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2009.03.08(Sun)

最後の成長神話、終わりの始まり(3) 

  お待たせしました。●最後の成長神話、終わりの始まり(2)の続きです。

  前回までで述べてきたとおり、中国には環境破壊、特に水資源の汚染・枯渇という致命的な弱点があるわけですが、そもそもそのような環境破壊がなぜ現れてきたのかということを少し考えてみたいと思います。

  20代前半の若い方などには実感として分からないかも知れませんが、私が子供の頃には中国製の品物はここまでたくさんあふれかえっていませんでした。記憶を辿ってみると、1990年代、日本のバブル崩壊に伴ってチュウゴク製品のシェアが伸びてきているような感じがします。
  簡単に言えば、中国が日本の代わりにものを作り始めたということですが、歴史を振り返ると、そのような構造は1971年のニクソン訪中に始まる「米中協調」が全ての出発点になっています。同年実施されたアメリカ政府による金・ドル交換停止(ニクソンショック)といっしょに理解すると、アメリカは「中国を国際貿易システムに組み込んで、その生産力で世界中(特に日本)をデフレに陥らせる」こと、および「産業ではなく一段階上の金融を支配することで世界経済の盟主であり続ける」ことを主眼にした戦略転換をしたことが分かります。各国が対米輸出で築き上げた産業インフラや固定資産を、デフレにして安く買い取ってしまおうというわけです。1990年代の東南アジアへの外国資本の流入や、日本のバブル崩壊後の外資進出は、まさにそういう戦略を実行したものだと考えることが出来ます。
  その間、中国はデフレに苦しむ先進国(特に日本)の技術力を吸収し、飢餓や戦争に苦しむ国を除けば世界一低い購買力平価(そのまま人件費に反映される)を武器にして、世界中に低価格の工業製品を輸出してきました。日本や台湾、韓国と言った、近隣の産業国家に対しては、食料品やサービス業(たとえば、●企業のコールセンターの移転)の肩代わりさえしました。
  このような状況だと、購買力平価の差を利用した企業(ホンダや東芝のような「グローバル企業」)は大きな利益を上げることが出来ます。配当が大きくなり、中国向けの設備投資にともなう融資で「金融資本」も利益を得ることが出来ます。また、中国から他の国々へ品物を取り次ぐ「商社」も、手数料が増えるという形で利益を上げることが出来ます。
  その一方で、中国と競争しなければならなくなった地場産業や、もともと外需と関わりのない企業はあまりメリットを受けることが出来ません。こういうところに本来回るはずだったカネが、中国の労働者や、中国で利益を上げることができる企業のもとに移転してしまうわけです。
  この様子を喩えてみるなら、日本庭園にある「ししおどし」(画像は●こちら)のようなものです。各国の投資という水が、中国という筒の中にどんどん入っていき、一杯になるとバランスが変わって、「グローバル企業」や「商社」や「金融資本」、さらには「中国共産党の幹部」といった器の中にその水が滑り落ちていくいような仕掛けだったのです。
  
  しかし、近代とは「奪う文明」です。富める者は貧しい者から、豊かな国は貧しい国から、なんらかの富を奪い取ることでしか成長をすることができません。
  そんなことはない、世界がいっしょに経済成長をするケースがあるじゃないか、という方もいるかもしれません。確かに、去年を除けば、ここ最近日本以外の国の名目GDPは増え続けていますから、みんなで豊かになるということは統計上は可能です。しかし、その過程でもやはり、一方的に奪われる立場にあるものがあります。それが「自然」です。
  産業が発展するとき、実はどう工夫をしても必ず生まれてきてしまうものがあります。「エントロピー」と言われるものがそれです。思い切って単純化した言い方をすれば、エントロピーというのは廃棄物です。放っておくとどんどん溜まっていきます。たとえば、生き物が活動すると必ず「熱」が生まれますが、これもエントロピーの一つです。溜まりすぎると死んでしまいますから、どこかに出さないといけません。人間ならば汗をかくことで気化熱として空気中に熱を逃がし、イヌであればハーハー息を吐いて熱を放出しています。
  このエントロピーの特徴は、「必ず増大し続ける」ということです。以下の引用文をご覧下さい。

生きている地球~ 環境問題を見る視点(5)
http://www.sukawa.jp/kankyou/siten5.html

 安定的に操業を続けている工業生産システムも定常系と考えることが出来ます。工業生産は、地球環境から原料資源とエネルギー資源(主に石油)を取り入れ、製品を作り出します。その過程で、原料資源に含まれる不純物などの廃物と廃熱を地球環境に廃棄します。

 工業生産システムは、不純物を含む原料資源(高エントロピー)を加工して純度の高い製品(低エントロピー)を作ります。しかし、あらゆる活動はエントロピーを発生しますから(=エントロピー増大の法則)、工業生産システムから出力される製品と廃物・廃熱のエントロピーの総量は、取り込まれた資源よりも必ず増えます。エントロピーは物あるいは熱に付随する物理量ですから、原料資源から加工工程によって取り去ったエントロピーに加えて生産過程で新たに生じたエントロピーを、廃物あるいは廃熱としてシステムの外(=地球環境)に廃棄しなければなりません。廃物・廃熱を地球環境に廃棄することこそが工業生産システムの定常的な操業を保証しているのです。『廃棄物ゼロの工場』は理論的にあり得ません。
 工業生産に利用する原料資源・エネルギー資源は有限の地下資源です。工業生産システムからの廃熱は地球の大気水循環で宇宙空間に廃棄できますが、廃物の多くは再利用されることなく地球環境に拡散することになります(リサイクルについては●後に触れます)。更に、工業製品自体がやがては劣化してすべて廃物になります。工業生産システムとは地下資源を再利用できない廃物に変えて地球環境に拡散するシステムです。
 このように、工業生産システムは地球環境の有用な資源を一方的に消費し、それを廃物・廃熱にして地球環境に捨てる閉鎖型のシステムです。有用な資源の枯渇か廃物による地球環境の汚染(=物エントロピーの蓄積)によって、やがて工業生産システムは定常的な操業が出来なくなります。工業生産システムは、生態系の場合のように物エントロピーを熱エントロピーに変換するしくみや、システムからの廃物を再び有用な資源に再生するしくみを持っていないのです。

 このように、工業生産システムは、閉鎖型のシステムなので、地球の歴史、あるいは人間の歴史に比べても極短期間でその定常性は失われ、やがて終息することになるのは当然の結果です。


