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2008.06.25(Wed)

食料価格が暴騰している!! 

ラーメンが贅沢品になる日?

  以前も書きましたが、私は「ラーメン」という食べ物が好きです。

  この、今でこそ国民食といわれるほどの地位を占めているラーメンというのは、奇妙な存在です。生まれは中国ですが、戦後の日本で全く系統の違う食べものとして成長し、それが世界中で受け入れられています(たとえば●こんな例)。
  それ以上に奇妙なのは、この「日本食」ラーメンの中核をなす「中華めん」の原料のほとんどが外国産だということです。
  最近は、国産の小麦を使う店も増えてきましたが、それでも圧倒的に多いのがアメリカ産やカナダ産です(うどんはオーストラリアが多いらしい)。理由は簡単で、国産よりもたくさん出回っていて、安いからです。
  以前であれば、アメリカ産はポストハーベスト農薬(収穫後保存のために使う殺虫剤等をいい、毒性が非常に強い)が多いだのなんだの言っていればよかったのですが、近頃はそれどころではなくなってきました。小麦がどんどん値上がりしているからです。近頃、こういうニュースがよく飛び込んでくるので、みなさんも実感していることでしょう。

小麦、10月から20%超値上げ パン・めん価格影響か
http://www.asahi.com/business/update/0617/TKY200806160329.html
--------以下引用--------
政府が製粉会社に売り渡す際の輸入小麦の価格が10月から20%超値上げされることが16日、確実となった。国際的な小麦価格の高騰が続いていることが要因。昨年4月から半年ごとに価格を改定する制度になり同4月に1.3%、同10月に10%、今年4月に30%値上げされた。10月の値上げで4期連続になる。パンやめんなどの新たな値上げにつながりそうだ。

(中略)

10月の改定は、昨年12月~今年7月の8カ月間の政府の購入(落札)価格が機械的に反映される。16日公表の5月の輸入小麦の購入価格を取り入れてこの6カ月間の購入価格を計算すると、1トンあたり約7万円(主要5銘柄)になる。これに、農家への補助金と港湾経費1万8875円を足すと約8万9千円になる。4月の改定価格6万9120円より28%上回っている。

 小麦の国際価格は春にやや低下したものの6月は再び上昇している。世界的に需給がひっぱくしていることから7月に暴落することは考えられず値上げは避けられない状況。「現状の価格だと20%台半ば程度の値上げになるのでは」(農水省幹部)という。
--------引用以上--------

  このような値上がりにはいくつかの背景があります。

(1)中国・インドなどの食糧需要の増加

  近頃はどちらの国も小麦の輸入国に転落しました。ただし、これは今に始まった傾向ではないので、ここ最近の価格上昇の主要な要因とは言えません。

(2)オーストラリアなどでの小麦の不作

  日本のマスコミがあまり触れない●こちらの「晴耕雨読」様の記事をご覧頂くとよく分かります。
  最も大きな原因は、水循環の破壊です。オーストラリアは化石帯水層(何千年もかけて形成された地下水の層)を灌漑用水として大量に使用してきました。石油を汲み上げてアホみたいに使いまくるのと同じで、いずれは枯渇してしまいます。それでも、経済効率がいいからと使いまくった結果、各地で川が枯れてしまったのです。
  政府もこれではいけないと、いまさら●こういう取り組み(注:PDFです)をしているようですが、もう遅いでしょう。「帯水層の貯蔵・再生計画が必要になります」などともっともらしいことを書いていますが、何百年、何千年もかけて形成された地球の恵みを、たかだか4年おきの選挙しか頭にない政府が税金で解決できるわけがありません。
  そうなると、今後、オーストラリアは文字通り「木も草も生えない」大陸になる可能性が高いのです。こんな国に食糧を依存するのは考え物です。
  もちろん、オーストラリアよりも「水浪費先進国」であるアメリカにも同様の問題があります。●オガララ帯水層の枯渇がそれです。アメリカは世界の小麦の8%を生産しており、日本にとって最大の輸入相手国ですから、ここが大干ばつに襲われたら、一体どんな事態が起こるか・・・。

(3)バイオ燃料の「需要」増加

  このブログでも何回か取り上げている(●こちらの記事●こちらの記事を参照)話題です。
  バイオ燃料とは、化石燃料ではない、生物由来の燃料をいい、その多くはエチルアルコール(エタノール)の形を取っています。理科室で実験に使ったランプの中のあれがエチルアルコールです。
  近年温暖化がどうのこうのということで、大気中の二酸化炭素を増やさないバイオ燃料が注目されてきました。植物は光合成によって空気中の二酸化炭素から自分の身体(有機物=炭素化合物)を作り出すので、その植物から出来た燃料を燃やしても大気中の二酸化炭素の総量は変わらないというのが主なセールスポイントです(いわゆる「カーボン・フリー性」)。
  本来、こういう燃料は石油よりもコストが高いということで敬遠されてきたのですが、イラク戦争以降の石油の高騰によってだんだん採算が取れそうになってきました。2005年くらいから、世界各地にどんどんエタノール蒸留所が出来ているようです。
  しかし、問題なのは、これが小麦生産国で大規模な転作を招いているということです。たとえば、アメリカでは小麦畑がトウモロコシ畑の変わるという事例が多いです。これによって小麦の供給量は減少し、価格が高騰するわけです。
  
