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2008.07.10(Thu)

【情報化社会】プロパガンダは「さりげなく」がいい 

  地政学の大きな命題の一つに「いかにして相手国を心理的にコントロールするか」というものがあります。なぜなら、相手国を心理的にコントロールすれば、戦わずして敵に勝つことが可能になるからです。
  その命題を追求するために、地政学研究者が注目するのが、映画やテレビ番組などの「メディア」の役割です。いわゆる「プロパガンダ」というものです。現代は間違いなく大衆社会であり、大勢の国民をいかに操作するかが、相手国の心理的コントロールにとっては重要です。地政学はそういう分野も研究対象にします。
  もちろん、この命題は「自国民のコントロール」にも使えます。そうはいっても、いきなり政府高官がブラウン管に登場して国民を洗脳するわけではありません(笑)。いろいろなルートを使って、さりげなく、しかし確実に効果に残る方法で行うのがプロパガンダのコツです。

  たとえば、以下の記事は典型的な「プロパガンダ」だと考えられます。みなさんも、一体この記事がどういう意図の下で作られたものなのか、ちょっと考えてみてください。

水道水がおいしくなった理由は?
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0807/09/news074.html
--------以下引用--------
 ミツカン水の文化センターの調査によると、「あなたのご家庭の水道水は10点満点で何点ぐらいだと思いますか」と質問したところ、全体平均は7.2点と過去最高の評価だった。

 一方で、「現在の水道水について不満を感じていることはありますか」と聞くと、「おいしくない」という回答が最も多く40.5%。以下、「塩素などの消毒剤は体に良くない」(35.8%)、「水道料金が高い」(33.3%)が続く。ただし、「おいしくない」と答えた割合は1995年の調査開始以来下がり続けており(1995年は61.0%)、ここからも水道水の評価が高くなっていることがうかがえる。

 その背景には、「1990年代後半から各地の浄水場で、●高度浄水処理が導入されてきたことがある」(ミツカン水の文化センター)という。

 高度浄水処理では従来の浄水処理に生物処理・オゾン処理・粒状活性炭処理を加えており、一般処理に比べるとコストが高くなる半面、においや汚染物質をほとんど取り除くことが可能となった。同センターでは、「高度浄水処理を導入してから、大阪などの水道局が水質改善を積極的にアピールしていることも、認識を改めるのに貢献しているのだろう」とも推測する。

 今後、日本の水環境はどうなっていくのだろうか。「今から100年後の2108年に水を取り巻く環境はどのようになっていると思いますか」と尋ねると、1位は「環境税が導入されている」で58.0%。以下、「水道料金が高騰している」(49.8%)、「海や川が汚染されている」(45.3%)が続き、料金面での変化を予測する人が目立った。
--------以下引用--------

  冒頭の枕部分や、末尾の調査方法についての記述はカットしてあります。どこがプロパガンダかピンと来るでしょうか?

  私が考える正解は、ここです。

>「今から100年後の2108年に水を取り巻く環境はどのようになっていると思いますか」
>と尋ねると、1位は「環境税が導入されている」で58.0%。
>以下、「水道料金が高騰している」(49.8%)、「海や川が汚染されている」(45.3%)が続き、
>料金面での変化を予測する人が目立った。


  みなさんの周りの人に実際に尋ねてみるといいと思うのですが、100年後に水についての「環境」はどうなっていると思う?ときいたら、その「環境」が悪くなる、要するに水が汚くなると考えるのが普通でしょう。
  それにも関わらず、なぜいきなり一番に「環境税」が出てきているのか、ということです。こう言えばもうわかりますね。要するに、この記事は環境税という新しい税を作り出すための布石なのです。

  それならば、ストレートに「環境税」を扱えばいいのではないか?と思う方もいるでしょう。実際、スウェーデンでは炭素税という税金が導入されています。●我が国の類人猿代表がサミットで1億5千万円気前よく無駄遣いしたように、チキューオンダンカ(別名「エコエコ詐欺」)は国家全体を相手にした割のいい詐欺ビジネスモデルになり始めています。
  しかし、それを前面に出さない方がいいのです。あれだけやるぞ、やるぞと言って(財務省が言わせて)いながら、いまだに消費税の税率を上げることすらできないのですから、国民に負担を強いることは非常に難しいことなのです。特に、今の時期は、いまだに進行中の「小泉カイカク」によって、東京とその周辺以外の各地で需要が破壊されて疲弊しているので、なおさら言い出しにくいということが言えます。
  だから、あたかも自然現象のように、どうしようもなくやってくるものなのだと思わせたいわけです。自然に進行するものだとすれば、心理的な抵抗は少なくなります。
  新聞やテレビを見ていると、「世界的な経済のグローバル化という流れから見て」「経済のグローバル化は避けられない以上などという前置きがやたらとたくさん用いられていることに気づきませんか。これも、同じ手口です。規制緩和や外国資本の大幅導入など、人為的に進められているものごとを、あたかも台風や地震、気候の変動のように避けられない出来事だとして、受け手の思考を停止させてしまうのです。

