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2011.11.17(Thu)

【TPP問題】アメリカの「新封じ込め政策」は成功するか(その1) 

米海兵隊、豪北部駐留へ 中国けん制
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2011111702000021.html

オバマ米大統領は十六日、就任後初めてオーストラリアを訪問し、首都キャンベラでギラード首相と会談した。両首脳は会談後の共同記者会見で、オーストラリア北部に米海兵隊を駐留させる方針を発表した。将来的に二千五百人規模にまで拡大させる。最前線で戦闘任務を受け持つ海兵隊を置くことで、南シナ海で海洋権益拡大を狙う中国をけん制する狙いがある。

 米豪両政府によると、来年半ばをめどに二百~二百五十人の海兵隊員を配置し、段階的に増強していく方針。両国空軍の軍事交流も増やす。米国独自の基地は建設せず、オーストラリアの軍事施設を利用する。

 オバマ氏は会見で「われわれは平和的な中国の台頭を歓迎する」と述べた上で「大国には責任も伴う」と強調、南シナ海で周辺国と摩擦を引き起こしている中国に問題解決への努力を促した。

 米国防総省によると、オーストラリア国内の米兵駐留規模は六月末時点で約百八十人。海兵隊はうち二十五人で、本格的駐留は初めてとなる。どこからオーストラリアに展開するかは不明。日本には現在、約一万七千人の海兵隊が駐留している。

 ローズ米大統領副補佐官は十六日、海兵隊のオーストラリア駐留について「日本や他の北東アジアの米軍(の役割)に取って代わるものではない」と述べ、在沖縄海兵隊の移転計画などには影響しないと説明した。

 今年は米豪とニュージーランドの相互安全保障条約(アンザス条約)締結六十周年。両首脳は安全保障面での協力促進を確認したほか、環太平洋連携協定(TPP)を含む通商課題なども話し合った。


この話を聞いて、このブログが最近頻繁に取り上げているTPPに思い当たった人は、なかなか勘が鋭い人だと言えるでしょう。

TPPで、まだ交渉に参加していない(←ここ重要、勘違いしないように!)日本を除いた参加9カ国を見ていると、あることに気が付きます。

2011年11月13日にTPPに大枠合意した9カ国

アメリカ、ペルー、チリ、ブルネイ、マレーシア、シンガポール、ベトナム、オーストラリア、ニュージーランド


フォントを変えた国の共通点に気づくでしょうか。そうですね。この7カ国は、いずれも太平洋の西側(西太平洋)の国々であるということです。

そうなると、TPPという奇怪なネーミングにも納得が行きます。TPPはTrans-Pacific Partnershipという言葉の略称ですが、Transというのは、transit(乗り換え)やtransfer(移行)、translate(翻訳)といった言葉が表すように、「ある方向から反対側の方向へと渡っていく動き」を表しています。つまり、TPPの本質とは、アメリカが西太平洋に支配力を投射することにあるのです。

しかし、オーストラリアとはANZUS、日本とは日米安保があるにもかかわらず、なぜTPPや、冒頭のような海兵隊駐留という動きが出てくるのかというと、アメリカの支配力が劣化し、その分中国の存在感が大きくなっているからです。

そのような現象を、よく表現した記事があります。1年前のものですが、状況は変化していない(それどころか、より症状が悪化している)と思えるので、取り上げてみます。

中国海軍増強があおる東アジア軍拡(ニューズウィーク誌より)
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2010/08/post-1506.php

 東アジアはこの夏、不快な瀬戸際政策の嵐に見舞われている。中国は近年、交易ルートの確保を目指して海軍力を強化してきた。最近は近隣諸国も対抗して軍備を増強しており、中国封じ込めの動きが新たな段階に突入しつつある。

 争いの主な舞台は南シナ海だ。中国、ブルネイ、マレーシア、フィリピン、ベトナムが資源の豊富な島々の領有権を主張。なかでも中国は一歩も譲らない構えだ。

 7月にベトナムの首都ハノイで開かれたASEAN(東南アジア諸国連合)地域フォーラムの閣僚会議で、クリントン米国務長官は中国の艦艇による外国船の航行妨害を批判、領有権問題の平和的な解決はアメリカの「国益」だと述べ、各国首脳を喜ばせた。これに対し中国の楊(ヤン)外相は、クリントン発言を中国への「攻撃」と決め付け、この問題を多国間で協議する案に猛反発した。

