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2008.08.31(Sun)

カルト的思考とは? 

  このブログではよく特定の集団や個人を指して「○○はカルト宗教と似ている」という類の評価をしますが、この「カルト」とは一体なんなのか、少し考えてみたいと思います。
  たとえば、●こちらのサイトでは、このように定義づけています。

--------以下引用--------
現在の宗教現象を扱う場合、「カルト」と言う言葉は段々もっと特殊な意味で使われるようになってきています。「破壊的カルト」と呼んでもよいような宗教集団(場合によっては宗教以外のグループに用いることもありますが、ここでは宗教グループに限って考えてみます)を「カルト」と呼ぶようになってきたのです。(中略)

「破壊的カルト」(=カルト)というのは、どういう宗教でしょうか。これまでいろいろな定義がなされてきていますが、ここでは、以下のような3つの意味で破壊的な宗教を指すことにしたいと思います。

・信者本人の人格破壊

・信者と信者の家族との間の関係破壊

・信者と社会との関係破壊

--------引用以上--------

  引用先のサイトでは、宗教的な集団に限って考えているようですが、最後に挙げた三つの要素が重要です。
  この三つのポイントを総合すると、カルトというものは、その集団以外の人間との人格的交流を断絶した状態ということができそうです。
  私が思うに、別に宗教団体に加入していなくても、このような状態に陥る可能性があるのです。要するに、カルト教団に属していなくても、一定の要因が働いて、他者との共通理解を放棄し、特定の思想信条からのみ価値判断を行うようになる危険があるということです。
  こういう状態を「カルト的思考」ということにします。具体例を見ながら、カルト的思考の特徴と、対処方法を考えてみます。以下は、●「或る浪人の手記」さんの記事に書いてあったコメントです。

  貧富の格差が広がることは事実だろうけど、実際には、新自由主義が日本に(全体から見れば)もっとも有利な選択であるわけで。

  江戸時代の開国>攘夷と同じように。

  そこで貴方にお伺いしたいのですが、もし、小泉を罰するためにみんなで民主党に票をいれたら、みんなで幸せになれるのでしょうかね?

  2008/08/31(日) | URL | 七誌 #LkZag.iM[ 編集]



>新自由主義が日本に(全体から見れば)もっとも有利な選択である  

  なぜ「有利」なのか、全く論証がありません。議論になったら真っ先に突っ込まれるポイントですが、この論者は日頃からこのような主張に接しているので、違和感なく書き込んでしまうのでしょう。
  ここがカルト的思考の第一の特徴で、「主張に論理的な裏付けがない」ということです。
  人間がものを考えて言葉を発する時、本来であれば、相手の疑問や反論を考慮して、自分の主張を現実世界に適用した場合の不都合はないかとか、他の主張との間の矛盾がないかとか、いろいろ考えるものです。そうでなければ、立場の違う人間から反論を受けた時、すぐにボロが出てしまうからです。
  ところが、カルト的思考の持ち主はそういうことを考えません。情報の発信元、いうなれば「情報センター」(カルト教団の場合は教祖)から受信した情報を、そのまま現実社会に適用しようとします。それ以上は考えることをしません。
  もちろん、そういう荒唐無稽な物言いは、バランス感覚のある人間から批判されるわけですが、そういう反論をカルト的思考の持ち主は「人格攻撃」であると判断して、反論を真剣に吟味しようとしません。彼らが真剣になるのは、批判者のあら探しです。たとえば、若い頃学生運動に関わっていたら「おまえは共産党だ」となり、批判する人間のブログに国防問題を扱う記事があれば「あいつは軍国主義者だ」となり、名前に「金」とか「白」が混ざっていたら、「朝鮮人だ」となってしまうわけです。
  なぜそういうおかしな方向に行ってしまうのかは、あとでまとめて論じます。例のコメントの、他の部分を見てみましょう。
  
>江戸時代の開国>攘夷と同じように。

  一応注釈ですが、引用部分中の「>」というのは、「大なり」という意味で、攘夷より開国の方が正しい選択だったということを言いたいようです。
  これも典型的なカルトの特徴です。ここに出ている特徴は「固定的な世界観」「権威への盲従」です。
  巷ではよく幕末の動乱は日本が新しく生まれ変わるために必要なプロセスだったという風に言われますが、そんなに単純ではありません。開国が良かった、攘夷が良かった、あるいは薩摩長州が正しかったなどということは一概にいうことはできません。
  維新の立役者で、日本を良い方向へ導いた勢力であるとされている「長州藩」は、初めは超過激な攘夷派でした。たとえば、進取精神があったと言われる●長州藩士・高杉晋作がイギリス公使邸宅を焼き討ちしています。その後、有名な●下関戦争が起きますが、この事件を境に英国留学組が長州藩の中で実権を握った(邪推すれば、イギリスの傀儡になった)ということができます。
  開国を決断した幕府側にこそ、現実的に外国勢力の進出に対処していた人びとがいました。その典型が、教科書で全く触れられない●小栗上野介という人物が代表例です。殖産興業の代表例だと言われている「富岡製糸場」や、日本初の近代造船所である「横須賀造船所」などを実現させた人物です。戊辰戦争のどさくさに紛れて、薩摩・長州側に処刑されてしまいましたが、
  この人物より、外国人相手にテロをやっていた高杉晋作が評価されているというのが実におかしな感じがします。単に、長州が勝った側についていたので、そこにいた人たちも無条件で素晴らしいはずだと思っている人が多いのではないでしょうか。

  (ちなみに、明治維新をプロデュースした人びとは、こういうことを書くと、山口県や鹿児島県の出身者が反発し、日本人同士で食い合いをして真の敵を認識できなくなるということまで計算していたのだと思います)

  上のコメントをした人間は、教科書に書いてあるような「開国は閉鎖的な日本が変わるために必要だった」「明治維新は外国の侵略に立ち向かうための革命運動だった」というような言動をそのまま鵜呑みにしているのでしょう。教科書の記述というのはいわば国定の思想です。そこに書いてある考えには、政府の権威があります。自分の正しさを世に訴える時に、そういうものに頼っているわけです。
  だったらどうすればいいのかというと、明治維新になぞらえるのをやめて、自分の言葉で「なぜ新自由主義だと日本が有利なのか」堂々と主張すればいいだけです。それをしないで、維新だの志士だのと言い出すのはなぜかと言えば、そういう権威に頼らなければ自分の主張を他人に受け入れてもらえる自信がないからです。引用先のブログの管理人さんもそうですが、私がこの人は違う、と思う論者というのは、自説を正当化するために「アメリカでは」「北欧では」「明治維新の時は」などということを口にしません。それだけ、物事に対してまっすぐに向き合っているからです。
  もちろん、そうするためには、自分なりに物事を調べたり、ああでもないこうでもないと頭の中で反芻する必要があるわけですが、そういうことも面倒くさいのかもしれません。だから、「明治維新の時みたいに」「アメリカではこうだ」という枕をつけて、さっさと切り抜けようとするのでしょう。
  カルト教団では、この権威が全て教祖の言説になっているわけですが、教団未所属のカルト思考人間の場合は、「教科書」「その道の権威」「メディア発表」「政府の見解」「自分と考えが近い人気ブロガーの主張」という風に、バラエティに富んでいます。しかし、権威を利用しているという点では変わりがないわけです。表面的な違いだけを見ると、カルト的思考をする人間を見誤ります。
  さて、次の部分が一番注目すべき部分です。

>もし、小泉を罰するためにみんなで民主党に票をいれたら、みんなで幸せになれるのでしょうかね?

  カルト的思考をする人間の特徴が凝縮されています。それは、「逆ギレ質問」「二者択一的思考」です。

  ●「自己実現カルト」について扱った記事でも申し上げましたが、カルト的思考をする人間は、非常に単純な世界観(例:貧しいのが嫌なら努力すればいい)を信じており、対立する考えとの調和を目指していろいろ試行錯誤するという作業をほとんどしません。だから、違う意見の持ち主が批判をしてくると、人格を攻撃されたと勘違いし、激高してしまうことがあります。
  そのカルト人間が自分を優位に立たせようと苦し紛れに放つ一手が、「逆ギレ質問」というやつです。これによって、自分が問い詰める側に回ることができるわけです。
  注意しなければいけないのが、彼らは別に物事を深く追究して、よりよい物事のあり方を考えようとこういう質問をしているわけではないということです。相手を受け身にさせて、とにかく攻撃してやろうとこういう発言をしているだけです。まともに相手にする必要はありません。
  そして、もう一つの「二者択一的思考」ですが、これがもっとも厄介であり、本人にとっても害悪が大きい側面でしょう。
  二者択一的思考というのは、常に想定させる場合分けが二つしかないような考え方を言います。典型的なのは、「はい・いいえ」で答える質問ですが、これがカルト宗教の場合になると「このツボを買うか、地獄に堕ちるか」とか「組織の財務に協力しないのか、それなら極楽浄土には行けないぞ」とか、そういう感じで使われます。
  この思考をしたがる人間というのは、「○○しなければヤバイ」ということを勝手に考えて、ひとりで危機感を募らせていて、周りの人間からすると非常に突飛で理解困難な発想をしがちです。たとえば、一時期、どっかの掲示板で、突然、「朝鮮総連や創価学会による日本支配を許したくなければ、安倍晋三さんと一緒に人権擁護法案に反対しよう」とか、そういうメッセージが大量にコピペ(コピー&ペーストの略)されたことがあります。要するに「安倍さんを応援しないと朝鮮人に支配される」ということを言いたいわけですが、ああいうのも嫌がらせと言うより、ああいう集団だけで勝手に危機感を拡大再生産した結果、そういう行為をしているということです。もちろん、裏にそれを煽っている人間がいないとも限りませんが・・・。
  二者択一的思考は、非常に単純なので、理解するのに全く脳みそを使う必要がありません。もちろん、それだと複雑な現実社会の様相を理解する場合、不都合が生じます。
  しかし、カルト的思考の持ち主はそういう事態をどうとらえるのかというと、またしても自分たちに対する人格攻撃だと判断して、社会そのものに対して敵対心を持つに至るのです。具体的に言うと、「一般人は真実を知らない馬鹿ばかりだ」とか「メディアリテラシーのない愚民はテレビに洗脳されている」とか、「左翼や在日朝鮮人の工作だ」とか、「CIAの工作だ」とかいった感じになります。
  上に挙げたコメントの論者も、「自民党か、民主党か」という思考しかできていないのが明らかです。

  では、このようなカルト的思考になぜ人間がはまってしまうのか、ここが重要です。

  簡単なことです。その方が楽だからです。

  私を含め、大多数の人間は弱い存在です。この場合の「弱い」というのは、何が正しいかを自分で簡単に決められないということです。自信がないといってもいいかもしれません。このことは、思想信条だけでなく、職業の選択だとか、人間関係の構築にもあてはまることだといえます。
  それにも関わらず、いろいろな場面で我々は、何が正しいのかを選び取っていかなければなりません。重要な決断であれば、その後の人生が変わってきてしまうこともあるでしょう。後から間違った選択をしたと気づいて、後悔することもよくあることです。
  そうなると、もう他人に「どう生きるべきか」を決めてもらう方が楽だという結論になってしまうのも頷けます。そういう「ニーズ」に答えるのがカルトだということです。このカルトというのは、何も宗教だけでなく、情報センター(カルト的思考をする人間が判断材料にする情報を発信する個人や機関)が存在し、それを無批判で受け取る多数人という関係があれば成立します。もしかしたら、もっとも大きなカルトは、メディアとその視聴者になるのかもしれません。北朝鮮のような国では、実際にそういう事態になっているし、日本もそうならないとは限りません。
  このような傾向を助長しているものは何かといえば、学校教育というシステムです。学校というのは、考えてみれば異常な組織だと思いませんか。情報を発信する人間(=教員)が、それをどれだけ受信できたかをテストし(=中間・期末試験)、うまく受信できている人間を高く評価して(=内申書)、職業選択や学校選択に有利になるようにし向けています。
  さらに、おかしな情報、たとえば「何も考えずに覚えさえすればいいんだ」とか、「あなたたちのお爺さんたちは、アジアの人びとを虐殺した悪人です」といったものの受信を拒否しようとすると、「こんなこともできないで社会に出て通用するわけがない」とか、「あなたは軍国主義者か」などと人格を否定するような評価を下されます(笑)。
  これは、情報センターがしっかりしていれば済むとか、評価がきちんと行われれば済むとか、そういう問題ではありません。大多数の人間は受信を強いられるという点では、カルト教団と学校は大差がないのです。ポイントは、情報センターの発信する情報を無批判で受け入れ、それに沿った行動をすることが人格評価の基礎になっているという点です。
  もちろん、学校の場合は、カルト教団に比べて教義の締め付けが緩いですから、現場の教師が多様な評価(たとえば、「勉強はあまり得意ではないけど、正直でいいやつだ」)をすることはできます。しかし、組織全体の流れからいえば、やはり情報を受信できない人間はダメな奴だと烙印を押されることになります。カルト教団のように、リンチで殺害されることはありませんが、●こういう異常な事態は起こりえます。普通の会社でこういうことはまずないでしょう。

  もうそういうタイプの人間がどういう風にものを考えるかはだいたい読めるので、先回りしてしまいますが、私が上のような意見を書くと、カルト的思考の人間は、「このブログの管理人は公教育を否定している」という風に受け取ってしまうのでしょう。
  彼らの特徴は、そういうところにも現れています。「価値判断を下すスピードが異常に速く、メカニズムが単純」ということです。なぜ速いのかというと、情報センターが発信した「これは○、これは×」というフォーマットを用いており、自分の頭で考えていないからです。
  こういうものを善悪中毒ということもできます。

  では、こういうカルト的思考は、どうすれば防げるのでしょうか。

  まず、自分がカルト的思考をしていないか、常に反省することが必要です。たとえば、こんな感じです。

★自分の考え方は、ちゃんとした裏付けがあるだろうか?
★固定した世界観(先入観)を持ってしまっていないだろうか?
★権威に頼って、楽をしようとしていないだろうか?
★他人の言い分をきちんと理解し、逆ギレ質問をしていないだろうか?
★自分にも他人にも、二者択一を強いていないだろうか?
★評価を決めつけるのが、早過ぎやしないだろうか?
★自分が拠って立つ前提は本当に妥当なものだろうか?


  私もいまだに「中国」ときくと、悪いところがないかあら探しをしている自分に気づくことがあります。「中国は悪だ」という価値判断に従って、楽しようとしているわけです。もちろん、ブログでしている中国に関する記事は、そういうものを超えた領域まで考えた結果として書いていますが、おかしな人間に囲まれてしまったら、私だっていつカルト的思考に陥るか分かりません。
  我々の生活は一方的な情報を発信してくるメディアに囲まれており、その情報を受信してその通りに行動した方が楽だというのは、否定できない事実です。しかし、そうすることによって、失っているものがたくさんあるかもしれません。

  次に、価値判断をするなら、自分の目で見たものや、味わったことがあるもの(生活経験)をもとにして考えるべきだということです。そういうものから帰納した考えというのは、奇をてらったり、無理があったりすることがないのが普通ですから、何かを解釈しなければいけないとしても、おかしな結論になることはそれほど多くありません。
  しかし、ここで注意してほしいのは、自分の周りにあるものを「一般化」しないということです。自分に当てはまることが、他人に妥当するとは限りません。物事をよく見て、一般的なことと個別具体的なことを分けて考えるべきでしょう。

  また、他人の言うことにはまず耳を傾ける姿勢を持つことも重要です。このことは、ネット上の匿名の関係よりも、現実に合って話をする人間関係により大きく妥当します。
  たとえば、「若者はわけのわからない存在だ」という先入観を持っていて、茶髪の若者の言っていることを何も聞かないというのは、カルト人間の素養十分です。どうせその先入観も、自分の経験よりは、メディアという情報センターを通じて作られたものであるという可能性が濃厚だからです。
  もっとも、最初に挙げたコメントの人間のように、明らかにカルト的思考に陥ってしまっている人間は、まともに相手にする必要はありません。
  こういう時は、「自分の発言や主張を、事情を知らない普通の人が見たらどう思うだろうか?」ということを常に心がけることです。普通の人が「引く」ような態度や発言はする必要はありませんし(そもそもそういうことを考えるのがおかしい)、そういう発言をしている人間がいたら、もうこれは相手にしなくていいわけです。

  最後に、これが一番大切ですが、「多くの人びとがカルト的思考にすがらなくても生きていけるような社会はできないか」と考えることです。これは少しレベルの高い注文になりますが、是非考えてもらいたいと思っています。
  カルト的思考をする人間が多くなっているというのは、それだけ今の日本が、シビアな判断や、強い意志の継続を強いるような社会になってしまっている証拠でもあります。なぜなら、そういう社会では、個人が大きな責任を追ったり、重大な選択をしなければならない場面が増えるので、そのプレッシャーに耐えられなくなってしまっているからです。
  当たり前ですが、そういうことは教育だけでなんとか出来るものではありません。行きすぎた愛国心の醸成や、利他精神の教育は、さらなるカルト的思考を生むだけです。
  そうだとすると、やはり日本人の大多数が持っている物的条件を改善する方向性が必要です。簡単に言えば、富や利益をできる限り多くの人間で分け合うということです。雑誌の読者プレゼントにたとえるなら、プレゼントのパイを大きくして、より多くの人に当選する可能性を与えることです。
  今の日本をたとえると、複数のハガキを出してもいいというシステムで、「ベンツやBMWの車を100名様に差し上げます」という広告を打っているようなものです。このシステムだと、ハガキを大量に出せる人間(金持ち)が当選する確率が高まるわけですから、大多数の人間には失望しか生まないことになります。今はまだ、残念賞に「公務員」とか「大企業勤務」とか「正社員」というようなものが残されていますが、これもいつまで持つかどうか・・・。
  そうではなく、より多くの人が絶望しなくて済むような経済の仕組みが、結果として不満や犯罪を減らし、社会全体の安定につながるのは、先ほど挙げた「或る浪人の手記」さんの記事の中にもある通りです。

  カルト的思考という麻薬の常用によって、知らないうちに地獄の淵に立たされているかもしれません。
  権力がある側は、とかくカルト的思考をばらまくことで我々の判断力を奪おうとします。戦前がそうです。「満蒙は日本の生命線」に始まり、「鬼畜米英」が「欲しがりません勝つまでは」になるまで10数年しかかかりませんでした。それが終わった後は、「敗戦したのは小麦を食べなかったせいだ」とか、「日本が一方的に譲歩してでも国際協調しなければいけない」とかいう形になり、最近では「ミンエーカしないと世の中は進歩しない」とか「財政均衡しないと日本は破産する」とかいう感じに推移しています。そうやって、右に左に上に下に揺さぶられ、一体どれだけの傷跡が残ったことか。
  そういうメッセージに惑わされないためには、やはり面倒くさくても自分で考えていくほかはないわけです。

  一言でまとめます。  

  「カルト思考やめますか?それとも人間やめますか?」


  ・・・次回はきっと、旅行記の続きを書きます(笑)。


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2008.08.29(Fri)

【衆院決戦】前哨戦が始まったようです 

民主・渡辺秀央氏ら3氏が離党、無所属2氏と新党結成へ
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080828-OYT1T00467.htm?from=navr
--------以下引用--------
 民主党の渡辺秀央参院議員(元郵政相)は28日午前、民主党を離党し、新党を結成する意向を明らかにした。

 渡辺氏によると、ほかに民主党の大江康弘、姫井由美子両参院議員と、無所属の荒井広幸、松下新平両参院議員が参加を検討しており、計5人となる。29日午後に記者会見して正式表明する予定で、渡辺、大江、姫井3氏は28日中に民主党に離党届を提出する方向だ。無投票3選が確実となっている小沢代表への反発を理由に挙げており、党には大きな打撃となる。与野党が逆転している参院では、議席数の差が縮まることになる。

 渡辺、大江、荒井氏は比例、姫井氏は岡山選挙区、松下氏は宮崎選挙区の選出だ。新党の代表には渡辺氏が就任する予定だという。

 渡辺氏は「小沢氏が参院を政局の場にしているのはおかしい。今の参院は閉塞(へいそく)感ばかりだ。新党は投票行動で党議拘束をかけず、法案ごとに個人の判断を優先する」と語り、小沢代表の党運営への不満が新党結成の理由だと説明した。

 新党に参院議員5人が参加すれば、政党助成法などの政党構成要件は満たす。ただ、国会内の活動単位である会派を新たに結成するには、現在所属する会派の承諾が必要となる。民主党執行部は当面、渡辺氏らの会派離脱を認めないと見られる。平田健二参院幹事長は28日昼、国会内で記者団に、「渡辺氏らの行動は織り込み済みだ。離党届の扱いは執行部で協議したい」と述べた。

 渡辺、大江氏は先の通常国会で、道路整備費財源特例法改正案の参院本会議の採決で党方針に反して賛成票を投じ、渡辺博史・一橋大教授を日銀副総裁に起用する案に対しても、党方針に反して賛成するなど、造反するケースが目立っていた。民主党関係者の一人は28日、「『自民党幹部が渡辺氏や大江氏に新党結成を促している』という情報は以前からあったが、これほど早いとは思わなかった」と語った。

 参院の勢力は現在、定数242に対し、自民、公明両党が105人、民主党と国民新党などの統一会派は120人となっている。渡辺氏らの新党が与党側と同調する場合、与野党の勢力は現在より拮抗(きっこう)することになる。
--------引用以上--------

  これをもって「小泉新党結成の前触れ」と決めるのは早合点でしょうが、警戒が必要です。
  衆議院の比例代表選出と異なり、参議院は離党しても議席を失うことがありません。しかも、世間の耳目は衆議院解散に向いています。「敵」は絶妙のタイミングで仕掛けてきたと言えそうです。後に続く人間が出てくる可能性は十分にあります。
  ここから先は、「アメとムチ」のせめぎ合いになることでしょう。「アメ」は、民主党が政権に就いた場合の政権内のポストや利権の配分です(断っておくが、このブログは利権そのものを悪だと見なす立場ではない)。「ムチ」とは、3年後もしくは6年後の選挙で公認を得られないことです。
  おそらく、離党した連中は、たとえ自民党や、「小泉新党」に移ったとしても、公認を得て当選することは難しい人びとでしょう。地元の反応も冷ややかです。

「背信行為だ」「やっぱり」民主離党議員の地元の反応
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080828/stt0808282151010-n1.htm
--------以下引用--------
 「背信行為だ」「やっぱりか」-。参院岡山選挙区選出の姫井由美子議員らが28日、民主党を離党し新党を結成したことを受けて、地元には波紋が広がった。

 この日、岡山県連は定例常任幹事会で今回の対応について協議。出席した同党衆院議員、津村啓介県連代表は「今回の姫井議員の行動は自民党政権の延命に力を貸すものであり、政権交代に期待して選挙で1票を投じた有権者に対する背信行為だ」と厳しく批判。

 さらに、「公認を決めた県連の責任者として、有権者に多大なご心配をおかけしていることに心からおわびしたい」と述べた。

 姫井議員は昨年7月の参院選で前自民党参院幹事長の片山虎之助氏を破って初当選。ただ、当選後は複数の週刊誌に金銭トラブルや私生活の記事が相次いで掲載され、県連は厳重注意処分を出していた。

 一方、民主党比例選出の大江康弘議員の地元、和歌山県連の関係者は「今までの行動をみていればやっぱりか、という印象」と大きな驚きはなかった。

 大江議員は、合併で自由党から民主党へ入った当初は県連の相談にもよく応じていたが、最近では距離を置いていた。道路特定財源の暫定税率廃止に反対を表明して以降は地元との対立は決定的になったという。

 〆木(しめき)佳明県連幹事長は「有権者に対する裏切り行為だ」と強調。自民党県連の下川俊樹幹事長は「こうなる可能性はあった。大江氏から相談があれば、話を聴いていきたい」と話した。
--------引用以上--------

  渡辺は自由党と民主党の合併の際、資産整理から外されたことをきっかけに「反・小沢」に転じた人間であり、「小物」です。姫井も話題先行の新人議員に過ぎません。和歌山県の大江が多少和歌山で比例の票をおみやげとして持ってこられる程度で、マスコミが騒ぐほどのものではないという感があります。
  そもそも、このご時世に、いまだに「カイカク」という言葉を政党名につけているという、その一事だけで、アホの集まりだということは容易に察しが付きます(笑)。

