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2007.09.30(Sun)

留学生を擁護して国際派になっているつもりの人びとへ 

  思わず眉をひそめたくなるようなニュースというものがあります。以下の引用記事を見て、みなさんはどう感じたでしょうか。

日本の大学間協定の相手国 中国トップ、米国抜く
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2007092902052391.html
−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−
 日本の大学などの教育機関が、学生や研究者の交流などを目的に海外の教育機関との間で結んだ協定の件数が、二〇〇六年度は過去最高の計一万三千四百八十四件だったことが文部科学省のまとめで分かった。国・地域別では中国が急増しており、データが残っている一九九二年度以来、初めて米国を抜いて一位となった。

 文科省は「経済台頭に伴う中国の大学整備の進展が背景にあるのではないか」と分析。慶応大も「政治や経済などあらゆる分野で中国との関係が大事になっている中、若い世代で培ったきずなは日中双方にとって将来の大きな財産になると考えている」と協定の重要性を強調、今後も中国との協定が増えると予想している。

 調査の対象は、国公私立大七百三十四校のほか、国立高等専門学校や大学共同利用機関法人など計八百二十二機関。

 このうち、何らかの協定を結んでいたのは82%に当たる六百七十四機関で、前回調査の〇四年度から約二千百件増えて一万三千四百八十四件。国立大は八十七校すべてが協定を結んでいた。

 締結先の国・地域は中国が前回から25%増えて二千五百六十五件となり、全体の19%を占め最多に。次いで米国二千二百九十八件(17%)、韓国千四百六十七件(11%)の順だった。

 協定の内容では、重複も含め学生交流が全体の87%に当たる一万千七百四十八件、教員・研究者交流が85%の一万千四百六十五件だった。
−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−

  よくある「日中交流っていいね!」系ニュース(笑)ですが、今回のはかなり規模がでかいです。

  学校関係者の脳天気なコメントが出ていますね。

>「政治や経済などあらゆる分野で中国との関係が大事に
>なっている中、若い世代で培ったきずなは日中双方に
>とって将来の大きな財産になると考えている」

  そういえば、最近こんなことを口にした政治家がいました。

福田氏麻生氏vs特派員
http://www.tv-tokyo.co.jp/biz/nms/days/070920/t5.htm
(注:編集上発言の順番を入れ替えています)
−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−
Q.アジア外交について

麻生幹事長
「絶望と貧困はテロリズムを生む大きな理由の一つ。日本が貢献できるのは経済発展」

福田元官房長官
「留学生など人的交流が大事。今15万人いる留学生を場合によっては100万人にしたい
−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−

  定員割れで経営難にあえいでいたり、(自分の講義のやる気のなさを差し置いて)日本人の学生の意欲の欠如を嘆いていたりする学校関係者にとっては、中国のやる気のある学生は最高の「お客さん」になりそうです。

  では、外国からの留学生をこれ以上増やした方がいいのかというと、私は反対です。
  なぜなら、留学生の増加は、その後の日本での就職や、現地に帰った後の日本とのビジネスなどを通じて、相互依存を強めることになるからです。
  ●以前の記事でも述べましたが、相互依存を強化すると、相手国の政情の変化などによって日本国内の経済社会状況が左右されやすくなるからです。
  歴史的に見ても、日中戦争の時期に、不景気を内需拡大ではなくて対外膨張という形で乗り切ろうという国策を日本が採ったために、中国との相互依存が強まり、中国内の動乱に介入する形で日中戦争を始めてしまいました。そしてその後、英米の中国権益放棄要求を受け入れることができず、両国相手の戦争になってしまったのです。
  人口が多く、100年に一度くらいのペースで政情不安になる中国との相互依存は大変危険です。遣唐使の時代や、唐人屋敷の江戸時代のように、付き合いを最低限にしておく方がお互いにとって幸福でしょう。
  もっと細かい話をすれば、留学生が流入するということは、それに乗じて相手国のスパイが紛れ込む余地が広がるということです。日本にアメリカのFBIやNSA(アメリカ国家安全保障局)のような防諜組織があれば別ですが、現状はそうではありません。しめられる蛇口は閉めた方が賢明です。

  こういうことを書くと

  「中国人を差別するな」
  「ほとんどの留学生は真面目に勉強している。偏見だ」
  「優秀な人材をアジアから集めるのが何が悪いんだ」
  
  
  などと私を非難してくる方が時々います。

  まあ、「中国人なんてみんなたたき出すべきですよね(笑)」みたいな頭の悪いコメント愛国者も困るんですが、上のような非難は、はっきり言って的外れです。
  私は、中国人だから駄目、ベトナム人だから良い、などと、人種によって区別して考えていません。外国人留学生の増大そのものが、相互依存の強化につながるから反対なのです。
  アメリカはそれでうまく行っているじゃないかという人がいますが、最高に的外れです。ここはアメリカではありません。日本です。アメリカのように後から入ってきた人間ばかりで、相互理解は表に出した言葉と明文化されたルールだけ、という社会ではない以上、アメリカの留学生受け入れ状況が日本に妥当するとはいえません。もちろん、これは他の欧米諸国についても言えることです。

  あと、「私の知り合いの中国人留学生はみんな真面目だ」というのは、批判にすらなっていません。個人的な経験を一般化しないでほしいものです。
  客観的に見ても、以下のような事件が報じられています。

ネットゲームの闇
http://alfalfa.livedoor.biz/archives/50772858.html
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インターネットのオンラインゲームで使う仮想通貨や武器を実際に売買する「リアル・マネー・トレーディング(RMT)」で不法に利益を上げたとして、熊本県警が入管難民法違反(資格外活動)容疑で逮捕した熊本市の中国人留学生、王悦偲被告(23)が中国のRMT仲介会社の一員として4月以降、1億5000万円を売り上げ、大半を中国に送金していたことがわかった。

 ゲーム人気でRMT市場は急拡大しており、ブームにつけこんで荒稼ぎしたとみている。RMTを巡っては金をだまし取られる被害が相次いでおり、県警は仲介会社の実態解明を急いでいる。

 王被告は留学の在留資格しかないのに、4月から5月にかけてRMTを繰り返し、600万円の収益を得たとして逮捕、今月起訴された。

  (中略)

 睡眠時間以外はパソコンにかじりつき、取引に没頭した。留学先の熊本学園大の授業にはほとんど出ておらず、供述によると取得単位はゼロ。県警は当初からRMTが目的で来日したとみている。

 同社からはほかに数人が日本へ送り込まれていると供述しており、県警はこの会社が出品した武器などを巡り被害が出ていないか調べている。
−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−


不正アクセスの中国人留学生逮捕 価格.comなど侵入か
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0507/06/news023.html
−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−
旅行会社サーバへの不正侵入の疑いで中国人留学生が逮捕された。価格.comなどにも侵入した疑いがもたれている。

 警視庁ハイテク犯罪対策総合センターなどは6月22日、旅行会社・クラブツーリズムのサーバから顧客情報を不正入手したとして、不正アクセス禁止法違反などの疑いで都内の27歳の中国人留学生を逮捕した。警視庁が7月6日に明らかにした。

 調べによると留学生は、3月15日から17日にかけ、クラブツーリズムのサーバに計19万回にわたって不正アクセスし、会員の氏名や住所、電話番号などを入手した疑い。

 留学生は「価格.com」や人材派遣のアデコ、静岡新聞社系の就職支援サイトなどにも侵入した疑いがあり、被害は計14社、約52万件に上るという。
−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−

  これでもまだ納得できないなら、こういう例も挙げておきましょう。

旧酒田短大の元留学生を逮捕
http://www.jpalc.com/jp_life.php?action=news&top=1&CATE_ID=4&NEWS_ID=97
−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−
報道によると、警視庁と千葉県警はこのほど、強盗などの疑いで、住所不定の中国籍の男を逮捕した。男は、留学生の不法就労の温床として文部科学省から解散命令を受けた、山形県の旧酒田短大の元留学生だった。

調べでは、男は2005年12月25日夜、千葉県柏市のドラッグストアで男性店長に果物ナイフを突きつけ、粘着テープで顔などを縛り売上金約370万円を奪った疑いが持たれている。
−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−

  酒田短大については、●こちらをご覧ください。

>1学年の定員は100人。  

>現在は2学年で352人が在籍し、うち339人が中国人

  当然、この学校は解散しましたが、「留学生がまだまだ少ない」という趣旨の発言をしていらっしゃる首相閣下が就任されたので、今後はこのような「斬新な」経営方針を採る学校も増えてくるでしょうね。(すでに●この学校はそれに近いことをしている)
  こういう事実を見てもなお積極的に中国人留学生を弁護しようという日本人の方は、かの国から帰化したというのでもなければ、「国際的で異文化理解のレベルが高い優しい人間」を気取りたいだけなんじゃないですかね。
  
  それに、差別されているのは中国人などのアジア人留学生ではありません。「日本人の中低所得者の就学希望者」です。
しかも、差別しているのは、日本国政府です。

  証拠を見せておきましょう。

アジア人財資金構想
http://www.meti.go.jp/press/20070416003/20070416003.html
−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−
経済産業省及び文部科学省では、我が国企業に就職意志のある、能力・意欲の高いアジア等の留学生に対し、奨学金や人材育成から就職支援までの一連の事業を通じ、産業界で活躍する専門イノベーション人材の育成を促進する「アジア人財資金構想」を実施します。
−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−

>奨学金や人材育成から就職支援まで

  日本人が出している税金で、外国人の日本企業への就職を支援するのだそうです。

  これはすでに文部科学省で奨学金をつけることも決まっています。●こちらのPDFに詳しい応募条件などが出ていますが、大学の学部で「月12万6千円」、大学院で「月16万円」です。
  まあ実際は国費留学生に限るとか、厳密な規定が適用されることが多く、数はそれほどでもないのでしょうが、この政策の「理念」を拡大すると、日本人よりも優秀な中国人をどんどん入れろという風潮ができかねません。
  日本学生機構の返済義務のある奨学金が最高でも月6万円なのを考えると、もうちょっと日本人で、貧しいけど意欲のある学生のことも考えてやれよ、と思ってしまいます。私が同機構の奨学金をいまだに返済しているからそう思うだけなのでしょうか?
  日本は金を持っているからいいじゃないか・・・とかいう方は、最近の政府が「財政危機」だとか「プライマリーバランスの達成」などと吹聴してどんどん支出を削っていることをご存じなのでしょうか。政府の言い分が本当なら、「出すお金はない」はずです。
  普段外国人留学生の方を持つような方というのは、自民党がやっていた「バラマキ」には反対されている方が多いはずです。これは、無駄なお金じゃないんですか?
  
  そもそも、中国人やアジアからの留学生を増やせなどと言っている人間たちの動機がやましいです。留学生をやたらと弁護したがる人は、そういう薄汚い意図を持った連中こそ批判すべきでしょう。
  日本に税金を使ってもアジアの留学生を入れろ、などと吹聴しているのは、以下のような人々です。

▲学校、特に大学関係者

  経営難で、リストラするよりは中国人だろうが北朝鮮人だろうが頭数がほしいということです。
  ビジネス」目的で来ている人間が少なからずいますが、学校としては金を払ってくれれば別に授業に出なくてもいいわけです。むしろ、その方が面倒見とか少なくて楽かもしれません。上で見たように留学生の中には、「先ほど触れた酒田短大というのは、そういう点では非常にビジネスライク(笑)だといえます。
  文部科学省が行政指導や解散命令を出さないように方針を変えれば、明日からでも第二、第三の酒田短大が出てくるでしょう。「ニーズ」はあるのですから・・・。

▲グローバリスト企業

  「もういいから他の言葉を使え」「また書くのか、もう飽きた」と言われそうですが、何度でも確認します。グローバリストというのは、利益の極大化のために、自国への影響を考慮せずに積極的に海外に進出し、国家間の垣根を取り払おうとする勢力のことです。
  私は今まで「輸出依存企業」「商社」「金融資本」などをあげてきましたが、大事な分野を忘れていました。「新興IT企業」です。
  もうどうせこのブログを見ていないと思いますし、ご本人は信念に基づいて発言されているようなので、過去の記事でIT企業の立場(おそらく経営者的な視点)で書かれたコメントを紹介します。

>日本は今までは豊富な人的資源を活用してきましたが、
>次の安倍政権で改善が期待できるとしても、当面は
>出生率の低下に伴う人口減の問題に直面せざるを得ないでしょう。
>私の専門はITですが、ITだけに留まらず日本に
>優秀な外国人の人材を引きとめる工夫が必要ですが、
>その点について次回の記事を期待しています。

>また短期的にも、優秀な人材が日本に根付くのはよいことです。
>私はIT屋ですが、優秀な人材の確保に本当に苦労しています。(苦笑)
>残念ながらこの業界では、並の日本人よりも、頭の回転の
>速いインド人・中国人・韓国人の方が戦力として頼りになるからです。
>また、こういう頭のよい人たちは、本国のピ○ーどもと違い、
>個人的にも信頼できることが多いです。


  この方は私の懸念や言わんとすることをきちんとくんでくれる方だったのでとてもありがたかったのですが、その後馬鹿丸出しの乱入者がいて話がグダグダになってしまいました。今回の記事でもそういう雰囲気のある人間が出てきたら即刻削除、アクセス禁止にしますのでその辺はご容赦ください。
  この発言の吾人は、後から慌てて知日派の要請が不可欠という論理をくっつけていますが、本音としては自分のところの企業の利益を確保したい、それだけでしょう。
  国際競争力の確保ならまずもって日本人をきちんと育てるべきです。企業秘密を本国へ売るという事態も起こりにくいし、何より雇用や税収の改善に役に立ちます。

▲日本国政府の中の売国派

  自分の仕事が増えたり(主に役人)、グローバリスト企業から見返りの提供があったり(主に政治家)、なんらかの動機がある人たちです。
  売国派には、自覚的な人間とそうでない人間がいます。自覚的なのは、間違いなく自民党の親米派です。
  
  え?「何を言っているんだ、自民党はれっきとした保守政党だ」ですって?

