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2007.10.28(Sun)

食品偽装はなくならない!? 

  ●前回の記事の続きです。

  前回私は、一連の「食品偽装」は現在の経済の仕組みが続いている限り、絶対になくなることはないと述べました。その辺をもう少し詳しく突き詰めてみたいと思います。

  現時点で、とにかく第二の「赤福」や「ミートホープ」を出さないようにするとなれば、以下の二つの方法が考えられます。

(1)経営者の倫理・道徳を向上させる
(2)立ち入り検査などの監視システムを強化する


  まず、(1)についてですが、多くのマスメディアが食品偽装の問題の結論として掲げているものです。「消費者の気持ちになって」とか「経営者として恥ずかしくない行動を」とか、そんな感じです。
  しかし、私に言わせれば、順序が逆です。赤福にしろミートホープにしろ、消費者の気持ちになっている経営者だからこそ虚偽表示だとか混ぜものとか、そういう道義的には不当な行為に踏み切ったと言うべきです。
  バブル崩壊以降、現在に至るまでの日本がそうですが、購買力が低下している局面では、どうしても価格が全ての基準になってしまいがちです。消費者が低価格を求める以上、企業側がそれに応えようとするのは当然でしょう。低価格で高品質など無理なのですが、「企業努力」「コストカット」という美辞麗句が、企業に常識ではありえない低価格路線を歩ませるのです。「激安」などという言葉をはやらせたマスコミにも責任の一端はあるのですが・・・。
  おそらく、業界は消費者に対して、「どうせ彼らは品質など分からないから」という観念を持っているのだと思います。いい悪いではないのです。消費者全体を大きくとらえると、そういうものだからです。特に、大量生産が義務づけられている企業は、どうしてもスケールメリットや製造原価の方に重点を置きがちです。
  その代わり、企業はどうしているのかというと、「イメージ」でものを売ろうとしているのです。非常に深いテーマなので、また別の機会に取り上げようと思っていますが、現代の消費活動は「中身よりもイメージ」なのです。
  簡単な例が、ペットボトルの緑茶です。中身は夏場の安い茶葉(農薬が大量に使われるため取引価格が下がる)もしくは中国産の馬鹿みたいに安い茶葉なのですが、そういう中身については言及せず、「濁っている」とか「甘い」とか、変なコンセプトで作られていてたり、昔から有名なお茶の店の名前を掲げていたりします。そして、必ずギャラの高そうな有名人(たとえば松嶋菜々子)が、いかにも日本という感じのCMに出ています。茶葉の値段より、松嶋菜々子と広告代理店に払うお金の方が高いかもしれません。良い悪いは別として、お茶というのはそうやって売られているものだということです。
  こういう状況ですから、消費者に本物の味を、といってもなかなか通じません。むしろ、パッケージにだけ「本物の味」だの「国産素材使用」(たとえ90%が中国産でも虚偽表示にはならない)だのという文字だけ出しておいて、そのイメージで消費者に気持ちよく買っていただこう(=騙されてもらおう)という企業が出てきてもおかしくはありません。
  これらは全て、安く作って高く売るというグローバリスト(意味は●こちらを参照)的価値観に基づいているものです。いわば、商人の基本みたいなものですが、現代のグローバリストとの違いは、政府やマスメディアも動員して買い手を騙し、そういう悪行に都合のいい考え方をいろいろな形で発信しているということです。
  残念ながらというべきか、赤福やミートホープはあくまでローカルな企業だったので、情報管理体制が甘く、関係諸処に手を回すことが出来なかったということなのだと思います。今回はたまたま露見してしまいましたが、根本的に行動様式を変えることはないでしょう。そんなことをしたら、競争に勝てないことは明白だからです。

  では、監視態勢の強化についてはどうでしょうか。

  たとえば、食品の原材料表示については、日本農林規格(JAS)法というものがあります。たとえば、この規定を厳格なものにして、抜き打ち検査や市場調査を頻繁に行う、などという方法がいいかもしれません。

  しかし、この方法には今のご時世ではかなり痛い欠点があります。それは、役所が負担する費用や人員が膨大なものになるという点です。
  たとえば、食品の市場調査(モニタリング)をやる人間を増やすというケースを考えましょう。モニタリング用に公務員を増やすというのはなかなかできません。そのため、自治体は消費生活調査員みたいな人を雇っています。当たり前ですが有給です。この分、税金の負担は増えます。調査にかかる経費も税金から出ます。こういう税金を、素直に出す気になる人はあまりいません。
  こういうことを言うと、「そんなのは他の部分の経費を削ったり、公務員が人一倍働いてなんとかすべきだ!公僕だろう!」とか言い出す馬鹿が必ず出てきます。そして、どうもそういう人間に限って、「赤福はひどい。行政は何をやっているんだ」などと文句を言うことが多いように思うのです。公務員を税金泥棒などと非難する人は、公的機関など一切信用しなければいいとおもうのですが、そういう人に限って公務員に過度な期待をしていることがよくあるのです。変な話ですね。
  公務員と言っても、労働者であることは変わりないわけで、みんなが3時間かかっている仕事を30分で終えられるようなスーパーマン揃いではないのです。高密度の仕事をやってほしいなら、それに応じた高額の給料を出すべきか、人員の増加を認めるべきなのです。それなのに、公務員に限ってはそういう常識が無視されて、とにかく減らせ、みんなのために馬車馬のように働け、などという論調が多いように思います。
  JAS法にしてもそうですが、行政はそれなりの仕事をしているのです。しかし、世の中で扱われる商品が膨大であり、以下の例のようなあくどい手口の業者がいたりするわけです。

