判した。

 自民党は昨年の参院選で民主党に農村票を奪われ、農政をめぐる動きには敏感になっている。一方、石破茂農相は30日の閣議後会見で「日本の農産物は優れているから、すべてが保護の対象という発想は捨てよというのが首相の考え」と真意を代弁した。



  で、この「優れている」というのが、どういうことなのかというと、こういうことです。

中川幹事長が高知県で演説
http://www.jimin.jp/jimin/daily/07_07/15/190715c.shtml

 中川秀直幹事長は15日、高知県高知市で街頭演説を行った。
 農業政策について中川幹事長は、高知県の素晴らしい農産物をどんどん輸出して「もうかる農政」を推進していくとの姿勢を示した。そのうえで、「そのための競争力強化の手当てや政策をどんどんすすめていくのがわれわれ自民党の農政だ」と強調した。(中略)

 さらに、中川幹事長は「競争に打ち勝つ力を持ってこそ初めて後継者が夢と希望を持てる」と、「攻めの農政」を推進するわが党への力強い支持を訴えた。


  省略したところにも、今の自民党らしい民主党に対する罵詈雑言があってなかなか面白いのですが、記事には関係がないので割愛しました。
  こいつらは、間違いなく何かが転倒しています。食べものというのは、本来、自分たちが食べるもののはずで、輸出を目的に作るものではないはずです。
  もちろん、フィリピンのバナナやコートジボアールのカカオのように、外貨を得るために仕方なく作物を作っている国もありますが、それは植民地支配したヨーロッパ諸国がそういうものを作らせたからです。我が国が、わざわざそういう国の真似をする必要などありません。
  これは中川秀直の独走であって、麻生さんは違う!などという人もいるのかも知れませんが、中曽根政権が造成を始め、小泉政権が完成させた「新自由主義」という高速道路の上を走っていることは同じです。所信表明演説でも、ちゃんと「保護の対象とする発想は捨てろ」と言っているのです。だから、冒頭の引用記事のような問題が出てきても、どうやって比較的マシな食糧を安定して供給していくか、解決策を提示できないのです。

  結論はハッキリしています。国内で作れるものは増産するしかないということです。
  そのためには、休耕地になっている場所に、新しい労働力を入れるしかありません。そうはいっても、都会のサービス業に働き手を奪われてしまっている現状では、なかなか働き手は増えないでしょう。ここをどうするか、考えないようでは
  他の先進国で、こういう場合に導入されているのが「農家への戸別所得補償」です。要するに、農家にはそれなりの手当をやって、収入面を有利にしようということです。今の日本の農業予算は、「公共投資関係費」の割合が3分の2以上を占めており、これを所得補償関係予算と逆転するだけで、1兆円以上のお金を所得補償に回すことが出来ます。
  あとは、「外為特別会計」や「思いやり予算」みたいに、借金垂れ流しの某巨大軍事国家に垂れ流す金を削るのもいいですね。以下の記事のように、この方面のお金はずいぶん潤沢なようです。

米金融危機7月に対応検討=外貨準備活用も-内閣改造で提言見送り-金融庁懇談会
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200810/2008100200537

 金融庁の懇談会が今年7月、米政府による金融危機対策を支援するため、約1兆ドルに上る日本の外貨準備の活用を検討していたことが2日分かった。米政府が経営難に陥った金融機関に公的資金を注入する事態となった場合、外準から必要な資金の一部を事実上提供する内容。米証券大手リーマン・ブラザーズが破綻(はたん)、米政府が金融機関の不良資産の買い取り方針を打ち出すなど事態が深刻化する中、金融危機対応をめぐる論議に一石を投じそうだ。
 検討したのは渡辺喜美金融担当相(当時)の私的懇談会「金融市場戦略チーム」。報告書に盛り込む方向だったが、8月の内閣改造に伴う渡辺金融相退任で報告は見送られた。


  もちろん、一番の理想は、財政支出を多くして経済循環を生み出し、税収を増やすことです。
  これ以外に、農業の担い手を増やす方法があれば教えてほしいものです。まさか、大企業に農場経営をさせて、チュウゴク人を入れればいいとか、そんな●誰かさんみたいな発想をしちゃっているんじゃないでしょうね?
  また、所得補償も、全ての農家にやる必要はありません。自給率が特に低く、生活に欠かせない作物(たとえば、大豆や小麦、菜種)などに重点的に配分すればいいのです。
  また、有機農業や●無農薬無肥料栽培、さらにはミネラルを混ぜ込んで土を強くする●中嶋農法などといった、農薬や化学肥料の軽減に役立つ農法の農家については、思い切った減税をするという手もあります。
  そして、極端な話、「新しく農家になったら5年間所得税も住民税も無料」というくらいやってもいいと思っています。そのくらいのインセンティブがなければやっていられないほど、近代経済システム(=金融万能主義)の中において、一次産業は地位が低下しています。
  こういう問題を、「今の教育が悪い」とか「若者が苦労を知らない」などと言っていては、いつまでも解決しません。戦時中に、竹槍でB29を落とせると宣伝していたバカと同レベルの人が少なくないのは本当に困ります。
  「中国はダメだ」と、外国叩きに熱を上げてばかりいる連中に至っては、言語道断です。

  また、消費者もおかしな「安全・安心」崇拝をやめるべきです。虫が食った跡があれば不良品だと思ったり、ぴかぴかに磨かれているものが本来の野菜だなどという認識を捨ててほしいということです。きれいにラッピングされていても、中に入っているのが中国の汚染された土から運ばれてきた重金属だった、というのでは話になりません。
  本来なら、食べるものは自分で作る、もしくは同じ共同体の中で融通し合うのが原則です。そうしないと、何かあった時に文句が言えないからです。一つ前の記事の、留学手続きをゲートウェイ21とかいう会社に丸投げして大損した人たちと同じ事です。
  もっとも、我々は幸か不幸か、近代国家という仕組みを持ってしまっています。日本円という共通の通貨で、日本国内は統一した市場になってしまっているのが現状です。そういう中で、ギリギリ許せるのが、同じ国内での食糧生産だということです。
  食料輸入というのは、売ってくれる国の好意によって成立しているものであって、もし国際情勢が不安定になったり、相手の国に軍事独裁政権が出来たりしたら、たちどころに供給が途絶しかねない脆弱なものです。そんなものに生命を依存するのは、自殺行為です。もし現状では仕方がないとしても、改善するための努力をしなければいけません。

  核ミサイルを持つよりも、まず食べるものを自分で作れるようになる方がよほど「国益」とやらに叶っているような気がするのは私だけでしょうか?

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2008.10.15(Wed)

留学すれば、「自分」になれるのか(後) 

  また間に記事が入って飛んでしまい恐縮です。●留学すれば、「自分」になれるのか(前)の続きです。
  再度、ニュース記事を引用します。

ゲートウェイ21破綻:債権者説明会 「詐欺だ」800人怒り 預かり金流用、常態化
http://mainichi.jp/select/biz/news/20081006ddm041020082000c.html

破産申し立て中の留学支援会社大手「ゲートウェイ21」(東京都新宿区)の債権者説明会が5日、東京都内であり、福井伴昌社長は「本当にすみませんでした」と土下座して謝罪した。経営破綻(はたん)後、社長が公の場で発言するのは初めて。社長は「集めた資金をそのまま海外送金すればよかったが、会社が存続できない状態となり手をつけた」と資金流用を認めた。約800人の被害者は「詐欺だ」と厳しく批判した。

 同社は、留学予定者から預かった資金を、専属契約する海外の現地法人を介して、留学先やホームステイ先に支払う。このシステム通りに送金されれば留学に支障はないが、実際には払われていないケースが相次いでいた。

 会場から「預かり金に手をつけたのか」と追及されると、福井社長は「その通り。そうせざるを得なかった」と認めた。使途は先行してあっせんした他の留学生の費用だけでなく、会社の事務所の家賃や人件費にも及んでいた。さらに「『送金が集中する3、4、8、9月を乗り切れば』と思っていた。昨年もそれで乗り切った」と流用が常態化していたことも認めた。

 説明会に同席した野間啓弁護士は「昨年6月ごろから資金繰りが厳しくなっていた」と説明した。

 一方で個人的な蓄財など私的流用は否定。「私財を4000万円(会社に)入れた。個人財産は残っていない」と強調した。野間弁護士が「返金は難しい」と話すと、ため息に包まれた。男性が「あなた(社長)を刑事告訴します」と発言すると、一斉に拍手が起こった。

 訪れた被害者が会場(定員約200人)に入りきれず、外の歩道に50メートル以上の列を作った。参加者を入れ替え説明会を2度を開いたが、流用した原因は「全国展開に伴って経費が増え、売り上げが落ちたため」とだけ説明した。

 イタリアで料理人の修業をするため、肉体労働のアルバイトでためた約80万円を支払った埼玉県北川辺町の男性(30)は「答えられなくなると『すみません』で済ます。具体的なことは聞けなかった」とあきれ顔だった。



  私が、読んでいて非常に強い違和感を覚えたのは、この部分です。

>イタリアで料理人の修業をするため、肉体労働のアルバイトでためた
>約80万円を支払った埼玉県北川辺町の男性(30)は「答えられなくなると
>『すみません』で済ます。具体的なことは聞けなかった」とあきれ顔だった。


  イタリア料理の修行は、本場のイタリアでないと出来ないという理屈は、分かる気がします。しかし、それなら、なぜ普段から「肉体労働のアルバイト」ではなく、イタリア料理の店でアルバイトしないのか、不思議で仕方がないのです。
  どうも、ゲートウェイ社の「被害者」として取り上げられている例には、首をかしげる留学志望者が多いような気がします。いくつか拾ってみたので、引用部分をご覧下さい。

  まずは、読売新聞の記事です。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081005-OYT1T00531.htm?from=main5

 英国留学の仲介を依頼し、約180万円を納めた都内の30歳代の男性会社員は、勤務先に退職を申し出た後に破綻を知った。入学予定だった現地の語学学校に電話で確認したところ、「授業料は受け取っていない」との答え。「懸命に働いて留学費を作ったのに……」と言葉を絞り出した。

 都内の無職女性(26)は、米国に留学しようと約150万円を同社に納めた。アルバイトをかけ持ちしてためた資金だった。説明会で今後の対応を聞こうとしたが、「『すみません』と言うばかりで何も分からなかった」と憤る。


  一つの仕事に就いてそこからしっかり学ぶ方が、留学するよりずっと価値があると思っているのは私だけでしょうか?

  続いて同じく読売、九州版の記事です。某半島に近いという土地柄(笑)が出ています。

http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20081008-OYS1T00459.htm

 「短期留学がうまく行けば、1年はソウルにいる気だったんです」。福岡県大野城市のアルバイト女性(21)は自宅で肩を落とした。

 女性は9月21日~10月1日、ソウルの語学学校に通う契約をゲ社と交わし、約36万円を支払った。滞在中はソウルの会社員(30歳代)宅にホームステイした。

 「24万ウォン(約1万8600円)払え」。9月28日、会社員の妻から突然要求された。まくしたてられても言葉が分からない。妻は親しい日本人に電話。受話器を交互に渡し、日本人の通訳を介しながらの問答が続いた。

 会社員側は「ゲートウェイ21と提携するソウルの会社から経費を受け取っていない」と主張。「日本で支払いは済ませた」と女性は拒否したが、「払うまで日本に帰さない」と迫ったという。女性は結局要求通りに支払い、29日に帰国した。


  福岡には韓国語の学校がないのでしょうか?

  毎日新聞の記事も取り上げます

http://mainichi.jp/select/biz/news/20081001ddm041020105000c.html

 カナダへ1年間留学予定だった東京都八王子市の女性(28)会社を辞め、5日に出発予定だった。ホームステイ代や語学学校への授業料も支払われていないといい、「航空券のキャンセル代がもったいないから出発するつもり。だけど到着後はどうすればよいのか」と途方に暮れていた。


  とりあえず出発して、どうしようというのでしょうか?「とりあえず留学」「とりあえず退職」と来た流れなのでしょうか?