  むしろ、こういう離脱をスキャンダルであるかのごとく書き立て、「民主党はバラバラで政権運営能力のない政党」という印象をPRするために挙げたアドバルーンだという気がします。
  ちなみに、民主党がバラバラだというのは、「当の本人」が認めています(笑)。

小沢氏、麻生氏のナチス発言に「民主党はナチスと正反対。バラバラと言われてる」
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080805/stt0808052249013-n1.htm
--------以下引用--------
 民主党の小沢一郎代表は5日、民放ラジオ番組に出演し、自民党の麻生太郎幹事長が暗に民主党をナチス(国家社会主義ドイツ労働者党)にたとえたことに対し「民主党はまあ、ナチスどころか正反対だ。いつもバラバラだとか何とか言われてるくらいだ。非常に民主的な、それこそ名前の通りの党なので、どういう趣旨で言ったのかちょっと理解できませんね」と、日ごろ浴びている民主党評を逆手にとってやんわり反論した。

 小沢氏はこの中で「(民主党は)国会審議は、国民生活に必要なことはちゃんとやっている。政府が提案したもの全部が通らなければおかしいなんて変な話だ」とも述べた。

     (中略)

 当事者の麻生幹事長は5日の記者会見で「民主党をナチスに例えたわけではない。参院で審議が行われない状況はいかがなものかということの例に出して言った」と釈明している。
--------引用以上--------

  昔の自民党は、●角福戦争などと言われるほど派閥間の考え方が対立することがありました。その最大公約数が「選挙で勝つ」ということであり、そのためには「国民生活を向上させる」ことがもっとも早道だったわけです。
  それは、製造業が世界中に輸出して稼いだ利益を法人税という形で回収し、それを地方に分配するとい仕組みを通じて行われました。そうです。今、カイカク派だとか大新聞(たとえば、●かの有名な憲法9条マニアや似非インテリ御用達のあそこ)が必死になって叩いている「バラマキ」というやつです。
  おそらく、小沢氏はそういう政党を実現しようと、あえて左向きの政治家たちを巻き込んだ民主党を作ってきたのではないかと思える節があります。
  その手法には多少首を傾げる面はあるものの、自分のイエスマンや、権力におもねる卑屈な女性議員をはべらせていい気になっているどこかの誰かよりも、小沢氏の方が確実に「大人」ではあります。

  もっとも、そんな小沢氏も、決して余裕で構えていていいというものではありません。

  あと6人引き抜かれたら、参議院での優位を失うことは間違いないからです。当面、警戒すべきなのは、以下の参議院議員たちでしょう。

 鈴木寛(東京都)
 牧山弘恵(神奈川県)
 藤本祐司(静岡県)
  大塚耕平(愛知県)
 徳永久志(滋賀県)
 松井孝治(京都府)
 福山哲郎(京都府)
 中村哲治(奈良県)
 中谷智司(徳島県)
 大久保勉(福岡県)


  はい、京都府選出の議員が二人いることからもお分かりだと思いますが、民主党で一番●古賀誠さんに似ていると噂の、前原誠司クンの仲間たち(凌雲会)の参議院議員です。
  まあ、よくもこれだけ集めたものです。松下政経塾、財務官僚、アメリカ帰り・・・そのまま小泉チルドレンにいてもおかしくないメンツばかりで、改めて調べた私もビックリしました。さすが、「自民党・民主党支部長」前原クソのお眼鏡にかなう人たちは違います。
  今の彼らは、「小沢政権」に加わるか、それとも若きリーダー・前原クソが神のごとく慕っている小泉純一郎さんと合流しようか、悶々としていることでしょう。彼らの多くが労働組合の票を頼みに当選しているので、大手を振って小泉新党に合流するのははばかられるからです。
  一番ありうる展開は、失言を繰り返して●身内からダメ出しをくらう無能な前原クンを見限って、所属議員が離脱することです。
  お馬鹿な前原クソと、さんざん小沢氏批判をしている枝野幸男(衆院)は、もうどのみち干されることは確定なので、小泉新党行きは間違いないとしても、他の議員は巻き添えを食いたくないと思っているはずです。
  まあ、とりあえず衆院選まではおとなしくしているというところでしょうか。今、凌雲会が新党結成などやらかしたら、前原クンは落選確実ですからねぇ(笑)。

  しかし・・・見てみたいなあ、前原クンの自爆(笑)。

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2008.08.28(Thu)

【軽量化】パソコンが今のパソコンでなくなる日【USB】 

パソコン用ソフト USB版発売へ ソースネクスト
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/080828/biz0808280031001-n1.htm
--------以下引用--------
 ソフトウエア大手のソースネクストは27日、USBメモリに収録したパソコン用ソフトを9月から順次発売すると発表した。CD-ROM版は当面併売するが、将来には生産を終了する。CD-ROMドライブを装備していない超小型パソコンが普及するなか、ほぼすべてのパソコンに対応できるUSBを採用することで、販売を強化する。

 ソースネクストは、年末までにウイルス対策ソフトや年賀状ソフトなど、30製品のUSB版を発売し、平成21年3月末までに100万本の販売を目指す。価格は9月に発売する7タイトルは3970~9800円。大手ソフト会社が記録メディアにUSBを全面採用するのは初めて。

 USBメモリは、内蔵する半導体にデータを記録するが、価格がCDより高いため、ソフト販売には採用されていなかった。ただ、現在国内で販売されているノートパソコンの約1割はCD-ROMドライブを内臓していない。一方、USBメモリのコストは下がっているため価格競争力があることから、採用に踏み切ったという。
 USBメモリは、ソフトをパソコンにインストールした後に、データを消去して外部記憶メモリとして利用することもできる。
--------引用以上--------
  
  あまりいらっしゃらないと思いますが、USBメモリというのは、●こういうものです(詳しい構造などは●こちらを参照)。パソコン本体の下の方や横っ腹にくっついている「USBポート」(USBというのはUniversal Serial Busの省略形で、周辺機器とPC本体をつなぐ転送方式の規格の一つ)に差し込んで使うものです。中にデータを入れておいて、突っ込むだけで本体のハードディスクに記録していない情報もパソコン上で扱うことができます。いわゆる「フラッシュメモリ」の一種です。携帯電話やポータブルゲーム機に突っ込んで使う「SDカード」や「メモリースティック」などと原理は同じです。
  これまでは、自宅で編集したデータを入れて、会社や外出先のノートパソコンに読み込むというのが一般的な利用法でしたが、最近では、

★高速でデータのやりとりができる規格(USB2.0)が出来た
★USBメモリの構造が進歩して、読み書きが早くなった
★なにより、USBメモリの容量が大きくなった(最大で128GB)


  ことで、単なるデータの持ち運びの域を超えた活躍を見せるようになりました。今回の引用記事にあるソフト販売媒体というのもその一つです。
  極端な話、128ギガバイトものデータが入るわけですから、パソコン本体に入れてハードディスクがわりに使ってしまっても良いわけです。こんなものも出ています。

東芝、64GBのフラッシュメモリー搭載で900gを切った「dynabook」を発売
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20070605/273701/
--------以下引用--------
 東芝は2007年6月5日、モバイルノートパソコンの新製品「dynabook SS RX1」を発表した。ハードディスクの代わりに64GBのフラッシュメモリーを搭載し、重量は848gに抑えた機種など3機種をそろえる。6月22日から順次販売する。

   (中略)

 シリーズのうち最上位機種にあたる「dynabook SS RX1/T9A」は、ハードディスクの代わりに64GBのフラッシュメモリーを採用することで、高速起動、軽量化、省電力を実現した。本体には、標準バッテリーと大容量バッテリーの2種類のバッテリーを付属し、重さや駆動時間によって使い分けられる。標準バッテリーを装着した場合は駆動時間が約6.2時間で重量が848g。大容量バッテリーを装着すると駆動時間が約12.5時間で重量が968gとなる。想定実売価格は38万円前後の見込み。
--------以下引用--------

>想定実売価格は38万円前後

  ここが少々痛いところです(笑)。しかも、この機種はどこに行っても品薄なので、私は諦めて普通にハードディスクの使われている方を買ってしまいました。
  USBメモリの弱点は、静電気に弱いことと、絶縁体である酸化膜がデータの読み書きによって劣化しやすいことです。つまり、大事なデータの長期間の保存には向かないわけです。
  そういうわけで、しばらくの間は従来の磁気ディスクに記録する方式の方が優位なのは間違いありませんが、その差もいずれほとんどなくなるでしょう。
  それに、磁気ディスク(ハードディスク)の方も、小型化・軽量化の方向で動いています。

東芝の開発した0.85型ハードディスクドライブが世界最小のハードディスクドライブとしてギネス世界記録に掲載
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2004_03/pr_j1601.htm
--------以下引用--------
 当社が開発した0.85型ハードディスクドライブ(以下、HDD)がギネス社によって「世界最小のHDD」として認定され、2004年9月に英国にて発行予定の2005年版「ギネス世界記録」に掲載されることになりました。

 当社の開発した0.85型HDDは、寸法が縦32mm横24mm厚さ3~5mmで重さは10g以下と、従来の1.8型HDDの1/4程度で、モバイル情報機器への搭載に適しています。記憶容量は2~4GBを想定しており、音楽や映像などの大容量コンテンツを保存することができます。
 今後、デジタルオーディオプレーヤー、デジタルビデオカメラ、PDA、携帯電話といった小型のモバイル情報機器に適用が大きく広がるものと期待しています。

      世界最小のHDD(1)世界最小のHDD(2)

--------引用以上--------

  これに加えて、フラッシュメモリが上記二つの弱点を改善していけば、フラッシュメモリのハードディスクの差を論じる意味があまりなくなる日が来るでしょう。
  そうなると、パソコンという情報媒体の位置づけが激変することが予想されます。たとえば、

★モバイルパソコンが不要になる

  パソコンというより、PM(パーソナルメモリ)というのが主流になるかもしれません。そうすれば、家で使うパソコンも、記憶媒体をなくすことができ、廉価で販売できます。記憶媒体は用途に応じて自分で買うことになるわけです。
  たとえば喫茶店で営業マンが顧客にアピールするために、プレゼンテーションソフトで作った画面を見せるとか、そういう場合は別として、基本的に立ち寄った先にパソコン(ディスプレイとメモリとビデオカードなど付属品のみで、ハードディスクはなし)があれば、小型化されたPMを突っ込んで、自分の家と同様に使えることになります。
  マンガ喫茶やネットカフェにパソコンがありますが、あれをもっと簡素にしたものと組み合わせれば、新しいビジネスになりそうです。「当ホテルの売りはPM完全対応です」などというホテルや喫茶店が出てくるかもしれません。
  また、データの保存を代行する商売もはやりそうです。●オンライン・ストレージという仕組みがありますが、それがリアルの世界にも進出するわけです。
  私が役所の人間だったら、公的機関である強みを利用して、市民のデータ保管サービスでもやってみたいところです。公務員は信用できないって?民間の業者の方がよほど信用できません。●こういうことを平気でするからです。

★あらゆる機器に接続して、個人的なデータを読み込める

  これはICチップという形ですでに実現していますが、もっと大量かつ複雑なデータを利用できます。たとえば、テレビで画像を映したり、カーナビゲーションシステムに最新のデータを取り込むような形が考えられます。
  個人情報が簡単に盗まれる危険も出てきますが、そのへんは、インターネット経由でウイルスが侵入したりする危険すらあるわけですから、たいして変わらないでしょう。保管に自信がない人は、家にハードディスクを置いて、USBメモリでちょっとずつ持ち運ぶ

★ソフト販売の媒体が無くなる

  もうすでにオンラインでデータをダウンロードさせて販売するという仕組みが完全に定着しています。これを店頭にまで持ち込むわけです。
  たとえば、ビックカメラみたいな量販店に大型のサーバを置いておいて、そこからソフトのデータを取り出してUSBメモリに記録するという形で売ることができそうです。記憶媒体がなければその場で販売もします。耳にたこができるどころか、聞いていてムカムカしてくるほどの「エコ」とかいう風潮にも合致していますし、何より在庫を保管するスペースが要らなくなります。
  CDロムによる販売というのは、たんなる慣行だったというだけで、今現在何の優位性もありません。パソコンからフロッピーディスクドライブが消えてしまったような運命をたどるでしょう。
  もっとも、映像や重要な資料については、静電気による破壊や劣化の心配が比較的少ないCDロムによる保存が適しているということもできます。しかし、それも、技術の進歩でいずれ別のものに取って代わられるでしょう。

  こういうことを考えてみると、なかなか楽しくなってきます。
  技術の進歩を考える時に大事なのは、機械や技術に人間がひきずられてしまわないことだと思います。パソコンができて記録が楽になったと思ったら、その記録する作業にもっと時間を取られるようになったというような事態がそれです。
  しかし、今回取り上げた小型化・軽量化というのは、人間が楽になる方向性なので、どんどんやってほしいと思う次第です。  

  大容量の割に、小さすぎて紛失しそうなのが怖いですが・・・。

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2008.08.26(Tue)

裁判員制度と奴隷商人の醜悪なコラボレーション・・・かも 

パソナ、派遣社員に「裁判員休暇」 有給で最大5日
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20080826AT1D2400225082008.html
--------以下引用--------
 人材派遣大手のパソナグループは2009年から始まる裁判員制度で、派遣社員に有給の「裁判員休暇」を付与することを決めた。裁判員として活動する最大5日について、通常業務と同様の給与をパソナが負担して支給する。派遣社員が働きやすい環境を整え、人材の獲得につなげる。裁判員の特別休暇は金融・流通などで導入が進んでいるが、大手派遣会社では初めてという。

 1カ月以上の長期契約を結んでいる派遣社員が、契約期間中に「裁判員候補者」となった場合を対象とする。パソナグループの長期契約者は約4万3000人。同社の計算によると、裁判員候補者となる確率は毎年330―660人に1人。同社では年100人程度が該当する可能性があり影響が大きい、とみて導入を決めた。
--------引用以上--------



  アホか。



  そんな制度を導入するより、パソナのような派遣会社にはやるべきことがあるはずなのですが・・・。

与党PT「日雇い派遣禁止案」に関する派遣ユニオンの見解
http://mywork.jugem.jp/?day=20080703
--------以下引用--------
 7月1日、自民、公明両党の「新雇用対策に関するプロジェクトチーム(PT)」が日雇い派遣を原則禁止する案をまとめた。

 ①日雇い派遣については通訳など専門性の高い業務を除いて原則的に禁止
 ②派遣会社に手数料(マージン)の開示を義務化
 ③特定企業だけに労働者を派遣する「専ら派遣」についての規制強化

 ―などとしている。

 この内容では、具体的にどのような内容の規制になるのか、実効性があるのか不明である。今後、実効ある規制にまとめ上げていくことができるか、その内容が問われる。

 《専門業務以外の日雇い派遣禁止》
 例えば、「①専門業務を除いて日雇い派遣は原則禁止」としているが、「ワーキングプア」の温床となっている製造派遣や物流派遣などにおいて、日々雇用や、あるいは1ヶ月や3ヶ月以下の派遣を禁止しても、低賃金や不安定雇用、労働災害多発の問題は解消されない。
 物流を中心に広がる時給850円程度の低賃金は放置されたまま、日々雇用から1~3ヶ月の短期契約を反復更新する「細切れ契約」に切り替わるだけで、「契約満了」の一言で切り捨てられる雇用の調整弁であり続けることに変わりはない。
 極めて専門性の高い通訳などの業務や育休代替などを除いて、有期雇用契約を前提とする登録型派遣を禁止すべきであり常用型派遣(派遣会社と派遣労働者は期間の定めのない雇用契約)を原則とする制度に転換していくべきである。

 《マージンの開示を義務化》
 「②マージンの開示義務」については、派遣会社全体の1年間のマージン平均を開示するというようなおざなりな開示であれば、派遣労働者が自分の取られているマージンを知ることができず、意味がない。個々の派遣労働者に対して、個別契約の派遣料金とマージンを開示すべきである。
 また、マージンを4割取っても5割取っても適法であるという現行の派遣制度がワーキングプアを生み出しているのであるから、マージン率の上限規制を定めるべきである。

 《専ら派遣の規制強化》
 そもそも直接雇用が困難な場合にのみ例外的に派遣を認めるという派遣制度の趣旨からみて、子会社の派遣会社を経由して間接雇用する「専ら派遣」が脱法的であることは明白である。しかし、現行の「専ら派遣」規制に実効性がないため、「専ら派遣」は横行している。連結決算の対象となる派遣会社からの派遣を禁止するなど、実効ある「専ら派遣」の禁止を定めるべきである。

 《派遣労働者の権利保護》
 正社員との格差が拡大し、低賃金による生活苦を強いられ、5年先、10年先の将来が見えない不安定な働き方を強いられている派遣労働者が希望をもって働ける派遣制度にしていくためには、「登録型派遣の原則禁止」とあわせて、「みなし雇用」「均等待遇」など、派遣労働者の権利保護を定めるべきである。

 ①「みなし雇用」- 派遣法を逸脱(期間制限違反、事前面接、偽装請負等)して派遣労働者を受け入れた派遣先は派遣労働者を雇用しているものとみなす旨を定めるべきである。
 ②「均等待遇」- 同一の業務を行っている派遣先の労働者と同一の労働条件とすべきことを定めるべきである。
--------引用以上--------

>個々の派遣労働者に対して、個別契約の派遣料金とマージンを開示すべき

>マージン率の上限規制を定めるべき

  こういう部分を置き去りにして、裁判員制度もクソもないと思うのは私だけでしょうか?
  
  しかし、そういう怒りはさておき、ここであえてパソナが裁判員向けの有給休暇を認めたのはなぜだろうか、と考えてみます。

  裁判員制度というのは●無作為抽出型罰ゲームと同然の制度なのですが、一応日当をもらえます。そういう場合の休みに、なぜ派遣会社が、こんなに早いタイミングで、自分たちの損になるような施策を打ち出すのか。
  邪推ですが、裁判員制度を使えば、こういうこともできるようになります。

1.裁判員制度の対象となる事件を拡大する

  たとえば、現行の「重大な刑事犯罪」という部分を拡大解釈して、粗暴犯(暴行や傷害)まで含めることにします。粗暴犯は凶悪犯(殺人や放火)の7倍以上ありますから、裁判員の対象となる件数が一気に増えます。
  これと同時に、罰金を引き上げればなお効果的です。

2.当然業務に支障を来す職種が多くなる

  パソナが契約している派遣社員よりも、正社員の方により妥当する話です。
  タイミング良く、マスコミで識者だとかコメンテーターとかいう連中に、「せめて管理職ぐらいは除外しないと競争力を確保できない」などともっともらしいことを言わせます。

3.企業が裁判員資格のある正社員を取らなくなり、派遣社員への置き換えが進む

  これによって、管理する立場以外の正社員はほぼいなくなります。派遣社員もしくは外国人労働者への置き換えが一気に進むでしょう。そうすれば、裁判員で休まれても代わりを立てやすいからです。
  ここで、先ほど挙げた「管理職を裁判員候補から除外する」ことが法制化されます。
  もちろん、管理職は今までより一層激務になりますが、そんなことは知ったことではありません。今までのパターン通り、弱者同士が共食いをし始めるからです。
  たとえば、某巨大掲示板では「管理職のくせにえらそうなことを言うな」「罰ゲーム免除なんだから過労死寸前で当然だろ、JK」などという、管理職へのルサンチマン丸出しの書き込みが多数見受けられるようになるでしょう。まるで、郵政民営化の時に、掲示板やブログで郵便局員や特定郵便局長が叩かれたように。
  「分割して統治せよ」というのは、支配する側の鉄則なのです。
  
  もちろん、これは私の勝手な推測です。しかし、権力側とメディアと大企業が手を組めば、この程度の企みは簡単にできます。派遣会社は笑いが止まらないでしょう。暇さえあれば国際競争力とかグローバル化だとか叫んでいる輸出依存企業も、裁判員制度を理由にして正社員をお払い箱にできるわけですから、人件費の削減につながって大喜びです。困るのは、違う意味で「裁判所が身近になった」国民だけです。

  さらに、もう少し妄想をふくらませてみます。

4.裁判員のせいで裁判制度自体が行き詰まる

  対象となる事件が増えれば増えるほど、おかしな判決が増えてくることになるでしょう。また、今までプロがしきたりに則ってつつがなく行っていた(もちろん、批判すべき所もあるのだが)刑事手続きが、どんどん滞ることになります。
  しかし、そうなっても裁判員制度は廃止されないでしょう。法務省や最高裁事務局は裁判員制度のおかげで手に入れた巨額の予算を手放したくないでしょうし、さんざんPRしてきた手前、撤回すれば威信に傷が付くため、プライドがそれを許さないのです。

5.マスコミが「司法バッシング」を始める

  マスコミに「司法制度の混迷」「地に墜ちた裁判官の権威-待ったなしの裁判所カイカク」などというタイトルで、司法権叩きを行わせます。そのうち、「こんなに優遇されてる!裁判官の優雅な生活」とか、「この裁判所では裁判をするな!」などという風に、関係ない方向へどんどん話がそれていくでしょう。公務員についての報道はいつもそういう感じです。
  裁判官や裁判所書記官というのは、「愚民ども」(●こちらのブログで用いられている用語です)が大嫌いな公務員ですし、裁判員制度にはみんな嫌気が差している頃でしょうから、こういう記事はきっと大受けするはずです。
  ここまでくれば、もう徹底的に裁判所という存在は信用されなくなります。

6.裁判に代わる新たな紛争解決方法が促進される

  いわゆるADR(裁判外紛争解決手続き)というやつです。便利なことに、今は●裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律というものがあって、民間事業者
弁護士以外の専門家でも和解などの仲介業務をできるようになっています。
  どうせ裁判所に任せてもろくな事にならないから、と、ADRを利用する人は増えるでしょう。マスコミも、「裁判所より役に立つ!使える民間ADR」などという特集を組んで、そういう流れを後押しするに違いありません。

  こうすると、一番得をするのは誰でしょうか?ADRを商売にしている連中、簡単に言えば、外国弁護士事務所です。

  なに?想像でものを言うなって?