  エントロピー増大による困った状況は、すでに我が国でも経験しています。それが公害です。日本が先進産業国家となる1950年代から60年代において、四大公害病に代表される大きな害悪が引き起こされました。
  この公害は、我が国ではいちおう克服されたという風に言っています。嘘ではありませんが、かといって真実だと言い切ることもできません。公害が目に見えなくなったのは、70年代半ばにオイルショックが起こって生産活動自体が低調になったことや、何よりも目に見えない外国という場所にエントロピー排出の場所が移っていったことによるものです。
  そう考えると、中国という国は世界中のエントロピーを一手に引き受けることによって驚異的な成長を成し遂げてきたという見方もできるのではないでしょうか。かつてのアメリカ東部や日本の太平洋ベルトがそうであったように。
  いや、この言い方は語弊があります。今の経済規模はアメリカや日本が高度成長をした頃よりも確実に大きくなっていますから、同じ1%の成長でも、排出されているエントロピーは間違いなく増大しています。中国の環境が悪化しているというのは、環境対策がよろしくないというのもあるのですが、引き受けているエントロピーの量が、高度成長の頃の日本とは比較にならないほど大きいということを考慮しておいてもよさそうです。
  みなさんに是非認識しておいてもらいたいことは、中国というのは、先進国に近づいていっているつもりで、実は先進国(特に金融資本やグローバル企業)に都合良く利用されているだけの存在だということです。もっと言えば、現代グローバル経済のもとでの中国の存在意義は「エントロピー捨て場」だということに尽きます。
  自分たちがゴミ捨て場として利用されているということに気づいて、頭に来ない人間はいません。しかし、中国はその立場を捨てるということは、経済成長を捨てて、毛沢東時代に戻るということです。近代的な豊かさを知ってしまった中国人(の金持ちや上層部)が、そのような事態を望むわけがありません。
  そんなアンビバレント(二律背反)な精神状態の人間は、突拍子もないことを言ったりやったりするものですが、中国もご多分にもれず、精神的にちょっとおかしくなってきています。その表れが、「経済的軍事的に欧米先進国を凌駕する覇権国家になるという妄想」です。以下の記事をご覧下さい。

中国は「海外資源のブラック・ホール」
http://japan.donga.com/srv/service.php3?bicode=060000&biid=2009021484598

中国がグローバル経済危機の隙間を狙って、海外資源狩りに拍車をかけている。

中国新華社通信は13日、中国最大手のアルミ生産メーカー「国営中国アルミ公社」が、世界3大鉱山会社「リオ・ティント(豪州系多国籍企業)に195億ドル(約27兆3000億ウォン)を投資することにしたと報じた。これは中国の海外投資史上最大金額である。

肖亞慶・中国アルミ公社会長は、「今回の投資はグローバル化と複合的な地下資源開発会社を目指すという会社の発展戦略によるものだ」と語った。

中国アルミ公社は72億ドルをかけてリオ・ティントの転換社債を買い付け、現在9.3%の持分を18%へと増やすことにした。

さらに、残りの123億ドルを使って、リオ・ティントが所有している世界各地の鉄鉱石や銅、アルミ鉱山の持分を買い付ける計画だ。

中国側が参加することにした鉱山は、豪州の鉄鉱石鉱山、クイーンズランドのウェイパやボインのアルミ鉱山、チリのエスコンディーダや米コネチカット、インドネシアのグラスバーグ、ペルーのラグランハの銅鉱山など、資産価値の優れた地域である。

石油や鉄鉱石など、エネルギーや資源のほとんどを輸入に頼っている中国は、今回の投資を通じて、鉄鉱石やアルミ、銅の安定的な供給源を確保しただけでなく、国際市場での価格影響力を大幅に強めることができた。

中国は資源価格が暴落したことで、鉱山などの資源開発会社の株価が暴落した時期に、世界の地下資源に集中的に投資を行い、世界景気が回復した時、大きな差益を手にするという戦略を立てた。

昨年10月、中国の海洋石油や天然ガス探査会社である中国海洋油田は、ノルウェーの石油・ガス採掘会社「アウィルコ」を25億ドルで買収したことがある。

また、昨年12月は、中国石油化工集団公社(Sinopec=シノペック)が、カナダの石油ガス会社「タンガニイカ・オイル」を15億ドルに買収した。


  要するに、欧米諸国が数百年かけて築いてきた世界規模の資源収奪システムを、たかだか20年そこらの経済成長で手にしたカネでむしり取ってやろうとしているのです。
  しかし、海外権益ですから、簡単には維持できません。現地の政権が独裁政権、もしくは反中国を旗頭に樹立された政権になったら、なんやかんや名目を付けて、財産を接収されてしまうかも知れません。それに、資源を運んでこようにも、中国が面している太平洋はアメリカ(とその配下の日本)がフタをしてしまっているわけですから、いざとなったら簡単に海上封鎖をしかけられてしまいます。
  そういう状況を跳ね返すべく、●こちらの記事でも書いたように、海洋覇権の確立を狙っているわけです。おそらくうまく行かないだろうということは、その記事の続編でも書いたとおりです。

  そういうイライラが口をついて出てきたのが、このニュースです。

「西側は中国に干渉するな」 国家副主席が批判
http://www.chosunonline.com/article/20090214000010

 中国の次期最高指導者となることが確実視される習近平国家副主席は11日、訪問先のメキシコで、「西側は中国にやたらに干渉すべきではない」と強く批判した。

 中国のテレビ報道によると、習副主席はメキシコ在住の華僑らと懇談した席上、「満腹ですることがない少数の外国人が中国に対し、やたらにあれこれ言って干渉している」と述べた。習副主席はまた、「中国は革命、飢餓、貧困を外国に輸出したことはなく、外国を揺るがしたり苦しめたこともない」と強調した。

 習副主席は普段慎重な発言で知られる。このため、今回の鮮明な西側非難の背景が関心を集めている。一部ではフランスとイタリアの指導者がチベットの精神的指導者、ダライ・ラマと会ったことや西側メディアがチベット暴動を中国に不利な形で報道するなど、中国に対する「あら探し」が度を過ぎているという判断があったのではないかとの分析が聞かれる。

 今月1日、ガイトナー米財務長官は「オバマ大統領は中国が為替を操作していると信じている」と発言し、中国を刺激した。

 また、ポールソン前米財務長官は退任直前、「中国の高い貯蓄率が金融危機の原因だ」と発言した。これについて、中国の温家宝首相は先ごろ開かれた世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、「一部国家の不適切なマクロ経済政策と低い貯蓄率、過剰消費が世界的な経済危機の原因だ」と述べ、米国と対立する立場を鮮明にした。


  これでは、国内での環境保全など顧みられることはないでしょう。

  何か、中国を見ていると、戦前の日本を思い出します。欧米諸国に嘗められまいとがんばって近代産業を興したが、結局はアジアの国として見下されている。何か目立ったことをすると、すぐに欧米諸国が袋だたきにしてくる。それを跳ね返そうと、産業の成長をさらに加速させていく・・・欧米を目の敵にしている高官の発言など、鬼畜米英などと吹聴していた頃の日本にそっくりです。
  そして、その過程で犠牲にされてきたのは、常に普通の庶民の生活なのです。鉱工業の発展で「女工哀史」や谷中村の悲劇が起こり、満州進出の影で東北では身売りが相次ぎました。現代の中国でも、汚染された川の水を生活に用いなければならないのは、共産党の幹部なんかではなく、普通の中国人です。渇水や干ばつで作物が取れなくなれば、商品作物農家だけでなく、自給自足でなんとかしのいでいる零細農民の生活も脅かされます。
  そういう事実があるから、私は中国の経済発展をもてはやす経済紙や財界人の気持ちが理解できませんし、戦前の日本を無条件に素晴らしい国家だったと吹聴する人間達に怒りを禁じ得ないのです。
  そうは言っても、もとをたどれば、我々先進国の国民が拒絶したエントロピーが、回り回って中国の大地を傷つけているわけです。別に私が謝罪するいわれはありませんが、中国という国を哀れに感じます。
  本来であれば、中国こそ、●入会地の知恵●地域通貨によって、脱近代化を図るべきなのです。中国には唐詩に描かれたような美しい自然がたくさんあったのですから、自然と調和した生き方をしようと思えば出来たはずなのです。
  しかし、その中国が他のどの国よりも「近代化」や「欧米化」にいそしんでいるわけです。私はそこに、ある種の悲しさを感じることを禁じ得ません。