  最後は、旅行業界の情報サイト「トラベルビジョン」からです。

http://www.travelvision.jp/modules/news1/article.php?storyid=38260

 新宿支店にも、既に300万円を支払済で、9月に会社を退職し、11月1日の出発予定でロサンゼルスに1年間の予定で留学を申し込んだ人が訪れていた。9月中旬に同社から連絡があると伝えられていたが、この対応がなかったため先週末に電話で連絡し、担当以外のスタッフが応対。「担当者からかけなおす」と伝えられたが、週末には連絡がつかなかったという。


  300万円で1年間ですか・・ちょっとかかりすぎじゃないですか?

  確かに、大学生の被害例もあるのですが、目に付くのが、それ相応の年齢の社会人が大金を払っているという事例ばかり紹介されています。
  ことさら悲惨な例を取り上げて、センセーショナルにしようというマスコミの意図もあるのでしょうが、何かしっくり来ません。

  前編の記事でもお話ししましたが、私も実は留学を考えていました。

  留学したいと思っていた国は、カナダです。どうも、私はそれこそ落合信彦(笑)のような「国際ジャーナリスト」になりたいと思っていて、それなら英語が出来て、外国での生活を経験しておかないとダメだと思っていたようです。
  しかし、準備は真剣にやりました。大学4年くらいから独学で英語を勉強して、留学に必要なTOEFLという試験も受け(旧試験で597点)、志望していた大学のアドミッション・オフィスとも英語でメールをやりとりしました。カナダドルで3万ドル(当時はだいたい280万円くらい)貯め、TOEFLの成績表のコピーと、カナダドルの預金証明と、学部で取った単位証明も送りつけて、「3年から編入できますよ」という返事をもらっていました。

  それが、ちょっとしたきっかけで留学に興味がなくなっていき、今に至るわけですが、留学しなくてもいろいろ分かるようになってきたことがあるので、別にそれ自体後悔はしていません。司法試験に無駄に費やした6年間の方は今でも時々振り返って頭を抱えることがありますが・・・。

  みなさんに分かっていただきたかったのは、留学を本当にしたいと思えば、私がやったようなことくらいはやって当然なのではないか、ということです。つまり、

★現地で困らないための語学力等を日本で身につける
★受け入れ先と直接交渉する


  くらいはやると思うのです。
  それをやらずに、留学斡旋会社に丸投げしているというのは、本当に真剣に勉強する気持ちがあるのだろうか、と、首をかしげてしまうのです。
  留学といえども、自分の人生の一部なわけですから、他人に完全に任せてしまうのが好ましいとは思えません。他者に依存すると自分では関知し得ないリスクを背負い込むことになってしまいかねないからです。
  たとえば、「料理するのが面倒」だと言って、ファミリーレストランやコンビニの弁当で食事を済ませているとします。そういうところには、価格競争力を高めるために、必ずと言っていいほど「チュウゴク産」の食材が使われています。普段使いの値段で、調理という手間を掛けて提供するのですから、売る側としてはそうせざるを得ない面があるのです。
  そういうものにすっかり自分の食生活を依存しておいて、「安全な食品を」などと言い出す人間がいても、私は一切耳を貸しません。他人に、調理という生活に必要不可欠な行為を任せっきりにしているつけが回ってきているだけです。
  ゲートウェイ21というのは、「料金が安くても、現地スタッフが24時間サポート」というサービスを謳っていました。相当な無理をしていたことは間違いありません。そういう点では、「安くおいしく安全に」という無理難題を押しつけられている外食産業とよく似た立場にあったということができます。
  そう考えると、ゲートウェイ社だけを一方的に責めるのは間違いだということにならないでしょうか。

  もっとも、大金を払って留学に夢を求めてしまう人びとの気持ちも、分からなくはありません。

  今の世の中には一つ困った風潮があります。それは、「自己実現をしない人生は生きる意味がない」という、誤った認識がまかり通っていることです。
  自己実現というのは、「なりたいと思っている自分になること」といった感じの意味でしょうか、とにかく、そういうものを追い求めていない人生はつまらないという認識が、かなり多くの人びとの間で共有されている気がするのです。
  それが、日本人特有の「海外」に対する漠然とした憧れ(未知の世界なので、素晴らしいものに違いないという認識)と結びついて、留学に走る人が出てくるのでしょう。簡単に言えば、日本では思うように自分の願望を達成できないから、よくわからないけどすごそうな外国に行ってみればうまく行くかも知れないと期待しているのが、上に挙げたような留学生の実態です。
  こういうことを言うと、英語や国際感覚を身につけるためだ、というもっともらしい理由で反論するのでしょうが、そんなものは日本国内にいても十分身につけることが出来ます。海外旅行というと、ロシアに1回しか行ったことがない私が、1年そこら留学した同年代の人間より、国際情勢や世界経済に対する認識が不足しているとは思いません。
  それに、たかだか半年や1年留学したところで、日本では身につけようがない英語力や国際感覚が身につくのでしょうか。ビジネスや研究に携わり、レベルの高い人材と交流して、初めてそういう力がついてくるのではないでしょうか。
  なにより、言語を理解し、論理に従って本質を見抜くという知性のあり方は、欧米だろうと日本だろうとアフリカだろうと、全く変わりがありません。その国の特殊な事情を研究するためとか、専門的な研究をやっている場所がそこにないという限り、留学は必要ないのではないかと思っています。
  そう言う点では、●外国に留学しないと実力がつかないなどとぬかしている人事院官僚など、外国滞在を税金で楽しんでいるだけだ、という批判ができるでしょう。

  それはさておき、こんな風に留学に対してはあまり必要性を感じていない私も、ゲートウェイ21の被害者に対して「自己責任だ」「考えが甘い」という言葉を使って一方的に非難する気にはなりません。
  なぜなら、今の世の中には、上に挙げたような人びとが、「夢」や「希望」を追い求めざるを得ないようあ状況が確かに存在するからです。
  その下敷きになっているのは、「日本社会の地滑り現象」です。要するに、日本という国が没落の途上にあるということなのですが、これは主に経済の世界でいえることです。
  バブル経済に突入するまでの日本は、大企業が稼いできた利益を税金で吸い上げ、社会保障や公共事業を用いて国内で循環させるという仕組みを取っていました。多くの国営企業(たとえば国鉄)などが存在していたことも、雇用の安定には役立っていました。
  ところが、80年代半ばの中曽根政権の辺りから、貯蓄より投機が推奨され始め、国営企業は無駄が多いと民営化する方向へ舵を切りました。その分、民間企業の活力を利用して、無駄な税金として使われていた部分を生きたお金にしようということです。いわゆる「民活」というやつです。
  これ以降の政権の経済政策というのは一貫しています。社会のあらゆる分野を、政府や自治体による面倒見から、私企業の営利活動と個人の自己防衛へとシフトしていくということです。これによって、確かに無駄は少なくなりましたが、競争力がずば抜けて高い一部の個人や企業にばかり金が行くようになり、「広く浅く」という従来の分配方式は行われなくなります。
  それでいいじゃないか、と思うかも知れませんが、そうなると、社会全体の需要が減るので、あなたも含めて能力が中以下の人間はどんどん仕事がなくなっていきます。いまや政権与党が「移民を1000万人入れよう」という議員連盟を発足させている時代です。そうなると、高度なスキルを要する職業のみならず、単純労働の世界まで、外国人と競争させられることになるわけです。
  そういう世の中で、なんとか箔をつけたい、という思いで、留学を選択するという人が出てくるのは不思議ではありません。
  あるいは、もっと進んで、そういう過度の競争を強いる世界で戦わされるより、漠然とした夢の方に自己実現を見いだしたいという人が増えるという現象も出てきます。
  みなさんも、物事が思うようにいかなかった時、歌を歌ったり、お酒を飲んだりして、憂さ晴らしをしたことはないでしょうか。歌や酒それ自体には、それをやったからといって、うまくいかなかった物事を好転させる効果はありません。しかし、始終努力を強いられるとなると、そこから逃げなければやっていられない、という気持ちは誰しもが持っているものです。
  そんなことはない、俺は自分の努力で何でも実現してきた!甘えるんじゃない!とか思っている人は、こんなブログは見ないで、「日本ベンチャー協議会」にでも入って自民党の格差推進政策をどんどん応援してください(笑)。
  面白いもので、「夢」や「希望」は安定している社会よりも、今の日本のように、社会全体が不安定化している(というより、政府当局や外国の干渉で、そうさせられている)社会の方で、より重みを持ってしまうのです。●宝くじと資格試験のことを扱った記事でも言いましたが、現実が報れないものであればあるほど、それを忘れるために、勝算の少ない一発逆転に走ってしまう人が増えるのです。学歴が低かったり、外国語が嫌いだったりすると、パチンコや宝くじや司法試験になってしまうのが、たまたま外国にかぶれていたり、外国語のテストで良い点を取れていたりすると、留学になるということです。どちらも、現に存在する情けない現実から目をそらしたいという点では、根本的な違いはありません。
  だから、全体としての留学者数は減っている(=一番の利用者だった大学生の親御さんにお金がなくなってきている)にも関わらず、ゲートウェイ21の被害者のような、社会人による短期留学が増えているのではないかということです。
  昨今の事件というのはどれも、過度の競争社会化で追い詰められた「弱者」が、それでもなんとか生きようともがいた結果なのではないかという気さえします。別に犯罪を正当化するつもりはないのですが、そういう「弱者」を「犯罪予備軍」に変えるような方向をわざわざ取る必要があるのかどうかは大いに疑問です。

  もちろん、こういうことを是正するには、経済社会のあり方を、多数の「弱者」にとって居心地の良いものに変えることが第一です。格差を助長し、分配を否定している今の政権には、即刻死んでもらうしかないでしょう。
  しかし、もう一つ大事なことがあります。それは「教育」です。
  要するに、学校で「夢を持って生きることが大切だ」とか、「努力すればなりたい自分になれる」ということを教えるのはやめろ、ということです。公教育というのは国家が自分に都合の良い世界観や価値体系を教え込むための仕組みですから、どうしても無理矢理詰め込んだり、選別したりする過程が必要です。それを正当化するためには、「努力すればいいことがある」という風に、抽象的に訴えるしかないのです。
  もちろん、ひねくれた人間はそういうことを信じませんし、本当に優秀な人間は何があっても大丈夫なのでしょうが、純粋で、学習能力が高い生徒は「自己実現真理教」の犠牲になってしまいます。ゲートウェイ21の被害者にも、そういう人がかなり多いことが予想されます。
  ●以前の記事で触れた「熱く生きろ!」と若者を扇動するカルトなども、同じような構造を持っていると思ってもらってもいいでしょう。真面目で、素直な人間を食い物にしているあたり、学校教育も、落合信彦や大前研一のようなカルトの教祖も、詐欺師と同列だということもできます。
  こういうことが話題になるといつも思ってしまうのですが、そもそも「夢」や「希望」がなければ、人生は生きるに値しないのでしょうか?
  学校教育や、メディアの場面で語られるのは、いつも成功して名を馳せた人間の話ばかりです。「偉人伝」などというものが典型でしょう。発明王エジソンは学歴がありませんでしたが、優秀な父母に個人教育を施されて、持ち前の才能が開花し天才です。「天才は99%の努力と1%のひらめき」と言いますが、何日も寝ずに研究に没頭できるというのは、もうそれだけでかなりの才能の持ち主だということができます。
  エジソンはまだ人の役に立つ発明をしていたからいいのですが、ロックフェラーだとかカーネギーだとか、ただたんに金儲けをしただけの人物が称揚されるのはどうなのでしょうか。日本で言えば、本田宗一郎や松下幸之助はまだいいとして、「ホリエモン」だとか楽天の三木谷社長みたいな人物を、素晴らしい人物だと称揚するようなものです。他人の損で儲けを挙げた連中を「カリスマトレーダー」だとか呼んだり、どうも、現実に手にした財産の多寡で、人間の価値を決めつける風潮が蔓延している気がしてなりません。
  そういう世の中だからこそ、地道に周囲の人びとの役に立つような生き方だとか、親孝行することの価値だとか、目立たないところで社会に貢献している人に光を当てるとかいった作業が必要になってくるのではなないかと思うのです。そうでなければ、この世の中は才能と環境に恵まれた一握りの人間以外に生きるに値しないものになってしまうのではないでしょうか。
  私は、安倍内閣の教育カイカクというやつに、初めは期待していたのですが、蓋を開けてみると「武道の必修化」だとか「教育バウチャー」だとか、どうしようもないことばかり唱えていたのを見て、正直がっかりしたのを覚えています。あとあと、安倍晋三やその周囲に集まっている人間の正体が分かった時は、「ああ、なるほど、愛国心を植え付けて、国民の不満をそらしたり、対外進出をさせやすくするためなんだな」と、納得したのを覚えています。
  近代の経済システムでは、結果にならない努力は全て無駄になってしまいます。だから、教育くらいはそういうものの逆を行ってほしいと思っていたのですが、学力テストの低下と日教組の組合組織率の関係についてぐちゃぐちゃと下らない話をしているような「ウヨク」や、いまだに憲法9条に対するカルト崇拝だとか自虐教育だとかを推進している「サヨク」が跋扈している現状では、なかなかそういう声は盛り上がらないようです。
  私が今いる場所で、結果が伴わなかった努力を私なりに称えてやるしかないのかもしれません。
  