  バカを言っちゃあいけません。外国弁護士事務所の親玉が、しっかりこういう要望を日本国政府にしています。

日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく
日本国政府への米国政府要望書(2007年版)

http://tokyo.usembassy.gov/pdfs/wwwfj-20071018-regref.pdf

>司法制度改革の達成:外弁による専門職法人および支所の設置を認める。日本の
>弁護士が国際的な法務パートナーシップと自由に提携することを認める。
>外弁の最低資格要件を改正する。仲裁および裁判外紛争解決を促進する。
  
  パソナの株主構成も、見てみると面白いです。

http://www.pasonagroup.co.jp/ir/info/stockinfo.html
--------以下引用--------
主な大株主

南部靖之 147,632株 (33.99%)
ステートストリートバンクアンドトラストカンパニー 42,462株 (9.77%)
株式会社南部エンタープライズ 35,688株 (8.22%)
株式会社日興コーディアルグループ 33,330株 (7.67%)
大和生命保険株式会社 9,918株 (2.28%)
南部栄三郎 9,000株 (2.07%)
メロンバンク エヌエー アズ エージェント フォーイッツ
クライアント メロンオムニバス ユーエスペンション 7,072株 (1.63%)

日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口) 5,125株 (1.18%)
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 4,484株 (1.03%)
パソナ従業員持株会 3,721株 (0.86%)
--------引用以上--------

  きちんと外資が入り込んでいます(日興コーディアルは米シティグループの完全子会社)。単独で株主提案も可能ですし、委任状をちょっと取ってくれば、役員の解任動議も通せるくらいの数です。●グッドウィルの場合はもっと露骨で、全体の4分の1が外資の株主です。
  こういう連中が、派遣会社の利益拡大を誘い水にして他の大株主を動かし、本国の利益を図るべく動いている可能性もあるということです。

  家族や同僚のうちの誰かが日常的に裁判員として裁判に参加し、管理職はいつも睡眠不足で血眼、そのほかの従業員はいつ切られるか分からない派遣社員ばかり。ストレスが高じて会社の外でもめ事を起こしたり、酒やギャンブルのために借金をこさえたりしたら、警察署に常駐しているADR業者が群れをなして勧誘にやってくる・・・。
  こんな未来図が、妄想であることを祈りたいです。では、最後に一言。


  裁判員制度絶対反対!!(笑)


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EDIT  |  23:08 |  経済とグローバリゼーション  | TB(1)  | CM(10) | Top↑
2008.08.25(Mon)

財務省は「罪」務省だ!!(笑) 

  つい最近まで「(実質)GDPが拡大し続けており、景気は拡大している」などと言っていた福田内閣も、最近ようやく「景気対策」に乗り出したということは、新聞・テレビ等で報じられているので、みなさんもよくご存じと思います。

『15カ月予算』で下支え 景気対策 規模・財源最終調整へ
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2008082302000119.html
--------以下引用--------
 福田康夫首相と与謝野馨経済財政担当相、伊吹文明財務相らは二十二日、月内にまとめる経済対策を受け、二〇〇八年度補正予算を次の臨時国会に提出することを確認した。来年度予算と一体化し、切れ目のない「十五カ月予算」で後退局面入りした景気を下支えするのが狙いだ。政府・与党は週明けから最終調整に入り、補正予算の焦点である財政規模と財源論議もヤマ場を迎える。 (東条仁史)

 「〇八年度予算の前倒し執行から〇九年度予算につながるものであるから、経済対策が補正予算だけで行われることではない」。伊吹財務相は同日の閣議後会見で、予算の一体化を想定していることを明らかにした。

 景気対策を含む補正予算と、翌年度予算を一体とみなして編成した場合に「十五カ月予算」などと呼ぶ。過去にも、政府の景気重視の姿勢をアピールするためにこの表現が使われた。

 九九年一月の小渕恵三政権下では、当時の宮沢喜一蔵相が、財政演説で「九九年度予算は九八年度補正予算と一体的にとらえる十五カ月の考えで、景気回復に全力を尽くす」と表明している。

 政府は今回、中小・零細企業の資金繰り支援、高速道路料金の見直しなど、〇九年度予算と一体化して一定規模の事業量は確保しつつ、補正は緊急的な項目に抑えたい考えだ。しかし、与党は衆院選対策として「兆円単位」の補正を求める。

 自民党の園田博之政調会長代理は、二十一日の民放CS番組で、補正予算の財源に関して「新たに国債発行することも否定できない」と述べた。

 これに対し、与謝野経財相は二十二日の閣議後会見で、景気対策と財政規律の整合性について「どっちかを取るのではなく両方少しずつ取る。それはぎりぎりの政治判断だ」と述べ、赤字国債の発行に含みを持たせた。

 ただ、与党の求めに応じて多額の国債を発行しても、景気拡大の即効薬となる可能性は低い。逆に、財政再建の道が遠のくことで、国民から反発を受けるのは必至だ。財務省内からは「今回の経済対策、補正には政治的思惑が色濃く絡む。こちらで判断できる余地は少ない」(幹部)との嘆きも聞かれる。
--------引用以上--------

  後退局面も何も、日本の景気はずっと後退しっぱなしです。平均給与が9年続けて減少しているというだけで、ジリ貧だと断言しても構わないくらいです。

  自民党の麻生幹事長は、いわゆるカイカク派よりはまだまともな感覚の持ち主なので(一時は小泉批判も行い、総裁選でプロパガンダに潰された)、いい加減地方を食わせなければ選挙で勝てないことが分かってきたのでしょう。
  これは、「遅すぎ」「しょぼ過ぎ」という批判は免れないにしても、悪い方向性ではありません。

  しかし、この内閣に「おためごかし」以上の景気対策が採れるかというと、私には大いに疑問です。
  上の記事にも登場していますが、「獅子身中の虫」が大量に入り込んでいるからです。

>与謝野経財相

  自民党の中の「増税派」と言われる一派の急先鋒です。消費税を10%に上げて財政再建しろと、ことあるごとに発言している政治家です。
  そのくせ、近年ずっと引き下げが続いている法人税については何も言わないわけですから、与謝野は庶民の敵だと言っても構わないでしょう。
  もっとも、私はこの政治家も、国民にわかりやすいわら人形の一つに過ぎないと思っています。悪の牙城(笑)はこいつらです。

>財務省内からは「今回の経済対策、補正には政治的思惑が色濃く絡む。
>こちらで判断できる余地は少ない」(幹部)との嘆きも聞かれる。


  この部分を見て、「出たな!!」と思わず叫んでしまいました。

  何の利益もない2011年までのプラマリーバランス(国家の基礎収支)の黒字化を主張!
  消費税率の引き上げを一貫して主張!
  そのくせ、70年代から一貫して赤字国債を連発し続けてきた実績!


  これらの省庁の中の省庁、国家一種公務員のトップエリートくんたちが集う財務省の華麗なる実績です。そのエリートくんの一人が、景気対策を「政治家の票目当てのバラマキじゃねーか」などと、生意気なことをぬかしているわけです。

  みなさん、不思議なことに気づきませんか?テレビや新聞に出ている「公務員ダメダメ論者」や「カイカク派」の言うことを聞いていると、不思議とこの財務省の存在はスルーしているということに。
  国家財政が危機だと喧伝されている中、この財務省がやらかしている「悪行」はほとんど批判に上がっていません。なぜそういうことが起こるのでしょうか。

  ところで、以前財務省に電話して尋ねたことがあるのですが、財務省では毎年20人くらいが海外の大学院に留学しているそうです(もちろん全額税金)。全省庁で毎年80人弱ですから、かなりの割合です。後で出てくる溝口元財務官みたいに、のちのち国際機関で働くような官僚は、ほぼ例外なく留学経験があり、しかもその留学先はほとんどがアメリカです。
  目的はどうも「業務に必要な国際感覚を養う」ことらしいです。
  その国際感覚とやらが、いかに発揮されているか、以下いくつか触れてみたいと思います。

日本政府の巨額為替介入
http://www.carlos.or.tv/today_jp/ignite_inflation.html
--------以下引用--------
2003年の米国債保有残高の純増額のうち、日本が買い増した額が全体の44.3%の1671億ドル(約17兆5500億円)に達したことが米財務省(U.S. Department of the Treasury)の調べでわかった。多額の円売り・ドル買い介入を実施した日本が米国債を買い支えた形。

同年の純増額のうち日本を含めた海外全体の比率も77.5%に上り、米国債購入の海外依存を懸念する声が米国内で強まる可能性がある。

2002年の純増額に占める比率は日本が13%、海外全体が42.9%にとどまっており、2003年はそれぞれ大幅に拡大した。米財務省によると、海外が保有する03年末の米国債残高は1兆5311億ドル。
2002年末比で23.6%増え、残高全体に占める海外の比率も02年末の19%強から23%弱に高まった。

日本の2003年末の残高は2002年末に比べ44.2%増加。全体の残高に占める比率も8%と、02年末の5.9%から上昇した。円高に対応して日本政府が2003年中に20兆円もの円売り・ドル買い介入を実施したのが急増の理由。
--------引用以上--------

  これは為替介入のほんの一例です。小泉政権の5年間で、財務省は実に55兆円もの為替介入を行い、そのほとんどがアメリカ国債に化けています。この為替介入では、溝口善兵衛という財務官が責任者になり、外国から「ミスター・ドル」と言われるほどの大活躍を見せました。
  この溝口善兵衛って誰だ?と思われた方も多いのではないでしょうか。実は彼は、現役の島根県知事です。
  その溝口の経歴が興味深いです。1968年に大蔵省に入省した後、平役人の期間を経て「国際金融局調査課補佐」という役職に就いています。当然、アメリカ留学経験があります。
  その後、世界銀行の理事代理も務めています。以前にも言及しましたが、世界銀行(国際復興開発銀行)の総裁は、なぜかアメリカ人が務めるのが慣例です。要するに、「そういう」組織だということです。

  さらに、●こちらのリンクを見てみましょう。

--------以下引用--------
  最後に残ったのは高騰し続ける土地の問題でした。企業が借りて行くお金がどんどん増えてゆきまして、銀行が段々処理しきれなくなってきたのです。そこで大蔵省はいよいよ地価を押さえるべき時がきたなと考えまして、平成元年12月に『土地基本法』を国会に通して成立させ、翌年の4月にはさっそく『土地基本法第二条』の「土地を投機目的で売買してはならない」というのを根拠として、銀行の貸し出しに制限を設けました。これが問題の『総量規制』です。要するにバブルの間はの金融政策に基づいて、銀行も垂れ流すようにお金を貸し出していたのですが、いよいよバブルの限界が見えてきたところで、大蔵省が通達を出して一気に金融の引き締めをはかったのです。

  つまり大蔵省は『総量規制』でバブルにストップをかけたのですが、これはあまりに急ブレーキすぎました。つまり銀行の資金が止まってしまい、誰もお金が借りられなくなってしまいました。すると土地を持っている人がこれを売ろうとしても、買い手がいなくなってしまったのです。売れないから土地の値段は下がりはじめました。それでも売れない。売れないうちに借金の利子もかさんで来る。これが株暴落のきっかけとなったのです。高く買った土地を安く手放すしかなくなってしまいました。これが負債です。借り手がこの有り様なのですから銀行が借金を取りたてようと思っても、取りたてるものが有りません。じゃあ担保を没収するか、といっても担保も暴落してしまっていますから、それに見合うだけの価値がない。そういうわけで銀行は大量の『不良債権』を抱え込んでしまいました。

  株価をご覧になればわかることと思いますが、大蔵省がブレーキ加減を誤ってしまったために、金融も証券も不動産も保険も皆ひっくり返ってしまいました。では肝心の財政再建はどうなったのかと申しますと、結局バブルの崩壊が平成不況を招こととなり、ますます悪化してしまいました。以上がバブルの本筋です。
--------引用以上--------

  要するに、日本経済が転落し始めた「バブル崩壊」とその後の「平成不況」を引き起こしたのは、大蔵省の政策判断ミスだったということです。もっとも、当の官僚に言わせると、「宮沢喜一(当時首相)や橋下龍太郎(当時蔵相)がうるさく言うから仕方なくやった」ということらしいです。  
  さらに、こういう話もあります。

「財投国債」を廃止すれば郵政民営化はいらなくなる
http://blog.livedoor.jp/zackyamazaki/archives/25961113.html
--------以下引用--------
  財務省は財政投融資の改革は終わったと言います。本当とは思えません。かつては郵貯、簡保、年金から財務省がお金を借りて特殊法人に貸し付けていました。
  いまは「財投債」という名の国債(以下「財投国債」)を財務省が発行し、そうして得たお金を担当の財務省理財局がいまも特殊法人等に貸しているのです。「財投国債」の昨年度(注:2004年)の発行実績額はなんと41兆円、この国の税収すべてに及ぶ額です。国債発行枠30兆円といって騒いだ「新規財源国債」を上回る大きなお金が財務省によって集められ、今も特殊法人等に貸し付けられているのです。
  名前が「財投債」というので、特殊法人の金集めのための国債であることはあまり知られていません。極力触れられたくない部分のようです。しかし、総税収に等しい大きなお金が今でも毎年財務省から特殊法人に流れているのは紛れもない事実です。
  だから、郵政を民営化しても、この「財投国債」をやめないかぎり特殊法人へのお金の流れはなくなりません。しかも、銀行や保険会社から個人にまで財務省は「財投国債」を売っています。官から民どころか、「民から官」へのお金の流れは普遍なのです。
  ということは、「財投国債」を廃止して、財務省が特殊法人に貸すのをやめて、それぞれの特殊法人が自分の信用力に応じて自ら借金をする形にすれば、まさに小泉さんがマニフェストにのべたような財政投融資の抜本改革になり、特殊法人への税金の垂れ流しが終わるのです。
--------引用以上--------

  確かに、2001年の制度改革で、財政投融資は財務省への預託は行われなくなっています。しかし、「市場原理にのっとってるから大丈夫だよ」とヘラヘラ笑いながら、特殊法人にカネを流し続けている連中がいるわけです。
  自分だけは家の外で飲む打つ買うに派手な散財をしているのに、家に帰ると家族に倹約を強いるお父さんがいたらどう思いますか?財務省というのは、そういう連中なのです。
  財務官僚がアメリカ留学した成果が、いかんなく発揮されているということもできそうです。財務省が意味不明の政策を採り続ける限り、日本は二度とアメリカを脅かす経済大国はならないわけですから・・・。

  そして、その財務省の所行にはなにも文句はつけず、「郵政民営化すれば全て解決」と叫んで選挙を戦ったのが小泉純一郎であり、それを受け継いで「財政均衡だ、移民を入れて労働力確保だ」などと叫んでいるのが、今の自民党の主力である「清和会(町村派)」なわけです。
  その清和会の連中が、定期的に、北朝鮮だとか、ヤスクニだとか、公務員カイカクだとか、人権擁護法案だとかいう騒ぎを起こしているのは、財務省の現在進行形の売国行為を見えにくくするためであり、その後ろ盾はアメリカである・・・考えすぎでしょうか?

  このブログをご覧になった、カイカク信仰で脳みそをやられていない普通の日本国民の方には、以下の事柄を是非知っておいていただくといいでしょう。

★財務省が文句をつけたら、その政治家がしていることは基本的に正しい(逆も言える)

  今回の政府の景気対策は、方向性としては正しいということです。  

★財務省の国民向けPRのほとんどは「脅迫」である
  
  自分たちの「財政均衡」という信仰(笑)を実現するに行うものです。今はHP掲載を停止していますが、●借金時計というやつがそれです。
  この掲載停止も、あとあとの批判を免れるための布石でしょう。掲載を停止しても、財務省の言っていることを真に受けているアホが、●こういう感じで日本各地で「布教」を行っているので、問題ないということです。

★その脅迫手法は「カルト宗教」と酷似している

  カルト宗教は「この壺を買わないと地獄に堕ちる」とか「選挙で○○党に入れないと極楽浄土に行けない」とかいう感じで、真面目な人から金品を巻き上げたり、変な活動に駆り立てたりしているわけですが、「財政均衡させないと日本が滅ぶ」などというのもそれと同じ構造を持っています。つまり、彼らの言い分を受け入れるか、破滅か、という二者択一を迫るという点で、カルト宗教と財務省の論理はよく似ているということです。 
  もっとも、最近は、「社会保険庁を解体しないと年金がもらえなくなる」とか「少子化がこのまま進めば移民を入れざるを得なくなる」という形で、どこぞのバカ政党までこのような手法を用いています。やっぱり、●その政党の主流派や首相経験者が、カルト宗教と結びつきが強いからでしょうかねぇ・・・(笑)。

★マスコミが財務省を叩かないのは、バックにいるアメリカが怖いから

  アメリカにとって、財務省は宿敵・日本をデフレに追い込んでくれる上に、為替介入で米国債を購入してくれるありがたい味方です。そんなアメリカの忠実な家来を、日本のヘタレマスコミがたたけるわけがありません。当初あれだけ騒いでいた●居酒屋タクシーとかいうネタも、一番恩恵を受けていたのが財務省だと分かると、知らないうちに立ち消えになっていました。
  財務省の不祥事があまり報道されないのは、不祥事が多い真面目な人の集まりだから、というわけではないということです。まあ、●こういう悪質な事件もやっているわけですが、こういう下っ端の愚行より、財務省全体で行っている年数十兆円のムダのほうがよほど犯罪でしょう。

  省庁カイカクを今度やる時があったら、是非財務省には「罪」務省と名付けてほしいくらいです(笑)。

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2008.08.23(Sat)

派遣労働者の労災を「自己責任だ」とぬかすバカを撃退する方法(2)  

  ●前回の記事の続きです。
  少しおさらいをしてとおきます。派遣労働者やフリーターの不遇を「自己責任だ」と一刀両断する自己責任カルト信者に対しては、説得して考えを変えさせようと思わず、彼らが大前提にしている「やればできるのに努力しないのが悪い」という論理を逆手にとって攻めることが大切です。

  そうそう、あと一つ断っておきたいことがあります。

  このような「自己責任カルト撃退法」を私がわざわざブログで書いている目的は何なのかというと、
自己責任だの自助努力だのという言葉を出されると、「そう言われるとたしかに・・・」と、なんとなく流されてしまう人たちに、自己責任カルトがいかに非常識で冷たい人間かを理解してもらうことです。自己責任で全て割り切れるほど単純な世の中ではないのに、そういう論理で片付ける人間の荒唐無稽さを知ってもらうためだということもできます。
  そういうわけで、私は宗教戦争には参加するほど暇ではないので、自己責任カルトを「論破」するつもりなど毛頭ありません。キリスト教徒に「キリストが死んでから復活したなんて嘘に決まってるだろ」などと、科学的な論拠を突きつけて論理的に説得しても、彼らが信仰を捨てるわけがないのと同じです。
  彼ら彼女らがどうしてそこまで自己責任や自助努力を声高に唱える(割に大した努力をしているように見えない)ようになったのか、その人格形成過程には興味がありますが、それは私の仕事ではなく、心理学者や精神科医の仕事でしょう。それに、そういう人たちが人生を棒に振ったら、それこそ「自己責任」ですから、私の知ったことではありません(笑)。
  
  では、前回の話に戻って、もし自己責任カルト信者が、「あなたの言う努力というのは、誰にでもできる努力のことを言うのか?」という問いに対して、「そうではない。できる人間とできない人間がいる」と、開き直ったらどうすべきでしょうか。

  そうなったら、もう攻めどころは一つです。「初めから努力できない人間を非難するのは間違っているのではないか?」と尋ねるのです。蟹に前に歩けと命令してもできるわけがありません。鶏に空を飛べと言っても無理です。そういうことを要求するのは、矛盾しているのではないか、ということです。ここは、蟹や鶏の具体例を出してもいいかもしれません。
  うまく行けば、ここで完全に返答につまるか、キレてしまって訳の分からないことを言い出すかどちらかです(そのキレる典型的なパターンへの対処法は最後にまとめます)。

  なんとかカルト信者が答えをひねり出したとしても、もうパターンは二つしかありません。

  一つは、まずいことを言ってしまったので微調整してくる場合です。「その人間にできる努力をすればいいのに、しないのは良くないことだ」という風な感じです。
  カルト信者というのは、こういう風に、自分にとって都合良く言葉を弄んで、自分の信仰(=非正規雇用は低劣な人間のすることであるという信念)を守ろうとする傾向があります。そういう場合の攻めどころは一つです。「できる努力をしていないという事実を、当事者でもないあなたがなぜわかるのだ?」ときいてみるのです。「あなたは何でも知ってる神様なのか?」とか言っても良いかもしれません。
  もしここで、「俺の知っている××は、こんなに努力していない」などと言い始めたら、まともにきく必要はありません。「××さんが努力していなかったら、派遣がみんな努力していないことになるんですか?」と言えばいいのです。
  個別事例を一般化するというのは、言葉を使う上で一番やってはいけないことです。「それを言っちゃあおしまいよ」という世界です。まあ、そういうことを分からずに、何でもかんでも抽象化してしまうような単純な脳みそだから、バカの一つ覚えみたいに自己責任だの自助努力だの口にするのでしょうが・・・。

  もう一つは、完全に開き直るパターンです。2ちゃんねるやブログのコメント欄では結構出てくるやつです。つまり、「能力がない人間をバカにして何が悪い?」という言い方です。
  こういうことを(たとえ親しい人間であっても)人前で口にしてしまうという時点で、もう人間としてかなりダメな部類に入ることは間違いありません。第三者が見たら、確実に「引く」でしょう。そういう状態に持ち込めさえすればいいということです。
  老婆心ながら忠告しますが、「へえ、そうなの?あなたはとてもそういう能力があるようには見えないけど」とか言ってはいけませんよ!(笑)

  最後に、自己責任カルト信者があなたに対して「キレて」きたらどう対処すべきかを知っておいてください。
  バカの一つ覚えで自己責任を口にしている人間は、ものをよく考えていないか、社会経験が足りないか、傲慢な人間か、どれか一つですから、質問で攻められることに慣れていません。だから、質問してくる人間に対して、突然反撃しようとします。
  その典型が、逆質問です。安倍晋三・前首相が新聞やテレビの記者によくやっていました。そういう連中もよく考えないで上から言われた通りの質問しかしていませんから、この戦法は結構効果があったらしいです。私も、「えーっと」とか、どもっている記者の姿を、動画で見たことがあります。当たり前ですが、みなさんはそういうバカ同士のコントに参加する必要はありません。

  自己責任カルト信者がしてくる逆質問は、だいたい以下の二つです。

  まず、「じゃあ、おまえはどういう風に考えているんだよ?」という風に、質問者に意見を言わせようとする逆質問です。
  慣れていない人は、だいたいこれを真に受けてしまって、自分なりの努力の定義だとか、社会全体の調和のこととか、持論を喋りはじめてしまいます。最悪のパターンです。今度は自分が受ける側に回ってしまい、向こうのペースになってしまいます。
  これに対する上手な対処法は、「あなたが自己責任という言葉を言い出して、私はその意味が分からないのだから、ちゃんと教えてほしい」と返すことです。あくまで下手にです。こんなところで居丈高になっても、冷静さを失うだけで得るものは何もありません。
  
  もう一つは、「努力なんてしない方がいいって思ってるのか?」とか「おまえは真面目に働こうとしない人間の肩を持って何がしたいんだ?」などと論点をずらしてくる逆質問です。
  こういう問いが返ってくる自体、質問を真面目に受け取っていない(もしくは、受け取る知力がない)証拠だと思いますが、匿名のネット空間では気が大きくなってそういう態度に出てしまうバカがいるようです(たとえば、●こちらのブログ記事を参照)。
  これも、まともに受けてはいけません。向こうは自分のメンツや信仰を守るために苦し紛れでものを言っているわけで、基本的に何も考えていません。その質問にまともに答えても、また論点をずらして延々と相手が根負けするまでくだらない営みを続けるだけです。そうやって相手を呆れさせるのを「論破」とか言って勝ち誇っている人間がいたりするのですから、救いようがありません。
  そういう相手には、あくまで「もう一度ききますよ、その努力というのは、誰にでもできる努力ですか?」とか、質問し直すしかありません。くれぐれも、バカに付き合うバカになってはいけません。  

  ここまでご覧頂ければお分かりだと思いますが、自己責任カルトというのは、一人で勝手に喋っていい場面や、何でもウンウン頷いてくれる聞き手がいる場合(テレビ番組はほとんどがそう)にしか通用しない脆弱な論理なのです。人間社会の複雑な状況を一言で片付けようとするわけですから、どこかで無理が出てくるのは当然です。
  そんな論理に心を奪われずに、なるべく多くの人間が不幸にならずに済む方法は何か?と考えていくことが我々がなすべき第一のことです。
  もっとも、それも楽なことではありませんから、みなさん、特に若い方々には、せめて自己責任という言葉をむやみに使う人間にはならないでもらいたいと思います。人間は一人として同じ人はいませんし、不幸な状況に陥ったとしても、何かその人なりの事情があったのかもしれません。みなさんには、そこに思いを馳せる人であってほしいと願っています。
  くれぐれも、自己責任カルトを悪用する一部の人間や、その手助けをしているメディアのばらまく嘘に乗っかって、弱者同士の共食いをしないように。同じく、一人の弱者に過ぎない私からのお願いです。

  次回は、北陸旅行記の続きを書きます。

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2008.08.21(Thu)

派遣労働者の労災を「自己責任だ」とぬかすバカを撃退する方法(1) 

派遣の労災、3年で9倍=昨年5885人-厚労省まとめ 
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008082102477
--------以下引用--------
厚生労働省が21日までにまとめた調査によると、2007年に労災被害にあった派遣労働者の数は5885人と、製造業への派遣が解禁された04年(667人)の約9倍に膨らんでいることが分かった。派遣元企業からの報告を集計した。派遣を活用する企業が増える一方で、経験の浅い派遣労働者が十分な安全教育を受けないまま、危険業務に従事している実態が浮き彫りになった。
--------引用以上--------

>製造業への派遣が解禁された04年

  ●こちらのリンクにその概要が出ています。

>日々変動する業務量に応じ、労働力需要に迅速・的確に対応することへの
>ニーズがより一層高まっていることなどから、派遣法が改正され、

  要するに、「仕事が少ない時に人間を雇いたくない。都合のいい労働力がほしい」という要求をしている連中がいるということです。言うまでもなく企業です。
  もっとも、企業は利潤を追求するのが目的であるわけですから、ある意味当然のことを要求しているまでとも言えるでしょう。
  そういう場合、誰が一体歯止めを掛けるのか?行政や公権力以外にはありえません。公的な機関であれば、利潤の追求とは違う目的(労働者の安全の保護、大きく言えば社会全体の公平な発展)を追及することができます。その公的機関が、企業の論理にすり寄ってしまっては、どんどんおかしなことになってくるのは当然です。
  
  こういうことを言うと、すぐにムキになっていいかえしてくる人間がいます。

  「派遣労働者などという不安定な労働をしているのがかわいそうだって?そんな仕事についた本人が悪いんじゃないか?」

  「派遣に甘んじているのは、努力が足りないからだ!」


  とかいう感じです。

  まあ、少し前に私が述べた「企業には利潤追求という目的しかない」という原理をきちんと理解して、あとはまともな想像力があれば、こんなことは言い出さないはずなのですが、こういう「自己責任」の話を持ち出されて、うまく反論できなかった人も多いのではないでしょうか?