  逆に聞きたいのですが、そういう方は、こういうお歴々がいることをどのように説明しますか?

中曽根康弘
▲「留学生10万人計画」を提唱し、2003年に実現(●こちらを参照)
▲「東アジア共同体」構想の旗振り役

安倍晋三
▲「アジア・ゲートウェイ構想」を提唱。「日本の社会の開放を加速化」するといい、中国との定期便の本数を大幅増など、国民に隠れたところで大活躍
▲婦人が韓国人留学生を過度に美化する映画を絶賛(証拠は●こちら

福田康夫
▲留学生を100万人にしろと豪語
▲「東アジア共同体」を推進すべきと韓国で発言
▲そもそも「アジア重視」と公言している



  小泉元首相も、平壌訪問で北朝鮮を身近にしたり、●朝銀(北朝鮮系)に公的資金をバカスカつっこんだりで、よくよく考えればアジア大好き人間です。
  まあ要するに、自民党の中で経済界やら外国人が教祖をやっている宗教団体やらに贔屓にされている方々というのは、みんなグローバリストだということです。
  じゃあ、この辺で恒例のやつを出しておきますか。

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●或る浪人の手記様作成)


  日本はアジアのリーダーだ(右翼系)とか、戦前悪いことをしたのだからたくさんアジアの人びとを受け入れるべきだ(左翼系)とか、左右の人間が主張することは、上に挙げたような利己的で金に汚い連中を利する結果にしかなりません。

  まとめとして、前回のコメント欄での「レイ式」さんの質問についてもう一度触れておきましょう。

>グローバル化ってそんなに悪いことですかね?

  なんでも国際化すればいいのだ、グローバル化は必然だからむしろ積極的にそれに乗っかればいいのだ、という考えをとるべきではありません。
  日本は島国ですから、他国から見て異質な文化を持っています。ちょうどハワイやトンガのような国に独自の文化があるのと同じです。
  そして、それは悪いことでもなんでもありません。戦争のような形で、他国(人)に迷惑をかけず、しょうがなくつきあう場合は礼儀と国際常識をもって接すればいいだけの話なのです。それなのに、日本人が外国の文化に同化しなければいけないなどと勘違いしている人間が多すぎます。
  外国人留学生を感情的に擁護して、返す刀で日本の閉鎖性を憎々しげに非難する人間に何人か出会ったことがあります。思うに、そういう人は今自分が思うように自己実現できていない現状を、日本という国やその文化や独自性のせいにしないと気が済まないだけなのではないでしょうか。
  むきになって愛国心とか国家への忠誠を説く人間というのも困りものですが、少なくともそういう人間はスパイになりうる人間を許容したりはしません。そう考えると、後者の人間、すなわち「国際協調型」の人びとの方が危険だということもできます。

  国際協調を第一に考える人は、少し考えてみるといいでしょう。

  あなたが外国人に対して鷹揚でいられるのは、彼らがまだ少数派だからではないのですか?

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EDIT  |  11:29 |  経済とグローバリゼーション  | TB(2)  | CM(11) | Top↑
2007.09.28(Fri)

独裁者・小泉純一郎が怖れるもの 

  記事カテゴリーに新しく「自END(自民党追放キャンペーン)」が加わりました。
  国民政党だった姿は今や昔、外資や勝ち組企業、アメリカ政府の言いなりになってグローバル化を押し進め、日本を滅茶苦茶にしている「超革新・有害政党」自由民主党を、国政の場から叩き出そうというキャンペーンです。このバナーにピンと来た方は、是非コメントやトラックバックを下さいませ。

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●或る浪人の手記様作成)

  さて、●先日の記事で、私は先日成立した福田内閣を、「小泉傀儡政権」であると断じました。

  その張本人、福田という藁人形を背後から操る小泉純一郎元首相が、非常に興味深い言動をしています。以下のニュース記事をご覧下さい。

<小泉元首相>平沼氏の復党に慎重対応求める
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070926-00000141-mai-pol&kz=pol
−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−
 自民党の伊吹文明幹事長は26日、小泉純一郎元首相を国会内の事務所に訪ね、幹事長就任のあいさつをした。小泉氏は「幹事長は友情よりも何よりも、党のことを第一にやってほしい。とにかく選挙に勝つことを考えろ」と発言。麻生太郎前幹事長が前向き姿勢を示していた郵政造反組の平沼赳夫元経済産業相の復党について、慎重に対応するよう求めたとみられる。
−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−

  伊吹文明氏は、伊吹派(志帥会)という派閥の代表です。伊吹派は、もともとは郵政選挙の時大量の造反議員を出した「亀井派」であり、先だっての自民党総裁選でも、半数近くの麻生氏支持者が出たことで知られています。

>幹事長は友情よりも何よりも、党のことを第一にやってほしい。

  そこに来てこのセリフです。「脅迫」以外の何者でもありません。
  ●「或る浪人の手記」さんの記事が洞察されているように、伊吹氏が幹事長に選ばれたのは、党執行部に籍を置くことで行動を制約し、伊吹派の議員を封じ込めるという意味合いがあるのでしょう。対外的には「派閥力学に配慮した党運営」などといくらでも言い訳ができるとういわけです。

  しかし、白々しいとはこういう言動を言うのでしょう。自分は2年前の選挙の時に、郵政民営化に反対する議員(いわゆる造反組)に党の公認を与えず、「刺客」と言われる議員を送り込んで抹殺を図ったのです(●こちらのリンクを参照)。その造反組というのは、亀井静香氏や綿貫民輔氏(ともに国民新党)、後に紹介する平沼氏のように、長年自民党を支えてきた政治家もいました。
  そして、大量の造反議員を出した岐阜県のように、地方組織の反対の声を無視して、事実上その機能を崩壊させました。都市の浮動票と宗教勢力(創価学会・公明党)の組織票でそれを補おうとしたわけですが、先の参院選でその脆弱さが早くも露呈したのです。
  その影で、自分の派閥(清和会=町村派)をちゃっかり第一派閥に押し上げて、福田康夫という何の魅力もビジョンも能力もない候補を当選させてしまうのです。「党を第一に考えろ」と叱られて当然なのは小泉氏の方でしょう。
  最大派閥である清和会の影響力で、自民党を意のままに操った小泉氏というのは独裁者ともいえるわけで、福田首相の勝利を決定づけたのが彼の「鶴の一声」だったことを鑑みても、その独裁はいまだに継続中だと見るべきです。

  ところで、古今東西の独裁者を見てみると、共通点があることをご存知でしょうか。それは、「小心者で猜疑心が強い」ということです。
  毛沢東が良い例ですが、彭徳懐、林彪、劉少奇など、自分を批判したり、少しでも地位を脅かした人間を次々排除していくのが独裁者です。特に彭徳懐のように、正論を口にする異分子こそ本来は重宝する存在(軌道修正が可能になるから)なのですが、猜疑心の強い人間にはそういう度量の広いことはできません。自分以外の人間は信用していないのです。先に挙げた造反組の追放劇も、まさにこのような独裁者の性質が現れていると言えます。
  そういう人間は自分以上の価値を認めず、自己陶酔的な傾向がありますから、他人から見れば自信家でカリスマティックに見えます。ヒトラーの演説に異様な迫力があったり、スターリンの写真が妙に見栄えがよかったりするのは、そういう「自信」の現れです。小泉氏も、●この写真に見られるように、かなり自分の立ち振る舞いに酔っている節があります。安倍前首相が真似してもみっともなく感じたのは、自己陶酔が足りなかったからでしょう。
自分の言い分を聞かない人間が同じ世界に存在することを許さず、悪と戦う自分に陶酔していたからこそ、「小泉劇場」が成立したのです。
  また、独裁者は自分と並び立つ権威(偉い人、偉いもの)を認めようとはしません。それが、●「皇室は最後の抵抗勢力」と断言して、皇室典範を改正し女系天皇(天皇家の継承は2000年以上男系)を容認しようとしたことにつながります。ソ連の独裁者スターリンが伝統的なロシア正教の寺院をぶっ壊しまくった一方で、自分の遺体を保存させて「神」になろうとしたように、自分よりも偉いものを認めたくないという心理の現れです。
  その根っこにあるのは幼児性です。独裁をやりたがる人間というのは、自分と少しでも考えの違う人間を許容できないという点で、人間性が非常に未熟なのです。幼児が母親に一番かわいいと認めてもらわないと不安で泣き出してしまう、あの心理を人格的成長の中で解消できなかったのが独裁者なのです。ヒトラーが自分の母親とよく似た女性(エバ・ブラウン)を溺愛したのはその典型です。
  小泉氏の逸話の中には、なぜか母親の話があまり出てきませんが、きっと溺愛された経験があるのでしょう。そして、その心理状態がそのまま継続してしまったのです。彼が、女性の閣僚にやたらと入れ込むのは、その現れです。

  しかし、独裁者というのは所詮小心者です。常に寝首を掻かれる事態を思い描いてビクビクしています。小泉氏の場合、それがよく現れているのは、

>郵政造反組の平沼赳夫元経済産業相の復党について、
>慎重に対応するよう求めた
  

  というところです。

  独裁者が一番怖れているのは、保身に走らず、それでいて周囲の尊敬を集めるような有力な人物です。理由は簡単で、生かしておけば自分の地位が脅かされるからです。
  以前の自民党であれば、田中角栄が実権を握っても、対立する福田赳夫に入閣を打診するだけの懐の深さがありました。それが自民党を緩やかな派閥(小政党)の保守連合として成り立たせていたのですが、小泉純一郎という独裁者がそれをぶちこわしにしてしまいました。
  小泉氏が怖れる平沼赳夫という人物は、こういう人物です。

★今でも郵政民営化には反対している
★自民党執行部の屈辱的な復党条件を呑まなかった
★皇室典範改正や人権擁護法案に明確に反対
★落選経験が豊富(笑)
★離党しても母体である自民党への愛着を持っている
★不利が伝えられる地元参院選候補(片山虎之助)を義理堅く応援


  筋を曲げない頑固者で、伝統を重んじる昔ながらの日本人・・・小泉氏が一番嫌うタイプでしょう。
  あえてたとえるなら、小泉氏は「フランス料理を好み、オペラやテニスを趣味にするハイカラ紳士」であり、平沼氏は「味噌汁や漬け物を常食にし、剣道が趣味の昔気質のおやじ」です。明治維新の頃の鹿児島の政治家でいえば、前者が森有礼(もりありのり)、後者が西郷隆盛です。
  まあ、言ってみれば「自分が白人だと思っている明治以降の似非日本人」と、「土の匂いがする江戸以前の日本人」です。若者に聞けば、10人中9人はハイカラ紳士の小泉氏の方を格好いいと言うでしょう。
  しかし、最後の最後で拠り所とされるのは、昔気質のおやじの方です。合理的な説明はしにくいのですが、普段はダサイとか行けてないとか思いながらも、こういう人物の方が窮地にあっては信頼しあって一緒に戦えるような感じがするのです。
  だから、今でも平沼氏の回りには郵政造反組の人々が集まってきます。どちらかといえばグローバリスト的な麻生太郎氏も、誰かさんにブッ壊された自民党を立て直すと言ったとき、それと同時に平沼氏の復党を認める発言をしています(●こちらを参照)。昔ながらの、国民生活に配慮し、党内でのバランスに配慮して政治を運営していく自民党のスタイルに戻るためには、「古い自民党」の政治家が必要なのです。
  そういう平沼氏だからこそ、小泉氏は激しく憎み、怖れているのでしょう。だから、総裁選が始まる前にこういう発言をしています。

