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2007.11.19(Mon)

【東京都】看護師足りない→フィリピン人看護師導入? 

  扱いこそ小さいですが、日本にとって重大なニュースを見つけました。かなり前に一度だけ取り上げた話題の、だいぶ遅れた続報です。

「比看護師」誕生、都が支援…合格へ日本語指導
p://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20071114-OYT8T00168.htm
--------以下引用--------
 東京都は来年度、フィリピンから計約100人の看護師と介護福祉士を都立病院などで受け入れる方針を固めた。

 日本とフィリピンが昨年9月に締結した経済連携協定(EPA)に基づくもので、自治体が外国人看護師らの受け入れを表明するのは初めて。国家資格の取得が最大の難関とみられるが、厚生労働省は支援策を打ち出していない。個人教師の派遣など、都は国に先駆けて具体的な支援プログラムを策定し、フィリピン側にアピールしたい考えだ。

 厚労省などによると、看護師は全国で4万人以上、都内でも約3000人不足している。高齢者や障害者の介護を行う介護福祉士など、介護職員も人手不足が深刻な状態で、少子高齢化がさらに進む10年後には、全国で40万~60万人が足りなくなるという。

 EPAに基づく制度では、厚労省の委託を受けた国際厚生事業団が、日本での勤務を希望するフィリピン人の看護師らを、受け入れを希望する全国の病院に振り分けることになる。受け入れ数は、看護師400人、介護福祉士600人の計1000人を予定する。

 この制度では、半年間の日本語研修の後、看護師は3年、介護福祉士は4年、助手として病院などで働きながら、国家試験の合格を目指す。特例のビザが発行され、資格取得後は、希望すれば永続して働けるが、期限内に合格できなければ、帰国しなければならない。このため、受け入れる側の支援体制の充実が課題となっている。

 試験に出る医療関係の用語は、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)、膀胱(ぼうこう)、大腿部(だいたいぶ)など、日本人にとっても難解なものが多い。都では「このままでは合格者が出ない恐れがある」(福祉保健局)と判断した。資格試験用の日本語教材を英語訳したり、専門教師を派遣したりするなどの教育プログラムを策定し、入国後から受験まで手厚く支援する。

 EPAは、フィリピンの国会で批准後、発効されるが、都は「発効は時間の問題」としており、今月、プログラム策定の参考にするため、都職員を現地に派遣し、現地の看護師協会などで聞き取り調査を実施した。来年度予算にも支援費用を盛り込む方針だ。

 都では、都立病院など都施設で約10人を受け入れ、残る約90人は、都医師会などを通じて、民間で受け入れるよう働きかける。

 経済連携協定(EPA) 工業品や農産物などの関税を削減・撤廃する貿易自由化のほか、労働力の受け入れや知的財産権の取り扱いを定める包括的な取り決め。日本はタイやフィリピンなど8か国と締結済みで、現在、別の七つの国・地域と交渉している。
--------引用以上--------

(注:以前類似のテーマでコメント欄が荒れたことがあったので、本文を十分理解していない、もしくは専ら筆者の意見を否定するためだけに書き込まれているコメントは直ちに削除し、以後アクセス禁止といたします)
 
  いきなり主張に入る前に、「看護師」という職業の現状について見てみましょう。

>看護師は全国で4万人以上、都内でも約3000人不足している。
>高齢者や障害者の介護を行う介護福祉士など、介護職員も人手不足が
>深刻な状態で、少子高齢化がさらに進む10年後には、全国で
>40万~60万人が足りなくなる


  「足りない」というのは、二つの状況が考えられます。まず「なり手が少ない」という状況、そして「就職しても定着がよくない」というものです。

  ●こちらのPDFによると、2007年3月の看護学校卒業生は19,340人です。このうち8割ほどの16,000人が看護師として就職したとして、3年あれば4万人の不足は補える計算になります。それほど、足りていないとは言えないようです。
  そうだとすれば、就職しても定着率がよくないということが考えられます。
  看護師の年間離職者数は、●こちらのニュースにあるように、年間で12,3%(2005年)です。つまり、1年経つと9人中1人が離職していることになります。
  もちろん、再び看護師に就職する人もいるでしょうから、単純に言えませんが、問題は病院の規模によって離職率に大きな差が生じていることです。
  先述のPDFによると、2006年12月時点での離職率は、ベッド数300床以上の病院では0.8%に過ぎないのに対して、50床未満の病院の場合1.8%になっています。
  准看護師の場合は離職率が全体的に高めですが、大病院は1.6%、50床未満の病院は2.0%と、やはり小規模の病院の方が看護師が離職しやすいことがはっきり分かります。

  実は、この格差は就職の時点から生じているのです。

  2006年3月と2007年3月の看護学校卒業生の進路の変化を見ると、500床以上の病院に就職した卒業生は35.4%から39.2%となっており、大病院に就職している看護師が多いという現状が見えてきます。小規模の病院が経営難から閉鎖され、大規模病院がその分規模を広げているということなのでしょう。
  また、進路先を経営主体で見ても、2006年の卒業生の場合、大学病院が15.5%、国公立病院が17.1%だったのに対して、2007年3月の卒業生はそれぞれ17.6%、17.9%となっています。特に、大学病院への伸びが大きいのがわかりますね。

  このような格差の一番の原因になっているのは、待遇の格差です。●こちらのリンクにもあるように、多数を占める女性の看護師で見ると、勤務する病院の規模が小さくなるに従って、年収も下がるのです。事業所の規模が1,000人以上なら515万1,000円なのに対し、10~99人の場合だと425万1,000円と、80万円以上の開きがあります。
  80万円あれば私立中学の授業料くらいまかなうことが出来ます。そう考えると、かなりの差です。こういうものは、努力で詰めることの出来る差ではありません。

  病床数の少ない病院というのは、当然人口規模が少ない場所にあることが多いわけです。そうなると、結局看護師の離職率の格差は、東京のような大都市と地方との格差ということになりそうです。

  ここで改めて表明しておこうと思いますが、私はgooブログの時期に「格差問題など存在しない」という主張をしていました。
  しかし、それは大きな間違いだったと、深く反省しています。どうも、あの時期の私は、典型的なネット右翼的発想、すなわち「格差を主張するのは左翼のプロパガンダだ」という考えに染まりきっていたような気がします。コメント欄で加えられた批判に対しても、かなりの詭弁を弄していたように覚えています。(だからこそ、ネット右翼や自称保守の見苦しさは実感として分かるのですが・・・)
  もちろん、同時に唱えた「中国との断交」や「林業の活性化」とい点については、今でも考えを変えてはいません。しかし、私自身が体制派を気取って、弱者の現状に目を向けようとしなかったという点については、深く反省しています。

  さて、そんな医療格差の中で、なぜ比較的恵まれていると考えられている東京が、フィリピン人看護師を導入しようとしているのでしょうか。

  理解する鍵は、ここです。

>日本とフィリピンが昨年9月に締結した経済連携協定(EPA)に基づくもの

  ・・・何か、どこかで嗅いだことのある臭いがしませんか?(笑)

  次回は、さらにこの問題を掘り下げて行こうと思います。

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