  せめてこの記事を見て、単なる「違う自分になるため」の留学を思いとどまる人が出てきてくれると嬉しいです。大事なお金と、若い頃の時間を無駄にしないためにも・・・。

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2008.10.13(Mon)

ほら、やっぱり「米朝蜜月」だったでしょ? 

  遂に来た、という感じのニュースです。

北朝鮮のテロ国家指定「10日にも解除」米紙報道(朝日新聞)
http://www.asahi.com/international/update/1010/TKY200810100152.html

 米国務省当局者は9日、北朝鮮核問題を巡り、米政府が核計画の検証対象を北朝鮮が申告した施設に限ることを基本的に受け入れることを決めた、と明らかにした。日本など6者協議参加国の意向を確認した上で、ブッシュ大統領が受け入れを判断し、北朝鮮のテロ支援国家指定を解除する。

 米紙ワシントン・ポストやFOXニュースの電子版は9日、政府筋の話として「早ければ10日にもテロ指定が解除される」と伝えた。

 北朝鮮が申告した施設は寧辺にある原子炉や再処理施設など、プルトニウムによる核開発関連施設。検証を申告施設に限る案は、6者協議の米首席代表のヒル国務次官補が1~3日に訪朝した際に北朝鮮側と基本合意していた。

 申告には核兵器を製造する施設やウラン濃縮による核開発、核拡散は含まれておらず、米政府内には「当初の検証計画に比べて相当弱いものになった」(当局者)との批判も残るが、6者協議の枠組み維持を目指すライス国務長官やヒル氏らが押し切った。

 英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)は「大統領より下のレベルでは、ほかの4カ国に不満がなければ合意を進めるべきだという意見でまとまった」との米政府当局者の言葉を伝えた。日本などの合意が得られれば大統領に受け入れを進言するという。

 国務省のマコーマック報道官も9日の会見で「6者協議参加国すべてが検証計画で合意しなければならない。今はそこまで来ている」と述べ、各国の合意を待っていることを示唆。また、「満足できる検証体制が出来れば、各国ともに義務を満たす」と述べ、速やかにテロ支援国家指定を解除する考えも示した。



  これに対する、北朝鮮の反応です。

テロ支援国指定解除、北朝鮮が「歓迎」表明(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20081012-OYT1T00458.htm?from=navr

 朝鮮中央通信によると、北朝鮮外務省報道官は12日、米国がテロ支援国指定を解除したことを「歓迎する」と表明した。

 同通信記者の質問に答え、「我々も『行動対行動』の原則で寧辺(ヨンビョン)の核施設の無能力化作業を再開し、米国と国際原子力機関(IAEA)の監視員の任務遂行を再び認めることにした」と述べた。

 報道官はさらに、6か国協議で2007年10月3日に採択された非核化第2段階措置に関する合意文書に言及。「10・3合意が完全に履行されるかどうかは、米国のテロ支援国指定解除が実際に効力を発生し、(日米韓中露の)5か国が経済補償を完了することにかかっている」とし、日本の支援不参加などで現在50%程度の履行にとどまっている見返りのエネルギー支援を早期に行うよう要求した。


  
  このブログでは、アメリカと北朝鮮はすでに「同盟関係」に入っており、その目的は東アジア最大のランドパワー(意味は●こちら)である中国の牽制だということを、もう口が酸っぱくなるほど何度も何度も書いてきました。

●【新年】2008年は動乱の年になるか?【予想】

●アメリカと北朝鮮の演じる茶番劇~日本の役目はATM?

●韓国崩壊・・・そのとき東アジアは?(3)

  ゆえに、このブログを継続してご覧になっている方々は、「ああ、やっぱりね」という感想しか持たないと思います。しかし、「他に女を作られたことを認められず、浮気な男にすがりつこうとする妄想癖のある女性」のような人たちもいるようです。

【対北テロ支援指定解除】北朝鮮、20年来の足かせ外れる(産経MSNニュース)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/186218/

北朝鮮にとって、米国のテロ支援国家指定解除は、大韓航空機爆破事件の翌1988年に指定されて以来、20年に及んだ米国の「対北敵視政策」が終了し、米国から「普通の国」として認められたことを意味する。指定解除により、北朝鮮は国際金融機関の支援を受けることも可能となり、経済的な効果も期待できることになった。

 北朝鮮は1990年代に大量の餓死者を出すなど慢性的な食糧難と経済難に苦しんできた。北朝鮮にとって、金融・経済支援を阻んできたテロ支援国家指定の解除は長年の念願であったはずだ。

 北朝鮮はこれまでにテロ反対の立場を表明するなど、指定解除に向けた地固めを進めてきた。そして北朝鮮の核をめぐる6カ国協議に、この問題をリンクさせ、巧みな戦術を展開して指定解除を勝ち取った。

 しかしテロ支援国家指定が解除されたからといって、これが直ちに経済再建に結びつくとする見方は少ない。世界銀行やアジア開発銀行から低金利の融資を受けるには、まず国際通貨基金(IMF)への加盟が必要となるからだ。IMFに加盟するには透明性・開放性が求められる。

 一方で北朝鮮は「普通の国家」としての責任も負わなければならない。まず03年に脱退した核拡散防止条約(NPT)に復帰し、国際原子力機関(IAEA)の核査察を無条件で受け入れるという義務を果たす必要がある。

 しかしそもそも北朝鮮は今後、本当に非核化の道を歩むのか。北朝鮮が非核化を達成すれば、そのときには米国との取引材料を失うことになる。今回のテロ支援国家指定解除で、米国との関係改善の足場は築かれたといえそうだが、非核化問題だけをみても米朝関係は曲折が予想される。



  あまりのいじらしさに、かわいそうになるのを通り越して、ゲラゲラ笑い出してしまう記事です。  

>しかしそもそも北朝鮮は今後、本当に非核化の道を歩むのか。

  心配する必要はゼロです。北朝鮮の核武装放棄は絶対にありません。
  なぜなら、何度も何度も主張しているように、北朝鮮の核ミサイルは北京の方を向いているからです。ソ連が崩壊した後、東アジアで最強のランドパワーとなった中国は、ロシアと異なり、通常戦力しか持たない北朝鮮を次のターゲットにすることは目に見えています。だからこそ、北朝鮮は1994年にNPTを脱退したのです。
  その後のアメリカのなまくらな対応を見ていれば、北朝鮮の核武装を容認するつもりだったのは目に見えています。
  「日本とアメリカは民主主義や自由という同じ価値観を共有する仲間だ」という世迷い言を真に受けているからそうなるのです。国際政治は、イデオロギーや価値観で動いているのではありません。

>今回のテロ支援国家指定解除で、米国との関係改善の足場は
>築かれたといえそうだが、非核化問題だけをみても米朝関係は曲折が予想される。


  本当に大事に思っているのは同盟国の日本ニダ!どうせうまく行かないに決まっているニダ!ということらしいです。
  みなさんは、対人関係やビジネスや(あまりいないだろうが)政治の現場で、こういう思考を絶対にしないでください。また、他人に対してそう言う考えを披露するのもやめましょう。産経新聞の記者がやっているのは、「希望的観測を現状認識に優先させる」という、問題解決にとっては最悪の方法だからです。
  もっとも、この新聞が「国家主義的親米主義者」や「バカ保守」や「ゴミ右翼」といった、いまや貴重な自民党の支持層を都合良く誘導するためのメディアだと考えれば、このような論調も頷けます。そうでないとしたら、この記事を書いた人は、物書きで給料をもらう資格はありません。
  その産経新聞の社説の方になると、もう電波がすごいことになっています。

【主張】北の核検証 容認できぬテロ指定解除
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/081010/kor0810100346000-n1.htm

 北朝鮮の核申告検証問題で、米朝が重要な懸案を先送りして北のテロ支援国家指定解除に進む可能性が浮上している。厳正な検証が保証されず指定解除するのは核完全廃棄の原則にも反し、日本は容認すべきでない。

 先に訪朝した6カ国協議のヒル米首席代表が行った協議の経過について8日、米特使が日本外務省に説明した。内容は公表されていないものの、核施設の立ち入り査察に北朝鮮の同意が条件とされたり、北が申告を拒んでいるウラン濃縮や核拡散行為が検証対象から除外されて事実上先送りされるなどの報道もある。

 6カ国合意では北朝鮮が核活動の「完全かつ正確」な申告を行い、厳正な検証に委ねるという約束だった。しかし、6月に提出した核申告にはウラン濃縮などが含まれず、米国は包括的検証に応じるよう求めて、見返りのテロ支援国家指定解除を遅らせてきた。

 北朝鮮はこれに反発して、核無能力化作業を停止させた。だが、核の完全廃棄を果たすには、既存の核施設の検証だけでは不十分である。ウラン濃縮や第三国への拡散活動の解明も不可欠だ。だからこそ米国はブッシュ大統領の判断で指定解除手続きを中断し、信頼性のある検証計画の合意と履行を北朝鮮に求めている。

 北朝鮮の行動は都合が悪くなると強硬策で相手の譲歩を迫る常套(じょうとう)手段にほかならない。あいまいな検証で手を打ってしまっては、一度は踏みとどまった過ちを犯すことになりかねない。

 原則なき妥協に基づいて指定解除すれば、日本の拉致問題にも重大な影響を及ぼすだろう。実際、北朝鮮は6月の日朝協議で拉致再調査を約束しながら、いまだに何の具体的行動もとっていない。

 核問題も拉致問題も、日米は協調して原則に沿った解決を求める姿勢を繰り返し確認してきた。麻生太郎首相も2日、拉致被害者家族と面会した際、拉致は「現在進行形の話で極めて大きい」との認識を示している。

