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2008.08.20(Wed)

外交=弾丸の飛ばない戦争 

米・ポーランド、ミサイル防衛配備調印 ロシアと対立激化も
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080820AT2M2002O20082008.html
--------以下引用--------
 米国とポーランドはワルシャワで20日、米ミサイル防衛(MD)施設の配備に関する合意文書に調印した。米国は中欧に2012年をメドにMDシステムを配備、米欧をイランなどの弾道弾の脅威から守る体制を築く。グルジア紛争の最中の合意発表は「自国を念頭に置いている」として反発するロシアを刺激し、米ロ対立が激しくなる可能性もある。

 米国は先月、チェコとも合意済み。米国はMD計画推進によって欧州での軍事的優位を築き、ロシアをけん制する狙いがある。今後、中・東欧、中央アジアを巡る米ロの軍事・経済面での勢力圏争いが激化するとみられる。

 ワルシャワの調印式典に参加したライス米国務長官は調印後、「MDシステムでイランや北朝鮮からの長距離弾道弾という21世紀型の脅威に対応できる」と語った。米国はポーランド北部に迎撃ミサイル10基を配備、レーダー基地を設置するチェコとの一体運用により、12年前後の稼働を目指す。
--------引用以上--------

  このブログで、●こういった記事をご覧になっている方や、地政学という方程式を使って様々なニュースの意味を読み取ろうとされている方にとっては、予定通りといったところでしょうね。
  何度も述べていることですが、ロシアの戦略は、自国の豊富なエネルギー資源と、それを常時デリバリーできるパイプラインというインフラをテコにして、ヨーロッパを支配することです。
  その主目的は欧州最大の工業国、ドイツのエネルギー支配であり、それを支えるためには入口に当たる東欧を攻め落とすことが必要です。コソボ独立への反対表明、ウクライナへとの天然ガスパイプラインを巡る対立といったロシアの立場は、全てこのことから説明できます。
  そうはさせまいと動いているのがアメリカとイギリスです。この二カ国はヨーロッパの外側にいるため、強大な勢力がユーラシアを統一してしまえば、物的人的交流の蚊帳の外に置かれてしまいます。たとえば、スエズ運河を経由しない貿易や、中東に依存しない石油取引などされてしまえば、海運や石油産業を支配している米英はあがったりというわけです。
  だからこそ、ナポレオンのフランス帝国、ナチスドイツ、そしてソ連といった勢力と戦ってきたわけです。別に、民主主義がなんだとか、資本主義がどうとか、そういう表面的な対立ではありません。(もちろん、米英=シーパワー、ロシア=ランドパワーという風に単純に割り切ることも正解とはいえない)。
  今回のニュースの大きな意味は、モスクワからベルリンまでの最短距離上にある(それゆえ、歴史的に列強の大軍に踏み荒らされてきた)ポーランドが、アメリカの庭であるということをはっきりと世界に示したことにあります。失業率が18%前後と少々高いのが気になりますが、GDPも年3~5%の幅で成長しています。
  そうなると、ロシアとしては、しばらくこのルートで勝つことは難しいでしょう。欧州通常戦力条約の破棄をちらつかせながら、別のルートを探るかもしれません。

  もちろん、ポーランドとしてもこれを期に、アメリカからのさらなる経済援助や資金供給を要求することでしょうでしょうし、そうすべきです。ポーランドがロシアに道を譲れば、ドイツとロシアがエネルギーで結びつき、米英はヨーロッパにとりつく島がなくなります。そうとなれば、アメリカを激怒させない程度に見返りは要求すべきなのです。
  まあ、だからといって、あっという間にロシアの戦車部隊に蹂躙される場所にあるポーランドに投資した方がいい、などとは口が裂けても言えませんが・・・(笑)。

  地政学的に重要な位置にあるということは、そこを敵に渡せば橋頭堡を失うことを意味するわけですから、同盟国も死ぬ気で交渉に来ています。この世界では、剣を切り結ぶのも、手を取り合うのも、差し違え覚悟の勝負なのです。
  そんな中で、「国益」(こういう馬鹿右翼や自称保守が好む言葉を安易に使いたくはないのだが・・・)を最大限に図るには、大国に場所を貸す側も、死ぬ気で交渉しなければダメです。外交が弾の飛ばない戦争だと言われるのは、それゆえです。

  そういう意味では、政治だけでなく、経済の方でも「仁義なき戦い」が勃発することがあります。

米ハネウエル、日本メーカー4社を提訴 「特許を侵害」
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080820AT2M2001320082008.html
--------以下引用--------
 米航空電子機器大手のハネウエル・インターナショナルは19日、自動車用のマルチメディアディスプレーやカーナビゲーションシステム関連の特許を侵害しているとしてアルパイン、デンソー、パイオニア、ケンウッドの日本メーカー4社とそれぞれの米国子会社を米国際貿易委員会(ITC)に提訴した。ITCは調査に着手するかどうかを今後検討する。
--------引用以上--------

  このハネウェル(実際はハニーウェルという方が発音的に正しいのだろうが)という企業は、以前に●日本企業のミノルタとオートフォーカス技術を巡っても争った事がある企業です。ハネウェルは、アメリカに残った数少ない製造業である軍需産業を担っている会社でもあります。ここが屈服するということは、アメリカの軍需産業が浸食されることに他なりません。
  日本としては、ただ自分たちの磨き抜いた技術を世に放っているだけだと思うのですが、向こうはそうは思っていないということです。どのような手段に訴えても、自分たちの優位性を渡さないということは、生き残るための当然の選択でしょう。
  日本としても、アメリカ企業の卑しいやり口を非難するだけでなく、どこかでしっぺ返しを食らわせる気概を持つことが重要です。
  そんなことをしたらアメリカの怒りを買う?逆です。怒りを買うことを覚悟して戦わないから、いつまでも嘗められるのです。
  ことに、外交と戦争に関しては、日本の常識は全く通用しないと思って行動した方がいいでしょう。筋を通すことではなく、勝つことが重要なのです。そういう世界なのですから、仕方がありません。
  いつか、日本的な共存共栄の思想が世界中に広まり、争いの少ない安定した世界になってほしいとは思っていますが、その日がいつ来るかは、誰にもわかりません。そうである限りは、日本も敵国、すなわち全ての外国がどのような法則で行動するかということを学ばなければなりません。
  すなわち、今の日本ほど地政学を必要としている国はないということです。是非、●この方のような地政学の専門家が、日本の国家意思決定に携わってくれれば・・・と願っているしだいです。
  
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