 折しも、日本海では米韓合同軍事演習が始まっていた。演習には、韓国哨戒艦沈没事件を受けて北朝鮮に米韓の結束を見せつける狙いがあった。だが艦艇20隻、航空機200機、兵力8000人が参加した過去最大規模の演習にいら立ったのは、中国だった。

 とはいえ、気分を害したのはお互いさまだ。中国は今年になって軍事演習を強化。4月には、中国海軍の艦艇10隻(うち潜水艦2隻)が日本のごく近海を無遠慮に通過したと日本当局は主張している。

■アメリカの影響力低下の現実

 この好戦的な態度に、「平和的台頭を主張する中国の真意をアジア太平洋諸国は疑わざる得ない」と、新米安全保障研究センターのエイブ・デンマークは言う。

 東アジアは海軍増強競争の真っただ中にある。日本は36年ぶりに海上自衛隊の潜水艦を増やす方針を固めた。シンガポール、インドネシア、オーストラリアも新たな艦艇を購入している。中国との「友好の年」を祝っているベトナムでさえ、キロ級潜水艦をロシアから購入。中国がインド洋に侵入することを警戒するインドとの防衛協力を強化しつつある。

 一方、アメリカはアジアの安定を保つ役割と「自国の影響力低下という現実」の折り合いをつける必要があると、アジア協会のチャールズ・アームストロングは言う。中国の周辺諸国も米軍の限界に気付き、遅まきながら「自己主張」を始めたということだろう。



中国の国防費(防衛白書より、脚注など一部省略)
http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2010/2010/html/m1232300.html

 中国は、2010年度の国防予算を約5,191億元と発表した。発表された予算額を昨年度の当初予算額と比較すると、約9.8%の伸びとなり、これまでの水準は下回るものの、依然として高い伸び率を維持しており、中国の公表国防費は、引き続き速いペースで増加している。公表国防費の名目上の規模は、過去5年間で2倍以上、過去20年間で約18倍の規模となっている。中国は、国防と経済の関係について、「2008年中国の国防」において、「経済建設と国防建設を協調的に発展させる方針を堅持する」と説明し、国防建設を経済建設と並ぶ重要課題と位置付けている。このため、中国は経済建設に支障のない範囲で国防力の向上のための資源投入を継続していくものと考えられる。

 また、中国が国防費として公表している額は、中国が実際に軍事目的に支出している額の一部にすぎないとみられていること(※)に留意する必要がある。たとえば、装備購入費や研究開発費などはすべてが公表国防費に含まれているわけではないとみられている。

 中国の国防費の伸び率

※米国防省「中華人民共和国の軍事および安全保障の進展に関する年次報告」(10(同22)年8月)は、中国の国防費について、2009年度の軍事関連支出は1,500億ドル以上であると見積っている。また、同報告書は、中国の公表国防費は主要な支出区分を含んでいない、と指摘している。


>米国防省「中華人民共和国の軍事および安全保障の進展に関する年次報告」(10(同22)年8月)は、中国の国防費について、2009年度の軍事関連支出は1,500億ドル以上であると見積っている。

偵察活動にすら当たらない情報の収集分析すらアメリカに依存しているという、我が国の防衛事情の寒々しさをよく表している部分です。

それはともかくとして、中国のパワーが客観的に見て増大してきているのは事実です。そのパワーの増大が形になって出てきているのが、西太平洋における中国海軍の活動です。

中国海軍艦隊、西太平洋上で演習実施へ(人民日報)
http://j.people.com.cn/94474/7406085.html

 「中国海軍艦艇が沖縄本島と宮古島の間の公海を通過した」との外国メディアの報道について、国防部新聞事務局は今月中下旬に西太平洋の公海で演習を実施する計画を明らかにした。同局は「年度計画内の定例訓練であり、国際法に沿っており、特定の国や目標を狙ったものではない」としている。


ここまでご覧になった方は、「なんだ、このブログは、TPPを中国包囲網かなんかのつもりで肯定しているのか?」とお思いかも知れませんが、そうではありません。客観的に、報道記事を並べているだけです。

もっとも、ここで終わると、単なる中国脅威論を煽るネット右翼ブログと大差がなくなってしまうでしょう。そこで、次回は地政学の観点から、アメリカのこれまでの動きの背景や、今後の西太平洋地域における展望について書いてみたいと思います。

(次回に続く)

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2011.11.15(Tue)

