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2007.07.20(Fri)

冷戦だ!!冷戦が再開したぞ!! 

さて、最近こういう「事件」があったことはご存じでしょうか。

「報復」措置を示唆、英による外交官追放でロシア外務省
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200707170024.html

--------以下引用--------
ロンドン――英国政府が16日、昨年末のロシアの元情報将校の毒殺事件に絡み駐英のロシア外交官4人の国外退去を命じた問題で、ロシア外務省報道官は同日、英側の行動を「道徳に反するもの」と非難、しかるべき報復措置を取ると警告した。

AP通信によると、報道官は英国の挑発的な対応は、両国関係で最悪の結果を招きかねないと述べた。報復措置の具体的な内容には言及しなかったが、17日午後にも発表の見通し。ロシア各紙は「外交戦争の開始」と大々的に伝えている。

ロ外交官の追放は、英国が求めた事件容疑者で旧ソ連国家保安委員会(KGB)元職員のアンドレイ・ルゴボイ氏の身柄引き渡しをロシア政府が拒否したことを受けた措置。

ロシアのインタファクス通信によると、ルゴボイ氏は16日、英国による外交官処分を受け毒殺事件は初めから政治的な文脈を持っていたことを改めて示したと語った。同氏は事件で無罪を主張している。
--------引用以上--------

  文中の毒殺事件というのは、こういう事件です。

リトビネンコ事件のまとめ
http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2006/11/post_371c.html

  元ロシアの諜報部員だったリトビネンコという人物が、ロシア当局に毒を盛られて殺害されたのではないかという事件です。リトビネンコ氏の経歴について、面白い記述があります。

--------以下引用--------
1998年、FSB上司をロシア富豪ベレゾフスキー氏暗殺を企てたと公的に告発し、職権濫用罪で9ヶ月間収監される。釈放後の2000年にイギリスに亡命し英国市民権を得て、家族と共にロンドンに在住していた。
--------引用以上--------

  普通の方であれば、思ったのではありませんか。

  なぜ、イギリスなんかに亡命したんだ?

  あくまで私の考えですが、リトビネンコは「イギリスのスパイ」だったのではないでしょうか。それも、亡命した2000年以降ではなく、1998年に上司を告発した時点から。
  イギリスというのは、かの有名な映画「007シリーズ」の元ネタになるほど、情報機関が強い国として有名です。「イギリス情報局保安部」(いわゆるMI5)と「イギリス情報局秘密情報部」(いわゆるMI6。残念ながら、殺人許可証を持っている職員はいないらしい)という機関が有名です。
 
  そして、ついさっき入ってきた続報です。

英の外交官4人を追放 ロシアが報復、声明発表
http://www.chunichi.co.jp/article/world/news/CK2007072002033979.html

--------以下引用--------
 ロシア外務省のカムイニン情報局長は十九日、モスクワに駐在する英国人外交官四人を追放するとともに、英国政府職員のロシア訪問を停止するとの声明を発表した。英政府がロシアの外交官四人の国外追放を発表したことへの報復措置。ロシア外務省のグリシコ次官が同日、ブレントン駐モスクワ英大使に通告した。

 インタファクス通信などが伝えた。

 ロシア側が、外交関係の事実上の一部凍結に踏み切ったことで、英ロ関係が決定的に悪化することは、避けられない情勢となった。

 カムイニン局長によれば、ロシア側は英国政府職員へのビザ発給を停止、ロシアの外交官も英国へのビザ申請を行わない。従来続けてきたテロ対策での両国の協力も停止される。声明でロシア側は「英国政府の挑発的で非友好的な措置への回答だ」と英国を批判している。
--------引用以上--------

  もっとも、このへんについて細かい知識をいちいち知っても仕方がありません。問題は、これらの事件が何を意味しているかということです。

  ズバリ申し上げましょう、それは「欧州ではすでに第二の冷戦が始まっている」ということです。

  それを示す資料を、いくつか挙げておきます。

米MD計画 チェコ配備見直さず ロシア反発の可能性(6/15)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2007061502024405.html
--------以下引用--------
 ベルギー訪問中のゲーツ米国防長官は十四日、ブリュッセルで記者会見し、東欧へのミサイル防衛(MD)配備に関連して「チェコへのレーダー配備を進めるつもりだ」と述べ、ロシアが反対するチェコへのレーダー配備の見直しに否定的な考えを示した。
 東欧へのMD配備に反対してきたロシアのプーチン大統領は先週行った米ロ首脳会談の中でチェコではなく、アゼルバイジャンのレーダーをMDシステムに組み込むことを逆提案し、これが受け入れられれば、MD配備を検討する意向を示していた。
 ゲーツ長官はチェコへの配備にこだわる一方で、「アゼルバイジャンのレーダーは追加的な能力とみている」などと指摘。ロシア側の主張に配慮し、場合によってはチェコのレーダーに加え、アゼルバイジャンのレーダーを使用する可能性を排除しなかった。
 ブッシュ米大統領も検討を約束し、七月のプーチン大統領の訪米時までに両国間で専門家協議を行う意向を示していた。
 ゲーツ長官の発言はアゼルバイジャン配備を完全否定するものではないが、ロシア側の反発を招く可能性もある。
--------引用以上--------