  そこで、この「自己責任カルト」「自助努力真理教」の信者をどう撃退するか考えてみたいと思います。
  なお、●「ネオリベくん撃退法」同様、ベータ版ですので、みなさんのご意見をいただいてさらに改善していきたいと思っています。

  まず、絶対に気をつけてもらいたいことは、「自己責任カルト」の信者を一発でノックアウトしようなどと考えないことです。
  ネオリベくんのところでも述べましたが、国際競争力だのグローバル化だのという言葉がマスコミで喧伝されているのは、なんとなく分かったつもりになるような言葉だからです。「競争しなくちゃ乗り遅れる」「世界の流れについていけなくなる」というイメージを与えるからです。裏を返せば、それだけイメージを与える力が強いと言うことになり、それを一発で覆すのは難しいからです(できたとしても、それもそれでまた一つの「強弁」でしかない)。
  
  だから、まず相手に尋ねてみることです。「その自己責任というのは、要するにどういうことなんだろう?よく分からないから、教えてほしい(←相手を興奮させないためにはこういう切り出し方が大事)」と、質問するのです。
  そうすると、おそらく相手は「安定した職業についている人はたくさんいるのに、そういう仕事を探そうとしない、必要なスキルを身につけようと努力しないのが悪いということを言ってくるはずです。
  まあ、言ってみれば、「成績が伸びないのは勉強しないからだ」という、言い古されたフレーズと同じ論理です。受験勉強では、こういう論理が結構力を持っています。ただ単に問題さえ解ければいいという、単純な世界だからです。
  その単純な世界と、現実社会のような変数が多く複雑なシステムを同視している時点でもうアウトなのですが、それを言ったら「激怒」させることはできても、「撃退」にはなりません。憲法9条真理教信者とこの辺は同じで、感情的な言い合いに持ち込まれたら、宗教的情熱がある向こうに分があります。
  では、どうするのかというと、ここでもまた一つ質問をしてみるわけです。

  「その努力というのは、誰にでも出来るのか?」

  この質問は重要です。これに対してどう答えるかで、攻め方が変わってくるからです。

  まず、自己実現カルト信者が上記の質問に、「その通りだ」と応えた場合です。
  多くの場合、この答えが返ってくるでしょう。誰にでもできそうだからこそ、その努力をしないことが非難に値すると彼らは考えているはずです。
  そうしたら、次の質問はこれです。

  「では、今の日本で、比較的安定している『正規雇用』に就いている人間がどれくらいいるか知ってるのか?」

  そういうことをきちんと知ろうとしている人間なら、自己実現カルトを信仰するはずがありませんから、答えられないでしょう。答えは約65%です。つまり、35%の人間が非正規雇用に就かざるを得ない形になっています。これを使って最後の仕上げです。

  「全員が努力をしても20人中7人は必ずはじき出されることになるのだが、努力しようと必ずはじき出されることになる人たちを非難するのは間違いではないか?」

  「正規雇用の人間を追い越すくらいの努力をすればいいんだ!」などと言ってきたら、「そういう努力は、あなたが言っている誰にでもできる努力というやつなのか?」と切り返せば済むだけの話です。自分で努力は誰にでも出来ると認めた以上、それを撤回すれば相手は間違いを認めたことになります。
  自己責任カルトの信仰(笑)を支えているのは、「やればできるのに、やらないのが悪い」という論理です。その「やればできる」という部分を徹底的に突くのが賢い戦術です。くれぐれも論理で相手を説得しようと思ってはダメです。質問攻めが基本です。そもそも、相手はカルト信者なのですから、立場の違う人間の理屈を理解する気などさらさらないのです。
  
  すみません。まだ続くのですが、明日は仕事が早いので、このくらいにしておきます。次回も引き続きこの話題を扱います。

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2008.08.20(Wed)

外交=弾丸の飛ばない戦争 

米・ポーランド、ミサイル防衛配備調印 ロシアと対立激化も
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080820AT2M2002O20082008.html
--------以下引用--------
 米国とポーランドはワルシャワで20日、米ミサイル防衛(MD)施設の配備に関する合意文書に調印した。米国は中欧に2012年をメドにMDシステムを配備、米欧をイランなどの弾道弾の脅威から守る体制を築く。グルジア紛争の最中の合意発表は「自国を念頭に置いている」として反発するロシアを刺激し、米ロ対立が激しくなる可能性もある。

 米国は先月、チェコとも合意済み。米国はMD計画推進によって欧州での軍事的優位を築き、ロシアをけん制する狙いがある。今後、中・東欧、中央アジアを巡る米ロの軍事・経済面での勢力圏争いが激化するとみられる。

 ワルシャワの調印式典に参加したライス米国務長官は調印後、「MDシステムでイランや北朝鮮からの長距離弾道弾という21世紀型の脅威に対応できる」と語った。米国はポーランド北部に迎撃ミサイル10基を配備、レーダー基地を設置するチェコとの一体運用により、12年前後の稼働を目指す。
--------引用以上--------

  このブログで、●こういった記事をご覧になっている方や、地政学という方程式を使って様々なニュースの意味を読み取ろうとされている方にとっては、予定通りといったところでしょうね。
  何度も述べていることですが、ロシアの戦略は、自国の豊富なエネルギー資源と、それを常時デリバリーできるパイプラインというインフラをテコにして、ヨーロッパを支配することです。
  その主目的は欧州最大の工業国、ドイツのエネルギー支配であり、それを支えるためには入口に当たる東欧を攻め落とすことが必要です。コソボ独立への反対表明、ウクライナへとの天然ガスパイプラインを巡る対立といったロシアの立場は、全てこのことから説明できます。
  そうはさせまいと動いているのがアメリカとイギリスです。この二カ国はヨーロッパの外側にいるため、強大な勢力がユーラシアを統一してしまえば、物的人的交流の蚊帳の外に置かれてしまいます。たとえば、スエズ運河を経由しない貿易や、中東に依存しない石油取引などされてしまえば、海運や石油産業を支配している米英はあがったりというわけです。
  だからこそ、ナポレオンのフランス帝国、ナチスドイツ、そしてソ連といった勢力と戦ってきたわけです。別に、民主主義がなんだとか、資本主義がどうとか、そういう表面的な対立ではありません。(もちろん、米英=シーパワー、ロシア=ランドパワーという風に単純に割り切ることも正解とはいえない)。
  今回のニュースの大きな意味は、モスクワからベルリンまでの最短距離上にある(それゆえ、歴史的に列強の大軍に踏み荒らされてきた)ポーランドが、アメリカの庭であるということをはっきりと世界に示したことにあります。失業率が18%前後と少々高いのが気になりますが、GDPも年3~5%の幅で成長しています。
  そうなると、ロシアとしては、しばらくこのルートで勝つことは難しいでしょう。欧州通常戦力条約の破棄をちらつかせながら、別のルートを探るかもしれません。

  もちろん、ポーランドとしてもこれを期に、アメリカからのさらなる経済援助や資金供給を要求することでしょうでしょうし、そうすべきです。ポーランドがロシアに道を譲れば、ドイツとロシアがエネルギーで結びつき、米英はヨーロッパにとりつく島がなくなります。そうとなれば、アメリカを激怒させない程度に見返りは要求すべきなのです。
  まあ、だからといって、あっという間にロシアの戦車部隊に蹂躙される場所にあるポーランドに投資した方がいい、などとは口が裂けても言えませんが・・・(笑)。

  地政学的に重要な位置にあるということは、そこを敵に渡せば橋頭堡を失うことを意味するわけですから、同盟国も死ぬ気で交渉に来ています。この世界では、剣を切り結ぶのも、手を取り合うのも、差し違え覚悟の勝負なのです。
  そんな中で、「国益」(こういう馬鹿右翼や自称保守が好む言葉を安易に使いたくはないのだが・・・)を最大限に図るには、大国に場所を貸す側も、死ぬ気で交渉しなければダメです。外交が弾の飛ばない戦争だと言われるのは、それゆえです。

  そういう意味では、政治だけでなく、経済の方でも「仁義なき戦い」が勃発することがあります。

米ハネウエル、日本メーカー4社を提訴 「特許を侵害」
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080820AT2M2001320082008.html
--------以下引用--------
 米航空電子機器大手のハネウエル・インターナショナルは19日、自動車用のマルチメディアディスプレーやカーナビゲーションシステム関連の特許を侵害しているとしてアルパイン、デンソー、パイオニア、ケンウッドの日本メーカー4社とそれぞれの米国子会社を米国際貿易委員会(ITC)に提訴した。ITCは調査に着手するかどうかを今後検討する。
--------引用以上--------

  このハネウェル(実際はハニーウェルという方が発音的に正しいのだろうが)という企業は、以前に●日本企業のミノルタとオートフォーカス技術を巡っても争った事がある企業です。ハネウェルは、アメリカに残った数少ない製造業である軍需産業を担っている会社でもあります。ここが屈服するということは、アメリカの軍需産業が浸食されることに他なりません。
  日本としては、ただ自分たちの磨き抜いた技術を世に放っているだけだと思うのですが、向こうはそうは思っていないということです。どのような手段に訴えても、自分たちの優位性を渡さないということは、生き残るための当然の選択でしょう。
  日本としても、アメリカ企業の卑しいやり口を非難するだけでなく、どこかでしっぺ返しを食らわせる気概を持つことが重要です。
  そんなことをしたらアメリカの怒りを買う?逆です。怒りを買うことを覚悟して戦わないから、いつまでも嘗められるのです。
  ことに、外交と戦争に関しては、日本の常識は全く通用しないと思って行動した方がいいでしょう。筋を通すことではなく、勝つことが重要なのです。そういう世界なのですから、仕方がありません。
  いつか、日本的な共存共栄の思想が世界中に広まり、争いの少ない安定した世界になってほしいとは思っていますが、その日がいつ来るかは、誰にもわかりません。そうである限りは、日本も敵国、すなわち全ての外国がどのような法則で行動するかということを学ばなければなりません。
  すなわち、今の日本ほど地政学を必要としている国はないということです。是非、●この方のような地政学の専門家が、日本の国家意思決定に携わってくれれば・・・と願っているしだいです。
  
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2008.08.19(Tue)

シャッター商店街に若者を呼ぶには(福井・敦賀) 

  ●前回の記事の続きです。三方五湖から宿を取っている金沢までの帰り道にあたる敦賀(つるが)という町に立ち寄りました。
  敦賀の位置を確認しておきましょう。

       
大きな地図で見る

  北陸地方と近畿地方、日本海と琵琶湖をつなぐほんの僅かな平野に開けた町だということがお分かり頂けるでしょうか。昔から敦賀は交通の要衝として栄えてきた場所で、江戸時代の初期までは京都や大阪から、琵琶湖を経由して日本海に出る時必ず用いられた港でした。そして今も、北海道の苫小牧や、韓国の釜山(プサン)、ロシアのウラジオストクとの間に定期航路があり、重要な港であることに違いはありません。
  港町敦賀の風景をいくつかご覧下さい。

          気比神宮

  気比神宮(けひじんぐう)です。越前国一の宮(その国で一番格の高い神社)です。社務所が耐震診断にひっかかって、利用できなくなっているのが痛いところです。

               敦賀の町並み

  いかにも港町という感じの通りですね。ちなみに、カモメよりも、前回の記事でも触れた「トンビ」の姿が目立ちました。油揚げ、弁当と来て、今度は魚でも狙うのでしょうか。トンビが多いというのは、敦賀が三方を山に囲まれた地形だということと無縁ではないと思います。

          敦賀港付近

  こういうところは、いかにも港町という感じです。まだお盆というには少し早い時期でしたが、もう車はまばらでした。

          気比の松原

  日本三大松原の一つである「気比の松原」の一角です。公園になっていて、海水浴を楽しむことが出来ます。京都や大阪ナンバーの車がたくさん泊まっていました。

  敦賀駅の周辺も見てみましょう。駅前のロータリー(出口が一カ所しかない)から気比神宮の前を通り、フェリーターミナルまで至るのがこの町のメインストリートです。

          某若狭高校OBのお店

   関西在住の阪神ファンの方なら、●この人のご実家だとすぐにお分かりでしょう。ちなみに、彼が生まれたのは隣の美浜町です。

          空テナント1

          空テナント2

  地方都市の商店街でもうおなじみの光景になってしまった光景です。目抜き通りだというのに、テナントが入っていません。
  その代わり、人が来ているのはこういう場所です。

          平和堂敦賀店

  滋賀に本社を置き、関西や福井では有名な「平和堂」です。いわゆる大規模小売店舗で、1階にマクドナルドなど全国チェーンのテナントも入っています。結構な賑わいです。
  このブログのいつもの論調だと、「大店法を改正して、こういうでかい店をたたき出せ!」という感じになるのでしょうが、いろいろな町を回るにつれて、どうもそういう問題ではないという気もしてきました。
  私が明日から敦賀に住んだとして、駅前通の商店街に買い物に行くかというと、胸を張って「はい」と言える自信がありません。商店街にあるもので、平和堂にないものはほとんどないからです。ここに行けばとりあえず全て揃う、という店の存在は、やはり便利です。爪切りや縫い物の糸が欲しいというとき、商店街の中でそういう店を見つけるのは簡単ではありませんが、平和堂に行けば、ちゃんと案内表示があり、それでもダメなら店員さんに聞けば必ず見つかります。
  私は首都圏に住んでいて、世界の平均からすれば便利すぎる生活をしているからそう感じるのかも知れませんが、ならば地方に生まれたなら不便を享受しろ、などと言うこともできません。それこそ差別です。
  だからといって、どっかの馬鹿なブログのように、「シャッター商店街なんて潰れればいい」と言い切る気もありません。やはり、そこに生活している人がいるわけですし、駅や店舗というインフラがあるのですから、精一杯活用した方が経済的にもよいでしょう。

  そういうことは一応我が国の政府も考えているようで、●中心市街地活性化法(中活法)という法律が出来ています。
  しかし、冒頭にあるこの文言に、私はどうも違和感を禁じ得ません。

「この法律は、中心市街地が地域の経済及び社会の発展に果たす役割の重要性にかんがみ、近年における急速な少子高齢化の進展、消費生活の変化等の社会経済情勢の変化に対応して、中心市街地における都市機能の増進及び経済活力の向上(以下「中心市街地の活性化」という。)を総合的かつ一体的に推進するため、中心市街地の活性化に関し、基本理念、政府による基本方針の策定、市町村による基本計画の作成及びその内閣総理大臣による認定、当該認定を受けた基本計画に基づく事業に対する特別の措置、中心市街地活性化本部の設置等について定め、もって地域の振興及び秩序ある整備を図り、国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。 」(第1条)

  馬鹿な役人や識者が国民を脅すときの定番の殺し文句になりつつある「少子高齢化」がここでも使われています(少子高齢化という概念のいかがわしさは●こちらのリンクを見るとよくわかる)が、そういう問題なのかなという気がします。
  敦賀市もこの中心市街地活性化法の適用を受けてはいますが、人口が減っているわけではありませんし、世帯数は増え続けています。また、市内就業比率が91.4%とかなり高く、他の町に人を取られているわけでもありません(むしろ、周辺の郡部から人間を受け入れていると思われる)。町中を自転車で回った感じからしても、子供の数が少ないわけでもなさそうです。
  それにも関わらずシャッターの下りたままの店舗が多数見受けられるというのは、正直言って、消費者のニーズjに応えることができる店が少ないのではないか、ということです。
  では、そういうニーズに耐えることが出来るのは誰かといえば、やはり既存の店舗には難しいのではないかと思います。旧来からの商店主の方々は、比較的恒例の方が多いのが普通なので、今から昔ながらのやり方を変えろと言うのも難しいです。だから、活性化をしたいなら若い人(20代から、せめて40代まで)を集め、定着させるしかないでしょう。
  そういうとき、いつも思うのですが、若者が気軽に何かをスタートできる環境が、地方には非常に少ないのです。たとえば、若者が、敦賀の中心街に店を出したいとします。この場合、重要なのは住居と店舗の賃料です。自分の土地や建物を持っている若者などほとんどいるはずがありません。
  家賃の場合は、●敦賀市まちなか住居(すまい)る事業というもので補助が出ます。しかし、店舗はどうでしょう?店舗の敷金は一般にかなり高額です。売り上げがいくらになるかわからないまま権利金を取られる、高額の賃料も出す、こんな条件が重なれば、敦賀で店を開こうなどという若者が出てくるとはとても思えません。それならば、失敗してもアルバイトの口がたくさんある大阪や京都に出るというのが自然な流れです。
  どうせ中途半端な施策では人が集まらないのですから、思い切ってシャター商店街の店舗は権利金も賃料もタダにしてしまったらどうでしょう?そうすれば、失敗しても痛手がそれほどでもないので、とりあえずやってみようという若者や、新しい事業をやってみたいという脱サラ組が来る可能性が高くなります。それが、店舗兼住宅であればなおのこといいでしょう。
  家賃については行政が補助し、売り上げが出たらその何%かを徴収して建物のオーナーに還元すればいいのです。それでもダメなら、近くの農家(敦賀周辺にはコメ農家がたくさんある)で労務をする代わりに、コメや野菜をお駄賃としてもらえるような仕組みを作るのです。こうすれば、とりあえず生きてはいけます。●こちらのブログで書かれているような、現代のタコ部屋よりはずっと人間的でしょう。
  こうすれば、とにかく人がその場所で活動することになるので、ものやカネも少しは流れはじめます。人間は活気があるところに引きつけられますから、人がいることでますます客や住人も増えていくでしょう。
  最近、●民主党が農家への個別所得補償を打ち出しています。食糧自給率を上げて国家意思決定の自律性を高めるという点から、有効な政策だと思いますが、シャッター商店街で活動する人にもそういう仕組みができないものでしょうか?
  カネを配るのは無理にしても、農協で地元の農産物を購入できるクーポンを配るくらいはやってもいいのではないかと思います。そうすれば、東北や北陸なら、食うに困るということはなくなります。
  
  若者を呼びたいなら、せめてこのくらいはしてもらいたいものです。おためごかしでは何も変わりません。

  次回は、富山市内を回ったときの体験から記事を書きたいと思います。

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2008.08.19(Tue)

縄文記念館を訪ねて(福井・三方五湖) 

  先日、夏休みを利用して、北陸地方へ旅行に行きました。
  なにしろお金をあまり使いたくなかったもので、●米沢・山形に行った時と同様に、「青春18きっぷ」という学校の長期休暇中だけ使える切符を使って鉄道で移動しました。  私が住んでいる埼玉県某市から西武線で国分寺(東京都)まで出て、その後中央本線で山梨、長野を通り、日が暮れた頃に日本海側に出て、そのまま富山を経て、宿を取ってある金沢へたどり着きました。待ち時間も合わせて12時間です。その日はくたびれたので、そのまま寝てしまいました。

  翌日、朝6時に起きて北陸本線で福井に向かいます。今回の目的地は、●ラムサール条約登録地でもある「三方五湖」(みかたごこ)と、港町「敦賀市」です。
  福井県の地図をご覧下さい。

       
大きな地図で見る
  福井県は、江戸時代までの「若狭国」と「越前国」が一緒になってできた県です。今回向かった三方五湖は若狭、敦賀はギリギリ越前に当たります。
  三方五湖というのは、その名の通り5つの湖が集まった景勝地です。鉄道で最も近い「三方駅」まで向かい、そこから自転車です(私は折りたたみの自転車を持っています)。
  時間があまりなかったので全ては回れなかったのですが、その風景です。

            三方湖

  五つの湖のうち、最も南に位置する「三方湖」のものです。

            菅湖
  
  最も東にある久々子湖(くぐしこ)です。三方湖畔から、原発で有名な美浜の駅まで自転車で走る途中で撮影しました。
  季節が季節だけに、渡り鳥の姿はありませんでしたが、なかなか雄大な風景でした。ちなみに、久々子湖は汽水湖(海水と淡水が混ざった湖)なので、シジミがとれます。

  実は、この三方五湖の近くには、もう一つ興味深い史跡があります。それが鳥浜貝塚(とりはまかいづか)です(詳細は●こちらのリンクで)。
  貝塚というのは、縄文時代のゴミ捨て場で、文字通り海がたくさん捨ててあったことからそう呼ばれています。貝塚には人骨や当時の石器、土器なども見つかるので、ここを見ると縄文時代の人びとがどんな生活をしていたのかがわかります。
  三方湖の近くに、早速こんなものがありました。

                    縄文太郎?