  さらに、今回の記事のミソは、前振りとして、「水道水に高度浄水処理を施すようになって、水がおいしくなった(と言っている人が多い)」という調査結果が用いられていることです。
  これは、悪質なプロパガンダによく用いられる手口で、「最初に」「少しだけ」「毒にも薬にもならない話題で」一見して結論と関係のありそうな事実(撒き餌)を置いておくのです。そうすると、だいたいの人が撒き餌に対して「うんうん」と頷いた勢いで、最後の方の結論にも「うんうん」と納得してしまうものなのです。
  今回の「水道水に高度浄水処理を施すようになって、水がおいしくなった(と言っている人が多い)」という撒き餌の部分は、以下のようなに分解できます。。

  高度浄水処理を導入した→料金が高くなった→しかし水道水がおいしくなった


  すると、受け手の頭の中には、

  料金が高くなったが、その代わりにいいことがある


  という抽象化された情報が残ることになります。
  そこで、環境税の話が出てきたら、どうなるでしょうか。あまりものを深く考えない人だったら、以下のように考えると思います。

  環境税の導入→料金が高くなる→しかし環境にはいい


  「環境」というイメージはもはや勝手に一人歩きしていて、絶対的といってもいいほどプラスのイメージを持っていますから、たいていの場合はこういう受け止められることになります。
  しかも、やっかいなのは、冒頭の撒き餌が嘘ではないという点です。ここに「宇宙人と戦争になったらお金が必要だ」みたいな話を置いておいたら、多分誰も馬鹿馬鹿しくて見ないでしょう。
  
  こういうプロパガンダに足下をすくわれない方法をお教えします。

  まず、冒頭のおいしい話、面白い話は「撒き餌」であって、これに食いついてはいけないのだと知っておくということです。上等な詐欺師は、撒き餌で寄せて、結論で釣り上げるのです。誰も騙されたいと思う人間はいないでしょうから、こういうものだと知っておいて損はないでしょう。
  さらに、まず結論の部分を先に読んでみるということです。今回の記事であれば、「水道水がおいしくなった」というタイトルを見たら、すぐに最後の部分を読んでみることです。そうすれば、「なんでいきなり税金の話になっているんだ?」という違和感を覚えることでしょう。
  その違和感の方が生きていく上で役に立つということです。文章を上から下に順番に読んでいって、何を言っているのか読み取ろうという「まじめ」な態度では、プロパガンダを仕掛ける側の落とし穴にまんまとはまることになってしまいます。
  やっかいなことに、学歴の高い人ほどその落とし穴にはまりやすいのです。そういう人は、真面目に文章の論旨を理解することでステータスを築いてきたという誇りがあり、今回の記事のような謎かけっぽい文章だと、その論旨を理解しなければ「理解力が足りない人間だと評価される」と勝手に思ってしまうからです。
  たとえて言うなら、入試の読解問題をきちんと読み、論旨をとらえて、解答するときは本文中から根拠を拾ってくるタイプが騙されるということでしょうか。私自身がそういうものを促進する職業なので、こんなことを言っていいのか分かりませんが、そういう態度を社会に出てからも貫いていると、かえって騙されやすくなるということです。
  国語の読解など、ただの言葉を使ったゲームだと割り切って、「出題者はこれとこれを迷わせようとしたんだな。アホか、そんなの騙されるか」という態度が一番いいのだと思いますが、優等生というのはなかなかそうは行かないようです。難しいものですね。
  私など、せめて子供たちに、世間でよく言われていること(大抵は権力側の補強)を暗記して、そのまま人にぶつけるような人にはなってほしくないと思って授業をやっていますが、どこまで分かってもらえるかは自身がありません。

  人間は日々生活していかなければならないものですから、そういうものを犠牲にしろ、ひもじくても辛抱しろ、というような論調には何かしら違和感を覚えるはずです。
  そのような言論に、いろいろと理由をつけて賛成しろ、納得しろ、という圧力がかかってくると思うのですが、そんなものにいちいち取り合う必要はないということです。ブログではありませんが、アクセス禁止にするなり、スルーするなり、やり過ごすことが必要です。
  あとは、同じ違和感を抱く人と連帯することです。プロパガンダに勝つには独力では難しいので、同じ感覚の人たちと一緒になって声を上げることですね。ああ、別にどっかの団体みたいに、拡声器持って抗議文を手渡すとか、そんなことはやらなくていいですから(笑)。

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