  アメリカの動きです。「チェコ」という国に、アメリカがミサイル用レーダーを導入しようとしているのですが、ロシアはそれに反対しているようです。
 
  「チェコ」は東ヨーロッパの国です。東欧の地図を確認しておきましょう。

ヨーロッパの地図(チェコ中心)


  赤い★印がチェコです。ちょうどヨーロッパの中央に位置しているのがよくわかりますね。

  アメリカは、チェコにおけるミサイル防衛の目的を「ならずもの国家への対抗手段」だと表明しています。すぐに思いつくのが、核開発を進めている「イラン」のことです。そこで、ロシアのプーチン大統領は「それならアゼルバイジャンでもいいじゃん」と、逆提案しているのです。
  もちろん、アメリカがそんな要求を呑むわけがありません。理由は簡単です。アメリカのミサイル防衛の対象国は「ロシア」だからです。チェコは北大西洋条約機(NATO)の加盟国です。この団体の本来の目的は、「ソ連の西欧侵攻を防ぐ」ことでした。まあ、言うなればNATO本来のあるべき姿に戻ったということになります。

  ロシアも当然これには一歩も引かない構えでいます。

ロシア、欧州通常戦力条約の履行停止
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070714AT2M1401L14072007.html

--------以下引用--------
 ロシア大統領府は14日、プーチン大統領が欧州地域での戦車や火砲など通常兵器の保有上限を定めた欧州通常戦力(CFE)条約の履行を停止する大統領令に署名したと発表した。欧米に揺さぶりをかけ、米国が計画する東欧へのミサイル防衛(MD)施設配備や北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大問題で譲歩を引き出す狙いとみられる。

 ロシア外務省は同日、声明を発表し、CFE条約の停止について「ロシアの安全保障上の懸念に建設的な回答がない」などと説明。「対話の道に門を閉ざすわけではない」とも指摘した。プーチン大統領は4月の演説の中で、東欧へのMD配備やNATO拡大を批判し、条約の履行を一時停止すると表明していた。
--------引用以上--------

>欧州地域での戦車や火砲など通常兵器

  ロシアは典型的な「ランドパワー」(大陸国家)です。ランドパワーの力関係は、相手国にどれだけ陸軍力を投射できるかで決まりますから、ロシアが戦車や火砲を無制限に保持することは大変危険なわけです。
 
  では、なぜアメリカとロシアがそこまで角逐するのか。理由は、以下の記事からもわかります。

カタール、ロシアと天然ガス開発で協力
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20070628AT2M2800528062007.html

--------以下引用--------
 カタールのアティーヤエネルギー・産業相は27日、ロシアのフリステンコ産業エネルギー相らと会談するため同国に向け出発した。アティーヤ氏はカタールとロシアが天然ガス開発で協力する可能性を示唆したが、石油輸出国機構(OPEC)のような機能を持つガス生産国のカルテルを設ける意図については「難しい」と否定した。

 天然ガスの確認埋蔵量でロシアは世界一位、カタールは同三位。両国やイランなどでつくる「ガス輸出国フォーラム」は4月の閣僚級会合で、将来のカルテル創設の可能性を探る作業部会の設置で合意していた。カルテル創設にロシア、イランが前向きだが、カタールは難色を示している。
--------引用以上--------

  アメリカが潰したいのは、これです。

>ガス生産国のカルテル

  今後、枯渇する可能性が高く、温暖化の元凶となっている石油から、天然ガスへシフトしようという動きが世界的に高まっています。そこにきて、こんなものができてしまったら、ロシア=ランドパワーが世界を支配することになってしまいかねません。

  さらに、面白いニュースもあります。

欧州向けガス管建設でガスプロムが覚書
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/eu/20070624D2M2400B24.html

--------以下引用--------
 ロシア産業エネルギー省などによると、ロシア政府系企業ガスプロムは23日、イタリアの石油大手ENIとの間で、ロシアから黒海を経てブルガリアに至る欧州向け天然ガスパイプラインを建設する覚書に調印した。

 ロシアはイタリアを含む欧州南部への天然ガス、原油の輸出を強化する戦略を推し進めており、同省は今回の建設計画が「欧州のエネルギー安全保障の向上に貢献できる」としている。欧州のガス需要増加に対応すると同時に、資源を通じて欧州への影響力を拡大する狙いもあるとみられる。

 ロシアから欧州へのパイプラインによるエネルギー供給は、主にウクライナ、ベラルーシを経由しているが、両国とロシアの対立のあおりで昨年と今年の2回にわたって一時停止しており、ロシアは供給ルートの多角化を図ってきた。