  いくらなんでも、これは・・・●はじめ人間ギャートルズ(注:動画です)の見過ぎなんじゃないでしょうか(笑)。

  この像のある辺りから国道を西に向かうと、●若狭町立縄文記念館があります。
  入口は、こんな感じです。

            縄文記念館

  丘状になっている建物の上に土をかぶせて草を植えてあります。これは、貝塚というより古墳なんじゃ・・・というのは内緒です。
  この記念館の周りは、「縄文ロマンパーク」という公園になっていて、こういう「展示」があります。

            竪穴住居

  縄文時代の住居である「竪穴住居」です。
  私が笑ってしまったのは、これです。

            トンビに注意

  さっきのギャートルズ像のところで、私は生まれて初めて、トンビが6羽で群れになって遊んでいる光景を見ました。三方五湖の周りには里山がかなりたくさん残っているので、そこに生息しているのでしょう。首都圏ではまず見られない光景でした。
  しかし、鷹に劣るとはいえ、一応猛禽類ですから、弁当目当てに急降下されては洒落では済みませんね。

  さて、縄文記念館内は●こちらのリンクでご覧になれます。中でも、私の目を惹いたのは、縄文土器の展示でした。鳥浜貝塚で出たものだけでなく、日本各地で出土した土器を借りてきて展示しているコーナーがあるのです。

  ところで、みなさんは縄文土器というとどういうイメージをお持ちでしょうか。
  教科書でよく言われるのは、「縄の模様が入っていて、厚くてもろい。装飾が多く、あまり実用的ではない」という解説です。典型的なイメージは●こちらのブログ記事の画像でしょうか(ちなみに、こちらのブログ、●縄文と古代文明を探求しよう!は縄文時代を知るために非常の便利なブログです)。
  これに対して、後世の●弥生土器は、「模様がほとんど無く、薄くて硬い、実用的な土器」などと説明されることがあります。当然、現代の陶磁器に通じるのは、弥生土器の方だということになりそうです。
  しかし、こういう説明で分かったつもりになるほど、怖いものはないと身にしみて分かりました。私が展示物で見て衝撃的だったのは、縄文土器にも十分「薄くて実用的な土器」があるのです。
  どうも、教科書に書かれている歴史というのは、「縄文=原始的」で「弥生=先進的」という先入観に従って構成されているのではないか、と私には思えるのです。いつの時代でも、進歩するのは後の時代であるということを、国家は我々に教え込みたいのかも知れません。数々の殺戮とテロ行為で成立した明治時代が、あたかもそれ以前の時代より進歩的で素晴らしい時代だと思わせたいように・・・。
  ともかくも、教科書で教えられたことを鵜呑みにしているようでは、本当の歴史は分からないものだなと、自分の不勉強を痛感しました。学校で教わる歴史や、入試に出る歴史というのは、国家がこういうものだというガイドラインを作った歴史であり、そこからはみ出るものには、我々があえて目をこらさない限り光は当たりません。しかし、教える都合で端折ったり、近代国家にとって都合が悪かったりということで、ねじ曲げられている部分や、闇に葬られている部分はずいぶんあるのではないでしょうか。
  そういう、メインストリートから外れてしまった歴史に目を向けたくなったら、縄文記念館のような、郷土資料館に赴くといいのかもしれません。そういう場所に行けば、その土地に伝わる資料を徹底して集め、教育委員会や専門家が徹底的に検討した史料が残っています。強度の誇りに関わることなので、100%真実とは言えないにせよ、少なくとも何かの都合で省略されていない、生の歴史が味わえます。

  そういうところに来て、一つ心配になってしまうことがあります。

  若桜町は、三方町などいくつかの自治体が合併して出来た町です。そして、ご多分にもれず、こういうところでも「カイカク」と称する歳出削減が行われています。「若狭町集中カイカクプラン」というもので、●こちらのPDFに、どれだけの経費を削減するかまで具体的に掲げているほどです。

  こういうものが極限まで進むとどうなるでしょうか?結構立派な施設を備えている縄文記念館は、経費削減のために閉館、ということになったりはしないのでしょうか?
  もちろん、文部科学省からの補助がついてはいるのでしょう。しかし、国家の世話になるということは、国に都合の悪いことは言えなくなるということです。「縄文時代のような遅れた時代のことなど、教える必要はない」とか「古代史などそもそも不要だ。我が国の歴史は神武天皇から始まるのだから、石器時代などありえない」などという方針を国が打ち出したとしたら、補助も打ち切られることになるでしょう。
  私のような県外の人間がこんなことを言うのはなんですが、縄文記念館のような「ほんとうの歴史」を伝えていくための場所は、規模が小さくなったとしても、絶対に残してほしいものです。
  鳥浜貝塚では、多数の丸木舟が出土しています。かつてここにいた我々の祖先が、三方五湖の自然の恵みである魚介類を生活の糧にしていたということです。また、この貝塚からは漆器や織物も出土していて、縄文人の文化程度が決して低くなかったことが実証されています。
  なによりも、この貝塚からは、「矢尻」だとか「鉄剣」だとかいう、人を殺すためだけに作られた道具が一つも出土していないのです。弥生時代の遺跡といえば、「矢尻が刺さった死体」が定番になっているのと大違いです。たとえ、便利な金属器がなくても、人間同士が協調し合い、生命の母たる海から切り離された陸上という苛烈な環境で、自然の脅威と折り合いをつけながら平和に暮らしていた時代、それが縄文時代なのです。
  今後、近代文明が行き詰まった時、そんな調和に満ちた時代を「思い出す」必要が必ず出てくるでしょう。この役割は、近代国家に任せることはできません。近代国家が、自分のアイデンティティーである近代化を否定するような問題提起わけがないからです。だからこそ、地方の郷土資料館のような場所に、縄文時代の文明の証が残っていることが重要なのです。
  若狭町民の方々、福井県民に方々には、今後も縄文記念館や、ギャートルズ像(笑)を大切にしていってもらいたいと思っています。

  次回は、敦賀に行った時の話を簡単にまとめます。

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2008.08.16(Sat)

不動産投資は氷河期らしいぞ 

  ●アーバンコーポレイションという不動産業界では有名な企業が先日経営破綻したというニュースはご存じでしょうか?

不動産流動化関連株が軒並みストップ安、アーバンの破たんで厳しさ再確認
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-33256720080814
--------以下引用--------
 東京市場では不動産流動化関連株が軒並みストップ安に沈んだ。アーバンコーポレイションの破たんによって、あらためて不動産業界の収益環境が厳しいと確認された。

 流動化関連銘柄のみならず不動産株の株価について不安感が増幅された一方、銀行株の株価にもネガティブな影響を及ぼすと懸念されている。

 アーバンコーポレイションの房園博行社長は13日、東京地裁に民事再生法の手続き開始を申請した後に行った会見の席上で「3月以降、金融機関からの新規融資や短期借入金の借り換えが困難になるなど資金繰りが急速に悪化した」と業界を取り巻くファイナンス環境の厳しさを強調していた。

 市場では「株価2ケタまで売られたことが示すようにアーバンは以前から危ないとみていた関係者が多かったほか、不動産業界に対し金融機関の融資姿勢が厳しくなっているとの見方が広がっていた。さらに、●7月にゼファーが倒産したこともあり、材料としてサプライズではない」(準大手証券情報担当者)との声もある。資金繰りに窮する企業が続くとの不安感が生じ、アーバンと同業態の銘柄を売る動きが活発化した。

 これに追い討ちをかけたのが、後場に入り不動産経済研究所が発表した7月の首都圏マンション発売戸数。前年比44.5%減の3554戸と大幅に落ち込み、首都圏のマンション契約率も53.5%と不動産不況を象徴するような数値となっている。ファイナンス面だけではなく、販売面でも厳しい実情が明らかになったことで、不動産株は財務面で不安が小さい三井不動産、三菱地所など大手クラスまで軟調な展開を余儀なくされた。

 ある証券会社の不動産担当アナリストによると「資金繰りが厳しくて売ろうとすると、買い手が乏しいために価格が下がり、さらに資金事業が悪化する悪循環に陥っている」という。
--------引用以上--------

  実は私も最近マンションを買おうと思っていて、いろいろ物件を見て歩いています。どういう経緯があってそうなったのかは、また追々お知らせする機会があると思います。●この記事に出てくる営業マンに触発されたわけではありません(笑)。

  それで、先日も、埼玉県の某所の中古マンションを見に行きました。

  営業マンの方を捕まえて、物件の情報以外にもいろいろきいてみるのですが、どの営業マンの方も共通して口にするのが、「近頃はローンを7~8割くらいしか組めなくなった」ということです。昔は「オーバーローン」といって、手数料や不動産取得税なども含めたローンを組むことができたそうですが、今ではそれはまず不可能だということでした。
  銀行の財布の紐が固くなったのは、やはりアメリカの住宅ローンの破綻が大きいのでしょう。今はまだ低所得者向けの「サブプライム」だけで済んでいますが、これがそのうち他の優良顧客向けのローンにまで回ってくるという可能性はあります(●こちらのコラムが参考になる)。
  そういう情報を頭に入れると、上に出てきたゼファーやアーバンといった企業の破綻は、資金繰りの悪化が原因だという結論になりそうです。

  しかし、私の思う原因は、これとは違います。
  正確に言うと、銀行の財布の紐が固くなる、その原因は何かということまで考えなければダメだということです。

   では、その原因は何なのかというと、「需要不足」です。
  簡単に言うと、不動産を買うカネを持っている人間が少ないということです。国税庁が出している●民間給与実態統計(注:PDF文書)を見ると、平成10年代に入ってから、平均給与所得が一貫して下がり続けているのがわかります。
  これは18年度のものまでで、19年度のデータは含まれていませんが、みなさんの周りを見れば推して知るべしでしょう。しかも、昨年の秋くらいから資源が高騰しているわけです。
  そんなこと言っても、ビンボー人には不動産なんて簡単に買えないじゃないか、と思うかも知れませんが、その認識は正しくありません。不動産の需要を根底で支えているのは住宅需要です。また、テナントの需要も、ものがどれくらい売れるかに左右されますから、これもフツーの人たちがどれくらいお金を使えるか(総需要)によって決まってくるわけです。
  アーバンコーポレイションがいかにリノベーション(中古の不動産をリフォームしたりして付加価値をつけること)をして他人に不動産を売りつけようと、その買い手が減ってしまっては元も子もありません。その買い手がなぜ減るのかというと、リノベーションしようがしまいが、不動産自体を買う人間が減っているからだ、ということです。

  このことを理解しないで、日経新聞や雑誌の「資金繰りがショートした」「不動産不況だ」などという解説でわかったつもりになってはいけません。

  というか、そういう解説自体が「だまし」なのです。マスコミはおそらく、需要が減少している真の現象が何か知られたくないのです。その原因とは、もう皆さんにはお察しがつくと思いますが、小泉カイカクというやつです。
  ●「或る浪人の手記」様の記事でも触れていますが、端的なまとめがあるので、それをご覧頂くとよいでしょう。


  自民党の小泉改革路線とはどういうものか、説明しておく。

 ▲富裕層に一層富が集まりやすいようにする。(例:株の一定の投資額以上に対する減税措置,法人税減税,消費税増税)

 ▲富裕層以下の国民は生活レベルを中流より下にして、人件費を下げる。(例:派遣法などの労働法制の規制緩和。実力主義の推奨)

 ▲上記の二つにより富裕層の資産を増やし、富裕層の投資効率を最大にする。

 ▲格差は固定する。効率的な社会運営ができるように階級流動は極力避ける。(例:日本育英会の廃止、生活保護費カット、定率減税廃止、国立大授業料の私大並み引き上げ)

 ▲低所得者層の不満は当面は自己責任論を喧伝する事で相殺する。長期的には愛国心教育をする事により、不満の矛先を避けやすくする。効率的な社会のため、国を担う有識者は基本的に富裕層のみで構成する社会を目指し、下層民は低コスト労働者として教育する。下層民は愚鈍であっても従順であれば問題はない。 (例:日本育英会の廃止、生活保護費カット、定率減税廃止、愛国心教育)

 ▲コストを下げるため、社会福祉やインフラ不備の不便は自己責任とし、公的扶助は基本的になくす。 (例:障害者自立支援法、年金受給年齢引き上げ、後期高齢者医療制度)

  これが事実であり、悪意で曲解したところも、誇張もない。これに腹を立てたのなら、それは己が小泉改革を誤解していただけに過ぎない。

  富裕層の効率的な投資が最重要視され、それに支障を及ぼす社会制度は基本的になくすのが「改革」である以上、中間層以下の地方住民や、都市部でも低所得の確率が高い母子家庭や老人、病人、ネットカフェ難民などは政府がコストをかけて 守る対象でもなんでもないということだ。

  今の内閣は小泉路線を引き継いでいると公称している。だから、金持ちでもない人間が今の自民党を応援するというのは真性のバカの証と言ってよい。



  こうして国内の需要が減少すると、「デフレ」状態になり、物価は下がります。不動産価格も、買い手が付かないので下落します。そうなると、不動産を現金や小切手で買える人びと(大金持ちや大企業、金融機関。もちろん、外国企業も含む)にとっては非常に好都合です。なぜなら、普段よりも安く優良物件が買いたたけるからです。
  小泉カイカクというのは、地方の土建屋などから、そういうお金持ちに利権をつけかえる行為だったと考えれば非常に分かりやすいと言えるでしょう。
  こんな状況で、カイカクを徹底して、競争を活発にしても、需要など創出されるわけがありません。

  さて、最近我が国の政府は、「景気対策」をやるなどとぬかしているわけですが、一応不動産のことも気にしているらしく、住宅ローンについても一定の施策を打ち出そうとしているようです。

省エネ・200年住宅・2世帯向けにローン減税新設 国交省方針
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20080816AT3S1501Q15082008.html
--------以下引用--------
 国土交通省は2009年度の税制改正で財務省に住宅ローン減税の拡充を要望する方針を固めた。断熱材が厚いなど省エネ性能の高い住宅や長期間住める優良な「200年住宅」、2世帯住宅を対象に税優遇を新設。こうした住宅を買った人の住宅ローンについて、所得税の控除対象となる借入限度額を現行の一般住宅向けの2000万円より広げるのが柱。購入にあたっての消費者の負担を軽減し、冷え込む住宅市場をてこ入れする狙いだ。

 今の住宅ローン減税制度は借入額2000万円分を上限に、1―6年目までは借入額の1%(上限は20万円)、7―10年目まで0.5%(上限は10万円)を所得税から差し引く税額控除。減税は原則として最大10年間で、計160万円となる。利用者全体の減税規模は年間約8000億円。
--------引用以上--------

  アホか。

  そもそも「断熱材が厚い」住宅や、「長期間住める」住宅、それに「2世帯住宅」というのは、一般的な住宅に比べて売値が高いわけで、そんなものを減税したとしても増える需要など多寡がしれています。中古不動産や一般的な住宅の需要増加には全く貢献しないでしょう。
  どうせ不動産の需要を喚起するなら、

★不動産取得税の免除(3~4%は高すぎる、せめて1%)
★住宅ローン控除の拡大(160万といわず、500万くらいまで引き上げる)
★住宅金融支援機構を通じて、ローンの利子を公的に肩代わり(全額でなくてもいい)
★不動産購入の損金繰り延べを10年にわたって計上できるようにする


  せめて、このくらいはやってほしいものです。
  今の自民党にはそんなことは100%不可能でしょう。なにしろ、カイカク政党・自民党の真の支持層は富裕層や大企業なのであり、彼らにとってはデフレ状態が継続する方が好ましいからです(公明党は奇怪な政党ではあるものの、支持層から考えてそこまでやろうとはしていない)。
  もっとも、その「富裕層」や「大企業」も、フツーの人びとの需要がどんどん減っていけば、賃料収入や売り上げが下がることになり、結局は損をすることになります。自分の卵を産んでくれる鶏を、毎日虐待しているのと同じです。

  へ?それだったら中国やインドに投資するからいいんだって?

  そういうことをいう「グローバル企業」や「ボーダーレスな感覚に富んだ資産家」の方々に、私から温かい応援の言葉をかけてあげたいと思います。

  だったら、さっさと上海やニューデリーに住民票を移せ!!

  そういう企業や金持ち、もしくは生活に関係ないイデオロギーで踊り狂っているアホども「だけ」に支持されている自民党など、さっさと下野すべきです。同時に、民主党など野党にも、「自民党支持層(癒着層)」に都合のいい政策を採らないようプレッシャーをかけていくことが大切です。

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2008.08.15(Fri)

近代を生きる我々にとって「祭り」が持つ意味 

大曲花火大会

  過去の記事に寄せられた●あやこさんのコメントに触発されて、「祭り」というものについて書いてみたいと思います。

  今いろいろ用事を済ませて帰宅したのですが、帰り道で、どこからか「どーん、どーん」と音が聞こえてきたのです。何かと思ったら、花火でした。
  そういえば、今日私が日頃使っている駅に、ゆかたを来た若い女性が何人かいたのを思い出しました。近くの花火大会にでも行くところだったのでしょうか。茶髪で濃い化粧のねえちゃんも、結構頑張って浴衣に下駄だったりします(笑)。当たり前ですが、平板な表情の人はひとりもいません。みんな浮ついた笑顔です。
  こういう花火大会が、1年でなんと200くらいあるそうです。猫も杓子も花火という状態ですね。通常のお祭りの中で花火が打ち上げられるものを数えたら、おそらくもっと多くなるのではないでしょうか。

  しかし、そもそも、花火なんか打ち上げてどうしようというのでしょうか。

  花火が空に上がるのを見たところで、金品をもらえるわけではありません。軍事技術に応用できるような代物でもありません。しかし、花火大会はどこも盛況です。多くの人が花火が上がると喜んでバルコニーに飛び出します。祭りの類が好きでない私でも、「どーん」と音がすると、そっちの方を観察して、次の一発はまだか、立ち止まって眺めます。
  おそらく、それは花火が日常生活で見ることができないものだから、それ以外に何もないのではないでしょうか。
  こういう、非日常をあえて催すのが、「祭り」というものです。日本各地に残されている祭りというのは、だいたいが農村のカレンダーに従っています。稲穂が実って、あとは刈り入れだけという段階になったら、普段の仕事をほっぽらかして
  この祭りは、現代においては様々な形態を取っています。学園祭というのは、学生が勉強をしなくていい格好の口実です。地方の公立の進学校で浪人する高校生というのは、だいたい学園祭に夢中になった口です。「祭りの後」でハッと我に返って勉強しはじめるわけですが、時既に遅し、ということになるわけです(笑)。
  また、サッカーの試合なんかもそうです。スタジアムに行くと、サポーターとかいう人びとが集まって自分の生き死にと関係のないひいきのチームの勝敗に夢中になっています。生き死にと関係ないから夢中になれるのです。これが野球になると、結構毎日やっているので、少し「祭り」の意味合いが薄れてくるのかもしれませんが、たまの休みに野球場に行くというのはやはり「祭り」に当たるといえるでしょう。

  今、私が具体例としてあげた「サッカーの試合」について、少しお話しておきたいことがあります。

  私は若い頃(今も若いと自分では思っていますが)、落合信彦という作家が好きでした。講演会なんかで話す「エクアドルで掘り当てた油田の日産バレル」がエクアドル全体の石油生産量を超えていたとか(笑)、ホラが多い人物でしたが、最近では若者向けの自己実現を煽るような本を書いたり、●「勝ち組クラブ」とかいう身も蓋もないタイトルの有料ホームページを運営したりして生計を立てているようです(本当の勝ち組はこんなの見ないと思うのですが・・・笑)。
  自分でいろいろ勉強するようになり、歴史や地政学をそれなりに理解した今となっては、このオッサンがしょーもない芸人作家だと分かるのですが、それがまだ分からなかった頃、彼の著書で興味深いくだりを見つけました。
  詳細は覚えていないのですが、サッカー・Jリーグのクラブのサポーターになって、競技場で熱心に応援している若者を見て、「いつまでもサポーターでいいのか。君自身がフィールドに立て」などと主張する内容だったと思います。要するに、人を応援なんかしないで、自分が主役になるようなエキサイティングな人生を送れ、ということを言いたかったのだと思います。余計なお世話という感じなんですが、本人は人生の伝道師とか、現代のソクラテスかなんかになったつもりなのかもしれません(笑)。
  以前、なんで落合がそういうことを言うのかなと考えてみたことがありました。そして、さっきあやこさんのコメントを見てピンと来たのです。要するに、落合みたいな人間は、若者に「祭り」に走られてしまうと困るのです。
  私自身の経験から言えるのですが、落合信彦とか、大前研一みたいな作家の本ばかり読んでいる若い人というのは、非常に理想が高く、将来大きな人物になってやろうという願望を持っています。そういうのは大なり小なり誰にでもあるのかもしれませんが、そういう若い人にはよくない特徴があります。生活していく日々の営みや、自分の周りにある現実を、「自己実現」に比べて卑しくて小さいものだと見なしてしまうことです。
  現実社会というのは、思うようにいかないことがほとんどです。それでも何とか生きて行かなくてはいけません。しかし、落合信彦にハマってしまっている若い人は、それでは満足できないわけです。それどころか、洗濯したり、家の手伝いをしたり、生活費を稼いだりするのをくだらないことだとさえ思うようになります。ずいぶんぜいたくな話ですが、そういう人は結構います。私も結構最近までそういうところがありました。
  もちろん、フツーに生きていても、壁にぶつかったり、憂鬱な気分になったりはします。そういう現実を一旦ほっぽらかして、声を出したり身体を動かしたり、他人と共感し合ったりできるのが「祭り」なのです。
  「祭り」の中でもっとも重要なのが、「祭りの後」の虚脱感です。どんな祭りにも必ず終わりが来ます。そこでハッと我に返ることで、また日常へ帰っていくことができます。そういう生活をしていれば、いちいち夢を追いかける(ことで自分を追い詰める)ことをしなくても、それなりに充実した人生を送れます。
  そして、最も重要なことは、この「祭り」は誰にでも参加できるということです。落合が言っているエキサイティングな人生(笑)とかいうものは、参加できる人間が限られています。
  こんなことを言うと、落合や落合の信者は、「そんなことはない、努力すれば誰でも夢を叶えられる」などと言うのかも知れません。この辺は、昨今の「カイカク」における自己責任の話とよく似ているので、立場が違うと永遠に水掛け論に終始するでしょう。しかし、彼らも「祭り」に参加するのに才能や努力は要らないことは認めざるを得ないはずです。

  こういう「祭り」が一切存在しない社会が、カルト宗教です。オウム真理教にしろ、安倍チャン(笑)と仲のいいキリスト教のパクリのあれにしても、共通している点があります。生活の中に「祭り」がないのです。合同結婚式やなんとかイニシエーションなんていうのは、「祭り」ではありません。
  「祭り」の特徴である、不全感や鬱屈した感情を爆発させ、「祭りの後」の虚脱感で我に返り、また日常に帰っていく、そういう過程がカルト宗教には存在しないのです。我に帰られたら、教祖様としては困るわけです。日常生活で地に足つけて生活してもらったら、お布施を出してくれないからです。
  だから、カルトは「信じないと地獄に行くぞ」「おまえの魂は救われないぞ」と信者を脅迫して、フィクションに過ぎない支配と従属の関係を固定しようとするわけです。
  落合信彦がやっていることも、こういうカルトとそれほど変わらないわけです。自我の弱い若者に「夢を実現しない人生に意味はない」「人生の主役になるのは君だ」と言い放つ。まっすぐ自分の方を向かずに、テキトーに生きようとする若者が出てくると「そんなのは人間の生き方じゃない」と罵倒するわけです。
  こういうことを公然とやっているのは別に落合だけではありません。日教組のヘーワ・ジンケン教育なんかも同じです。今さら白黒つけてもしょうがない過去の出来事について、いつまでもいつまでもホントか嘘か分からないマイナス思考の話を繰り返す。そこから生徒が逸脱しようとすると、「あなたは地球市民として生きる資格がない」「血も涙もない人間だ」となじる。教祖様の教えにどれだけ忠実に従ったか、1から5の数字でランク付けまでする(笑)。
  余談なんですが、6月から7月にかけて面白いことがありました。私が今教えている某中学で1番の成績を取っている女の子がいて、その子の社会の先生がどうも日教組の人っぽいのです。授業がある度、「なんか授業でまだ戦争責任の話をしてる」とか「へんな死体の写真とか見せるんだけど、なんかうざい」とか苦笑いしながら私に報告してくるわけです。優等生でも、まともな感覚の子がいるんだなぁと思いました(笑)。
  多分、カルト的空間にハマる人間は、リーダーも信者も人間があまり好きではないのでしょう。だから、自我を捨てさせようとするし、進んで自我を捨てるのです。ネット界隈でカルトカルトと言われて叩かれている某宗教のリーダーが、やたらと著書に「人間」という言葉を入れたがるのは、一種の代償行為なのかも知れません(笑)。

  こういうカルトにハマらないためには、どうすればいいのかなと考えてみるのですが、日常生活と、その中にある「祭り」を大切にすることが重要ではないかと思います。大切にすると言うのは、そんなにオーバーなことではありません。「こんなのは本当の自分じゃない」と思わないことです。
  カルト指導者は、ここを徹底的に突いてくるのです。つまり、自分の教えに従えば、「天国に行ける」(=本当の自分になれる)と教えるのです。
  若者が日常性を嫌う時期というのは、いろいろなものにぶつかりながら、現実との距離を計っている過程なのだと思います。社会に出て、現実を知れば、やがてそういう気持ちは薄れていくでしょう。しかし、そうなる前にカルト的空間に入り込む危険が非常に高いのです。
  特に、あるべき自分を見つけ出そうと、1年中真面目に物事と向き合っているような人が危ないです。そういう人は、「祭り」に背を向けたがるからです。これは勝手な想像なので間違っていたら恐縮ですが、この前あった秋葉原の通り魔殺人の犯人は、思春期に「祭り」で自分を解放する経験をあまりしていないのではないでしょうか。
  私も「お祭りなんて不良の行く場所じゃねえか」みたいな考えに取り憑かれていたことがあったのですが、よく考えると年度末の打ち上げのとき徹夜でカラオケに行ったりしていますし、●この記事みたいにエラソーなことを言って悦に入ったりしているわけです。決して「祭り」に参加していないわけではないのです。
  酔っぱらってるオッサンとか見るとあまりいい気分はしませんが、「祭り」の場でアホやってる自分はたいして変わらないかも知れないと思うと、ある人間をくだらないとか無価値だとか断罪するような姿勢にはならないと思うのです。そういうことをしていると、確かに大人物にはなれないのかもしれませんが、別に我々は夢を実現したり、大人物になるために生まれてきたわけではありません。ましてや、落合信彦や麻原ショーコーの飯の種になるために生まれてきたわけでもありません。

  そういう意味では、花火が打ち上がるのを見てワイワイ言っているのは、けっこう健全なのではないかと思います。日常あっての非日常だということさえ忘れなければ・・・。
  もっとも、落とし物や、暗い帰り道には気をつけるようにしてほしいものです。学園祭の後夜祭で大暴れして、ポケットに入れていた新しいウォークマン(まだテープ式だというのが時代を感じさせる)をなくしてしまった私だから言える忠告です。

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2008.08.14(Thu)

株式投資なんてやめておきなさい!! 