小泉前首相、チルドレンらと懇談・平沼氏復党批判を評価
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20070924AT3S2301C23092007.html
−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−
 自民党の小泉純一郎前首相は23日夜、中川泰宏氏ら衆院当選1回の「小泉チルドレン」らと都内で懇談した。小泉氏は先の代議士会で1回生議員が郵政民営化に反対して離党した平沼赳夫氏の復党に異論を唱えたことについて「(ポスト安倍の)流れが大きく変わった。勇気があり立派だ」と評価した。会合は小泉氏が呼びかけた。
−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−

>会合は小泉氏が呼びかけた。

  もうこういうところからして、小泉チルドレン(2005年の衆院選で当選した一回生83人で作る「83会」)というバブル議員たちが、「小泉派」だということはバレバレなわけですが、ここでもやはり平沼氏の復党を阻もうと動いていることが分かります。

  しかしまあ、こうやって自分に逆らわない「純粋な」支持者を求める辺り、ヒトラー・ユーゲントなる狂信集団を創り上げたアドルフ・ヒトラーと酷似していると言わざるを得ません。彼にとっては、自分と違う考えを持っている相手を受け入れることができないのかもしれません。
  こうなると、●異常な性癖の持ち主だとか●人格障害があるのではないかという噂も、あながち嘘ではないのではないかと思えてくるほどです。

  このブログでも主張しているように、戦後最悪のグダグダぶりだった安倍内閣、そしてその後を継いで●「東アジア共同体」という悪夢に向かって一直線という感すらある福田内閣、いずれも小泉前首相がバックに存在しています。
  そうだとすれば、自民党を国政の表舞台から引きずり下ろすには、小泉氏の嫌がることをやっていけばいいわけです。そうなれば、答は簡単でしょう。

  「平沼赳夫氏を復権させる」

  これに尽きます。

  ここで私が「復権」と言ったのは、何も自民党復党にこだわる必要はないとういことです。
  簡単な話です。今の自民党には、小泉カイカクに対して違和感を感じている議員がかなりいるのです。それが先の総裁選で麻生氏に投票した人たちです。彼らは、あえて主流である「清和会+小泉チルドレン」、すなわち小泉独裁に異論を唱えた人々なのです。
  彼らが自民党を抜け出し、平沼氏を軸にして国民新党と合流すれば自民党は骨抜きになります。麻生派と伊吹派が抜けただけでかなりのダメージでしょうが、もともと小泉氏のいる清和会と対立している津島派(旧田中派、第二派閥)が反旗を翻せば、清和会(山口や東京など、特定の地域でだけで強い)+小泉チルドレン(選挙基盤無しの落下傘候補ばかり)+公明党(次の政権を睨んで動揺するはず)という脆弱な手駒しか小泉氏には残らないからです。
  民主党の小沢代表が、そういった議員や郵政造反組に対して、民主党の公認を与えるか、または選挙支援を約束すれば、事態はさらに面白くなるでしょう。。
  小泉氏の性格からして、子供っぽい報復をせずにはおかないはずです。自己陶酔的な性格の小泉氏は、自分にまだ人気があると勘違いしているようですから、強引に対立候補の擁立を党執行部に迫るはずです。「やらないなら、俺が新党を作る」という脅し文句も付けてくるでしょう。それを自民党執行部が拒否しても、また一興です。

  2001年の就任直後の参院選、そして2005年の衆院選、メディアとアメリカ政府を味方に付けてサーカスを演じてきたピエロ・小泉純一郎。
  その残虐な道化師も、古今東西の独裁者が歩んだ道のりを忠実に歩むような気がしてなりません。すなわち、「配下の反逆による抹殺」です。

  それが嫌なら、自民党員のみなさん、今からでも遅くありません。ぜひ小泉カイカクを否定し、ピエロをサーカスから追放してください。日本の再生はそこから始まります。 

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2007.09.26(Wed)

「またもや小泉傀儡政権」福田内閣を叩き潰せ!! 

  先日、突然退陣した安倍晋三首相に代わって、福田康夫元官房長官が自民党総裁、もって日本国の首相に選ばれました。

  まだ正式に発足したばかりの内閣ですが、早速私の評価を下しておきましょう。それは、

  「福田内閣は一日も早く退陣すべし」

  というものです。理由は簡単で、福田政権は安倍政権と全く変わりがないからです。

  北朝鮮に対してアプローチに違いがあるかとか、格差是正について福田本人が発言しているとか、そういうことは問題ではありません。福田のバックにいるのが「清和会」(町村派)、すなわち小泉純一郎を中心とした勢力である限り、安倍だろうと福田だろうと、根本的には何も変わらないからです。
  
  そもそも、事前には麻生太郎前自民党幹事長が本命だろうと思われていたにもかかわらず、なぜ福田が自民党総裁になったのかという点も、非常に簡単です。

  あの、そこの「派閥間の談合」といっているあなた。

  はっきり言いますが、それは間違いです。福田が総裁になるかどうかを決めたのは「清和会」もっとはっきり言えば「小泉純一郎」であり、各派閥が談合したのはそれに従っただけです。

  ここで、清和会(清和政策研究会)という団体について簡単に見ておきましょう。

  この派閥はもともと福田の父である福田赳夫元首相が組織した派閥です。
  福田赳夫が首相にもなった時期もありましたが、基本的には二番手に甘んじてきました。党内の主流が福田と対立する田中角栄率いる田中派(のちの竹下派→橋本派→津島派)だったからです。 田中派の権力基盤は「土建政治」などとも言われるように、地方の建設業者や農家でした。つまり、地方の保守的な人々が自民党の主流だったわけです。
  これを突き崩したのが2000年に清和会の会長になった小泉純一郎でした。小泉は、既得権益の網を切り裂き、公的機関を民営化し、様々な規制を緩和すれば日本はよくなる、という「カイカク路線」を全面に打ち出しました。今になってよく考えてみれば、田中派の権力基盤になっている地方のしがらみを破壊することに主眼があったのでしょう。
  そして、小泉のカイカクに異論を挟む議員は「抵抗勢力」だとみなし、それと闘う自分の正当性をアピールしました。中曽根政権の時代から規制緩和がいいことだと喧伝してきたマスコミも、小泉をカイカクの闘士として祭り上げてきました。理由は単純で、その方がおもしろおかしく記事を書けるからです。
  この路線が大ブレイクしたのが、2005年の衆院解散総選挙でした。小泉は、以前から郵政民営化を唱えてしました。アメリカの関与などはとりあえずおいておくとして、田中派の支持基盤であり、地方の保守勢力の一翼を担っていた「特定郵便局長会」をつぶすことができる手段として有望だったからだというのが本当のところでしょう。そして、選挙で大勝し、ついに郵政民営化を決定しました。
  小泉は一貫して財政再建を唱えて地方への補助金を削減する政策をとっていましたから、それと相まって旧来の自民党の支持層だった「建設業者」「農家」「地方公務員」「特定郵便局長会」といった勢力は総崩れになりました。小泉本人の言うとおり、自民党をぶっ壊すことに成功したわけです。
  この過程で、清和会は衆議院議員60名を有する最大派閥となりました。派閥ではありませんが、2005年の衆院選で当選した議員の集まりである「83会」という組織は小泉チルドレンというカイカク支持派の集まりであり、議員の集まりも「カイカク」支持派ですから、実質は清和会だといえます。もっといえば「小泉派」です。
  戦後最年少の安倍首相というのも、この清和会に属していたからこそ選ばれたのです。それ以上の理由はありません。もっとも、彼を首相にしても世論が反発しないように、拉致問題や人権擁護法案がらみで保守本流だという印象操作はされていましたが・・・。

  そして、今回の福田総裁選出も、安倍前首相のときと同様、清和会と小泉チルドレンの支持があったことで大勢は決定しました。たったそれだけの話です。

  ところが、一つだけ予想外だった事態がありました。総裁選出の投票で、麻生氏が予想以上の健闘を見せたことです。

自民新総裁に福田氏 得票62%、麻生氏も善戦
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200709240074.html
−−−−−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−−−−−
 自民党総裁選は二十三日午後、党所属国会議員と各都道府県連代表者による投開票を行い、福田康夫元官房長官(71)が投票総数の62・5%に当たる三百三十票を得て大勝、第二十二代総裁に選出された。麻生太郎幹事長(67)も予想を上回る百九十七票を獲得し善戦、一定の影響力を確保した。福田氏は二十五日の衆院本会議で安倍晋三首相(53)の後継となる第九十一代首相に指名され、同日中に新内閣を発足させる。福田赳夫元首相の長男で、初の親子二代の首相となる。

  (中略)

 麻生氏は会見で「反対勢力、抵抗勢力になるつもりはない」と述べ、挙党態勢構築に努力する考えを強調。都内の病院に入院中の安倍首相は両院総会にメッセージを寄せ、退陣で政治空白を招いたことを陳謝、引き続き議員として活動する意向を明らかにした。

 総裁選は国会議員の三百八十七票、各都道府県連三票ずつの百四十一票の計五百二十八票で争われた。麻生派を除く八派閥から支持を得た福田氏は、共同通信の調べで議員票で二百五十四票を獲得、地方でも半数を超える七十六票を得た。麻生氏は議員票で百三十二票を取り、地方でも都市部を中心に六十五票を積み上げた。無効票は一票で白票だった。総裁任期は、退陣する安倍首相の残り任期の二〇〇九年九月までの二年間。
−−−−−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−−−−−

  ここで重要なのは、最大の派閥である清和会の「既定路線」に逆らって麻生氏に票を投じた議員が132人もいたということです。
  麻生氏を支持したということは、以下のような麻生氏の「方針」に共鳴したということでもあります。

麻生氏「党立て直し最優先」 自民三役など決まる 野党と政党間協議重視
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/politics/e20070827010.html
−−−−−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−−−−−
 自民党の新三役に就任した麻生太郎幹事長、石原伸晃政調会長、二階俊博総務会長は27日午前、党本部でそろって記者会見に臨んだ。この中で、麻生氏は党の立て直しを最優先課題に掲げた。また、参院選で与党が過半数を割った状況を受け、新三役はいずれも野党との政党間協議を重視する姿勢を強調。さらに構造改革路線を堅持しつつ、都市と地方の格差の解消に向けて取り組む姿勢も示した。

 麻生氏は会見で、「自民党をぶっ壊すという人を選び、その人は事実ぶっ壊した。ぶっ壊された自民党をどう立て直すかが、われわれ3人に与えられた役目だと自覚している」と述べた。

 参院選敗北の一因とされる格差問題については、「改革は急激に進めば、いろいろな既得権益の破壊が起こり、痛みが出てくる。急激(な痛み)ならば、ある程度の注射や輸血もいる」と指摘し、格差解消に積極的に取り組む意欲を示した。
−−−−−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−−−−−

>自民党をぶっ壊すという人を選び、その人は事実ぶっ壊した。
>ぶっ壊された自民党をどう立て直すか


  要するに、今までカイカクを進めてきた小泉を、麻生氏は批判したわけです。麻生氏自身もその受益者であることは確かですが、さすがにこのままカイカクが暴走すれば自民党全体が危機に陥ることを悟ったのでしょう。

  これについて小泉が何を思ったのか知りませんし、マスコミも記事にしようとは思わなかったようですが、おそらく激怒したでしょうね。「衆議院であれだけの議席を取った俺をなんだと思っている。おまえも俺のしたで、カイカクに賛成し続けていたじゃないか」と。
  自分に逆らう人間に刺客などと称する候補者を送り込んで血祭りに上げないと気が済まない小泉が、黙っているわけがありません。そこで小泉一派が仕組んだのが「麻生が安倍の不在を狙ってクーデターを仕掛けた」というデマの流布です。
  以下のブログで、興味深い記事が上げられています。

安倍殺しの真犯人(或る浪人の手記)
http://restororation.blog37.fc2.com/blog-entry-915.html

  まず、小泉側はマスコミ受けする失言の多い片山さつき衆院議員(83会のメンバーで、清和会入りを希望して拒否された経緯あり)「これはクーデターです。 支えると言いながら後ろから刺した人がいる」と発言させます。このことの真偽は問題ではありません。とにかく「麻生」と「クーデター」が新聞や雑誌の見出しになる状況が生まれればいいのです。この二つの単語が頭に残れば、麻生氏に対してマイナスイメージを植え付けることが出来るからです。この手は、「抵抗勢力」や「造反組」でも使った手で、小泉が反対派を潰す時によく使う手です。
  案の定、麻生氏サイドの弁明があったにも関わらず、「麻生」と「クーデター」が併記された記事が新聞雑誌の紙面を飾りました。麻生氏のことをよく知らない人や、若者受けする発言をもともと快く思っていなかった人たちは、これで麻生不支持に回ったことでしょう。有権者の意思というのは、そういう側面があります。
  小泉は、おそらく安倍前首相の退陣前にこの計画を策定したに違いありません。上にリンクしたブログで、片山が、

私は、小泉さんと実はさしで、10、11、12とお会いしてるんですけども、ずっと、見ててああ たぶん 彼の選択肢は福田さんだと思ったら13日の午前中にぐらいにそういうお話があった