 最大の懸念は、安直な指定解除が日米同盟の結束を揺るがせる恐れがあることだ。シーファー駐日米大使は9日、「大統領は何も決めていない」と語った。

 麻生首相は米政府にこうした認識をきちんと伝えて、正しい判断を下すよう求めるべきだ。日米が連携を固めて、北朝鮮に約束を守らせてほしい。



>ブッシュ大統領の判断で指定解除手続きを中断し

>シーファー駐日米大使は9日、「大統領は何も決めていない」と語った。


  「アメリカ政府全てが裏切ったわけではないニダ!大統領は日本の味方ニダ!」という、切実な願望が伝わってくるフレーズです。どっかの半島の人びとが、古文書に少しでもそれっぽい記述があると「竹島や対馬は韓国固有の領土ニダ!」と、欣喜雀躍するのに似ています。
  もっとも、ニダーな人たちは現実的に領土を侵食していますし、産経新聞は世間知らずな右寄りの人びとを誤った方向へ導いているわけです。「おまえの言っているのは妄想だ」と、抗議しなければいけません。

>北朝鮮の行動は都合が悪くなると強硬策で相手の譲歩を迫る
>常套(じょうとう)手段にほかならない。


  都合が悪くなれば、硬軟取り混ぜて相手の好意的な反応を引き出そうとするのは、主権国家としては当然の行いです。北朝鮮を非難するのは間違いです。「それに引き替え、我が国の政府はなんら強硬的な手段を執らない。『戦う政治家』などと言われていた首相もいたが、全くダメージを与えられない経済制裁だけで何が『戦う』なのだろう」と書き加えるのが、本当のジャーナリズムです。
  こういう「北朝鮮=絶対的悪」という認識を流布することで、北朝鮮が日本に譲歩する余地を完全になくしているわけです。

>北朝鮮は6月の日朝協議で拉致再調査を約束しながら、いまだに何の具体的行動もとっていない。

  当たり前です。日本が行動を促すような措置を執っていないからです。
  経済制裁を延長した?何を言っているんですか。それで、北朝鮮がどれだけダメージを受けているのですか?痛くもかゆくもないから、口約束だけでお茶を濁しているんじゃありませんか?
  「やらないよりはまし」としか言いようがない経済制裁で、北朝鮮が拉致被害者を全員帰してくると思っているのだとしたら、その人は現実を正しく認識する能力欠けたウルトラ級のバカです。エラソーに国際情勢を論じる資格などありません。ブログなど書くのもやめた方がいいでしょう。

>日米が連携を固めて

  いつも思うのですが、この「連携」というのは、具体的にどういう行為を指しているのでしょうか?
  日本が国内の規制緩和やさらなる米国国債という貢ぎ物を差し出して、アメリカ様に動いてもらうということでしょうか?
  要するに、何をやるにもアメリカ頼みということです。自立した国家になろうという気概など、かけらも感じられません。こういう人間が日教組を批判し、日の丸・君が代を称揚しているのだとしたら、情けなくなります。

  では、今後の北朝鮮を巡る問題がどのように展開するか、簡単に予測してみましょう。

  焦点は、日朝国交正常化のタイミングです。すでに日本は、小泉純一郎首相が、●日朝ピョンヤン宣言という覚え書きの中で「日本は朝鮮に悪いことをしたから、金額無制限で援助します」という約束をしており、それをその次の安倍晋三首相が●六カ国協議で国際的合意にまで高めてしまったので、このまま行けば北朝鮮と国交を結び、代償として莫大な金を北朝鮮に援助することになります。
  そして、今の麻生首相も、この路線を継承することを宣言しています。●麻生首相の所信表明演説の中には、

 そして第五に、北朝鮮への対応です。朝鮮半島の安定化を心がけながら、拉致、核、ミサイル問題を包括的に解決し、不幸な過去を清算し、日朝国交正常化を図るべく、北朝鮮側の行動を求めてまいります。すべての拉致被害者の一刻も早い帰国の実現を図ります。


  という部分があります。要するに、麻生氏は巷で言われるような「愛国」や「右翼政治家」などではなく、日本と朝鮮の間に「不幸な過去」があったことを認めるという、小泉・安倍路線を踏襲するただの自民党議員だったということです。
  そういうわけで、自民党政権が続く限り、このような動きは止まりません。そうはいっても、麻生さんは一応首相ですし、安倍も一応国会議員には違いありませんから、滅多な動きは出来ないでしょう。
  しかし、政界引退を表明しつつ「政治活動を続ける」と明言している小泉純一郎はどうでしょう。フリーな立場で●朝鮮コネクションをフル活用して日朝国交正常化に取り組むということは考えられないでしょうか。まるで、政界の第一線から退いた「昭和の妖怪」岸信介が、日韓国交回復に尽力し、日韓協力委員会を作って、韓国との経済的・政治的な腐れ縁の土台を作ったように・・・。
  岸の忠実な弟子だったのが福田赳夫であり、その福田の秘書をしていたのが小泉です。そう考えると、ここに海軍出身の中曽根康弘瀬島龍三を加えたラインこそが「朝鮮コネクション」なのです。この人脈の方針は、「アメリカに従属し、朝鮮半島を利用して利権を確保する」ことです。パチンコやサラ金が隆盛したのも、それらが北朝鮮に送金をしていたのも、全てはこのラインの仕組んだことだったわけです(社会党の親北朝鮮議員などは、刺身のツマでしかない)。
  残念ながら、麻生首相はこのラインの築いた路線にそのまま乗っかるようです。まあ、だからこそ首相になれたというべきかもしれませんが・・・。
  政権交代をすれば、民主党には「朝鮮コネクション」の中核になる人物がいないので、援助地獄になるという事態は先延ばしに出来そうです。そのあいだに、中国と朝鮮の対立が深まり、金正日が一線から退いたタイミングで新たに手を結ぶことができればいいのですが・・・。

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2008.10.12(Sun)

ミンエーカ先進国・中国の警察はすごい!! 

  正直どこのカテゴリーに入れていいか分からない記事でしたが、タイトルがタイトルなので、」中国・朝鮮」の欄に入れてみました。

  さて、「復活!三輪のレッドアラート」様の●大阪府知事のバカぶりを取り上げた記事の中で、当ブログにもよくいらっしゃるRASさんがこんなことをおっしゃっています。

盲目的に公務員バッシングしてる人がいますが、映画「ロボコップ」に出てくる近未来のデトロイト市(←警察が民営化されている)みたいな世界が理想なんでしょうね。私ならまっぴら御免ですが。


  確かにその通りなのですが、現実は映画「ロボコップ」の上を行っていました。いつか出そうと思っていて、お蔵入りになっていたニュースを紹介します。

「防犯契約」したのに!役立たず警察にキレた経営者、窃盗被害の賠償求め当局を訴え!―広州市
http://rchina.jp/article/12950.html

2007年11月18日、広東省広州市の地元紙「新快報」は同市の公安局増城分署に対し20万元(約320万円)の損害賠償を求めて訴訟を起こした女性経営者の話を紹介。

広州市内の増城地区に住む李さんは、1999年から同地区の警察当局と防犯サービス契約を結び、経営する金物店の店内に警報装置を取りつけ、何者かが侵入したらただちに警官が駆けつけるという言葉を信じ、毎月当局に使用料を支払っていた。

ところが、李さんの店は昨年の7月と12月の2回、泥棒に入られ、総額20万元相当の商品を盗まれてしま った。7月の事件の際には警察は出動せず、12月の事件では早朝4時36分に店内の異常を知らせる警報装置が作動したにもかかわらず、警察が到着したのは午前5時過ぎだったという。

なんのために毎月警察にお金を払っていたのかわからないと、李さんは怒り心頭。警察当局を相手どり、窃盗被害の20万元の損害賠償を求めている。この訴訟の判決は近日中に下される見込み。


  なんでもかんでもミンエーカを叫んでいるバカが巷にいるようですが、民営化というのは、基本的に「営利企業化」であり、「利益にならないところには力を入れない」ということを意味しています。これを、警察のような公営事業をミンエーカに当てはめると、サービス契約を結んだところにしか警察が飛んでいかないというのが最も効率の良いやり方だということになりかねません。
  しかし、さすがはチュウゴクです。サービス契約を結んでも、駆けつけません。契約料をコスト0元で丸取りできるわけです。中国に進出している企業にとっての最大の魅力は、公的機関からして狂っているので、多少おかしな真似をしても目立たないということに尽きるのではないでしょうか。
  
  あの、そこで「これだからチュウゴクはだめだ。日本なら・・・」とか思っちゃってるあなた。

  さっきも言いましたが、民間企業が事業を行うというのは、いかに利益を上げるかが全てなんです。チュウゴクだからミンエーカで、真面目で勤勉な日本なら正しい民営化ができるとか、そういう問題ではありません。
  たとえば、マンションやビルを建てる時には、「建築確認」「完了検査」というのが必要です。これは、建築基準法という法律で決まっていて、建ぺい率やら構造計算やら用途制限やら日影規制やら、、そういった諸々の規制をクリアできているかどうかをチェックする仕組みです。
  そうやって建築物の安全を守っているわけですが、検査に金や時間がかかるために、利益を上げたい企業にとっては非常に厄介なわけです。特に、地震国であるという日本の事情なんてどうでもいいから、自国の建材の輸出を増やしたいと思っているどこかの国にとっては邪魔でしょうがありません。
  そこで、●どっかの国の圧力がかかったかどうかは分かりませんが、1998年に建築基準法が改正されました。これによって、建築主事という公務員ではなく、民間の「指定確認検査機関」でも検査が出来るようになったのです。
  「民間の」検査機関ですから、当然仕事を増やして利益を上げたいわけです。そうなると、審査を甘くすることで売り上げを伸ばそうとする奴が出てくるのは当然です。そういう状況で発生したのが、一連の「耐震偽装」事件です。
  最近話題になった「事故米」もそうです。●「或る浪人の手記」様の記事をご覧頂くとよくご理解いただけると思いますが、2004年にあった食糧法の改正で、業者が登録制から届け出制になりました(年間20トンまではその届け出すら不要)。そうやって参入してきた有象無象の業者の中に、三笠フーズやノノガキ穀販がいたというわけです。
  上記二つの例は、いずれも規制を取り払うことによって業界自体にモラルハザードが起こったという点が共通しています。その割に、一般の消費者には目立ったメリットが生じていません(それどころか、危険な家に住まわされ、変な米を食わされている)。キセーカンワが国民を豊かにするというのは嘘っぱちだということがよく分かる事例です。
  言っておきますが、規制を取っ払って、業者のモラルや、市場による淘汰を期待しても無駄です。民間企業にとっては利益の極大化が存在意義なわけですし、淘汰される前に被害が出てしまうのは防げません。死んでしまった人は生き返りませんし、失明したり、半身が麻痺したりしたら取り返しが付きません。我々はイワシやサンマの群れではないのですから、被害が出てから初めてアクションを起こしているようでは、社会不安が増大するだけです。
  不真面目なのは一部の業者だけで、ほとんどの業者は真面目に仕事をしている!!などという反論も意味がありません。規制というのは、その「一部の業者」を暴れさせないためのものだからです。●先日の記事の「ゲートウェイ21」という留学斡旋会社もそうですが、新発の業者や、シェアが低い業者は、まっとうなやり方ではシェアを伸ばしていくことが出来ないので、倫理観の欠如した行動を取ることが多いのです。昨今のキセーカンワというのは、それを助長しているだけの結果に終わっています。
  それに、社会を効率化し、みんなを豊かにするためだ!というのなら、試験場での取得が不可能に近い「運転免許」や、3年もしくは5年ごとに安全協会とかいう得体の知れない組織に金を払わなくては行けない「運転免許の更新」や、世界一優秀なクルマに乗っている国民が、2年ごとにバカ高い法定費用を払わされる「車検制度」をなぜ放置しているのでしょうか?
  しかし、それもこれも、国民の生活を切り売りして、特定の外国や特定の業者だけを儲けさせているのがミンエーカやキセーカンワの本質だとすれば、十分に納得がいくと言うべきでしょう。カイカク派は、自分たちの逮捕につながりかねない警察利権だけは見逃しているということです。