  チンパンジーが「ぼくって結構オツムがかしこいんだよ」と言わんばかりに、新しい芸を披露しているようです。

首相、株投資促す税制改正を 金融相に検討指示
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20080813AT2C1301613082008.html
--------以下引用--------
 福田康夫首相は13日、首相公邸で茂木敏充金融担当相と会い、「貯蓄から投資への流れをつくるにはどうしたらいいか、税制も含めて金融庁も早急に検討してほしい」と述べ、株式投資の活性化に向けた証券税制の見直し案を検討するよう指示した。

 首相は「まずは一般の国民に株式市場を信頼してもらう土壌づくりが何よりも重要だ」とも指摘した。

 茂木金融相は会談後、記者団に「金融庁としてできることはすべてやる」と話し、今夏の税制改正要望への明記を目指し、具体的な検討を進める考えを強調した。
--------引用以上--------

>貯蓄から投資への流れをつくるにはどうしたらいいか

  貯蓄が悪くて投資が駄目、という考えの根拠は何なのでしょうか?意味がわかりません。

>株式投資の活性化に向けた証券税制の見直し

  結局、大量に株式取引をする金持ちや機関投資家に利益供与をしたいというのが本音のようです。
  このように、昨今の自民党が打ち出している政策というのは、ほとんどが金持ち優遇です。金持ち(年収1000万円以上)でもないのに、自民党を支持しているとしたら、大馬鹿です。
  そういえば、今の政府はことあるごとに「税収不足だ」「財源がない」などと言っていたはずです。税制優遇をするということは、株式投資家から取る税金を減らすことを意味しています。

  そうなると、その帳尻あわせをどこでしてくるか・・・もうおわかりですね。消費税のアップしかありません。

  この影響は、収入の少ない人間ほど重大です。たとえば、JAの貯金やゆうちょ銀行の預金くらいしか「金融」:に対するアクセスがない地方の高齢者は、消費税アップの影響をもろに受けます。食料品や交通費が、収入に占める割合(消費性向)が高く、その割に金融的な利益(銀行等の利息)は少ないからです。
  一方、株式投資をやるような金持ちや企業は消費性向が低いですから、消費税アップの影響はそれほど受けません(高級車のような贅沢品を買わなければいいだけである)し、受けたとしても、自民党・公明党政権はちゃーんと投資やらキャピタルゲインやらの優遇税制というものを用意して、お金持ちが損をしないようにしているのです。

  悔しかったら金持ちになればいい!とか言ってるそこのあなた!!

  みんなが金持ちになるために努力をしても、限られたパイを奪い合うだけだということにまだ気づかないんですか?

  ミニ株とかFXなんかやって、小金持ちになったつもりのあなた!!

  あなたみたいなカモをたくさんおびきよせるために、FXやら株式投資の本が平積みにされていることにまだ気づかないんですか?世界的なレベルで見て「投資家」なんていうのは、プライベートファンドを作れるような大金持ちか、銀行のカネを借りて博打を打てる機関投資家だけですよ?

  しかし、株みたいに、いつ紙っきれ(最近は電子化されているので、ただのコンピュータ上のデータか?)になるか分からないようなものを買いなさい!と勧める政府の異常さは際だっています。「おまえら、貯金なんかしないでパチンコや競馬に行け!」と言っているのと論理的には全く変わらないわけです。空恐ろしいことです。
  
  ウワッ!!そこの「株はパチンコと違って勝つ方法がある。理論化されてもいる」とか言ってるあなた!!

  たかだか200万とか500万とかの資産で、まともな●ポートフォリオなんて組めると思ってるんですか?相場の世界で、どちらかが上がればどちらかが下がるという関係が純然と成立している投資対象が、どれだけあるのかちゃんと自分で研究したんですか?

  長期保有するって?どれだけの配当が入ってくるか、ちゃんと利回りは計算しましたか?

  はっきり言っておきますが、株で常に儲かるのは本当のインサイダーだけです。相場さえ作り出してしまうほどの強力な投資家(たとえば●こういう連中以外は、みんな振り回される運命でしかありません。投資の世界は、勝つのは1割だと言われているような世界であり、その1割は間違いなく各国の政府高官や経済界の上層部にコネクションのある、国際金融資本が持っていくのです。
  こんなゲームに参加する義務はないのですから、さっさと降りた方が得です。チンパンジーやその手下の猿どもが「投資しようよウッキッキー」などとバナナを差し出してきても、無視しましょう(笑)。

  しかし、油断しないでください。あなたの会社の厚生年金が、こういうものに差し出されているかもしれません。

じわじわ目減り「日本版401k」
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/yw/yw08032301.htm
--------以下引用--------
401kは会社が導入し、月々の掛け金を払う企業年金の一種。導入企業は年々拡大、その中にはキヤノン、ヤマト運輸などの大企業もある。従来の確定給付年金とは違い、年金支給額が運用次第で変わる確定拠出年金で、社員は安全性商品から投資性商品まで、会社が用意したラインアップの中から自ら選んで運用する。

 幸一さんが401kに加入したのは2002年。会社で半日にわたる説明を受けたが、当時は日経平均株価が1万円台を割り込むなど、投資性のファンドに預けるには不安があった。そこで、幸一さんは、銀行の自由期間定期預金を選び、従来の適格年金に蓄えられていた資金全額を移した。

 会社員の幸一さんの場合、基礎年金に厚生年金を加えたものが、公的年金としていずれ支給されるが、これとは別に雇用先企業が独自に制度化した 401kが上乗せされる。幸一さんは、仕事が忙しく、自分の企業年金の運用などに関心を払っていられないと、安全策を選んだつもりだった。

 ところが、最近になって、安全確実と思っていた企業年金の残高が、減っていることに気づいた。0・05%固定の超低金利と分かっていたが、ここから月額563円の手数料が引かれているのだ。400万円運用しても利息は年2000円で、手数料によって残高が目減りし続けていた。それでも、制度上、満 60歳までは資金を引き出すこともできない。幸一さんの年金はいつか約2万円の損失を被っていた。

 「目減りし続けて、60歳を迎えなければならないのか。どうしたらいいか分かりません」

 と幸一さんは嘆く。

 幸一さんのように401kで年金が目減りしているケースについて、社会保険労務士の吉本俊樹さんは、

 「現実に多いはず。預金型や保険型の安全性の高い商品を選ぶ人がほとんどですから。しかし、今の低金利では、いくら積み立てても、運用益はほとんど得られていない」

 と言う。多くの人が、幸一さんと同じ「手数料負け」をしているようだ。

 公的年金不信が広がり、少しでも多くの老後資金を作りたいのは誰しも同じ。手数料負けを避け、運用益を期待するには、株式等に投資するハイリターン型のファンドに挑戦するしかないが、UFPFフィナンシャル・サービス(東京・中央区)代表の市川雄一郎さんは、

 「運用するのは老後資金ですから、リスクはとれないと感じる人が多い。会社側の都合で、半ば強制的に加入させられている人が多く、商品のリストを渡されても選べない。自分が分からないものに、投資したくないのは自然でしょう」

 と話す。
--------引用以上--------

  この確定拠出型年金を先んじて導入したアメリカでも、結局株価指数が上がっただけで、今となっては元本割れは当たり前の状態になっているようですね。進んで導入している企業は、一体何を考えているのでしょうか?証券会社にそそのかされてその気になったのではありませんか?

  しかし、401Kに手を出す方も問題があります。

  リスクは取りたくない!!でも老後の資金は増やしたい!!

  そんなうまい話があるわけがありません。こつこつ貯金して、あとは公的年金制度をきちんとすること、金持ちもビンボー人も、こうすれば安心して暮らすことができます。
  そういう年金の問題を小さいことだと断言するバカが時たまいますが、そういうバカはどうぞ有り余るご自分の才能で401Kでも株でもパチンコでもおやりになって、勝手に(マイナスの)資産形成してください。あなたみたいな人がいるから、モルガンとかゴールドマンとか朝鮮人のパチンコ屋とかが儲かるように世の中はできています。どんどん損してください。ただし、間違っても、こういうことをしないようにしてくださいね。

ブログに「射殺します」 サイバーエージェント社長脅迫男を逮捕
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080221/crm0802211245028-n1.htm
--------以下引用--------
 インターネット広告大手「サイバーエージェント」の株価下落で損をしたことに腹を立て、藤田晋社長(34)を脅迫したとして、警視庁捜査1課と渋谷署は脅迫の疑いで、静岡市駿河区高松、無職、瀧井啓有容疑者(32)を逮捕した。

 瀧井容疑者は母親と2人暮らしで、父親の遺産を原資に同社株100株を約1500万円で購入したが、値下がりで犯行当時は時価約650万円まで目減りしていたという。「株価が下落したのに社長が責任を取らないので、懲らしめようと思った。ブログに宴会の写真を掲載するなど反省の色が見られないことに腹が立った」と供述している。

 調べでは、瀧井容疑者は1月2日未明に4回にわたり、自宅パソコンで藤田社長のブログに「お前、殺していいですか」「藤田社長を射殺します」「本気です」などと書き込み脅迫した疑い。ほかの同社関係者のブログにも同様の書き込みが残っており、警視庁で余罪を追及している。
--------引用以上--------

  株の買い方が1点買いだったとか、そういうことはどうでもいいことです。みんなが株式投資というギャンブルに参加させられることになれば、その中に混じっている「不適格者」の数も増えるので、今よりもたくさんの人が没落することになるのは、確率論的に見て間違いのないことです。
  自己責任の世界が許されるのは、プロの博打打ちだけです。我々庶民は、こつこつ真面目にできる範囲の努力をして、あとは我々をきちんと保護してくれるような政治家を選挙のときに選ぶしかありません。
  サイバーエージェントの株で大損こいて最後は犯罪をしてしまったオッサンみたいな人間をもっとたくさん生み出そうとしている福田類人猿政権(笑)に、さっさと引導を渡してやりたいものです。

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2008.08.13(Wed)

【戦略】ロシアの次の狙いはどこか?【地政学】 

  ●先日の記事で取り上げた話題の続報です。

露大統領、軍事作戦停止を表明
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/080812/erp0808121846004-n1.htm
------------以下引用------------
 ロシアのメドベージェフ大統領は12日、グルジア領内と南オセチア自治州などに展開しているロシア軍の軍事作戦の停止を決定したと表明した。インタファクス通信が伝えた。

 メドベージェフ大統領は露国防省高官との会合で、「われわれの治安部隊とわれわれの市民の安全は回復した。南オセチアへの侵略者は罰せられた」と述べ、軍事介入の目的が達せられたとの見方を示した。
------------引用以上------------

  この話題について、産経新聞の記者さんがガンバッテ書いた感想文が出ています。

ロシアの戦闘停止表明 背景に冷戦後の勢力圏後退への反撃
http://sankei.jp.msn.com/world/america/080812/amr0808122012013-n1.htm
------------以下引用------------
 メドべージェフ大統領は12日、戦闘を停止する意向を表明した。ロシア、グルジア双方が実際に停戦合意に至るのか、なお不透明だが、ロシアが交渉に応じるタイミングを計り始めていたとしても不思議ではない情勢ではある。冷戦後、欧州周辺で勢力圏の一方的な後退を強いられてきたロシアからすれば、今回の紛争はそれに対する反撃を加える意味があった。
------------引用以上------------

  こういう感じで単語の羅列が続くのですが、あとは興味がある方だけリンク先の記事をお読みになってください。
  この感想文もそうなのですが、どうもこういう国際政治についての解説というのは、なにか場当たり的で、知識の羅列みたいになっていることが多いという感じがしないでしょうか。そういう記事を読むと、なんかスゴイという気がするだけで、物事の本質が全く見えてこないこともしばしばです。私も昔は、背景知識マニアみたいになっていたことがあったほどです。
  それでは、結局こういう話題はマニアだけのものになってしまいます。このブログを読んでいる方には、なんとか細かい知識なしでもこれらのニュースの本質を知ってもらえたらと思います。

  実は、この停戦うんぬんよりももっと注目すべき記事がその前に出ていました。どこが注目部分か、みなさんには分かりますか?

露、グルジアの4都市に侵攻、首都攻防の懸念
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/080812/erp0808121103003-n1.htm
------------以下引用------------
ロシアとグルジアが交戦する南オセチア紛争でロシア軍は12日までに、グルジアの独立派支配地域を大きく越えて同国西部と中部に侵攻した。ロシアは中部ゴリなど4都市に部隊を進めているようだ。グルジアは首都トビリシの近郊まで退却して防衛線を張る戦術に転じ、首都では攻防戦の懸念から緊張が高まっている。

 グルジアからの報道によると、ロシア軍は11日夜以降、首都トビリシから北西約60キロにあるスターリンの故郷ゴリや黒海沿岸のポチ、西部のセナキ、ズグディディに部隊を進めた。ただ、ゴリではすでに住民が退避して街全体がもぬけの殻と化すなど、各地での大きな戦闘や住民への攻撃は伝えられていない。

 ロシア軍はこれまで独立派支配地域を越えることはないと言明していた。

 グルジアのサーカシビリ大統領は国家安全保障会議で「ロシアはグルジア全土を征服しようとしている」と危機を訴えるとともに、テレビ演説で国民に団結と冷静な行動を求めた。大統領はトビリシ市民に自宅待機を呼びかけ、12日は多くの商店や銀行が休業するとみられる。

 ロイター通信によると、グルジア政府は「グルジア軍は首都防衛のために退却している。政府は緊急に国際的な介入を求めている」との声明を出した。

 一方、ロシア国防省当局者はインタファクス通信に、「トビリシに進軍する計画はない。グルジア指導部はパニックに陥っているようだ」と発言し、「ゴリに部隊はいない」「ポチには偵察隊を出しただけだ」などとグルジア側の情報に反論している。

 ロシアのグルジア侵攻を受け、ポーランドとウクライナ、バルト3国の大統領らは近くトビリシを訪問し、グルジア支援の立場を示す方針を決めた。
------------引用以上------------

  正解は、ここです。

>ポーランドとウクライナ、バルト3国の大統領らは近くトビリシを訪問し、
>グルジア支援の立場を示す方針を決めた。


  これらの国々の厳守ががなぜ、ロシア軍による空爆すら囁かれるグルジアの首都トビリシに赴き、グルジア支援の怪気炎を上げる必要があったのでしょうか?
  知識の収集では分かりませんが、「地政学」が分かっていればその理由が簡単に分かります。要するに、これらの国々は、次にロシアのターゲットになることが確定している国だということです。
  まず、ヨーロッパの地図を見てみましょう。

ヨーロッパ

  以前から私は、ロシアは天然資源を通じてヨーロッパ大陸を支配しようとしているという話をしています。上の地図の「ウクライナ(Ukraine)」「ポーランド(Poland)」「バルト三国(Polanの右上の三つの国)」の位置を頭に入れた上で、次の二つの図を見てください。

石油パイプライン
欧州の石油パイプライン

天然ガスパイプライン
欧州天然ガスパイプライン

注:両方とも、計画中のパイプラインを含む

  どうでしょうか。ウクライナ、ポーランドは、きれいにパイプラインの通り道に位置していますね。もしこの二カ国をロシアが思い通りに動かせれば、
  そうでなくても、バルト三国を支配して、バルト海から西ヨーロッパまで改訂パイプラインを敷設することができれば御の字というわけです。(もっとも、ここでもポーランドの経済水域がかかってくる)
  もし、これらの国々をロシアが支配する、具体的に言うと、パイプラインの権益を自由に設定できる状態になった場合、中東からスエズ運河経由でタンカーで運ぶよりも圧倒的に低コストの天然資源がヨーロッパに供給されることになります。これによって中東で産出される原油、天然ガスの地位は相対的に下がることになり、この権益を支配しているアメリカやイギリスにとっては頭の痛い事態になります。
  一番まずいのは、石油をアメリカドルで決済できなくなることです。いまだに多くの国が石油をドルで決済しており、アメリカは札を刷ればただで石油を買えるという地位にあります。札を刷ってインフレにならないのか?と思いますが、そこはちゃんと考えていて、自分のいいなりになってヘコヘコしているばかりの某巨大産業国家に塩漬けのアメリカ国債という形で紙屑同然のドルを押しつけて、市場に必要以上のドルが出回らないようにしているのです(●こちらのリンクを参照)。
  
  今回、グルジアがテクニカル・ノックアウトともいうべき状態になったことで、この地域でアメリカも表立ってグルジア支援をできなくなりました。たとえば、●アメリカによるこのような支援は、ロシアがソ連崩壊後急激に弱体化した時期だからこそできたことで、ロシアが資源高で力をつけ、グルジアとロシアの対立が世界の耳目を集めるようになってしまった今では、かなり難しくなるということです。
  そうなると、今度はロシアは上に出てきたようなターゲットに攻撃を始めるはずです。特に危ないのは、パイプラインの通過料を国家財政の当てにしている「ウクライナ」です。2004年にオレンジ革命という民主化を成し遂げたのですが、その後パイプラインの扱いをめぐってロシアと関係が悪化、2006年の議会選挙では、親ロシアの野党が圧勝しました。なんといってもウクライナの人口の20%はロシア人なのですから、この結果も順当と言えば順当だといえます。
  ウクライナの大統領の任期は5年で、今の親米派大統領の任期は2009年で切れます。その後、誰が大統領になるか、おそらく
  アメリカとしてはそれまでにロシアからのパイプライン抜きでウクライナにエネルギー供給する方法を確立しておきたかったのでしょうが、今回のロシアのグルジア侵攻でほぼ不可能な情勢になってきました。
  そうなると、アメリカは、東欧をアメリカ陣営に取り込むという戦略を、近いうちに根本から見直さなくてはならなくなる可能性があります。それも当然で、歴史上、西から来て東欧を安定的に支配下に置いた勢力はいないのです。ナポレオンも、ヒトラーもみな数年で東欧を放棄してしまいました。
  そう考えると、ヨーロッパを東西に分断し、同盟国を手厚く扱った冷戦時代の戦略は、それなりに理にかなっていたということができます。アメリカは、カネと情報で世界を支配できるという妄想を捨てて、冷戦の頃の合理的な世界戦略に回帰すべきなのではないでしょうか?

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EDIT  |  21:21 |  地政学・国際関係  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2008.08.12(Tue)

「若者」を宇宙人扱いしないこと~富山県の試みに注目 

  先日、●「巨大派遣会社と戦うドンキホーテのブログ」様からトラックバックをいただいたのですが、管理人の派遣太郎さんがブログと平行して運営している掲示板に、興味深いサイトが紹介されていました。
  たまたま昨日私が訪れた富山の事例でもあり、みなさんにも知っていただきたいと重い、記事にして紹介することにしました。どうかご覧ください。

山口義行のこれが言いたい(9)~若者の雇用問題とどう向き合うか―富山に学べ!―
http://www.media-kiss.com/yamaguchi/content/koregaiitai/09.html 
------------以下引用------------
 仕事に生きがいややりがいを見出せない若者が増えている。2006年度国民生活白書によれば、適職探しをしている若者は558万人(2004年度)いる(図表1)。これは1987年に比べて3割増、在学者を除く若年者全体の2割以上に達する。また、フリーターやニートの増加も社会問題になっている。定職に就かない若者の増加は社会を不安定にさせたり、経済の活力を減退させたりするものとして危惧されている。(中略)

 なぜ定職に就かない若者が増えているのか。その理由の1つは、言うまでもなく企業が正社員の採用を絞ったことにある。2002年に正社員として就職できた割合は、大卒で66.7%、高卒では40.4%にとどまっている(図表2)。ともに10年前より20%以上悪化している。これに代わってパートやアルバイトでの採用が増加しており、若者をめぐる不安定雇用の背景となっている。

 もう1つの理由は、若者の職業観にある。社会で責任を持つことに抵抗感を持っていたり、できるだけ長くモラトリアムを享受したいと考えている若者は多い。就職してもちょっとした失敗で会社を辞めてしまい、働くことに夢が持てないまま日々過ごしているケースも目立つ。若者の職業意識や社会人としての自覚をどう育てるかが課題となっている。今回は、この後者の問題に立ち入ってみたい。

 この点に関して興味深い表がある(注:リンク先参照願います)。「フリーター比率」とよばれるもので、新卒者のうち進学も就職もしない者の比率を調べたものであるが、図表3に明らかなように、この比率が全国で最も低いのは、富山県である。全国平均15.3%に対し、富山県は5.0%である。フリーター比率の低さに直結しているかどうかは別にして、確かに富山県では若者の職業意識を育てるために様々な試みが行われている。

 その1つが「14歳の挑戦」。これは富山県が国公立中学を対象に義務づけているもので、中学2年の生徒たちが5日間学校を離れ、地元の企業で実際に働きながら、仕事とは何かを学ぶ体験学習である。2005年度は10,028人の中学生が参加し、受け入れ事業所は3272ヶ所に達している。

 「14歳の挑戦」を立ち上げた山本晶氏(現富山県立富山養護学校校長)は、この試みを始めたきっかけを次のように語っている。

「中学生で最後の担任を受け持っていた昭和63年頃、中学2年生の真面目な生徒がこんなことを言い出しました。

『大人っていいがねぇ。仕事が終わったらパチンコにビール。自分たちは学校の授業が終わっても午後6~7時頃まで部活。それから家に帰ってきて塾に通い、夜は宿題で1日が終わらない。なのに大人は夕方5時頃には会社から開放されてパチンコをしている』。

私はショックを受け、『ちごがい。大人は大変な仕事を一生懸命やっているんだよ。だから、仕事が終わってからビールを飲んで1日の疲れを癒すんだよ』と説明すると子供たちは『うっそぉ~』と言ってなかなか信じようとしなかったのです。

・・・あるツッパリの生徒はこんなことを言いました。『担任の先生は、父ちゃんは子供のためにつらい仕事を我慢して働いているんだから自分も頑張れと注意する。会社は我慢していればお金をくれるけど、自分が我慢して学校に行ってもお金はもらえない』これは、大人をなめている。なんとか大人の働く姿をみせないといけない。そう強く感じたのでした」



 「14歳の挑戦」を体験した中学生は、それをきっかけに父親を見る目が変わったり、家族との会話がはずんだといったことを事後報告している。また、将来自分がやりたい仕事を考えるきっかけになったと答えた中学生もいる。

「インターン先の八嶋さん(八嶋合名会社社長)の話が印象的でした。

『仕事とは、人のために役立つことを考えるもの。仕事は、ただ生きる、家族を養うためのものではない』そう言われました。

普段は、友達と家でゲームばかりでしたが、インターンをキッカケに、仕事とは何か考えるようになりました」



 「14歳の挑戦」は、生徒を受け入れる企業の協力がなければ成り立たない。

「『あたたかく受け入れてあげよう。仕事の楽しさを教えてあげよう』と従業員と生徒の受け入れについて事前に話し合いをします。たった5日間でも生徒が成長していく様子を見ることができ、私たちにとってもうれしい体験です」(㈱サンエツ 板川信夫社長)。

「生徒の緊張をほぐしてあげるために事前の説明や見学を実施しています」(中尾清月堂 中尾吉成)。

「お皿を下げることからはじた生徒が最後には自ら工夫してお客様に声をかけるようになるんです。店のみんなが成長ぶりを驚いたほどでした」(エクボ 国奥真由美店長)。

 また、受け入れる企業側にも大きなメリットがあると経営者たちは語っている。生徒の指導役に入社2~3年目の社員をつけることで、社員自身が仕事の楽しさや失敗体験等を伝えるうちに、仕事の意義や自社の良さを自覚でき、仕事のやりがいを改めて見出すきっかけとなるのだという。

 さらに富山県の高校では、もっと進んだ取り組みを行っている。たとえば、県立富山商業高校が実施している「TOMI SHOP」。これは、生徒800人が1株500円で出資して設立した株式会社。生徒全員が社員となり、校内に売り場を作り、生徒たちが仕入れた商品を客として訪れた人たちに販売する。オリジナル商品の開発も行っている。販売日は毎年11月の2日間だけ。それでもこの2日間だけで、昨年はおよそ1350万円もの売り上げを上げた。商品は100円のお菓子から100万円の車まで。富山の名産物である魚やクラブ活動の様子などを柄にしたネクタイを開発するなど、ユニークな取り組みを行っている。ちなみに、このネクタイ(1本2500円)は2日で600本も売れるという。