  と発言しているからです。安倍首相が辞意を表明したのは12日の昼であり、麻生氏だけが安倍辞任を知っていて、それを利用して権力を一手に握ろうと画策したという前提が崩れるとともに、この時点で「反小泉・反カイカク」を表明した麻生氏を叩き、自分の言いなりになる福田を自民党総裁に就けようと小泉が考えたと言うことは、容易に推測が可能です。
  そして、小泉が福田支持の意思を明らかにすると、各派閥がいっぺんに小泉の方針になびきました。麻生氏を謀略で潰そうとしたこともあいまって、自民党の各派閥は「麻生を支持したらうちまでやられる」と心底震え上がったことでしょう。それでなくても郵政選挙の時の、異論を挟む人間に対する苛烈な仕打ちを目の当たりにしているわけですから、清和会=小泉の方針に従わざるを得ないのです。
  そういう意味では、小泉=清和会の方針に逆らった議員が132人もいるということは、ある意味驚きであり、国民にとっても一縷の望みだということができます。

  そうは言っても、小泉・安倍路線が参議院選で強烈に否定されたのだから、福田は少しは修正に動くのではないか?と、考えている人も多いことでしょう。テレビや新聞もそういう風な意見を次々と表明しています。
  しかし、私は断言します。福田が小泉・安倍と続いてきた「コーゾーカイカク路線」を改めることは絶対にありえません。

  もちろん、国民に優しく見えるような政策を少しは混ぜてくるでしょう。福田は障害者自立支援法の見直し(共産党がずっと主張している)を公言しています。福祉関係者の方たちは、これを見て福田は小泉よりずっといいと思うでしょうし、マスコミもおそらくそのように扱います。
  しかし、福田が絶対に変化させないどころか、今後ますます強化していくことが容易に推測できる事柄があります。それが「グローバリスト路線」です。
  もうしつこいくらいこのブログで出てきていますが、グローバリストというのは「利益の極大化のために、国内への影響を考慮せずに積極的に海外に進出し、国家間の垣根を取り払おうとする勢力」のことです。ソニーのような輸出依存企業、国家間取引でマージンを上げている商社、各国の資産をアメリカドルで買い叩こうとしている金融資本などがその例です。
  グローバリストの最大の関心事は「国際競争力の強化」と「国家という枠組みの解体」です。そうすれば、利益を最大化するような国際分業を実現できるからです。それを邪魔する勢力、たとえば「農民」「官僚」「利権政治家」といった人々は、グローバリストの天敵です。
  そして、行き詰まった国家の再生のためという名目で、天敵=保守勢力排除する方便が「構造改革」だったというわけです。だから、小泉政権は地方への補助金を打ち切って田中派(現津島派)を追い詰め、安倍政権は公務員カイカクを進めようとしました。アメリカ政府や経団連、外資金融会社や「ホリエモン」のような人種が小泉を礼賛したのは当然でしょう。
  こんなことをいくらやっても、利益を得るのはごく一部(特に外資系)企業と清和会とつながりのある金持ち(朝鮮系資本が多い)、それにコーゾーカイカクに盲従した一部の省庁(総務省や国交省)くらいです。天地がひっくり返っても、ネットで愛国だの保守だの靖国だのわめくのが生き甲斐になっているブロガーにはお鉢は回ってきません。
  そういうブロガーたちが大好きな安倍晋三は、「アジア・ゲートウェイ構想」という政策を掲げていました。この構想がどんなものか、●官邸メルマガから抜粋してみましょう。

>今や「世界の成長センター」であるアジアは、
>東アジア共同体構築の名の下に、非常なスピードで変化を
>続けている。

> 少子高齢化の中で人口減少の局面を迎えた日本でも、
>社会の開放のスピードを加速化し、近隣諸国との絆を強化することで、
>アジア諸国と繁栄を共有することができる。

>「アジア・ゲートウェイ構想」は、アジアなど海外の活力を
>取り込むため、人・モノ・資金・文化・情報の流れにおいて
>日本がアジアと世界の架け橋となることを目指す戦略として、
>安倍政権の政策の柱の一つに位置づけられている。


  「社会の解放のスピードを加速」「日本がアジアと世界の架け橋となる」・・・こんなことを口にする保守政治家などというのは、キリストよりマホメットが優れていると公言しているカトリックの神父のようなのものです。
  このアジア・ゲートウェイ構想の一部はすでに実現しています。航空自由化という点で言えば中国との定期便が大増強され、さらに関西国際空港がアジア向け航空輸送に特化する方針を打ち出しています。また、大学の国際化については、●アジア人材資金構想という形で具体化しています。東南アジア諸国とのFTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)締結を促進してもいます。
  そして、今度首相に就任した福田は、この路線を強化することは間違いありません。上記メルマガでも触れている「東アジア共同体」という経済ブロック結成に、日本で一番熱を入れている政治家が福田だからです。
  すでに、官房長官時代からこんなことをやっています。

http://www.asahi.com/politics/update/0317/008.html(リンク切れ)
−−−−−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−−−−−
 韓国訪問中の福田康夫元官房長官は17日、ソウルで開かれた日韓・韓日協力委員会の合同総会で講演し、「アジア共同体構想」について「主導的役割をどこがとるかは難しいが、少なくとも日本、韓国、中国の連携は必要だ」と述べ、3国間の関係改善が不可欠だとの考えを強調した。アジア外交の立て直しで積極的な発言をし始めた福田氏の動きは、今秋の自民党総裁選に向けて党内の駆け引きに微妙な影響を与えそうだ。
−−−−−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−−−−−

  総裁選の公約でも、東アジア共同体について触れています。

http://today.reuters.co.jp/investing/FinanceArticle.aspx?type=economicPolicies&storyID=2007-09-16T091918Z_01_TK0018341_RTRIDST_0_ZHAESMB05505.XML
−−−−−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−−−−−
福田康夫元官房長官(71)は16日、自民党総裁選挙の出馬にあたり、「希望と安心の国づくり」と題した政権公約を発表した。外交において国連重視を明記するとともに東アジア共同体の実現を目指すとし、経済成長戦略では「改革と成長」路線の継続を表明した。

 国づくりの基本理念として自立と共生の社会、ストック型(持続可能)の社会、男女共同参画の社会を掲げた。年金や地域・企業間格差などの諸問題に対して「丁寧に対応」するとし、国民の意見が的確に反映される社会の構築、国際的に尊敬と信頼を得られる国家の実現を目指す。

 個別の政策では、外交について「国連重視、日米同盟堅持、アジアの一員たることを基軸とする外交」を掲げ、「拉致問題の解決と朝鮮半島の非核化、東アジア共同体の実現を目指す」とともに、「国際的なテロ対策を推進する」とした。

  (中略)

 経済政策では、「改革と成長」路線を継続し、科学技術・知財戦略を拡充するなど、経済成長戦略を推進する。

 格差問題との関連では、地方再生策として「地方への企業立地促進税制など頑張る地方が自立できる税制・交付税を検討」するほか、中小企業の振興策として事業承継税制と技術高度化支援を拡充。農山漁村の所得・雇用の増加を図る施策を充実する

 年金問題については「与野党の壁を越えて国民が納得できる年金制度を構築する」とし、同問題に対する与野党間の協議が不可欠と位置付け、少子化・人口減少対策として「産科医・小児科医不足を解消し、子育て支援策を拡充」する。
−−−−−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−−−−−

  こんな人間の好きなようにやらせたら、中国との一体化がますます進むことは間違いありません。そうなれば「さらなる企業の中国移転」と「中国人労働者の導入」に至ることは間違いなく、これがさらなる雇用の悪化、購買力の低下につながり、輸出依存企業以外の国内企業はさらなる業績の悪化を招くでしょう。おまけに、中国人犯罪者の大量発生で社会不安も増大します。
  この東アジア共同体の樹立は、いわばグローバリスト政策の最終到達点というべきものです。中国との一体化を進めて、人件費を極限まで押し下げ、国民の生命の維持は安価な輸入食品で賄わせ(そのためにEPAが結ばれようとしている)、内需を徹底的に破壊しながら、中国やアメリカ、インドへの輸出によって利益を出し続ける。その過程で株価は低迷し、それを狙って優秀な企業を外国資本が買い叩く・・・。
  グローバリストの目的である「利益の極大化」を考えれば、これが一番合理的なのです。
  もちろん、彼らの利益が極大化した暁には、日本社会は阿鼻叫喚の修羅地獄になっていることでしょう。そうしたら、グローバリストは公言するはずです。

  「それなら、中国かインドに移転する」

  と。

  そういうことをわかっているのかいないのか、福田を叩いている「愛国」「保守」「右寄り」ブログはたくさんあるようです。
  しかし、彼らも福田個人の資質に還元してしまっています。そうではないのです。今の自民党、特に清和会=小泉・安倍ラインはグローバリストの代理人なのです。そして、グローバリストの意図に忠実に従って実行したのがコーゾーカイカクであり、それが日本の内需志向の経済を徹底的に破壊したというのが真実です。
  なんでも福田は自分の内閣のことを「背水の陣内閣」などと称しているようですが、冗談も休み休み言えと言いたくなります。瀬戸際に立っているのは日本の国民経済であり、日本人なのです。

  もうこれ以上、グローバリストの犬である清和会と、それに盲従する人々の集まりである自民党を生かしておくわけには行きません。徹底的に叩き潰すべきです。

  まず国民にできそうなことは、小泉・安倍・福田の売国路線に従う議員を選挙で落とすことです。清和会の議員(●こちらにリストがある)など絶対に投票してはいけません。「消去法で清和会」は地獄行きの車にガソリンをくれてやるようなものです。
  逆に、麻生氏を積極的に支持した議員については、自民党からの離党を促すべきです。たとえば、麻生氏を中心に新しい政党を作るとか、国民新党に合流するとか、場合によっては民主党に鞍替えしてもかまいません。
  清和会の自民党支配は、自派閥と小泉チルドレンを軸に、シンパである「古賀派」「高村派」「山崎派」をポストを餌にして釣り上げ、「麻生派」「谷垣派」「津島派」「伊吹派」を押さえこむことで成り立っています。もっとも、清和会とシンパ、それに公明党だけでは国会を安定的に運営していくことはできません。だから、後ろ三派を切り離せば、清和会が力を発揮できなくなるのです。
  今回麻生氏を総力で支持した麻生派、派閥会長である伊吹文明幹事長の号令を無視して大量の麻生支持議員が出た伊吹派は、もう自民党では主流になることはないでしょう。
  そこで、まずはこの二つの派閥と、郵政造反組を自民党と切り離すのです。民主党や国民新党が工作に動いてくれれば早いのですが、支持者や選挙民としても、「これ以上福田自民党にいるなら支持しない」という声を電話なりメールなりで届けるといいでしょう。参考までに、両派閥の議員と選挙区を挙げておきます(★は狙い目の議員)。  

伊吹派(志帥会)

衆議院議員(19名)

伊吹文明(8回、京都1区)
中川昭一★(8回、北海道11区)
谷津義男(7回、群馬3区)
河村建夫(6回、山口3区)
萩山教嚴(6回、比例北陸信越)
柳本卓治(5回、比例近畿)
小島敏男(4回、埼玉12区)
中野清(4回、埼玉7区)
西川公也(4回、栃木2区)
西川京子★(3回、福岡10区)
増原義剛(3回、広島3区)
吉田六左エ門(3回、比例北陸信越)
宇野治(2回、比例近畿)
谷公一(2回、兵庫5区)
松浪健太★(2回、大阪10区)
鍵田忠兵衛(1回、比例近畿)
松本洋平(1回、東京19区)
山本朋広(1回、比例近畿)
中森福代(1回、比例北関東)

参議院議員(6名)

中曽根弘文(4回、群馬県)
矢野哲朗★(3回、栃木県)
椎名一保(2回、千葉県)
中川義雄★(2回、北海道)
衛藤晟一★(1回・衆院4回、比例区)
秋元司(1回、比例区)

麻生派(為公会)

中馬弘毅(9回、大阪1区)
麻生太郎★(9回、福岡8区)
鈴木恒夫(6回、神奈川7区)
森英介(6回、千葉11区)
山口俊一★(6回、徳島2区)
岩屋毅(4回、大分3区)
河野太郎(4回、神奈川15区)
桜井郁三(3回、神奈川12区)
松本純★(3回、神奈川1区)
井上信治(2回、東京25区)
薗浦健太郎(1回、千葉5区)
赤間二郎★(1回、神奈川14区)
鈴木馨祐(1回、比例南関東)

参議院議員(3名)

鴻池祥肇★(3回・衆院2回、兵庫県)
浅野勝人(1回・衆院3回、愛知県)
塚田一郎(1回、新潟県)


  ★は、自民党のEPAを軸とした農業政策で不利益を被るおそれの大きい地域や、麻生氏の支持に力を入れていた都道府県から独断で付けました。
郵政造反組の動向については、●こちらのブログがよくまとまっています。もっともおすすめできる議員は、造反組の希望の星(笑)平沼赳夫議員や国民新党と近い「古屋圭二」「古川禎久」の両氏です。
  また、造反組でも当選に極めて近い「森岡正之」氏や「小泉龍司」氏も面白いでしょう。民主党の公認枠は、彼らのために空けてあるのかもしれませんね。
  こうした議員は応援していくべきです。逆に、郵政民営化、安倍総裁選出、そして今回の福田総裁選出と、全ての局面で清和会におもねってきた「古賀誠」「山崎拓」や古賀派、山崎派の議員には、有権者の鉄槌を下してやるべきです(福岡という都市部ではコーゾーカイカクの痛みを感じにくいかもしれないが・・・)。
  
  このブログは今後とも徹底的に福田を批判し、即刻の退陣を要求していきます。

  有害な中国製品を拒否する運動を「チャイナフリー」と言うようですが、それと同じくらい日本の庶民にとって危険なのが福田の母体である清和会なのです。みなさんも一緒に「清和会フリー」の日本を目指しませんか?

