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2007.12.10(Mon)

「国際協調」という病気 

  日本人は「平和ぼけ」にかかっているなどとよく言いますが、私は「国際協調ノイローゼ」の方がよほど深刻だと思っています。
  我が国の首相からして、この病気の患者だということがよくわかる記事がありました。

福田首相、日本の存在感の薄れ懸念 外交政策勉強会
http://www.asahi.com/politics/update/1210/TKY200712100043.html
--------以下引用--------
 福田首相が外交課題について有識者から意見を聴く「外交政策勉強会」(座長=五百旗頭真・防衛大学校長)の初会合が9日夜、東京都内のホテルで開かれた。首脳外交の戦略を練る場として立ち上げた勉強会で、月1回のペースで開く予定だ。

 五百旗頭氏によると、首相は冒頭、日本の国民総生産(GNP)の世界に占める割合の低下をはじめ、外交や経済で日本の存在感が薄れていることに懸念を示し、「日本の国際社会の中でのシェアが小さくなっている。我々はどう努力していったらいいか意見を聞きたい」と述べた。

 出席者からは「日本の国際的プレゼンスが非常に低下し、中国や韓国、インドなどが活躍している」などとして、積極的な外交の展開を求める声が相次ぎ、中国との関係を重視すべきだとの意見も大勢を占めた。中国側も経済成長一辺倒ではなく、環境やエネルギー分野で対日関係を重視する動きが出ているとして協力強化をめざすべきだとする指摘もあった。
--------引用以上--------

>日本の国民総生産(GNP)の世界に占める割合の低下

  どこかの政党が進めている「カイカク」とやらが内需を破壊しまくっているからじゃないんでしょうか?

  あと、安倍内閣の頃は「実質GDPが成長しているから経済成長しているんだ!」とか言っていませんでしたっけ?まあ、デフレがどんどん進行すれば名目GDPが下がっても数字が上がり続ける実質GDPなど、たいした意味はありませんが、9月まで喧伝していたことと全く違うことを口にしている与党というのもどんなもんなんでしょうね。

>日本の国際社会の中でのシェアが小さくなっている。

  日本製の工作機械やロボットや精密部品が世界で使われなくなっているなんて話はどこでも聞きませんが・・・日本人研究者の書いた論文の引用数も、かなり高い水準にあります(●こちらのPDFを参照)。貿易も活発に行われており(これはこれ自体かなり問題があるのだが)、日本製品は世界中で使われていて、ODAの金額でも上位に入っています。
  まさか、福田首相は日本がイギリスやアメリカみたいな国際政治のプレーヤーになってほしいとか思っているんでしょうか?
  はっきり言いますが無理です。国際政治というのはヨーロッパや中東でやっているものです。たとえば、イスラエルの核開発が疑われているとかいう話になった時、日本は独自に動いてイスラエルに働きかけたり、イスラエル国内の情報を取ってきたり、そういう活動ができるでしょうか?できるわけがありません。そんなコネも人材も日本はないからです。
   まともな諜報機関も防諜機関もない日本が、謀略渦巻く世界に飛び込んでいけるわけがありません。そんな国なら、福田首相のように「留学生を100万人呼ぼう」などと、自国の文化破壊や治安悪化を招く間抜けなことを言っている阿呆が国家のリーダーに選ばれるなんていうことはありません。(アメリカの大統領は例外だが・・・)

  だいいち、国際社会の中で「でかい面」をして、日本にとってどういうメリットがあるんですか?

  戦前、そういう「でかい面」をして、何かいいことがあったでしょうか。●人種差別撤廃を訴えたら、同盟相手だった植民地支配バリバリのイギリスから白眼視されて、日英同盟を解消されるきっかけになりました。白人をアジアから追い出して日本が盟主になるんだとかいう●東亜新秩序を提唱して、行き着いた先は米英との戦争と300万人の死者でした。
  
  この首相もそうですが、今の日本には「国際的な貿易だとか友好関係がないと日本は終わりだ」「外国からよい評価を受け続けなければいけない」という人間が多すぎます。それを私は「国際協調ノイローゼ」と言ったわけです。
  他国と協調するといいますが、要するに他国に余計なことをしないのが一番なのではないでしょうか。たとえば、企業が進出すれば、地元企業の雇用を奪ったり、利益をその国から奪ったり、環境を破壊したりするわけです。それなら、初めからそんなことはせず、日本国内で日本人を相手に商売をしていればいいではありませんか。
  それなら、その利益を当該国に還元すればいいじゃないかという人もいそうですが、馬鹿げています。そんな回りくどいことをする必要はありません。仕事が増えれば、それだけ公務員の人員も税金もかかるのです。
  だいいち、この論理がおかしいのは、企業の海外進出が当然だという暗黙の前提があるところです。そういうことを根っこの部分から考えないから、「産業の空洞化」という言葉は知っていても、現状を変えられないのです。

  そういう風に考えると、国際協調ノイローゼというのは、グローバリスト企業が世界に向けて進出していく(その分日本人と日本経済をないがしろにする)ためのプロパガンダの結果だと思えなくもありません。「国際的」という美辞麗句があれば、左翼は喜ぶでしょうし、右翼も反対しないからです。

  先日●「呉清源・極みの棋譜」という映画を見ました。内容についての評価はさておき、この映画には一つとても興味深い点があります。それは日中戦争直前の日本には中国人をはじめとする外国人がたくさんいて、想像以上に「国際化」していたということです。
  当時の日本は、第一次大戦を契機に工業生産を拡大して、様々な国、特にアジアに対して輸出を伸ばしていました。そして、中国を初めとするアジア各国から留学生をたくさん受け入れていたのです。呉清源氏のように、日本に活躍の場を求める中国人もたくさんいたでしょう。そして、映画の中で見られたように、中国人に対する日本人の姿勢は、戦争が始まるまではかなり穏やかなものでした(帰化したら差別もされず、徴兵の対象にさえなる場面が出てくる!)。
  そういう時代だったにもかかわらず、いや、そういう時代だからこそ、戦争になったのです。当時の日本の支配層は、冷静な国策選択ができませんでした。いろんな利害に絡み取られていたからです。
  今の日本の政治家たちは、その時の教訓を生かせる人たちでしょうか?私にはそうは思えません。

  日本は日本でしかありません。せっかく人口もいて産業も発達しており、世界的に枯渇する水資源にも恵まれているのですから、もっと国内のことに目を向けてもいいのではないでしょうか?
  国内政策のミスを、国外で山を当ててチャラにする、という考えは危険です。構造改革や財政均衡志向によって国内需要を破壊したことと、「国際社会でもっと注目されたい」という福田首相(自民党清和会)の感情は、決して相反するものではないのです。

  このことに、もっと多くの人たちが気づいてほしいと思います。

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