 欧州連合(EU)は天然ガスの約4分の1をロシアに依存している。  
--------引用以上--------

>イタリアの石油大手ENIとの間で、ロシアから黒海を経てブルガリアに至る
>欧州向け天然ガスパイプラインを建設する

  ここは重要です。もう一度、さっきの地図を見てみましょう。

  ロシアから天然ガスのパイプラインを引っ張り、直接ガスを供給することになれば、ヨーロッパはロシアにエネルギーを依存することになるわけです。元栓はロシアが握っているわけですから、言うこともきかざるをえなくなるでしょう。つまり、ロシアにはエネルギー依存度を高めてヨーロッパを支配するという遠大な目標があるわけです。
  そこで、軽いジャブとして、まずサミット参加国でもある工業国イタリアを落としにかかったというわけです。ブルガリアはNATO加盟国ではありますが、ポーランドのようなアメリカの飼い犬というレベルにはありません。
  おそらく、次に狙われるのは、NATO脱退の前歴がある「ギリシャ」か、コソボ紛争でNATOに攻撃された過去があり、ロシアと自由貿易協定を結んでいる「セルビア」でしょう。特に後者は内陸国なので、ロシアには口説きやすそうです。
  そうなると、次はそのセルビアから分離した「モンテネグロ」が狙い目です。ここを突破すれば、アドリア海の向こうがイタリアです。この国の動静には少し注目したいですね。

  そうは言っても、こちらはまだ「小物」です。ロシアが本当に狙っているのは「ドイツ」です。なぜなら、ドイツは欧州最大の工業国であり、何より常にロシアにとって脅威になってきたランドパワー国家だからです。ここを骨抜きにすれば、陸軍力の弱いフランスやオランダなどものの数ではないわけです。ロシアがドイツを狙っているというのは、ドイツのシュローダー前首相が、ロシアのガス会社「ガスプロム」の系列会社で社長になり、丸儲けしていたという事件(●こちらのブログを参照)からもわかります。
  だからこそ、アメリカもチェコにミサイル防衛をテコ入れしているのです。●以前の記事でお伝えしたように、黒海の東岸にあるグルジアはアメリカの飼い犬になっていますから、あとはチェコでにらみを利かせれば、オーストリア経由だろうと、バルト海経由だろうと、どちらのパイプラインも妨害できます。まさに、ここがオセロの角なのです。

  これが、冷戦でなくて何なのでしょう?

  今回の米ロ対決が以前の冷戦と違う点は、アメリカの防衛ラインが東寄りになったことと、統一したドイツが旧西ドイツほどの「同盟国」(アメリカの言うことを素直に聞く手下)ではなくなっている点です。これは、アメリカにとっては、ヨーロッパにおける防衛コストが増大しているということを意味します。このことは、冒頭にあるように、ロシアとの戦いにイギリスの力を借りていることからもわかります(イギリスは特に中東ではアメリカより情報網が強い)。
  これに加えて中東ではイラクの問題があるわけです。アメリカにしてみれば、アジアに力を注いでなんていられないわけです。
  だからこそ、アメリカは「北朝鮮」という便利な駒を使おうとしているのです。もちろん、狙いは中国の牽制です。以下の記事からもその徴候が見えます。

「米、対北朝鮮平和協定の年内着手を希望」
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2007071081068

--------以下引用--------
米行政府は、北東アジア地域の恒久的な平和体制を確保できる新しい枠組みを構想しており、その一環として年内に北朝鮮との平和協定への協議開始を希望している、とウォールストリートジャーナル(WSJ)が9日、報じた。

同紙は「米国は6者協議が北東アジア地域の安保脅威を解消する永久的なフォーラムへと移行することを希望している」とし、このように伝えた。

米国とアジア諸国の管理は東南アジア諸国連合や欧州安保協力機関(OSCE)のような形態の枠組みを予想しており、このような恒久的な地域安保構築のカギは北朝鮮が核プログラムを完全に解体するかどうかにかかっている、と同紙は報じている。

同紙はまた、クリストファー・ヒール米国務省東アジア太平洋担当次官補が「非核化への移行が進展を見せれば、平壌(ピョンヤン)と年内に停戦協定を平和協定に代える議論を始めることを希望している」と話した、と伝えた。

同紙は、米行政府は米朝間の直接対話から4者協議まで専任行政府で議論された平和体制構築のアプローチ方法をことごとく検討しており、管理は4者協議の枠組みになる可能性が最も大きいと話した、と報じた。
--------引用以上--------

  もう、さっさと手打ちにしようという姿勢が見え見えです。日本も、対ロシア包囲網に協力するくらいはいいとして、東アジアの狂った国々との関係については、もうアメリカを頼りにしない方がいいでしょう。
  それどころか、「アメリカ様おねげぇしますだ」と取りすがっている内に、外資系企業に身ぐるみを剥がれて、「東アジア共同体」としてバーゲンセールに出される(当然買うのは中国)事態にもなりかねません。いや、そうなるでしょう。「日米同盟」などという虚妄にすがると馬鹿を見ます。

  インドとの防衛協定やら、東南アジア諸国やオーストラリアとのシーレーン防衛の枠組み作りなど、自主的に動けるところから動いておくべきでしょうね。
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