(4)上記の要因を考慮した、商品市場への投機マネーの流入

  発端は、石油価格の高騰です。今後石油が上がるのではないか、という材料が出始めたところに、サブプライム・ローンの破綻が襲ってきました。そこで、アメリカの証券市場に滞留していたカネの一部が、石油のインデックス取引(市場が上昇傾向の時に、その市場に関連する全銘柄を買い付ける投資)に流れ込んだのです。
  私はしばらく車には乗っていなかったのですが、この前広島に行ったら、ガソリンが1リッター169円だったのにビックリしました。そして、この異常な高値は需要と供給の関係で決まっているものではありません。証拠はこちらです。

商品インデックスファンドめぐり議会報告、相場高騰で=米CFTC委員長
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-32391720080623
--------以下引用--------
 米商品先物取引委員会(CFTC)のルッケン委員長は23日、商品インデックスファンドがエネルギー価格上昇に果たした役割について、9月半ばまでに議会に報告書を提出することを明らかにした。

 同委員長は下院監督・調査委員会に対し、インデックス取引の影響を一段と理解するため、CFTCがスワップ担当のディーラーにインデックス取引に関する情報の提供を要請したと述べた。9月15日までに議会に報告書を提出するとし、内容は先物市場の商品インデックス取引のほか、必要に応じて、慣行や規制の改善に向けた提言も含まれるとした。

 監督・調査委員会は23日の公聴会で、CFTCのデータから、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の原油先物取引の大部分が投機筋によるものであることが明らかになったと指摘。

 ルッケン委員長は、米国の先物市場で原油を含む商品価格が、操作的な行為ではなく受給要因で決まるよう取り組む姿勢を示した。
--------引用以上--------

>ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の原油先物取引の大部分が
>投機筋によるものであることが明らかになった

  大正時代の●米騒動の原因になった「買い占め」によって値段が高騰しているということです。  

  そして、石油の価格が上昇すると、小麦のコストにも跳ね返ってきます。農作物の生産は石油によって支えられているからです。たとえば、化学肥料の材料は石油であり、耕耘機やトラクターは石油で動いています。輸出する時、港まで石油で動くトラックが小麦を運び、それを石油で動く船が各国へ送り届けています。
  これら全ての過程でのコストが上昇するので、必然的に小麦は高くなるわけです。
  そうすると、今度はその小麦の値上がりを狙って投機マネーが動くのです。ニューヨークの商品取引所では今年になってから何回も小麦がストップ高(これ以上取引させると暴騰を招くので、取引自体を中止させること)になりました。
  今でこそ各企業の努力で価格高騰を抑えていますが、どこかの会社が値上げ分をカバーできずに倒産でもすれば、その雰囲気が伝染して、小麦の価格がさらに高騰するおそれがあります。それ以前に、小麦を扱う企業が極端なリストラを行うことによって、経済に悪影響が出てきます。
  かといって、値上げして消費者に転嫁しようとしても、10年連続で平均給与所得が下がっている現状では、他の消費に悪影響が及ぶのは必至です。

  どうやら、「ラーメン1杯1000円」という時代が来てもおかしくないところまで来ているようです。

  ・・・とまあ、こういうことを書く人がボツボツ出始めた時点で、一連の物価暴騰をしかけた連中(要するに、●こいつら)の思うつぼになりそうなので、取り消します(笑)。

カネが命を食い荒らしている

  そもそも、上のような現象にはある共通した前提があります。それは「儲かるからやる」ということです。
  とても食べきれない量のトウモロコシをなぜ作るのかというと、エタノールという形でいくらでも需要があるからです。エタノールにしてもいいと思うのは、石油の代わりとしてよく売れるからです。小麦を先物取引で買う(実際には予約する)のは、これから先値上がりして利ざやを稼げそうだからです。これらは全て、経済的動機です。
  以前の国際経済であれば、株式、すなわち会社の所有権という目に見えないものがもっぱら投機の対象だったので、我々庶民に実害が及ぶことはほとんどありませんでした。あるとしたら、投機の対象にされた会社が倒産したり乗っ取られたりした場合、従業員が整理の対象になるとか、そんな程度でした。
  しかし、今は全世界で必要とされている「食糧」が投機の対象になってしまっています。当たり前ですが、食糧がなければ人間は生きていけません。日本のように大きな国際収支の黒字がある国はまだ値上がりした食糧を我慢して買えばいいだけですが、そういうことが出来ない国もあります。

ハイチ:首相就任案を下院が不承認
http://mainichi.jp/select/world/news/20080614k0000m030106000c.html
--------以下引用--------
 カリブ海の島国ハイチの下院は12日、プレバル大統領が提案した大統領顧問の首相就任案を不承認とした。食糧価格高騰による暴動発生などの責任を問われ、首相が4月、上院に解任された。5月にも大統領が提案した首相人事案が不承認となっており、首相職は2カ月にわたり空席となっている。
--------引用以上--------