  110番が有料化され、防犯契約をしていない家には警官が駆けつけてこない国になる前に、声を上げていかなければいけません。公務員叩きによって、ミンエーカを助長するなど言語道断です。

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EDIT  |  01:29 |  中国・朝鮮  | TB(1)  | CM(1) | Top↑
2008.10.09(Thu)

【もしかして】 京都の方にストーキングされて困っています 【○原クン?】 

  ここ何日か、●某民主党の議員さんを「トロイの木馬」に喩えた記事に、以下のような意味不明のコメントが、ここのところ立て続けに書き込まれています。


完欠しえず、定式規制測値知を常認式各核対抗論の国債否可する実際体制を人工的過剰意識主権国民益使途域ならずにも、国益が含みつ仮想定式不順位格僚思惑が人工的対策の秘訣主義国民間益した上途益の秘下主権主義論は国会以降次元的異質収益の含みを持って下院参画主権実理定式を秘下却下停止の措置下を供して参院主権主議論国益考えて下降国債施して行かずには責務国益の対策政治以降は共同下の主権国民が収容実際納所在共同行為識字率実際失いかねないので実際以降主権収入以降実際主権公式秘訣黙示録登記籍入所移項次識字偏見主観実際を供して共同的人工論近似値価格主権主導国民下の登記実際質を上げ偏識論を問わずにはおれず偏見主権指導論差を格僚共同自然回避せず自然登記載次項対比論仮想構想構築再度負担額次公債的実際拒否しえず次元下の下降迷走して次条約の否可決国会論題を含む国債の公式対所在位置の不確立定議仮想見送っていようか。
               名前未入力 | 2008年10月09日(木) 18:35 | URL | コメント編集


  面白いことに、これらのコメントのIPアドレスを調べてみると、全部 kyoto という文字列が入っているじゃあありませんか(笑)。

  もしかして、衆院京都2区から選出されている某国会議員の誰かさんや、その支持者の方が書き込まれているのでしょうか?(爆)IPが弾かれたのに気づくと、ご丁寧にプロバイダを変えたり、京都市立図書館のプロクシーサーバーを経由したり、なかなか芸が細かい方です。
  私の書いている記事の内容が不当だというのなら、きちんとコメント欄で反論すればいいのではないかと思うのですが、そういうことが出来ない事情でもあるんでしょうか。
  でも、これで私がこの記事をコメント禁止にしたり、削除したりすることになったら、立派な言論弾圧ですよね。京大法学部の高坂ゼミや、松下政経塾では、「私は君の言うことには反対だ。しかし、君がそれを言う権利は死んでも守る。」 という、フランスの啓蒙思想家ヴォルテールの言葉を教えていないのでしょうか?(笑)
  
  というわけで、こちらも気づき次第削除、もしくはアクセス禁止などの措置を講じますが、読者の方にはしばらくご不便をおかけすると思います。なにとぞご容赦下さい。

  ・・・というか、何で私が謝らないといけないんでしょうか?

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EDIT  |  23:28 |  前原誠司さん  | TB(2)  | CM(8) | Top↑
2008.10.07(Tue)

留学すれば、「自分」になれるのか(前) 

  ※タイトルはあれですが、一応経済の記事です。

  面白いニュース記事が見つかったので、紹介しておきます。


ゲートウェイ21破綻:債権者説明会 「詐欺だ」800人怒り 預かり金流用、常態化
http://mainichi.jp/select/biz/news/20081006ddm041020082000c.html

破産申し立て中の留学支援会社大手「ゲートウェイ21」(東京都新宿区)の債権者説明会が5日、東京都内であり、福井伴昌社長は「本当にすみませんでした」と土下座して謝罪した。経営破綻(はたん)後、社長が公の場で発言するのは初めて。社長は「集めた資金をそのまま海外送金すればよかったが、会社が存続できない状態となり手をつけた」と資金流用を認めた。約800人の被害者は「詐欺だ」と厳しく批判した。

 同社は、留学予定者から預かった資金を、専属契約する海外の現地法人を介して、留学先やホームステイ先に支払う。このシステム通りに送金されれば留学に支障はないが、実際には払われていないケースが相次いでいた。

 会場から「預かり金に手をつけたのか」と追及されると、福井社長は「その通り。そうせざるを得なかった」と認めた。使途は先行してあっせんした他の留学生の費用だけでなく、会社の事務所の家賃や人件費にも及んでいた。さらに「『送金が集中する3、4、8、9月を乗り切れば』と思っていた。昨年もそれで乗り切った」と流用が常態化していたことも認めた。

 説明会に同席した野間啓弁護士は「昨年6月ごろから資金繰りが厳しくなっていた」と説明した。

 一方で個人的な蓄財など私的流用は否定。「私財を4000万円(会社に)入れた。個人財産は残っていない」と強調した。野間弁護士が「返金は難しい」と話すと、ため息に包まれた。男性が「あなた(社長)を刑事告訴します」と発言すると、一斉に拍手が起こった。

 訪れた被害者が会場(定員約200人)に入りきれず、外の歩道に50メートル以上の列を作った。参加者を入れ替え説明会を2度を開いたが、流用した原因は「全国展開に伴って経費が増え、売り上げが落ちたため」とだけ説明した。

 イタリアで料理人の修業をするため、肉体労働のアルバイトでためた約80万円を支払った埼玉県北川辺町の男性(30)は「答えられなくなると『すみません』で済ます。具体的なことは聞けなかった」とあきれ顔だった。


  どうやら、留学斡旋を生業にしている業者が破綻して、隠れていた経営の実態が明るみに出たという話のようです。
  ちなみに、この「ゲートウェイ21」という会社は、先月の30日に東京地裁に破産申し立てを行っており、負債総額は13億円でした。近頃相次いでいる不動産大手の倒産に比べると規模が小さいものの、業界では最大手だっただけに、影響は決して小さくはありません。

>「集めた資金をそのまま海外送金すればよかったが、会社が存続できない状態となり手をつけた」

  簡単に言えば、留学を希望する人からカネを預かり、そのカネを外国に送るまでのタイムラグを利用して、「資金繰り」をしていたということです。
  会社の会計というのは、飛行機のブラックボックスみたいもので、決算に至るまで、実際はお金がどういう風に使われているか分かりません。「帳尻合わせ」とはよく言ったもので、一件うまく行っているはずの会社が、蓋を開けると火の車だったということがよくあります。
  この会社だけではなく、およそ会社というのは徹頭徹尾バーチャル(仮想現実)の存在であり、資本金がいくらあろうと、本当にお金を持っているわけではありません。バランスシートや決算書が綺麗にまとまっていても、それが張りぼてだったということはいくらでもあります。そこには当然詐欺の危険がつきまとうわけですが、それを言ったら世の中が回っていかないというのが、今の我々が生きる社会だということです。

>流用した原因は「全国展開に伴って経費が増え、売り上げが落ちたため」とだけ説明した

  この部分は、よくある話だと済ませずに、もう少し考えてみましょう。ゲートウェイ社の破産が報じられた記事から一部引用します。


留学仲介「ゲートウェイ21」破綻、負債総額12~13億円
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080929-OYT1T00467.htm

 ・・・民間の信用調査会社によると、同社は1997年設立。東京・銀座のほか、大阪、名古屋、福岡、札幌などの主要都市に支社を置いている。豪州や北米地域の大学や語学学校への留学仲介で業績を伸ばし、年間7000~8000人の実績があった。2006年6月期は約26億円の売り上げがあったが、昨年ごろから業績は伸び悩んだという。


  まだ設立して10年強の若い会社だったようです。その設立した年が消費税の税率アップで経済成長率がマイナスに転じた年だったというのも、何か因縁めいている気がします。
  実は、この年を最後に、アメリカに語学留学する外国人の中で、日本人が1位ではなくなっています(●こちらのリンクを参照。ちなみに1位はインドで、以下中国、韓国、日本となっている)。日本の家計に余裕が無くなり、語学留学をする学生が減ったということがよく分かります。  
  しかし、そんな状況でも、ゲートウェイ社が大きく実績を伸ばすことが出来たわけです。なぜなのだろうかと考えると、それは「不況」だからです。

  何を言っているんだ、少し前に家計に余裕が無くなって大学生が減った、と書いておいて、今度は不況だから留学斡旋が増えただって?完全に矛盾しているじゃないか!

  そう思っていらっしゃる皆さん、私の書いたことは逆説的なようですが、間違ってはいません。

  まず、ゲートウェイ21というのは、非常に格安の留学斡旋を行っていた会社です。不況になると、消費者は価格を第一にした選択をするものです。そういうときに、既存の業者は今までの慣習に従うことを第一に考えて対応が遅れるのですが、新発の業者は顧客のニーズに過激なほど忠実に従うことで業績を伸ばそうとします。
  ●こちらのリンク(グーグルのキャッシュ)をご覧頂くと、ゲートウェイ社は、とにかく手数料を抑えるために「企業努力」していたことがよく分かります。


>この度、留学会社ゲートウェイ21ではこの夏だけの限定で、語学学校のへの
>留学手続きに関する手数料を「無料」で手配させていただく
>「留学手数料完全¥0無料」キャンペーンを実施いたします。
>各語学学校がホームページやパンフレット等で提示する授業料、宿泊費を
>日本円に換算した料金そのままで
皆様にご提供させて頂きます。


>最大“8っ”の無料特典付!

>留学相談、来社及び電話による留学カウンセリング
>語学学校、語学留学費用の見積り依頼
>語学学校入学手続費用
>各種航空券手配
>海外旅行傷害保険手配
>語学学校への授業料送金手数料
>現地語学学校関係者による到着時空港ピックアップ
>現地語学学校関係者による生活サポート


  留学相談や費用の見積もりが無料なのはどこでも同じだと思うのですが、入学手続きや各種の手配(旅行会社でも数千円取る)は結構なサービスです。授業料の送金手数料に至っては、完全な持ち出しです。
  しかも、その料金で謳っているサービスがものすごいのです。これも●グーグルのキャッシュから引用します。

>自社完全サポートコース【ゲートウェイ21オリジナル】

>渡航前から渡航後まで海外留学、海外生活に精通した留学のプロが
完全サポートいたします。語学学校や自社契約ホームステイの手配など、渡航先で携わる
>サポートや手配を現地ステーションが全てベースで対応します。
>専用車でお一人様からの空港送迎、24時間緊急サポートなど、
>現地在住歴の長い日本人スタッフが対応します。
>また世界132拠点で展開する個人向けの海外危機管理サービスの日本総代理店にして、
>留学生皆様に海外危機管理サービスの案内も行なっております。万人に対して
>安心安全に渡航が出来る海外留学スタイルですが、初めての留学の方、
>今度こそ海外留学を失敗したくない!という方に特にお勧めです。


  料金をガンガン割引しているのに、こんなサービスできるのか?とお思いの人もいらっしゃるでしょう。全くその通りで、多くの現地業者が、ゲートウェイ社の費用の立て替えで経営難に陥っているという声も聞こえてきています。ただでさえ留学生が減っている現状で、大きな紹介先だったゲートウェイ社の要求を呑まざるを得なかったところも多いのでしょう。
  私のいる塾業界でも、夏期講習を無料にして客を呼び込む塾があったりします。中身に自信がないというのもあるのでしょうが、北海道の塾業界ではこれが大きな問題になっていたりします(●こちらのブログを参照)。激安だとか、無料サービスだとかいったものは、消費者からすればありがたいことですが、同業他社にはたまったものではありません。他の留学斡旋会社の苦虫をかみつぶした表情が想像できます。
  こういうことをやっているゲートウェイ社ですから、売り上げを上げるために全国展開せざるを得なかったのでしょう。薄利多売なら、パイを大きくすることでしか借入金の返済ができないからです。
  しかし、果たせるかな、ゲートウェイ社が「前方への逃走」を加速化させた2000年代初頭というのは、ちょうど小泉カイカク真っ盛りの時期であり、この時期はそのまま地方の需要が減少していく時期でもありました。極論を言ってしまえば、21世紀に入ってからの日本で、活発なお金のフロー(流動)が生じているのは、日本では東京とその周辺だけなのです。そして、その状況は今も変わっていません。ますます加速している感すらあります。
  このような、国全体という観点で見たマクロの経済循環というのは、個々の経済主体(個人や企業)の努力では変えようがありません。せいぜい出来ることと言えば、倹約やリストラくらいです。
  そういう状況で他人より一歩ぬきんでるには、「あり得ないサービス」を提供するしかありません。「あり得ない」というのは、多くの場合、