  さて、このような中国の状況を見るに付け、我々は一体何を心得ておけばいいのでしょうか。

  まず、今後中国国内でいつ大規模な干ばつが起き、農業生産が激減するか、そのタイミングを知ることです。食糧危機になれば、中国が取る手段は、反自然的な食糧増産と、国際市場での食料の買いあさりです。そこを日本やオーストラリア、アメリカ、できるならばインドやインドネシアも仲間にいれば「シーパワー同盟」で封殺すれば、内部崩壊が始まります。
  もし、そのような食糧危機がなかったとしても、●石油減耗が進み、中国が今以上に海外の資源確保に対して強圧的な態度を取るようになれば、自然とシーパワー同盟の成立が促されるでしょう。
  そのためには、あまりにも米軍(アメリカ政府やアメリカ企業ではない)と仲が悪くなるというのは考え物です。民主党の小沢代表が「米軍のプレゼンスは第七艦隊で十分」と言っていましたが、さすがにそれだけでは不安です。いまより縮小した形で、沖縄にアメリカ空軍を置かせるべきでしょう。もちろん、これと「日米地位協定」の改善やアメリカによる経済侵略への対処は話が別です。
  あとは、くれぐれも混乱に乗じて戦前の真似(大陸権益の獲得)などしないことです。たとえば、中国が四分五裂したからといって、そのうちの一つの勢力に手を貸して、大陸に利権を獲得しようなどと思ってはいけません。戦前も、南京政府を樹立させて中国権益を狙ったところから、米英との確執が始まったのです。どんなに誘惑に駆られても、絶対に手を出してはいけません。
  そして何より、日本自身が食料やエネルギーの面で自律できるような施策を打ち出していくことです。このブログでさんざん述べている「海藻バイオマス」ばかりでなく、繊維や油の原料として「大麻の栽培解禁」も検討すべきでしょう。
  当たり前ですが、難民のふりをして押し寄せる中国人は、受け入れるわけにはいきません。彼らにはかわいそうですが、我が国が生き残らなければ話にならないのですから・・・。

  最後になりましたが、このブログらしくなく、文学の一節を引用してしめくくりたいと思います。

  「国破山河在 城春草木深」
  (国が滅んでも自然はそこにある。長安も今は春、草木が生い茂っている)


  唐代の大詩人・杜甫による「春望」の有名な一節です。
  その杜甫が今の中国を見たら、きっとこんな風に嘆くのではないでしょうか?

  「山河死絶了 可国幸存乎」 
  (山河が死に絶えてしまって、生き長らえる国などあるだろうのか?)


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2009.02.22(Sun)

最後の成長神話、終わりの始まり(2) 

  ●最後の成長神話、終わりの始まり(1)の続きです。

  中国は放っておけば勝手に崩壊する、という風に私が断言したのは、こういう事情があるからです。

深刻な干ばつ、最高レベルの警報を初めて発令―河南省
http://www.excite.co.jp/News/china/20090201/Recordchina_20090131022.html

2009年1月30日、中国気象局によると、河南省気象局は29日、同省内の大部分の地域で今後1週間引き続き干ばつが継続するとして、気象警報制度導入以来初めて、最も深刻なレベルの干ばつ警報を発令した。中国新聞社が伝えた。

昨年11月以降、同省の降水量は極端に少なく、08年11月1日から09年1月26日までの同省全体の平均降水量は例年より79%も少ない11ミリに過ぎなかった。降水量が少ないことに加え、気温も例年より高く推移しているため、干ばつ被害を受ける地域が拡大しており、すでに全省の小麦の作付け面積の63.1%が影響を受けているという。

同気象局では「今後半月程度はまとまった雨の降る兆候が見られない」と予想しており、関連部門に対し、干ばつの予防対策の強化を呼びかけている。


  河南省は中国北部の穀倉地帯として知られている地方ですが、この地域だけが干ばつに悩まされているわけではありません。もう一つ引用します。

江西省で歴史的干ばつ、都市部水道や河川物流に影響
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=1119&f=business_1119_015.shtml

  江西省は10月上旬から11月上旬にかけて、省平均降水量が9ミリと、例年の10%程度だった。このため、省内最大の河川の〓江の南昌市内の観測所では15日、史上最低の水位を記録。その他の撫河、信江、修河など主要河川でも異常な低水位が続いている。(〓はへん部分が「章」、つくり部分は「夂」の下に「貢」)

  省都の南昌市では、給水量の減少で水圧が低下、一部の高層マンションなどで水道の水が出にくくなったため、市当局は青雲浄水所にポンプを増設するなどして対応。水消費の大きな企業には操業停止や時間短縮を行わせて、生活用水を確保している。

  省政府によると、水位低下で〓江の航路幅が狭まり、南昌市部分では船舶の渋滞が発生している。このため、河川交通の管制を強化し、食品などの輸送を優先させているという。


  江西省の位置は●こちらのリンクでご確認下さい。中国の南部というのは、降水量が比較的多く、長江や珠江といった大きな川がありますから、水が豊かだという印象があるのですが、それでもこんな感じです。
  また、この記事は昨年秋の記事ですから、今年になっていきなり始まった現象ではないということもわかります。

  このような干ばつは、近年の異常現象なのかというと、決してそういうわけではありません。中国全土で砂漠化が進行しているからです。

中国の砂漠化の現状
http://ecogis.sfc.keio.ac.jp/desert/2006/09/post_10.html

現在,中国における砂漠化面積は,262.2×104km2,国土面積の27.3%を占める。その範囲は18市471旗(中国の県と同レベル、日本の市町村相当)に及び,年間540億元(約8,100億円)の損失を生じている。

場所により砂漠化の要因が異な(中略)る。なかでも風食砂漠化の進行速度は年々早まっており,1960年代には1500 km2/年のペースであったものが,2000年以降は3000 km2/年のペースで砂漠化面積は拡大している。


  風食というのは、耳慣れない言葉です。以下に説明を引用します。

砂漠化(さばくか)の主な原因は3つあるよ
http://www.alrc.tottori-u.ac.jp/sabaku/sabaku05.htm

 砂漠化(さばくか)の直接の原因の一つに風があります。風は土を動かす働きを持っています。この働きにより、肥沃な土(表土)が奪い去られてしまうと、植物の根があらわれて枯れてしまいます。また表土が失われた場所は、植物が必要な水や養分を十分に与えることができないので、植物の育ちは良くありません。
 さらに、風が吹くたびに、残っている肥沃でない土砂も奪われ続けるので、植物は育つことができません。このように風が土砂を運び去ることで砂漠化(さばくか)がおこるわけです。

 ところで、風によって運び去られた土砂はどこに行ってしまうのでしょう?消えてしまうはずはないのでどこかにあるはずです。広い範囲に散らばっているとちょっとホコリっぽいですが、まあ、あまり大きな問題にはなりません。
 
 しかし、狭い範囲にたまってしまうとたまった範囲の土地をたまる前と同じようには使えなくなってしまいます。家や農地が土砂に埋もれてしまうと大変ですね。たまる土砂の大半は表土ではないのでたまった場所に植物を植えても育ちが良くありません。
 さらに風が吹くたびに土砂が運び込まれ植物は埋もれてしまい育つことができません。このように風が土砂を運び込むことでも砂漠化(さばくか)がおこるわけです。