 参加した生徒も「コミュニケーション能力の向上」を「TOMI SHOP」体験の効果としてあげているが、実際仕入れのための交渉、商品開発のための話い合いなど、企業関係者と立ち入ったコミュニケーションを積み重ねなければ事業はできない。

 富山商業高校の安田隆教諭は「必要なのは社会の人たちからしかられたり褒められたりすることです」と語り、高校時代に「TOMI SHOP」の社長を務め、現在㈱オーパーツに勤務している藤井南さんは「いろいろな立場の人とお話をしても、気後れしないでお話しすることができるのは『TOMI SHOP』の経験があるからだと思います」と言っている。「コミュニケーション能力の向上」はまさに社会に出るための準備であり、職業人養成のための重要な教育機会となっている。

 山本氏は、「14歳の挑戦」の意義について次のように語っている。

 「困ったときに人に助けてもらうことの重要さを知るのです。今、学生時代から『自己実現』を教えようとする気運が高まっていますが、それはどうなのでしょうか。自分がどうしていいか分からない時、やり方が分からず思うように物事が進まない時に、人の助言に耳を傾け、相談してみること。いろんな人が手を差し伸べてくれるんだということが心に残ることが、今の中学生にとっても、社会全体にとっても大切なことなのです」(同上、8ページ)。

 こうした言葉にも示されているように、小さな職業体験が人への信頼、社会への信頼を生むきっかけとなり、生徒たちは自分も人に「手を差し伸べて」あげられる人間になりたいと感じるようになる。これはまさに「社会人育て」である。周りの大人たちが支えてくれることを体験し、人に対する信頼が生まれ、さらに自分もその役割を果たしたいと思うようになり、社会人になっていく。こうした「社会人育て」を通して、若者の健全な職業観が醸成されていく。それを地域の試みとして実践している富山県から学ぶべきことは多い。
------------引用以上------------

  こういう地方自治体があるから、私は「公務員は駄目だ」という決めつけに反対なのです。塾や私立の学校が、上の文章にあるような富山県のような取り組みを一度でもしたことがあるでしょうか?
  よく、若者への評価として、私や、さらにその上の世代から、「今の若いやつは指示を待ってばかりで使えない」とか「俺の子供の頃と違って我慢が足りない」などという言葉が出てきます。そういう人の表情や口ぶりを観察していると、まるで宇宙人について語っているかのように見えます。若い人間を一方的に異物として見ているのです。
  しかし、若者ばかりを責めるわけには行きません。日本のように成熟した社会では、子供は生まれた頃から便利な環境を当然のものとして育ってくるのは仕方がないことです。だいいち、今の便利さと、20年前のそれとでは、江戸時代の人たちから比べたら五十歩百歩です。俺の若い頃は、などと言っている人は、子供の頃から水道や冷蔵庫も使ったことがないのでしょうか?
  よく言われる「今の若いやつは使えない」「やる気がない」「すぐ挫折する」などというような酷評も、そういう生育環境のギャップから出てきているのは間違いありません。だから、文句を言っても仕方ないのです。

  問題は、そういう若者をどうやって「使える」ようにするかです。

  思うに、今の若者が社会に出たときショックを受けてしまう、もしくは初めから大人の社会に足を踏み入れようとしないのは、彼らが子供の頃から学校や親から教わってきている社会像と、現実の社会のギャップがあまりにも大きいからです。
  ●以前の記事のコメント欄で「しわさん」たちがおっしゃったことともつながってくるのですが、どうも我が国の学校教育は、子供に対して「夢を実現するために努力することこそ尊い」とか「自分のやりたいことをやればいいんだ」というように、自己実現というものを過大に評価しすぎているのではないかと思うのです。子供の頭の中には、「あれがやりたい」「こうありたい」という観念ばかりが詰め込まれてしまい、実際に社会で直面する苦労や障害は全く意識されません。
  別に、私は子供は大志を抱かずこつこつやることだけが正しい生き方だ、などと言っているのではありません。教育の現場では、夢を語るよりも他にやるべきことがあるのだと言いたいのです。その一つが、「社会に出たときに、学生時代に与えられてきた世界観と、現実との違いで受けるショックを緩和する」ということです。
  富山県の取り組みで感心させられるのは、●こういう欺瞞に満ちた職業指南書●ディズニーランドの二番煎じみたいな職業体験テーマパークとは違い、現実の世界で活動している大人の中に子供を参加させ、その苦労や工夫を社会人と一緒に経験させている点です。私の個人的な経験で恐縮なのですが、うちが「自営業」をやっている友達というのは、親に対しての姿勢がゆがんでおらず、しっかりした友達が多かった気がします。少なくとも、不良になったり、引きこもったりと、のちのちに社会と齟齬を来した人間は一人もいません。親の苦労を近くで見ているというのは、貴重な経験なのです。
  みんなが自営業をやるのはどう考えても不可能なわけですから、教育する側が無理矢理そういう状況を作り出して疑似経験をさせてやるしかないのではないでしょうか。
  受け入れる企業も大変素晴らしいと思います。足手まといになるからと、未経験の若者を疎外したら、永遠に彼らの社会経験が積み重ならないからです。どうせ文部科学省の官僚が税金を使ってやってもたいしたことができるわけではないのですから、その分こういう企業に、法人税を減税してあげたらどうでしょうか?
  このような営みこそ、「社会全体で子供を育てる」ということです。昔は、小うるさい家族や親戚との関係や、うっとうしい近所づきあいを通じて、自然と大人とつきあう要領や、するべき我慢の程度を覚えていったのでしょう。逆に言うと、そういうものを「邪魔だから」「面倒だから」と切り捨てていったのが戦後の日本だったということもできます。
  今はなかなかそんな濃密な経験をする機会がなくなっています。公的な機関はそのへんをきちんと認識して、子供が社会に出て行くためのアシストをしてやるべきなのではないでしょうか。指導要領で決められた科目だけを教えていればよかった時代とはわけが違うのです。それを分からずして、「今の子供はおかしい」とか、モンスターなんとかのせいにしていていいわけがありません。
  当たり前すぎていちいち書きたくないのですが、いくら愛国心や公共精神を教えたところで、若者が現実と直面して感じるギャップを埋めてやることはできません。仕事で壁にぶつかったとき「ヤスクニの英霊に顔向けできないからがんばろう」とか「明日の日本のために戦おう」なんてことを思って乗り切る若者なんているわけがありません(笑)。当たり前ですが、ジンケンのソンチョーだとかヘーワのトートサとか、センソーセキニンなんてものを教えても同じことです。
  何を教えればいいだとか、こういう教員採用システムにすればいいとか、そういう発想ばかりしているから若者がきちんと育たないのです。そういう発想をするのは、あなたが子供を都合の良いように洗脳することばかり考えている人間だからです。洗脳では、大人の側が教育をしているつもりになることはあっても、現実の子供が抱えている問題を解決できません。
  若者は、宇宙人ではないのです。大人にとって都合の良い子供だけを選別するのではなく、一人でも多くの子供が、社会に出ていくときの摩擦が少しでも少なくなるように、手をさしのべる仕組みを作っていくべきです。
  富山県の教育行政に携わっている担当者の方におかれましては、「14歳の挑戦」のような試みを、信念を持って継続されていくことを期待しています。

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2008.08.12(Tue)

ノートPCのタッチパネルを激しく憎悪する自分がいます 

  記事がまた消えました。手持ちのノートPCを叩き壊したい気分です。

  今度は、タッチパネル(ノートパソコンの下の方についている、カーソル移動用のデバイス)のせいです。私の持っている「東芝ダイナブックSS RX1」というノートパソコンは、タッチパネルを「トンッ」と軽く叩くと、マウスの右クリックをしてくれるという、それはそれはもうとても便利で泣けてくるような機能がついています。
  先ほど、インターネットのブラウザを開けて、「お気に入り」を開こうとカーソルを移動させていた時です。右手の親指の付け根がパネルドに接触し、右クリックが入ったしまったのです。ちょうど、書き途中だった記事のタブの「×」印の上で。
  もちろん、パソコンは「閉じる」動作だと認識し、せっかく書いていた記事が全て飛んでしまいました。
  しかも、FC2の下書き自動保存機能は、一度下書きで保存すると無効になるらしく、途中でセーブした部分(ものの20数行)以外の部分がおじゃんになってしまったわけです。

  この、「軽く叩くとクリック」という機能をつけた開発者は、何を考えているのでしょうか?

  ノートパソコンのタッチパネルというのは、位置がスペースキーのすぐ下にあるため、右手と頻繁に接触します。だから、普通にキーボードを操作していると、すぐに右クリックが入ってしまうのです。そのおかげで、訳の分からない場所に語句が挿入されたり、変なリンクをクリックしてしまったり、今までかなり苦労しています。そのくせに、指一本でカーソル移動とクリックを済ませようとすると、そういう時に限って「トンッ」どころか「ガスッ」くらいで触らないといけません。要するに、無用の長物なのでエス。
  一応パネルを無効にする機能もあるのですが、そうなると今度はマウスを持ってこなければならなくなります。せめて、「トンッとさわるとクリック」だけ無効にする機能はないのか、開発者の襟首をつかんで詰問してやりたいものです。

  「蛇足」という言葉は、こういう時のために存在するのだと実感した一日でした。

  すみません。もうさすがに再び書く気力が起きないので、今日は休ませてください。また明日、きちんとワープロに記録してから(←最初からこうしろ)記事を挙げます。

  ・・・どうもこのタッチパネルには触れ方によって隠された機能があるらしく、今右手が触れたらブラウザのバックボタンが作動しました(笑)。駄目だ、この機能。帰ったら、一生オフにしてやる。

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2008.08.11(Mon)

グルジア=アメリカvsロシア、仁義なき戦い 

  旅行先の金沢からの記事です。ロシアとグルジアの間で勃発した「戦争」の背景と、その行方について簡単にまとめます。
  まず、どんな出来事が起きているのか、確認しておきましょう。

グルジア:南オセチア自治州進攻 衝突停止の声明、NATOが発表
http://mainichi.jp/select/world/news/20080809ddm007030058000c.html
------------以下引用------------
グルジアからの分離独立を求める南オセチア自治州に対するグルジア軍の攻撃を受け、北大西洋条約機構(NATO)のデホープスヘッフェル事務総長は8日、事態に懸念を表明、全当事者に対し「軍事衝突の即時停止と直接対話」を求める声明を発表した。一方、欧州連合(EU)のソラナ共通外交・安全保障上級代表は7日、グルジアのサーカシビリ大統領と電話で協議、戦闘をただちに停止するよう求めた。
------------引用以上------------

ロシアと戦争状態=「多数の人的被害」-グルジア大統領 
http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2008080801042&=j1
------------以下引用------------
 グルジアのサーカシビリ大統領は8日、「わが国はロシアの侵略に対して自衛している。ロシア部隊はグルジアに侵攻した」と述べ、グルジア部隊はロシア軍と戦争状態に入ったとの見方を示した。米CNNテレビのインタビューで語った。
 大統領はこの中で、「ロシア軍機が病院を空爆し、多数の人的被害が出ている」と述べ、ロシア側はグルジア全土で民間人を標的に攻撃していると激しく非難。「これは最悪の悪夢だ」と強調した
------------引用以上------------

グルジア軍撤退、ロシアは停戦拒否 黒海で海上封鎖
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080810AT2M1001610082008.html
------------以下引用------------
 旧ソ連のグルジアから分離独立を主張する南オセチア自治州を巡る同国とロシアの軍事衝突は10日、停戦を求めるグルジアが紛争地域から軍を撤退させたと発表した。ロシア側は停戦を拒否。黒海艦隊を派遣してグルジアの海上を封鎖すると同時に大規模な部隊を増派したもよう。同じくグルジアから独立を求めるアブハジア自治共和国に駐留する同国軍にも攻撃を加えている。米欧はロシアに即時停戦を要求しているが、実現の見通しは立っていない。

 グルジア内務省は10日午前、ロシア軍機による空爆が南オセチアを越えて同国各地に拡大し、市民への被害が広がったことを受け、「グルジア軍は南オセチアから撤退した」と発表した。これに対し、ロシア側は「グルジアから正式な停戦の提案を受けていない」として戦闘を続けている。(
------------引用以上------------

  このブログの基本的な方針は「出来事を少し上から眺める」ことです。従って、いったいどちらが先に手を出したのかいちいち詮索したりとか、各国の高官がこれに対してどんな発言をしているかとか、南オセチアやアブハジアの内部情報についてはふれません、
  こういう時に役に立つのが「地政学」です。地理的要因などから、ある国の行動様式を分析・予測することをいいます。
  まず、グルジアとその周辺の地図を見てみましょう。

コーカサス地方


  いわゆるコーカサス地方に位置しています。この地域は、地政学的に見ると、非常に重要な地域だということができます。
  なぜなら、コーカサスはロシア(モスクワ)と中東(サウジアラビアやイラクなど)を最短距離で結んだ線上にあるからです。みなさんもニュースなどでよく「中東情勢」という言葉を聞くかもしれませんが、どのくらい重要なのかあまりご存じでないかもしれません。端的に言えば、世界の中でもっとも重要な地域が中東です。中東は、東アジアとヨーロッパの陸上・海上交通が一カ所に集中している地域であり、現代文明に欠かせない石油という資源を大量に産出してもいます。「中東を制する者は世界を制する」と言っても過言ではないでしょう。 
  近代に入ってからは、この地域はオスマン・トルコが支配していましたが、石油が本格的にエネルギー資源として用いられ始めた19世紀以降、欧米列強の露骨な干渉を受けることになります。最初にこの地域を制したのはイギリスでした。ドイツとの熾烈な競争を第一次大戦の勝利という形で片付けたのです。「シェル」や「ブリティッシュ・ペトロリアム」といった石油会社はその頃から油田開発に携わっています。
  そして、第二次大戦後はこの地域をアメリカが支配することになりました。このとき油田開発を行っていたのがスタンダード石油という会社で、今の「エクソン・モービル」や「シェブロン」の元になった企業です。
  このように、基本的にはこの地域は米英が支配してきたのですが。、その最大の障害がロシア(冷戦時代のソ連)でした。ロシアは中東のすぐ北に位置する強国であり、陸軍が弱いイギリスや本国と中東が遠いアメリカを圧倒する陸軍力を持っています。彼らがコーカサス地方を越えて中東に干渉してきてはやっかいです。だからこそ、NATO(北大西洋条約機構。米英が加盟する軍事同盟)がトルコの東部に空軍基地(ディヤルバクル)を置いており、傀儡国家であるイスラエルが中東に存在しているのです。
  そして、冷戦集結・ソ連崩壊後にはアメリカが事実上グルジアと同盟関係に入り、コーカサスにしっかりと蓋をしてきたわけです。
 
  ここに近年加わってきたのが、「中央アジアからの天然ガス・パイプライン」という問題です。
  中央アジアのカザフスタンやトルクメニスタン、さらにカスピ海西岸のアゼルバイジャンでは、天然ガスが豊富に産出されます。今まではこのパイプラインは、いったんモスクワを経由してヨーロッパに流されていました。それを、アゼルバイジャン→グルジア→黒海→欧州というルートで運び出すパイプラインが構想されているのです。その目的は言うまでもなく、世界最大の天然ガス産出国・ロシアの封じ込めです。ガスの元栓をロシアに握らせれば、米英資本が世界のエネルギー市場を支配できなくなります。だから、ロシアの領内を迂回して天然ガスをヨーロッパ(EUやスイス)4億人の市場に送り届けようとしているわけです(●こちらの記事を参照)。
  アメリカ側にしてみれば、アゼルバイジャン1国を抱き込んでも、黒海に接しているグルジアがロシアに付いてしまえばパイプラインを支配できません、逆に言えば、ロシアはグルジアさえ攻め落としてしまえば、オセロをひっくり返すようにしてアゼルバイジャンや中央アジアもロシア側につかせることができることになります。
  だから、冒頭に挙げたような騒ぎになっているわけです。

  では、この勝負は、アメリカとロシア、どちらが勝つでしょうか。

  私は予言者ではないので外れても責めないでほしいのですが(笑)、現時点の状況から見て、ロシアの勝ちが濃厚です。
  まあ、別に勝つといっても、アメリカやイギリスが核攻撃を受けて全滅するとか、ロシアが全欧州を軍隊で制圧するとか、そういうものではないのですが、何をやるにもロシアの意向を無視できなくなる可能性が高いということです。
  なぜそんなことがいえるのかというと、冷戦後の国家戦略という点で、アメリカよりロシアの方がよりましな方針をとり、それを今に至るまで貫いているからです。

  ロシアの前身であるソ連は、戦略という点ではアメリカに完敗しました。
  原因はいくつかあります。まず、国民をきちんと食わせられずに、欧米に迎合する政治家(ゴルバチョフやエリツィン)が台頭する隙を与えてしまったことです。ゴルバチョフがやった一連の施策は「ペレストロイカ」と称され、欧米のメディアに賞賛されました。エリツィンの行った経済の民主化も同様です。しかし、彼らがやったのは、基幹産業を次々とマフィアまがいの資本家(ユダヤ人が多かった)に売り渡し、エネルギーや食料価格の自由化によって国中に失業者をあふれかえらせたことでした。ソ連を弱体化させることは、欧米にとっては都合がいいことであり、だからこそメディアが彼らを賞賛したのです。ちょうど、我が国で構造カイカクなどといって国内経済を破壊した人間が、ホワイトハウスや英語メディアから絶賛されたように。
  さらに、こちらの方が重大だったのですが、ソ連が領土保全にこだわるあまり、アフガニスタンに軍事介入したことも国を傾かせた大きな原因でした。全盛期の帝政ロシアでさえ、もっとも南に下ってウズベキスタンまで支配するのが限界でした。私は自国と隣接する地域でイランのようなイスラム革命を起こされてはたまらないという一念で侵攻したのだと見ていますが、地政学でいう「勢力限界点」を越えてしまったツケは、10年間の終わらない戦いと、死体を切り刻んで送りつけてくるアフガンの武装勢力との戦いでノイローゼが続出し、弱体化したソ連軍という形で払わされることになったわけです。
  もっとも、長い目で見れば、アメリカが中国と国交回復した1971年くらいから勝負は付いていたと考えることも出来ます。ともかく、ソ連は1991年に分裂し、ロシア人のプライドはズタズタにされました。
  しかし、そんな状況に陥っても、KGBを中心とするロシア上層部はめげませんでした。KGBのたたき上げであるプーチンを政権に送り込み、オリガルヒといわれたマフィア資本家をことごとく粛正、ばらばらになっていたエネルギー関連の企業を統合して、国家統制に置くことに成功しました。
  ロシアの狙いは、豊富な天然資源を利用してエネルギー市場を支配することにあります。●以前の記事で紹介したように、ロシアは着々と西ヨーロッパを籠絡する手はずを進めています。昨今の資源価格の高騰は、このようなロシアの戦略を進めやすくする絶好の材料になっています。
  この戦略がうまく行っているのは、アメリカやイギリスが石油価格の下落という形でロシアの力を弱めることができないことに尽きます。資源高騰で一番利益を得ているのは、何を隠そう米英の石油資本だからです。なにしろ、需要が逼迫しているわけでもないのに価格だけは上がり続けているのですから、笑いが止まりません。こんな状況で、アメリカ政府が原油価格を引き下げる措置、たとえば商品取引所の閉鎖などの手段を講じれば、その政治家は間違いなく次の選挙で落選します。
  アメリカの(まともな)上層部がロシアに対抗しようとしても、根本的なロシアの力の源を断つことができないわけです。かなりのハンデ戦だといってもいいでしょう。

  では、そのアメリカは冷戦後どんな戦略をとってきたのでしょうか。
  冷戦終結以前のアメリカは、地政学でいう「リムランド戦略」を徹底していました。リムランドというのは、地政学的にもっとも重要な場所(ユーラシア大陸でいえば中東)に隣接する地域をいいます。その多くは海際です。たとえば、ロシアを南下させないために、黒海の出口であるボスポラス海峡を支配するトルコを応援するとか、中国やソ連を太平洋に出させないために、日本の沖縄に基地を置くとか、そういう感じです。これだと、膨大な陸軍力を投入しなくてもいいので、非常に効率よく敵を封じることができます。
  ところが、ソ連が崩壊し、目立った敵がいなくなると、ちょっとおかしくなります。
  1991年の湾岸戦争では、せいぜい陸軍をクウェートに置くだけで、リムランド戦略はきちんと機能していましたが、1995年にサウジアラビアに基地を置いたあたりから、アメリカの戦略が変質していると見ることができます。サウジはイラクに隣接しており、中東でも重要な地域には違いありませんが、クウェート(港1個)や日本(島国)と違って長大な国境線があります。これを警備するのは相当困難で、現にサウジ領内の米軍基地は、イラクから越境してきたと「されている」テロリストによって何度か攻撃されています。
  さらに戦略がねじ曲がったのは、コソボ紛争です。1999年から始まったアメリカ主体のNATO軍の軍事作戦で、ユーゴスラビア(現セルビア)は焦土と化し、この国が徹底的な反米国家になるきっかけを与えてしまいました。さらに、支援したコソボ自治州が独立を叫びだしたら、アメリカの同盟国であるスペイン(バスク人の分離独立問題を抱える)や、なんとグルジアにまで反対される始末です。自分たちの橋頭堡さえ作れれば後は何とかなると考えていたのではないでしょうか。(詳しい話は、●こちらの記事を参照)
  その思い上がりが頂点に達したのが、2001年のアフガニスタン攻撃と、2003年のイラク戦争です。アフガニスタンでは、まだ北部同盟とかいうウズベク人などマイノリティーの部隊を使うことができましたが、その後治安維持のため陸軍を送らざるを得なくなっています。イラクでは最初から陸軍投入です。そして、今の今まで両国の駐留米軍はゲリラ攻撃で被害を受け続けているわけです。
  傀儡国家であるイスラエルに逆に引きずられているとか、金融と情報だけ握っていればいいと高をくくっていたとか、いろんな要因があると思うのですが、ともかくアメリカはリムランドを支配に力を集中させる合理的な戦略をだんだんと放棄していったのは間違いありません。

  アメリカが盛り返す方法がないかどうか考えてみましょう。

1.グルジア支援をやめる

  こんなことをしたら、エネルギー関連の企業、特に石油メジャーが激怒して、大統領は在任中に首を切られます。少なくとも、メディアに敵視されることは間違いありません。日本でもアメリカでも、マスメディアはグローバリスト企業の広報役なのです。だいいち、アメリカの政府高官には石油関係の人間が多い(ブッシュはカーライルの元役員、チェイニー副大統領はハリバートンのCEOと、いずれも石油関連企業の傀儡、そのた枚挙にいとまなし)ので、そんな政策は採るわけがありません。

2.コソボを独立させてロシアにプレッシャーをかける

  これをやったら、アブハジアや南オセチアはどうなるか、小学生でもわかります。それどころか、分離独立問題を抱えている同盟国(たとえばスペインやキプロス)が同盟から離脱することさえ考えられます。米軍の上層部が絶対に認めないでしょう。
  それだけでなく、チベットや東トルキスタン、台湾といった独立問題を抱える中国に、国連安保理で拒否権でも発動されたら大恥です。

3.ロシアの戦力を分散するために、中国をロシアにぶつける

  中国は資源乞食状態の国ですが、何の利益もなくロシアに侵攻するほど愚かではありません(相手は国際社会の目など気にせず北京や上海に核攻撃をしかねない国である)。
  それに、中国自身、今は東トルキスタンだとかチベットのことで手一杯です。よほど追い詰められれば別ですが、中ロの相打ちという、ネット右翼の妄想みたいにことが運ぶ可能性は非常に低いでしょう。

4.中東(特にイラン)をアメリカ陣営に引き込み、ロシアの南下を封じる

  こんなことをしたら、イスラエルの諜報機関がアメリカの大統領を暗殺しかねません。もっとひどい場合、孤立したイスラエルが単独でイランやサウジを核攻撃することだって考えられます。
  もっとも、アメリカの政権内にいるイスラエルシンパU(たとえばネオコン)が一掃され、イスラエル上層部の対面を保つ形で和平が進めば、このオプションが実現するかもしれません。、難しい話ではありますが・・・。