▲従業員等の無賃労働
▲常軌を逸した経費節減
▲下請けや取引先に対する異常な要求
▲出来もしないことを出来ると言って責任を取らない


  といった要素に支えられています。「無賃労働」や「取引先への異常な要求」という点では、●小売り大手の「ドンキホーテ」●家電販売の「ヤマダ電機」が「話題」になりました。「常軌を逸した経費節減」の極致が派遣社員の多用という形で多くの企業が取り入れている要素です。今回のゲートウェイ社の場合は「出来もしないことを出来ると言って責任を取らない」ケースの典型といえるでしょう。
  そういう詐欺的な営業活動をしているのはなぜかというと、そうでもしないと生き残れないからです。遵法意識は必要だと思いますが、それだけではやっていけないというのも事実でしょう。やたらと株式配当をよこせとうるさい外資の株主が増えている昨今では、とにかく利益を出すことが善であるという錯覚すら生じていると言えます。
  それもこれも、全てマクロのレベルで経済がおかしくなっているからであり、これを是正するのが本来の政府の役割のはずです。ゲートウェイ社が設立された1997年以降の日本の政府がやってきたことといえば、

▲年金や健康保険の個人負担増
▲低減税率の廃止
▲医療費の抑制
▲公共事業の大幅な削減


  といった感じで、デフレをさらに悪化させる施策ばかりです。おかげさまで、1997年から2006年まで、日本人の平均給与は10年連続で減少しました。2007年に少し上向いたものの、2500万人以上の給与所得者が400万円以下に分布しており、200万円以下の層は2年連続で1000万人を超えました。上下が開いただけで、全く改善などしていません。
  そうかと思えば、その10年で利益を2倍にしている日本企業に対しては法人税を減税しています。そこで上がった利益が、外国の金融資本に配当や利息という形で吸い上げられています。アホとかバカというより、売国という方が適当かも知れません。

  そういう意味では、ゲートウェイ21というのも、日本国の支配層のマクロ経済政策の犠牲者ということができるかもしれません。地政学でよく言われる「戦略の失敗を戦術でカバーすることはできない」という言葉と同じように、「マクロ経済の失敗は、ミクロな努力ではカバーすることができない」ということです。
  そういうことを理解せずに、個々人が努力すれば経済は活性化すると主張するのは、もはや犯罪的といえるほど罪深い行為だと思っています。

  さて、私が今回ゲートウェイ社破綻の記事を取り上げたのは、経済の話というだけではなく、もっと大きな理由があります。

  それは、実は私も留学を志望していたことがあるからです。いろいろあって未遂に終わりましたが、外国の大学に留学する算段がつくところまでは行きました。そういうわけで、今回の事件については他人事と思えないことがいくつかあります。
  次回は、おおよそ経済の記事とは思えない妙なタイトルの解題をしてみたいと思っています。お楽しみに。

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EDIT  |  21:40 |  経済とグローバリゼーション  | TB(0)  | CM(3) | Top↑
2008.10.05(Sun)

地方を過激な競争から救え! 

  ●移民を1000万人導入するなどという狂った政策を掲げている政党がいますが、その地ならしはすでに終わっているのかもしれません。以下の記事をご覧下さい。

[経済] 順調に発展する吉林省の対日出稼ぎ
http://www.searchnavi.com/~hp/chosenzoku/news6/081002.htm
--------以下引用--------
産業研修生の形式を通じた対日労働者派遣は、我が省の対日出稼ぎの主要形式だ。 1992年、国家で中日研修生協力機構を設立した後、我が省から日本への出稼ぎは、韓国への出稼ぎとは異なり、大きな変動もなく順調な発展をして来た。調べによれば、我が省の労働者派遣機関から派遣した産業研修生たちは、大部分、延辺地域を除く漢族であり、人々は日本で農業、 建築、電気、木材加工、水産物加工、溶接、製造、塗装・板金など多様な業種で働いているという。

先日、第4回東北アジア博覧会の日程で 《中日人材交流フォーラム》の車で長春を訪問した長野県川上村の藤原忠彦村長は、吉林省から派遣した農業研修生たちの仕事ぶりを高く評価した。 彼の紹介によれば、 2004年から現在まで、川上村では延べ 600名以上の中国産業研修生を受け入れたが、そのうち吉林省から行った研修生は 400人余りに及ぶという。 日本でサンチュの生産量が 1位を占めるこの村では、輸出するまでに吉林省から行った農業研修生たちが大きな役割を担っている。 去年は吉林農業科学技術学院から行った 26人の卒業生たちが熱心に働いて、他の研修生たちの模範となってくれた。 阿蘇農業協同組合の丸山信義会長も 《吉林省から来た農業研修生たちは、農業生産に熱心に取り組むだけでなく、日本の文化や生活も熱心に体験している》とし 《研修生を受け入れた農家で、経営規模が今日まで拡大するには彼らの功労が非常に大きかった。彼らがいなければ、場合によっては現在やっている作業すらも難しくなる状況》と紹介した。 北海道のある農村では、人力不足により、およそ 600戸余りの農家で中国農業研修生を雇っているのが実情だ。

我が省の対日労働者派遣機関では、日本研修生の事業を着実にこなして行くために人員選抜から技術教育、現地教育訓練、そして日本に管理事務所を設立するなどさまざまな方式で産業研修生たちに対する管理と彼らの問題を解決することで、日本の合作パートナーたちとたゆまぬ信頼関係を築いて来た。 吉林省外事サービスセンターでは、省内各県市の地方政府、企業と連携して 2003年から今までに 3000名以上に及ぶ多くの業種の研修生を選抜し、教育訓練を経て日本に派遣したが、当地の受入先の普遍的な好評を受けただけでなく、彼らは帰国した後に生産の第一線で模範と技量を見せている。 吉林省天池経済技術合作公司は、日本に技術と技能の人材、そしてソフトウェア開発の人材を派遣する会社だ。 この会社では、日本に出る研修生たちの日本語能力を向上させるため、毎年日本円で 500万円から 600万円にのぼる投資を奨励する形式にしており、この会社から派遣した研修生たちが当地の国際日本語能力試験に参加して合格する比率は最高という。

日本から勤務期限が満了して帰って来た吉林省の産業研修生たちは、帰国の後にも日本から学んで来た技術と日本語を武器に、日本とのつながりを切ることなく、国内の中日合資企業や日本の独資企業で技量を見せながら、熱心に活動する姿を見せている。例えば、九州のトヨタ自動車で働いた吉林省産業研修生のうち、およそ 35名も、帰国した後、広州トヨタ自動車に入ったが、彼らのうちの大部分は既に広州で家を買って定着しており、一部の人々は現場責任者、部署管理者として成長している。
--------引用以上--------

>産業研修生の形式を通じた対日労働者派遣は、我が省の対日出稼ぎの主要形式だ。

  研修生などと言うのは嘘っぱちで、実態は実質は出稼ぎ労働者だということです。日本政府や財界がごまかしているのに比べると、中国の人たちはオープンですね(笑)。

>吉林省の産業研修生たちは、帰国の後にも日本から学んで来た技術と日本語を武器に、
>日本とのつながりを切ることなく、国内の中日合資企業や日本の独資企業で技量を
>見せながら、熱心に活動する姿を見せている。


  こうやって、外国に日本の生産力や雇用が流出していくわけです。日本側は友好親善だとか、向こうのご機嫌取りのためにやっているのでしょうが、中国側はそれを足がかりにして日本に売り込みをかけてくるわけです。
  そうでもなければ、向こうが金をかけて日本語能力など身につけさせるわけがありません。

>九州のトヨタ自動車で働いた吉林省産業研修生のうち、およそ 35名も、帰国した後、
>広州トヨタ自動車に入ったが、彼らのうちの大部分は既に広州で家を買って定着しており、
>一部の人々は現場責任者、部署管理者として成長している。


  さすが、世界に冠たる純利益2兆円企業です。●北米の販売が鈍っただけでいきなり20%もの期間従業員をクビにしたり、少しでも人件費の安い国にビジネスの拠点を躊躇無く移せるような決断力こそが、世界のTOYOTAを支えているんですね。
  日本の産業政策に後押しされて世界有数の自動車会社になったと思ったら、あっけなく日本人を切り捨てて中国へ向かう。恩を仇で返すとはこのことです。

  もっとも、いままで指摘したのよりも、はるかに大きな問題点があります。それは、ここです。

> 北海道のある農村では、人力不足により、およそ 600戸余りの農家で
>中国農業研修生を雇っているのが実情だ。


  要するに、生産力を維持するための働き手がいないのです。
  「北海道のある農村」という記述からして、金融機関や企業が集中している札幌のような場所からは離れている地域なのでしょう。こういう地域でも、クルマに乗るためのガソリンや、暖房のための灯油や、野菜や米(北海道の旭川以北・以東は稲作ができない)を買うためにはお金が必要です。
  要するに、現代の生活は、たとえ農業をやることが簡単な地域であっても、貨幣収入がなければ成り立たないようになってしまっています。そのためには、自分たちが生きるために必要なものを作るだけでなく、外の社会に売れるようなものを作ってお金を稼がなくてはいけません。引用記事に、

>経営規模が今日まで拡大するには

  と、書いてあることからもうかがえるように、農業も、工業製品と同じように、できるだけたくさん作ってたくさん売らなくてはいけないわけです。

  しかし、農産物というのは「もの」であり、複雑な生産過程を経ずに生産が可能な産品です。単純な品物だということは、それだけ容易に競争に晒されるということです。極端な話、同じような野菜が作れれば、中国から入ってこようがスリランカから入ってこようが、どうでもいいわけです。
  市場に地域的・文化的な偏りが少なく、どの参加者も対等に勝負できることを「完全競争」などと言ったりしますが、農業の世界はまさにその完全競争に晒されているということです。もし、何の保護も規制もなければ、外国産の安い品物に対抗するためには、「外国産」の労働力を導入せざるを得ないのは当然なのです。
  さらに、引用記事によると、中国人の研修生長野県の村でサンチュ(包み菜ともいう。レタスの仲間)の作り方を覚えて、現地に帰っていくというのですから、栽培技術をただでくれてやっているようなものです。
  こういう状況で、「農家を保護するな!」などと喚いている連中は、地方の農家が放り込まれている競争の厳しさを知らないのでしょう。「研究職」「出版」「情報産業」「マスコミ」「大企業の本社業務」といった、(外国から見て)参入障壁の高い業種は、都会に偏在しています。そういう人びとや、彼らがベッドタウンで作り出す需要の恩恵にあずかっていると、現実はなかなか見えてきません。

  なに?今のビジネスマンはグローバルな競争に晒されていて、農家よりずっと大変だって?