 このように風は、土を運び去ることと運び込むことの二つの方法で、砂漠化(さばくか)を進めます。

 春先に日本にやってくる黄砂は、ユーラシア大陸の中央部における砂漠化(さばくか)の影響を受けて、どんどん激しくなってきています。日本、中国、韓国、モンゴルが黄砂対策を一緒になって考えています。


  日本は山地が多く、複雑な地形をしている国ですが、それがこのような風食を受けずに済んでいる要因の一つでもあります。ところが、中国の場合は、だだっ広い平原があちこちにあるので、風の力がなかなか弱まりません。
  さて、中国政府もそういう現状をただ見ているわけには行かないということで、あっと驚く対策を考えています。

中国の「南水北調プロジェクト」
http://www.spf.org/sjcff-j/nansui/c_web/cweb_frm1.html

 中国の水資源総量は約28000億立米であり、世界の第6位を占める。しかし国民一人平均の水資源量は僅か世界平均の1/4しかなく、世界では第88位を占め、水資源の欠乏国に属する。
  そして中国の水土資源の分布はバランスしていない。長江流域、長江以南の各河川の徑流量が全国の80%以上、耕地面積が全国の40%を占め、中国においては豊水地区に属する。それに対して黄河、淮河、海河の三大流域と西北の内陸地域は面積が全国の50%、人口が全国の36%を占めるが水資源量が全国の12%しか占めず、中国においては渇水地区に属する。西北地区と華北地区の鉱産物資源が豊富で中国のエネルギー、穀物、綿、食油の生産基地であり、国民経済において重要な戦略的地位を占めている。黄河平原、淮河平原、海河平原及び膠東半島は中国の人口密集地であり、耕地化率が高く、経済の発達地区に属する。現在水資源の欠乏は経済発展の制約要因となり、生態環境の悪化をもたらしたので、引水は解決しなければならない課題となっている。
  1950年代に「南水北調」という構想を出されてからすでに数十年間に亘って研究を重ねてきた。南水北調の全体構想としては、長江の上流、中流、下流からそれぞれ取水し、西北地区と華北地区の各地に引水する南水北調西線、南水北調中央線、南水北調東線の三つの引水線路である。

  南水北調



  長江の水を北部に引っ張ってくるという壮大なプロジェクトです。隋王朝の作った大運河を彷彿とさせます。確かに、この計画の通りに水を引っ張れば、先ほど挙げた河南省など、渇水に悩まされている北部の穀倉地帯にも水を供給することが出来そうです。
  しかし、その引っ張ってくる「水」が問題なのです。

長江:「黄河の二の舞」を危惧、汚染が深刻化
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2004&d=1013&f=national_1013_004.shtml

  長江(揚子江)の汚染問題が深刻さを増している。「現在、環境保全しなければ、10年以内に黄河のような状態になる」と強い警告を発している。12日付で中国新聞社が伝えた。

  中国発展研究院の艾豊・院長は、「長江の汚染状況は、人々の想像をはるかに超えている」と憂慮を示し、さらに、「現状を招いたのは、すべて人間の手によるもの」と述べ、早期の対応の必要性を強調した。

  現在、問題視されているのは以下の6点。1.森林面積の減少。2.河川に流入する土砂の増加。3.生態環境の急激な悪化。4.水質の悪化。5.固形廃棄物の河川への投棄。6.湿地面積の縮小

  全国政治協商会議(政協)常務委員を兼任する人口資源環境委員会の陳邦柱・主任は、参加した「長江保護運動」の開始式典の中で、「長江の上・中流域で行われている森林の乱伐が、土砂の流出や洪水など、自然災害を誘発し、中・下流域に住む人々の生活を脅かしている」と指摘。

  また、「中・下流域の経済発展を野放しにした結果、工場用水が天然の排水溝として長江に流れ込んでおり、これが深刻な汚染を引き起こしている」と語った。



  中国第三の大河である淮河(わいが)も同様の状況です。

淮河:漁民「魚を食べる勇気ない」、深刻度増す
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2004&d=1006&f=national_1006_007.shtml

中国中部を東西に流れる淮河で、水質汚染がますます深刻になっている。地元の漁民でさえ、「捕った魚を食べる勇気はない」と敬遠するほどだ。5日付で新華網が伝えた。

  淮河は北の黄河と南の長江の間を西から東に流れている。中国有数の大河の一つだ。1970年代には年間130トン以上の漁獲高を記録するなど、有数の淡水漁場だった。また、「養殖基地」としても重要な水系だ。

  しかし近年、工場汚水の排出量が急増している。03年の汚水排出量は123万トンだった。このことが生態系に大きなダメージを与えている。

  昔を知る人々は、「水がきれいだった頃、川には魚があふれていたものだ。生活も川に頼っていた。しかし、今は水も飲めない、魚一匹を見るのも難しい」と嘆き顔だ。

  漁業の不振により、漁師の「商売替え」も目立つ。「魚が捕れないから食べていけない」「養殖をやるために池を掘っても、汚水がしみこんでくるから駄目」などの理由から、出稼ぎに行く人が多い。

  流域沿いの家庭の食卓も変化を見せている。多くの人が淮河産の魚を嫌い、他地方で捕れたものを利用している。また、医者も「重金属や鉛などに汚染された魚はガンを引き起こす。決して食べてはいけない」と警告を発している。

  阜陽市水環境監督管理センターの王揮・技師は、「淮河の水質は、五段階で表示される数値のさらに下を行くレベルだ。工業用水や灌漑用水にも利用できない。残念ながら、自己浄化能力をすでに失っている」と語った。


>地元の漁民でさえ、「捕った魚を食べる勇気はない」と敬遠する

>「養殖基地」としても重要な水系

>「重金属や鉛などに汚染された魚はガンを引き起こす。決して食べてはいけない」


  この部分を読んだ後、●こちらのリンクの文章を読んでみて下さい。

>20世紀の後半,巨大な水産動物タンパク資源が中国の内水面域に出現したと
>言っても過言ではありません。FAOでは中国の淡水魚の伸びを根拠に
>2010年には世界の漁獲量の25%を,世界の養殖魚生産量の65%を,
>淡水魚が占めると推定してます。


  安い値段で提供されている白身魚のフライや「フィッシュバーガー」の類は、あまり口に入れない方がいいようです。

  立て続けにいろんな記事を引用してきてしまいましたが、まとめるとこんなところでしょう。

▲中国は極端な水不足に見舞われている
▲大半の河川の水は汚染されており、飲用には耐えられない
▲そのせいで、農産物の収穫が減少するおそれがある


  これらを総合すると、出てくる結論は一つしかありません。今後中国は、世界中の小麦を中心にした穀物を買いあさるという行動に出るということです。
  現在でさえ、中国は食料自給率が95%しかありません。「しかありません」と書くと、「日本は40%しかないじゃないか」と言い出す人もいるかもしれませんが、中国の人口は公称で日本の10倍です。日本に直すと、食料自給率の半分に相当する食料が不足しているのです。これがさらに1~2%減少しただけでも、世界的な穀物市場の需要が逼迫することは目に見えています。
  頼みにしている南水北調プロジェクトも、公共事業としての役割は果たせるのでしょうが、水資源の偏在という現象を解決することにはならないでしょう。「人々の想像をはるかに超えている」ほど汚染された水がやってきて、喜ぶ人はいません。
  前回の記事で紹介した「大学生を干ばつ対策で河南省に派遣する」というのは、そういう中で出てきた「対策」なのです。つまり、もう中国には打つ手がないのです。だから、お為ごかしをして国民のめを少しでもそらそうとしているわけです。

  ではそもそも、どうして、こんな状況になってしまったのでしょうか?