  こうなると、アメリカに取り得る手段は非常に限られてきます。たとえば、こんな感じです。

★とりあえず、今回はロシアに譲歩する形で決着させ、グルジアを懐柔する

  サーカシビリ大統領が反発するなら、政権転覆で穏健派を大統領にすることも考えられます。

★その上で、ロシアの膨張を防ぐために、東欧の親米国(ポーランドやチェコ)やトルコにてこ入れする

  経済支援や技術支援、ミサイル防衛などです。前者なら、日本も手伝ってやっていいでしょう。ただし、「ただ」でやってはいけません。

★コソボは宙ぶらりんの形にしておく

  独立派が騒いでもメディアには黙殺させます。ロイターとAP、AFPとBBCが無視すれば、欧州(ドイツやロシア、フランスなどのメディアはある程度独立性がある)以外の国にとってはそんな事実は存在しないのと同じです。

  なんともまあ、情けない形ですが、自分がまいた種です。今回は悔しい思いをするしかないでしょう。これを機に、アメリカが本来のリムランド戦略に軸足を移していくことを願いたいものです。

  我が日本としては、ヨーロッパでの失地回復を取り返すようにして、猛然と「カイカク」(アメリカ資本への利益誘導)を迫ってくる可能性があるので、是々非々で対応しなくてはいけません。こんな時に、小泉のような対米隷属主義者が首相だったらと思うと、背筋がぞっとします。まあ、ライオン丸やカバに支持されて首相になり●調子こいてシロクマと一緒にポスターに出てるチンパンジーでもその辺は大して変わらないのかもしれませんが・・・。
  ロシアが強大化すれば、日本の戦略上の地位は増すのですから、対等とはいわなくても、せめてよりましな条件をアメリカから引き出せるような外交をしてもらいたいものです。貧相なライオンだとかチンパンジーには、国会ではなく動物園に行ってもらいましょう(笑)。

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テーマ : 政治・経済・時事問題 - ジャンル : 政治・経済

EDIT  |  00:38 |  地政学・国際関係  | TB(0)  | CM(5) | Top↑
2008.08.10(Sun)

【 oTL 】自分のバカさ加減に愕然としました 

  ブラウザを開いただけの状態で「バックスペース」ボタンを押してしまい、今まで1時間20分くらい書いていた記事が消えてしまいました。
  FC2が最近導入した、自動下書き保存機能があるから大丈夫かと思ったのですが、保存されていたのはなんと、画像のURLをコピーするためだけに作成したダミー記事だけでした。

  11時間電車に乗った後、こういう出来事があると、もう肉体的にも精神的にも持ちません。すみませんが、ロシアとグルジアの「戦争」の記事は、明日以降にさせてください。
  こんな軽率な私でも応援していただけるという方は、是非↓を・・・・・・。

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EDIT  |  00:51 |  お知らせ  | TB(0)  | CM(0) | Top↑
2008.08.09(Sat)

【緊急】大変な事態が起きてしまったようです 

ロシア軍が南オセチアに侵攻、グルジアとの戦闘激化=現地報道
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-33159920080808
--------以下引用--------
グルジアからの分離独立を主張している南オセアチア自治州のプレスサービスは8日、ウェブサイトで、ロシア軍の戦車が州都ツヒンバリ北部に侵入したことを明らかにした。

 ロシア側は、同地域をグルジアが制圧しようとする動きに対応したとしている。西側寄りのサーカシビリ・グルジアの大統領は、グルジアとロシアは戦争状態にあると述べた。

 米ホワイトハウスによると、北京オリンピックに出席するために中国を訪れているブッシュ米大統領は「グルジア領土保全」を支援することを約束した。

 ホワイトハウスのペリノ報道官は声明で「米国はグルジアの領土保全を支援するとともに、即時の停戦を求める」と述べた。

 南オセチア自治州のココイトイ大統領がロシアのインタファックス通信に語ったところによれば、グルジアの攻撃で約1400人が死亡した。

 グルジアの安全保障当局高官によれば、ロシア機が首都トビリシ近郊の軍事基地を空爆した。内務省によると、グルジア兵3人が死亡した。
--------引用以上--------

  これは、遂に始まってしまったという感じです。

  このブログは以前からロシアとグルジアの関係については扱ってきています。さしあたり予備知識として、以下の当ブログの記事をご覧下さい。今回の「開戦」に当たっての記事は、改めて出先からアップロードいたします。

ロシア、ついに牙を剥く!!
http://blog.goo.ne.jp/roro_football-lover/e/bf2803e4fcfd8e89988152bd3accdab9

Россия - царь Газового Мира!(ロシアは天然ガスの皇帝)
http://blog.goo.ne.jp/roro_football-lover/e/3923fd8885c106127ee67c51a92b9f7f

【戦略論】21世紀のコソボの戦い・・・勝者は誰か?(2)【地政学】
http://roronotokoro.blog113.fc2.com/blog-entry-96.html

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EDIT  |  09:47 |  地政学・国際関係  | TB(1)  | CM(0) | Top↑
2008.08.09(Sat)

「最良の社会政策は最良の刑事政策である」(リスト) 

  ひとつのニュースについていろんなメディアが書いた記事を並べて読んでみると、面白いことが分かったりします。俗っぽいネタを取り上げてみます。

志田未来さん:住居侵入容疑、ファンの男逮捕
http://mainichi.jp/enta/geinou/news/20080809ddm041040054000c.html
--------以下引用--------
 7日午後10時35分ごろ神奈川県綾瀬市のマンションに住む女優、志田未来さん(15)の母から「変な男が部屋の前の廊下にいる」と110番があった。駆け付けた県警大和署員がマンション1階の通路にいた住所不定、無職、大内裕一容疑者(23)を住居侵入容疑で現行犯逮捕した。「熱狂的なファンで、会いたかった」と供述しているという。

 調べではこの日、インターネット掲示板「2ちゃんねる」に、志田さんを名指しし「マンションから突き落として背中から刺します」と書き込みがあり、連絡を受けた署員が警戒していた。大内容疑者は隣家の敷地内からフェンスを乗り越えて侵入したらしい。

 志田さんは06年の日本テレビ系ドラマ「14才の母」で主演するなど活躍中の人気女優。
--------引用以上--------

  本人とそのご家族はさぞかしぞっとしたことでしょうね。続けて、産経スポーツから。

志田未来に「会いに来た」自宅侵入男逮捕
http://www.sanspo.com/geino/news/080809/gnd0809001-n1.htm
--------以下引用--------
 女優、志田未来(15)の自宅マンション敷地内に侵入したとして、神奈川県警大和署が住居侵入の現行犯で住所不定、無職の大内裕一容疑者(23)を逮捕していたことが8日、分かった。

 調べによると、大内容疑者は7日午後10時10分ごろ、志田が家族と暮らす神奈川・綾瀬市内のマンションの2メートル近い金網フェンスを乗り越えて、廊下部分に侵入。玄関ののぞき穴から不審な男を発見した志田の母が午後10時半ごろ110番通報し、駆けつけた大和署員に1階廊下で取り押さえられた。大内容疑者は「志田さんのファンで、会いたくて来た」と供述しているという。

 事件が起きる2時間前の同日午後8時ごろに、「『志田未来を今日、殺します』と書かれたインターネットの掲示板がある」とメールで通報を受けた同県警は周辺を警戒。大和署員が志田宅を訪れ、注意を呼びかけたという。ネットの殺人予告書き込みには志田の詳しい住所も書かれていたため、県警が掲示板の管理人に削除を要請した。

 同署は大内容疑者が書き込んだと見て関連を調査中。同容疑者は書き込みを匂わせる供述をしており、現在、容疑の裏付けを急いでいる。
--------引用以上--------

>同容疑者は書き込みを匂わせる供述をしており

  こちらの記事は、ネット上の殺人予告をしたのが住居侵入の容疑者であるという可能性が高いということを書いています。
  ただ、この手の情報は眉に唾をつけて受け取るべきです。なぜなら、

▲警察が捜査をやっている体裁を繕うために不確かな情報を垂れ流している
▲メディアが警察発表の言葉尻をとらえて誤認報道している


  という可能性があるからです。私は、地下鉄サリン事件の時に、ばらまかれた有害物質は「なんとかモノイソプロピル」だという初期報道がされたのを覚えています。サリンなんて名前はどこからも出てきませんでした。警察発表や、それを受けたメディアの発表は、特に捜査の端緒では誤った情報を含んでいることが多いので注意が必要です。
  さすがに、裁判をやる段階になると、そこまでおかしな情報が飛び交うことはないようですが、その代わりにメディアがどこからか拾ってきたゴミみたいな周辺情報(たとえば、被害者の家族が昔不動産取引で失敗していたとか、容疑者の嘘かホントか分からない幼年時代の逸話とか)がくっついてくるので、そちらの方が厄介です。
  センセーショナルな事件の時こそ、冷静に判断することは必要です。何かから目をそらすために警察や政府がグルになっていることだってあり得るからです。
  次に、朝日新聞のインターネット版です。

志田未来さん宅に侵入容疑で男逮捕 ネットには殺人予告
http://www.asahi.com/national/update/0808/TKY200808080256.html
--------以下引用--------
 女優志田未来さん(15)の自宅マンションに侵入したとして、神奈川県警大和署は7日、住所不定、無職大内裕一容疑者(23)を住居侵入の疑いで現行犯逮捕した。インターネットの掲示板にこの日、志田さんの殺人を予告する書き込みがあったことから、同署が関連を調べている。

 調べでは、大内容疑者は7日午後10時10分ごろ、神奈川県綾瀬市内の志田さん家族が住むマンションの金網フェンスを乗り越えて、廊下に侵入した疑い。玄関先に不審な男がいるのをに気づいた志田さんの母親が、約30分後に110番通報し、駆けつけた同署員が大内容疑者を取り押さえた。「志田さんのファンで、会いたくて来た」と供述しているという。

 7日午後8時ごろには、県警に「『志田未来を殺す』と書かれたネット掲示板がある」とメールで110番通報があった。このため、同署員が志田さん宅を訪れ、警戒を呼びかけていた。この書き込みには、志田さんの詳しい住所も書かれており、県警が掲示板の管理人に削除を要請した。
--------引用以上--------

>この書き込みには、志田さんの詳しい住所も書かれており、

  ここが他と違うところです。断定口調なので、警察がきちんとデータを記録してあり、それを発表したのでしょう。

  しかし、ゾッとするニュースです。

  別に、熱狂的なファンがどうこう、という問題ではありません。ストーカー的な追っかけは昔からいます。中には●歌舞伎役者の市川猿之助さんが被害にあった例(注:PDFです)や、●歌手のの久保田利伸さんが9年間つきまとわれた例など、ストーカー行動に及ぶ人間もいるようです。
  それ以上に私がやりきれない気分になったのは、

住所不定、無職、大内裕一容疑者(23)

  こういう人物が、アイドルの住所を調べ上げて、その自宅の前で徘徊するような行動を取っていることです。上の二つの被害例が、どちらかというと「おばさん」によるものだということを考えると、このことは重大です。
  23歳ならば、まだやるべきことはたくさんあるはずです。もちろん、いくつになってからも人生はやり直しが利く(程度の差はある)と思うのですが、特に20代前半ならば、その後の過ごし方でどうにでもなるものでしょう。
  芸能人相手に騒ぎを起こしたら、実名が出てしまうことくらい、すぐに想像がつきそうなものですが、それにも関わらずこういう行動を取ってしまうわけです。将来の見通しや、何らかの希望を持っているならば、とてもこんな愚挙には及ばないはずです。また、親や近所の目を考えて、思いとどまるということだってあります。
  この容疑者が、単なる「変わり者」や「馬鹿」であればいいと思いますし、実際そういう可能性が高いとも思うのですが、昨今の事件報道を見ていると、どうもそういう「変わり者」が出てくる頻度がだんだん高くなってきている気がするのです。  
  考えられるのは、道徳や倫理が有効に機能するための心理的・社会的装置が壊れてきているということです。たとえば、「真面目に働いていればいいことがある」「地道にやれば将来ある程度の生活が出来る」という社会経済状況があるなら、馬鹿なことはしないでおこうという心理が形成されやすくなります。親と同居してよくコミュニケーションを取り、近所の人とも何らかの付き合いがあれば、こんなことをしたら居場所がなくなるという心理的な抑制が働くようにもなるでしょう。
  翻って、今の社会状況は、平均給与所得が9年連続でダウンしていたり、倒産件数がいっこうに減らなかったりで、正直平均かそれより少し下の能力しかない人間にとっては、将来設計などやりようがないというのが実情です。こういうところに手をつけることで、まだ希望がありそうな年代の犯罪というのは間違いなく減るはずです。
  こういうことを言うと、すぐに容疑者自身の資質や家庭の育て方の問題だと決めつける人がいますが、あまり感心できません。個人の問題に還元して思考停止すると、変わっていく現実に対処することができなくなるからです。大事なのは、犯罪予備軍を減らしていくことです。この辺は、先日起こった秋葉原の通り魔殺人事件について●「経済を知らずして愛国を語るなかれ」の管理人様が述べられていることが参考になります。
  「別に犯罪やってもいいか」と思う人間が少しでも減っていくような社会状況を作り出すことこそ政府の役割だということです。ドイツの刑法学者であるフランツ=フォン・リストの「最良の社会政策は最良の刑事政策である」という発言など、まさにそのことを指摘しているわけです。もちろん、最良の社会政策というのは、人間が絶望して自暴自棄にならないような経済社会状況を作り出すことであり、犯行に使われたナイフや、犯行声明があったネットを規制することではありません。学校で愛国心を教えたり、憲法9条の精神や人権尊重の教育を徹底したりすることも、同じくらい無意味です。
  私が一番頭に来るのは、自分もいつそういう境遇に落とされるか分からないのに、「こういう犯罪をやる奴はクズだ」とか、「馬鹿は親共々死刑にすればいい」などと、正義ぶって発言する人間です。程度が低いと言ってしまえばそれまでですが、少しは直情的な反応をやめてもらいたいものです。そうやって弱者同士が蔑み合うことで、本当に反省すべきことに目がいかなくなることだってあるのです。
  ひどい場合は、メディアがそれを扇動していることもあります。「TVタックル」や「たかじんのそこまで言って委員会」といった番組など、その典型でしょう。ああいうプログラムは、政府がふざけた政策に目が注がれるのを防ぐための隠れ蓑の役割を担っているのではないかと思っているくらいです。
  もしかしたら、今回紹介した事件自体も、何かを隠蔽するために利用される可能性があるのです。
そのくらいは考えておいて損はないでしょう。

  ・・・と、どうせこの手のニュースでは、犯人個人を責めるようなブログ記事ばかりだと思うので、私くらいこういうことを書いてみてもいいだろうと思って書いてみました。

  今から北陸へ旅行に行って参ります。バスは広島で懲りたので、今回は電車です。ノートパソコンを持って行くので、現地からも記事を上げます。北陸は政治的にも経済的にも歴史的にも面白い場所なので、その辺を生かした記事が書けるといいかなと思っています。

  それでは。

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2008.08.05(Tue)

宝くじ、資格試験、自分の人生 

  やっと右手が使えるようになりました。まだキーボード操作は辛いですが、どうしても書いておきたい話題があったので、無理のない範囲で書いてみます。

  来週、サマージャンボ宝くじという大型の宝くじが抽選日を迎えます。この宝くじの最高賞金は1等と前後賞を合わせて3億円で、1000億円ほどの売り上げを上げているそうです。
  かくいう私も1等1000万円程度の宝くじを結構買っていた人間なのですが、最近ある方に「その習慣は絶対にやめた方がいい」と忠告されました。なんでも、宝くじ売り場には貧乏神がいるのだと。

  そう言われて、以前にヘラルド・トリビューンという英字新聞で、読んだある記事を思い出しました。ネタ元は、ロイター通信だったようです。

貧しいと感じている人ほど宝くじを買う傾向=米調査
http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-32934720080728
--------以下引用--------
 米国の研究チームは、自分が貧しいと感じている人ほど宝くじを買う傾向が強いとの調査結果を発表した。専門誌「Journal of Behavioral Decision」に掲載された同調査では、自分自身の所得が一定水準を下回っていると感じると、人はリスクを取りがちになり、貧困のわなにも陥り易いとしている。

 研究チームは、年収10万ドル(約1100万円)未満の被験者グループに対し「低所得者」であるとほのめかして宝くじ購入枚数を比較したところ、年収10万ドル以上のグループが0.67枚だったのに対し、年収10万ドル未満のグループでは1.27枚だったという。

 調査に協力したカーネギー・メロン大のジョージ・レーベンシュタイン教授は「主観的に貧しいと感じていると、人は道理に反するぐらい多くの宝くじを買うことになる」とコメント。貧しさを感じる人ほど「お金を捨てる」傾向が強いのはとても逆説的だとしている。
--------引用以上--------

>貧しさを感じる人ほど「お金を捨てる」傾向が強いのはとても逆説的だ

  アメリカの名門カーネギー・メロン大学の教授(名前から察するにユダヤ系だろう)であるレーベンシュタイン氏にとってはアベコベの話に思えるのかも知れませんが、私にはむしろ当然に思えます。
  別に私は、宝くじを買うのは貧困層だと言いたいのではありません。上の調査でも触れているように、低所得者ではないという自己認識を持っている人も、それなりに宝くじを買っています。だから、宝くじを買うこと自体は、よほどの大金持ちでない限り、どのような所得層もやっていることだと言えます。

  問題は、なぜ主観的に貧しいと感じる人間の方が、たくさんの宝くじを買う傾向があるかということです。

  冷静に考えれば、宝くじを買うという行為は、事実上カネをドブに捨てることと同価値です。私が先日買ってしまった東京都くじは、1ユニット200万本の中に1等1000万円はたった1本しかありません。前後賞、2等まで合わせてもたったの7本です。2等までに当選する確率は1000万分の35です。100年間毎日8枚買い続けてやっと1回当たる計算になるわけで、こんなものに本気になるというのは正気の沙汰ではありません。
  それにも関わらず、宝くじを買ってしまうのは、単純に言えば、低所得層には「希望」がないからに他なりません。
  良きにつけ悪しきにつけ、先進国は相当成熟した社会であり、様々な成功モデルや人材配置システムが整備されています。分かりやすいたとえでいうと、道路に車があふれかえっていて、大胆な追い越しや運転テクニックによって目的地に早くたどり着くことが困難な様子を思い浮かべてみるといいでしょう。こういう道路状況では、きちんとした交通整理に従うしか前に進む方法はありません。
  そのとき、誰がどのような社会的地位に配置されるのか、決めているのは「生まれ」です。端的に言えば、親が誰かということで全てが決まるのです。親が高学歴で、収入や財産を持っているならば、その子供はより重要で、高収入を安定して得られる職業に就くことができます。逆に、親の収入が低いと、高等教育も受けさせられないでしょうし、学歴を問わない労働集約産業も、企業によって効率的な仕事のやり方が整備されてしまっている状況で、後発組が馬力でシェアを奪うのはかなり難しくなってしまっています。建設業や運送業なども、親から経営基盤を受け継いだ人間の方が有利に決まっています。
  これを乗り越えるには、何か特殊な才能(他人の数十倍も努力したり、理不尽な仕打ちに対して屈しなかったりするのも、強烈な意欲という立派な才能)がなければいけません。その才能というのも、子供が自分でコントロールできる要素はほとんどないのが実情です。
  そうなると、残された道は何かというと、「一発逆転」しかないわけです。宝くじで一等賞を当てるというのはその典型です。一回当てれば、今までの出遅れが全部チャラになるのですから、こんなにいいことはありません。乏しい財布の中身を割く気になるのは、一発逆転しかないとどこかで分かっているからです。
  なぜ一発逆転しかないと思うのかというと、そうでなければ救われないからです。貧乏人というのは、近代の社会では「チャンスがあるのに努力しない馬鹿者」だと見なされているわけです。
  近代国家はみんなが努力して初めて成り立つという前提で作られていて(みんなが政治に興味を持てば民主主義はきちんと機能する、などという発想が典型)、国民もそのように教育されます。「夢や希望を叶えるために努力をするのは尊いことだ」「自分を信じて努力すれば、どんな夢も叶うはずだ」という感じです。
  努力したかしないかなんていうのは、そもそも他人が評価する筋合いのものではないはずですが、あえてそれをやろうとすれば、社会的地位や経済力で計るしかないわけです。金持ちが金持ちなのは正当な努力の結果であり、貧乏人はそれを怠ったから貧乏人なのだ、ということです。金持ちは「今の地位を築いたのは自分が人一倍努力をしたからだ」と言うでしょうし、貧乏人は貧乏人で、「格差を理由にする奴は怠け者だ」と、自分の仲間(笑)を叩いて憂さ晴らしをするでしょう。後者は、よくブログや掲示板などでも見かける言論です。
  そういう差を詰めるには、要するにカネ、何でもいいから大金を得るというのが唯一の方法です。「見えないところで社会を支えるような生き方があってもいいはずだ」などと言う人もいるでしょうが、それは近代国家や近代経済システムの中で評価される要素にはなりません。中にはそういう近代的な社会的地位に対して鈍感な人もいると思います。皮肉抜きで幸福な人だと思いますが、なかなかそういう人は多くありません。
  宝くじにただでさえ少ないカネを突っ込んで、馬鹿じゃないのか、というメロン大学の教授さんの意見もごもっともなのですが、そうでもしなければ絶望してしまう貧乏人もいるということは間違いありません。

  そんな貧乏人の一人である私ですが、実は生き方もかなり「宝くじ的」でした。司法試験という資格試験を受け続けていた経験があるからです。
  ご存じのように、司法試験というのは裁判官や弁護士になるための試験ですが、特に2010年で打ち切られる旧司法試験は、難しい試験ということで有名でした。合格率は2%弱で、細かい知識や論理的なパズルを解く能力が要求される択一試験と、2時間で最高4ページの答案2枚を書かなければならない(しかもそれを1日3科目やる)論文試験、学者や裁判官と法律的なやりとりをしなければならない口述試験の三段階に分かれています。択一は受かっても、論文で落ちればまた翌年は択一から受け直しです。
  私は5回で見切りをつけてしまったのですが、中には10回も15回も試験を受け続けている人がいました。一人とか二人とかいうレベルではなく、結構いるのです。そんなにやって受からないからアホなのかというとそうでもなく、法律的な知識はあるし、論理的な文章を書ける人もいるのです(予備校の模試で受験生の書いた模範答案が出るからだいたい分かる)。
  それなら、司法書士とか宅建とか、他の試験を受けて法律を使った仕事をすればいいのではないか、と普通の人なら思うでしょうが、浪人生の心理はそうではありません。私もそうでしたが、ここまで来てしまったのだから司法試験のような難しい試験に受からないと、ロスが取り返せないと思ってしまうのです。
  実もふたもないことを言いますが、弁護士や検事にならない以上、憲法や刑法や刑事訴訟法をいくらやってもムダです。他の科目は他試験に応用できますが、細かい学説だとか、(実務を全く経験していない状態で作り上げなければならない!!)法律的な文章の作成術まで勉強するというのは、明らかにムダです。
  そういうことから考えると、司法試験に突っ込んだ時間の大半は、受からなければリターンが全くなくなってしまうわけです。これをチャラにするには、合格するまで受け続けるしかないということになります。受からなければ「努力が足りない」ことになってしまうからです。

  何か、宝くじを買い続ける貧乏人と、メンタリティがよく似ていないでしょうか。

  皮肉なことだと思いますが、努力というものが持っている価値を無批判に礼賛すればするほど、そういう不幸な人間は増えることになります。
  大事なのは努力そのものではなくて、どう生きているかなのではないでしょうか。苦痛やストレスより楽しさや喜びを感じて生きる方がいいはずですし、それを他人に分けてやれるのであれば自分にも返ってくるものがあるはずです。時にはうまく行かないこともあるでしょうが、そのときの感情や経験も他人と分かち合うことで、我々は一人ではないのだと実感することができるでしょう。
  そんな日々を生きることができれば、別に宝くじなど買う必要もないし、司法試験に無駄な時間をつぎ込まなくてもいいということになります。
  もっとも、それを近代国家や近代的経済システムの中でやろうとしても、結局はありえない理想論になってしまいます。競争や数字的評価がなくてもみんながちゃんと生きていた時代、近代より前の時代について考える価値は、そのへんにあるのだと思います。

  私も、宝くじを買うのはやめて(笑)、現実を少しずつ改善することに力を注ぎたいと思います。司法試験も、もうこりごりですね・・・。

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