  だったら、明日の朝、東京駅の丸の内口に行って、JRの改札から出てくる外国人がどれくらいいるか数えてみてください。外国人のビジネスマンなど、数えるほどしかいません。国際的に有名な日本企業の本社従業員が、全て外国人と競争しているわけではないのです。

  外国人を入れてもいいじゃないか、日本人よりずっと真面目に働くし・・・などと言っている人も、外国人労働者を受け入れるリスクというのを分かっていません。犯罪が増えて、というのも問題ですが、人道的な見地からも問題が大きいのです。
  最近でも、こういうことが起こっています。

劣悪な労働環境に悲鳴続出! 外国人研修生の「現代版女工哀史」
http://diamond.jp/series/analysis/10033/
--------以下引用--------
「腕をつかまれたまま引きずられました。今でも痛くてしかたありません」

 声を震わせながら段艶紅さん(31歳)は右腕を見せた。上腕部の内側は内出血で青く腫れ、引っ掻いたような傷跡が生々しく残っている。

「こんな暴力は絶対に許せません」

 段さんは、しゃくりあげながら何度も右腕をさすった。

 胡菊花さん(35)は、両膝に打撲を負った。「怖かった」と繰り返しながら、強張った表情を崩さない。

 そしてもうひとり、張愛霞さん(37)にいたっては、右足首を骨折した。

「なぜ、こんな目に遭わなければいけないのか」

 3人の女性は、ともに中国湖北省の出身。山梨県昭和町のクリーニング工場「テクノクリーン」(資本金3000万円・従業員45人)で働く技能実習生である。

 “事件”が起きたのは、去る8月22日の早朝のことだった。

 会社の寮で就寝中だった彼女たちの部屋に、突然、同社の内田正文社長をはじめとする社員ら10数人が押しかけ、殴る蹴るの暴行を働いたのである。

基本給わずか5万円で15時間労働!
「偽装研修」の呆れ果てた実態
 いったい、なぜ、このような事件が起きたのか──。
               
 彼女たちは、わが国の「外国人研修・技能実習制度」に応募し、2005年12月に研修生として来日した。3人の目的は「日本で最先端の縫製技術を学ぶこと」だった。

 配属された「テクノクリーン」は、同制度の対象職種である「婦人子供服製造」の会社として、監督機関であるJITCO(国際研修協力機構)に中国人研修生の受け入れを申請。彼女たちを“縫製要員”として受け入れていた。

 ところが実際には、彼女らに与えられた仕事は作業服や作業靴の洗浄などのクリーニング業務ばかり。縫製作業などは一切なかった。

「そもそも会社にはミシンなど1台もありませんでした。たまにJITCOの担当者が巡回調査に訪れましたが、そのときだけよそからミシンを借りてきて、急ごしらえの“縫製室”が作られました」(段さん)

 まさに“偽装研修”だった疑いが強いのである。

 しかし問題はそればかりではなかった。彼女たちは、信じられないような低賃金労働を強いられたのである。

 研修生としての1年間、基本給はわずか5万円で、研修生に対して法律で禁じられている残業も押し付けられた。残業代は時給にして「わずか300円」だ。

 しかも勤務形態は、午前8時半から夜10時までの超長時間労働。深夜0時まで働かされることもあった。そのうえ「土日出勤は当たり前」という状況だった。月に1日程度の休日しかもらえないこともあった。土曜日には、残業代の代わりに米と生活用品が支給されたという。

 来日2年目からは労働法が適用される実習生に“昇格”したが、待遇はほとんど変わらず。残業代の時給が、わずかに50円から100円に増えただけだった。(中略)

 こうした外国人研修生・技能実習生をめぐるトラブルは、なにも「テクノクリーン事件」ばかりではない。実は、各地で続発しているのが現状なのだ。

 最近も、奈良県山添村にある住宅機器製造会社で働く中国人実習生5人が、「人権侵害を受けた」として、勤務先企業における外国人研修生の受け入れ停止処分を大阪入国管理局に求めた(9月11日)。

 実習生によると、水道もない老朽化した寮での生活を強いられ、なんと飲料水として屋根にたまった雨水を飲まされていたという。しかも賃金は、県の定める最低賃金を下回っていた。

 また熊本県では、劣悪な条件で働かされたとして、中国人実習生4人が天草市の縫製会社などを相手取り、約3580万円にも上る未払い賃金の支払い訴訟を起こしている。

 ほかにも、研修生・実習生が各地の労働基準監督署に低賃金への不満を訴えて駆け込むケースは、増える一方だ。東海地方のある労働基準監督官によると、「研修生の相談が増えすぎて対応に手が回らない」という。

 相談例の多くは賃金に関するもの。特に残業代の時給が300円程度というケースがほとんどで、「法定最低賃金を遵守している受け入れ企業など、ごく一部ではないのか」とこの監督官は憤る。

 さらに「脱走防止」を目的としたパスポートや預金通帳の取り上げ、パワハラ、セクハラ、暴力を伴った強制帰国の強要など、悪質な事例が目立つのも研修生問題の特徴だ。(中略)

 そもそも「外国人研修・技能実習制度」は、外国の労働者を日本に受け入れ、途上国の人材育成に貢献することを目的として、1990年に創設された。最初の1年間は研修生として学び、その後企業と最長2年間の雇用計画を結んで労働者として実習する制度である。

 現在、日本に滞在している外国人研修生・実習生は、中国人やベトナム人を中心に約18万人。その多くが縫製、建設、水産加工、農業などに従事している。

 しかし“建て前”通りの「人材育成」を目的に、「研修」「実習」が行なわれているケースはまれだ。研修生・実習生を雇用中のある縫製業者は言う。

「斡旋業者から『安い労働力が欲しくないか』と持ちかけられて、研修生を受け入れた。外国人を『育成』するだけの余裕など、零細業者にあるわけがない。ただ働き手が欲しいだけです」

 実際、外国人研修生を斡旋する各地の受け入れ業者やブローカーは、「人件費削減の切り札」「人材不足の解消」といったセールストークを掲げて企業回りをしているのが実情なのである。インターネット上で「安くて優秀な労働力を活用しませんか?」などと呼びかけているところも少なくない。

 筆者が知っているある受け入れ業者は、「時給300円で深夜まで働きます」などと、研修生受け入れの“メリット”を説いて売り込みをしていた。制度創設の目的とされた人材育成、国際貢献といった言葉など、どこにもないのだ。その実態は、中小企業が低賃金の単純労働者を調達するための手段でしかない。これではトラブルが続発するのも当然だろう。

 さらに、研修生を送り出す側の国でも、現地ブローカーが農村部をまわり、「日本で稼がないか」などと甘言を弄して、研修生確保のリクルート活動をしている。その際、手数料として100万円近くの金を徴収するケースも少なくないというから、驚きだ。(中略)

「ずっと日本に憧れていた。その憧れの国で、こんな仕打ちを受けるとは思わなかった・・・」

 腕に怪我を負った前出の段さんは、後悔の念を口にする。

 わが国は、いったいいつまで「女工哀史」を続けるのだろうか。
--------引用以上--------

>わが国は、いったいいつまで「女工哀史」を続けるのだろうか。

  こんなフレーズで禊ぎを済ませたつもりになっているアホな週刊誌はさておき、外国人労働者をたくさん導入したら、こういう問題がそれこそそこいらじゅうで起こることは想像に難くありません。
  こういうことを言うと、いわゆる「左寄り」「サヨク」「ジンケン派」な人たちは、「日本は外国人を差別している!もっと同じ人間として扱え!」などと叫ぶわけですが、的外れもいいところです。企業が外国人を導入する狙いは、文句を言わずに低賃金で働く奴隷がほしいからです。それ以上でもそれ以下でもありません。日本人が同じ条件で働かざるを得ない状況になれば、同じように、日本人が奴隷になるだけです。
  しかし、それにしても、上に出てきている企業は、みんな地方の企業で、東京の企業など一つもありません。これが、今の地方の現実です。製造業も、完全競争に近い競争に晒されているのです。

  そうだとすれば、地方に在住する、完全競争やそれに近い産業の労働者をいかに食わせていくか、そこを考えなくてはいけません。

  まず導入すべきなのが、「農家への個別所得補償」です。
  要するに、売れる売れないにかかわらず、農家に一定の所得をやってしまおうということです。バカなカイカク真理教信者が湧いてこないように、成功例を挙げておきます。

スイス農業のいま【1】直接所得補償--条件不利ほど手厚く
http://www.nca.or.jp/shinbun/20051007/nousei051007_14rensai.html
--------以下引用--------
どれだけ山道を上っていっても、一面に手入れの行き届いた牧草地が広がる。人が転げ落ちそうな急傾斜地にさえ、牛やヤギがゆったりと牧草を食む姿がある。山肌に農地が張り付くように展開する、これがスイス農業の特徴だ。

 「政府の農業政策に満足しています」。スイス南部のレンク市で酪農を営むウェルナー・クーネンさん(64)は満足げにこう語る。クーネン牧場は標高1,500メートルの山岳部で、生乳出荷を主体とした酪農を営んでいる。夏場は17ヘクタールの牧草地に搾乳牛12頭を放牧し、年間5万キロリットル弱の生乳を絞る。飼育頭数が少ないのは、国の政策で面積に応じた割り当てが決められているためだ。

 12頭という牛の数を聞くと、これで専業経営が成り立つものかと首をかしげる人も多いのではないだろうか。もちろん、生乳出荷だけの収支はほぼプラスマイナスゼロ。クーネンさんの農業経営は政府からの助成金に支えられている。その中心となるのがスイス農業政策の屋台骨とも言える直接所得補償制度だ。

 スイス政府による直接支払いの歴史は、すでに50年以上の実績を誇る。現在実施されているのは3つの支払いタイプに分けられる。基本は面積に応じて支払われる一般型で、作目ごとの規模要件さえ満たせば、すべての農家に支給される。1ヘクタール当たりの単価が決まっており、120ヘクタールまでが対象となる。

 これに加え、中山間地などの条件不利地域と、動物や環境に配慮した農法に対しては金額が加算される。支払額の算定に当たっては、標高や飼育頭数、生物多様性への配慮などに応じ、細かい計算式が定められている。山のほぼ頂上部で少頭数経営を採用するクーネンさんのような農場では、一般型+条件不利地域加算+環境配慮加算のすべての直接支払いが受けられることになる。

 これらすべてを合わせ、クーネンさんが年間に受け取る金額は6万フラン(約530万円)にものぼる。スイス農業局の調査によると、スイス国内の農家が年間に受け取る直接支払いの平均額は、平地部で約380万円、山間部では約550万円。スイス国民の1人当たり所得が約410万円であることを考えると、スイスの農業者がどれだけ多くの所得補償を国から受けているかが分かる。

 年金が始まる65歳には支給が停止されるため、64歳のクーネンさんも来年からは経営を息子に譲る予定だ。こうしてスイスの農業経営は親から子へと引き継がれていく。
--------引用以上--------

  このような制度が、中山間地域の多い日本でも、十分応用が可能であるということは、すぐにご理解いただけるはずです。
  山間部で農業に従事する人間がいるということは、過疎化を防ぎ、山林の環境を適切に保つことにも役に立ちます。環境保全という観点から言えば、林業でも個別所得補償制度を導入すればいいでしょう。
  もちろん、漁業にも応用できます。●以前このブログでも取り上げた「海洋牧場」を公共事業としてやればいいのです。もちろん、養殖や栽培漁業でも構いません。漁業資源が減ってきているので、漁村の雇用確保に役に立つでしょう。