  長江のことを書いた記事の中で、中国の当局者が、

>現状を招いたのは、すべて人間の手によるもの

  ということを言っています。
  全くその通りなのですが、ではその「人間の手による」汚染を中国が解決できるのかというと、99%無理だというのが私の考えです(なぜ1%の可能性があるのかは、次回述べます)。
  もう1回続けて、このシリーズを締めくくります。それでは、次回をお楽しみに。

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2009.02.18(Wed)

最後の成長神話、終わりの始まり(1) 

  私は以前「ネット右翼」だったということは再三申し上げていることですが、その頃の私が見たらコーフンしそうなニュースを見つけました。

「2009年の成長率は8%」中国の温家宝首相、ダボス会議で演説
http://sankei.jp.msn.com/world/china/090129/chn0901290847000-n1.htm

 中国の温家宝首相は28日、スイスのダボスで開始した世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)で演説し、中国が「大々的な影響」を受けた経済危機に対処するため、「新世界経済秩序の樹立」を呼びかけた。
 温首相は「中国の今年の経済成長率は8%を維持すべきだと考えている」とも述べ、高率な成長率維持に期待感をにじませた。そのうえで8%の成長率は「野心的目標」と述べ、実現が困難との認識を示した。
 国際通貨基金(IMF)が28日に発表した予測では、中国の経済成長率は6・7%としている。中国は08年に6年間、維持してきた10%台の成長率から初めて9%台に後退した。
 首相は約2500人の世界の政財界人が参加する会議に特別招待された。ダボスでは中国の対チベット政策に反対する人権グループなどがデモを展開したため5000の警官が厳戒態勢を敷いた。


  「中国には独自の技術がない」とか「所詮外国資本に頼った経済だ」などということがよく言われます。そして、中国の経済は、昨今の「金融恐慌」で傾くと思っている(もしくは、思いたい)人は少なくないことでしょう。

  しかし、考えが甘いと言わざるを得ません。温家宝がいう数字はどうか分かりませんが、中国はおそらく今後も経済成長を続けます。

  なぜかといえば、今後さらに進行すると予想される世界規模のデフレ不況のもとで、近代的な経済システムを回していくには、中国製の安い工業製品が絶対に「必要」だからです。
  まずご覧頂きたいのが、とある世界的な組織の悲観的な予測です。

09年、先進国はマイナス成長に−IMF、世界経済見通しを下方修正
http://www.jetro.go.jp/biznews/world/4918d4317b4a8

 IMFは11月6日に「世界経済見通し」を発表した。2009年の世界の実質GDP成長率を10月の発表から0.8ポイント下方修正し、2.2%と予測している。また、09年の先進国の成長率予測もマイナス0.3%と下方修正した。途上国の成長率は、商品市況の急速な悪化による資源輸出国の成長鈍化と、一部の国の金融環境の悪化によって、5.1%と前回予測から1.0ポイント引き下げた。

<世界全体の成長率は2.2%と予測>

 IMFはわずか1ヵ月で下方修正を迫られた背景として、a.金融危機の影響が世界経済に急速に波及した結果、先進国の需要が前回の想定以上に鈍化している、b.先進国の需要が減少した結果、商品価格が急速に下落し、資源国が打撃を受けている、c.金融危機の影響で信用の低下した一部途上国で資金の流出が進んだ、といった点を挙げた (2008年10月17日記事参照)。2.2%の世界経済成長率は、ITバブルが崩壊した01年以来の低水準となる。

 IMFは、現状では世界経済の見通しは異例なほど不確実で、金融危機がさらなる下振れリスクとなり得ると述べている。他方、これまで各国で導入された財政政策や金融政策の効果は限定的であるものの、今後の追加的な財政出動や金融緩和などの政策によっては、世界経済の後退をある程度食い止めることができるとも指摘した。

<先進国のマイナス成長予測は初めて>

 主な先進国・地域の09年の成長率予測は下方修正の結果、米国がマイナス0.7%、ユーロ圏がマイナス0.5%、日本がマイナス0.2%と、それぞれマイナス成長に転じる見込みだ(表参照)。金融危機の影響は、前回10月の分析時点よりも深刻かつ長期化すると見込まれており、米国では金融資産が減少した家計の消費抑制や企業の投資活動の減速が続くとみている。ユーロ圏も、米国とともに金融危機の影響が続くとの見通しだ。日本も先進国需要の減少で、成長を牽引してきた輸出の減速が見込まれる。先進国の成長率がマイナス0.3%と、通年でマイナス予測されたのは第2次大戦後では初めてとなる。

    IMFの世界経済成長予測


  中国のところを見て下さい。多少数字は減ったとはいえ、どの国よりもGDPの成長率予測が高くなっています。
  IMFの言っていることだから信用できると言うつもりはありませんが、世界経済を支配している人びとが今後の世界をこういうことを前提として動かしていくという宣言をしているのだと思えば参考にはなります。要するに、先進国はデフレになってもらい、まだまだうまみのある中国には引き続き成長していってもらおうということです。
  そういう状況下でも、まだまだ中国と先進国との間には購買力の差があります。それぞれの国が国内向けの需要を減らしている以上、その購買力水準の差を利用するのが一番「もうかる」方法です。
  誤解されると困るので断っておきますが、私がそういう状況を望んでいるわけではありません。そういう作業を通じて、企業利益を拡大することが今の経済の常識になってしまっているということです。
  たとえば、消費者が国産を望んでも、容赦なくチュウゴク産が入り込んできています。さすがに表だってチュウゴク産だということを謳う食品はありませんが、外食や加工食品ではそうでもしないと利潤を生むことが難しいのが現状です。
  それに、食品でなくても、身の回りに中国製の工業製品はたくさんあります。この前私が都心のデパートや量販店で、キッチンタイマーやストップウォッチを探したら、三軒の店の全てのタイマーやストップウォッチが中国製でした。ひとつくらい日本製があるだろうし、あったら高くても買おうと思っていたもくろみは完全に外されました。
  なにも、ストップウォッチやキッチンタイマーを作っている企業は、別に日本の消費者に嫌がらせをしたくてやっているわけではありません。企業の論理からすれば、中国と日本の購買力の差を利用するのが最も合理的だからです。この辺の事情は、アメリカでもヨーロッパでも、たいして変わらないでしょう。

  そうなると、世界中がずぶずぶとデフレの海に沈んでいき、相対的に中国が浮かび上がる。その上、超大国であるアメリカが没落すれば、●この記事でも取り上げたような海洋進出政策が功を奏し、中国は台湾海峡からペルシア湾に至るシーレーンを確保する・・・という恐れを抱いている人もいるかもしれません。
  日頃何かと「チュウゴクは脅威だ!」と叫んでいる連中の奥底には、中国は自分たちより劣等でなければならないというコンプレックスがあるので、少し自分たちが望まないニュースが出てくるだけで、この世の終わりみたいな騒ぎ方をするのでしょう。