北朝鮮産アサリ、5業者転々「国産」に
http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/news/20050415uj24.htm
--------以下引用--------
 北朝鮮産アサリの産地不正表示問題で、農林水産省が九州の2業者に改善を指示したアサリは、輸入後の流通過程で五つの業者を経由する間に、産地表示が中国産から無表示、さらに国産へと変わっていったことが、同省の調査や関係者の話で分かった。

(中略)

 農水省は1月からアサリの産地表示調査を全国で実施。福岡県久留米市の小売店で「熊本産砂ヌキアサリ」と表示された産地不明のアサリが見つかったことから、同省が流通ルートをさかのぼって調べた。

 その結果、問題のアサリは、民間輸入業者「福岡県魚市場」(福岡市)が北朝鮮から中国の業者を介して輸入、2月までの約1年2か月間に計約8000トンを仕入れ、うち1000トン余が卸売業者(福岡県)に販売されたことが分かった。

 その際、「海州(ヘジュ)」など北朝鮮の地名が産地として表示されていたが、卸売業者は、鮮度回復や出荷調整を行う蓄養業者(同)に対し、これを「中国産」として引き渡していたことも判明した。

 アサリはその後、蓄養業者から産地表示のない状態で別の卸売業者(同)に渡り、さらに複数の小売業者に販売された。

 このうち久留米市の小売店を経営する「あんくるふじや」(佐賀市)が、一部の中国産アサリとともに計1280キロを「熊本産」として売っていた。日本農林規格法(JAS法)に基づく適正な国名表記は、どの過程にも見られなかった。

 福岡県魚市場は、読売新聞の取材に「北朝鮮産アサリに関しては、地名を表示して商談をしている。国名を併記すべきだったが、(北朝鮮産であることを)隠してはいない」と説明。

(中略)

 北朝鮮産アサリは、輸入後に複数の卸売業者が介在したり、出荷調整などで国内の干潟にいったん蓄養したりするなど、今回のような流通ルートをたどることが多く、不正表示がどの段階で行われたかは把握しづらい。

 アサリの昨年の全輸入量のうち「福岡県魚市場」が輸入したのは約2割で、今回判明したルートは一部に過ぎないのが実情だ。

 ◆アサリの産地表示調査=農水省が全国の約1300の小売店で1月15日から実施。約1700の商品について、仕入れ伝票と突き合わせるなどして、アサリの産地表示が適正かどうかを調べた。その結果、アサリの国内消費量の約4割を占めるはずの北朝鮮産アサリと表示されたものは、2商品しか見つからなかった。
--------引用以上--------

  まあ別に北朝鮮産に将軍様が毒を入れろと言っているわけではないので食べても問題ないのですが、やはりイメージの問題なのでしょう。
  しかし、この不正表示摘発は、当時の小泉政権が北朝鮮に対して(表面上)強硬姿勢だったからこそ農水省が動いた、つまり政治的な側面が濃かった事例なのです。いつもいつもこういう検査態勢を取れるわけではありません。
  このような検査をあらゆる食品についてやるにも関わらず、人員が今のままとなると、現場の公務員が過労死します。●公務員虐殺ショーにばかり熱心な基地外政治家を支持するネット右翼や、食糧自給率に触れもしない自称愛国ブログなどは、そうやって公務員が追い詰められるのを逆に喝采するのでしょう。しかし、問題は何も解決しません。

  そもそも、何で日本で育てることが可能なシジミを、わざわざ北朝鮮から買わなくてはいけないかという問題から考えないと駄目なのです。同じように、なぜ赤福が中国産の原料を使ったり賞味期限切れの食品を再利用しなくてはならないのか、なぜ比内地鶏のスモークに近所の農家の普通の鶏が使われてしまうのか、そこから考えないと、この問題は解決しません。

  そうなると、必ず思い当たるはずです。

  そもそも、人が食べるものを、安く買って高く売るという行動原理に基づいて扱うべきではないのではないか? 
 
  そのへんを次回は考えてみたいと思います。時間がないため、記事が切れ切れになってしまい申し訳ありません。

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