  これを製造業向けにやるとすると、「最低賃金の引き上げ」などという手が使えます。
  私なら、最低賃金に業種ごとに差を付けます。具体的に言うと、人手が足りない労働集約型産業(たとえば、建設業)の最低賃金だけを高くするということです。
  そして、それに合わせて、住宅ローンに大幅な減税措置を講じるのです。今現在は150万円ほどの税額控除しかありませんが、これを500万円くらいまで拡大し、買い換えた場合の損金の繰り延べも大幅に認めます。地元の木材を使えば控除額を1,5倍にするなどとすれば、林業の需要も増えます。これによって、住宅需要が増えます。ここに、従来型の公共事業(道路維持など)を加えれば、十分に雇用が確保できるでしょう。
  こうすれば、都会のサービス業や日雇い派遣に労働力が流れずに済みます。建設業で成功したら、業種を拡大すればいいのです。その頃には、基本になる需要は十分に拡大しているので、あまり大きな手術は必要なくなっているはずです。
  こういうところにお金を使っても、少しも無駄遣いにはなりません。なぜなら、農林水産業や建設業に従事している層は、消費性向が高いので、所得補償として払ったお金も、すぐに企業の売り上げや税金という形で回収できるからです。
  1億円をただ金庫に入れておけば1億円のままですが、これを社会の中に置いて循環させれば、その過程で需要や雇用が生まれ、経済が回り出すのです。GDP(国内総生産)という数字がありますが、あれも結局、どれだけ国内で経済が循環しているか(付加価値の交換が行われているか)ということを示しているだけです。別に、GDPに相当するお金がどこかに積み上げられているわけではありません。
  政府や高額所得者が持っている日本円を、国内でドンドン循環させるためには、こういう政策を導入するのが一番効果的なのです。ストック(蓄積)ではなくフロー(流動)を重視しなくてはいけません。

  何をするにも「財源が」「費用対効果が」などと考えてしまうのは、倹約家が多い日本人らしいといえばそれまでですが、そういう感覚が、地方を兵糧攻めにして、労働力を安く買いたたこうと考えている人びと(輸出企業、外資、財務省、そしてその忠実な犬であるカイカク派)に悪用されていることに気づくべきです。
  「景気回復を」などと叫んでいたくせに1,8兆円の景気対策も満足にやれない総理大臣にはあまり期待できませんので、国民新党や無所属の平沼赳夫氏、城内実氏あたりに頑張ってもらいたいです。

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2008.10.03(Fri)

「世界の声」にご用心 

  ネットの世界で言われることに、「日本のマスメディアの発信する情報は著しく偏っている」というものがあります。
  おそらく、そういうことを口にする(書き込む)人というのは、「本来、メディアやジャーナリズムというのは不偏不党であり、知り得た事実をあまねく世界中の人びとに提供すべきものだ」という前提があるのかも知れません。つまり、メディアやジャーナリズムは、公益性があると理解しているわけです。
  しかし、以前の私もそうだったのですが、そういう理想論の背景には、日本のマスコミは腐っているが、海外のマスコミはそうではない、本来あるべきジャーナリズムを追求しているはずだ、という臆断が潜んではいないでしょうか。
  海外のジャーナリズムが、どういうことをしているのか、具体的に検証してみます。もっとも、私はジャーナリストに知り合いなどいませんし、英語の能力がそれほど高いわけでもありません。ネット上に転がっている情報だけでなんとかやってみます。

  具体例として、今週号の●「ニューズウィーク」日本語版という雑誌を見てみましょう。「ニューズウィーク」という雑誌は全世界で発行されているのですが、日本にもオフィスがあって、日本語の記事も提供しています。
  まず、今回目に付く記事は、これです。  

「CDS」--ウォール街を破滅させた怪物
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20081001-00000000-newsweek-int

  詳しい内容は、この文章を取り上げた●「或る浪人の手記」様のブログ記事をご覧頂くとよいのですが、私なりにまとめておくと、「巨額の投資をする際には自己資本(返済余力みたいなもの)を積み立てる必要がありった。しかし、JPモルガンの社員が考えたCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)というデリバティブ商品によって、リスクの負担を保険会社に押しつけることが出来て、安心して投資ができるようになった。巨大な利益が生まれる一方で、投資に際限がなくなり、昨今の金融危機で総崩れになった」という話です。
  金融機関のモラル・ハザードを招いた元凶が、CDSという仕掛けだった・・・こういう、一般人にはなかなか分からない仕掛けを白日の下にさらすのが、ジャーナリズムの役目であり、ニューズウィークは今回の記事で見事にその役目を果たした・・・そういうことも言えそうです。

  しかし、それだけでは、この雑誌が「本当にやりたいこと」は見えてきません。

  ●今週号の「ニューズウィーク日本語版」の中吊り広告を見てみましょう。著作権のことで絡まれると嫌なので、ご面倒でしょうが●のついたハイパーリンクをクリックなさってください。
  記事の見出しが、目に飛び込んでくるように上手にレイアウトされています。その中に、こんなものがありました。赤と白を基調にした中吊り広告の中で、唯一青色になっているその見出しには、

  「世界が呆れる麻生バラマキ内閣の今さら度」

  このフレーズから推測するに、新しく就任した麻生太郎首相が公言している1.8兆円の景気対策(補正予算を組んで行う予定)は、「バラマキ」という有害無益なもので、今更やってもしょうがないものだ・・・という記事なのでしょう。

  「おいおい、そんなこと言わないで、ちゃんと記事を読めよ」とお思いのあなた。

  何か、勘違いしていませんか。そんな必要は全くありません。
  なぜなら、ニューズウィークの意図は、景気対策はバラマキであり、やるべきではないというメッセージを日本人に伝えることであり、記事の中身などどうでもいいからです。

  「いや、そんなことはないだろう、さっき紹介したCDSの実態のように、きちんとした記事を書いている雑誌が言うことなのだ。何か根拠があるに違いない!」と憤慨されているあなた。

  そうです。あなたのような人のものの考え方をコントロールするために、ニューズウィークはこういう見出しを中吊り広告に載せているのです。
  ニュースウィークの見出しを見て、麻生首相に否定的な印象を持った方、なぜそうなったか言い当ててみましょう。ずばり、「世界が呆れる」という言葉が使われているからです。
  何か、我々日本人は一事が万事こういう反応をします。世界の人びとが日本政府に呆れている、という風に言われたら、その呆れている論拠が正当なものであるかどうか考えもせずに、悪いことだ、いけないことだ、という判断をしてしまう人があまりにも多いのです。
  なぜそういう風になるかというと、我々は子供の時からずっとそういう風に教育されているからです。日本は戦前に、世界から孤立して戦争に突き進んでしまった。平和な世界、平和な日本を実現するためには、世界の国々と協調していかなければいけない・・・ガッコーの社会の教科書を開けてみると、前書きに必ずそういうメッセージが出ています。何より、日本国憲法は前文で「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼」することを謳っています。
  さらに、それだけでは飽きたらずに、98条2項でも「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守(じゅんしゅ)することを必要とする」と言っており、憲法の教科書などでは、この条文は「国際協調主義」を表したものだと言われています。
  そこに、我が国が明治維新以来ずっと持ち続けている「欧米(白人)コンプレックス」というものが加わると、「アメリカやヨーロッパの識者や政府関係者が言っていることは、きちんと聞いていかなければならない。そうでないと国際社会で孤立する」という風に、大多数の国民、および政府関係者が思ってしまっても不思議ではありません。

  さて、みなさんが、日本を侵略したい、日本人の持っている富や財産を奪い取りたい、と願う外国勢力だったとします。上のような(多分に後天的な)民族性を持っていることがわかっていたら、どういう手段を用いますか?

  核ミサイルで日本を脅しますか?潜水艦をいっぱい造って、日本のタンカーをいつでも撃沈できるようにしますか?

  そういう作戦は、「下策」です。自衛隊に反撃される可能性がありますし、どんなアホな国民でも、東京湾に外国の潜水艦が来たり、隣国の独裁者が「日本が金をよこさなければ、東京を火の海にする」と宣言したりしたら、侵略されているということには気づくはずです。

  では、どうすればもっとリスクが少ない攻撃を加えられるでしょう?

  そうですね。「日本が何か自律的な国家運営をしようとしたら、それは良くないことだと徹底的に日本国民に宣伝する」ことが最も簡単です。日本には選挙がありますから、国民の反応は無視できません。そこを宣伝でうまくコントロールすれば、政治家がやりたいと思ったことをことごとく潰すことができます。
  その時、以下の点に気をつけると、さらに効果的になります。

(1)自分の意図を「世界のみんなが憂慮している」ものだと宣伝する

  日本人のほとんどが、英語やフランス語のメディアに目を通したりしませんから、本当に全世界がそんなことを思っていなくてもバレやしません。

(2)異口同音に語らせる

  たとえば、どこかの国の政府が「日本の市場は閉鎖的だ」と宣言するだけではなく、ニューズウィークだとかヘラルド・トリビューンのような世界的なメディア、自分の意を汲んだ発言をしてくれる学者、さらには国内の「外国かぶれ」の人びと(自分が欲求不満なのは日本社会のせいだと思っていて、日本や日本人のあら探しばかりしている連中。ときどき「右翼」だとか「左翼」だとか言われる)にも同じことを言わせるのです。
  どこかの政府だけが必死になって日本を叩いていれば、「ああ、あいつらは日本を叩きたいんだな」と分かってしまいますが、複数の場所から同じ事が聞こえてくれば、他の連中もみんなそういうことを考えているんだと思ってしまうのが人間です。

(3)「あなたたちのことを心配しているんだ」という態度を示す

  こうすれば、おかしな要求をしても、しばらくの間はごまかすことが出来るからです。こういう場合に大事なのは、情緒的に訴えることです。当然でしょう。きちんと論理的に話してしまったら、自分の下心がばれてしまうからです。

(4)理由は簡単に済ませる。質問にも答えない

  テレビや電車の中吊りで言いっぱなしにしておけばいいということです。

(5)自尊心を満足させるようなネタをセットにするとよい

  たとえば、「政治家が、英霊が祀られている神社に参拝するのは当然のことだ」という発言をすれば、ああ、この人は我が国の歴史に理解を示してくれているんだな、と思いますよね。まず、そうやって好意的な反応を引き出しておきます。
  その続きで、「バラマキをしていると世界から置いていかれるよ」と付け加えるわけです。あなたが男性だったら、せっかく自分のことを好きになってくれている(ように見える)女性の言うことを、頭から疑ってかかるでしょうか。

  では一体、ニューズウィークがどうしてそんな「攻撃」をしてくるのでしょうか?

  当たり前のことですが、日本人に自分の足で立って歩かれては困る連中がいるからです。そういう連中が、ニューズウィークにこの手の記事を書かせているわけです。
  あえて、答えは言いません。「日本の景気が回復したら、一体誰が損をするのだろう?」と考えてみることです。私は、そういうことを考えているおかげで、ブログを書くネタには困りません。
  まあ、世の中では、そういうことを考えずに、やれ英語だの(一応筆者はTOEICで900点、旧TOEFLで597点を取ったことがある)、会計知識だの、業界地図だの、社内派閥の色分けだの、ゴルフで接待先がダフった時のおべんちゃらだの、キャッシュフロー経営の要諦だの、メディアや広告がPRしてくるものを何も考えずにダボハゼみたいに飲み込んでいる方が立身出世ができるようになっています。私のように、外国のメディアが発信する情報の意図を探ろうとすることは、無益な行いのように見えるかも知れません。
  しかし、政治家や官僚までもそれでは困ると思うのは私だけでしょうか。
  どうも、今の日本には、内外のメディアの発信する電波を敏感に受信しすぎる政治家が多いような気がします。どうすれば自国の独立を維持して、国民を食わせていけるか、外国からの声に惑わされずに決められるようになってほしいものです。
  とらえ方を変えれば、外国のメディアが褒めてきたらそれは悪い選択で、親切そうにやめた方がいいと声を掛けてきたら良い選択だということになるわけですから、表向きは「そういう懸念があることは重々承知しています」などと照れ笑いでも浮かべておいて、自分が信じたことをやればいいということにもなりそうです。あまり真剣に受け止めて、頑なに反発すれば、いじめっ子が増長するのと同じメカニズムで、こちらがキレるまでこづき回してきます。それが、大東亜戦争だったのではないかと思っています。
  麻生首相や、その後に続く政権のリーダーが、世界の声とかいう怪電波(笑)をまともに受信しないことを祈っています。

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