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2008.04.28(Mon)

パイを奪い合う努力の激化→気づけばみなビンボー 

  李明博・韓国大統領についての記事を書くといっておきながら、また別の記事です。済みません。この前私の身の上に起きた出来事と、それについて考えたことを、忘れないうちに書いておきます。

  私は週休二日で、そのうち1日は平日休みなのですが、その休みの日の夜に「住宅販売会社の営業マン」だと名乗る男性から電話がかかってきました。
  要りませんから、と何回断っても、即座にかけ直してくるので、結局1時間半ほど話に付き合わされました。もっとも最後の方は、私が適当なホラを聞かせたり、相手の揚げ足を取ったり(笑)していたので、向こうから「今日はもう遅いですから」と言ってきたのですが・・・。
  その中で、どうせこいつは訪問の約束を取り付けるまでは何度でもかけ直してくるだろう、と思い、せっかくなので相手をちょっと試してみることにしました。

  「俺、実は3社くらいに合計何百万借金してて、生活に余裕ないんだけど」

  驚いたのは、向こうがそれで引き下がるどころか、「自分は金融には強いから、そういうご主人の状況を含めていろいろ相談させていただきたい」と言い出したことです。
  多重債務者の借金問題に関わることの重大さを、この人は分かっているのだろうか・・・と、なかばあきれ果ててしまいました。意地悪くいろいろ聞いてみると、金融に強いというのも、単にローンの審査などで銀行に出入りする経験があるという程度でしかありません。●利息制限法のことすら知りませんでした。

  それでも、客にマンションやら一戸建てやら買わせようとするわけです。

  こういう風に書くと、みなさんの中には「営業マンらしいじゃないか」「ものを買わせるにはそのくらいしないと」という風にお考えになる方がいるかもしれません。そういう、営業活動における熱心さというのは、しつこい勧誘の当事者にでもならない限り、それほど否定的にはとらえられていないようです。
  どうも、政治をやっている人の中にもそういう人が増えているようです。代表例を挙げておきます。

読書録・・・竹中平蔵
http://homepage3.nifty.com/fwnn7163/books/takenaka.html

  竹中平蔵氏というのは、いまさら説明の必要はないかもしれませんが、小泉政権のブレーンだった経済学者です。要するに、構造カイカクというものを陣頭指揮していた人物です。
  上記リンクに要約された、彼の主張をすこし見てみましょう。

▲これからの社会は頑張った者がむくわれる税制を徹底的に導入し、代わりに職業再訓練を充実させるなどして、誰もが競争に平等にチャレンジできるチャンスを与える、という政策をとることが重要になってくる。

自分の能力こそが最大のセイフティ・ネットである。

▲日本が今悪いというのは、ポテンシャルを発揮できていないことに対する不安だと思います。人々は大きな不安を抱えていますが、それは将来日本が衰亡するのではないかという不安ではなく、今自分が立ち止まっていることに対する不安だと思うのです。

▲日本だと競争力をつけさせようと思ったら、政府は補助を与えて強くする。これに対し、アメリカで競争力をつけさせる方法はただ一つです。それは、もっと競争させること。

先に消費財を作って、それを伸ばしてから除々に(原文ママ)川上に移っていく。これを「後方循環」というんです。後方循環の方がうまくいくんです。

▲シュンペーターは実に魅力的な経済学者なんです。どんなことを言ったかというと、資本主義社会、つまりこの世の中を発展させる原動力は企業の革新、イノベーションだと考えたんです。



  私なりにさらに強引にまとめてしまうと、要するに竹中氏は、「企業が革新的な経営を行い、物をバンバン作り、それをドンドン競争させて、努力している人間を評価すれば世の中はよくなる」ということを言いたいわけです。
  言い換えると、私がこの前捕まってしまった、人の迷惑も考えないような営業マンみたいな努力を企業や個人がドンドンやれば経済はよくなるということになります。キーワードは「競争の激化」です。

  しかし、はっきり言っておくと、この考え方は完全に間違っています。
  正確に言うと、「競争の激化→経済の発展」という因果関係を成立させるために絶対に必要な要素に触れていない、もしくは意図的に無視しているのです。それは「総需要の増大」というものです。
  総需要というのは、ある国や社会が使うことの出来るお金の量です。これが大きくなれば、国や社会の中で回っているお金の量も増えるので、それだけお金を使う余裕がある(=購買力が高い)状態になります。そうなると物がよく売れるのです。
  勘違いしてはいけないのは、国や社会に金持ちが存在することと、総需要が大きいことは必ずしもイコールではないということです。総需要がしぼんでいっても、その中で金持ちにだけお金が集中すれば、億万長者がドンドン出てくるという状態はあり得るということです。

  では、総需要が減少しているのにもかかわらず、競争が激化するとどうなるか?