【TPP】戦術は変更されたが、戦略は変わっていない。引き続き警戒を。 

TPP】国益損ねてまで交渉参加することはない 野田総理
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1115&f=politics_1115_009.shtml

  野田佳彦総理は15日開かれた参議院予算委員会でTPP参加について「協議結果によっては参加しない可能性も選択肢としてあるのか」と山本一太議員(自民党)に質され、「協議に入る以上は国益を実現するということ。協議は整うように全力を尽すが、とにもかくにも何でも入るということではない」とし「国益を損ねてまで交渉参加することはない」とした。

  また、「協議に入ったときには(交渉参加を前提にするとか、交渉参加を前提にしないとか)予断を持たない」とし、交渉にあたって「勝ち取るべきは勝ち取る。守るべきは守る。国益の視点で判断する」とした。

  鹿野道彦農林水産大臣は関係国との協議について「交渉参加を前提とするものではないものと理解している」とし、筒井信隆農林水産副大臣は「国益に反するようなことになる場合は参加しないと受け止めている」との認識を示した。


TPPによる一括の治外法権(ISD条項)・関税自主権放棄では分が悪いと見たのか、米国支配層と、その手先である日本の高級官僚たちが、攻め方を変えてきたのではないかという感じがします。

たとえば、このような動きが表面化したことは、その戦術変更の一環でしょう。

米自動車業界団体、日本のTPP参加に反対声明
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20111112-OYT1T00291.htm

米自動車大手3社でつくる業界団体「米自動車通商政策評議会」は11日、日本が環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に参加することに反対する声明を発表した。

 同評議会のマット・ブラント代表は、米国の対日貿易赤字の7割は自動車関連が占める、と指摘。その上で、「日本の自動車市場は先進国の中でも最も閉鎖的だ」と主張し、日本のTPP交渉参加は、「日本に都合の良い通商慣行を正当化し、重要な通商合意の進展を妨げる」と批判した。

 同代表は、米自動車産業はこれまでのリストラで国際競争力を強化し、雇用創出などで米経済の回復の先導役を果たしている、と主張。TPPへの日本の参加は「これまでの努力を危険にさらす」との警戒感を示した。米国では、自動車産業が集積するミシガン州知事や同州選出の上院議員も日本のTPP参加に反対する声が出ている。


これによって、オバマ・野田のTPP推進の動きに一定の歯止めがかかります。そして、同時に、その裏返しとしてのTPP断固反対の動きも鈍化せざるを得ません。

孫子という、古代中国の思想家がこんなことを言っています。

故に上兵は謀を伐つ。其の次ぎは交を伐つ。
その次は兵を伐つ。その下は城を攻む。
攻城の法は、已むを得ざるが為めなり。
(謀=策略、交=外交関係、兵=野戦における敵軍、城=城にこもった敵軍)


少し昔に戻って見ます。小泉純一郎による郵政選挙は、民主主義の手続にのっとってはいるので「兵」レベルでしょう。しかし、それでもなお、オペレーターであるアメリカのコントロールが効かない勢力が伸びてくるというのは、郵政選挙後の自民党の崩壊と、その裏返しとしての小沢グループの隆盛という形で実証済みです。

そして、野田、すなわち、民主党の反小沢=米国傀儡グループの独走により交渉抜きのTPP加入にこぎつけることは、まさに「城を攻む」にあたります。それゆえに「城」に立てこもる反対派から大きな反発を受けています。このまま押し切ろうとすれば、民主党内の従米派は、自民党清和会(小泉・安倍の属した派閥)よろしく木っ端みじんに崩壊してしまうでしょう。

だからこそ、ここで少しブレーキをかけておき、反対派の勢いを殺ぐとともに、国民のTPPに対する抵抗感などを様子見しようとしているのでしょう。まさしく、「謀」の領域です。ソフトで、やり方に工夫が必要ですが、いちばんリスクが少なく、成功したときの効果も大きいのがこの方法です。

こうなると、日本のTPPへの不参加、そして、下手をするとTPP自体の解消ということになる可能性が高いと思っています。その上で、TPPが24の部会に分けてやろうとしていた個別の課題を、オブラートに包んで一つ一つ日本に飲ませていくということも考えられます。俗っぽい比喩をすれば、セット販売で一気に売りさばこうとしていたものを、バラ売りして価格に対する抵抗感をなくさせるようなものです。