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2007.09.23(Sun)

韓国が中国に飲み込まれる日 

  外交や安全保障について様々なブログが主張を発信していますが、このブログが言いたいことの一つとしては、

  「相互依存の強化は危険だ」

  という主張があります。

  ●「どうすれば日本は戦争をせずに済むのか」という記事でも述べたことですが、戦前の我が国は中国との相互依存が高まったところに、かの国の政情不安が重なり、権益拡大、もしくは防衛のために戦争に踏み切ったという歴史があります。
  そもそも貿易というものは、自国の労働の成果を他国に持ち出し、その国の持っている富をこちらに持ち帰るというもので、本質からして他国への略奪という側面があります。そこから考えると、ある国が貿易に大きく依存すると、他国との摩擦が生じやすくなります。
  対等の立場ならいいものの、こちらが相手の輸入が頼みの綱だったりして、力関係で相手の方が上になってしまうと、無茶苦茶な要求を聞かざるを得なくなるという最悪の状況も生まれます。
  だから、貿易にある程度頼らざるを得ないとしても、依存度は低くすること、そして、特定の国とだけ相互依存を強化しないことが、結局は国際関係の安定につながります。

  ところが、その逆を見事に進んでいる「頭の壊れた国」が日本のすぐ近くに存在しています。韓国です。
  韓国の経済に関するニュースを紹介しながら、その辺を読みとって行きましょう。

韓国の貿易依存度70%超過 史上初
http://www.chosunonline.com/article/20050510000003
−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−
 韓国の貿易依存度が史上初めて70%を超えた。韓国貿易協会は去年韓国の貿易依存度が70.3%となり、輸出好調に後押しされ、史上初めて70%を超えたと10日明らかにした。
 韓国の貿易依存度は95年50.3%、2000年65%で、2003年は61.3%だった。

 貿易依存度は輸出入規模を国内総生産(GDP)で分けたもので、国家経済規模と比べる時、貿易規模がどれだけ大きいかを示す指標となる。

 このような韓国の貿易依存度は米国(19.5%)、日本(21.9%)の貿易依存度よりはるかに大きいもので、中国(70.0%)、台湾(112%)に比べると同じ水準か小さかった。
−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−

  日本は加工貿易国だ、などと学校の教科書にも書いてありますが、2005年の時点でもまだ20%強しか貿易に依存していないことが分かります。日本の経済の強さを本当に支えているのは、輸出依存企業ではなく、強固な内需であるということです。あれだけ「コーゾーカイカク」などという国内経済破壊政策を打ち出しながら、まだこれだけ余力があるのですから、中国もアメリカも日本を危険視するに決まっています。
  しかし、こういうことを言うと、「それは日本の人口が多いからであって、人口5000万人程度の韓国が先進国レベルにいるためには貿易立国で行くしかないのではないか?」と、考える人もいるでしょう。
  確かに、人口2200万人しかいない台湾の貿易依存率が驚異的な高さであることを考えると、頷けなくはありません。

  しかし、そういうことを言う人は、韓国経済の致命的な弱点を知らないだけです。以下の記事をご覧下さい。

サンドイッチコリア“非常口はある”…源泉技術
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=91372&servcode=300§code=300
−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−
蔚山(ウルサン)の現代(ヒョンデ)重工業造船所。世界最強の競争力を誇る韓国造船産業基地だ。しかし現代勤労者たちが蒸し暑さや雨風と戦いながら1隻当たり1億ドル前後の液化天然ガス(LNG)運搬船を建造するたびに船の値段の10%ほどがフランスのガス会社GTTに渡る。保存タンクを摂氏零下163度まで下げてLNGを液体状態に維持することができる源泉技術をGTTが保有しているからだ。韓国造船企業はこれまで110隻のLNG船を建造したので、GTTは黙って1兆ウォン以上のロイヤルティを手にしている。

同和(トンファ)薬品は今年の7月、米国P&Gの製薬部門系列社であるP&GPに骨粗しょう症治療剤候補物質「DW1350」関連技術を輸出する契約をした。技術輸出では5億1100万ドルに達する。国内製薬業界最大の技術輸出金額だ。臨床試験を経て製品が発売されれば、同和薬品はロイヤルティを手にすることができる。

低費用が武器の中国とハイテクで武装した日本の間に挟まった“サンドイッチコリア”の非常口はどこか。産業専門家たちは源泉技術にその活路を見出さなければならないと主張する。これまで韓国の産業は「技術導入→生産性向上→市場参入→競争力確保」というパラダイムに頼ってきたが、もうワンランク跳躍するためには核心源泉技術を確保しなければならないということだ。

源泉技術はささいなものに見えても「源泉」という名ひとつでかなりの待遇を受ける。技術を買って使わなければならない側が「強盗だ」と不平をもらすほどだ。韓国携帯電話輸出が増えるほど符号分割多重接続(CDMA)の源泉技術をもつ米国のクォルコムを太らせるのが代表的例だ。

しかし「模倣と改良」戦略から脱して源泉技術を確保し、これを通じて収益を上げるのは容易ではない。造船に劣らない競争力をもつ半導体も装備の80%以上を米国や日本から輸入している。韓国の技術貿易収支は赤字幅が毎年大きくなっている。

特に源泉技術を多くもつ米国、日本、イギリス、ドイツ、フランスなど5カ国に対する技術貿易収支赤字幅は2001年18億9300万ドルから2005年34億2300万ドルと2倍近くに増えた。ミン・チョルグ科学技術政策研究院(STEPI)研究委員は「韓国の主力産業は生産技術で世界1〜5位の競争力を確保しているが、莫大な外貨をロイヤルティに支給している」とし「源泉技術を最大限確保すれば真の強者になることができる」と強調した。

◆サンドイッチコリア=高効率の日本と低費用の中国の間にサンドイッチのように挟まって身動きの取れない韓国の現実を盛り込んだ表現。今年初め、李健煕(イ・ゴンヒ)三星会長が韓国の状況をサンドイッチに比喩して経済はもちろん、外交・安保、教育、文化など多くの分野で緊迫した課題として注目されている。

◆源泉技術=製品や商品開発に必要な核心的技術知識。▽他の技術を開発するのに多く活用▽基礎科学と連携▽クォルコムのCDMA技術のように国際標準になる技術――をいう。源泉技術があれば市場で競争優位を確保できる上、付加価置を新たにつくり続けることができる。
−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−

  以前、他の記事のコメントに、「韓国の半導体企業は脅威だ」というコメントを寄せた方がいらっしゃいましたが、そういう方は最終財の部分だけのシェア争いしか見えていないのでしょう。日経新聞が出す「韓国半導体メーカー、攻勢強める」などという見出しの記事に踊らされている典型です。
  この記事からわかるのは、韓国は工業製品の基本となる技術を自前で保有していないということです。これは、以前私が触れた「中間財」の問題とも共通する問題点です。
  韓国はある工業製品について、技術と工程を他の国から買って、最終財をダンピングすれすれの低価格で販売することで利益を得てきました。だから、実は日本よりも工業製品のシェアが大きい地域が結構あります。私がロシアに旅行したとき、モスクワを走っている車を注意してみていたら、「キア」と「ヒュンダイ」がかなり沢山走っていて、日本勢は数の上では負けていました。
  確かに、韓国は技術も「それなり」なのですが、同業種の中で見ると明らかに日本より低価格なので、たとえば自動車なら自動車というものがとにかくほしいという消費者にとっては魅力があったわけです。

  しかし、そんな韓国にとって、冷戦崩壊後とんでもない「敵」が現れました。中国です。
  日本もこれは言えるのですが、韓国は中国との低価格競争に負けて、工業製品のシェアをかなり削られています。海外市場も重要ですが、何より国内向けの低価格製品で中国製品にかなり浸食されているのです。
  しかも、その度合いが半端ではありません。以下の記事をご覧下さい。

韓国、中国が最大の貿易相手国に、日米は依存度低下
http://jp.ibtimes.com/article/biznews/070904/11774.html
−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−
 韓国政府が発表した最新統計データによると、今年1月‐7月の韓国の対米・対日貿易への依存度は前年同期に比べ低下したが、対中貿易への依存度は上昇を続けているという。

 韓国税関庁が2日に発表した報告によると、1月‐7月の対米輸出額は、前年同期比0.7%減の269億ウォン(約2862万ドル)と、韓国の輸出総額の12.9%を占めた。米国からの輸入額は同比0.2%減の216億ウォン(約2298万ドル)で、韓国の輸入総額の10.8%を占めた。

 同時期の韓国の対日輸出高は149億ウォン(約1585万ドル)、輸出総額の7.2%を占めた。輸入額は321億ウォン(約3415万ドル)、輸入総額の16.1%を占めた。

 一方、韓国の対外貿易における中国の地位は引き続き向上している。同時期の対中輸出の輸出総額に占める割合は2000年の10.7%から21.5%に上昇、中国からの輸入の輸入総額に占める割合も2000年の8%から17.6%に上昇した。

 韓国政府の担当者は、「我が国の貿易パートナー多様化への努力の結果、米国や日本に対する貿易依存度が下がり、中国が韓国最大の貿易相手国となった」とコメントしている。
−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−

  ここ7年間で輸出、輸入ともに10%以上中国のシェアが上がっています。そして、いつの間にか最大の貿易相手国です。

  日本だって輸入相手国1位は中国だ、と言いたい人もいるかもしれませんが、輸出相手国としては2位であり、1位のアメリカとはかなりの開きがあります(これもこれで問題が大きいのだが・・・)。しかも、貿易依存率2割の中の話です。貿易に7割を頼っている韓国の方が、深刻さでは遙かに上でしょう。
  さらに「ヤバさ」を感じさせるニュースがあります。

[経済]韓国の不動産開発業者、江蘇省に'韓国新都市'建設
http://www.searchnavi.com/~hp/chosenzoku/news4/070717-2.htm
−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−
江蘇省に 5万名が生活できる面積 60万平米の'韓国新都市'が建設される見込みだ。

江蘇省大豊市政府大豊港経済区管理委員会と大豊コリアナ都市開発有限公司は、江蘇省の海岸の中心部に位置している大豊市に'韓国新都市'を開発していると明らかにした。

大豊コリアナ都市開発は '韓国新都市'を大きく、住居地と商業地の 2区域に分け、韓国人の生活文化の特性を最大限反映して、周辺の自然環境を最大に活用した親環境的な生態都市を建設する計画だ。

住いには数千世帯が入居できる韓国型アパート団地が建設される予定で、周辺には国際学校、宗教及び文化施設、病院などの公共施設も併せて建設される。 商業地には一般商業地域、ホテルと外国人専用クラブ、宿泊及び貿易センターと余暇及び運動施設が密集しているスポーツレジャータウンなどに分けられて工事が進められている。

大豊コリアナ都市開発は '韓国新都市' 近隣地域に 400〜600余りの企業が入ることができる '韓国工業園'も開発している。 ここには電気及び電子、機械及び自動車部品、紡織、衣類、繊維、玩具、アクセサリー及び工芸品、食品加工などの企業を誘致する計画だ。

大豊コリアナ都市開発は、韓国新都市と韓国工業園の開発には多様な企業の参加が必要で、各分野で水準の高い技術とノウハウを持っている企業との協力を模索していると明らかにした。

大豊港は中国東部沿岸海域の中で 10万トンの大型船舶が出入りできる江蘇省最大の国際港として、今年の 9月 20日に開港する予定だ。
−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−


中国居住の韓国人 70万名に
http://www.searchnavi.com/~hp/chosenzoku/news4/070511-6.htm
−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−
中国の改革開放と 1998年韓国の IMF危機をきっかけに、中国に群がって来始めた韓国人が、現在 70万人にのぼるものと集計された。

韓国人は当初、東北3省と山東省を中心に生活の基盤を求めていたが、現在は中国全域に分布し、新彊ウルムチにまで韓国人社会が形成されている。

中国 30の省、直轄市、自治区に散らばって暮している韓国人 70万人余りは、韓国の一つの中小都市の人口にあたる規模で、在中国韓国人会は “現在、中国に居住している外国人の中で韓国人の数が最も多く、韓国人は毎年 6万〜7万人ずつ増加している”とし “来年 8月の北京オリンピックをきっかけに、中国に進出する韓国人はさらに増加して約 100万人に至るものと予想される”と伝えた。

(中略)

1991年、黒龍江省韓国留学生1号としてハルピンの土を踏んだ金ジェユン(39歳)さんは、黒龍江中医学大学で中国医学の学士、修士、博士の学位を取得し、去年、中国の医師資格証試験に合格、現在、ハルピンに病院を設立している。 金ジェユンさんは中国で自分の最も貴重な青春時代を過ごしたといい、むしろ今は韓国の生活に適応する自信がないと言いながら、新朝鮮族として暮したいとその意志を明らかにしている。
−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−

  ちなみに、我が国の中国在留邦人の数は7,7万人程度です。日本の人口(1.28億人)及び韓国のそれ(4860万人)を考えると、中国在留韓国人の多さが際だっていることがよくわかります。
  しかも、さらに租界のようなものを作ろうとしているわけです。それも、5万人なんていうアホみたいな規模で。
  この人たちは、日本が漢口や天津に租界を作ることによって、中国との戦争に巻き込まれた歴史を知らないのでしょう。まあ、日本の財界人や政治家すらわかっていないのですから、韓国人が日本の「敗因」を分かっていないのを責めるのは酷かもしれません。

  そうなると、開き直る人(韓国人)もいるかもしれません。

  相互依存が進むと何が悪いんだ!自国の製品を中国で売り、安いものを中国から買う、うまいこと分業ができていて、経済的には正解じゃないか!