食品・燃料の高騰、アフリカで拡大する社会不安
http://www.afpbb.com/article/economy/2374792/2805530
--------以下引用--------
 食品・燃料価格の高騰からアフリカで暴動が相次ぎ、死傷者も出る事態に各国政府が危機感を強めている。

 カメルーンでは2月、物価高騰が原因の暴動で40人が死亡。コートジボワールとモーリタニアでも同様の暴動で死者が出た。セネガルやブルキナファソでも激しい抗議デモが起きており、ブルキナファソはで8日から物価高騰に抗議する全国ストライキが予定されている。

 エジプト当局は6日、この日予定されていたインフレと低賃金に抗議するゼネストを、厳格な対応を盾に事前に中止に追い込んだ。ゼネストの発端となったマハラ(Mahalla)ではデモ参加者と警官隊が衝突、150人以上が逮捕された。

 各国の経済担当閣僚は前週、エチオピア・アディスアベバ(Addis Ababa)で会合を開き、食料品の国際価格高騰が「アフリカ諸国の成長や平和、安全保障に深刻な脅威となっている」との声明を発表した。

 国連(UN)の専門機関、国際農業開発基金(International Fund for Agricultural Development、IFAD)のKanayo Nwanza副総裁は、各国で社会不安が増大しているとして「暴動が周辺諸国に拡大する可能性」に警鐘を鳴らす。

 最貧国の1つとして知られるシエラレオネではコメ価格が300%も上昇。コートジボワールやセネガル、カメルーンでも約50%上昇した。ほとんどの国が輸入に頼っているパーム油や砂糖、小麦粉などの価格も急騰している。
--------引用以上--------

  こういう国では、小麦の国際価格がちょっと値上がりしただけで、生活が成り立たなくなる人も出てきます。
  このように、人間の生命さえ危険にさらしかねない商品取引を投機家(とそれらに融資する国際金融資本)がやめないのは、値上がりが予想される品物を買うのが一番経済的にみて合理的だからです。今の社会の原則は自由競争ですから、この論理を否定できる確固たる論理はありません。普段、競争だ規制緩和だと言っている論者が、こういうときだけ「ファンドを規制しろ」などと喚いているのを見たことがありますが、ご都合主義にもほどがあります。

  さらには、困窮というのは「副産品」を生むこともあります。たとえば労働力です。貧困に陥れば、より安い賃金でも我慢して働くようになります。究極的には、お金がないから赤ちゃんや娘を売るということも起こります。そういう売られた人は、奴隷として働かされたり(今でも本当にある。●こちらのリンクを参照)、欧米やアラブ、華僑などの金持ちの慰みものにされたりするわけです。
  そればかりでなく、戦争というビジネスチャンスも生みます。貧すれば鈍すると言いますが、生活が困窮すると「国内ではダメだから外国の資源や経済権益を奪おう」という論理が通用しやすくなります。そういう時代は、兵士も安い賃金で買いたたくことが出来ますから、あとはそこに兵器を持たせればいいわけです。ほら、こういうところに軍需品を売りつけている人はどういう人ですか。アフリカ人じゃなくて、欧米の武器商人なんじゃないでしょうか。
  もしその国に購入するための資金がなかったら、戦時国債を発行させればいいのです。あとで高い利子を付けて回収できます。こういう貸付をするのは国際金融資本の仕事です。
  そうやって最悪国際紛争が起こったら、したり顔で先進国に介入させます。そういう国にも軍需品を売ることが出来ます。戦後の利益分配に「経済復興」という名目で加わる。ものすごいマッチポンプです。
  こういう現象は、世界恐慌の後の日本でも見られたことです。農村に失業者があふれ、身売りが相次ぎ、「満蒙は帝国の生命線」というキャッチフレーズに乗せられて戦争に突き進み、米英に敗北した後は莫大な負債を背負わされたのが、我が国の近代末期の歴史です。そういうことが、貧しい国から順々に起ころうとしているのが、まさに今このときだと言っても過言ではありません。

  そうなると、(投機家や国際金融資本を抜かした)誰もが、こういう悲惨な事態を回避できる方法はないのか?と考えたくなるわけです。

  はいはい、このブログをご覧になっている方は、また「地域通貨」の話が始まるんじゃないかと思ったんじゃないでしょうか。残念ながら違います(笑)。
  もちろん、●自然主義経済の話は避けて通れないのですが、それ以上に重要なのは、各地域が相互に依存しない形で自律的に経済運営が出来るパワーを身につけることです。
  それを可能にするためには、まず現在の国際分業・相互依存的な世界経済の仕組みを、内側から破壊しなければなりません。
  そのための鍵は何かというと、私は「タンパク質」だと考えています。人間の身体を作り上げている栄養素です。みなさんは、タンパク質をどういう形でとっていますか?

  次回は、そのタンパク質についての話をします。

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