しかし、これはあくまで戦術レベルであり、アメリカやその傀儡である我が国の高級官僚、さらにはその傀儡でしかない民主党対米隷属派の「戦略」には変更はありません。

その戦略とはただ一つ、落日の帝国であるアメリカから、まだ生存可能性の高い日本へ、米国支配層が移転を果たすことです。小泉・安倍政権時代に作られた六本木ヒルズや、着工が始まった東京ミッドタウンは、そのような新しいご主人様を迎え入れる摩天楼なのです。そして、同じような時期に、小学校で英語教育が始まったのは、彼らに仕える日本人の育成と、新たな支配層を形成する欧米白人の雇用先確保という狙いがあります。

摩天楼の入居予定者たちを、日本を荒らす特定外来種としてたたき出すか、それとも、甘んじてその支配を受け入れるか。今の日本はその瀬戸際にあります。

引いては攻め、攻めては引くように、「彼ら」は日本に攻撃を加えてくるでしょう。しかし、我々はある意味、対米隷属派(野田、前原など民主党「主流派」や、みんなの党)の主張に全て反対すればいいのですから、やるべきことは楽です。

あとは、そのような抵抗をいつまで忘れずにいるかです。TPPによって一気に日本の「構造カイカク」を進めようとしたように、アメリカ経済支配層は非常に焦っています。だから、粘りに粘れば、先にアメリカの方がボキッと折れてしまうことも十分に考えられるでしょう(もっとも、それによって生じる混乱にどう対応するかは、別途考慮を要する)。

気の長い戦いになりそうですが、がんばりましょう。

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2011.05.29(Sun)

【売国】北沢俊美防衛大臣と主要な防衛官僚はこれを国益に適うと本気で思っているのか 

発行部数の多い新聞が全て無視していますが、重大なニュースが入ってきています。

防衛省、米大使館員を引き抜き キャリア官僚に
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2011052902000032.html
 北沢俊美防衛相は二十八日、在日米大使館政治部安全保障政策課に国務省職員として勤務する木村綾子氏(43)を六月八日付で防衛省の「キャリア官僚」として採用する方針を決めた。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題を担当する課長級の参事官に充てる。

 政府が外国の大使館からキャリア官僚に登用するのは極めて異例。木村氏は日本航空、総合研究開発機構(NIRA)を経て米大使館に転身、主に安全保障政策に取り組んできた。豊富な知識と分析力に米政府内の信頼が厚く、最近はルース駐日米大使と北沢氏のパイプ役も務めている。

 普天間問題は日米両政府が目指す県内移設に地元同意を得られず、米議会から計画見直しを求める意見も出ている。北沢氏は事態打開のため米側の事情に精通する人材が不可欠と判断、ルース氏に木村氏の「引き抜き」を直接申し入れ、了解を取り付けた。


北沢を初めとして、菅内閣の大臣は自見庄三郎・金融担当大臣を除いて全て売国奴だと思っていましたが、ここまで露骨なことをやるとは思いませんでした。

>在日米大使館政治部安全保障政策課に国務省職員として勤務

この前職を見て、

>米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題

新しい参事官が、どんな方向この問題をで「決着」させようとするか、火を見るよりも明らかです。100%アメリカの意向を呑む形での解決を図るに決まっています。

「アメリカは同盟国じゃないのか?」と思う人は、はっきり言って考えが甘いです。

ある国の政府は、その国の利益のため「だけ」に行動します。その利益が、その国家の一部のカネ持ちだけの利益か、薄く広く国民全体の利益かは問いません。とにかく、自分のために活動するものです。

外国を支援したり、援助を行ったりするのも、全てのちのち自国の立場を優位に持っていくための布石に過ぎません。相手の国のためになるように、などと考えているのは日本政府の人間だけでしょう。

これは、いかに強い同盟関係であっても変わりません。アメリカはイギリスに4万人以上の軍隊を駐留させ、イラク攻撃などでも常に歩調を合わせてきています。しかし、イギリスの国防省が、アメリカ国務省で働いているイギリス人を採用し、しかも両国の利害が対立している問題の交渉役するようなことは絶対にないでしょう。

重要な資料やトップのホンネなども知ることが出来る立場に、他国への情報提供者になる危険が大きい人物を就けるなど、まともな政府ならやるはずがありません。

>ルース氏に木村氏の「引き抜き」を直接申し入れ、了解を取り付けた。

当たり前ですが、向こう側が「了解」したのは、そうすることでメリットがあるからです。友好国として交渉がうまく行くように取りはからっている、などと解釈する人は、相当アタマがおめでたいでしょう。ある日突然、「あ、俺だけど」と言う電話にそそのかされて、ATMに大金を振り込んだりしないよう本気で警告しておきます。

