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2007.12.03(Mon)

日本の役所は欧米に学ばなければ何も出来ないのか? 

  世の中で騒がれているとき、ふと目に入るニュースこそ大きな意味を持っていることがあります。もしかしたら、これもそうかもしれません。

人事院、中堅官僚の米省庁派遣研修制度新設へ
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20071202ia01.htm
--------以下引用--------
 人事院は来年度、中堅官僚が米政府の省庁に派遣され、省庁の一員として働く研修制度を新設する。

 他国の官僚の仕事を実地で体験し、国際的な視野や人脈を持った人材を育成するのが狙い。初年度は数人を半年から1年間派遣する。

 人事院は今後、欧州連合(EU)などにも中堅官僚を派遣し各国政府職員との関係強化につなげたい考えだ。
--------引用以上--------

  このニュースから伝わってくることはいくつかあります。

  まず、一体アメリカに派遣されて何を学んでくるのか、という疑問です。
  当たり前ですが、日本とアメリカでは制度の成り立ちが違います。日本は大宝律令以降、中央集権的な官僚制度が整備されています。一方のアメリカは、建国してまで230年しか経っていない若い国で、連邦制度を取っているために、行政の実態は州によってまちまちだというのが実情です。
  アメリカの仕組みは合理的だというのなら、どこがどのように合理的なのか、そういうものをきちんと納税者である国民や、その代表である国会議員に示すべきです。そんな手続きもせずに、いきなり「新設する」というのは、少々度が過ぎているのではないでしょうか。
  日本の官僚制度は腐敗している・・・などというひとは、よく分かっていない人です。「トランスペアレンシー」というNPOが発表した2005年の腐敗認識指数という数字で見ると、日本は17位でフランスやアメリカよりも順位が上です。EUの中で負けているのは北欧とイギリス(12位)、ドイツ(16位)くらいです。(●こちらのリンクを参照)

  同時に感じるのは、このような仕組みが、欧米諸国が日本の官僚をコントロールする手段になりはしないか、という懸念です。
  留学というのは、実は結構怖いものです。なぜなら、受け身的に学ぶ立場に置かれると、そこで価値観の洗脳を受ける可能性があるからです。
  歴史上これをうまく使った国があります。イギリスです。幕藩体制を覆し、極東に権益を築くために、薩摩や長州出身の若者を留学生として受け入れました。代表例が●「長州ファイブ」です。
  他にも、以前このブログで取り上げた●森有礼もそうです。森の場合は、アメリカ留学まで経験しています。だからこそ、「国語英語化論」などという頭のいかれた発想ができるのでしょう。
  留学の多くは若い時期に行われますから、どうしても学んだことが世界の全てだという認識をしがちです。逆に、英米はそれを利用して世界中にシンパというか、「トロイの木馬」みたいな連中を作り上げているのです。
  他のヨーロッパの旧宗主国が植民地から留学生を受け入れているというのも、基本的には同じです。その国を動かしていく人材を、母国の「遅れた」文化伝統から切り離して、自分たちにとって都合の良い思考体系を植え付ける・・・こうすれば、交渉や争いごとを経ずにコントロールが可能になるわけで、実にコストパフォーマンスのいい「間接侵略」の一類型です。
  今回は中堅官僚が派遣されるとのことですが、これでも危険は危険です。
  官僚というのは、受験エリート的な人が多いですから、「思考」より「学習」を優先させてしまうところがあります。また、派遣されたということは、組織内での自分の優位性を示す手段にもなります
  だから、覚えたことをそのまま日本の法制度に適用してしまう可能性があります。制度の上っ面、美点だけを飲み込んで(向こうは、自分たちの弱みである制度の欠点など教えはしない)くると、そういう事態に陥る可能性があるのです。
  当該官僚が、欧米(白人)コンプレックスが強い人だと、なおさらそういう危険が高まります。

  そして、何より「財政危機」だとか「プライマリーバランス」だとか、財務省だの自民党だのがギャーギャー喚いているご時世に、そんなことをする費用がもったいなくないかということです。
  官僚さんの滞在費用や、日本を留守にする間の代替要因の人件費、さらには「休業」中の給料はどこから出ているのかというのは、小学生でもわかる問題です。地方公務員の各種手当てをギャーギャーと騒ぎ立てるマスコミが、どうしてこういうニュースを批判的に取り上げないのか不思議ではあります。
  もっとも、何となく理由は分かります。マスコミの人間自身が、欧米に学ぶことは当然だという劣等感を持っているからです。「コーポレートガバナンス」だとか「グローバルスタンダード」だとか「アカウンタビリティ」とかいった横文字を出されると、何も考えずにその意味を覚えようとするタイプです。
  学ぶのも結構だと思うのですが、それなりにうまく行っており、運用実績も前例も十分に蓄積されているシステムを、いまさら別の国と同じように変える必要もないでしょう。それを変えるというのなら、十分な理由や必要性を挙げる必要があります。そこに来て、

>国際的な視野や人脈を持った人材を育成する

  などというのは、ちゃんちゃらおかしいというものです。国際的な視野などというものは、大学を卒業するまでに身につけておくべきで、本来の仕事をうっちゃらかして、さらに相手方に迷惑をかけて、税金をつぎ込んでまで学ぶものではないでしょう。
  さらに言えば、半年から1年で人脈なんぞ作れると思っているのもお笑いですし、だいいちそんな人脈を作ってどうしようというのでしょうか、日本の公務員の仕事の査定をやる人事院という役所の人間が。
  「国際的」という言葉をつければ、何でも予算がつくというのは、国民や国会議員をあまりにも馬鹿にしていると言わざるを得ません。
 
  「欧米に学べ」というのは、明治維新とともに始まりました。そうだとすると、明治維新という近代化で失った一番大きなものは、日本という国に対する自負なのではないかと思ってしまいます。
  愛国心うんぬんを叫ぶ人々は、そういうところまできちんと考えているのでしょうか?

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