  そういう現実が見えていない人に、冷や水を浴びせてあげましょう。

中国企業に買収された韓国企業、技術奪われ経営難続
http://www.chosunonline.com/article/20060922000031
−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−

 中国に買収された韓国企業が危機を迎えている。

 中国企業が、投資や経営正常化に力を注ぐよりも、韓国企業の所有している先端技術を盗み取ることだけに関心を注いでいるケースが多くなっているためだ。

 現在中国に買収された韓国の代表的な企業としては、ハイニックス半導体のTFT-LCD(液晶表示装置)部門、双竜(サンヨン)自動車、アクトズソフトなどがある。

 このうち、BOE HYDIS(ハイニックスのTFT-LCD部門)は買収から3年7カ月過ぎた今月8日、資金難を理由に法廷管理(日本の会社更生法に当たる)を申請した。

 当時、中国側は同社を買収するに当たり、外部からの借り入れなどの方法で資金調達を行ったため、売却代金(3億8000万ドル=444億6000万円)のわずか40%しか支払っていない。

 その後、BOEグループは韓国内よりも中国内での設備投資に集中した。2003年には韓国内より1世代早い第5世代のLCDラインを中国に建設、その後はHYDISの中核人材約130人を引き抜いていった。所属も中国の会社に変更した。

 中核人材を奪われたHYDISの国内研究開発は事実上不可能となった。2003年に営業利益984億ウォン(約123億円)を記録したHYDISは、それ以来3年連続で赤字を計上し、2006年上半期には営業損失だけで1092億ウォン(約136億円)を出した。負債の割合は2万%を突破した。

 にもかかわらず、BOEグループ側は先月、「3,000件余りの特許など、HYDISの核心技術に対する権利をすべて差し出せば、追加で資金を支援する」と要求してきている。会社全体を明け渡せといった要求だ。これを拒否したところ、BOEグループ側はHYDISの法廷管理を申請した。

 2005年に中国の上海汽車工業総公司(SAIC)に売却された双竜自も似たような境遇に立たされている。SAICは買収と同時に韓国の研究員たちを中国に呼び寄せた。

 双竜自労組の関係者は「SAICは韓国向け投資を一切行っていないと言っても過言ではない」とし、「最近会社側が検討している技術協力計画“L-プロジェクト”も、結局は中国への現地化を図ろうとする動きと見られ、技術流出と部品産業への打撃が懸念される」と話している。

 2004年まで黒字を計上していた双竜自は、2005年に1033億ウォン(約129億円)、2006年上半期には176億ウォン(約22億円)の当期純損失を記録している。

 最近では、会社側が協約を破り、一方的に約500人を解雇する方針を明らかにし、労使間に激しい争いが起こっている。

 アクトズソフトの場合は、韓国オンラインゲーム業者にまで中国資本の手が伸びたケースといえる。2004年に買収された同社も、2006年上半期には10億ウォン(約1.2億円)の赤字に転じたほか、輸出も昨年より20%以上低下している。
−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−

  これが自称先進国(笑)の現実だということです。こういう例は、これからどんどん増えていくでしょう。

  貿易依存率の急激な高まりを見ても分かるように、韓国は中国に対する警戒心が無さ過ぎるのです。しかも、例の中国が貿易相手国1位になったニュースの中にあったように、政府高官からして、

>我が国の貿易パートナー多様化への努力の結果、
>米国や日本に対する貿易依存度が下がり、中国が
>韓国最大の貿易相手国となった


  などと「自慢」しているのです。救いようがありません。

  日本にも中国の利益をあからさまに図ろうとする「媚中政治家」(代表例は、●次の首相が「内定」しているあの男)がいますが、韓国にもそういう存在がいるのかもしれません。

  以前から私は、「中国と(北)朝鮮は冷戦状態にある」ということを繰り返し述べています。
  まず、中国が「東北工程」という歴史見直しプロジェクトを推進しており、ついに●高麗王朝まで中国の王朝であると認定したことから、いつか朝鮮を併合する気満々だという現状があります。
  他方、この動きに対抗して核開発を進め、ついに核保有に踏み切ったのが北朝鮮です。これは中国の牽制にもなるので、六カ国協議という形でアメリカやロシアが後押しをしています。日本はそのために金を出せと要求されているところです(今のところ拉致問題を楯に粘ってはいるが、●拉致被害者を「遺族」だと認識している人間が首相になれば日本の抵抗が決壊するの可能性が高い)。

  こういう状況で、中国が北朝鮮の背後に当たる韓国を狙っていないはずがありません。

  しかし、韓国には曲がりなりにも在韓米軍(名目は対北朝鮮の国連軍)3万人がいますから、直接攻撃はできません。それに、間に北朝鮮があるため、陸続きで侵略することもできません。
  そこで、相互依存の強化により間接侵略するアプローチを採ったとしても何の不思議もないということです。仮に、中国から強引な要求をされたとしても、これだけ相互依存が進み、しかも70万人(これからもっと増える)の人質まで取られているのでは、突っぱねることなどできないでしょう。
  その侵略の第一歩が、中国ファンドによる韓国企業乗っ取りだと考えることができます。今後、こういう動きはもっと加速するでしょう。業績が悪化している世界的メーカー(たとえばサムスン電子)などが中国に狙われるかも知れません。そうなっても、韓国の政治家たちが防衛策を取れるのかどうか・・・。
  つい見落としがちな「中韓関係」ですが、何かあると日本にも火の粉が飛んでくる可能性が高い関係ですので、注意して見守らなくてはいけません。

  さらに重要なのは、我々は韓国の例を「他山の石」とする必要があると言うことです。
  上の中国系ファンドによる韓国企業乗っ取りの記事の中には、こんなくだりがあります。

>中国企業が、投資や経営正常化に力を注ぐよりも、
>韓国企業の所有している先端技術を盗み取ることだけに
>関心を注いでいるケースが多くなっている


  具体的に見ると、

>HYDISの中核人材約130人を引き抜いていった。
>所属も中国の会社に変更した。


>BOEグループ側は先月、「3,000件余りの特許など、
>HYDISの核心技術に対する権利をすべて差し出せば、
>追加で資金を支援する」と要求してきている。


>会社側が協約を破り、一方的に約500人を
>解雇する方針を明らかにし


  「中国企業ってひでえなぁ」とか思った人は、はっきり言って考えが甘いです。買収ファンドなどというものは、みんなこの程度のことしか考えていないハイエナのような連中なのです。経済と政治を別物だと考えてはいけません。経済が、政治目的を達成する手段として使われることも多いのです。

  上の韓国企業が、もし日本の企業だと思ったら、ぞっとしませんか?

  こういう経済侵略につながるファンドの攻勢や、それを幇助するような政府・自民党のうちだす政策に対して沈黙を守るようなブログが「愛国」「憂国」「保守」を名乗れるという感覚が信じられません。民主党や中国朝鮮だけを叩いていれば、安倍内閣を擁護していれば国を守れるなどと勘違いしているなら、今すぐその態度を変えるべきです。
  要するに、日本人には韓国の危機を「朝鮮人はアホだ」などと笑っているゆとりなどないということです。

  相互依存の度合いを引き下げ、貿易依存体質を改善し、技術や財産の強奪をする買収ファンドへの警戒レベルを上げること。これが、日本の国民生活を守るための手段です。みなさんも是非覚えておいてください。
 
  なお、近日朝鮮の生存戦略について述べた記事を上梓します。ご期待下さい。

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2007.09.20(Thu)

真の改革とは〜今こそ、上杉鷹山に学ぶ(米沢その2) 

だいぶ間が開いてしまいましたが、今月初めに米沢を回った時の話です(前回の記事は●こちらです)。

  9月3日のことですが、この日は夕方の列車で新潟に向かうことになっていたので、日暮れまで目一杯米沢の町を回ることにしました。
  もともと私が米沢を訪れたのは、18世紀後半に米沢藩主であった上杉鷹山(うえすぎようざん)という人物に興味があったためです。
  上杉、といえば、誰でも思いつくのが「上杉謙信」ですが、江戸時代に米沢を治めていたのは彼の子孫に当たる人物です。正確には、謙信の養子である初代藩主・景勝の代に越後から会津、さらに米沢という風に転封してきました。
  その上杉謙信が祀られているのが、ここ「上杉神社」です。かつての米沢城の敷地内にあります。
上杉神社

  なかなかのたたずまいですね。この一帯は、「伝国の杜」といわれていて、上杉家にちなんだ建物や施設がいろいろあります。


上杉神社の鯉

  旧米沢城の堀です。鯉は、江戸時代から米沢の名産品です。


松の岬神社

  こちらは「松の岬神社」です。初代藩主景勝や、11代藩主上杉鷹山、さらには鷹山の時代に藩政改革に貢献した米沢藩の家老などが祀られています。


上杉鷹山公像

  こちらが、私が目当てにしていた上杉鷹山公です。上杉謙信は知っていても、この人のことは知らないという方も多いと思いますので、簡単に紹介しておきましょう。
  上杉鷹山(上杉治憲)はもともと米沢生まれの人物ではありません。先代藩主に男の子がいなかったため、宮崎県の高鍋藩から養子としてもらわれてきた人物です。
  教科書的な話では、当時大変な財政難だった米沢藩の家督を継ぐと、数々の藩政改革を進め、見事に財政を立て直し、天明の飢饉という苦難も餓死者ゼロで乗り切ることができた、そんな業績を上げた人物です。
  アメリカのジョン・F=ケネディ大統領が、ある記者会見で、「私が尊敬する日本人はヨーザン・ウエスギだ」と発言したら、肝心の日本人記者が「ウエスギヨーザンて誰だ?」と、顔を見合わせたというエピソードが残されています。
  日本のマスコミが何も勉強していないのは今に限ったことではないのでしょうが、ケネディ大統領はどうやら内村鑑三の書いた『代表的日本人』(西郷隆盛や二宮尊徳など五人の人物が紹介された英語の本)という著書で鷹山のことを知ったらしいです。

  こういう話をすると、すぐ「現代にも通じる改革精神」だとか、「鷹山に学ぶ経営の神髄」とかいう話が始まってしまいそうですが、私自身世間の第一線で働いていらっしゃるビジネスマンの方々にえらそうなことをいえる人間ではありません。このブログは社会科学的な色を打ち出してもいることですし、今回は上杉鷹山が米沢で成し遂げた「改革」の本質は何か、最近少々旗色が悪くなってきた「カイカク」と比べて論じてみたいと思います。
  以下では、幾分揶揄めいてはいるのですが、平成年代に入ってから日本の政治でさかんに用いられるようになった行財政改革のことを「カイカク」と表記します。