いずれにせよ、北沢を初めとする防衛省のトップの連中が、交渉とは名ばかりのご用聞きをやっている有害無益な連中だと断言します。



もっとも、逆のことも考えることができます。

こういう人事をやっても、肝心の防衛官僚が反発しないのは、もうこの木村という外国の細胞を送り込むまでもなく、アメリカの側に日本の防衛上の機密事項などがダダ漏れであり、今更隠すことなどないということの表れなのかも知れません。

普天間基地の移設を謳っていた「反米的」な鳩山政権から生き残った閣僚が、前原と北沢だったということも、多分偶然ではないのでしょう。

私は、日本国政府の官僚については、諸外国と比較して非常に真面目な勤務態度など、一定の評価をしてきたつもりです。

しかし、財務省の気違いじみた財政均衡追求や、一連の検察の暴走、大地震、原発災害へのまずすぎる対応を見て、正直官僚組織を弁護する気が湧かなくなってきました。

そこに来て、外国の大使館で働いていた人間に、防衛事項について交渉する役を任せ、誰もそれに反対しないわけですから、もうこの国の政府機構は「終わった」と思ってよいでしょう。

以前、私は、●「日本人はいちど政治に絶望すべきだ」と書いたことがありますが、その私も何となく日本国政府の官僚には期待をしていたのでしょうね。まだまだ精進が足りないと反省している次第です。

やはり、政府に期待などせず、自分たちができることを地道にやっていった方が良さそうです。

なかなか未来に良い展望を持てない日々が続きますが、気を落とさずに行きたいと思います。


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2011.05.18(Wed)

「日本に国家主権はありません」内閣官房参与が示唆 

今回の記事は、以前からの文体に戻してみます。具合が悪いようなら、また変えます。

米要請で汚染水放出…平田オリザ氏、韓国で語る
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20110518-OYT1T00640.htm

 内閣官房参与で劇作家の平田オリザ氏が17日夜、ソウルで行われた講演会で、東京電力が4月に福島第一原発から低濃度の放射性物質を含む汚染水を放出したことについて「米政府からの強い要請で(海に)流れた」と述べた。

 汚染水の放出は、東電からの報告を受け、政府が了承したとされる。韓国では当時、事前の通報なしに放出が行われたとして、日本側の対応に批判が出ていた。平田氏は「韓国の方々にも大変な迷惑をかけた」とも語った。講演会は、韓国での風評被害防止や日本への観光促進の目的で在韓国日本大使館が主催した。


私は人と感性が違うのか、「劇作家が内閣官房参与になって何すんだよ」というところばかり気になってしまいましたが、ここ最近のこのブログの記事を見ていた皆さんには明らかでしょう。

原発事故をきっかけにして、日本国政府には主権、すなわち、国家を統治する権力はないということが明らかになりました。なにしろ、

・原発事故の対応は首相官邸に常駐するアメリカ人の支持に従っている
・周辺国への予告なしの放射性物質の海洋投棄を、アメリカの支持で行った


これだけ見ても、菅直人やその周辺が国権を発動していると思う人はいないでしょう。「強い要請」に対して、自分の意見を述べて断れないと言うことは、唯々諾々と従っているということですから。

今後、「トモダチ作戦」等押しつけがましい親切の見返りとして、日本国内の権益はどんどんアメリカに切り売りされていくことになるでしょう。少なくとも、今の政権である限り間違いありません。

今の内閣総理大臣閣下は、小沢一郎を叩いて「私はクリーンだ」と言い張るだけで首相の座を維持してきた人ですから、こういうことになるのはある意味当然であり、驚くべきこととは思いません。


それにしても、私が楽しみなのは、野党である自民党がこの何のためにいるか分からない内閣官房参与を、果たして追及するのかということです。

かの政党は、小泉政権以降、いや、もっとさかのぼって、中曽根政権以降、ほぼアメリカの意向に忠実に国内政策を進めてきました。国鉄解体、派遣労働者法制定、有事関連法案、イラク派兵、郵政民営化、枚挙にいとまがありません。

それらの影に隠れていましたが、一番大きな自民党の「貢献」は、日本を核燃料の墓場にするというアメリカの意向の実現でしょう。それがプルトニウムという廃物を利用した「プルサーマル」であり、理論の上でしか機能しない高速増殖炉「もんじゅ」であり、六ヶ所村だったのです。

取り上げたニュース(まさか読売が、とは思ったが)は、明確な国家主権の放棄です。九段下にある例の神社に(わざわざマスコミにPRした上で)お参りしたり、核武装を提案したり、国益の追求に熱心な議員さんの多い自民党は、この一件をどう扱うのでしょうか。

まさか、ネット上の彼らの支持者同様、「アメリカ」という御名が出てきた途端、揃って口をつぐんでしまう…なんてことはありませんよね?