  簡単です。さっき挙げた営業マンみたいに、多重債務者にもローンを組んでマンションを売ろうとするような人間が出てくるということです。
  当たり前ですが、私が作り上げた架空の人物(笑)のような多重債務者は、ローンを組んでも破綻する可能性が非常に高いです。しかし、総需要が減少していると、そういうところにも売らなければやっていけなくなります。その結果として、十分な経済力のない人間がローンや借金で破綻したり、あるいはそういう相手をターゲットにせざるを得なくなっている企業がじり貧になったりという現象が起こります。
  それを打開しようと競争力を高めると、今度は同じような境遇にある経済主体から利益を奪ってしまうことになります。このご時世にマンションを買う余裕のある人間はあまりいないわけですから、A不動産がガンガンお客を捕まえれば、その分B住販やCハウジングの客を奪う結果になるわけです。
  もっとひどい場合は、違法行為をやってまで金儲けをしようとする人間が出てきます。商業区域にあってほとんど日が当たらないのに、「日当たり良好」などと銘打って、夏の晴天の日の正午を選んで
マンションを案内して契約にこぎ着けるとか、そういうえげつないことをやる業者が増えてくるわけです。
  それはしょうがない、客の側も賢くなるべきだ、などと言う人がいますが、そんなカシコイ客が増えてしまったら、今度は物が全然売れなくなってしまうわけです。それを乗り越えるくらい良質なものを提供すればいいじゃないか、と反論してもムダです。誰もがほしがる商品というのは、量が限られているからです。
  それどころか、総需要が高まらないまま物やサービスの供給ばかり増やすと、デフレになってしまいます。デフレというのは、世の中に出回っているお金の量より物の量のほうが多い状態です。放っておくと物が売れませんから、仕方なく価格を下げることになります。そうなると、会社の利益が少なくなり、従業員の給料が下がるというのはすぐに分かるでしょう。結果として、総需要が減り、ますますデフレが拡大してしまうのです。
  デフレを、競争の激化で克服することは不可能なのです。それどころか、限定された総需要のもとで競争(供給活動)が激化すると、一時的には価格の低下などメリットが生まれますが、デフレでさらに総需要が減り、結局一部の強力な企業や個人以外はみんな貧乏になってしまうのです。
  それなのに、規制を緩和したり、公共投資を減らしたりして、どんどんデフレを深刻にしてきたのが、我が国の橋本政権以降の「構造カイカク」だったということです。

  これを解決するには、総需要を増やすしかありません。端的に言えば、個人の給料を上げればいいのです。競争をいくら激化させても、総需要は大きくなりません。
  そうは言っても、これは口で言うほど簡単ではありません。企業には営業の自由があるわけですから、従業員にいくら給料を出すかなどという問題を政府が決めることはできないからです。
  しかし、税制上の措置である程度調整はできるかもしれません。たとえば、労働分配率(従業員へ渡る給料が売り上げに占めるパーセンテージ)が高い企業には法人税を優遇することなどがそうです。
  逆に派遣労働者ばかり使ってるような企業には、法人税率を高くします。固定資産税や事業税を引き上げるなら、地方自治体にもできます。●全国知事会も、そういう役に立つことを話し合ったらどうでしょうか。
  この派遣労働の拡大というのが、総需要の減少に拍車をかけているという風に考えれば、派遣労働の規制強化や、紹介料への課税強化なども検討してみていいかもしれません。
  小泉や竹中のようなカイカク真理教信者が跋扈している自民党がそういう政策を採らないのは不思議はありませんが、「大衆(=生活者)とともに」などというキャッチフレーズを掲げている某連立与党は一体何をやっているんでしょうね。●こういう美辞麗句を掲げたポスターを作っておいて自民党のデフレ推進政策に乗っかるあたり、白々しいを通り越して、二重人格、精神分裂としか言いようがありません。

  みなさんも、「これはまずい」と思ったら、総需要を拡大させる政策を唱えている政党や政治家に投票するようにしましょう。少なくともカイカクカイカクと呪文のように唱えている馬鹿政治家や、嘘八百のポスターを作っているアホ政党には投票してはいけません。
  そういう政党や政治家が勢力を伸ばしていけば、多重債務者にマンションを買わせようとする営業マンも、少しは少なくなるかも知れません(笑)。

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