  私は正直中国や朝鮮を叩くのはもうどうでもよくなっていますが、この件に関しては自信を持って断言できます。

  もうしばらくすれば、中国は勝手に自滅します。

  ・・・と、ここで終わりにしたいのですが、あんまり思わせぶりに締めくくるのはなんなので、一つ面白いニュースを取り上げておきましょう。なぜこれを取り上げたのかは、次回詳しく述べます。
  

「干ばつ対策青年突撃隊」が活躍―河南
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0205&f=national_0205_008.shtml

 全国的に干ばつの被害が広がる中、河南省温県南張羌鎮では3日、大卒の「村役人」たち小麦の水やり作業を行った。

  中国では近年、大学新卒者を「役人」として農村へ招く試みが行われている。温県では約250人の卒業生が春節休み明け早々、「干ばつ対策青年突撃隊」を組織し、春節帰省で人出が足りなくなっている農家へ出向き、水まきなどを手伝っている。


  では、みなさん、次回をお楽しみに。

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EDIT  |  01:11 |  米中ダブル崩壊  | TB(0)  | CM(7) | Top↑
2008.04.20(Sun)

【世界激変】米中ダブル崩壊の日は来るか(6)~一粒で二度おいしい「戦争」 

  ●前回の続きです。アメリカが戦争で経済を立て直すとはどういうことなのかについて述べたいと思います。

  戦争というのは、みなさんもすぐイメージが浮かぶと思いますが、弾丸が飛び交い、建物が爆破されたり、人が死んだりするやつです。できることなら、巻き込まれたり、当事者になったりしたくはないと思っている人がほとんどでしょう。
  しかし、その戦争には「需要創出」という大きな効果があるのだといったら、驚く人も多いかもしれません。戦争が起きると、ものが売れたり、失業者が減ったりするのです。
  戦争による需要創出には、二つの側面があります。

(1)軍需の増大

  戦争向けにたくさんの物を作ることで、需要が拡大するということです。たとえば、戦闘機を1機作ることになったとすると、それぞれの部品(機械工業)、外側の装甲(鉄鋼業)、コクピットのガラス(窯業)やパネル(プラスチック=石油化学工業)といったように、様々な工業製品を用いることになります。そうだとすると、戦闘機が作られれば作られるほどそれらの工業に発注される仕事が増えるわけです。
  それだけでなく、軍隊が消費する消耗品もたくさん売れます。衣類、食料品、工具、それに陣地や宿営に用いる資材などです。そう考えると、戦争というのは巨大な消費活動ということもできそうです。
  我々の日本も、朝鮮戦争(1950~53、現在停戦中)の期間中、アメリカ軍の軍需物資によって特需が発生し、これが復興を早めました。冷戦をうまく利用して漁夫の利を占めたわけです。もっとも、非武装を盾に経済発展に国力を集中させるという作戦がうまく行きすぎて、結局今に至るまでいびつな形の軍備をせざるを得なかったわけですが・・・。
  ●以前の記事で、アメリカの全就業人口のうち、製造業はたったの13%だという話をしましたが、その製造業の多くがこのような軍需に携わっています。軍事技術は国の安全保障に関わりますから、外国企業に任せるわけにいきません。そういうことで、軍需産業だけはしぶとく生き残ってきたのです。
  もちろん、そういう需要は税金で作り出されています。「公共事業」という形でも可能なのですが、たとえばダムや道路の工事には地形や物理的な制約があるので、そこまで多額のカネを使うことはできません。また、アメリカも昨今の日本同様、公権力による支出には非常にうるさい国なので、単なる公共事業では税金の使用を正当化できないのです。
  アメリカで、いわゆる9・11(同時多発テロ)以降のアフガニスタン・イラク戦争にかかっている戦費は約3500億ドル(36兆円)にもなります。東京都にある電柱を全て地中に埋めても3兆円で済むそうですから、相当大きな需要が生まれたことになります。
  不謹慎な言い方ですが、軍需産業にとっては、テロリスト様々なのではないでしょうか。

  また、単純に「軍人」という形で失業者を吸収することもできます。日本では、朝鮮戦争の途中に、アメリカの支持で日本に「警察予備隊」(75000人)と「海上保安庁」(8000人)がt作られたおかげで、かなりの失業者を吸収できました。特に、戦うことが仕事で、復員が難しい元来の職業軍人の多くが再就職先を見つけることができたといえます。

(2)復興需要

  戦争によって攻撃を受け、荒廃してしまった相手国を「復興」させるために、援助や支援金としてつぎ込まれるお金で、仕事を作るということです。(1)が主に製造業なのに対して、こちらは主に建設業が中心となります。
  この原型は、第二次世界大戦にあるということができます。二度の世界大戦直前の世界は、結局各国の工業力が発展して過剰生産状態になっていたので、もうこれ以上物を売れる状態ではありませんでした。だからこそ、日本は大陸に、ドイツは東方に活路を求めたのです(それ自体が妥当だったどうかはここでは問題にしない)。
  そして、それらの国々と連合国の間で激戦が行われ、日本やヨーロッパは焦土と化しました。しかし、これによって建設や機械製造の需要が生まれたのです。もともと建物があったのを解体屋に壊してもらって再築するのでは正当化が容易ではありませんが、焼け野原になってしまった場所に新しく近代的なビルを建てるならほとんど問題はありません。
  このやり方で一番合理的なのは、戦争を仕掛ける政府と、それによって焦土となった国の復興事業を受注する企業がグルになることです。自国の税金で足りないなら、他の国に「復興と平和のために」といってカネを出させれば済む話です。
  そうやって金儲けをしている会社が実際にあります。アメリカの建設会社「ベクテル」(詳しくは●こちらのリンクを参照)です。ベクテルは日本の戦後復興や湾岸戦争後のクウェートの復興事業やサウジアラビアの公共事業を手がけた大手ゼネコンでもあります。
  「実際に役に立つ公共事業をやるならいいじゃないか」と言われる方もいるかもしれませんが、そのベクテルが最近やったことがこれです。

イラク:希望を失わせるベクテル社の撤退
http://www.news.janjan.jp/world/0611/0611235207/1.php
--------以下引用--------
 米国の巨大建設企業ベクテル社がイラクからの撤退を決定した。多くのイラク人は裏切られたという思いで、イラク再建のわずかな望みも失われたと考えている。イラク共産党員の1人は「サダム時代の方がましだった。アメリカは石油の略奪とイラク人の殺害しかしなかった」とIPSの取材に応じて語った。

 ブッシュ政権に近いベクテル社の幹部は先週、戦火により荒廃したイラクでの業務を終了すると発表した。同社は23億ドルのイラク復興資金を受け取りながら、着手した仕事のほとんどを終了しないままイラクから立ち去ろうとしている。

 イラクの状況はすべての社会基盤に関してサダム・フセイン支配の頃よりも悪化している。電気は1日平均2時間しか使えない。失業率は70%。68%のイラク人は安全な飲料水を手に入れられず、下水道を利用できるのは19%だけだ。英国の医学雑誌ランセットは、イラク侵攻・占領の結果65万5,000人以上が死亡したと推定している。

 医療NGOのMedactによると、診療所の建設が進まず、簡単に治療できる下痢や呼吸器系の病気で多くの子供たちが命を落としている。142の初期治療の医療施設を建築する2億ドルのプロジェクトは、わずかに20施設を建築しただけで資金が底をついた。