中でも、ことあるごとにヤスクニの英霊を称え、反日勢力と戦うと明言されている稲田朋美議員(福井1区選出)なんて、民主党の売国を追及するのに適任だと思うのですが…まさか●スポンサーさんの意向を汲んでだんまりなんてことはないですよね?


ところで、福島第一原発1号機は耐用年数を超えて、40年もひっぱったそうです。

原発の維持や何やらで頑張っている人たちも、もう耐用年数が過ぎているのでしょう。震災を機に、ボロがどんどん出てきて、核燃料棒並みに有害な連中だということが分かってきました。原発も順次廃炉にすべきですが、そういう人たちもまとめて廃棄してしまういいチャンスだと思います。

最後に、国会議員の中にも、先を見越した主張をなさっている方がいるので、紹介しておきます。

【田中康夫氏会見】エネルギーシフトを東北から 被災者に勇気と希望をhttp://news.livedoor.com/article/detail/5564705/

田中:今回政府が出したスキーム:工程表は、東京電力をどう(救済)するかの工程表ではないか。被災者、被曝者のかたにお金を差し上げるという工程表は示した。しかし、一番大切なのは福島第一原発周辺、もしかするともっと日本の広範囲が放射能によって占領された土地、領土になってしまった。その場所にどうやって住むかということ。

最大の風評被害の発信者は実は政府、東電、原子力安全保安員、原子力委員会なのではないか、だから皆が疑心暗鬼になる。それに対してストレートな一時情報を国民に提供すると逆に混乱が生じると(政府・東電などは)言う。混乱を生じているのは専門家と称する、専門「バカ」の蛸壺形の方々。過去の成功体験に元に、失敗体験に基づいて自分自身の箱の枠から出られない認識の元に述べているから混乱している。

文部科学省がなぜ被曝の数値(公表)に対して後ろ向きかといえば、科学技術庁が文部科学省の中にあるから。旧来の失敗体験のOSの人たちによって行われているから、数値の問題に対しては、経済産業省よりたちが悪い。

(震災の時)私は股関節の手術をして、尼崎の病院に入院中だったが、途中で退院して南相馬市に向かった。被災地で必要なのは衣食住だが、(震災から2ヶ月経った今必要なのは)意欲の意、職業の職、そして住宅の住の「意職住」。

阪神大震災と東日本大震災で異なるのは、阪神では、姫路や大阪圏で復興の仕事があった。(東北では)家族や家を失っただけでなく、職場や会社すらすべて流されてしまった。残っていたとしても放射能の影響で近づけなかったりする。大事なのは、「心を一つにしてガンバロウ」ではない。私は「がんばろう」という言葉は好きではないが、言うのであれば「踏ん張ろう」。一人ひとりがおなかに力をいれて踏ん張ることが大切。

南相馬には枝野官房長官が屋内退避を指示した。建物から出るなというのに、食べ物は自分で調達しろと言う。屋内退避だから、物流も止まっている、誰も行かない。政府は(退避地域に)向かわせる命令を出すこともできるが、そんな命令を出した痕跡はない。

そのあと出たのが自主避難要請。命令や支持ではなく「要請」。命令や指示だと移動の手段や経費を国で持たなければいけなくなる。

これは事業仕分けだ経費削減だという政府の関係者もいたと共同通信が伝えている。まさに首相も官房長官も安全な場所で学芸会を演じているようなものと、避難民の意見も載っていた。

大切なのは地域主権。私も亀井静香の国民新党と会派を組んでいるので、与党の一員であるが、創造的格闘:クリエイティブ・コンフリクトが大事。そういうことを行うのが私のひとつの役目だと思っている。

(中略)

Q:実際にエネルギーシフトが今の状態で出来るのでしょうか? 太陽電池・燃料電池をやるにあたり、実際に電線につなごうとすると経済産業省がストップをかけたり、マイクロ水力発電を作りましょうと、自分の畑の用水路につけようとすると、なぜか農林水産庁が出てくる。そうやって「ダメ」を出す人がすごく多くなってる。

A:あなた自身はどう思うの?