  まず、鷹山が優れていると思われる点は以下の通りです。

(1)パフォーマンスがうまい
(2)到達点がわかりやすい
(3)ソフトを重視する
(4)先を見て手を打つ
(5)急激な変革を避ける
(6)地域経済の自立を志向

  それぞれ、詳しく見てきます。

(1)パフォーマンスがうまい

  鷹山は、江戸の藩邸から米沢に入るとき、慣例を破って馬に乗ったまま米沢に入ったことで知られています。そして、領内を回るときは頻繁に馬から下りて、農民たちと同じ目の高さで会話をしたといいます。
  また、「籍田の礼」といわれる行事も行いました。米沢藩が新しく新田開発を行おうというとき、はじめの鍬入れを自ら行い、豊作を祈るというイベントを催したのです。
  他にも、藩内の産業を育成することになったとき、養蚕のための桑を自分の屋敷の庭に植えて、こういうことをしろと範を垂れたことや、藩の学校の成績優秀者を自ら表彰したり、詩を広く農民からも公募してみたり、いろいろ面白いことをやっています。
  なんだ、そうやって「有権者」の目を意識したパフォーマンスなら、●あの人●この人もやっているじゃないか、と思いますね。
  確かに、パフォーマンスなら彼らもやっています。特に、前者の人物のパフォーマンスは、善し悪しは別にして、引き込まれてしまうものがあります(後者は、前者を真似しようとずいぶん無理をしているようだが・・・)。
  しかし、鷹山が行ったパフォーマンスと、上のカイカク大好き人間の二人とは決定的に違うことが一点だけあります。それは、鷹山のパフォーマンスは、全て「率先垂範」の現れだったということです。
  すなわち、鷹山のパフォーマンスは自分の意図することを配下の者や農民にPRするだけではなく、そうやって仕事に関わる人間たちのやる気を出させることに主眼があったのです。何かやってもらいたいことがあるとき、まずリーダーが見本を見せて、俺は本気だから、おまえらもがんばれというメッセージを投げかけるのですが、それをお為ごかしではなく、本気で取り組んでいたことが、鷹山に関する記録を読むとわかってきます。
  これに対して、小泉さんや安倍さんのパフォーマンスというのは、単なる「芸人の一発芸」なのです。つまり、他人を面白がらせて印象に残るようにすることが目的であって、他人を動かそうという意図はありません。特に、安倍さんは支持率というものを意識していることが伝わってくるエピソードが多かったです(たとえば、●多摩川でのゴミ拾い●殉職警官の弔問)。
  彼らにとっては、国民というのはパフォーマンスの観覧者に過ぎないのです。俺たちがやってやるから、黙って投票しろということです。だから、小泉さんのやっていることが「劇場型政治」なんていわれたりします。確かにみているとハラハラドキドキはするのでしょうが、だから国民が何をするかといえば、黙ってそれを見ているうだけです。
  彼らのカイカクがどういう成果を出したかどうかは別にして、こういう姿勢では人を前向きにさせるのは難しいでしょう。
  要するに、鷹山のパフォーマンスは、参画意識を高揚するものだったということです。ただウケをねらうという性質のものだったら、人は付いてこなかったはずです。

(2)到達点がわかりやすい

  何か物事を達成しようとするとき、目標が明確でなければんならないというのは、誰にでもわかることです。しかし、それが「実現できそうかどうか」というレベルまで気が回るというのは、なかなか難しいようです。
  鷹山は米沢藩の財政を改善させるために、支出を削減するだけでなく、いかにして収入を増やすかという点について努力しました。
  そのひとつが地場産業の育成だったのですが、鷹山は漆、桑、楮(こうぞ。紙の原料)の木をそれぞれ100万本植えるという計画を立てました(●こちらのリンクを参照)。この「100万本」というところが味噌です。切りがよく、わかりやすい方が目標には適しているということを、鷹山や家老の竹俣当綱(たけのまたまさつな)たちにはわかっていたのです。
  しかも、鷹山はこれを3年でやろうと言い出したのです。期限を切るというのは大変重要で、「そのうち」できればいいと思っていると、いつまで経ってもできないものです。残念ながら3年で100万本というのは達成できませんでしたが、ノウハウのある農民を役人に取り立てるなど様々な改善を施し、言い出してから8年で100万本を達成しました。
  ちなみに、この政策を実施するときも、鷹山は率先して自分の屋敷の庭に桑の木を植えたそうです。人に言うならまず自分から・・・徹底していたんですね。

(3)ソフトを重視する

  端的に表れているのは、教育の重視です。

  鷹山は米沢に「興譲館」という学校を設立しました(今でも●米沢興譲館高校として残っている)。しかも、まだ財政があまり芳しくなかった時期にです。もともと存在していた藩校をリバイバルしたもので、当初江戸で鷹山を教えた学者の細井細州が関わり、それを藩の人々が肉付けしていきました。その教育内容も実学が中心であり、当時の学校には珍しく、カリキュラムの改訂を頻繁に行っていたようです。
  のちに、農政改革を本格的に行う段階になって、「郷村出役」という農法を指南する役人をたくさん任用しなければならなかったのですが、その時に興譲館の卒業生たちを使うことができました。こういう言い方は嫌なのですが、先行投資が生きたというわけです。そして、投資というのは、物として具体的に残るものだけではないということです。
  なお、米沢の教育の礎を築いた細井細州は、鷹山を祀った松の岬神社に合祀されています。米沢藩がいかに教育を重視していたかの現れではないでしょうか。
  また、今までにない工夫をし、それに対してマニュアルを作っておくという点も重要です。米沢藩は農法に対する建議(提案)を様々な層から集め、それをノウハウとして集積していました。そして、それを領内に伝えるのが郷村出役だったわけです。
  さらに、莅戸善政(のぞきよしまさ)が中心となって藩医の研究チームを作り、本草家(薬の研究家)である佐藤成裕の助言ももらい、『かてもの』という書物を作らせました。これは、食用になる野草やキノコの見分け方、さらにはその調理法、保存法を書いたマニュアルでした。目的はもちろん飢饉対策です。天明の飢饉の反省としてこれを作らせた鷹山は、これを無償で領内各戸に配布させました。おかげで、米沢藩は19世紀の天保の飢饉で被害をほとんど出さなかったと言います。
  鷹山と同じ時代を生きた松平定信(寛政の改革の実施者)は、飢饉に備えて米を備蓄させるという選択をしました。ハードで対処するという選択しかできなかったわけです。あえて米以外にも目をつけるというのが、鷹山の優れているところです。    

(4)先を見て手を打つ

  上に挙げた興譲館や『かてもの』にしても、鷹山は今現在の問題の対処にとらわれず、先のことを考えて準備をしておくということを怠りませんでした。
  それだけでなく、今現在うまくいっていることでも、その先を見て手を打つことができたのが鷹山です。
  たとえば、養蚕が軌道に乗ってきたとき、家臣のアドバイスで「繊維原料を作っても織物を作るのに比べたら利益が小さい」ということを知り、それならば織物を作ろうと、機(はた)を購入し、「小千谷ちぢみ」で知られる新潟の小千谷から職人を招いて早速手をつけました。当時は青苧(からむし)を用いた麻織物が中心でしたが、やがて絹織物に変化を遂げ、後の世の「米沢織」につながりました。
  これを下地に、明治時代に力織機の導入した近代的繊維工業が米沢で発展することになります。富岡製糸場が利根川流域の養蚕業や織物業(たとえば「伊勢崎つむぎ」)を背景に発展したように、米沢で繊維業が盛んになったのも、鷹山の時代に始まった織物工業があったからこそなのです。

(5)急激な変革をしない

  鷹山は役人の腐敗を防ぐために、領内各所に配置した藩の代官の世襲を禁じたいと考えていました。
  しかし、鷹山はいきなり世襲を禁止したりせずに、まずは副代官の役職を設け、そこから代官職に就くことができる人材を選んでいくという方法を取りました。これは、私も非常にうまいやり方だと思います。
  また、自分に逆らう家老たちも、いきなり粛正に及んだりせず、鷹山の方針を理解してくれる人間が増えてくるまで辛抱強く待ち、明らかな反逆行為に出た七人の家老だけを処分しました(いわゆる「七家騒動」)。その際も、藩士を一堂に集め、七人の直訴状が本当かどうかを問うてから切腹を命じたものであり、非常に慎重な手続きを行ったのです。
  私たち現代人の感覚では、腐敗の原因になっている人事など、さっさと粛正してしまえばいいという感じがします。昨今の「カイカク」論者、特に公務員カイカクをやかましく唱えている人々からは、もろにそういう雰囲気が伝わってきます(そういう人間が、安倍晋三が二世議員で、小泉に至っては三世議員だということを指摘しないのは何なんだろうと思うが)。
  確かに、癒着人事といっても、それに基づいて形成されている利害関係があったり、それによって支えられている生活があったりするのです。つまり、癒着や腐敗にもそれなりの存在意義ができてしまっているのです。それをいきなりどかそうと思うと、どうしても血で血を洗う抗争になってしまい、改革しようという側とされる側がどちらも大きなダメージを受けます。何より、関係のない庶民が巻き込まれてしまって被害を受けます。
  しかし、鷹山がやったようなアプローチなら、そういう弊害は極めて小さいものにとどめることができます。変化に対応するためには、時間が必要だからです。政治改革というのは、長いスパンで行うべきなのです。

(6)地域経済の自立を志向

  鷹山のブレーンだった莅戸善政は、「樹畜建議」という一連の提案を行ったことで知られています。これは、米沢藩の経済を自立的に運営していくための方針だったと言われています。
  たとえば、上に紹介したような『かてもの』はその成果です。さらに、●成島焼も、この樹畜建議の成果です。食料のみならず、生活必需品についても藩内で持久しようという狙いです。リンク先を見てもらえばわかりますが、成島焼は非常にデザインが質素で、普段使いの食器として作られたことが明らかです。
  この、地域経済の自立性という観点を、政治の現場に携わる人々に思い出してもらいたいです。相互依存というのは平時にはあまり問題が顕在化しませんが、その地域の財政が破綻してしまった場合や、飢饉のような極限状況では非常に問題があります。食料を外部から購入しようとしても、周辺地域、あるいは全国的に食料の需要が高まっているので、調達が困難になってしまうのです。
  上杉鷹山が現代に生きていたら、きっと●自然主義経済に対して並々ならぬ興味を示したことでしょう。

  私の抜粋ではありますが、上杉鷹山の「改革」をご覧になって、どんな感想をお持ちでしょうか。昨今言われている「カイカク」というものとは、完全に違う政治のやり方だということに気づいていただけたでしょうか。

  鷹山の藩政改革を貫いていた精神は、「徹底的に領民を食わせる」ということに尽きるのだと思います。

  武士という支配階級が生きる糧は、領民の納める税しかありません。そうであれば、武士は領民を可能な限り豊かにし、その不幸を減らすために働くべきなのです。領民が豊かになれば、自分の地位も安定するし、それだけ自分に返ってくるものも増えます。
  つまり、領民の豊かさは自分の豊かさでもあるのです。そうだとすれば、 領民がどうしたら豊かになるかを第一に考えるべきだ・・・そういう発想が鷹山にはあったのだという気がします。

  鷹山が、米沢藩の家督を継ぐにあたって、決意を詠んだ歌があります。

「受けつぎて国の司(つかさ)の身となれば忘るまじきは民の父母」

  つまり、自分は領民の親のようなものなのだ・・・ということです。
  どうも今の政治家、特に「カイカク」を旗印に掲げる人々というのは、やれ郵便局員だの社会保険庁職員だの左翼だの、国民の中に敵を作ってそれを攻撃するという発想にとらわれすぎているような気がします。いつの間にか特定グループへの攻撃が目的になってしまっていて、国民を食わせるということを忘れてしまっている人たちも多いです。
  政治家は、国民というものを無条件に愛し、その庇護をはかるものだという発想をしてほしいものです。かつての利権政治家というのは、自分の選挙区の人たちだけに限定してはいましたが、その利益を守ろうという発想がありました。残念ながら、彼らはそれを全国民に広げるという発想ができませんでした。だからこそ、「カイカク」を唱える勢力に隙を与え、その攻撃を受けて衰退していったのでしょう。
  その「カイカク」勢力が国民をきちんと食わせているのかどうかは、まあこの前の参議院選挙の結果に表れたのではないでしょうか。メディアにそっぽを向かれると勝てないのが「カイカク」一派なのです。

  さらに、鷹山は35歳で家督を譲るという時、息子に「伝国の辞」と言われる訓戒を与えました。鷹山が、統治者という役割をどう考えていたかよくわかるので、引用しておきます。

一、国家は先祖より子孫へ伝え候国家にして我私すべき物にはこれなく候
一、人民は国家に属したる人民にして我私すべき物にはこれなく候
一、国家人民のために立たる君にし君のために立たる国家人民にはこれなく候

  これをとらえて、国民主権的な発想を先取りしていたと考えるとしたら、あまりよろしくないと思います。
  私は鷹山は、決して江戸時代では例外的な人物ではなかったと考えています。なぜなら、近代以前の支配関係というのは、人民の幸不幸が支配者の利益に直結していた面があるからです。領民の方も、粗末に扱われれば、一揆という形で徒党を組んで領主に直訴し、領主の側もそれに対して妥協せざるを得なかったという実情があります。そして、その態様も、決して暴力的なものではありませんでした。
  この点、非常に参考になるリンクがあります。