 電気が不足して石油の需要が高まっているにもかかわらず、石油産出国イラクで石油が手に入らない。「莫大な金額がつぎ込まれているはずなのになぜ電気事業の復興が進まないのか」と電気省の技師は嘆く。電気省の2人の大臣は汚職で告発されている。

 ベクテル社はチェイニー副大統領が勤務していたハリバートン社などと同様に、最初に有利な条件で復興事業を請け負った。こうした巨大企業は事業契約を中小の会社に売り、それがさらに下請けに売られて、実際に安値で請け負うのは経験不足のイラクの建築業者なのでまともな仕事はできない。
--------引用以上--------

  実際の工事は下請けに丸投げし、面倒になったらカネだけもってトンヅラ。まるでヤクザです。
  ベクテルの前では、道路族だの土木利権だのといった、日本の公共事業がかわいく見えるほどです。実際、日本の土木利権は受益者が地方に住んでいる日本人ですから、やり方はよくないにせよ、一応お金が循環するようになっていますが、ベクテルのイラク復興事業はそれすらありません。強盗でもここまでひどいことはしないでしょう。
  以前であれば、こういうところにアメリカ製の工業製品や建材なんかが持ち込まれたり、アメリカ人が設計や現地での技術指導にかり出されたりして、国民も需要増大の恩恵にあずかれたのかもしれません。しかし、イラクでのベクテルの例を見ると、政治家と政商が癒着しているだけなので、あまり需要の創出効果はなさそうです。
  イラク撤退の声がアメリカで高まっているのは、イラク統治が一部の資本家を肥え太らせるだけで、アメリカ国民にとって何の恩恵もないことがばれたからなのでしょう。ベクテルとブッシュ政権がもっとアメリカ人に富を分配するように心がけていれば、イラク撤退は延びていたかもしれません。
  もちろん、単純に戦時体制で窮屈な社会に嫌気が差してきたということも言えそうですが・・・。

  このように、アメリカは経済が行き詰まると戦争で需要を創出し、これによって製造業や建設業を生きながらえさせてきたわけです。
  一番最近では、9.11事件に端を発する「テロとの戦い」、言い換えるとイスラム文明に因縁をつけて戦争状態を作り出すことで軍需を創出してきました。それにも関わらず、アメリカドルは暴落しています。
  その理由は、もはや効果的に戦争需要を作り出せる相手がほとんど存在しないからです。たとえば、アメリカに何度も非難されているイランですが、相当手強く、勝つとしたら核攻撃くらいしか手段がなさそうです。それに、1979年のイラン革命まではアメリカの友好国だったほどですから、地政学的に見て大きな利害対立もあるわけではありません。
  それでも、何らかの形で戦争による軍需創出は続いていく(次回以降の記事で詳述)はずですが、それがもはや投資対象としてのアメリカの魅力を大きく高めるということはないでしょう。
  
  結局、今のアメリカというのは、「基軸通貨であるドルの造幣」「デフレ経済のもとで世界中からかき集めた投資」「時折もたらされる戦争特需」という三つの方法でなんとか生き延びているだけの国、いうなれば、自転車操業ならぬ「一輪車操業の国」だったのです。ブレトン・ウッズ体制の崩壊以来、いつもヨロヨロヨタヨタしていて、少しバランスを崩すといつ倒れてもおかしくない状態で、ここまでやってきたのです。
  別に私は「反米」だから、希望的観測でこういう記事を書いたのではありません。アメリカにまつわる出来事や事実を拾っていくと、そういう結論しか出てこないのです。マスメディアが断片的に拾ってきたイラク戦争の報道にいちいち反応している反米アホ左翼と一緒にされては迷惑千万です。
  今世界的にドル安になっているのは、そういうアメリカの危ない体質がごまかしきれなくなってきたことが明らかになってきたからでしょう。もしかしたら、アメリカの飼い主だったドラキュラ自身が、怪物くんに見切りをつけ始めたのかもしれません(何のことか分からない人は●こちらの記事を参照)。

  それでは、アメリカはいつ崩壊するか?という話になりそうですが、その前に、次の記事では、アメリカの最愛のパートナーである中国の現状について詳しく述べたいと思います。

【参考】

ルース・チェンジ(日本語版)
http://video.google.com/videoplay?docid=4377032998245988095&hl=en

  9.11事件をテロリストの犯行だと思っている人は、騙されたと思って見てみてください。

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EDIT  |  00:16 |  米中ダブル崩壊  | TB(1)  | CM(12) | Top↑
2008.04.09(Wed)

【世界激震】米中ダブル崩壊の日は来るか(5)~金融国家アメリカの綱渡り 

  これまでの流れをまとめておくと、

  ブレトン・ウッズ協定によってドル基軸体制が完成→日本や西ドイツが産業競争力でアメリカを脅かす→アメリカが「世界的デフレとそれに伴う金融国家化」という戦略に変更→米中国交回復・中国の輸出超過で世界がデフレ化

  という感じになりそうです。そして、金融国家となったアメリカは、世界中の優良資産を買いあさり、ドルを垂れ流して中国に物を作らせて「繁栄」を享受しているというわけです。

  このやり方の欠点は、世界的なデフレはアメリカ自身をも直撃するということです。しかし、デフレそのものを克服するような政策をとれば、金融中心経済の強みがなくなってしまいます。
  そこで、アメリカは一貫してデフレを前提にした社会構造の変革を行うようになりました。その一つが、前回紹介した「第三次産業(サービス業)へのシフト」だったのです。

  最近分かったのですが、アメリカの政治・経済を理解するときには絶対押さえておかねばならない鉄則があります。それは、以下の二つです。

(1)アメリカはグローバリストの利益追求のための道具となっている
(2)しかし、(1)を知られてはならないので、恒久的に選挙対策を打たなければならない


  (1)は70年代から始まる産業の空洞化、そして80年代の金融中心経済への移行に現れています。利益を極大化するためには、雇用の減少などの国民の不利益を顧みないグローバリスト(詳しくは●こちらを参照)の性格そのものです。歴代の政権に、ゴールドマン・サックスやメリル・リンチといった金融企業の役員が参加したり、逆に政権から「天下り」したりしている事実を見ても、間違いないでしょう。
  しかし、そういう実態を国民が知ってしまうと、グローバリストをアメリカから追放しろという運動が起こりかねません。ただでさえ、グローバリストの側には「ユダヤ人」という叩かれやすい人々がたくさんいますから、いったんばれたら混乱は必至です。
  そこから目をそらすには、選挙民に利益を与える、もしくはそういう風に見せかける必要があるのです。それが選挙対策ということです。デフレを国民に「感じさせない」というのも、これに含まれます。
  そして、この(1)と(2)は、本当は両立しない命題なので、やろうとすると様々な問題が起こってきます。それが、アメリカの政治や外交をおかしくしている原因です。
  