Q:僕自身はエネルギーシフトはするべきだと思っているし、制度がそろえばすぐ出来ると思っている。

A:でしょ? こないだも勉強会でいろいろ聞いたけど、最初から難しいとか言ってたらダメなのよ。皆さん、「地デジ」って何で行ったんですか? 将来的には地デジかもしれないけど、今はやるべきではないと、47都道府県で、長野県知事だった僕だけ反対した。だけど、国策にしてしまえば、白物家電を沢山売るための法律でも通る。やっちゃったでしょ?

太陽電池は1970年代日本は世界一だった。それを国策にしなかったら、中国、ドイツに抜かれた。それを何で悔しいと思わないの? 全部の建物に3年後、5年後までに太陽光パネルを付けましょうって法律を作ればいい。どこの党だって反対しない。大事なことは東京電力という箱を維持しようということではない。石炭産業だって変わって行った。繊維産業だってそう。電気だって、変わっていくことが必要なのに、東電を守ろうと民主党の電力総連から票をもらってる人たちは思っていて、自由民主党よりタチが悪くなっている。

太陽光パネルを付けることによって、シャープや三洋電機などが雇用を生んでいく。福島と岩手と宮城に太陽光発電の事業所を2つずつ、国が一緒に出資して設けましょうと。東北からそういう形でエネルギーシフトしていけば、どれだけ避難所にいる人たちも勇気や希望を抱くかということです。政治家が行うのはそういうことだ。じゃあ、日立や東芝は原発がなくなってどうしようというけど、彼らの会社を維持するのではなくて、日本の産業や雇用を創出するために彼らも転換していけばいい。

筑波大学の渡邉信教授が話してますが、オーランチオキトリウムという藻がある。この藻が、1ヘクタールあたり、年間1万リットルの石油を生成する藻なんです。光合成はしないので、上を太陽パネルで覆っても出来る。たとえば、今回塩水につかってしまった田んぼや畑が2万ヘクタールある。これをどうしようとしてるかというと、土地改良組合という(元自民党の)野中広務さんが会長の団体と民主党が一緒になって、今回の補正予算だけで700億円かけて3年以内に塩を抜く作業をしようとしている。補正だけで700億ですから、今後予算は膨大に付く。国が9割お金を持ち、1割は交付税措置。つまり丸々国が資金を出す。水田の面積は昭和30年代の半分。そして被災地にも休耕田で荒廃農地が沢山ある。自分の土地でまた畑をやりたいというのは情念的にはわかります。でも、その人たちも年老いていく。同じ仙台の中にだって、休耕田はある。そこを国がお金を持って倍にしたっていい。そこで農業をやってもらえばいい。

2万ヘクタールの塩田になったところの塩を抜いたって、ブランドにならない。そこを沼地にして、ラムサール条約に合うような場所にしていく。その沼地でオーランチオキトリウムを繁茂させていけばいい。渡辺教授の試算によると今まで藻でガソリンを作るとリッターあたり800円くらいになったが、実用化していけばおそらくリッター50円とか40円で出来るようになる。市場として日本発の製品になる。奇しくも2万ヘクタールあれば、日本の年間石油消費量と同じだけの生産が出来る。

イギリスも2020年までに7000機の風力発電の風車を作るといっている。ドイツ2050年までに、電力の80%を再生可能エネルギーにすると再転換した。原発大国のフランスもあと10年間で再生可能エネルギーを23%にするという。

菅首相は浜岡原発を2年間止めるといったが、あれは2年後は動かすということ。中部電力はこんなにうれしいことはない。地元だって原発交付金は今までどおり支払われる。止めたことは偉い事だと思います。でもその工程表が何も示されていない。

再生可能エネルギーを組み合わせて電力を確保し、原発を順次止めていく、廃炉にすることも立派な公共事業。そこにお金を使うことも大切なこと。ものづくり日本が活躍するときなのに、相変わらず東京電力という箱だけを守ろうとしている。それは結果として国民が奈落の底に落ちるし、国家が衰弱すると言うことだ。




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2011.05.17(Tue)

トモダチはきちんと選びましょう 

このブログの筆者は天の邪鬼なので、東京電力叩きとか核爆発の危機とか1号機の汚染水とかいった話題はわざと取り上げないで書いてみる(笑)。

 トモダチ作戦継続を表明 米大使、技術支援に力点
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201104290175.html