江戸時代の飢饉と百姓一揆を見直す
http://www2.ttcn.ne.jp/~kazumatsu/sub229.htm#5

  こちらを見ると、被支配者である百姓と、支配層である武士たちとの間に、信頼関係が成り立っていたことが伺えます。
  鷹山は、このような時代にあって、優秀な指導者であったことは確かです。しかし、それが「農民を虐げているのが一般的である江戸時代の殿様」の中で特別な存在だったというとらえ方は間違っています。
  むしろ、鷹山の行った改革は、伝統的な日本社会の中で指導者が取るべきだとされていた模範的な行動、すなわち「領民をかわいがる」ことの現れなのではないかと思うのです。
  その根本にあるのは、支配者と被支配者が共存共栄の関係にあるという考えです。バブル経済前の日本の企業も、おそらくそのような精神に基づいて運営されてきたはずです。従業員は会社の子供のような存在であり、一生面倒を見るべきだ・・・そんな認識が当たり前だった時代があり、それはそのまま日本が高度成長を実現した時期でした。
  それが、どうも80年代後半あたりから崩れてきて、今や会社と従業員との間の相互信頼は崩壊寸前です。会社は従業員の生活や労働環境をかえりみず、外資系の株主やバランスシートの奴隷になっているという感じすらします。
  それでもなお、日本の企業文化が成り立っているのは、鷹山が体現したような、支配者と被支配者の間の信頼関係がいまだに滅んでいないことを示しています。

  ●以前の記事で述べたように、頭のいい人ほど日本嫌いになってしまう傾向は、ここ最近さらに強まっている気がします。日本の最高学府だと言われている東京大学の優秀な学生の就職先として、「国家公務員」ではなく、「外資系コンサルタント会社」や「外国の法律事務所」が多くなってきているという話があります。明治維新が残した「森有礼の呪い」とも言うべき欧米文化へのコンプレックスは、バブル崩壊以降ますます強まっているといえます。
  そういう時代だからこそ、鷹山のような指導者がいたことをきちんと知っておくのは、我々にとって意味があると思うのです。我々が本当に(自分自身に対して)誇ることができるのは、ロシアに勝ったことでも、朝鮮を近代化させたことでもありません。支配する側とされる側が共存共栄の関係を築いてきた我が国の長い歴史なのです。

  今後も、このような埋もれた歴史を掘り返していくような記事を書ければと思っています。

  どうやら、2009年の大河ドラマの主人公として、上杉家に仕えた名将・直江兼続(なおえかねつぐ)が選ばれたということで、行く先々にそれを宣伝するのぼりが立っていました。
  鷹山公といい、直江兼続といい、観光の目玉になる人物に事欠かない米沢ですが、非常に心配になったことがあります。この写真です。
米沢駅前の元コンビニ

  コンビニだった建物でしょう。テナント募集中の看板すら出ていません。これが、米沢駅から歩いて30秒のところ、駅前中の駅前だと言ったら驚く人が(特に東京の方では)いるのではないでしょうか。 
  どうやら、米沢もモータリゼーションの例外ではないらしく、店が出ているのは幹線道路沿いばかりでした。人が集まるべき駅前は、この空き家が表すように閑散としているのです。
  幹線道路沿いの店は、東京や仙台の大資本ばかりで、ここでいくら利益が上がっても、地域の経済にはほとんど貢献しません。地元民が使ったお金が大資本の本社がある都会へ流れてしまい、地域の中で循環しないからです。
  やはり、地方の再生は自然主義経済しかないと、改めて認識した次第です。

  おまけに、米沢市内で見た光景を一つ。
遠藤武彦事務所

  はい、そうです。なんだかよくわからないうちに農林水産大臣をおやめになった遠藤武彦衆院議員の事務所です。写真にあるようなキャッチフレーズを抱えて、オーストラリアとのEPAを推進するのは確かに無理でしょうね。やめて正解だったのかもしれません。
  彼に限らず、本当に地方のこと(や、もしかしたら将来の自分の地位)を思うのだったら、カイカクという麻薬で頭がラリっている自民党から離脱した方がいいのではないでしょうか。次の総裁選は、その一つの分水嶺になる気がします。

  さて、この日の夕方、東京へ向かう夜行列車に乗るために、新潟へ向かう米坂線に乗りました。
米坂線(米沢駅)

  快速「べにばな」です。なかなか趣があります。

  途中の駅で地元の高校生がたくさん乗り降りしていました。途中でどんどん降りていなくなるだろうと思っていたら、なかなか降りません。新潟県境が目の前の小国駅まで、かなりの人数が乗っていました。
  彼らが小国で出て行った後、時刻表を引いてみました。米沢方面の学校に通うとしたら、朝何時くらいに出るのだろうと確かめたかったのです。

  そうすると、通学に適した米沢行きの列車は、なんと「6:06発」しかありません。

  新潟県境の山がちな地形ですから、さぞかし冬は雪深いでしょう。そんな場所から、朝の6時に出る電車に乗って学校に通っている若者があれだけたくさんいる。
  そういう日常が、山形の外れで営まれているのだと思うと、何か感慨深いものを覚えました。

  東京にお住まいのみなさんも、ぜひ休日には地方の空気を味わいに出かけてみてはいかがでしょうか。自分のいる場所が日本の全てだと思いこんでしまわないためにも・・・。

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2007.09.20(Thu)

【要注意】日経読んで、たのしく洗脳!! 

  勧誘員に後ろから刺されそうなタイトル(笑)ですが、まあ、軽い話ですのでお付き合い下さい。

「転職で収入増」最高の35.3%・4―6月、中堅層にも波及
http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/jinji/index.cfm?i=2007091707134b4
−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−
 雇用情勢の改善を受け、転職者の賃金上昇が鮮明となってきた。総務省の労働力調査によると、今年4―6月期に転職し、前職より収入が増えた人は124万人と前年同期比で5万人増えた。転職者全体に占める比率は35.3%と過去最高を更新した。企業の人手不足が広がり労働需給が引き締まる中、賃金上昇の動きが若年層から中堅層にも波及してきた。転職市場が拡大し、平均賃金の押し上げ要因になる可能性もある。

 総務省が集計を始めた2002年以降、転職者のうち「前職より収入が減った人」の割合は常に「収入が増えた人」の割合を上回ってきた。4―6月期の収入が減った人の割合は36.5%と収入が増えた人の割合をわずかに上回ったが、差はかなり縮まってきた。
−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−

  この記事は、昨日の●日本経済新聞の第一面に出ていた、トップの記事です。
  こういうマスコミ記事を読むときに限らず、メディアから発信される情報を読む際に頭に置いておくとよいことがあります。それは、

(1)事実と解釈を分ける
(2)論理の飛躍がないかどうかチェックする
(3)「どう思うか」より「どう思わせたいか」を考える


  この三点です。上記の日経の記事を、この視点で見てみましょう。

  まず(1)ですが、上の記事で「事実」と言えるのは、

>総務省の労働力調査によると、今年4―6月期に転職し、
>前職より収入が増えた人は124万人と前年同期比で5万人増えた。
>転職者全体に占める比率は35.3%と過去最高を更新した。

  という部分と、

>総務省が集計を始めた2002年以降、転職者のうち
>「前職より収入が減った人」の割合は常に
>「収入が増えた人」の割合を上回ってきた。
>4―6月期の収入が減った人の割合は36.5%と
>収入が増えた人の割合をわずかに上回った

  という部分だけです。残りの部分は、記事を書いた人間の解釈です。ここをごちゃ混ぜにしてはいけません。
  解釈というのは、(3)の「どう思わせたいか」という点と密接に関連があります。後でまた触れることにしましょう。

  次に(2)の論理の飛躍ですが、これは実際のところかなり多くのメディアで見られる点です。
  論理と言っても、難しいものではありません。基本になっているのは、「三段論法」以外にはないからです。「A=B」で「B=C」なら、「A=C」であるというやつで、例を挙げると以下のようになります。

(大前提)自民党やアメリカを批判する人間は左翼である
(小前提)「日々是勉強」は、自民党とアメリカを批判している
(結論)「日々是勉強」は、左翼の書いているブログである

  という感じでしょうか。(笑)

  大体のところ、「大前提」に公式のようなものが置かれていて、「小前提」はそれに当てはまる事実の摘示があるというのが普通です。
  こういう論理を検証したい場合には、まず「大前提」の部分をきちんとチェックすると良いです。例えば、「自民党やアメリカを批判する人間」が「左翼」であると言えるためには、それについて十分な説明がなくてはいけません。
  本当にそういう大前提が成立しているかどうかは・・・まあ、みなさんの考えに委ねるとしましょう。

  では、今回の日経の記事では、どんな三段論法が成立しているでしょうか。おそらく、

(大前提)賃金が増加したという転職者が増えたことは、雇用条件が
      改善したことを表している   
(小前提)総務省の調査では、転職して給料の上がった人が増えている
(結論)雇用条件は改善してきた

  という論理で記事は書かれています。

  こうやって見てみると、「賃金が増加したという転職者の増加=雇用情勢の改善」という大前提が何かおかしいことに気づかないでしょうか。
  この論理が成立するためには、最低限「転職者の賃金と雇用情勢の間には明確な相関関係がある」ということが、前提条件として成立していなければなりません。
  しかし、みなさんの周囲の勤労者の方々を見てみれば、転職した人間がそれほど多くないことはすぐ気づくはずです。そういう人たちの賃金動向と、勤労者全体の雇用一般が、リンクしていると言っていいのでしょうか。
  もちろん、景気がよくなってきたということを「示す一資料にはなりうる」と言うことは問題がありません。しかし、この記事は「雇用情勢の改善を受けて」と、断定していますから、やはりおかしいわけです。
  
  これよりもっとひどいのが、

>賃金上昇の動きが若年層から中堅層にも波及してきた。

  という部分です。

  まず、「若年層」「中堅層」が、転職した人間なのかそれ以外の全ての勤労者なのかがハッキリしません。賃金上昇という部分に何の限定もついていないことからして、おそらく勤労者全体の中の若年層・中堅層ということなのでしょう。
  しかし、そうなると今度は、三段論法の最初に「賃金がアップした転職組の増大は、賃金上昇の動きが拡大していることを示す」という大前提が置かれていることになります。しつこいですが、転職する人たちというのはそんなにたくさんいないわけです。その人たちの給料の上がり下がりをもって、全体の賃金が上昇しているなどということは相当無理があるということは、少し考えれば分かるはずです。
  こういう部分は、単なるヨタ話として受け取っておくべきで、事実を総合して得られた確実な結論なんかではありません。

  では、(3)の「どう思わせたいか」という点です。

  要するに、日経新聞の記者、もしくはそれを書かせている日経新聞社が、読者に何を思わせたいかという点を考えてみようということです。
  新聞報道というのは、事実を取り上げて紹介しているだけだと思いがちですが、上の例を見ただけでも、相当に書き手の解釈が入り込んでいて、しかもその論理が強引(大前提の欠如)である場合があるということはお分かり頂けると思います。これは、書き手がアホだからというよりは、何か予め意図があって、それに都合がいいように事実を解釈しているからなのです。
  まあ、もっともこのブログもそうですし、論文というのはそういう感じで書かれていることが多いのは確かです。しかし、それを「世の中の大多数が信頼してよいほど確かなもの(=真実)」として受け取られてしまうとなると、かなり問題が起こってきます。

  今回の日経の記事で言えば、総括して言いたいことは、

  「雇用状況が改善して、賃金が上昇している」

  ということに尽きます。

  なぜそんなことを言いたいのかと言えば、日経新聞が大企業寄りのスタンスを取っているからです。
  日経の記事を読んでみればすぐわかりますが、だいたいの記事は上場企業の業績だとか新商品や営業戦略の話です。そうだとすると、取材対象もそういう企業になるわけで、あまり関係を悪くするわけにも行きません。
  大企業というのは、従業員の数も多く、取り引きしている企業や関連工場もたくさんありますから、彼らが給料を出し渋れば、全体の賃金も下降傾向になるのは間違いありません。賃金が下降すると購買力が下がりますから、ものが売れなくなって不況になります。
  そうなると、大企業としてはケチケチしている、もしくは従業員から搾取して投資家様(外資様)に利益配当を差し出していることをあまり知られたくないわけで、今回のような記事を日経新聞に書いてもらえると有り難いわけです。

  おいおい、それってただの宣伝じゃねえかよ、と思った方。はい、それが正解です。

  日経新聞の記事というのは、一面トップに持ってくる記事からして書き手の解釈(というより希望的観測)がほとんど、論理は飛躍だらけで、とても報道とは言えないものです。他の新聞も大なり小なりこういうところがありますが、日経が取り上げる経済関係の記事は、こういう嘘八百がかなり多いというのが実情です。
  「ビジネスマンなら日経だ」「うちの上司の振る話題についていかないと」などと思って、ラッシュの東海道線や中央線