  では、サービス業へのシフトと並んで、アメリカが選挙対策としてやってきたことは何か。今回取り上げておきたいのは、「投資バブル」です。

  投資というのは、企業に活動資金を与えることです。企業が発行した株を買ったり、お金を貸したりすることがその典型です。
  この投資には、大きな効用があります。それは、輸出してカネを儲ける方法(貿易黒字)によらずに需要を創出することができる点です。
  本来、投資というのは、なんらかの形でカネを出した人に返さなくてはならないものです。そのお金を、あたかも実収入のようにして、設備投資や従業員の給料の支払いに充てることができるということです。
  たとえば、アメリカで「これからはIT(情報技術)産業が盛んになる」という評判が高まったとします。これは儲かりそうだ、ということで、アメリカ人も含めて、世界中の人がアメリカのIT企業(たとえばマイクロソフトやアップル)の株を買うでしょう。
  そうすれば、そのIT企業は事業拡大のために、人を雇ったり、新たなオフィスのためにパソコンなどの事務機器を購入することになります。これで失業率が減り、事務機器のメーカーの売り上げが上がります。そうなると、そのメーカーの従業員も給料が上がったりするわけです。
  こうすれば、他人に物を買ってもらう苦労をしなくても、簡単に国民を養っていけるのです。「外国から投資を呼び込め」という風にさかんに主張している人が言いたいのは、要するにこういうことです。
  しかし、万が一儲からなかったらどうするのでしょうか?心配ありません。そういうときのために、投資には便利な殺し文句が用意されています。それが「自己責任」というやつです。
  要するに、企業に投資するというのは儲かるときもあればそうでないときもあるから、儲かりそうな企業に自分の責任で投資しようね、ということです。そうすれば、たとえある企業の業績や、ある国の経済が急落したとしても、自分の見る目がなかったということになるのです。

  え?それって要するに「詐欺」じゃないのかって?

  はっきり言ってしまえば、そうです。投資というのは、一種の詐欺です。うちにお金を出せばこんなに儲かるよ、と、投資家を呼び込んでも、その企業が成功するかは誰もわかりませんし、多くの場合事業というのは失敗に終わるからです。
  それでも、多くの企業が成功するための条件というのはあります。それは、その国の総需要(要するに国民が物を買うための金)が拡大し続けることです。言い換えると、投資が成功する可能性が高いのは、国自体が本当に儲かっている場合だけなのです。
  しかし、アメリカは輸出でもうけるという道をほとんどあきらめてしまっている(完全に、ではない。次回に詳述)国だったはずです。いまさら、貿易黒字を増やすわけにはいきません。では、どうすれば詐欺師の烙印を押されずに済むのか。

  その方法は一つしかありません。常に「投資バブル」を起こし続けることです。

  バブルというのは、泡のことです。実体を大きく超えて、泡のように経済がふくらむことをバブル経済などと言ったりします。投資がたくさん集まってくると、それを使って需要を増やすことができますから、その国の経済が強くなったように見えるのです。
  アメリカの最近政権を見てみると、必ず一度はバブル経済が起こっています。アメリカの様々な業種の企業500社の株価動向を反映した「S&P500」という価指数の推移を見ながら、確認してみましょう。

S&P500


  こうしてみると、1980年代から上昇が始まっているのがよくわかるのではないでしょうか。それ以前の時期は、インフレ率を考えると株価はほとんど変わっていません。非常に対照的です。

  まず、1980年代後半に大きく株価が上昇しているのがわかります。共和党政権(レーガン・ブッシュ父)の下で、アメリカが金融中心経済に変わっていった時代です(●本シリーズ3回目の記事を参照)。この時期は日本でもバブル経済でした。アメリカにもかなりのジャパンマネーが流れ込んでいます。それだけ、アメリカの金融に制約がなく、リターンが多く見込めたということです。
  次に、1995年から急上昇がきています。これは、民主党(クリントン)政権時代の「ITバブル」です。みなさんの周りで、急にパソコンが目につき始めたり、インターネットという言葉が聞こえ始めたりしたのは、この時期だったはずです。
  この時期には、「アマゾンドットコム」のように、インターネットを使った新しいタイプの企業が出始めました。それらの企業は業績が必ずしもよかったわけではありませんが、これから期待できるということで株価が上がり続けました。企業としても、株式を発行して資金を調達しやすい環境だったというわけです。
  だめ押しとして、アメリカはこの時期一貫して金利を高くする政策をとっていました。インフレ懸念ということですが、要するに国債だとか貸し付けに高い金利がつくようにして、投資を呼び込んでいたのです。その時期に、アメリカを脅かす唯一の存在だった日本が実質ゼロ金利政策を実行していた(というか、アメリカにさせられていた)こともあり、アメリカは世界中の投資マネーを一手に引きつける存在になりました。  

  さらに、2000年代中頃に入って再び上昇に転じているのは、「住宅バブル」です。ここで出てくるのが例の「サブプライム・ローン」というやつです。
  サブプライムというのは、プライムレート(優遇された金利)にはできないが、その一つ下という意味らしいです。金利を一定期間据え置きして、何年かしたら(普通のローンより高い)利息を払い始めるという形になっていました。もし、利息を払えなくなっても、建てた家と土地を抵当に入れているので大丈夫というわけです。もしもの時も安心、ということで、低所得層でも利用者が増えました。
  他方で、金融機関はサブプライムローン利用者への債権を証券化して、いろんなところに売りさばくということもやっていました。「据え置き期間が終わったら高い金利が取れるから、利回りのいい商品ですよ」という風に宣伝していたそうです。
  ちょっと考えてみると分かりますが、「低」所得層が高い金利を払えなくなる可能性は非常に高いわけです。じゃあ抵当に入っている家を競売すればいい、といっても、家が高く売れなければだめなわけで、住宅価格が上がり続けない限りは必ず破綻する運命です。それがサブプライム・ローンだったのです。

  永久にあがり続けることを前提として、活発な投資が行われる・・・典型的なバブル経済です。日本でも、土地の値段が永久に上がり続けると言われていた時期がありました。しかし、やはり破綻しました。
  はっきり言えば、投資で経済を回すというのはそういうものなのです。どこかから利益をとってくるわけではないのですから、実体などはじめからありません。
  困ったことに、投資バブルには必ずバブル崩壊というものがあります。上のS&P500の推移を見ていただくとよく分かりますが、レーガン=ブッシュ時代は1987年、ITバブルは2002年に急落しています。最近では、住宅バブルもサブプライム・ローンの焦げ付きで崩壊し始めています。
  おそらく、アメリカの株価は今後2年ほど下がり続けるでしょう。アメリカが本当の意味で経済を立て直すまで、下げは止まりません。

  しかし、アメリカにそんな秘策があるのでしょうか?

  あるとすれば、一つは、再び投資バブルを起こすことです。投資というのは、先行きに対する期待感で成り立っている側面が大きい分野です。今はサブプライム・ローンで大騒ぎになっている余波が来ていますが、そのうちそういうニュースが聞こえなくなり(あるいは、意図的にロイターやAP通信が流さなくなり)、新しい投資ネタが出てくるかもしれません。
  もし株でもうけたいな、と思っているひとは、日本語ではなく、英語でアメリカのニュースをチェックすれば、そういう動向をすぐにつかめるかもしれません。日本で本格的に「アメリカでは今○○がいい」などと言われ始めるのは、向こうの企業や金融機関が日本の馬鹿な投資家をカモにするための餌です。それを信じるよりは、まだアメリカ国民向けの餌に飛びついた方が少しは儲かるからです。
  しかし、はっきり言っておきますが、私はもうそういう期待はしない方がいいと思っています。もうそろそろ、アメリカの金融中心経済も限界が来ているのではないかと思うからです。

  実は、もう一つアメリカが経済を立て直せそうな方法があります。

  それは、

  「戦争」

  です。この点に次回は触れてみたいと思います。

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