米国のルース駐日大使は29日、訪問先の仙台市内で共同通信などと会見し、東日本大震災で甚大な被害を受けた東北地方の復興に向けて、「米国の役割は、ここにいて人々を助けること。トモダチ作戦は続いており、米国はできる限りのことをする」と述べ、支援継続の方針を強調した。

 ルース大使は「多くの専門家が福島第1原発事故の解決に向けて協力している」と説明。がれき撤去や行方不明者の捜索などに従事する在日米軍だけでなく、原子力の専門家らも献身的に協力している状況に触れ、今後は原発事故収束に向けた技術支援に一段と力を入れる考えを示した。

 一方、米政府が福島第1原発から半径80キロ以内に住む米国民に避難勧告を出した経緯については、米国内での原発事故発生時の基準に基づいた対応とし、今後放射線量に明らかな変化があった場合は「米原子力規制委員会(NRC)が見極めて判断を下す」と述べた。 原発事故の今後の見通しについては「私は専門家でないので、考えられるシナリオを話す立場にない」と言及を避けた。


>「多くの専門家が福島第1原発事故の解決に向けて協力している」

私が不勉強なだけかも知れないが、この「協力」が一体何をどうしていることなのか、全く表に出てこない。まさか、●前回の記事で取り上げた、「日米連絡会議」なる怪しげな組織がやっている非公開の協議がそれなのだろうか。

外交というのは、憲法上総理大臣が国会に報告すべき事項であり、条約の締結は国会の承認が必要とされている。憲法は、外交問題について、出来る限り民主的なコントロールを加えなさいと言っているのである。それなのに、国民(少なくとも東日本に住んでいる日本人)にとって一番関心のある事柄を、密室で話しあってよいのだろうか。

そういう点について、疑問を呈しているメディアや自称「政治ブログ」、自称「国際関係を扱うサイト」というのを、私はついぞ見かけない。そもそも、日米連絡会議の存在すら彼らは知らないのではないか。

>今後は原発事故収束に向けた技術支援に一段と力を入れる

こういう言葉が外国の政治担当者から発せられた時、真っ先に「どんな見返りを要求されるか」ということを考えなければならない。外交の目的は、自国の国益の維持発展である。それ以外にはあり得ない。アメリカだろうと、中国だろうと、そういうことを考えて日本にいろいろな提案をしてくる。

私はアメリカや中国と言った国の政府をこのブログでさんざん非難しているが、だからといってルース大使に「日本の国家主権に対する干渉はやめろ」などとは言わない。それを見越した上で、どうやっていなしていくか、それが為政者の役目である。何も、喧嘩をすることだけが「戦う」ことではない。(この点では、昭和天皇や吉田茂は、かなり「戦う」人だったといえる)。

とすれば、好意としては受け取りつつも、あとは自分でやるという姿勢を示すことは重要である。何も東京電力や保安院にだけ原発事故処理をやらせろとは言わない。在野の技術者や、良いアイデアを持っている原子力工学以外の分野の専門家の力を結集するとか、いわゆる「御用学者」にハッパをかける(彼らこそ一番の専門家なのだから、最も有効な手段である)とか、いろいろやり方はあるはずだ。

そういうことも考えずに、「日本政府や東電がバカだから、アメリカが頼りだ」などと書く人間は、日本人としての誇りや矜持など欠片もない奴隷根性の持ち主である。少なくとも、「私は日本を愛している」とか「国益を重視する」などとネット上で表明する資格はないだろう。

正直、私は果たして今回の原発事故が収束可能なのか、いつになれば福島県浜通り地方が元通りの生活を取り戻せるのか、そういったことは全く分からない。

ただ、そのような危機的状況すら、自分たちの利益になるように「活用」している勢力がいるということは忘れずにいるべきだと思う。農作物の放射性物質汚染の話が出てきたら、やっぱり●TPPを推進しろという馬鹿なメディアが出てきた。このメディアが、40年ほど前に原発推進キャンペーンを実行していたことは、偶然ではない。(興味があれば、「ポダム」とか「正力 原発」というキーワードで検索をしてみるとよい)

こうやって、弱みにつけ込んで自国の国益を達成しようというのが「外交」である。

国際社会などというものは、性悪説しか通用しない社会なのだと言うことを、こういう苦しい状況でも忘れないことが大切だろう。特に、政治家や外交官と言われる人たちにとって。


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